JPH0710582Y2 - 椅 子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は椅子に関し、詳しくは、構造、安定性及び調節
性において改善されており、組立て及び分解が容易であ
る椅子に関する。

従来の技術 第１図に示すように、従来より知られている椅子４は、
例えば、キヤンバスのような柔軟な材料からなるシート
部材41と、このシート部材を支持し、又は展開するため
の支持部材43とを備えている。この支持部材は、ステン
レス鋼や樹脂からなる三本の剛性の管状の脚44と、これ
らの脚の中央部を束ねて軸支するホルダ45とを有してい
る。

上記ホルダ45は、前記脚45を受容するための三つの孔を
均等に有する剛性の板部材からなり、上記孔は、前記脚
44の支点として作用するものであつて、前記脚44の端部
を外側に拡げれば、その下端部にて椅子４を安定に位置
するための基部を構成させることができる。従つて、椅
子を組み立てるには、脚の上端部にループその他適宜の
保持具にて脚の間に取付けられているシート部材を展開
すればよい。

しかし、このような従来の椅子は、不安定であり、外観
及び機能が速やかに悪くなる欠点を有している。そこ
で、本考案者は、従来の椅子における上記した欠点を改
善した椅子を考案した。

考案が解決しようとする課題 従つて、本考案は、上記した従来の欠点を改善した椅子
を提供することを目的とする。

更に、本考案は、特別な道具を用いることなく、容易に
迅速に組み立て、分解し、調節することができ、更に、
安定に荷重を支持することができ、しかも、保管するの
に場所をとらない椅子を提供することを目的とする。

第１図は、従来の椅子を示す斜視図、第２図は、本考案
による椅子の第１の実施例を示す斜視図、第３図は、本
考案による椅子における支持部材を示す斜視図、第４図
は、本考案による椅子の第１の実施例の正面図、第５図
は、本考案による椅子の第１の実施例を折り畳んだ状態
を示す正面図、第６図は、本考案による椅子の第２の実
施例を示す平面図、第７図は、本考案による椅子の更に
別の実施例を示し、背部がシート部材に一体に形成され
ている実施例を示す斜視図である。

課題を解決するための手段 本考案による椅子は、 （ａ）共同して椅子を支持するための基部を構成する四
つの管状の同一の脚と、水平断面が好ましくは正方形で
あつて、それを上下に貫通する四つの案内孔が穿設され
ており、それに脚が挿入されている中実の部材からなる
脚の中央部を集めて保持するホルダであつて、それぞれ
の案内孔は、上記ホルダの上下の厚さ方向の中央の水平
面から対向して上下に垂直方向に延びる垂直内壁と上記
ホルダの中央の水平面から対向して上下に傾斜して延び
る傾斜内壁とを有して、脚が垂直位置と傾斜位置とをと
り得るように通路を形成していると共に、上記案内孔の
上記中央部に脚が軸支されており、かくして、すべての
脚が同時に垂直位置から傾斜位置に揺動し得るようにし
たホルダとからなる支持部材と、 （ｂ）前記基部から離れて、前記四つの脚の間に展開可
能に取付けられており、脚が前記垂直位置から傾斜位置
に拡げられたときに脚の上端部間に展開されるシートと
を備えていることを特徴とする。

以下に好ましい実施態様を示す添付図面に基づいて本考
案による椅子を詳細に説明する。しかし、以下の記述
は、本考案を限定するものと理解されるべきではない。

添付図面第１図、第２図、第３図、第４図及び第５図
は、本考案による椅子の第１の好ましい実施態様を示
す。

本考案による椅子は、キヤンバス或いはその他の耐久性
ある材料からなる柔軟なシート部材３と、このシート部
材を支持し、展開するための支持部材とを備えている。
この支持部材は、四つの同一の管状の脚２と、これらの
脚の中央部を束ねて軸支するホルダ１を有している。

このホルダ１は、好ましくは水平断面が正方形の中実の
立方体であつて、四つの案内孔11が穿設されている。こ
れらの案内孔11は、それぞれ対向する二組の孔に分類さ
れる。それぞれの案内孔11は、第３図に示すように、ホ
ルダを垂直に貫通すると共に、その水平断面がホルダの
中央の水平面から上下方向に拡大している。

更に、それぞれの案内孔11は、上記ホルダの中央の水平
面から対向して上下に垂直方向に延びている垂直内壁11
2と、上記ホルダの中央の水平面から対向して上下に傾
斜して延びる傾斜内壁111とを有し、かくして、上記ホ
ルダの中央の水平面から延びるこれら垂直内壁と傾斜内
壁とによつて、前記したその水平断面がホルダの中央の
水平面から上下方向に拡大している案内孔を形成してい
る。上記案内孔11に前記脚２がボルトによつて軸支され
ている。

本考案によれば、案内孔が上記のように構成されている
と共に、脚２がこの案内孔に軸支されているので、脚２
は、ボルトの廻りを垂直な側壁に平行な垂直平面に沿つ
て揺動し、その際、その揺動の空間範囲は、垂直の内壁
112と傾斜している内壁111とに限定される。第５図は、
本考案による椅子の脚２がコンパクトに直立して集めら
れ、シート部材３がコンパクトに折り畳まれている状態
を示す。

四つの脚２は、すべて、その垂直位置から傾斜位置に時
計方向又は逆時計方向の同一の方向に揺動する。脚の端
部は外側に拡げられて、その下端部分は、椅子を安定に
位置させるための基部を形成すると共に、その上端部分
は、環部材又はその他の適宜の固定部材に係合して、椅
子の組立てを完了する。或いは、ヒンジ32で相互に結合
されている二つの半板からなり、下面の四隅に据え付け
られた直角状のストツパー33を有する卓板31を支持す
る。

第７図に示すように、二つの隣接する脚２は、残りの二
つの脚２よりも長くして、シート部材３に背部を形成さ
せ、シート部材３を十分に広く展開させることもでき
る。

本考案によれば、脚とホルダ１とはゆるく係合されてお
り、シート部材はホルダの上方に位置するので、シート
部材上に身体を置いて、椅子の脚を少し拡げれば、
（ａ）脚の中央部をホルダ１の案内孔111の傾斜内壁に
当接させて支持させることができ、（ｂ）椅子の安定性
を高めることができ、更に、（ｃ）椅子の使用者の体重
を支えることができるように自動的に調節することがで
きる。

最も実用的で好ましい実施態様について、本考案による
椅子を以上のように説明したが、本考案は、上述した実
施態様に限定されるものではなく、反対に、上述した実
施態様は、本考案の思想と範囲内における種々の変形や
均等な構成を含むものとし、上記範囲には、上記種々の
変形や均等な構成を含むように、最も広い解釈が与えら
れるべきものとする。

考案の効果 以上のように、本考案による椅子は、柔軟なシート部材
と、このシート部材を支持し、展開させる支持部材を備
えており、この支持部材を構成する脚は、その中央部に
おいて集められて、垂直位置と傾斜位置とをとり得るよ
うに、ホルダに軸支されており、垂直位置をとらせて、
脚全部を直立させれば、コンパクトにまとめることがで
き、他方、傾斜位置をとらせれば、容易にシート部材を
展開させると共に、荷重を安定して支える展開状態を有
せしめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の椅子を示す斜視図、第２図は、本考案
による椅子の第１の実施例を示す斜視図、第３図は、本
考案による椅子における支持部材を示す斜視図、第４図
は、本考案による椅子の第１の実施例の正面図、第５図
は、本考案による椅子の第１の実施例を折り畳んだ状態
を示す正面図、第６図は、本考案による椅子の第２の実
施例を示す平面図、第７図は、本考案による椅子の更に
別の実施例を示し、背部がシート部材に一体に形成され
ている実施例を示す斜視図である。 １…ホルダ、11…案内孔、111…傾斜内壁、112…垂直内
壁、２…脚、３…シート部材、31…卓板、33…ストツパ
ー、４…椅子、44…脚、45…ホルダ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】共同して椅子を支持するための基部を構成
   する四つの管状の同一の脚と、水平断面が好ましくは正
   方形であつて、それを上下に貫通する四つの案内孔が穿
   設されており、それに脚が挿入されている中実の部材か
   らなる脚の中央部を集めて保持するホルダであつて、そ
   れぞれの案内孔は、上記ホルダの上下の厚さ方向の中央
   の水平面から対向して上下に垂直方向に延びる垂直内壁
   と上記ホルダの中央の水平面から対向して上下に傾斜し
   て延びる傾斜内壁とを有して、脚が垂直位置と傾斜位置
   とをとり得るように通路を形成していると共に、上記案
   内孔の上記中央部に脚が軸支されており、かくして、す
   べての脚が同時に垂直位置から傾斜位置に揺動し得るよ
   うにしたホルダとからなる支持部材と、 前記基部から離れて、前記四つの脚の間に展開可能に取
   付けられており、脚が前記垂直位置から傾斜位置に拡げ
   られたときに脚の上端部間に展開されるシートとを備え
   ていることを特徴とする椅子。
2. 【請求項２】支持部材上に卓板が設けられていることを
   特徴とする請求項第１項記載の椅子。