JPH07104187A - 共焦点型光学顕微鏡 - Google Patents

共焦点型光学顕微鏡

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JPH07104187A
JPH07104187A JP26407693A JP26407693A JPH07104187A JP H07104187 A JPH07104187 A JP H07104187A JP 26407693 A JP26407693 A JP 26407693A JP 26407693 A JP26407693 A JP 26407693A JP H07104187 A JPH07104187 A JP H07104187A
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JP
Japan
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light
quarter
plate
objective lens
wave plate
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JP26407693A
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English (en)
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Masato Sumiya
正人 住谷
Shinji Suzuki
信二 鈴木
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
Original Assignee
Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1の目的は、コントラストの高い良好な像
を観察することができる共焦点型光学顕微鏡を提供する
こと。第2の目的は、長期間にわたって明るい像を観察
することができる共焦点型光学顕微鏡を提供すること。 【構成】 本発明の共焦点型光学顕微鏡は、結像レンズ
と対物レンズとの間の光路上に配置された四分の一波長
板を、基準光軸に対して傾斜するように配置したことを
特徴とする。また、本発明の共焦点型光学顕微鏡は、光
源からの放射光のうち340nm以下の波長光を少なく
とも減衰させる短波長減光手段が設けられていることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、共焦点型光学顕微鏡
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、共焦点型光学顕微鏡は、その
焦点深度が極めて浅いという特性を利用して、生物学や
半導体工学等の分野における微細な対象物について、そ
の断面形状等の形状観察および各種測定のために好適に
用いられてきた。
【0003】図4は、従来の共焦点型光学顕微鏡におけ
る基本的な構成を示す説明図であり、同図において、1
は照明用光学系、2は第1の偏光子、3は偏光ビームス
プリッタ、4はピンホールを有する絞り板、5は第1の
対物レンズ、6は第1の結像レンズ、7は第2の対物レ
ンズ、8は第2の偏光子、9は第2の結像レンズ、10
はカメラ等よりなる受像手段、11は四分の一波長板で
ある。
【0004】このような構成の共焦点型光学顕微鏡にお
いては、照明用光学系1からの放射光が第1の偏光子2
により直線偏光とされた後、偏光ビームスプリッタ3に
より反射され、ピンホールを有する絞り板4の表面にス
ポット照射される。ここで、スポット照射される領域
は、受像手段10の視野領域(受像手段が受光すること
ができる絞り板上の領域をいう)とほぼ一致する。スポ
ット照射された光において、絞り板4の一つのピンホー
ルを通過した光束は、第1の結像レンズ6によって平行
光もしくは平行光に近い光とされ、第1の対物レンズ5
に入射される。第1の対物レンズ5に入射された光は対
象物Sの表面に集光され、これにより対象物Sの一点が
照明される。対象物Sからの反射光は、第1の対物レン
ズ5、四分の一波長板11および第1の結像レンズ6を
通り、絞り板4のピンホールにおいて再び結像する。な
お、第1の対物レンズ5から第1の結像レンズ6へ向か
う反射光は、四分の一波長板11を通過することにより
円偏光から直線偏光(照明光に対して偏光方向を90°
回転した直線偏光)とされる。絞り板4のピンホールを
通過した反射光は、第2の対物レンズ7、偏光ビームス
プリッタ3、第2の偏光子8および第2の結像レンズ9
を通過して受像手段10に受光される。なお図4に示す
光路のうち、破線は照明用光学系1から絞り板4に至る
照明光全体の光路であり、また実線はさらに絞り板4の
1つのピンホールを通過した光が、対象物Sに集光し反
射され最終的に受像手段10に至る光路である。
【0005】このように、照明用光学系1と偏光ビーム
スプリッタ3との間の光路上に第1の偏光子2(偏光
板)を配置し、偏光ビームスプリッタ3と受像手段10
との間の光路上に第2の偏光子8(検光子)を配置し、
第1の対物レンズ5と第1の結像レンズ6との間におけ
る光路上に四分の一波長板11を配置することにより、
対象物Sからの反射光と、絞り板4の表面から反射され
る散乱光とが区別され、この散乱光の大半は受像手段1
0に受光されることはない。これにより、絞り板4の表
面からの散乱光が受光されることに起因するコントラス
トの低下が防止され、ある程度良好な像を観察すること
ができる。
【0006】上記のような構成の共焦点型光学顕微鏡
は、例えば特表平1−503493号公報に開示されて
いる。この公報に記載の共焦点型光学顕微鏡には複数個
のピンホールを有する走査円板〔ニプコフ(NIPKO
W)の回転円板〕が絞り板として用いられ、対象物の全
体像を実時間で測定することが可能とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
共焦点型光学顕微鏡においては、以下のような問題があ
る。 (1)図4に示したような構成の共焦点型光学顕微鏡に
おいて、絞り板4の一つのピンホールを通過し、第1の
結像レンズ6から第1の対物レンズ5へ入射する光の光
束はほぼ平行光束とされる。このため、絞り板4の一つ
のピンホールを通過した光の一部で四分の一波長板11
の表、裏面によって反射された反射光が、第1の結像レ
ンズ6を通過して再度絞り板4のスポット照射領域にお
けるピンホールに集光する。そして、受像手段10の視
野領域とほぼ一致するスポット照射領域に集光した反射
光、その中でも四分の一波長板11の裏面によって反射
された反射光は、その偏光方向が照明光に対して90°
回転されているため、その大半が最終的に受像手段10
によって受光され、対象物S以外で反射された迷光とし
て像のコントラストを低下させてしまう。 (2)共焦点型光学顕微鏡の使用を重ねるに従って、顕
微鏡の光学系を構成するレンズやレンズ系の接合用接着
剤が経時的に劣化し、これらの光学系における光透過率
が比較的短い時間で低下してしまう。そして、光透過率
の低下に伴って、観察される像が全体的に暗くて見にく
いものとなる。
【0008】この発明は以上のような事情に基いてなさ
れたものである。この発明の第1の目的は、受像手段に
受光される迷光を可能な限り少なくしてSN比を向上さ
せ、コントラストの高い良好な像を観察することができ
る共焦点型光学顕微鏡を提供することにある。この発明
の第2の目的は、光学系における高い光透過率が安定的
に維持され、長期間にわたって明るい像を観察すること
ができる共焦点型光学顕微鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の共焦点型光学
顕微鏡は、1個又は複数個のピンホールを有する絞り板
と、この絞り板の一面にスポット光を照射するための光
源と、前記絞り板の一面に照射する光を偏光させる第1
の偏光子と、前記絞り板の他面側において、観察される
べき対象物に近接して配置された対物レンズと、前記対
物レンズと合わせて使用し、対象物の像を前記絞り板上
に結像させるよう、前記絞り板と前記対物レンズとの間
の光路上に配置された結像レンズと、この結像レンズと
前記対物レンズとの間の光路上に配置された四分の一波
長板と、前記絞り板の一面側において、前記第1の偏光
子と前記四分の一波長板との間の光路上に配置された偏
光ビームスプリッタと、この偏光ビームスプリッタを通
過する前記対象物からの反射光を受光して当該対象物の
像を受像する受像手段と、前記偏光ビームスプリッタと
前記受像手段との間の光路上に配置された第2の偏光子
とを有してなる共焦点型光学顕微鏡において、前記四分
の一波長板は、その表面における法線が、前記対物レン
ズと前記結像レンズとがなす光軸に対して傾斜するよう
に配置されていることを特徴とする。
【0010】この発明の共焦点型光学顕微鏡において
は、前記四分の一波長板を傾斜するように配置したこと
による当該四分の一波長板の前後における光軸のずれを
補正するための光軸補正板が、前記対物レンズと前記結
像レンズとの間の光路上に配置されていることが好まし
い。
【0011】また、この発明の共焦点型光学顕微鏡にお
いては、前記光源からの放射光のうち、340nm以下
の波長光を少なくとも減衰させる短波長減光手段が設け
られていることが好ましい。
【0012】更に、この発明の共焦点型光学顕微鏡にお
いては、前記絞り板が、複数個のピンホールを有する回
転走査円板であることが好ましい。
【0013】
【作用】
(1)対物レンズと結像レンズとがなす光軸に対して四
分の一波長板が傾斜するように配置されているので、四
分の一波長板の表、裏面からの反射光は、受像手段の視
野領域と一致する絞り板のスポット照射領域内において
は集光しない。従って、この反射光が受像手段によって
受光されることはなく、コントラストの高い良好な像を
観察することができる。 (2)対物レンズと結像レンズとの間の光路上に光軸補
正板を配置する、という極めて簡単な構成によって、四
分の一波長板が傾斜するように配置されたことによる光
軸のずれが確実にキャンセルされる。これにより、光軸
のずれに起因する光学的収差の発生を確実に回避するこ
とができる。 (3)レンズやレンズ系の接合用接着剤を劣化させる短
波長領域の光が短波長減光手段によって減衰されるの
で、光学系における高い光透過率が安定的に維持され、
長期間にわたって明るい像を観察することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明の共焦点型光学顕微鏡における構成の
概略を示す説明図である。
【0015】図1において、21は、渦巻き状の配列パ
ターンに従って直径20μmのピンホールが複数個形成
された回転走査円板である。この回転走査円板21は、
石英製円板上にクロムを蒸着して不透明膜を形成し、こ
れに、複数個のピンホールを穿設することによって作製
することができる。22は、この回転走査円板21を回
転させるための駆動手段であり、この駆動手段22によ
って、回転走査円板21は、例えば1500rpmの回
転速度で回転する。
【0016】30は、回転走査円板21の一面にスポッ
ト光を照射するための照明用光学系であり、31は光
源、32は反射鏡、33は赤外線カットフィルタ、34
は本発明の特徴点の1つである紫外線カットフィルタ、
35はピンホールが中央部に形成された板状部材、36
は、光源からの光を板状部材35のピンホールに集光す
るためのアークリレーレンズ、37はピンホールリレー
レンズである。
【0017】光源31としては、例えばキセノンラン
プ、特に、定格電力が75Wのキセノンショートアーク
ランプを好適に使用することができる。このランプは、
エミッタ粉末が混入された焼結体が高融点金属よりなる
電極本体に密着性、密接性良く挿入された構造である電
極を有することに特徴を有し、これにより、従来の消費
電力が1KW以下であるような小電力型のキセノンラン
プに比べアークの安定性が格段に優れ、照明光の変動を
小さくすることができる。更に、ランプの寿命が長く、
アークの安定性を長時間維持することができる。このよ
うなキセノンショートアークランプの具体例としては、
例えば特開昭62−241236号公報、特開昭62−
241253号公報などに開示されているものを挙げる
ことができる。なお、光源31のランプとしてこれらの
ものに限定されるものではないことは勿論である。
【0018】板状部材35に形成されたピンホールを通
過した光は、揺らぎがなくて光強度が大きく均一な光束
を有するものである。板状部材35におけるピンホール
の径の大きさは、光強度、光束均一性、照明に必要な光
量等の観点から規定され、本実施例においては0.4m
mとされている。
【0019】41は第1の対物レンズ、42は第2の対
物レンズ、51は第1の結像レンズ、52は第2の結像
レンズ、43はフィールドレンズである。第1の対物レ
ンズ41は、観察されるべき対象物Sに近接して配置さ
れ、第1の結像レンズ51は第1の対物レンズ41と合
わせて、対象物Sの像を回転走査円板21のピンホール
上に結像させるレンズであり、第1の対物レンズ41及
び第1の結像レンズ51間の光束は、平行光もしくはそ
れに近い状態にされている。
【0020】60はCCDカメラからなる受像手段であ
り、61は倍率を変更するためのアイピースである。回
転走査円板21の回転速度(1500rpm)は、受像
手段60であるCCDカメラのビデオフレームレートに
同期して設定されている。
【0021】71は第1の偏光子であり、第1の偏光子
71は、照明用光学系30からの照明光を偏光させるも
のである。
【0022】72は、第1の結像レンズ51と第1の対
物レンズ41との間の光路上に配置された四分の一波長
板である。この四分の一波長板72は、例えば、0.2
mm厚の水晶板と0.25mm厚のフッ化マグネシウム
板とを積層して作製することができ、このようにして作
製された四分の一波長板72は、400〜700nm程
度の比較的広い波長領域において、1/5λ〜1/3λ
(λ:入射光の波長)の位相差を生じさせる。
【0023】73は、第1の偏光子71と四分の一波長
板72との間の光路上に配置された偏光ビームスプリッ
タである。この偏光ビームスプリッタ73は、2個の三
角プリズムを接合することにより作製することができ、
この接合面には誘電体多層膜が蒸着によって形成されて
いる。この偏光ビームスプリッタ73は、第1の偏光子
71により偏光された光を反射し、四分の一波長板72
を通過した対象物Sからの反射光を透過するように設定
されている。
【0024】74は、偏光ビームスプリッタ73と受像
手段60との間の光路上に配置された第2の偏光子であ
る。
【0025】75は、四分の一波長板72と第1の対物
レンズ41との間の光路上に配置された、本発明の特徴
点の1つである光軸補正板である。
【0026】このように、照明用光学系30から対象物
Sを経て受像手段60へ至る光路上に、第1の偏光子7
1、四分の一波長板72、偏光ビームスプリッタ73お
よび第2の偏光子74を挿入配置することによって、回
転走査円板21の表面からの散乱光が受像手段60に受
光されることが防止される。
【0027】以上のような構成の共焦点型光学顕微鏡に
おいて、次のようにして対象物の観察・測定が行われ
る。光源31からの放射光は、アークリレーレンズ36
によって板状部材35のピンホールに集光され、このピ
ンホールを通過した光は、ピンホールリレーレンズ37
を通過して第1の偏光子71によって直線偏光とされた
後、偏光ビームスプリッタ73により反射されて第2の
対物レンズ42の射出瞳上に集光する。集光された光束
は、第2の対物レンズ42によって平行光束とされ、複
数個のピンホールを有する回転走査円板21の表面にス
ポット照射される。ここで、スポット照射される領域
(図1においてAで示す)は、受像手段60の視野領域
(受光可能領域)とほぼ一致する。
【0028】回転走査円板21の表面にスポット照射さ
れた光は、回転走査円板21の複数個のピンホールそれ
ぞれを通過し、さらにフィールドレンズ43、第1の結
像レンズ51を通過し、また、四分の一波長板72を通
過することにより円偏光とされた後、光軸補正板75を
通過して第1の対物レンズ41の出射瞳上に集光する。
集光された光束は第1の対物レンズ41によってほぼ平
行光束とされ、対象物Sを均一に照明する。一方、回転
走査円板21のある一つのピンホールを通過した光束に
着目すると、ある一つのピンホールを通過した光束はフ
ィールドレンズ43および第1の結像レンズ51を通過
することによって平行もしくは平行に近い光束とされ、
四分の一波長板72、光軸補正板75を通過した後、第
1の対物レンズ41に入射され対象物Sの表面のほぼ一
点に集光される。
【0029】対象物Sを照明した光は対象物Sの表面で
反射される。対象物Sの表面における1点からの反射光
は、第1の対物レンズ41、光軸補正板75、四分の一
波長板72、第1の結像レンズ51およびフィールドレ
ンズ43を通り、回転走査円板21のピンホールにおい
て再び結像する。なお、第1の対物レンズ41から第1
の結像レンズ51へ向かう反射光は、四分の一波長板7
2を通過することにより円偏光から直線偏光(照明光に
対して偏光方向を90°回転した直線偏光)とされる。
【0030】回転走査円板21のピンホールを通過した
対象物からの反射光は、第2の対物レンズ42を通過し
て偏光ビームスプリッタ73に到達する。この反射光
は、四分の一波長板72の通過により照明光に対して偏
光方向を90°回転した直線偏光とされているため、偏
光ビームスプリッタ73を通過し、更に2の偏光子7
4、第2の結像レンズ52およびアイピース61を通過
して受像手段60に入射されて結像する。なお図1に示
す光路のうち、破線は照明用光学系30から対象物Sに
至る照明光全体の光路であり、また実線は回転走査円板
21のある1つのピンホールを通過した光が、対象物S
のある一点に集光、反射され最終的に受像手段60に至
る光路である。
【0031】本実施例において、四分の一波長板72
は、その表面における法線が、第1の対物レンズ41と
第1の結像レンズ51とがなす光軸(以下「基準光軸」
という)に対して傾斜するように配置されている。四分
の一波長板72を基準光軸に対して傾斜するように配置
することによって、回転走査円板21のピンホールから
の光の一部が四分の一波長板72の表、裏面によって反
射されても、この反射光は、スポット照射領域Aにおけ
るピンホールに集光することはない。従って、受像手段
60によってこの反射光が受光されることはなく、コン
トラストの高い良好な像を観察することができる。四分
の一波長板を傾斜させない場合には、四分の一波長板の
表、裏面からの反射光がスポット照射領域Aにおけるピ
ンホールに再度集光し、特に四分の一波長板72の裏面
によって反射された反射光はその偏光方向が照明光に対
して90°回転されているため、その大半が最終的に受
像手段によって受光されて像のコントラストを低下させ
る。
【0032】四分の一波長板の傾斜角度(表面における
法線の基準光軸に対する角度)は、 四分の一波長板
の表、裏面からの反射光がスポット照射領域内における
ピンホールに集光しないこと、 四分の一波長板とし
ての性能が維持されること(1/5λ〜1/3λの範囲
の位相差を生じさせ得ること)、 傾斜による光学的
収差が無視できる程度に小さいこと、等の観点から規定
される。
【0033】上記の観点から、傾斜角度θは、スポッ
ト照射領域の直径、および第1の結像レンズの焦点距離
によって設定することができる。具体的には、下記式
(1)を満足することが必要であり、更に、下記式
(2)を満足することが好ましい。 式(1) θ≧sin-1(d/2f) 式(2) θ≧2×sin-1(d/2f) 〔式(1)および式(2)において、dはスポット照射
領域の直径、fは第1の結像レンズの焦点距離であ
る。〕また、上記および上記の観点からは傾斜角度
θは10°以下であることが必要である。従って、一般
的なスポット照射領域の大きさおよび焦点距離を考慮す
れば、傾斜角度θは3〜10°の範囲とされる。
【0034】本実施例においては、スポット照射領域A
の直径dが4mm、第1の結像レンズ51の焦点距離f
が95mmであるので、これらを上記式(2)に代入
し、「2×sin-1〔4/(2×95)〕=2.41
°」から、傾斜角度θを3°に設定している。
【0035】ここで、四分の一波長板72を傾斜するよ
う配置したことにより、この四分の一波長板72を通過
した光束における光軸は横方向にずれることになるが、
この光軸のずれは、光軸補正板75によって補正され
る。
【0036】図2は、光軸補正板によって光軸のずれが
補正されている状態を示す説明図である。同図におい
て、光軸補正板75は、四分の一波長板72の傾斜方向
とは反対方向に傾斜するよう四分の一波長板72の下方
に配置されている。これにより、第1の結像レンズ51
と四分の一波長板72とがなす光軸P1 と、光軸補正板
75と第1の対物レンズ41とがなす光軸P2 とが同一
直線上に位置することになる。なお、光軸のずれをキャ
ンセルするための補正量は、光軸補正板の厚さおよびそ
の傾斜角度を変化させることにより任意に調整すること
ができ、本実施例では、厚さ0.51mmの光軸補正板
75を3°の傾斜角度で配置することで、四分の一波長
板72による約10μmのずれを補正している。
【0037】この光軸補正板75が配置されていない場
合には、10μm程度のずれであっても、四分の一波長
板以降の光学系で光学的収差が発生する。また、この光
学的収差を回避するために、四分の一波長板前後の光軸
のずれを考慮しながら光学系を配置することも考えられ
るが、機械的アライメントが困難で現実的ではない。
【0038】図3は、第1の結像レンズ(図示省略)と
第1の対物レンズ(図示省略)との間の光路上に、四分
の一波長板72と光軸補正板75とが組み込まれている
状態を示す断面図である。同図において、81は前記光
路を取り囲むよう設けられた真鍮製の筒状保持部材、8
2は、その上端部および下端部が、それぞれ、正確に3
°に傾斜しているリング状のスペーサー部材である。四
分の一波長板72および光軸補正板75は、それぞれス
ペーサー部材82の上端部および下端部に貼り合わせら
れ、この状態で筒状保持部材81内に挿入配置されてい
る。このような組み込み手段によれば、四分の一波長板
72および光軸補正板75の傾斜角度に誤差を生じるこ
とがなく、また、水平方向の精密な位置アライメント作
業を必要とせず容易に組み込みを行うことができる。
【0039】照明用光学系30を構成する紫外線カット
フィルタ34は、誘電体多層膜を有する短波長減光手段
であり、光源31からの放射光のうち380nm以下の
波長光を0.5%以下まで減衰させる機能を有するもの
である。380nm以下の波長光は、レンズ自体(硝
材)の劣化や各レンズの貼り合わせ用接着剤を劣化させ
てレンズ系の光透過率を低下させる原因となる。そこ
で、本実施例においては、紫外線カットフィルタ34を
設けて斯かる短波長の光を有効にカットし、光学系の光
透過率の経時的低下を抑制している。これにより、長期
間にわたって明るい像を観察することができる。具体的
には、紫外線カットフィルタ34を設けていない場合に
は、1000時間経過後における像の明るさが30%程
度低下するのに対し、紫外線カットフィルタ34を設け
ることにより、像の明るさの低下率を5%以下に抑える
ことができる。
【0040】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明の共焦点型光学顕微鏡は、この実施例に限定
されるものではなく種々の変更が可能である。例えば、 (1)複数個のピンホールを有する回転走査円板に代え
て、1個のピンホールを有する絞り板を用いてもよい。
この場合においては、対象物を走査することによって対
象物の像を観察することができる。 (2)短波長減光手段として、紫外線カットフィルタに
代えて波長選択性を有するミラーを用いてもよい。 (3)紫外線カットフィルタとしては、340nm以下
の波長光を少なくとも減衰させるものであればよく、レ
ンズ系を構成する硝材および接着剤における耐紫外光性
の向上に伴い、340nmを超える短波長光(341〜
380nm)を透過するフィルタを用いてもよい。
【0041】
【発明の効果】請求項1の共焦点型光学顕微鏡によれ
ば、四分の一波長板の表、裏面からの反射光が絞り板の
スポット照射領域内で集光することはなく、この反射光
が受像手段によって受光されることはないので、コント
ラストの高い良好な像を観察することができる。請求項
2の共焦点型光学顕微鏡によれば、対物レンズと結像レ
ンズとの間の光路上に光軸補正板を配置する、という極
めて簡単な手段によって、四分の一波長板が傾斜するよ
うに配置されたことによる光軸のずれが確実にキャンセ
ルされ、光軸のずれに起因する光学的収差の発生を確実
に回避することができる。請求項3の共焦点型光学顕微
鏡によれば、光源からの放射光のうち、レンズやレンズ
系の接合用接着剤を劣化させる短波長領域の光が短波長
減光手段によって減衰されるので、光学系における高い
光透過率が安定的に維持され、長期間にわたって明るい
像を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共焦点型光学顕微鏡における構成の概
略を示す説明図である。
【図2】光軸補正板によって光軸のずれが補正されてい
る状態を示す説明図である。
【図3】第1の結像レンズと第1の対物レンズとの間の
光路上に、四分の一波長板と光軸補正板とが組み込まれ
ている状態を示す断面図である。
【図4】従来の共焦点型光学顕微鏡における基本的な構
成を示す説明図である。
【符号の説明】
21 回転走査円板 22 回転駆動手段 30 照明用光学系 31 光源 32 反射鏡 33 赤外線カットフ
ィルタ 34 紫外線カットフィルタ 35 板状部材 36 アークリレーレンズ 37 ピンホールリレ
ーレンズ 41 第1の対物レンズ 42 第2の対物レン
ズ 43 フィールドレンズ 51 第1の結像レン
ズ 52 第2の結像レンズ 60 受像手段 61 アイピース 71 第1の偏光子 72 四分の一波長板 73 偏光ビームスプ
リッタ 74 第2の偏光子 75 光軸補正板 81 筒状保持部材 82 スペーサー部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個又は複数個のピンホールを有する絞
    り板と、この絞り板の一面にスポット光を照射するため
    の光源と、前記絞り板の一面に照射する光を偏光させる
    第1の偏光子と、前記絞り板の他面側において、観察さ
    れるべき対象物に近接して配置された対物レンズと、前
    記対物レンズと合わせて使用し、対象物の像を前記絞り
    板上に結像させるよう、前記絞り板と前記対物レンズと
    の間の光路上に配置された結像レンズと、この結像レン
    ズと前記対物レンズとの間の光路上に配置された四分の
    一波長板と、前記絞り板の一面側において、前記第1の
    偏光子と前記四分の一波長板との間の光路上に配置され
    た偏光ビームスプリッタと、この偏光ビームスプリッタ
    を通過する前記対象物からの反射光を受光して当該対象
    物の像を受像する受像手段と、前記偏光ビームスプリッ
    タと前記受像手段との間の光路上に配置された第2の偏
    光子とを有してなる共焦点型光学顕微鏡において、 前記四分の一波長板は、その表面における法線が、前記
    対物レンズと前記結像レンズとがなす光軸に対して傾斜
    するように配置されていることを特徴とする共焦点型光
    学顕微鏡。
  2. 【請求項2】 四分の一波長板を傾斜するように配置し
    たことによる当該四分の一波長板の前後における光軸の
    ずれを補正するための光軸補正板が、対物レンズと結像
    レンズとの間の光路上に配置されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の共焦点型光学顕微鏡。
  3. 【請求項3】 光源からの放射光のうち、340nm以
    下の波長光を少なくとも減衰させる短波長減光手段が設
    けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の共焦点型光学顕微鏡。
  4. 【請求項4】 絞り板が、複数個のピンホールを有する
    回転走査円板であることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3の何れかに記載の共焦点型光学顕微鏡。
JP26407693A 1993-09-29 1993-09-29 共焦点型光学顕微鏡 Withdrawn JPH07104187A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0961719A (ja) * 1995-08-28 1997-03-07 Yokogawa Electric Corp 共焦点顕微鏡
JP2007188038A (ja) * 2005-06-16 2007-07-26 Fujifilm Corp 表示素子
JP2013101886A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Iwasaki Electric Co Ltd 照射装置
CN113711009A (zh) * 2019-02-04 2021-11-26 生命科技控股私人有限公司 光学读取器和分析生物样品的方法

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