JPH07102774A - 水平台構築工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 捨てコンクリート上にコンクリート基礎ブロ
ック等のコンクリート製ブロックを据付ける水平台の精
度向上と工期の短縮を図り施工費を低減する。 【構成】 捨てコンクリートＳＣ上に所定間隔でモルタ
ルＣを盛上げ、モルタルＣ上に鏝板２の上面に目盛り付
き定規棒５を設けた水平台構築器具１，１、１，２を戴
置し、モルタルＣが固化しない間にレベルＬにより目視
確認しつつ鏝板２を押し下げて、所定の設定レベルの水
平台ＣＡにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は捨てコンクリート上へ
コンクリート基礎ブロック、Ｕ字溝ブロック等のコンク
リート製ブロックを据付ける水平台を造る水平台構築工
法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば木造建築物の基礎を構築す
る場合、基礎の形に沿って地面を掘下げ、根切り底に１
０〜２０cm位の割ぐり石を立てて並べ、この割ぐり石の
すきまに砂利を充填して突き固め、その上に捨てコンク
リートを打設する。その後捨てコンクリート上へ適当間
隔でモルタル等を盛上げ、ついでコンクリート基礎ブロ
ック（以下ブロックという）の上面がすべて同一水平レ
ベルになるように高さ調整しながら据付けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように捨てコン
クリート上へ盛上げたモルタル等が固化しない間にブロ
ックを据付けるにあたり、このブロックが既に据付けを
終えた他のブロックと同一水平面であるかどうかを水準
器やレベル等で確認しつつ据付けなければならないので
熟練した作業員でなければ均一な設定レベルにブロック
を据付けることができない。最近は熟練した作業員が不
足し、据付工事に支障を招くという問題がある上に、ブ
ロック毎にモルタルを盛上げて据付ける従来方式は手間
がかかるので、据付け工期が長くなる。施工面積が増大
するほど据付け工期が著しく長くなり、人手不足、施工
費用の増加が問題となっている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】斯かる従来の課題を解決
するためにこの発明の工法は、捨てコンクリート上に所
定間隔でモルタルを盛り上げ、そのモルタル上に鏝板の
上面に目盛り付き定規棒を設けた水平台構築器具を水平
に戴置し、前記モルタルが固化しない間にレベルにより
目視確認しつつ鏝板を水平に押し下げて所定の設定レベ
ルの水平台に揃えた後、鏝板を水平に移動して水平台構
築器具を水平台上から取外して、水平台を構築するよう
にしたものである。

【０００５】

【作用】周知の如くレベルは同一水平面で旋回自在なの
で、所定の面積に適度の間隔で多数の水平台を構築して
も全部を均一な精度の設定レベルに揃えることができ
る。そしてこの工法によればモルタル上に戴置した鏝板
を水平に押し下げた後、鏝板を水平に移動するだけであ
るから、熟練しなくても極めて短時間に表面が滑らかで
精度が均一な水平台を造ることができる。

【０００６】

【実施例】先ず、この発明の水平台構築工法に用いる水
平台構築器具１の実施例について説明する。図５に示す
水平台構築器具１において、２は表面が平滑な鋼板を下
向きのコ字状形に折曲形成した鏝板で、その上面に２つ
の水準器３，３が互いに直交するように固着されてい
る。そして、鏝板の底面２ａまでの深さｈは施工する水
平台の高さより低くする。４は鏝板２の上面ほぼ中央へ
直立姿勢に溶着した正方形の角筒からなる構成のガイド
である。５はガイド４内へ挿入固定される木製の目盛り
付き定規棒であって、その四面には所定等間隔の目盛り
が刻設されている。６はＬ字形の把手で、その一端はガ
イド４の側面へ、他端は鏝板２の上面へ溶着されてい
る。なお上記鏝板２は底面２ａで水平台の上面を仕上る
のであるから、底面２ａが平滑な表面であれば良い。例
えば鏝板２を木製またはプラスチック製の平板に、ガイ
ド４もプラスチック製の角筒に変更してもよい。

【０００７】図１〜図３に基いて、工場生産した逆Ｔ字
状のコンクリート基礎ブロックを用いて木造建築物の基
礎を構築する場合の水平台構築工法の実施例（ブロック
の水平設置施工例）について説明する。

【０００８】図１に示すように捨てコンクリートＳＣ上
へ所定間隔（逆Ｔ字状基礎ブロックＰＣの据付間隔）に
モルタルＣを盛上げる。レベルＬを水平に旋回したとき
木造建築物の全ての水平台を目視確認する位置に設置
し、モルタルＣ上へ水平台構築具１，１を戴置し、例え
ば目盛り付き定規棒５の「２」目盛り線を設定レベルと
定めた場合、一方の水平台構築具１，１の鏝板２を水平
に押し下げて目盛線「２」の高さの水平台ＣＡにする。
次に他方の水平台構築具１，２のそれを「２」目盛り線
へ揃えるために水準器３，３により鏝板２の長手方向お
よび幅方向が水平であるかどうかを作業員が目視しなが
ら水平に押し下げる。このとき他の作業員がレベルＬで
押し下げ量を目視確認しており、「２」目盛り線に揃っ
たときレベルＬの作業員の合図により水平台構築具１，
２の押し下げを止める。

【０００９】万一水平台構築具１，２が「２」目盛り線
より低くなった場合には、いったん水平台構築具１，２
を撤去して再びモルタルＣを盛上げる。そして該モルタ
ル上へ再び水平台構築具１，２を戴置し、上記同様の操
作により押し下げて「２」目盛り線に揃える。こうする
と水平台構築具１，１、１，２は「２」目盛り線に揃え
られ、各モルタルＣの上面は同一水平レベルに調整さ
れ、所定の設定レベルの水平台ＣＡになる・次に、作業
者が把手６を握って鏝板２を水平台ＣＡの上面をスライ
ドさせて水平台構築具１，２を図２の左方向へ取外し、
水平台構築具１，１と所定間隔に盛上げた次のモルタル
Ｃの上に戴置する。前記と同様にして次のモルタルＣを
水平台構築具１，１が戴置している水平台ＣＡと同一水
平レベルの水平台ＣＡに調整し、これを順次繰り返して
所要数の水平台ＣＡを構築する。所要数の水平台ＣＡが
固化次第、図３に示すように、他のモルタルＣＭを同一
水平レベルに調整した前記の各水平台ＣＡ間の捨てコン
クリートＳＣ上へ盛上げ後、ブロックＰＣを水平台ＣＡ
上へ据付ける。

【００１０】図４はブロックの勾配設置施工工事におけ
る水平台構築工法の実施例で、傾斜地の捨てコンクリー
トＳＣへほぼ等間隔にモルタルＣを盛上げる。つぎに最
高位地のモルタルＣへ戴置する水平台構築具１，１は
「３」目盛り線を、中間位置のモルタルＣへ戴置する水
平台構築具１，２は「２」目盛り線を、最低位値のモル
タルＣへ戴置する水平台構築具１，３は「１」目盛り線
を、それぞれ設定レベルと定めておき、傾斜地へ水平据
付けしたレベルＬの作業員に目視確認させつつ水平台構
築具１，１、１，２、１，３をそれぞれ水平レベルで
「３」、「２」、「１」の目盛り線へ揃うように操作し
て各モルタルＣを高さ調整して水平台ＣＡを構築する。
その水平台ＣＡに図示しないＵ字溝ブロック等のブロッ
クを据付けるとブロックは所定の勾配で設置される。

【００１１】例えば、広い平地に重量物を保管する水平
台を造る場合にもこの発明の水平台構築工法によって構
築すれば良いし、捨てコンクリートはモルタルＣを盛上
げる下地のコンクリートであれば良いので既設のコンク
リートでも良い。

【００１２】

【発明の効果】この発明の水平台構築工法によると、コ
ンクリート基礎ブロック、Ｕ字溝ブロック等の水平設置
施工も、勾配設置施工も、熟練した作業員でなくても容
易且つ迅速に、均一な精度の水平台を造ることができ
る。従って従来の施工法に比べて、品質（精度）の向上
と工期の短縮が図られ、施工費を大幅に低減し得るとい
う効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示し、

【図１】ブロックを水平に設置するときの水平台構築工
法の説明図

【図２】水平台に対するブロック据付作業の説明図

【図３】図２のＢ−Ｂ矢視拡大断面図

【図４】ブロックを勾配に設置するときの水平台構築工
法の説明図

【図５】水平台構築器具の斜視図

【符号の説明】

１・・・水平台構築器具 ２・・・鏝板 ５・・・目盛り付き定規棒 Ｃ・・・モルタル ＣＡ・・・水平台 ＳＣ・・・捨てコンクリート Ｌ・・・レベル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 捨てコンクリート上に所定間隔でモルタ
   ルを盛り上げ、そのモルタル上に鏝板の上面に目盛り付
   き定規棒を設けた水平台構築器具を水平に戴置し、前記
   モルタルが固化しない間にレベルにより目視確認しつつ
   鏝板を水平に押し下げて所定の設定レベルの水平台に揃
   えた後、鏝板を水平に移動して水平台構築器具を水平台
   上から取外して、水平台を構築することを特徴とする水
   平台構築工法。