JPH0710454A - バランスビーム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンドル操作時、吊り具が安定にして操作し
易く、ストッパーも上下にスムーズに移動し易く、作業
性も極めて良好にできる。 【構成】 上方中央部にフック係止孔を穿設したフック
係止体を一体に形成し、脚部の前後両面に等間隔の目盛
を、フック係止体を中心として左右対称に付し、目盛に
対応してストッパー用孔を底部に等間隔に穿設した補助
レールを脚部下面に設けた断面Ｉ型の長尺ビームと、下
方大径部に空洞を設け、下方大径部と上方小径部との間
に段部を設けたストッパーを、ストッパー用孔へ挿出入
可能に設け、挟持腕部を脚部左右に移動可能に吊り下げ
た吊り具とを有し、挟持腕部の下方中央部にストッパー
の収納空間部を設け、収納空間部に上方小径部が挿出入
可能の孔を設けた上板を設け、ストッパーの空洞内にバ
ネを配設し、先端部が段部に係止してストッパーを上下
方向に作動できるハンドルを、回動自在に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、昇降、運搬しうる鉄
板、コンクリート板など、相当の重量がある板状、棒状
の吊り下げ諸資材を、任意の大きさや重量であっても、
バランスを保ちながら、安全かつ容易、確実に昇降、運
搬を行いうるようにしたバランスビームに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、先に例えば造船所における
鉄板、建設現場におけるコンクリート板など、相当の重
量がある板状の吊り下げ諸資材を、バランスを保ちなが
らクレーンなどによって昇降，運搬する時などに用いる
バランスビームとして実開昭．６１−７２５７４号公報
に示すようなものを開発した。このものにおいては、目
盛りを付けた長尺ビームの脚部左右に挟持腕部によって
移動可能に吊り下げた吊り具が使用されている。この吊
り具の構造は、ストッパーの下部に一本のハンドルが回
動しうるよう取り付けてあり、このハンドルは支点を介
して前記ストッパーを上下に移動可能に操作できるよう
にしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来技術にあっては、一本のハンドルによってストッパ
ーを上下に移動可能に操作するようにしたので、このハ
ンドル操作時、吊り具が左右に動いて操作し難く、スト
ッパーも上下にスムーズに移動し難いなど、取扱い作業
が厄介であり、作業性が極めて悪いという問題点があっ
た。また、吊り下げ諸資材の重量が各種有する場合、従
来のバランスビームでは長尺ビームの脚部の厚さ寸法を
変えることによって、長尺ビームの強度に対応せしめて
いたが、このようにバランスビームによりバランスを取
る場合、その都度厚さ寸法の異なる脚部に取り替える厄
介さがあり、効率が悪いという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のバランスビーム
は、上記課題を解決することを目的とし、上方中央部に
フック係止孔を穿設したフック係止体を一体に形成し、
かつ脚部の前後両面に等間隔の目盛を、前記フック係止
体を中心として左右対称に付すとともに、前記目盛に対
応してストッパー用孔を底部に等間隔に穿設した補助レ
ールを前記脚部下面に設けた断面１型の長尺ビームと、
下方大径部に空洞を設けるとともに、この下方大径部と
上方小径部との間に段部を設けたストッパーを、前記ス
トッパー用孔へ挿出入可能に設け、かつ挟持腕部を前記
長尺ビームの脚部左右に移動可能に吊り下げた吊り具と
よりなり、前記吊り具の挟持腕部の下方中央部に前記ス
トッパーの収納空間部を設け、この収納空間部の上部に
前記上方小径部が挿出入可能の孔を設けた上板を設け、
前記ストッパーの空洞内にバネを配設し、先端部が前記
段部に係止して前記ストッパーを上下方向に作動できる
ようにしたハンドルを、回動軸を介して回動自在に設け
たことを特徴とするものである。

【０００５】

【実施例】図１乃至図６は本発明のバランスビームの一
実施例を示すものであり、図１は使用状態の概略正面
図、図２は吊り具取付部の一部拡大縦断側面図、図３は
同正面図、図４は図１の一部概略正面図、図５は同側面
図、図６はストッパーの斜視図である。以下、一実施例
の各図に基づき具体的に説明する。１は断面１型の長尺
ビームであって、この長尺ビーム１の上方中央部には、
フック係止孔２ａを穿設したフック係止体２を脚部１ａ
に一体に形成し、この脚部１ａの前後両面には等間隔の
目盛３が、前記フック係止体２を中心として左右対称に
付されている。４は前記長尺ビーム１の脚部１ａ下面に
一体に取り付けられた補助レールで、５はこの補助レー
ル４の底部に、前記目盛３に対応して等間隔に穿設した
ストッパー用孔である。

【０００６】６は前記ストッパー用孔５へ挿出入可能に
嵌脱できる図６に示すごときストッパーで、このストッ
パー６は、下方大径部６ａに空洞６ｂを設けるととも
に、この下方大径部６ａと上方小径部６ｃとの間の外部
に段部６ｄを設けてある。７は前記長尺ビーム１の脚部
１ａ左右に挟持腕部７ａによって移動可能に吊り下げた
吊り具であり、前記吊り具７の挟持腕部７ａの下方中央
部には、前記ストッパー６の収納空間部８を設け、この
収納空間部８の上部に前記ストッパー６の上方小径部６
ｃが挿出入可能の孔９ａを設けた上板９を設け、前記ス
トッパー６の空洞６ｂ内にこのストッパー６を常時押し
上げるバネ１０を配設してある。１１は先端部１１ａが
前記ストッパー６の段部６ｄに係止して、前記ストッパ
ー６を上下方向に作動できるように回動軸１２を介して
回動自在に設けた一対のハンドルである。なお、前記補
助レール４の底部と前記上板９との間は、出来るだけ狭
くした方が前記ストッパー６のストッパー用孔５への挿
脱を極めてスムーズに行うことができる。

【０００７】前記吊り具７は、図３に示すように適宜間
隔をもって配置した一対の吊り具体７ｂと、これら一対
の吊り具体７ｂ間に配置して、それぞれ例えば溶接など
の固着手段により適宜固着した上部補強部材７ｃと扇形
状の中間補強部材７ｄと吊り孔１３を穿設した下部補強
部材７ｅとによって構成されている。前記上部補強部材
７ｃは、前記挟持腕部７ａに固着し、この上部補強部材
７ｃには、前記長尺ビーム１の脚部１ａの上面に添接し
て、左右に移動しうる円弧状の下方コーナー部が形成さ
れており、この上部補強部材７ｃの横巾寸法は、一対の
吊り具体７ｂの外面からそれぞれ若干突出した部分を有
する長さ寸法である。前記上部補強部材７ｃを設けるこ
とによって前記吊り具７の挟持腕部７ａは、安全にして
強固に構成される。

【０００８】１４は吊りロープ、１５は特殊チャッカ
ー、１６はクレーンであって、これらは公知のものであ
る。このクレーン１６のフック１７を、前記フック係止
孔２ａに掛けて昇降，運搬するようにしている。１８は
昇降、運搬しうる鉄板、コンクリート板などの諸資材か
らなる吊り物体であり、この吊り物体１８は、特殊チャ
ッカー１５および吊りロープ１４を介して吊り具７の吊
り孔１３に結索している。１９は前記フック係止孔２ａ
の周囲に形成された肉厚部である。２０は前記長尺ビー
ム１の上方左右に設けた吊り突起で、この吊り突起２０
に例えば前記クレーン１６などのロープを掛けて使用し
てもよい。

【０００９】次に、本発明のバランスビームを用いて吊
り物体１８を昇降，運搬する場合の作用について、各図
に基づき説明する。まず、本発明のバランスビームを構
成している長尺ビーム１のフック部２を介してクレーン
１６などにより吊り物体１８を昇降運搬する際、２個の
同じ吊り具７を用いて、この吊り具７の下方に設けた例
えば特殊チャッカー１５を前記吊り物体１８の適宜位置
にそれぞれ取着し、かつ前記吊り具７の一対のハンドル
１１の操作により、このハンドル１１をそれぞれ持ち上
げて水平状態にした時、ストッパー６を長尺ビーム１の
ストッパー用孔５より脱し、前記吊り具７をスライドさ
せ、吊り物体１８の大きさ，重量に応じて適宜バランス
を取りながら、吊り物体１８の均衡を保ち得る目盛３に
合わせて、前記ハンドル１１から手を離せば目盛３下部
のストッパー用孔５にストッパー６が嵌まって固定され
る。前記吊り具７のほぼ中央には、ストッパー６を常時
押し上げるバネ１０がストッパー６の空洞６ｂ内に設け
たので、ストッパー用孔５への嵌脱はスムーズに確実に
できる。

【００１０】また、前記長尺ビーム１の脚部１ａ底部に
固設する、底部にストッパー用孔５を等間隔に穿設した
補助レール４の材料として、既存のＣチャンネル材を使
用したので、前記長尺ビーム１の脚部１ａの厚み寸法に
応じて、前記Ｃチャンネル材を適宜の厚み寸法に容易に
切削することができる。

【００１１】

【発明の効果】本発明のバランスビームは、上方中央部
にフック係止孔を穿設したフック係止体を一体に形成
し、かつ脚部の前後両面に等間隔の目盛を、前記フック
係止体を中心として左右対称に付すとともに、前記目盛
に対応してストッパー用孔を底部に等間隔に穿設した補
助レールを前記脚部下面に設けた断面１型の長尺ビーム
と、下方大径部に空洞を設けるとともに、この下方大径
部と上方小径部との間に段部を設けたストッパーを、前
記ストッパー用孔へ挿出入可能に設け、かつ挟持腕部を
前記長尺ビームの脚部左右に移動可能に吊り下げた吊り
具とよりなり、前記吊り具の挟持腕部の下方中央部に前
記ストッパーの収納空間部を設け、この収納空間部の上
部に前記上方小径部が挿出入可能の孔を設けた上板を設
け、前記ストッパーの空洞内にバネを配設し、先端部が
前記段部に係止して前記ストッパーを上下方向に作動で
きるようにしたハンドルを、回動軸を介して回動自在に
設けたものであるから、特に昇降，運搬しうる鉄板、コ
ンクリート板など、相当の重量がある板状、棒状の吊り
下げ諸資材の形状，任意の大きさや重量が任意であって
も、昇降，運搬をバランス良く、作業性に危険をともな
うことなく、バランスを保ちながら、安全かつ容易、確
実に昇降、運搬を行うことができるばかりでなく、ハン
ドル操作時、吊り具が安定に操作し易く、ストッパーも
上下にスムーズに移動し易いなど、取扱い作業が容易で
あり、作業性が極めて良好であるなどの効果がある。

【００１２】また、前記補助レールの材料として、既存
のＣチャンネル材を使用したので、吊り下げ諸資材の重
量の変化によって長尺ビームの脚部の厚み寸法が変わる
ようなことがあっても、前記長尺ビームの脚部の厚み寸
法に応じて、前記Ｃチャンネル材を適宜の厚み寸法に容
易に切削することにより、吊り具の挟持腕部の寸法を変
えることなく、常に補助レールの底部と吊り具の上板と
の間隙を一定に保ち、ストッパーの挿脱操作をスムーズ
に、しかも安定的に行うことができるなどの効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバランスビームの一実施例を示す使用
状態の概略正面図である。

【図２】吊り具取付部の一部拡大縦断側面図である。

【図３】同正面図である。

【図４】図１の一部概略正面図である。

【図５】同側面図である。

【図６】ストッパーの斜視図である。

【符号の説明】

１ 長尺ビーム、１ａ 脚部、２ フック係止体、２ａ
フック係止孔、３ 目盛、４ 補助レール、５ スト
ッパー用孔、６ ストッパー、６ａ 下方大径部、６ｂ
空洞、６ｃ 上方小径部、６ｄ 段部、７ 吊り具、
７ａ 挟持腕部、７ｂ 吊り具体、７ｃ 上部補強部
材、７ｄ 中間補強部材、７ｅ 下部補強部材、８ 収
納空間部、９ 上板、９ａ 孔、１０ バネ、１１ ハ
ンドル、１１ａ 先端部、１２ 回動軸、１３ 吊り
孔、１４ 吊りロープ、１５ 特殊チャッカー、１６
クレーン、１７ フック、１８ 吊り物体、１９ 肉厚
部、２０吊り突起。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方中央部にフック係止孔を穿設したフ
   ック係止体を一体に形成し、かつ脚部の前後両面に等間
   隔の目盛を、前記フック係止体を中心として左右対称に
   付すとともに、前記目盛に対応してストッパー用孔を底
   部に等間隔に穿設した補助レールを前記脚部下面に設け
   た断面１型の長尺ビームと、下方大径部に空洞を設ける
   とともに、この下方大径部と上方小径部との間に段部を
   設けたストッパーを、前記ストッパー用孔へ挿出入可能
   に設け、かつ挟持腕部を前記長尺ビームの脚部左右に移
   動可能に吊り下げた吊り具とよりなり、前記吊り具の挟
   持腕部の下方中央部に前記ストッパーの収納空間部を設
   け、この収納空間部の上部に前記上方小径部が挿出入可
   能の孔を設けた上板を設け、前記ストッパーの空洞内に
   バネを配設し、先端部が前記段部に係止して前記ストッ
   パーを上下方向に作動できるようにしたハンドルを、回
   動軸を介して回動自在に設けたことを特徴とするバラン
   スビーム。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の吊り具は、適宜間隔を
   もって配置した一対の吊り具体と、これら一対の吊り具
   体間に配置して、それぞれ適宜固着した上部補強部材と
   扇形状の中間補強部材と吊り孔を穿設してある下部補強
   部材とによって構成してなり、前記上部補強部材は、挟
   持腕部に固着し、この上部補強部材には、長尺ビームの
   脚部の上面に添接して左右に移動しうる円弧状の下方コ
   ーナー部を形成し、この上部補強部材の横巾寸法を、一
   対の吊り具体の外面からそれぞれ若干突出した部分を有
   する長さ寸法としたことを特徴とするバランスビーム。
3. 【請求項３】 請求項１に記載のハンドルを、左右対称
   に設けたことを特徴とするバランスビーム。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の補助レールを、既存の
   Ｃチャンネル材としたことを特徴とするバランスビー
   ム。