JPH07103228B2 - 導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

導電性フィルムの製造方法

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JPH07103228B2
JPH07103228B2 JP62143588A JP14358887A JPH07103228B2 JP H07103228 B2 JPH07103228 B2 JP H07103228B2 JP 62143588 A JP62143588 A JP 62143588A JP 14358887 A JP14358887 A JP 14358887A JP H07103228 B2 JPH07103228 B2 JP H07103228B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は導電性フィルムの製造方法に関するものであ
り、特にピロールをモノマー成分とする重合体からなる
導電性フィルムの製造方法に関するものである。
本発明によって製造される導電性複合フィルムは、例え
ば開閉器、スイッチ、遮蔽板等のような導電性材料;蓄
電系、バッテリー等における電極材;遮蔽材料;半導体
素子;太陽電池等の光電変換素子;解媒;プラスチック
の帯電防止加工剤として広範な技術分野において利用さ
れる。
[従来の技術] 従来、導電性高分子化合物としては、ポリアセチレン、
ポリパラフェニリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポ
リパラフェニレンスルフィド、ポリピロール、ポリチェ
ニレン、ポリチオフェン、ポリピリダジン等多数が知ら
れている。これらの重合体は、ドーピング(高分子化合
物の酸化、還元)をすると、通常1〜1,000s/cmの電導
度活性を示すようになる。これらの導電性高分子化合物
は、各種公知の方法で容易に合成される。例えば米国特
許第3,574,072号明細書或いは「J.C.S.Chem.Comm,」誌
(1972年刊行)第635頁以降の報文等に記載されている
ように、ポリピロールの場合は、ピロールの有機溶媒溶
液に、BF6 -、AsF4 -、AsF6 -、SbF5 -、SbCl-、PF6 -、ClO4
-、HSO4 -、SO4 2-等のアニオンを含む、例えばテトラブ
チル過塩素酸アンモニウム等の導電性塩を加えて電解を
行うと、例えばClO4 -イオンがピロールの重合体にドー
ピングした状態で陽極部材上にフィルム状で生成する。
この重合体の合成において、導電性塩の陰イオンが錯生
成剤として作用し、ピロール重合体と錯生成剤からの系
が導電性を呈するのである。ピロールの電気化学的重合
は、通常内部に白金等の貴金属の電極部材を配置した電
解槽の電解液中にピロールを入れ、通電して陽極酸化を
行い、陽極部材上にピロール重合体を析出させ、フィル
ム状体に形成させている。
しかし、この従来技術において、得られるピロール重合
体“ポリピロール”のフィルムの大きさが、電極部材面
の大きさによって制限されてしまい、そのような固定さ
れ、しかも特定の大きさの電極面を有する電極部材で
は、大幅の或いは長尺のフィルムの製造は、事実上不可
能であった。そこでその後、例えば特開昭59-23889号公
報に記載されているごとく、上記のポリピロールの重合
反応装置において、陽極部材として、例えば連続して回
転し、電解質溶液中に絶えず新たな陽極面を形成するド
ラムやエンドレスベルトのような陽極部材を使用する方
法が開発され、初めて大幅の或いは長尺の重合体フィル
ムを製造することが可能となった。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記の方法において長時間の製造操作を
続けると、反応槽内に長時間浸漬されている陰極部材
は、その陰極活性を失ってしまい、度々陰極部材を交換
しなければならないという問題があった。そのため、実
際上大きな或いは長いフィルムを長時間連続して量産す
ることができなかった。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明は、上述した従来技術における問題点を解決し、
任意の大きさのピロール重合体フィルムを簡単かつ連続
的に量産することができる新規な方法を提供することを
目的とするものである。即ち本発明は、ピロール又はピ
ロールとコモノマーとを電解質溶液中に陽極板と陰極板
が配置された電解装置中で電気化学的に重合させ、生成
する重合体を前記陽極板の表面にフィルム状に析出させ
ることによりピロール重合体のフィルムを製造する方法
において、前記陽極板を表面に陽極部材の素材を含有す
るエンドレスベルトにより形成すると共に前記陰極板を
陰極部材の素材を含有するエンドレスベルトにより形成
し、これら双方のエンドレスベルトは電解質溶液中を平
行に走行し、且つ電解質溶液中での走行と電解質溶液外
での走行を交互に繰り返して巡回するようにしたことを
特徴とするピロールのフィルム状重合体の製造方法であ
る。
以下本発明を詳細に説明する。
上述したように本発明は、ピロール又はピロールとコモ
ノマーとを電解質溶液中で電気化学的に重合させること
を基礎とする。そして本発明において使用されるピロー
ルとしては、ピロール、N−アルキルピロール、N−ア
リールピロール、炭素原子がモノアルキル置換され、又
はジアルキル置換されたピロール、炭素原子がモノハロ
ゲン置換され、又はジハロゲン置換されたピロール等が
ある。そして置換されたピロールとしては例えば3,4−
ジアルキルピロール、3,4−ジアリールピロール、3−
アルキル−4−アリールピロール、3−アリール−4−
アルキルピロールで、特に炭素原子数1〜4のアルキル
基、フェニル基やトリル基、キシリル基等のアリール
基、クロル置換した3,4−ジクロロピロール等があり、
いずれも好ましい例である。上述した各種のピロールと
混合し、共重合させるコモノマーとしては、アセチレン
のごときアルキン、オリゴフェニレン、アセナフテン、
フェナントレンもしくはテトラセン等のごとき多核芳香
族化合物、その他5員及び/又は6員の複素環式芳香族
化合物、さらに他の異節芳香環化合物、特に環系中に1
〜3個の異種原子を含有し、かつ該異種原子もしくは環
状炭素原子で例えばアルキル基、特に炭素原子数1〜6
個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてい
てもよい異節芳香環化合物(陽極酸化を簡単に実施する
とができるように、好ましくは少なくとも2個の環炭素
原子は、置換されていないもの。)等がある。そして好
適なコモノマーとしての異節芳香環化合物には、フラ
ン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、チアジア
ゾール、イミダゾール、ピリジン、3,5−ジメチルピリ
ジン、ピラジン、及び3,5−ジメチルピラジン等があ
る。特に5員の異節芳香環化合物、例えばフラン、チオ
フェン、チアゾール、チアジアゾールが好ましいもので
ある。本発明において、ピロールを他のコモノマーと共
に使用する場合、両者の好ましい混合比は、広い範囲内
にあり、具体的には1:99〜99:1(重量比)の範囲内の量
とすることができる。
フィルム状重合体を製造するためには、ピロール或いは
ピロールをコモノマーとを電解質溶液中で適当な導電性
塩の存在下に陽極酸化し、かつその際に重合させる。こ
の場合モノマー濃度は、通常電解質溶液1あたり約0.
1モルである。しかしながらこの濃度は大幅に下回って
もよく、又大幅に上回ってもよい。本発明の方法におい
て、電解質溶液中でのモノマー及び導電性塩の濃度は、
電解時間が非常に長ければ次第に低下するので、所望に
より電解中に新鮮なそれらを補充することができる。こ
の操作は、電解質溶液をポンプで循環させ、かつモノマ
ー及び/又は導電性塩を所望の量で電解装置本体の外部
で調合する形式で実施するのが最も望ましい。しかしな
がら本発明の連続的方法により単一性の均一な重合体フ
ィルムを製造する場合、電解質溶液内のモノマー及び/
又は導電性塩の濃度を強いて一定にする必要はなく、従
って上述の操作を簡単な密閉式電解槽で電解質溶液を循
環させないでも実施することができる。
本発明の方法では、上述したモノマー及び/又は導電性
塩は、電解質溶剤中に溶解される。この電解質溶剤とし
ては、自体公知のかつ慣用の極性有機溶剤を使用するこ
とができる。水と混合可能な有機溶剤を使用する場合に
は、導電率を高めるために少量の、一般に有機溶剤に対
して1重量%以下の水を添加することができる。有利な
電解質有機溶剤としては、例えばアルコール、エーテ
ル、例えば1,2−メトキシエタン、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン及びメチルテトラヒドロフラン、アセト
ン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、塩化メチレン、N−メチルピロリドン、
及びプロビレンカルボネート、同様にこれらの溶剤の混
合物或いは又エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、又はテトラヒドロフランから誘導されるポリグリコ
ールポリブチレングリコール、又はエチレンオキシド/
プロピレンオキシド共重合体等がある。さらに米国特許
第3,574,072号明細書に記載されているような水性電解
質系とすることもできる。
又導電性塩としては、イオン性もしくはイオン化可能な
化合物、特に酸化性の強酸又は酸性基を有する、場合に
よりアルキル基及び/又はニトロ基で置換された芳香族
化合物の陰イオンを有するものを使用することができ
る。好ましい導電性塩としては、陽イオンとしてアルカ
リ金属イオン、特にLi+、Na+もしくはK+、NO+及びNO2 +
等の陽イオン、又は特に窒素及び燐、例えばR4N+型或い
はR4R+型(該式中、基Rは相互に無関係に水素原子、低
級アルキル基、有利には1〜6個の炭素原子を有するも
の、脂環式基、有利には6〜14個の炭素原子を有するも
の、又は芳香族基、有利には6〜14個の炭素原子を有す
るものを表す。)のオニウム陽イオンである例えばテト
ラメチルアンモニウム陽イオン、テトラエチルアンモニ
ウム陽イオン、トリ−n−ブチルアンモニウム陽イオ
ン、テトラ−n−ブチルアンモニウム陽イオン、トリフ
ェニルホスホニウム陽イオン等を含有する化合物があ
る。他方、導電性塩の陰イオンとしては、BF6 -、As
F4 -、AsF6 -、SbF5 -、SbCl-、PF6 -、ClO4 -、HSO4 -、SO4
2-等のアニオン、さらに例えばC6H5COO-陰イオン、場合
によりアルキル基で置換された芳香族スルホン酸の陰イ
オン等、特に好ましくはベンゼンスルホン酸陰イオンも
しくはトシレート陰イオン等酸性基を有する芳香族化合
物の陰イオンがある。そして陰イオンの他の態様とし
て、ニトロ基で置換された酸性ニトロ芳香族化合物をベ
ースとする、例えばニトロフェノール、ニトロ基置換さ
れた芳香族カルボン酸及びニトロ基置換された芳香族ス
ルホン酸の塩があり、特にニトロー、ジニトロー、トリ
ニトローフェノール、ニトロー、ジニトロー、トリニト
ロー安息香酸、並びにニトロー、ジニトロー、トリニト
ローベンゼンスルホン酸等の導電性塩が好ましい。本発
明方法における導電性塩濃度は、1あたり一般に0.00
1〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。
本発明の方法は、隔膜を有するかもしくは有しない槽、
陰極部材、陽極部材及び外部直流電源からなる電解槽も
しくは電解装置を用いて実施することができる。そして
本発明の主要な特徴は、ピロールの電気化学的重合を、
連続して可動であり、かつ連続して平面を形成するよう
構成された陽極部材及び陰極部材を電解質溶液内で走行
させ、或いはさらに上述のごとく平行に移動する陽極部
材と陰極部材の間にピロール又はピロールとコモノマー
とを含む電解質液を通過させつつ実施することである。
本発明においては、電極装置内に配置されたローラの周
りを巡回、走行する表面に陽極部材の素材を含有するエ
ンドレスベルト及び表面に陰極部材の素材を含有するエ
ンドレスベルトを使用する。電解装置内では、これらド
ラムもしくはエンドレスベルトを各電解条件下で陽極部
材上に所望の厚さの重合体フィルムが析出する速度で走
行させる。その後、形成されたフィルム状重合体を、電
解質溶液内に連続的に回転するドラムの表面又は電解質
溶液を経て連続的に搬送されるエンドレスベルトの表面
から剥離し、場合により表面に付着した導電性塩を除去
するために溶剤で洗浄し、かつ乾燥させた後にロール状
に巻き取ることができる。
本発明の実施例におけるドラム又はロールの周りを巡
回、走行するエンドレスベルトは、回転ドラム又はロー
ルの周りを巡回、走行するエンドレスベルトの一部分だ
け電解質溶液中に浸漬され、それにより電解質溶液中で
陽極部材上に析出したフィルム状重合体を電解質溶液か
ら搬出し、電解質溶液の外部で、場合により上記と同様
に適当な剥離装置を用いてドラムもしくはエンドレスベ
ルトの表面から剥離することができ、ついで剥離により
露出した表面を有する陽極部材を再び電解質溶液中に走
入させる。この最後に記述した回転ドラムもしくはロー
ルの周囲を巡回するエンドレスベルトの一部分だけを電
解質溶液中に浸漬する場合は操作上、特に陽極部材から
フィルム状重合体を剥離するのに都合のよい方法であ
る。
本発明の方法では、陽極部材として原則的に任意のかつ
公知のあらゆる電極材を使用することができる。陽極部
材がドラム又はエンドレスベルトの表面である場合に
は、該表面は形成されたフィルム状重合体から困難なく
剥離され得るように処理されているべきである。この場
合、陽極部材としては、特に貴金属、例えば白金、モリ
ブデン、タングステン又はステンレススチール、特にニ
ッケル又チタンが好ましく、又陽極部材の表面は、でき
るだけ平滑であることが望ましい。陽極部材が、例えば
ロール状体から電解質溶液内に引き入れられる有限の帯
状体である場合には、陽極部材として前記金属の他に得
られるフィルム状重合体が固着し、従って陽極部材から
剥離することができないか又はきわめて困難であるよう
な材料を使用することもできる。このような場合とし
て、例えば陽極部材としては導電性重合体、例えばp−
導電性ポリアセチレン又はp−導電性ポリフェニレンを
使用する場合である。この場合、導電性重合体は、直接
フィルム状で使用するか、又は適当な形式で支持体上に
施すことができる。この場合には、ピロール及び場合に
より併用されるコモノマーは、陽極部材として使用され
る導電性重合体上に化学結合して重合する。従ってこの
方法は、高導電率を有する層状に構成された共重合体フ
ィルムを任意の長さ及び大きさで製造することができ
る。
例えば回転ドラム又はロールの周りを巡回、走行するベ
ルトを使用して、形成されたフィルム状重合体を陽極部
材から剥離する場合には、陽極部材の長手周縁部の表面
には、非導電性材料が被覆されているときわめて有利で
ある。この被覆のためには、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン及び特にポリテトラフルオル
エチレン等の重合体がある。この種の縁における被覆
は、陽極部材の重合体フィルムの剥離を容易にする。そ
れというのも重合体は、陽極部材上の被覆された両端縁
部の間にのみ析出し、かつこれらの縁部では重合体フィ
ルムを剥離し易いからである。同様にロールの周りを巡
回、走行するエンドレスベルトを使用する際にも、ベル
トの背面、即ち搬送ロール上を走行する面が非導電性材
料からなるか又は該材料で被覆し、それによって重合体
をエンドレスベルトの表面側だけに析出するようにする
とよい。
冒頭に説明したように、従来技術においては、陰極部材
を反応溶液系内に固定し、浸漬したまま上述の製造操作
を長時間続けると、陰極部材は、その陰極活性を失って
しまうことがあったが、本発明においては、特に上述し
た電解質溶液内の陽極部材及び陰極部材を常に清浄な状
態にしておくのである。そのため、電解質溶液外におい
て走行する前記のエンドレスベルト、特に陰極となるエ
ンドレスベルト、特に陰極部材の表面を洗浄することが
望ましい。即ち、上述した本発明におけるピロール系組
成物の電気化学的反応においては、陽極部材上で酸化反
応によりピロール重合体が生成すると共に、陰極部材上
においても還元反応により他の反応生成物が生じ、この
反応生成物の濃度が大きくなると、陰極における電極作
用が劣化して全体の電気化学反応が遅滞し、さらに高濃
度になると、この電気化学反応が停止してしまうことも
ある。従って、本発明の製造方法を実施する装置におい
ても、電極を構成するドラムやエンドレスベルトの回転
或いは走行する過程の一部分に摩擦布、ブラシ等の洗浄
機構を設け、陽極部材及び陰極部材の電極面を摩擦、研
磨等を行って常に清浄な状態にしておくのである。この
ようにすることによって、常に高い品質の重合体フィル
ムを長時間連続して製造することができる。
本発明の導電性フィルムの製造方法によれば、種々の厚
さの自立性ある導電性フィルムを製造することができ
る。得られるフィルムの厚さは、一般に10〜100μmの
範囲内にある。この場合、フィルムの厚さは、電解質溶
液内の陽極活性材料の対流時間により並びに特に電流密
度により変化させ、かつ調整することができる。得られ
たピロール重合体からなるフィルムは、付着した導電性
塩を溶剤で洗浄し、かつ30〜150℃の温度で、好ましく
は真空下で乾燥することができ、引続き任意の形状に裁
断、加工して種々の用途に使用することができる。
本発明に基づいて製造されるピロールの重合体は、少な
くとも部分的にその製造過程で使用された導電性塩の陰
イオンを含有する高い導電性系である。従ってこの重合
体は、ピロールの重合体の陽イオンと反対イオンからな
る錯体と称することもできる。ピロールの重合体の導電
率は、2点法又は4点法によって測定して一般に100〜1
02Ω−1cm-1の範囲にある。その他の点では、本発明に
より製造された導電性フィルムは、従来公知の方法によ
り製造されたものと同じ特性を有し、各々の用途に供せ
られる。
[実施例] 第1図に示す電解装置により、本発明の導電性フィルム
の製造方法を実施した。
この電解装置において、ガラス製電解槽1内の陰極ベル
ト用ロール5c-1、5c-2、5c-3、5c-4、等に陰極部材3と
して幅10cmのステンレススチールフィルムベルトを、陽
極ベルト用ロール5a-1、5a-2、5a-3、5a-4等に陽極部材
4として裏面を絶縁被覆した幅10cmの白金メッキニッケ
ルフィルムベルトを懸架し、配置した。陰極ベルト3と
陽極ベルト4は、電解槽1内ではほぼ平行に配置されて
いる。電解槽1内にアセトニトリル5,000ml、ピロール2
5g及びテトラエチルアンモニウムパラトルエンスルホネ
ート支持塩100gからなる電解質溶液2を容れ、両ベルト
3,4を速度150cm/分で走行させ、電流密度5mA/cm2で通電
して実施した。
その結果、陽極ベルト4上に厚さ60μmのポリピロール
フィルム6が生成した。このフィルム6を巻取ドラム7
の回転によって陽極ベルト4から剥離し、巻き取り、さ
らにアセトニトリルで洗浄し、乾燥させ、所望のポリピ
ロールフィルムが得られた。
このポリピロールフィルムの電導度を測定したところ、
30s/cmであった。電解は12時間連続して実施することが
できた。
[発明の効果] 本発明によれば、導電性フィルムの製造方法を実施する
装置において、陰極部材の機能劣化を生ずることなく、
品質の良好な導電性ポリピロール系フィルムを容易に連
続して、しかも経済的に量産することができるというき
わめて優れた効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を実施するための導電性フィルム連続
製造装置の概要を示す断面図である。 1:電解槽、2:電解質溶液、3:陰極部材(ベルト)、4:陽
極部材(ベルト)、5c-1,5c-2,5c-3,5c-4:陰極ベルト用
ロール、5a-1,5a-2,5a-3,5a-4:陽極ベルト用ロール、6:
重合体フィルム、7:巻取ドラム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピロール又はピロールとコモノマーとを電
    解質溶液中に陽極板と陰極板が配置された電解装置中で
    電気化学的に重合させ、生成する重合体を前記陽極板の
    表面にフィルム状に析出させることによりピロール重合
    体のフィルムを製造する方法において、前記陽極板を表
    面に陽極部材の素材を含有するエンドレスベルトにより
    形成すると共に前記陰極板を陰極部材の素材を含有する
    エンドレスベルトにより形成し、これら双方のエンドレ
    スベルトは電解質溶液中を平行に走行し、且つ電解質溶
    液中での走行と電解質溶液外での走行を交互に繰り返し
    て巡回するようにしたことを特徴とする導電性フィルム
    の製造方法。
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