JPH07102391B2 - 押出プレスのビレツト供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は押出材料としてのビレットをコンテナの内孔へ
供給する押出プレスのビレット供給装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

押出プレスは従来一般に次のように構成されている。す
なわち、押出プレスは、メインラムによって軸線方向に
進退する押出ステムと、この押出ステムと同芯上にあっ
て機台側に取付けられたダイスとを備えており、押出ス
テムの外周には、シリンダによって軸線方向に進退する
円筒状のコンテナが設けられている。そして前進位置に
あるコンテナと後退位置にある押出ステムとの間には、
これと同芯位置と機外位置との間で移動するビレット供
給装置としての２組のビレットローダが並列して設けら
れており、このビレットローダの移動によって供給され
た例えば円柱状のビレットは、押出ステムの前進によっ
てコンテナの内孔内へ装入されるように構成されてい
る。

以上のように構成された従来における押出プレスの動作
を説明する。コンテナが前進位置にあるときに、ビレッ
トローダが例えば円柱状のビレットをコンテナを同芯位
置へ搬送してくると、押出ステムが前進して、ビレット
はコンテナの内孔内に装入される。次いで押出ステムが
さらに前進すると、コンテナ内のビレットが押出ステム
で圧縮され、ダイスの押出孔から製品となって押出され
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

このような従来の押出プレスにおいては、ビレットロー
ダが円柱状のビレットを供給するように構成されている
ので、ビレットが供給中に回動しても問題ないが、通常
角形ビレットと呼ばれている断面小判形のビレットが用
いられているときには、この角形ビレットを断面小判形
の内孔を有する通常角コンテナと呼ばれているコンテナ
の内孔と円周方向への位相が一致するように正しく供給
する必要がある。

本発明は以上のような点に鑑みなされたもので、断面小
判形の角形ビレットをコンテナの内孔へ正しく供給する
ことを可能にした押出プレスのビレット供給装置を提供
することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

このような目的を達成するために本発明では、機外位置
と機内位置との間に敷設されたレールに支持され駆動装
置で走行駆動されるビレット台車と、レールの始端部上
方で開きビレットを把持から解放する開閉自在なビレッ
トフィーダと、ビレット台車に回動自在に枢着されビレ
ットフィーダの把持から解放されたビレットを受取って
回動してビレット台車上の固定把持部材との間でビレッ
トを把持するビレット受けと、このビレット受けの移動
終端部のコンテナと同芯位置との間で移動する開閉自在
なビレット把持部材を遊端部に備えた回動自在なビレッ
トローダとを設けた。

〔作 用〕

機外で停止しているビレット台車のビレット受上方へ移
動してきたビレットフィーダがビレットを把持から解放
すると、このビレットはその下方で停止しているビレッ
ト台車のビレット受けで支承され、ビレット受けが回動
してビレットを固定ビレット受けとの間で把持する。こ
のようにしてビレットがビレット受けで把持してレール
上を走行したビレット台車はコンテナの下方で停止し、
ビレットは、この位置で待機しているビレットローダの
ビレット把持部材に把持し替えられ、ビレットローダの
回動によりコンテナと同芯位置へ移動してコンテナの内
孔へ供給される。

〔実施例〕 第１図にないし第３図は本発明に係る押出プレスのビレ
ット供給装置を断面円形のビレットの断面小判形のビレ
ットとに共用可能な押出プレスに実施した例を示し、第
１図はその側面図、第２図はこれを実施した押出プレス
全体の正面図、第３図はビレット台車の拡大正面図であ
る。第２図に示すように、押出プレス１は、ベッド２上
に対向して立設されたシリンダプラテン３とエンドプラ
テン４とを備えており、これら両プラテン3,4は、４隅
をタイロッド５で連結されている。シリンダプラテン３
にはメインラム６が固定されており、このメインラム６
には、これに駆動されて軸線方向に進退し先端部にルー
ズダミー７が装着された押出ステム８が、クロスヘッド
９を介して連結されている。

一方、エンドプラテン４に取付けられたダイスライド10
の内孔には、図示しないダイステムが固定されていて、
このダイステムの軸芯部には、孔が貫通して設けられて
おり、また、ダイステムの後端隣接位置には、押出孔を
備えたダイスが嵌合固定されている。ダイスの後端隣接
位置には、図示しないシリンダに駆動されて軸線方向に
進退するコンテナ13が機台側に支持されて設けられてお
り、このコンテナ13は、前記シリンダに支持されたコン
テナホルダ13aと、その内孔に挿抜自在に嵌合されたコ
ンテナ本体13bとで形成されている。さらにコンテナ本
対13bは、コンテナホルダ13aの内孔と嵌合するコンテナ
タイヤ13cと、コンテナタイヤ13cと内孔と嵌合するコン
テナライナ13dとで形成されている。15は断面ほゞ小判
形に形成された押出材料としてのビレットであって、後
程詳述するビレット供給装置としてのビレットローダ16
に設けられたアーム17の遊端部に支持され、アーム17の
回動によりその遊端部が円弧状の軌跡で移動し、ビレッ
ト15が機外位置から図に示すコンテナ13の軸芯と同芯位
置へ移動するように構成されている。

そこでコンテナ13の内孔へビレット15を供給するビレッ
ト供給装置を、第１図に基づいて詳しく説明する。図に
おいて、高上げされた床面31上には、図の紙背側から手
前側に向って並列する複数個ずつ２列の支柱32が立設さ
れていて、左右の支柱32上に固定された軸受33間のころ
軸34上には、一対ずつのローラ35が図の紙背側から手前
側に向って並列されており、断面小判形のビレット15
は、これらのローラ35上を搬送されてくるように構成さ
れている。なお、ローラ35は、断面真円の丸形ビレット
も搬送できるように内端部が面取りされている。

高い床面31と低い床面36上とに立設された４個の支柱37
上には、長方形状に枠組形成された枠体38が支架されて
おり、この枠体38の幅方向中央部には、水平シリンダ39
がブラケット40に枢支されて設けられている。41は長方
形状に枠組形成されて水平シリンダ39のピストンロッド
42に固定された移動枠であって、４個の車輪43を枠体38
側に転動自在に支持されており、この移動枠41は、ピス
トンロッド42の進退により、図に符号41で示す位置と符
号41Aで示す位置との間で進退するように構成されてい
る。移動枠41の中心部には、垂直シリンダ44が移動枠41
と一体的に移動するように支持されており、そのピスト
ンロッド45の作用端には、平面視長方形の枠状に形成さ
れた保持枠46が、図示しない垂直状のガイド軸で上下動
自在に支持されて固定されている。なお、図では保持枠
46の手前側の側板を除いて示している。保持枠46の内部
には、ステー47で連結された４個の把持レバー48が両側
板46側に揺動自在に枢着されており、片側の把持レバー
48は、上端部間を開閉シリンダ49で連結されている。ま
た、両側のステー47は、互いに山形状に枢着されたリン
ク50によって連結されている。そして、開閉シリンダ49
のピストンロッド51を進退させることにより、把持レバ
ー48が揺動して、ローラ35上に載置されたビレット15の
長手方向２箇所を把持レバー48下端のシュー52で把持す
るように構成されている。

以上のように構成されたビレットフィーダ30全体は、水
平シリンダ39のピストンロッド42が前進することと、垂
直シリンダ44のピストンロッド45が前進することとによ
り、図に鎖線30Aで示す位置へ移動し、把持レバー48の
シュー52で把持したビレット15を所定のタイミングで１
個ずつ搬送するように構成されている。

60は、機外位置で移動したビレットフィーダ30Aの下方
から機内位置である前記コンテナ13の軸芯部下方との間
に敷設された一対のレールであって、傾斜部と水平部な
らびにこれら傾斜部と水平部との間の円弧部とでくの字
状に一体形成されて互いに平行しており、これらのレー
ル60には、全体を符号61で示すビレット台車が、４個の
車輪62を転動自在に係合させて走行自在に支持されてい
る。

ここでビレット台車61の走行駆動装置について説明す
る。レール60の中央部下方に設けられたフレーム63に
は、モータ64が固定されており、このモータ64のモータ
軸上に軸着されたスプロケット65と、フレーム63周辺の
スプロケット群66およびレール60両端部のスプロケット
67,68には、チェーン69が張架されている。このチェー
ン69は、ビレット台車61の車輪軸上に設けたスプロケッ
トにも添接されており、モータ64を正逆方向に回転させ
ることによりチェーン69が走行してビレット台車61がレ
ール60の両端部間を往復して走行するように構成されて
いる。

ここでビレット台車とこれに支持されたビレット受けに
ついて詳しく説明する。レール60の始端部にあるビレッ
ト台車61下方のフレーム70には、開閉シリンダ71が枢支
されており、そのピストンロッドの作用端は、レール60
に枢支された揺動レバー72の遊端部に枢着されている。
ビレット台車61の基板73に一体形成されたブラケット74
には、ビレット受け75が回動自在に枢着されており、図
に示す状態において開閉シリンダ71のピストンロッドを
前進させることにより、揺動レバー72の遊端部に設けた
ころ76が基板73を跳ね上げてビレット受け75を回動させ
るように構成されている。そして、この回動した状態で
前記把持レバー48を開いてビレット15の把持を解放する
と、ビレット15はビレット受け75に支承され、支承され
た状態で開閉シリンダ71のピストンロッドが後退するこ
とにより、ビレット受けが75が、基板73の他端に設けた
固定状の受け77との間でビレット15を挟持してビレット
15の自重で図の位置へ回動するように構成されている。
78はそのピストンロッドの進退によりレバー79を回動さ
せて車輪62の軸と係合させビレット台車61の移動を係止
するロックシリンダである。

前記ビレットローダ16は、タイロッド５に近接して機台
側に支架されたアーム軸80を備えており、このアーム軸
80には、Ｌ字状に形成された前記一対のアーム17がステ
ーで連結されて揺動自在に支持されている。81は機台側
に揺動自在に枢支された揺動シリンダであって、そのピ
ストンロッド82の作用端はアーム17の基部に枢着されて
おり、ピストンロッド82を進退させることにより、先端
のビレット15把持部がレール60の終端部上方とコンテナ
13の軸芯部との間で移動するごとくアーム17が揺動する
ように構成されている。なお、アーム17等は、ビレット
台車61等と干渉しないように軸線方向に位相を違えて設
けられている。アーム17の先端部には、固定状のホルダ
83とともにビレット把持部材を構成するホルダ84が回動
自在に枢着されており、ホルダ84には、アーム17側に枢
支された開閉シリンダ85のピストンロッド86が枢着され
ている。こうすることにより、アーム17が揺動してその
両揺動端限でピストンロッド86が進退すると、ホルダ84
開閉するように構成されている。この場合、ビレット15
はコンテナ13の軸芯と同芯となるように移動途中で姿勢
変更される。

以上のように構成された押出プレスの動作を説明する。
コンテナ13が前進限位置で固定されているときに、後程
詳述するようにビレットローダ16で把持されたビレット
15がコンテナ13と同芯位置へ搬送されてくると、メイン
ラム６に駆動されてクロスヘッド９と押出ステム８とが
一体的に前進し、ビレット15が押出ステム８に押されて
コンテナ13の内孔に挿入され始めるので、ビレットロー
ダ16が機外位置へ退去するとともに、押出ステム８がさ
らに前進するので、ビレット15はコンテナ13の内孔内で
圧縮され、ダイスの押出孔から製品となって押出され
る。

そこでビレットの供給動作について説明する。ローラ35
上を第１図の紙背側から手前側に向って搬送されてきた
ビレット15が把持レバー48に対応する位置で停止する
と、開閉シリンダ49のピストンロッド51が進退して把持
レバー48が開閉するので、ビレット15は把持レバー48の
シュー52で把持される。この場合、両方の把持レバー48
がリンク50で連結されているので、ビレット15が偏って
把持されることがない。ビレット15が把持されると、水
平シリンダ39のピストンロッド42が前進するので、移動
枠41が車輪43を転動させながら垂直シリンダ44と保持枠
46とを伴って符号41Aで示す位置まで移動し、垂直シリ
ンダ44のピストンロッド45を前進させると、ビレットフ
ィーダ30全体は符号30Aで示す位置へ下降する。このと
きレール60の始端部においてレバー79で移動を係止され
て停止しているビレット台車61のビレット受け75が開閉
シリンダ71により揺動レバー72を介して跳ね上げられて
いるので、ビレット15はビレット受け75上に載置され
る。次いで開閉シリンダ71のピストンロッドが後退して
ころ76が基板73から離間するので、ビレット受け75が自
重とビレット15の重量とで回動し、ビレット15はビレッ
ト受け75と固定状の受け77とで挟持される。

次いでロックシリンダ78のピストンロッドが前進してレ
バー77によるビレット台車61の移動係止が解かれるの
で、モータ64を正回転させると、チェーン69が走行して
ビレット台車61がレール60に沿って移動する。ビレット
台車61がレール60の終端部に達すると、モータ64が停止
してビレット台車61が停止する。これに先立ち揺動シリ
ンダ81によりアーム17が揺動してその先端のホルダ83,8
4がレール60の終端部上方位置で待機しており、ビレッ
ト台車61側のビレット受け75と、アーム17側のホルダ84
とが開閉するので、ビレット15はホルダ83,84側に把持
し替えられる。そこで、揺動シリンダ81のピストンロッ
ド82が前進してアーム17が図の時計方向に回動し、ビレ
ット15がコンテナ13と同芯位置で停止するので、開閉シ
リンダ85のピストンロッド86が後退してホルダ84が開
き、ビレット15は押出ステム８で押されて前記押出が行
われる。

押出が終わって押出ステム８が後退すると、アーム17が
次のビレット15を受取る位置へ回動するとともに、モー
タ64の逆回転により、ビレット台車61はレール60の始端
部へ移動する。

なお本実施例の装置は、円形断面のビレットと小判形断
面のビレットとに兼用される押出プレスであるから、断
面円形のビレットを用いて行う押出作業も円滑に行える
ことはいうまでもない。

〔発明の効果〕

以上の説明により明らかなように本発明によれば押出プ
レスのビレット供給装置において、機外位置と機内位置
との間に敷設されたレールに支持され駆動装置で走行駆
動されるビレット台車と、レールの始端部上方で開きビ
レットを把持から解放する開閉自在なビレットフィーダ
と、台車に回動自在に枢着されビレットフィーダの把持
から解放されたビレットを受取って回動しビレット台車
上の固定把持部材との間でビレットを把持するビレット
受けと、このビレット受けの移動終端部とコンテナと同
芯位置との間で移動する開閉自在なビレット把持部材を
遊端部に備えた回動自在なビレットローダとを設けたこ
とにより、断面小判形のビレットを供給径路内で姿勢変
更してコンテナの内孔へ常に正しく供給することができ
るので、押出作業を円滑に行うことができ、押出機能が
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明に係る押出プレスのビレッ
ト供給装置を断面円形のビレットと断面小判形のビレッ
トとに共用可能な押出プレスに実施した例を示し、第１
図はその側面図、第２図はこれを実施した押出プレス全
体の側面図、第３図はビレット台車の拡大正面図であ
る。 １……押出プレス、13……コンテナ、15……ビレット、
16……ビレットローダ、17……アーム、60……レール、
61……ビレット台車、64……モータ、69……チェーン、
71……開閉シリンダ、75……ビレット受け、77……受
け、81……揺動シリンダ、83,84……ホルダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】断面ほゞ小判形のビレットを機外位置から
   コンテナと同芯位置へ移動させてこのコンテナの内孔へ
   供給し得る押出プレスのビレット供給装置であって、機
   外位置と機内位置との間に敷設されたレールに案内され
   駆動装置で走行駆動されるビレット台車と、前記レール
   の始端部上方で開きビレットを把持から解放する開閉自
   在なビレットフィーダと、前記台車に回動自在に枢着さ
   れ前記ビレットフィーダの把持から解放されたビレット
   を受取って回動しビレット台車上の固定把持部材との間
   でビレットを把持するビレット受けと、このビレット受
   けの移動終端部と前記コンテナと同芯位置との間で移動
   する開閉自在なビレット把持部材を遊端部に備えた回動
   自在なビレットロータとを設けたことを特徴とする押出
   プレスのビレット供給装置。