JPH07103313B2 - 硬化性樹脂成形品 - Google Patents

硬化性樹脂成形品

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JPH07103313B2
JPH07103313B2 JP2035469A JP3546990A JPH07103313B2 JP H07103313 B2 JPH07103313 B2 JP H07103313B2 JP 2035469 A JP2035469 A JP 2035469A JP 3546990 A JP3546990 A JP 3546990A JP H07103313 B2 JPH07103313 B2 JP H07103313B2
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邦光 松崎
昭二 金子
昌視 中村
和総 森口
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、可とう性、耐熱性、耐薬品性,強靱性及び接
着性にすぐれた硬化物を与える硬化性樹脂成形品に関す
るものである。
〔従来技術及びその問題点〕
従来、可とう性硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物とし
て、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物に無機
フィラーを配合したもの(特開昭62−143980号公報)及
びエチレン−酢酸ビニル共重合体にシアナート基を有す
るシアン酸エステル化合物を配合したもの(特開昭62−
79245号公報)等が知られている。
しかし、これらの組成物から得られる熱硬化物は、可と
う性及び強靱性を有するものの、耐熱性において不満足
であった。一方、耐熱性硬化物を与える樹脂として、エ
ポキシ樹脂やフェノール樹脂等が知られているが、これ
らの樹脂から得られる硬化物は、可とう性を有しないも
のであり、割れやクラックを生じやすいという欠点を有
している。
さらに、多官能性シアナート化合物と多官能性マレイミ
ド化合物からなる硬化性樹脂組成物も知られている(特
開昭50−129700号)。この組成物から得られた硬化物
は、耐熱性、耐薬品性等においてすぐれたものである
が、可とう性を示すものではない。
特開昭60−192779号公報によれば、多官能性シアナート
化合物と、多官能性マレイミド化合物からなる熱硬化性
樹脂組成物に、低結晶性ないし非結晶性の熱可塑性飽和
ポリエステル樹脂を配合した接着剤組成物が提案されて
いる。この接着組成物の硬化物はポリエステル樹脂に基
づく可とう性を示す。しかし、この組成物はワニスとし
て開発されたもので、熱成形材料としての用途には満足
し得るものではない。
また、特公昭64−9350号公報によれば、エポキシ樹脂10
0重量部と、固体状態のカルボキシル基含有アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体3〜15重量部と、合成ゴム
60〜100重量部を含有するフィルム状の熱硬化性樹接着
組成物が示されている。このような硬化性樹脂フィルム
は、油面接着性にすぐれたものであり、また可とう性硬
化物を与えるが、常温において表面粘着性を有し、この
表面粘着性のために、成形品としての取扱い性に劣ると
いう問題がある。
〔発明の課題〕
本発明は、可とう性と耐熱性の両者にすぐれた硬化物を
与え、かつ常温において表面粘着性がなくて取扱い性に
すぐれた硬化性樹脂成形品を提供することをその課題と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決するめに鋭意研究を重ね
た結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、シアナート基と反応し得る
官能基を有する熱可塑性樹脂に対し、多官能性シアナー
ト化合物を単独又は多官能性マレイミド化合物と組合せ
て配合するとともに、さらに溶融粘度調節剤を配合した
組成物の溶融成形品からなり、該溶融粘度調節剤は前記
多官能性シアナート化合物及び/又は熱可塑性樹脂と反
応し得る官能基を少なくとも1個含有する低分子化合物
又はオリゴマー化合物であることを特徴とする硬化性樹
脂成形品が提供される。
本発明における熱可塑性樹脂としては、アシナート基と
反応し得る官能基を含有するものが用いられ、その分子
量は通常1万以上である。この場合、シアナート基と反
応し得る官能基としては、アルコール性又はフェノール
性水酸基、アルボキシル基、アミノ基、アミド基等が挙
げられる。本発明で用いる熱可塑性樹脂は、これらの官
能基の1種又は2種以上を含有するものである。このよ
うな樹脂としては、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ポ
リビニルアルコール、エチレン/酢酸ビニル共重合体の
部分ケン化物、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、ポリ
アクリル酸又はポリメタクリル酸あるいはそれらの共重
合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド
アミン樹脂等が挙げられる。本発明で用いる熱可塑性樹
脂は、成形品の熱溶融接着性の点では、水酸基とカルボ
キシル基を有することが好ましい。このような水酸基と
カルボキシル基を含む樹脂は、ブチラール樹脂やエチレ
ン/酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物等の水酸基含有
樹脂を製造するための重合に際し、無水マレイン酸や、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等の不飽和カル
ボン酸を共重合成分として加えることによって得ること
ができる他、水酸基含有樹脂に、前記不飽和カルボン酸
をグラフト重合させることによって得ることができる。
本発明で用いる前記熱可塑性樹脂には、必要に応じ、他
の樹脂、例えば、ポリエチレンや、ポリプロピレン、エ
チレン/プロピレン共重合体、ポリブテン−1等のポリ
オレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニル、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エポ
キシ樹脂等を添加混合することもできる。このような混
合樹脂において、前記イソシアナート基と反応し得る官
能基を含有する樹脂の割合は30重量%以上、好ましくは
60重量%以上である。
本発明においては、前記熱可塑性樹脂に対して、多官能
性シアナート化合物を単独又は多官能性マレイミド化合
物と組合せて配合し、さらに溶融粘度調節剤を配合す
る。
多官能性シアナート化合物は、分子中に2個以上のシア
ナート基を有する有機化合物で、モノマー自体の他、そ
のプレポリマー、そのモノマーとアミンとのプレポリマ
ー等が包含される。
前記多官能性シアナート化合物としては、例えば、次の
一般式で表わされるものを好ましく用いることができ
る。
R(OCN)m (I) 前記式中、Rは2価又は5価以下、好ましくは2価の芳
香族基である。mはRの価数に対応する数で、2〜5の
整数である。
前記一般式(I)で表わされる多官能性シアナート化合
物としては、例えば、ジシアナートベンゼン、トリシア
ナートベンゼン、ジシアナートナフタレン、4,4′−ジ
シアナートビフェニル、ビス(4−ジシアナートフェニ
ル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−シアナートフ
ェニル)プロパン、ビス(4−シアナートフェニル)エ
ーテル、ビス(4−シアナートフェニル)スルホン、ト
リス(4−シアナートフェニル)ホスファイト(又はホ
スフェート)、ノボラックとハロゲン化シアンとの反応
により得られるシアン酸エステル等が挙げられる。
多官能性シアナート化合物のプレポリマーは、多官能性
シアナート化合物自体を鉱酸やルイス酸等の存在下に重
合させることによって得ることができる。また、多官能
性シアナート化合物とアミンとのプレポリマーは、多官
能性シアナート化合物とアミンと反応させることによっ
て得ることができる。この場合、アミンとしては、フェ
ニレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノビフェ
ニル、ビス(アミノフェニル)プロパン等が挙げられ
る。
多官能性マレイミド化合物は、分子中にN−マレイミド
基を2個以上含有する化合物で、モノマー自体の他、そ
のプレポリマー、そのモノマーとアミンとのプレポリマ
ー等が包含される。
前記多官能性マレイミド化合物としては、例えば、次の
一般式で表わされるものを好ましく用いることができ
る。
前記式中、Rは2価以上、通常5価以下、好ましくは2
価の芳香族又は脂環族系の有機基である。X1,X2は、水
素、ハロゲン又はアルキル基である。nはRの価数に対
応する数で、1〜5の整数である。
前記一般式(II)で表わされる多官能性マレイミド化合
物は、無水マレイン酸化合物と多価アミノ化合物とを反
応させてマレアミド酸とした後、マレアミド酸を脱水環
化することによって製造することができる。この場合、
多価アミノ化合物としては、例えば、フェニレンジアミ
ン、キシリレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、4,
4′−ジアミノビフェニル、ビス(4−アミノフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、ビ
ス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン、2,2−
ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−アミノ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アミノ−3−クロロフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン等が
挙げられる。
本発明において、多官能性シアナート化合物を多官能性
マレイミド化合物と組合せて用いる場合、両者は未反応
又は予備反応物(Bステージ樹脂)であることができ
る。この場合、予備反応物は、多官能性シアナート化合
物と多官能性マレイミド化合物とを触媒の存在下又は不
存在下で行うことができる。触媒としては、有機金属
塩、第3級アミン等の慣用のものを用いることができ
る。
多官能性シアナート化合物と多官能性マレイミド化合物
との割合は、重量比で、多官能性シアナート化合物:60
〜100%、好ましくは70〜90%、多官能性マレイミド化
合物:0〜40%、好ましくは10〜30%の割合である。
多官能性シアナート化合物の使用割合は、熱可塑性樹脂
100重量部に対し、10〜100重量部、好ましくは30〜80重
量部の割合である。また、多官能性シアナート化合物を
多官能性マレイミド化合物とともに用いる場合には、両
者の合計量が、熱可塑性樹脂100重量部に対し、20〜120
重量部、好ましくは40〜90重量部の割合である。
なお、前記した如き多官能性シアナート化合物や多官能
性マレイミド化合物の硬化反応性等については、特開昭
50−129700号公報や、特開昭60−192779号公報等に詳述
されている。
本発明で用いる溶融粘度調節剤は、前記した如き多官能
性シアナート化合物及び/又は熱可塑性樹脂と反応し得
る官能基を分子中に1個又は2個以上有する低分子化合
物又はオリゴマー化合物であり、その平均分子量は、10
000未満、通常、150〜5000の範囲である。また、軟化点
又は融点が100℃以下で、常温で半固体状(ペースト
状)ないし固体状のものが用いられ、組成物が固体状態
が特に損なわれない限り、液体状のものも使用可能であ
る。
溶融粘度調節剤の具体例としては、各種ポリオール化合
物やポリアミン化合物の他、アミド化合物、脂肪アミン
又はその塩、多官能性(メタ)アクリル酸エステル、カ
プロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル、前記し
た熱可塑性樹脂のオリゴマー等が挙げられる。
前記ポリオール化合物としては、例えば、次の一般式で
示されるものが用いられる。
HOCmH2mOH (III) (式中、mは正の整数、nは2以上、好ましくは3080の
整数を示す) (式中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基、qは1以
上、好ましくは3〜40の整数を示す) その他、飽和炭化水素骨格を持つ分子量1,000〜5,000の
末端水酸基含有ポリマー(テレキーリックポリマー)
で、1分子中1.5〜3個のOH基を有するもの等が用いら
れる。ポリオール化合物は、多官能性シアナート化合物
と反応する他、アミノ基やカルボキシル基を有する熱可
塑性樹脂とも反応する。
ポリアミン化合物としては、一般式 H2NC3H6OC2H4OC3H6ONH2 (V) (式中、nは20〜150の整数を示す) で表わされるポリエチレングリコールジアミンが挙げら
れる。ポリアミン化合物は多官能性シアナート化合物と
反応する他、水酸基やカルボキシル基を有する熱可塑性
樹脂とも反応する。
アミド化合物としては、各種脂肪酸アミド化合物が使用
される他、ダイアセトンアクリルアマイド等の不飽和結
合を有するものも好ましく用いることができる。このよ
うな不飽和結合を有するアミド化合物は、多官能性シア
ナート化合物と反応する他、有機過酸化物と組合せるこ
とにより、それ自体で重合し、またマレイミド化合物と
も共重合する。
脂肪アミンとしては、牛脂アミン、ステアリルアミン、
ジステアリルアミン、ステアリルアミンアセテート等が
挙げられる。
溶融粘度調節剤は、組成物を溶融成形して硬化性樹脂成
形品を得る場合の溶融物の流動性を調節し、成形作業性
を向上させるとともに、成形品の品質を高めるものであ
る。このものの添加割合は、粉末状組成物の溶融水平流
れ率が5〜40%になるように選定するのがよい。溶融粘
度調節剤の使用割合は、一般的には、熱可塑性樹脂100
重量部に対し、5〜100重量部の範囲であるが、その種
類によって好適範囲は異なり、例えば、ポリオール化合
物の場合には、20〜60重量部の範囲、ポリアミン化合物
の場合には、5〜30重量部の範囲にするのが好ましい。
本発明で用いる原料組成物においては、必要に応じて架
橋剤としてポリイソシアネート及び/又は有機過酸化物
を配合することができる。この場合、ポリイソシアネー
ト化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基(−
NCO)を持ち、好ましくは常温で固体状を示すものであ
ればよい。この場合、イソシアネート基は、アミド化合
物やフェノール、アルコール、オキシム、メルカプタン
等の活性水素含有化合物と反応してブロックされていて
もよい。このようなものとしては、例えば、フェニレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビフェ
ニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−p,p′−
ジイソシアネート及びそれらのイソシアネート基がブロ
ックされた化合物等が挙げられる。本発明におけるポリ
イソシアネート化合物としては、イソシアネート基がε
−カプロラクタムと反応してブロックされたもの、例え
ば、下記式で示されるものが好ましく用いられる。
ポリイソシアネート化合物は、架橋剤として作用し、熱
可塑性樹脂に含まれる官能基と反応してその樹脂を架橋
化する。また、溶融粘度調節剤とも反応し、これを高分
子量化する。ポリイソシアネート化合物の使用割合は、
組成物中に含まれる官能基1当量に対するイソシアネー
ト基の当量比(NCO/OH)が1以下、好ましくは0.03〜0.
8の範囲になるような割合である。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキシ
ド、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソプロピルベンゼ
ン、ジメチルジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ
メチルジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン等がある。
この有機過酸化物は、樹脂中の第3級水素に作用して樹
脂を架橋化させる。有機過酸化物の使用割合は、組成物
中の熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.5〜7.0重量部、
好ましくは1.0〜4.0重量部の割合である。
本発明の原料組成物には、補助成分として種々のものを
添加することができる。このような補助成分としては、
多官能性シアナート化合物と多官能性マレイミド化合物
との反応を促進させる触媒(有機塩基や、フェノール性
化合物、有機金属塩、無機金属塩、酸無水物等)、充填
剤、着色剤、流動性付与剤、酸化防止剤等を用いること
ができる。この場合、充填剤としては、有機系及び/又
は無機系のものが用いられる。成形品を紫外線で硬化さ
せる時には、組成物に光増感剤を補助成分として配合す
ることができる。
本発明の原料組成物に充填剤を配合する場合、その充填
剤の種類を選ぶことにより、各種性状の成形品を得るこ
とができる。例えば、カーボンや金属粉等の導電剤を配
合することにより導電性成形品を、二硫化モリブデン
や、硬化フェノール樹脂、グラファイト、タルク等の摺
動剤を配合することにより摺動性成形品を、フェライト
等の磁性剤を配合することにより磁性成形品を得ること
ができる。
本発明の成形品は、前記組成物を原料として用い、熱溶
融成形することによって製造される。本発明の成形品を
好ましく製造するには、前記組成物をそれに含まれる熱
可塑性樹脂の溶融温度以上で混練し、混練物をペレット
化し、このペレットを成形材料として用いて押出成形法
やカレンダー成形法により成形する。また、前記ペレッ
トを粉砕し、その粉砕物を成形材料として用いてプレス
成形法により成形する。ペレットの粉砕は、液体窒素等
の冷却媒体を用い、樹脂の脆化温度以下に冷却し、粉砕
するのがよい。また、混練工程では、架橋剤の一部が反
応してもかまわないが、架橋化反応を可及的に回避する
のが好ましい。
成形品を得るための成形温度は、組成物に含まれる熱可
塑性樹脂の溶融温度以上であり、成形時間は、成形温度
や成形圧力によって変り、所望する成形品性状に応じて
適当に選定する。成形品の性状は、その架橋反応の程度
に応じて変るが、常温での成形品の取扱い性の上から溶
融熱成形に際し、シート又はフィルムとしての引張強度
で、5kg/cm2以上好ましくは10kg/cm2以上になるように
架橋反応を行わせるのがよい。また、成形加工中に完全
に架橋反応させてしまってもよい。
〔発明の効果〕
本発明の成形品は、熱や、活性光線により硬化させ得る
もので、可とう性と耐熱性の両者にすぐれ、さらに強靱
性にもすぐれた硬化品を与えるものである。
本発明の成形品は、それ自体で取扱いに必要な機械的強
度を有し、しかも常温では非粘着性のもので、加熱によ
り粘着性を示すものである。従って、本発明の成形品
は、常温における取扱い性のすぐれたものであり、離型
紙を用いないで成形品をそのまま重ねても、相互に粘着
することはない。本発明の成形品は、従来慣用されてい
る溶融熱成形法により生産性よく製造することができ
る。
本発明の成形品は、シート状、フィルム状、ブロック状
等の各種の形状であることができ、電気・電子分野を初
めとした各種分野に利用される。
本発明の成形品は、シート状接着剤として有利に用いら
れる。また、本発明の成形品は、これを金属やセラミッ
クス等の基材に積層し、加圧下で熱硬化させることによ
って複合材とすることができる。このようにして得られ
た複合材は、基材と硬化物との間の接着強度において非
常にすぐれたものである。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。な
お、以下において示す部はいずれも重量部である。
実施例1 エチレン/酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物(ケン化
度80%)100部に対し、マレイミド・トリアジン樹脂
(以下、MT樹脂と略記)50重量部、レベリング剤(アク
リル酸エステルオリゴマー)0.3部、有機過酸化物(ジ
クミルパーオキサイド)0.5部、ブロックイソシアネー
ト0.4部及び表−1に示す溶融粘度調節剤として表−1
に示すポリオール化合物を表−1に示す重合部で配合
し、全配合物を乾式で予備混合し、温度120℃に設定し
た押出機より押出し、冷却してペレット化した。
次に、このペレットを押出機に充填し、そのTダイから
フィルム状に押出成形し、冷却ロールにより引取った。
この場合、シリンダー温度は80℃、ダイス温度は100℃
とし、冷却ロール温度は40℃とした。得られたフィルム
は、厚さ:0.15mm、幅;300mmであった。
前記のようにして得られたフィルムは硬化性のもので、
その表面には粘着性はなく、取扱いの容易なものであっ
た。得られた各フィルムについて、そのゲルタイム、引
張強度及び伸び率、ピール強度、T形剥離強度を以下の
ようにして測定し、その結果を表−1に示す。
(ゲルタイム) JIS C 2104に準じて熱板温度200℃で測定した。
(引張強度) 得られたフィルムを200℃×1Hrで硬化したものをJIS K
6911に準じて測定した。
(伸び率) 200℃×1Hrで硬化したものをJIS K 6911に準じて測定し
た。
(ピール剥離強度) シート又はフィルムを25mm×150mmにカットし、カット
サンプルを2枚かさね、その上より1kgの重りを乗せ、2
5℃、24Hr後のピール剥離強度を測定した。
(T形剥離強度) JIS K−6854に準じ、鉄/鉄にて接着し、200℃×1Hrで
硬化したものを測定した。
なお、前記で用いたマレイミド・トリアジン樹脂(MT樹
脂)及びブロックイソシアネート化合物、ポリオール化
合物の具体的内容は次の通りである。
(マレイミド・トリアジン樹脂) 2,2−ビス(シアナートフェニル)プロパン90重量%と
ビス(4−マレイミドフェニル)メタン10重量%とから
なる組成物。比重:1.24、融点:70℃、硬化物のガラス転
移点(Tg):230〜250℃(三菱瓦斯化学(株)製、「BT2
170」)。
(ブロックイソシアネート) 前記式VIで示されるイソシアネート。
(ポリオール化合物) ポリオールA…前記式(IV)で表わされる化合物 (平均分子量:約4000、ワックス状物) ポリオールB…前記式(III)で表わされる化合物 (平均分子量:約3000、ワックス状物) 比較例1 実施例1において、ポリオールを配合しない以外は同様
にして実験を行った。この場合に得られたフィルムは、
ゲルタイム:50秒、引張強度;室温(初期):85kg/mm2
300℃、24時間後:88kg/mm2、伸び;室温(初期):52
%、300℃、24時間後:30%を示した。また、溶融時の流
れが小さいためフィルムの硬化後のT形剥離強度は8kg/
25mmと著しく小さくなった。
実施例2 飽和ポリエステル樹脂(平均分子量:19,000、軟化点:13
2℃、水酸基価(mgKOH/g:3〜7)100重量部に対して、M
T樹脂50部、レベリング剤0.3部、有機過酸化物0.5部、
ブロックイソシアネート0.4部、溶融粘度調節剤として
ダイアセトンアクリルアマイド(分子量:170、融点:約
60℃)10部を配合し、実施例1と同様にして予備混合
し、溶融押出機により押出し、冷却してペレット化し
た。
このペレットを用いて実施例1と同様にしてフィルムを
押出し、得られたフィルムについてのその性能評価を行
った結果、ゲルタイム:63秒、引張強度;室温(初期):
108kg/mm2、300℃、24時間後:104kg/mm2、伸び;室温
(初期):115%、300℃24時間後:113%、T形剥離強度:
13kg/25mmの成績が得られた。
実施例3 実施例2において、熱可塑性樹脂としてポリアミドアミ
ン(平均分子量:10,000、軟化点:142℃、アミン価:2.
0)を用い、かつ溶融粘度調節剤として前記式Vで表わ
されるポリエチレングリコールアミン(平均分子量:約
4000、融点:約60℃)を用いた以外は同様にして樹脂ペ
レットを得た。
これペレットを用いて実施例1と同様にしてフィルム押
出し、得られたフィルムについてその性能評価を行った
結果、ゲルタイム:48秒、引張強度;室温(初期):98kg
/mm2、300℃、24時間後:100kg/mm2、伸び;室温(初
期):95%、300℃、24時間後:92%、T形剥離強度:20kg
/25mmの成績が得られた。
実施例4 実施例3において、MT樹脂の代りに、2,2−ビス(シア
ナートフェニル)プロパンを用いた以外は同様にして樹
脂ペレットを得た。
このペレットを用いて実施例1と同様にしてフィルムを
押出し、得られたフィルムについてその性能評価を行っ
た結果、ゲルタイム:58秒、引張強度;室温(初期):97
kg/mm2、300℃、24時間後:98kg/mm、伸び;室温(初
期):98%、300℃、24時間後:94%、T形剥離強度:22kg
/25mmの成績が得られた。
実施例5 実施例1の実験No.3において、熱可塑性樹脂として、エ
チレン/酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物に対して不
飽和カルボン酸をグラフト共重合させたもの(武田薬品
工業社製、「デュミランC−2280」)を用いた以外は同
様にして樹脂ペレットを得た。このペレットを用いて実
施例1と同様にしてフィルムを押出し、得られたフィル
ムについてその性能評価を行った結果、このフィルムも
良好な性能評価を示すことが確認された。
実施例6 実施例1の実験No.3において、熱可塑性樹脂としてブチ
ラール樹脂(積水化学工業社製、「エスレックBX−
L」)を用いた以外は同様にして樹脂ペレットを得た。
このペレットを用いて実施例1と同様にしてフィルムを
押出し、このフィルムについてその性能評価を行った結
果、良好な成績を示すことが確認された。
比較例2 実施例2において、熱可塑性樹脂としてケン化されてい
ないエチレン/酢酸ビニル共重合体を用いた以外は同様
にして樹脂ペレットを得た。このペレットを用いて実施
例1と同様にしてフィルムを押出し、このフィルムにつ
いての性能評価を行った結果、ゲルタイム:300秒であ
り、硬化性樹脂フィルムとしては劣ったものであった。
また、この樹脂ペレットは、エチレン/酢酸ビニル共重
合体とMT樹脂の相溶性にも劣ったものであった。
比較例3 実施例4において、熱可塑性樹脂としてケン化されてい
ないエチレン/酢酸ビニル共重合体を用い、かつ粘度調
節剤を用いない以外は同様にして樹脂ペレットを得た。
このペレットを用いて実施例1と同様にしてフィルムを
押出し、得られたフィルムについてその性能評価を行っ
た結果、ゲルタイム:290秒であり、硬化性樹脂フィルム
としては劣ったものであった。また、この樹脂ペレット
は、エチレン/酢酸ビニル共重合体と多官能性シアナー
ト化合物(2,2−ビス(シアナートフェニル)プロパ
ン)との相溶性にも劣ったものであった。
実施例7 実施例1の実験No.1の組成物に、さらに炭酸カルシウム
60重量部を配合したものを実施例1と同様にして、ペレ
ット化し、このペレットをフィルム化した。得られたフ
ィルムのゲルタイムは50秒であり、また、その引張強度
は、室温(初期):110kg/mm2、300℃、24時間後:113kg/
mm2であり、その伸びは室温(初期):40%、300℃、24
時間後:38%、T形剥離強度は13kg/25mmであった。
実施例8 実施例7で示したペレットを液体窒素による冷却下で微
粉砕した。この微粉砕物をプレス成形法によりシート化
した。この場合、プレス盤面温度は130℃とし、プレス
圧力を135kg/cm2とし、プレス時間を3分とした。
このようにして得られた硬化性フィルム(厚さ:0.13m
m)のゲルタイムは50秒であり、また、その引張強度
は、室温(初期):110kg/mm2、300℃、24時間後:115kg/
mm2であり、その伸びは、室温(初期):41%、300℃、2
4時間後:38%、T形剥離強度は13kg/25mmであった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 18/62 NEN C08K 5/3492 (72)発明者 森口 和総 東京都中央区銀座4丁目11番2号 ソマー ル株式会社内 (72)発明者 北川 勝治 東京都中央区銀座4丁目11番2号 ソマー ル株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シアナート基と反応し得る官能基を有する
    熱可塑性樹脂に対し、多官能性シアナート化合物を単独
    又は多官能性マレイミド化合物と組合せて配合するとと
    もに、さらに溶融粘度調節剤を配合した組成物の熱溶融
    成形品からなり、該溶融粘度調節剤は前記多官能性シア
    ナート化合物及び/又は熱可塑性樹脂と反応し得る官能
    基を少なくとも1個含有する低分子化合物又はオリゴマ
    ー化合物であることを特徴とする硬化性樹脂成形品。
  2. 【請求項2】無機充填剤を含む請求項1の成形品。
  3. 【請求項3】有機過酸化物及び/又はポリイソシアネー
    ト化合物を含む請求項1又は2の成形品。
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