JPH07105227B2 - カドミウム負極板およびその負極板を用いたアルカリ二次電池 - Google Patents

カドミウム負極板およびその負極板を用いたアルカリ二次電池

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JPH07105227B2
JPH07105227B2 JP63176019A JP17601988A JPH07105227B2 JP H07105227 B2 JPH07105227 B2 JP H07105227B2 JP 63176019 A JP63176019 A JP 63176019A JP 17601988 A JP17601988 A JP 17601988A JP H07105227 B2 JPH07105227 B2 JP H07105227B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はカドミウム負極板と、その負極板を用いたアル
カリ二次電池に関するものである。
従来の技術とその課題 現在、二次電池としては、主として鉛電池およびニッケ
ル−カドミウム電池が用いられているが、特にニッケル
−カドミウム電池は、高率放電での特性が良好であるこ
とや、鉛電池に比べて寿命が長いなどの理由によって需
要が急増している。また一方では、近年の電子機器の小
型化、軽量化などに伴って、高容量化や充電時間の短縮
が二次電池に対して要求されている。
カドミウム負極板を用いた従来のアルカリ二次電池には
次のような問題がある。それはカドミウム負極板に関す
るもので、充放電反応に関与しない水酸化カドミウムを
多く有していることである。つまり、水酸化カドミウム
の水素ガス発生までの充電効率は、通常99%程度であ
り、残り約10%の水酸化カドミウムは何等役に立つこと
もなく不要な体積を占めている。さらにニッケル−カド
ミウム電池を例にとると、電池の密閉状態を保つため
に、負極板内に正極板の容量の20%以上のいわゆるリザ
ーブの水酸化カドミウムが必要であった。このリザーブ
の水酸化カドミウムは正極活物質の保持体である金属ニ
ッケルの活物質化や電池内の空間体積を補償するもので
あり、放電容量には寄与しない。これらの水酸化カドミ
ウムを有していることが、カドミウム負極板および電池
の高容量化を妨げている一因である。
また、従来のニッケル−カドミウム電池は、電池の密閉
状態を保つために定電流で充電した場合には電流を約1C
A以下に抑えなければならないという問題を有してい
る。これは、充電電流を1CA以上に大きくした場合に
は、過充電領域において正極板から発生した全ての酸素
ガスを負極板で吸収することができずに、結局は安全弁
が作動して電解液の減少を起こし、容量低下と寿命特性
の劣化を起こすためである。そこで、特願昭62−83582
号や特願昭63−13345号で提案されているように、充電
時における負極板の水素発生にいたる過程の電位変化を
充電電圧の変化として検出して充電制御を容易にし、か
つ急速充電を可能にする試みがあるが、負極板の充電効
率の点で不十分である。
課題を解決するための手段 本発明はカドミウム負極板と、その負極板を備えたアル
カリ二次電池に関するものであって、該負極板は水酸化
ジルコニウムを全てカドミウム量に対し0.25重量%以上
20重量%以下含有することを特徴とするものである。
作用 カドミウム負極板の充電効率について検討した結果、負
極活物質中に水酸化ジルコニウムを含有させることによ
って充電効率が高くなることがわかった。
例えば、水酸化カドミウムあるいは酸化カドミウムと金
属カドミウムとを活物質の主体とするカドミウム負極板
を、酸化カドミウムあるいは水酸化カドミウムの理論容
量を基準として1CAの電流で充電した際の水素ガスが発
生するまでの充電効率は約93%であるが、水酸化ジルコ
ニウムを全カドミウム量に対し1重量%含有する場合に
は充電効率が98%以上に向上する。さらにこのような充
電効率を高める効果は一過性ではなく、充放電サイクル
において持続することがわかった。
そしてこのような充電効率の優れた負極板を用いて、そ
の負極板の充電時の水素発生にいたる電位変化を端子電
圧の変化として検出すれば充電制御が容易であり、その
時点で定電圧に設定すれば過充電領域では電流が小さく
なるために、急速充電が可能でしかも電解液の減量のな
いアルカリ二次電池となる。
実施例 以下本発明を好適な実施例を用いて詳細に説明する。
本発明の目的は、充電効率の優れたカドミウム負極板を
得ることであり、またそれを電池に適用することであ
る。従って、まず最初にカドミウム負極板について述べ
る。
[実施例1] 酸化カドミウム粉末240mgと金属カドミウム粉末210mgと
配合量を0〜84mgの範囲で変えた水酸化ジルコニウムと
を混合してから、230kg/cm2の圧力で加圧成形して、全
カドミウムの理論容量が200mAhの錠剤とした。さらにこ
の錠剤を20メッシュのニッケル網で包んで負極板とし
た。これを負極板群(イ)とする。
[実施例2] 水酸化カドミウム粉末273mgと金属カドミウム粉末210mg
と配合量を0〜84mgの範囲で変えた水酸化ジルコニウム
とを混合した後、実施例1と同様にして、理論容量が20
0mAhの錠剤形負極板とした。これを負極板群(ロ)とす
る。
なお、全カドミウム量とはカドミウム負極板に含まれる
Cd原子の総量である。
これらの負極板を比重1.250(20℃)の水酸化カリウム
水溶液中で、対極にニッケル平板2枚を用いて、配合時
における酸化カドミウム粉末あるいは水酸化カドミウム
粉末の理論容量を基準として1CA(100mA)の電流で充放
電を繰り返し、下記の式(1)から充電効率を求めた。
その結果を第1図に示す。同図から全カドミウム量に対
する水酸化ジルコニウムの含有率が0.25重量%以上で充
電効率の向上が認められる。特に含有率が0.5重量%以
上10重量%以下の範囲では充電効率が98%以上と極めて
高く、充電できない不活性な水酸化カドミウムが減少し
ていることを示している。
なお、活物質原料の違いによって充電効率にいくぶん差
が認められる。すなわち水酸化ジルコニウムの含有率が
15重量%以上で、水酸化カドミウムを活物質の主体とす
る負極板(ロ)よりも、酸化カドミウムを活物質原料の
主体とする負極板(イ)の方が、充電効率は高くなって
いる。
以上のことから全カドミウムに対する水酸化ジルコニウ
ムの含有率は、0.25重量%以上20重量%以下が適してお
り、含有率が15重量%以上では主たる活物質原料として
酸化カドミウムを用いることが望ましいといえる。
なお、水酸化ジルコニウムの含有率を20重量%よりも高
くすることは可能であるが、カドミウム活物質の理論容
量密度の低下が大きくなるため、その含有率は20重量%
以下であることが望ましいと考えられる。
以下に実施例で用いた各原料の性状を示す。
〈酸化カドミウム粉末〉 アトマイズ法によって製作した平均粒子径1μmのもの 〈水酸化カドミウム粉末〉 上記の酸化カドミウム粉末を精製水中に浸漬して水和さ
せたもの 〈金属カドミウム粉末〉 電気化学的な置換法によって製作した平均粒子径2μm
のもの 〈水酸化ジルコニウム〉 市販の試薬 次に以上の実施例で説明した極めて高い充電効率を有す
る本発明のカドミウム負極板を用いた電池の評価を行っ
た。
本発明のカドミウム負極板はリザーブの水酸化カドミウ
ムを必要とする従来のニッケル−カドミウム電池に使用
できる他に、これよりも高容量化と充電時間の短縮が可
能であるリザーブの水酸化カドミウムを有しない電池に
使用した場合にその効果がより明確である。それは、本
発明のカドミウム負極板の充電効率が優れていることに
起因する。従って以下の実施例ではリザーブの水酸化カ
ドミウムを有しない電池を例にして説明する。
本発明のアルカリ電池に使用できる正極活物質は水酸化
ニッケル,二酸化マンガンおよび酸化銀である。これら
のうち一般的に多く用いられている活物質は水酸化ニッ
ケルであるので、ニッケル−カドミウム電池を中心にし
て説明する。
本発明に用いるカドミウム負極板は、基本的に以下に示
す集電体を用いて製造することができる。すなわち、ニ
ッケルや銅やカドミウムの網,エクスパンデッドメタ
ル,穿孔板あるいは集電体と活物質保持体を兼ねる三次
元構造の金属発泡体や金属繊維のマットである。
また、鉄にニッケルメッキしたものや、鉄あるいはニッ
ケルに銅メッキしたもの、さらに鉄,ニッケルあるいは
銅にカドミウムメッキしたものも使用できる。
[実施例3] 酸化カドミウム粉末60重量部と金属カドミウム粉末40重
量部と水酸化ジルコニウム2重量部と長さ1mmのポリプ
ロピレン製の短繊維0.1重量部とを1.5重量%のポリビニ
ルアルコールを含むエチレングリコール30mlで混合して
ペースト状にする。このペーストをニッケルメッキ(5
μm)した穿孔鋼板に塗着し、次いで乾燥、加圧して酸
化カドミウムの理論容量が960mAhで寸法が2.9×14×52
(mm)の負極板を製作した。
一方、正極板は次の方法で製作した。
多孔度が約80%の焼結式ニッケル基板に、ニッケルとコ
バルトとの合計に対するコバルトの含有率が8モル%の
硝酸コバルトと硝酸ニッケルとの混合水溶液[PH=2、
比重1.50(20℃)]を含浸した後、比重1.200(20℃)
の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、湯洗、乾燥する。
この操作を繰り返して、水酸化ニッケルと水酸化コバル
トの理論容量の合計が400mAhで寸法が1.4×14×52mmの
正極板を製作した。
次に不極板1枚を厚さ0.2mmのポリアミドの不織布に包
んだ後に正極板2枚の間にはさみ、電解液として比重1.
250(20℃)の水酸化カリウム水溶液2.4mlを用いて、公
称容量が700mAhの合成樹脂製の電槽を用いたニッケル−
カドミウム電池(A)を製作した。外形寸法は67×16.5
×8(mm)であり、0.1kg/cm2で作動する安全弁を付け
ている。また、この電池の負極板中の酸化カドミウムは
電解液を入れると以下の式(2)に示す反応によって水
を消費するため、その消費分に相当する水を余分に注入
した。
CdO+H2O→Cd(OH) …(2) [実施例4] 水酸化カドミウム粉末68.5重量部と金属カドミウム粉末
40重量部と水酸化ジルコニウム2重量部と長さ1mmのポ
リプロピレン製の短繊維0.1重量部とを1.5重量%のポリ
ビニルアルコールを含むエチレングリコール30mlで混合
してペースト状にする。このペーストを銅メッキ(5μ
m)した穿孔鋼板に塗着し、次いで乾燥,加圧して水酸
化カドミウムの理論容量が960mAhで寸法が2.9×14×52
(mm)の負極板を製作した。
次に上記の負極板と実施例3で用いたものと同じ正極板
とで実施例3と同様な構成の公称容量が700mAhの角形ニ
ッケル−カドミウム電池(B)を製作した。
[実施例5] 実施例3における負極板の集電体すなわちニッケルメッ
キした穿孔鋼板の代わりにカドミウムメッキ(5μm)
した穿孔鋼板を用いた以外は全て実施例3と同様にして
公称容量700mAhの角形ニッケル−カドミウム電池(C)
を製作した。
[比較例1] 実施例3における負極板の配合から水酸化ジルコニウム
を削除した以外は全て実施例3と同様にして公称容量70
0mAhの角形ニッケル−カドミウム電池(D)を製作し
た。
以上のようにして製作した電池(A),(B),(C)
および(D)を20℃において最大電流3CAの電流で1.90V
の定電圧充電を30分間行った後、0.2CAの電流で0.5Vま
で放電するという充放電サイクルを250回行った。1サ
イクル目の放電容量を100とした場合の各サイクルにお
ける容量保持率を第2図に示す。同図から本発明の電池
(A),(B),および(C)は比較電池(D)よりも
容量保持率が明らかに高いことがわかる。この原因は本
発明の電池の負極活物質の充電効率が極めて高く、3CA
のような大きな電流であっても充電終期の負極電位の立
ち上がりまでの充電電気量が多いためであり、また充電
効率のサイクルにおける低下がほとんどないためであ
る。
なお、電池(A),(B),(C)および(D)の負極
板中の水酸化カドミウムの含有量は重量比で正極中の水
酸化ニッケルの約0.95倍[2.73(g/Ah)/2.88(g/A
h)]となっている。また負極板の製作に用いた酸化カ
ドミウム等の原料の性状は先の錠剤形負極板の実施例で
用いたものと同様である。
以上のように、本発明の電池は、定電圧制御という簡便
な充電方法で超急速充電が可能であり、容量保持率が優
れている。
なお、充電方法は、最大電流を規制して定電圧充電する
方法を適用したがこの方法は、従来のニッケル−カドミ
ウム電池で用いられている定電流で充電した後、充電電
圧がガス吸収によって低下するのを検出して充電を打切
る方法やガス吸収による発熱を検出して充電を打切る方
法のような複雑な充電システムではない。また本発明の
特徴のひとつは従来ニッケル−カドミウム電池ではその
適用が困難であった定電圧充電方式が容易に行えること
である。すなわち従来のニッケル−カドミウム電池では
充電過程の電圧と充電終期の電圧との差が高々150〜200
mVと少なかったため、定電圧充電方式が適用できなかっ
たが、本発明による電池の場合にはその差が0.2CA以上
の電流で400mV以上にも達するために充電電圧の変化を
検出することが容易である。この場合、定電流で充電し
て、充電電圧の上昇を検出してから電流を下げてもよい
し、定電圧で充電してもよい。なお、従来の焼結式極板
を用いた公称容量が700mAhの円筒形ニッケル−カドミウ
ム電池(AAサイズ)を最大電池3CAの電流で1.9Vの定電
圧充電を30分間行ったところ、安全弁が作動して液漏れ
が発生した。このことは従来の電池の充電電圧が1.9Vに
達しないために電池が過充電されたことによるものであ
る。
このように本発明の電池では、充電終期の負極板の電位
変化を大きくすることが有利であり、集電体の表面は、
基本的に水素発生の過電圧が大きい銅あるいはカドミウ
ムであるもの、例えば銅やカドミウムの網,エクスパン
デッドメタル,穿孔板あるいは集電体と活物質保持体を
兼ねる三次元構造の金属発泡体や金属繊維のマット等、
さらに材質としては鉄あるいはニッケルに銅あるいはカ
ドミウムメッキしたものが適している。しかし、水素発
生の過電圧が小さいニッケルの集電体であっても、活物
質にニッケル粉末等の水素過電圧の小さい物質を少なく
することによって、例えば5重量%以下にすれば集電体
として用いることができる。
以下の本発明実施例では、正極活物質として水酸化ニッ
ケルを用いて説明したが、活物質として二酸化マンガン
を用いてもニッケル−カドミウム電池と同様な効果が現
れる。以下に、本発明を二酸化マンガン−カドミウム電
池に適用した場合について好適な実施例を用いて説明す
る。
[実施例6] 金属カドミウム粉末100重量部と、水酸化ジルコニウム
2重量部と長さ1mmのポリプロピレン製の短繊維0.1重量
部とを1.5重量%のポリビニルアルコールを含むエチレ
ングリコール30mlで混合してペースト状にする。このペ
ーストを銅のエクスパンデッドメタルに塗着し、次いで
乾燥,加圧して金属カドミウムの容量が800mAhで寸法が
2.9×14×52(mm)の負極板を製作した。
一方、正極板は次の方法で製作した。
二酸化マンガン(γ−MnO2)80重量部とグラファイト10
重量部とを60重量%のポリテトラフルオロエチレンの水
性ディスパージョン30mlで混練した後、ローラーでシー
ト状にし、20メッシュのニッケル網に両面からさらに加
圧して理論容量が200mAh,寸法が1.4×14×52(mm)の正
極板を製作した。
次に先の負極板1枚を厚さ0.2mmのポリビニルアルコー
ル製の不織布で包んだ後、正極板2枚の間にはさみ、電
解液として比重1.350(20℃)の水酸化カリウム水溶液
を2.7ml用い、公称容量が240mAhで合成樹脂電槽を用い
た角形二酸化マンガン−カドミウム電池(E)を製作し
た。この電池は外径寸法が67×16.5×8(mm)であり、
0.1kg/cm2で作動する安全弁を有している。
[比較例2] 実施例6の負極板の配合から水酸化ジルコニウムを削除
した以外は全て実施例6と同様にして比較例の角形二酸
化マンガン−カドミウム電池(F)を製作した。
以上のようにして製作した電池(E)および(F)を0.
2Cの電流で100mAh放電し、次いで同じ電流で1.6Vまで充
電するという条件で充放電したときの容量推移の結果を
第3図に示した。
同図から充電効率が優れ、かつ充電効率のサイクルにお
ける低下がほとんどない負極板を有する本発明の電池
(E)は、比較電池(F)に比べて明らかに容量低下が
小さく、1000サイクルを経過してもほとんど容量が低下
していないことがわかる。
なお、これらの電池のリザーブ用水酸化カドミウムはほ
とんど含まれていない状態となっている。つまり、負極
板に含まれる水酸化カドミウムの含有量は重量比で常に
正極活物質の二酸化マンガンの約0.84倍[2.73(g/Ah)
/2.34(g/Ah)]となっている。
以上にニッケル−カドミウム電池および二酸化マンガン
−カドミウム電池を例にとって説明したが、正極活物質
として酸化銀を用いても充電制御が容易な酸化銀−カド
ミウム電池を得ることができる。
[実施例7] 金属カドミウム粉末100重量部と水酸化ジルコニウム2
重量部と長さ1mmのポリプロピレン製の短繊維0.1重量部
とを1.5重量%のポリビニルアルコールを含むエチレン
グリコール30mlで混合してペースト状にする。このペー
ストをカドミウムメッキ(5μm)した銅のエクスパン
デッドメタルに塗着し、次いで乾燥,加圧して金属カド
ミウムの理論容量が1000mAhで寸法が3×14×52(mm)
の負極板を製作した。
一方、正極板は以下の方法で製作した。
活物質である酸化銀粉末と集電体である銀のエクスパン
デッドメタルとを常法によって加圧焼結したものを水酸
化カリウム水溶液中で電界酸化した後水洗,乾燥して理
論容量が500mAhで寸法が1.3×14×52(mm)の正極板を
製作した。
次に先の負極板1枚を厚さ0.02mmのセロファンで4重に
巻いた後に正極板2枚の間にはさみ、電解液として比重
1.250(20℃)の水酸化カリウム水溶液3mlを用いて公称
容量が500mAhの角形酸化銀−カドミウム電池(G)を製
作した。外径寸法は67×16.5×8(mm)であり、電槽は
合成樹脂製のものを用いた。また0.5kg/cm2の圧力で作
動する安全弁を取り付けている。
[比較例3] 実施例7の負極板の配合から水酸化ジルコニウムを削除
した以外は全て実施例7と同様にして角形酸化銀−カド
ミウム電池(H)を製作した。
なお、これらの電池のリザーブ用水酸化カドミウムは、
ほとんどない状態であり、負極板に含まれる水酸化カド
ミウムの含有量は重量比で常に正極活物質の銀の約1.4
倍[2.73(g/Ah)/2.01(g/Ah)]となっている。
以上のようにして製作した電池(G)および(H)を20
℃で0.2CAの電流で300mAh放電した後に、同じ電流で充
電するという操作を繰り返した時の充電電圧特性を第4
図に示した。
同図から本発明の酸化銀−カドミウム電池(G)の充電
終期の電圧上昇は、比較電池(H)よりも遅く起きてお
り、その充電効率はほぼ100%である。この2つの電池
の電圧上昇の時期が異なるのは負極板の充電効率に基づ
くものであり、本発明の電池は優れた容量保持率を有す
ることが明らかである。
以上の実施例で本発明のカドミウム負極板および電池の
特性について説明した。
本発明のカドミウム負極板の集電体としては、各実施例
で説明したように、その表面がニッケル,銅あるいはカ
ドミウムであればよい。つまり、その素材としてはニッ
ケル,銅,カドミウムの他に鉄の表面にニッケル,銅あ
るいはカドミウムの層を有するものや、ニッケルの表面
に銅あるいはカドミウムの層を有するもの、さらに銅の
表面にカドミウムの層を有するものである。
またその形状としてはエクスパンデッドメタル,網,穿
孔板,発泡体あるいは繊維マットが使用できる。
発明の効果 以上に述べたように本発明のカドミウム負極板は充電効
率が極めて高いために、不活性な水酸化カドミウムをほ
とんど有していない。従って従来のカドミウム負極板に
比べて実質的な容量密度は高くなる。
また、これを用いたアルカリ二次電池では正・負極活物
質の量比を調節することによって充電制御が容易で、か
つ1CA以上の大電流による超急速充電が可能である。ま
た、この電池にはリザーブ用の水酸化カドミウムがほと
んど必要でないために高容量化が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のカドミウム負極板において、水酸化
ジルコニウムの含有率と充電効率との関係について示し
た図。第2図は、本発明のニッケル−カドミウム電池と
比較のための電池との充放電サイクルにおける容量保持
率を示した図。第3図は本発明の二酸化マンガン−カド
ミウム電池と比較のための電池との充放電サイクルにお
ける容量保持率を示した図。第4図は本発明の酸化銀−
カドミウム電池と比較のための電池との充電特性を示し
た図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全カドミウム量に対し0.25重量%以上20重
    量%以下の水酸化ジルコニウムを含有することを特徴と
    するカドミウム負極板。
  2. 【請求項2】水酸化ニッケル,二酸化マンガンあるいは
    酸化銀のいずれかを活物質の主体とする正極板と請求項
    1記載のカドミウム負極板とを備えたことを特徴とする
    アルカリ二次電池。
JP63176019A 1988-07-13 1988-07-13 カドミウム負極板およびその負極板を用いたアルカリ二次電池 Expired - Lifetime JPH07105227B2 (ja)

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