JPH07104104A - 光学素子 - Google Patents

光学素子

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JPH07104104A
JPH07104104A JP5248125A JP24812593A JPH07104104A JP H07104104 A JPH07104104 A JP H07104104A JP 5248125 A JP5248125 A JP 5248125A JP 24812593 A JP24812593 A JP 24812593A JP H07104104 A JPH07104104 A JP H07104104A
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JP
Japan
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glass
layer
thin film
oxide
resin layer
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JP5248125A
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English (en)
Inventor
Akitoshi Nozaki
昭俊 野▲崎▼
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ランタン系のガラスを含めてどのようなガラ
スでも、樹脂を積層することができ、しかも樹脂とガラ
スとの密着性を向上させ、更に樹脂とガラスとによる反
射を大幅に低減する光学素子。 【構成】 ガラス母材上に、珪素若しくは珪素酸化物を
最終層とした1層以上の薄膜層を設け、更に前記最終層
にシランカップリング処理を施した後、樹脂層を順次積
層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、ガラス母材上に樹脂
層を積層した光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス母材上に樹脂層を積層して
非球面レンズを作成することにより、ガラス製非球面レ
ンズが高価であるという問題点や、プラスチック製非球
面レンズの温度特性に関する問題点を克服する提案がな
されている。この場合、ガラス母材上に樹脂層を直接積
層すると、ガラスと樹脂の密着力が弱いので、ガラス母
材にシランカップリング処理を施すことで、有機材料で
ある各種樹脂と無機質材料である化学的に結合し、密着
力を高めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シラン
カップリング処理が有効に作用するガラスは、SiO2成分
を多く含んだクラウン系のガラスで、主成分がSiO2でな
いガラス、例えばLaSF、LaKなどのランタン系の
ガラスには効果が薄く、一般に用いられるテープ剥離テ
ストでガラスと樹脂層の密着性を評価すると、不十分な
結果となった。
【0004】また、ランタン系のガラスは高屈折率のガ
ラスが多く、一方、樹脂の屈折率は1.5程度なので、ガ
ラスと樹脂層とを単純に直接積層すると、その境界領域
で大きな光の反射が生じて光学特性が悪くなる。
【0005】本願発明は、このような問題を解決するこ
とを目的とするものであり、あらゆる種類のガラス母材
に対して樹脂層との密着力を向上させ、更に、ガラス母
材と樹脂層の境界領域で生じる光の反射を軽減させ、光
の透過率の高いガラスと樹脂層の積層を実現するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は本願発明にお
ける、ガラス母材上に、珪素若しくは珪素酸化物を最終
層とした1層以上の薄膜層を設け、更に前記最終層にシ
ランカップリング処理を施した後、樹脂層を順次積層し
たことを特徴とする光学素子により解決される。
【0007】
【実施例】本願発明を図1乃至図15に基づいて、詳細に
説明する。
【0008】図1は、本願発明の光学素子の断面図であ
る。図1において、1は母材となるガラスであり、クラ
ウン系のガラスでもランタン系のガラスでもよい。2及
び3は反射防止及びガラス1と樹脂層との密着性を向上
させることを目的とする薄膜であり、最終層の薄膜3は
SiO、SiO2(珪素酸化物)若しくはSi(珪素)の何れか
よりなる薄膜である。薄膜3は、シランカップリング処
理4が施されており、その上に樹脂層5が積層されてい
る。
【0009】シランカップリング処理とは、分子中に2
個以上の異なった反応基をもち、有機質材料である樹脂
と、無機質材料であるガラスの如き相性の悪い材料を化
学的に結合させる働きを有するものである。(例:信越
シリコーン製、シランカップリング剤、KBM 503) 樹脂層の材料は、光硬化型樹脂、例えば可視光硬化性樹
脂や紫外線硬化樹脂が望ましいが、エポキシ樹脂や、熱
硬化型樹脂でも適用できる。
【0010】図2は、図1の樹脂層の上に更に反射防止
用薄膜6を積層した図である。
【0011】図3は、ガラス1の表面に、SiO、SiO2
しくはSiの何れかを用いた場合の図である。
【0012】〔実施例1〕図2における薄膜2に、ガラ
ス側からSiO2、OH−5を用い、薄膜3にSiO2を用い、ガ
ラスにLaK14、SF4及びLASF03を用いた光学素
子の設計例を表1に示す。この設計により得られた薄膜
層をガラスLaK14に用いたときの反射特性を図6に、
SF4に用いたときの反射特性を図7に、LASF03に
用いたときの反射特性を図8に示す。
【0013】反射率は、波長450〜600nmで2%以下とな
り、良好な反射防止効果が得られた。樹脂層5の上に積
層された反射防止用薄膜6は、酸化シリコン(SiO2)、
チタン酸ジルコニウム(ZrTiO2)、酸化シリコン(Si
O2)の順で積層された薄膜で形成され、各薄膜をnd/
λ0で表すと、1/4〜1/8、1/8、1/4とな
る。反射特性は、図4に示すように、ガラス1の薄膜2
を形成した側と反対面に黒色樹脂層7を塗装し、黒色樹
脂層7とは反対側より光を照射し反射光量を測定して求
めた。
【0014】また、樹脂層5の密着性を評価するため、
テープ剥離テスト(クロスカット試験法、JIS D020
2)を行い、日本塗料検査協会による評価基準(文献:
最新コーティング技術、昭和58年発行、株式会社総合技
術センター出版)で評価した評価点数8〜10点となり、
クロスカット面のハガレは発生しなく、良好な密着性を
示した。
【0015】なお、表1において、 (1)層数は、ガラス側より第1、2、3層とする。
【0016】(2)第1層の蒸着材料は、SiO2の他に、MgF
2であってもよい。
【0017】膜厚範囲:0.05≦nd/λ0≦0.10 (3)第2層の蒸着材料は、OH−5の他に、ZrO2,CeO2,T
a2O5,TiO2及びこれらの混合物であってもよい。
【0018】膜厚範囲:0.02≦nd/λ0≦0.10 OH−5は、オプトロン社製の製品名であり、ZrTiO2(チ
タン酸ジルコニウム)である。
【0019】
【表1】
【0020】〔実施例2〕図2において、薄膜2にAl2O
3のみを用い、薄膜3にSiO2を用い、ガラスにLaK1
4、SF4及びLASF03を用いた光学素子の設計例を
表2に示す。この設計により得られた薄膜層をガラスL
aK14に用いたときの反射特性を図9に、SF4に用い
たときの反射特性を図10に、LASF03に用いたときの
反射特性を図11に示す。
【0021】反射特性の測定及び反射防止用薄膜6は、
実施例1と同様である。この結果、実施例1と同様に良
好な反射防止効果が得られた。樹脂層5の密着性を実施
例1と同様に評価すると、同じく良好な結果が得られ
た。
【0022】なお、表2において、 (1)層数は、ガラス側より第1、2層とする。
【0023】(2)第1層の蒸着材料は、Al2O3の他に、Si
O、Al2O3とCeO2の混合物でもよい。
【0024】膜厚範囲:0.20≦nd/λ0≦0.30 Al2O3は、酸化アルミニュウムである。
【0025】
【表2】
【0026】〔実施例3〕図3における薄膜3にSiOを
用い、ガラスにLaK14を用いた光学素子の設計例を表
3に、その反射特性を図12に示す。
【0027】反射特性の測定法、反射防止用薄膜6は実
施例1と同様であり、良好な反射防止効果が得られ、ま
た樹脂層5の密着性も実施例1と同様に評価し、良好な
結果を得た。
【0028】
【表3】
【0029】また、図3の薄膜3にSi若しくはSiO2を用
いた場合も、実施例3と同様に良好な反射特性と樹脂層
の良好な密着性を得た。
【0030】なお、前記実施例1乃至3において、膜厚
値はnd/λ0で示してあり、λ0は設計波長(反射率を
最小にしたい波長、例えば510nm)、nは膜を構成する
材料の屈折率、dは膜の実測厚(nm)である。また、樹脂
の屈折率を1.51915とした。一般の樹脂材料を用いた場
合も、同等の材料と膜厚範囲の適応が可能である。
【0031】〔比較例〕図13乃至図15は、図5に示す如
く、反射防止用薄膜2及び3を省略し,ガラスに樹脂層
を直接積層したときの光学素子の反射特性を示すもので
あり、ガラスにLaK14を用いたときの反射特性を図13
に、SF4を用いたときの反射特性を図14に、LASF
03を用いたときの反射特性を図15に示す。
【0032】反射特性の測定法、反射防止用薄膜6の構
成は、実施例と同様である。
【0033】反射防止用薄膜2及び3を設けた図6乃至
図12における反射特性と、省略した図13乃至図15におけ
る反射特性とを比較すれば、反射特性が比較例で顕著に
劣化し、反射率が大きくなるのは、ガラス1と樹脂層5
の境界付近での光反射が大きくなっている為であること
が明らかであり、反射防止用薄膜2及び3の効果は顕著
であることが分かる。
【0034】また、樹脂層5の密着性を実施例1と同様
に測定した結果、ガラス1の表面をシランカップリング
処理したにもかかわらず、評価点数0〜4と実用上不十
分な結果となり、前記処理の効果が見られず、薄膜2及
び3の効果が明らかとなった。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本願発明に
よれば、ランタン系のガラスを含めてどのようなガラス
でも、樹脂とガラスとの密着性を強くして積層すること
が可能であり、しかも樹脂とガラス間の反射を大幅に低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の光学素子の断面図である。
【図2】図1の樹脂層の上に更に反射防止用薄膜を積層
した図である。
【図3】薄膜を単層とした図である。
【図4】図2のガラス1に黒色樹脂層7を塗装した図で
ある。
【図5】図2に対して、薄膜2及び3を除去した図であ
る。
【図6】薄膜にSiO2、OH−5及びSiO2を用い、ガラスに
LaK14を用いたときの反射特性図である。
【図7】薄膜にSiO2、OH−5及びSiO2を用い、ガラスに
SF4を用いたときの反射特性図である。
【図8】薄膜にSiO2、OH−5及びSiO2を用い、ガラスに
LASF03を用いたときの反射特性図である。
【図9】薄膜にAl2O3及びSiO2を用い、ガラスにLaK1
4を用いたときの反射特性図である。
【図10】薄膜にAl2O3及びSiO2を用い、ガラスにSF
4を用いたときの反射特性図である。
【図11】薄膜にAl2O3及びSiO2を用い、ガラスにLA
SF03を用いたときの反射特性図である。
【図12】薄膜にSiOを用い、ガラスにLaK14を用い
たときの反射特性図である。
【図13】ガラスにLaK14を用い、反射防止薄膜2及
び3を省略したときの反射特性図である。
【図14】ガラスにSF4を用い、反射防止薄膜2及び
3を省略したときの反射特性図である。
【図15】ガラスにLASF03を用い、反射防止薄膜2
及び3を省略したときの反射特性図である。
【符号の説明】
1 ガラス 2 薄膜 3 最終層の薄膜 4 シランカップリング処理 5 樹脂層 6 反射防止用薄膜 7 黒色樹脂層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス母材上に、珪素若しくは珪素酸化
    物を最終層とした1層以上の薄膜層を設け、更に前記最
    終層にシランカップリング処理を施した後、樹脂層を順
    次積層したことを特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】 前記樹脂層が紫外線硬化型樹脂よりなる
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 前記薄膜層が、ガラス母材に近い層から
    順に、第1層が酸化珪素、フッ化マグネシウム、若しく
    は酸化珪素とフッ化マグネシウムとの混合物の何れかよ
    りなり、第2層がチタン酸ジルコニウム、酸化ジルコニ
    ウム、酸化セリウム、酸化タンタル、酸化チタン、又は
    チタン酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウ
    ム、酸化タンタル若しくは酸化チタンの何れかの組み合
    わせからなる混合物の何れかよりなり、第3層が酸化シ
    リコンよりなることを特徴とする請求項1記載の光学素
    子。
  4. 【請求項4】 前記薄膜層が、ガラス母材に近い層から
    順に、第1層が酸化アルミニュウム、一酸化珪素、若し
    くは酸化アルミニュウムと酸化セリウムの混合物の何れ
    かよりなり、第2層が二酸化珪素よりなることを特徴と
    する請求項1記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 前記薄膜層が、一酸化珪素よりなること
    を特徴とする請求項1記載の光学素子。
JP5248125A 1993-10-04 1993-10-04 光学素子 Pending JPH07104104A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021106348A1 (ja) * 2019-11-27 2021-06-03 Agc株式会社 積層体および扉または壁

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