JPH07102058B2 - 海洋深層水を使用した宝石珊瑚の飼育方法及びその装置 - Google Patents
海洋深層水を使用した宝石珊瑚の飼育方法及びその装置Info
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- JPH07102058B2 JPH07102058B2 JP5041840A JP4184093A JPH07102058B2 JP H07102058 B2 JPH07102058 B2 JP H07102058B2 JP 5041840 A JP5041840 A JP 5041840A JP 4184093 A JP4184093 A JP 4184093A JP H07102058 B2 JPH07102058 B2 JP H07102058B2
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- Japan
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- gem
- water
- corals
- coral
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水深約100〜300m
の海底に住む宝石珊瑚を、清浄な海洋深層水を使用した
飼育水槽内で人工的に飼育する方法及びその装置に関す
るものである。
の海底に住む宝石珊瑚を、清浄な海洋深層水を使用した
飼育水槽内で人工的に飼育する方法及びその装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】本出願でいう「宝石珊瑚」とは、腔腸動
物門−花虫綱−八放サンゴ亜綱−ヤギ目−骨軸亜目−サ
ンゴ科のアカサンゴ(Corallium japonicum)、モモイ
ロサンゴ(Corallium elatius)及びシロサンゴ(Coral
lium konojoi)を指している。
物門−花虫綱−八放サンゴ亜綱−ヤギ目−骨軸亜目−サ
ンゴ科のアカサンゴ(Corallium japonicum)、モモイ
ロサンゴ(Corallium elatius)及びシロサンゴ(Coral
lium konojoi)を指している。
【0003】従来から宝石珊瑚の飼育方法として、濾過
した表層海水、即ち海洋表面から10〜30m程度まで
の浅い部分の海水を飼育用水として使用する方法が一部
で行われていたが、宝石珊瑚の生育環境、例えば水温と
か塩分,清浄度,溶存酸素濃度,照度、水流速度及び餌
料の供給環境などの再現が陸上では困難であり、比較的
浅海に生息する地中海サンゴ(Corallium rubrum)をモ
ナコ公国およびイタリア共和国において直接海中から移
植した例がある以外、我が国周辺に生息する宝石珊瑚
は、1年を単位とする長期の人工飼育及び個体の増殖確
認は未だ行われていないのが現状である。
した表層海水、即ち海洋表面から10〜30m程度まで
の浅い部分の海水を飼育用水として使用する方法が一部
で行われていたが、宝石珊瑚の生育環境、例えば水温と
か塩分,清浄度,溶存酸素濃度,照度、水流速度及び餌
料の供給環境などの再現が陸上では困難であり、比較的
浅海に生息する地中海サンゴ(Corallium rubrum)をモ
ナコ公国およびイタリア共和国において直接海中から移
植した例がある以外、我が国周辺に生息する宝石珊瑚
は、1年を単位とする長期の人工飼育及び個体の増殖確
認は未だ行われていないのが現状である。
【0004】上記モナコ公国の移植例としては、一辺3
メートル以上の箱型を有するコンクリート岩屋(魚礁)
を用い、これに直接海中から採取した宝石珊瑚の小片を
移植固定して、再び海中へ移植する実験が試みられてい
る。
メートル以上の箱型を有するコンクリート岩屋(魚礁)
を用い、これに直接海中から採取した宝石珊瑚の小片を
移植固定して、再び海中へ移植する実験が試みられてい
る。
【0005】特に我国での珊瑚漁業は、高知、鹿児島、
長崎、沖縄の各県および東京都に属する海域で継続され
ているが、採取量は毎年変動し、学術的にも将来的な資
源保全を前提とした資源量の解明が成されているわけで
はない。太平洋海域における「宝石珊瑚」は、その産出
が100m以深の深海である関係から、資源生物として
の生活史、生態等についても未解明の部分が多く、これ
らの知見が少ないことから自然の再生産力だけに依存す
る採取漁業に対して自然環境の保全、自然動植物の保護
等との関係が感情的に取り沙汰される傾向も否めない社
会情勢となりつつある。
長崎、沖縄の各県および東京都に属する海域で継続され
ているが、採取量は毎年変動し、学術的にも将来的な資
源保全を前提とした資源量の解明が成されているわけで
はない。太平洋海域における「宝石珊瑚」は、その産出
が100m以深の深海である関係から、資源生物として
の生活史、生態等についても未解明の部分が多く、これ
らの知見が少ないことから自然の再生産力だけに依存す
る採取漁業に対して自然環境の保全、自然動植物の保護
等との関係が感情的に取り沙汰される傾向も否めない社
会情勢となりつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
から宝石珊瑚が長期に亘って飼育できなかった理由は次
の通りである。 環境変化に対し感受性の高い宝石珊瑚を、水質変化の
大きい表層海水用いて飼育することが困難であったこ
と。 表層海水に含まれる微生物、原虫類、微小藻類等の種
名不祥の動植物群の繁殖が宝石珊瑚本体に及ぼす影響と
か、飼育用水の劣化にあたえる影響力に対する評価が過
小であったこと。 上記表層海水中に含まれる種名不祥の腔腸動物などの
卵、幼生が宝石珊瑚へ寄生し、この寄生体が成長して除
去不能となること。 水温管理に温度制御装置を使用した場合の水温の機械
的かつ波動的変動が宝石珊瑚に生理的悪影響を与えるこ
と。 宝石珊瑚の生活基盤となる付着器材が未開発であった
こと。 餌料である魚、アサリ、甲殻類などの砕片が飼育用水
の水質に与える不可逆的影響の過小評価、及び宝石珊瑚
の生態におよぼす影響についてのデータが皆無であった
こと。 宝石珊瑚を採取した後の搬送方法の良否による飼育開
始後の個体の活力に及ぼす効果の評価が充分行われてい
ないこと。
から宝石珊瑚が長期に亘って飼育できなかった理由は次
の通りである。 環境変化に対し感受性の高い宝石珊瑚を、水質変化の
大きい表層海水用いて飼育することが困難であったこ
と。 表層海水に含まれる微生物、原虫類、微小藻類等の種
名不祥の動植物群の繁殖が宝石珊瑚本体に及ぼす影響と
か、飼育用水の劣化にあたえる影響力に対する評価が過
小であったこと。 上記表層海水中に含まれる種名不祥の腔腸動物などの
卵、幼生が宝石珊瑚へ寄生し、この寄生体が成長して除
去不能となること。 水温管理に温度制御装置を使用した場合の水温の機械
的かつ波動的変動が宝石珊瑚に生理的悪影響を与えるこ
と。 宝石珊瑚の生活基盤となる付着器材が未開発であった
こと。 餌料である魚、アサリ、甲殻類などの砕片が飼育用水
の水質に与える不可逆的影響の過小評価、及び宝石珊瑚
の生態におよぼす影響についてのデータが皆無であった
こと。 宝石珊瑚を採取した後の搬送方法の良否による飼育開
始後の個体の活力に及ぼす効果の評価が充分行われてい
ないこと。
【0007】更に上記の理由に加えて、前記した表層海
水が宝石珊瑚の飼育に適さない理由は次のとおりであ
る。 水温、塩分、PH、溶存酸素濃度等が海流、潮汐、太
陽光の照射、気温、降雨、風あるいは人為的影響などの
影響を受け易く、しかも日周的、季節的な変動が激し
い。 海洋表面は植物プランクトンなどが太陽光を利用して
基礎生産を行う生物圏であり、表層水の性質もそれら低
次生産に関与する動植物群の代謝活動の強い影響下にあ
る。従って表層水の水質はの他生物化学的要因によっ
ても変動し、その正確な把握は非常に困難である。 多様な生物の生命活動の結果として懸濁態および溶存
態有機物の濃度は高く、溶存態有機炭素については深層
水の約2倍程度含まれている。 表層海水では豊富な有機物を基質として、従属栄養細
菌の有機物分解活性は高い。しかも表層水中の微生物相
は微妙な拮抗状態にあり、海水中に含まれる有機物の組
成により分解の主体となる微生物は容易に交代する。従
って、水質・基質の変化によっては病原性のある毒素産
性菌が爆発的に増殖することがある。 表層海水には大小様々な生物が生息するため、この表
層海水を宝石珊瑚の飼育水とするためには海水中の生物
を除去することが必要であるが、通常の濾過装置ではこ
れらの生物を完全に除去することは運用上不可能であ
り、飼育水中に微生物・微細藻類・寄生性動植物の生殖
細胞などが浸入してくることが避けがたい。
水が宝石珊瑚の飼育に適さない理由は次のとおりであ
る。 水温、塩分、PH、溶存酸素濃度等が海流、潮汐、太
陽光の照射、気温、降雨、風あるいは人為的影響などの
影響を受け易く、しかも日周的、季節的な変動が激し
い。 海洋表面は植物プランクトンなどが太陽光を利用して
基礎生産を行う生物圏であり、表層水の性質もそれら低
次生産に関与する動植物群の代謝活動の強い影響下にあ
る。従って表層水の水質はの他生物化学的要因によっ
ても変動し、その正確な把握は非常に困難である。 多様な生物の生命活動の結果として懸濁態および溶存
態有機物の濃度は高く、溶存態有機炭素については深層
水の約2倍程度含まれている。 表層海水では豊富な有機物を基質として、従属栄養細
菌の有機物分解活性は高い。しかも表層水中の微生物相
は微妙な拮抗状態にあり、海水中に含まれる有機物の組
成により分解の主体となる微生物は容易に交代する。従
って、水質・基質の変化によっては病原性のある毒素産
性菌が爆発的に増殖することがある。 表層海水には大小様々な生物が生息するため、この表
層海水を宝石珊瑚の飼育水とするためには海水中の生物
を除去することが必要であるが、通常の濾過装置ではこ
れらの生物を完全に除去することは運用上不可能であ
り、飼育水中に微生物・微細藻類・寄生性動植物の生殖
細胞などが浸入してくることが避けがたい。
【0008】以上の結果から、飼育水中に混入する微生
物・微細藻類・寄生性動植物などが水槽中で増殖し、飼
育中の宝石珊瑚の生理代謝に何等かの影響を与える可能
性は極めて高い。前記したように宝石珊瑚は腔腸動物で
あるため、ガス交換や老廃物の代謝は体表を通じて行っ
ており、体表での付着性生物の増殖による代謝阻害は個
体の生命活動に直接影響することが予想される。
物・微細藻類・寄生性動植物などが水槽中で増殖し、飼
育中の宝石珊瑚の生理代謝に何等かの影響を与える可能
性は極めて高い。前記したように宝石珊瑚は腔腸動物で
あるため、ガス交換や老廃物の代謝は体表を通じて行っ
ており、体表での付着性生物の増殖による代謝阻害は個
体の生命活動に直接影響することが予想される。
【0009】更に飼育期間の延伸に伴って微生物類の増
殖とそれに伴う飼育用水の水質劣化など飼育管理上極め
て不都合なことが生じ、特に微生物などが宝石珊瑚の体
表面で増殖した時の毒素は言うに及ばず、付着性珪藻や
寄生性腔腸動物などが宝石珊瑚体表に付着して増殖する
誘因ともなり、宝石珊瑚の活力低下と飼育個体の弊死な
どの結果を惹起する。
殖とそれに伴う飼育用水の水質劣化など飼育管理上極め
て不都合なことが生じ、特に微生物などが宝石珊瑚の体
表面で増殖した時の毒素は言うに及ばず、付着性珪藻や
寄生性腔腸動物などが宝石珊瑚体表に付着して増殖する
誘因ともなり、宝石珊瑚の活力低下と飼育個体の弊死な
どの結果を惹起する。
【0010】特に深海に生息する宝石珊瑚は、低温に適
応した動物であり、陸上の一般室内で飼育するためには
低温の飼育用水が必要で、略25℃以下に飼育用水を強
制冷却できる装置の使用が要求される。しかも、通常の
冷却機器の使用では、この冷却機の断続的運転による飼
育水温の連続的かつ機械的な上下動は制御することが不
可能であり、小型の飼育装置になる程水温変動の影響が
顕著となるという問題点がある。また、従来の飼育方法
では、太陽光線による飼育用水の水温上昇への影響と
か、宝石珊瑚表面における微小藻類の繁殖あるいは太陽
光線中の紫外線の直接的影響等に対して過小評価してい
たという問題があり、更に海底の岩に固着して成長する
宝石珊瑚の生活基盤としての付着基材に特段の考慮が払
われた形跡は認められない。
応した動物であり、陸上の一般室内で飼育するためには
低温の飼育用水が必要で、略25℃以下に飼育用水を強
制冷却できる装置の使用が要求される。しかも、通常の
冷却機器の使用では、この冷却機の断続的運転による飼
育水温の連続的かつ機械的な上下動は制御することが不
可能であり、小型の飼育装置になる程水温変動の影響が
顕著となるという問題点がある。また、従来の飼育方法
では、太陽光線による飼育用水の水温上昇への影響と
か、宝石珊瑚表面における微小藻類の繁殖あるいは太陽
光線中の紫外線の直接的影響等に対して過小評価してい
たという問題があり、更に海底の岩に固着して成長する
宝石珊瑚の生活基盤としての付着基材に特段の考慮が払
われた形跡は認められない。
【0011】他方で宝石珊瑚の餌料については、魚,ア
サリ,甲殻類などの砕片が用いられているが、これらは
何れも生物の遺骸であり、栄養的には評価されても、そ
れ自身は浮遊沈降するのみであり、しかも砕片であるた
め水中の微生物による分解作用とそれに伴う分解産物の
生成が速やかである。また、破砕片から溶出する体液な
どには宝石珊瑚の触手の収縮を誘発する物質が含まれて
おり、摂餌とは関係なくポリプの活動を休止させること
があり、十分な摂餌による活力の維持を計るための投餌
の目的に合致しないという難点を有している。
サリ,甲殻類などの砕片が用いられているが、これらは
何れも生物の遺骸であり、栄養的には評価されても、そ
れ自身は浮遊沈降するのみであり、しかも砕片であるた
め水中の微生物による分解作用とそれに伴う分解産物の
生成が速やかである。また、破砕片から溶出する体液な
どには宝石珊瑚の触手の収縮を誘発する物質が含まれて
おり、摂餌とは関係なくポリプの活動を休止させること
があり、十分な摂餌による活力の維持を計るための投餌
の目的に合致しないという難点を有している。
【0012】そこで本発明はこのような従来の宝石珊瑚
の長期に亘る飼育上の課題を解消して、陸上での飼育環
境である海水の性状を安定的に維持し、宝石珊瑚が増殖
するに必要十分な期間の人工飼育を実現する飼育方法及
びその装置を提供することを目的とするものである。更
に他の目的として、従来飼育することが困難で資源生物
としての情報を得る機会の少なかった宝石珊瑚を人為的
管理下で飼育すると同時に珊瑚の生理とか生態等に関す
る生物情報を比較的容易に取得することを可能とし、将
来の資源確保および資源管理体制および増養殖技術の開
発に繋がる基礎データを得ること、及び一般に展示した
り、観賞することを可能とすることにある。
の長期に亘る飼育上の課題を解消して、陸上での飼育環
境である海水の性状を安定的に維持し、宝石珊瑚が増殖
するに必要十分な期間の人工飼育を実現する飼育方法及
びその装置を提供することを目的とするものである。更
に他の目的として、従来飼育することが困難で資源生物
としての情報を得る機会の少なかった宝石珊瑚を人為的
管理下で飼育すると同時に珊瑚の生理とか生態等に関す
る生物情報を比較的容易に取得することを可能とし、将
来の資源確保および資源管理体制および増養殖技術の開
発に繋がる基礎データを得ること、及び一般に展示した
り、観賞することを可能とすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、飼育方法として飼育水槽内に海中から採取
した水深約100〜300mの海底に住む天然の宝石珊
瑚を収納し、該飼育水槽に海洋の水深100メートル以
深から汲み上げた清浄な海水である海洋深層水を少なく
とも略20℃以下の温度に保って流入,循環させて、宝
石珊瑚の人工的飼育を行う構成及び餌料の投入と温度管
理等の人為的な管理下での飼育を実施し、飼育した宝石
珊瑚、又は飼育した宝石珊瑚を分割した小片、或いは折
損した小枝等を海底に移送して、移植・定着させるよう
にした構成を提供する。更に飼育水槽に海洋深層水を常
時、流入,循環させるとともに排水する構成を提供す
る。
成するため、飼育方法として飼育水槽内に海中から採取
した水深約100〜300mの海底に住む天然の宝石珊
瑚を収納し、該飼育水槽に海洋の水深100メートル以
深から汲み上げた清浄な海水である海洋深層水を少なく
とも略20℃以下の温度に保って流入,循環させて、宝
石珊瑚の人工的飼育を行う構成及び餌料の投入と温度管
理等の人為的な管理下での飼育を実施し、飼育した宝石
珊瑚、又は飼育した宝石珊瑚を分割した小片、或いは折
損した小枝等を海底に移送して、移植・定着させるよう
にした構成を提供する。更に飼育水槽に海洋深層水を常
時、流入,循環させるとともに排水する構成を提供す
る。
【0014】また、飼育装置として海中から採取した天
然の宝石珊瑚が収納可能な飼育水槽と、該飼育水槽に設
けられ飼育水槽内に対する外部からの入射光を適度な光
度にまで遮光する機能を持つ蓋体と、該飼育水槽に海洋
の水深100メートル以深の海洋深層水を供給するため
の汲上げ機構と、得られた海洋深層水の飼育水槽内への
流入,循環機構を具備して成る構成を提供する。
然の宝石珊瑚が収納可能な飼育水槽と、該飼育水槽に設
けられ飼育水槽内に対する外部からの入射光を適度な光
度にまで遮光する機能を持つ蓋体と、該飼育水槽に海洋
の水深100メートル以深の海洋深層水を供給するため
の汲上げ機構と、得られた海洋深層水の飼育水槽内への
流入,循環機構を具備して成る構成を提供する。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】かかる海洋深層水を使用した宝石珊瑚の飼育方
法及びその装置によれば、海底から採取した水深約10
0〜300mの海底に住む天然の宝石珊瑚を人工基盤に
固定してから飼育水槽内に収納し、該飼育水槽内に清浄
な海水である海洋深層水を少なくとも略20℃以下の温
度に保って流入,循環させることにより、宝石珊瑚の人
工飼育が可能と成り、飼育時における自己分裂により宝
石珊瑚の群体が増殖され、産卵が行われる。また、人工
基盤に宝石珊瑚から放出される幼生が定着するので、そ
のまま海底に移送、移植・定着させて資源の増大をはか
ることができる。更に飼育水槽に流入した海洋深層水は
常時、流入、循環するとともに排水されているため、飼
育水槽内には常に清浄な海洋深層水が供給され、かつ、
水温が安定している。
法及びその装置によれば、海底から採取した水深約10
0〜300mの海底に住む天然の宝石珊瑚を人工基盤に
固定してから飼育水槽内に収納し、該飼育水槽内に清浄
な海水である海洋深層水を少なくとも略20℃以下の温
度に保って流入,循環させることにより、宝石珊瑚の人
工飼育が可能と成り、飼育時における自己分裂により宝
石珊瑚の群体が増殖され、産卵が行われる。また、人工
基盤に宝石珊瑚から放出される幼生が定着するので、そ
のまま海底に移送、移植・定着させて資源の増大をはか
ることができる。更に飼育水槽に流入した海洋深層水は
常時、流入、循環するとともに排水されているため、飼
育水槽内には常に清浄な海洋深層水が供給され、かつ、
水温が安定している。
【0019】
【0020】
【0021】
【実施例】以下本発明にかかる海洋深層水を使用した宝
石珊瑚の飼育方法及びその装置の具体的な実施例を詳述
する。本発明は海中から採取した天然の宝石珊瑚を陸上
施設に搬送し、その後人為的な管理下での飼育を実施し
て自己分裂において群体を増殖させるとともに産卵を行
わせ、その幼生を飼育水槽内の人工基盤に定着・成長さ
せたうえで、海底に移送、移植・定着させて資源の増大
を可能ならしめるようにした宝石珊瑚の飼育方法及びそ
の装置を実現するものである。
石珊瑚の飼育方法及びその装置の具体的な実施例を詳述
する。本発明は海中から採取した天然の宝石珊瑚を陸上
施設に搬送し、その後人為的な管理下での飼育を実施し
て自己分裂において群体を増殖させるとともに産卵を行
わせ、その幼生を飼育水槽内の人工基盤に定着・成長さ
せたうえで、海底に移送、移植・定着させて資源の増大
を可能ならしめるようにした宝石珊瑚の飼育方法及びそ
の装置を実現するものである。
【0022】図1,図2,図3に示した構成において、
1,1は宝石珊瑚を収容して飼育するための有底円筒状
の飼育水槽であり、この飼育水槽1,1は大型容器であ
るウオーターバス2の底壁上に浸漬された架台3上に搭
載されている。尚、実施例では飼育水槽1を2基並置し
た場合を示したが、該飼育水槽1,1は独立して構成さ
れていて、基数は特に限定されるものではない。両飼育
水槽1,1の構成は同一であるため、以下に一方の飼育
水槽1の構成を説明する。
1,1は宝石珊瑚を収容して飼育するための有底円筒状
の飼育水槽であり、この飼育水槽1,1は大型容器であ
るウオーターバス2の底壁上に浸漬された架台3上に搭
載されている。尚、実施例では飼育水槽1を2基並置し
た場合を示したが、該飼育水槽1,1は独立して構成さ
れていて、基数は特に限定されるものではない。両飼育
水槽1,1の構成は同一であるため、以下に一方の飼育
水槽1の構成を説明する。
【0023】上記飼育水槽1は宝石珊瑚の群体を人工基
盤に設置し、固定した状態で完全に冠水可能な深さ,面
積,容積を有する容器で成り、海水に対して不溶出性素
材である素材、例えばガラス,ポリエチレン,スチロー
ル,アクリル,ポリカーボネイト等から選択されたもの
が用いられる。また、大型容器としてのウオーターバス
2内に海洋深層水の温度と近似する水温の水を満たすこ
とによって、飼育水槽1の周囲温度を一定に保つ機能を
有する。特に飼育水槽1の厚みは、宝石珊瑚に対する熱
伝達速度を考慮した厚さを持ち、ウォーターバス2のよ
うな温度保持機能を持つ水槽を使用する場合には、飼育
水槽1の厚みを数ミリメートル以下の厚みにとどめるこ
とが必要である。なお、ウオーターバス2に満たす海洋
深層水の温度と近似する水温の水は飼育水槽1からの排
水を利用することが適当であるが、温度さえ近似してい
れば他の水であってもよい。
盤に設置し、固定した状態で完全に冠水可能な深さ,面
積,容積を有する容器で成り、海水に対して不溶出性素
材である素材、例えばガラス,ポリエチレン,スチロー
ル,アクリル,ポリカーボネイト等から選択されたもの
が用いられる。また、大型容器としてのウオーターバス
2内に海洋深層水の温度と近似する水温の水を満たすこ
とによって、飼育水槽1の周囲温度を一定に保つ機能を
有する。特に飼育水槽1の厚みは、宝石珊瑚に対する熱
伝達速度を考慮した厚さを持ち、ウォーターバス2のよ
うな温度保持機能を持つ水槽を使用する場合には、飼育
水槽1の厚みを数ミリメートル以下の厚みにとどめるこ
とが必要である。なお、ウオーターバス2に満たす海洋
深層水の温度と近似する水温の水は飼育水槽1からの排
水を利用することが適当であるが、温度さえ近似してい
れば他の水であってもよい。
【0024】図中の4は飼育水槽1内へ海洋深層水が貯
留されたタンク20から海洋深層水を供給するための給
水パイプであり、この給水パイプ4の中途部に設けられ
たコック5に給水ホース6が連結され、この給水ホース
6は飼育水槽1の側壁上側部を貫通して該飼育水槽1の
内方にまで延長されている。尚、7は給水パイプ4から
ウオーターバス2に直接給水するためのコックである。
留されたタンク20から海洋深層水を供給するための給
水パイプであり、この給水パイプ4の中途部に設けられ
たコック5に給水ホース6が連結され、この給水ホース
6は飼育水槽1の側壁上側部を貫通して該飼育水槽1の
内方にまで延長されている。尚、7は給水パイプ4から
ウオーターバス2に直接給水するためのコックである。
【0025】図2の平面図に示すように、給水ホース6
の飼育水槽1側先端部には斜めに切断した給水口6aが
形成されていて、海洋深層水を飼育水槽1の壁面に沿う
方向に給水するようにしてある。
の飼育水槽1側先端部には斜めに切断した給水口6aが
形成されていて、海洋深層水を飼育水槽1の壁面に沿う
方向に給水するようにしてある。
【0026】飼育水槽1の底壁中央部には排水口8が開
口されており、この排水口8に排水ホース9,9が連結
され、この排水ホース9,9の他端部はウオーターバス
2の上端部近傍まで導出されている。
口されており、この排水口8に排水ホース9,9が連結
され、この排水ホース9,9の他端部はウオーターバス
2の上端部近傍まで導出されている。
【0027】10はウオーターバス2の排水管であり、
該排水管10の上端部は飼育水槽1の上端部よりも下側
にあるように設定されている。この排水管10はウオー
ターバス2の底壁を貫通して下方に延長され、端末部分
に排水弁11が取付けられている。
該排水管10の上端部は飼育水槽1の上端部よりも下側
にあるように設定されている。この排水管10はウオー
ターバス2の底壁を貫通して下方に延長され、端末部分
に排水弁11が取付けられている。
【0028】図3に示す12は遮光用の蓋体であり、こ
の蓋体12は飼育水槽1内の飼育水の水質変化を防止す
るため、外部からの入射光を適度な光度にまで遮光する
機能を有している(図1,図2では内部構造を明らかに
するため、蓋体12を取外した状態として示してあ
る)。
の蓋体12は飼育水槽1内の飼育水の水質変化を防止す
るため、外部からの入射光を適度な光度にまで遮光する
機能を有している(図1,図2では内部構造を明らかに
するため、蓋体12を取外した状態として示してあ
る)。
【0029】以下に本実施例に基づく宝石珊瑚の飼育方
法の実際例を説明する。先ず飼育水槽1をウオーターバ
ス2の底壁にセットした架台3上に搭載し、次に海底か
ら採取した天然の宝石珊瑚を人工基盤に固定してから上
記飼育水槽1内に収納する。例えば宝石珊瑚は水温が略
15〜18℃程度に一定して比較的固い海底に生息して
いることが知られている。
法の実際例を説明する。先ず飼育水槽1をウオーターバ
ス2の底壁にセットした架台3上に搭載し、次に海底か
ら採取した天然の宝石珊瑚を人工基盤に固定してから上
記飼育水槽1内に収納する。例えば宝石珊瑚は水温が略
15〜18℃程度に一定して比較的固い海底に生息して
いることが知られている。
【0030】上記人工基盤として、アクリル製,天然
石,コンクリート製,ガラス製又は各種の硬質プラスチ
ックを材料とする小型の成形材料が適当であり、この人
工基盤に飼育する宝石珊瑚から放出される幼生が定着す
る。珊瑚の固定手段としては、人工基盤にプラスチック
製の突起物を設けて、結束バンドを利用して珊瑚の基部
を不動状態に固定すれば良い。
石,コンクリート製,ガラス製又は各種の硬質プラスチ
ックを材料とする小型の成形材料が適当であり、この人
工基盤に飼育する宝石珊瑚から放出される幼生が定着す
る。珊瑚の固定手段としては、人工基盤にプラスチック
製の突起物を設けて、結束バンドを利用して珊瑚の基部
を不動状態に固定すれば良い。
【0031】次にコック5を開いてタンク20から給水
パイプ4を介して飼育水槽1内に海洋深層水を流入す
る。この時にコック7を開くことによってウオーターバ
ス2内にも同じ海洋深層水が流入する。そしてウオータ
ーバス2内の水は、図1の矢印Aに示したように排水管
10の上端部からウオーターバス2の底壁を抜け、排水
弁11から排出される。このウオーターバス2によって
飼育水槽1の周囲温度が略一定に保持される。
パイプ4を介して飼育水槽1内に海洋深層水を流入す
る。この時にコック7を開くことによってウオーターバ
ス2内にも同じ海洋深層水が流入する。そしてウオータ
ーバス2内の水は、図1の矢印Aに示したように排水管
10の上端部からウオーターバス2の底壁を抜け、排水
弁11から排出される。このウオーターバス2によって
飼育水槽1の周囲温度が略一定に保持される。
【0032】また、飼育水槽1内に流入した海洋深層水
は、給水ホース6の先端部に斜めに形成された給水口6
aから、図2の矢印Bに示したように飼育水槽1の壁面
に沿って適度な水流を起して循環しながら給水される。
これによって宝石珊瑚の群体表面に適度な流速を与え、
生物・非生物を問わず微細粒子の群体表皮への沈降沈着
が防止され、かつ、宝石珊瑚の群体の摂餌機会の増大を
はかることができる。
は、給水ホース6の先端部に斜めに形成された給水口6
aから、図2の矢印Bに示したように飼育水槽1の壁面
に沿って適度な水流を起して循環しながら給水される。
これによって宝石珊瑚の群体表面に適度な流速を与え、
生物・非生物を問わず微細粒子の群体表皮への沈降沈着
が防止され、かつ、宝石珊瑚の群体の摂餌機会の増大を
はかることができる。
【0033】飼育水槽1内の海洋深層水は、該飼育水槽
1の底壁中央部の排水口8から排水ホース9を介してウ
オーターバス2の上端部近傍まで導かれ、該ウオーター
バス内の水とともに排水管10及び排水弁11を経由し
て外部に排出される。なお、飼育水槽1からの排水はウ
オーターバス2に排出することなく、外部に排出するこ
ともできる。
1の底壁中央部の排水口8から排水ホース9を介してウ
オーターバス2の上端部近傍まで導かれ、該ウオーター
バス内の水とともに排水管10及び排水弁11を経由し
て外部に排出される。なお、飼育水槽1からの排水はウ
オーターバス2に排出することなく、外部に排出するこ
ともできる。
【0034】宝石珊瑚の餌料は、植物性プランクトンた
るテトラセルミス、ナンノクロロプシス或いはパン酵母
で培養したシオミズツボワムシ又はフ化直後のアルテミ
アのノープリウス等から選択されたものを使用して、飼
育水の中に1日当たり1回投入される。上記餌料は飼育
水1リットルあたり、シオミズツボワムシの場合1千〜
1万個体、アルテミアのノープリウスの場合200〜2
千個体である。
るテトラセルミス、ナンノクロロプシス或いはパン酵母
で培養したシオミズツボワムシ又はフ化直後のアルテミ
アのノープリウス等から選択されたものを使用して、飼
育水の中に1日当たり1回投入される。上記餌料は飼育
水1リットルあたり、シオミズツボワムシの場合1千〜
1万個体、アルテミアのノープリウスの場合200〜2
千個体である。
【0035】飼育期間中は、外部から入射する光の影響
を避けるため、前記蓋体12で上面を覆うか、必要な場
合には全体を黒ビニールで被覆する。
を避けるため、前記蓋体12で上面を覆うか、必要な場
合には全体を黒ビニールで被覆する。
【0036】図4は上記ウオーターバス2の保温作用を
確認するため、このウオーターバス2を設置した場合と
そうでない場合の室温の変化に対応する飼育水槽1の水
温の推移を測定した結果を示すグラフであり、表1はそ
の実測値である。
確認するため、このウオーターバス2を設置した場合と
そうでない場合の室温の変化に対応する飼育水槽1の水
温の推移を測定した結果を示すグラフであり、表1はそ
の実測値である。
【0037】
【表1】
【0038】図4及び表1から、ウオーターバス2を設
置した場合には、室温の変化に対する水温の変化がウオ
ーターバス2を設置しない場合に比して緩やかであり、
周囲の温度変化に対する影響が少ないことが確認され
た。
置した場合には、室温の変化に対する水温の変化がウオ
ーターバス2を設置しない場合に比して緩やかであり、
周囲の温度変化に対する影響が少ないことが確認され
た。
【0039】このようにして飼育した宝石珊瑚、又は飼
育した宝石珊瑚を分割した小片、或いは折損した小枝等
を海底に移送して、移植・定着させ、或いは自己分裂に
よる群体の増殖と産卵を行わせ、その幼生を飼育水槽内
の人工基盤に定着・成長させた上で、海底に移送、移植
・定着させるようにする。
育した宝石珊瑚を分割した小片、或いは折損した小枝等
を海底に移送して、移植・定着させ、或いは自己分裂に
よる群体の増殖と産卵を行わせ、その幼生を飼育水槽内
の人工基盤に定着・成長させた上で、海底に移送、移植
・定着させるようにする。
【0040】次に本実施例で用いた海洋深層水について
説明する。即ち、海洋深層水は高知県室戸市三津地先か
ら水深320mの海中に向けて設置された内径125m
m、鉄線鎧装硬質ポリエチレン管の先端から、公知の吸
引ポンプにより汲み上げられる。取水口付近での水温は
9.5±1.0℃で年間を通じて安定している。
説明する。即ち、海洋深層水は高知県室戸市三津地先か
ら水深320mの海中に向けて設置された内径125m
m、鉄線鎧装硬質ポリエチレン管の先端から、公知の吸
引ポンプにより汲み上げられる。取水口付近での水温は
9.5±1.0℃で年間を通じて安定している。
【0041】この海洋深層水は取水管内を通過する間
に、周辺海水による熱伝導による水温の上昇と陸上配管
付近の雰囲気の影響を受けるが、前記タンク20から飼
育水槽1への流入時には、ほぼ16〜17℃となるよう
に配慮される。海洋深層水の温度が略20℃以上になる
と宝石珊瑚の生存環境を悪化させることになるので、少
なくとも略20℃以下に保つことが必要である。この海
洋深層水は浮遊性動植物群、溶存有機物濃度、微生物生
菌数が低く、低温で経時的水温変化の微小な海水である
ことが大きな特徴となっている。
に、周辺海水による熱伝導による水温の上昇と陸上配管
付近の雰囲気の影響を受けるが、前記タンク20から飼
育水槽1への流入時には、ほぼ16〜17℃となるよう
に配慮される。海洋深層水の温度が略20℃以上になる
と宝石珊瑚の生存環境を悪化させることになるので、少
なくとも略20℃以下に保つことが必要である。この海
洋深層水は浮遊性動植物群、溶存有機物濃度、微生物生
菌数が低く、低温で経時的水温変化の微小な海水である
ことが大きな特徴となっている。
【0042】実施に際して、飼育水槽1内には一日当た
り水槽容積の最小12倍の水量が流入され、飼育水槽1
内の水量が停滞あるいは腐敗菌等が増殖することが抑制
される。この飼育水槽1は好光性の微小藻類が宝石珊瑚
に付着して繁殖することによる食餌の生物間競争及び宝
石珊瑚群体の新陳代謝への阻害を排除し、飼育水の水質
変化を防止するため、蓋体12とか前記黒ビニール等を
用いて飼育水槽1内が適度な光度,例えば20〜100
ルックスになるように遮光する。この場合に短時間での
2千ルックス程度の照明あるいは写真撮影用のフラッシ
ュの使用を妨げるものではない。
り水槽容積の最小12倍の水量が流入され、飼育水槽1
内の水量が停滞あるいは腐敗菌等が増殖することが抑制
される。この飼育水槽1は好光性の微小藻類が宝石珊瑚
に付着して繁殖することによる食餌の生物間競争及び宝
石珊瑚群体の新陳代謝への阻害を排除し、飼育水の水質
変化を防止するため、蓋体12とか前記黒ビニール等を
用いて飼育水槽1内が適度な光度,例えば20〜100
ルックスになるように遮光する。この場合に短時間での
2千ルックス程度の照明あるいは写真撮影用のフラッシ
ュの使用を妨げるものではない。
【0043】そして人工飼育が一定期間可能であること
を確認してから、観察飼育に使用するサンプル適性量決
定等の基礎データを得るため、容量200リットルの飼
育水槽1に毎分4.5リットルの海洋深層水を流入させ
て水温を略16〜17℃に保持した。オーバーフローす
る水は容量200リットルのウオーターバス2を介して
放水することで保温性を高めた。
を確認してから、観察飼育に使用するサンプル適性量決
定等の基礎データを得るため、容量200リットルの飼
育水槽1に毎分4.5リットルの海洋深層水を流入させ
て水温を略16〜17℃に保持した。オーバーフローす
る水は容量200リットルのウオーターバス2を介して
放水することで保温性を高めた。
【0044】本実施例によれば、以下に記す種々の知見
が得られた。先ず餌料の影響を確認するため、給餌量を
一時的に2倍〜7倍に増量したが、餌料に混入する原虫
の増大によるインパクトが生じて徐々にポリプが開かな
くなったので、一時的に給餌を中止したところ、大半の
飼育サンプルのポリプの開き具合が安定した状態に回復
した。
が得られた。先ず餌料の影響を確認するため、給餌量を
一時的に2倍〜7倍に増量したが、餌料に混入する原虫
の増大によるインパクトが生じて徐々にポリプが開かな
くなったので、一時的に給餌を中止したところ、大半の
飼育サンプルのポリプの開き具合が安定した状態に回復
した。
【0045】また、給餌直後の数十分間は触手を閉じて
餌を捉える活動が見られる。その数時間後にはまた触手
を出す活動が再開される。従って給餌は適量に行うこと
が必要である。
餌を捉える活動が見られる。その数時間後にはまた触手
を出す活動が再開される。従って給餌は適量に行うこと
が必要である。
【0046】更に海底での成育環境と比べて大きく変化
する水圧の変化に対しても飼育に影響がないことが判明
した。また、水温が徐々に変化する場合は、略10〜2
0℃(特に好ましくは15〜18℃)の範囲での飼育に
障害がなく、長期の飼育にも耐えることが可能である。
する水圧の変化に対しても飼育に影響がないことが判明
した。また、水温が徐々に変化する場合は、略10〜2
0℃(特に好ましくは15〜18℃)の範囲での飼育に
障害がなく、長期の飼育にも耐えることが可能である。
【0047】周囲の環境が悪化した場合、例えばサンプ
ルを空中に出した時とか遮断していた室内光が飼育水槽
1内に入った時、或いは水温の急激な変化及び該水温が
20℃を越えた時にはポリプを閉じることが観察され
た。しかしこのような場合でも短時間であれば珊瑚の生
存に問題はなかった。更に共骨が折損して群体が分割し
ても飼育上での障害が生じない。
ルを空中に出した時とか遮断していた室内光が飼育水槽
1内に入った時、或いは水温の急激な変化及び該水温が
20℃を越えた時にはポリプを閉じることが観察され
た。しかしこのような場合でも短時間であれば珊瑚の生
存に問題はなかった。更に共骨が折損して群体が分割し
ても飼育上での障害が生じない。
【0048】また、飼育用サンプルは汚れが付着し易い
ため、飼育水槽1の内壁面は定期的に洗浄することが必
要である。
ため、飼育水槽1の内壁面は定期的に洗浄することが必
要である。
【0049】宝石珊瑚の搬送方法は、宝石珊瑚の群体を
収容できる大きさのポリエチレン製の袋に宝石珊瑚が冠
水する程度に海水を入れ、宝石珊瑚群体の表皮或いは小
枝等の外力による剥離を防止するために不織紙で包んだ
宝石珊瑚を浸漬して、表皮の乾燥および干出を防止し、
かつ、水温が25℃以下0℃以上に保持されるように蓄
冷材とともに保冷箱に収容し、船舶、自動車、航空機に
よる輸送を行う。そして宝石珊瑚を海中で採取後72時
間以内であれば、一般の貨物として生存状態のまま輸送
することが可能である。
収容できる大きさのポリエチレン製の袋に宝石珊瑚が冠
水する程度に海水を入れ、宝石珊瑚群体の表皮或いは小
枝等の外力による剥離を防止するために不織紙で包んだ
宝石珊瑚を浸漬して、表皮の乾燥および干出を防止し、
かつ、水温が25℃以下0℃以上に保持されるように蓄
冷材とともに保冷箱に収容し、船舶、自動車、航空機に
よる輸送を行う。そして宝石珊瑚を海中で採取後72時
間以内であれば、一般の貨物として生存状態のまま輸送
することが可能である。
【0050】本発明にかかる飼育方法及び装置を用いて
実際に宝石珊瑚の群体を人工飼育し、活動状態、摂餌状
態、成長状態、ポリプの増殖状態を観察した結果、宝石
珊瑚群体の全数が生存していることが確認された。
実際に宝石珊瑚の群体を人工飼育し、活動状態、摂餌状
態、成長状態、ポリプの増殖状態を観察した結果、宝石
珊瑚群体の全数が生存していることが確認された。
【0051】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる海洋深層水を使用した宝石珊瑚の飼育方法と装置に
よれば、以下に記すような各種の効果が得られる。即ち
海底から採取した天然の宝石珊瑚を人工基盤に固定して
から飼育水槽内に収納し、該飼育水槽内への海洋深層水
の温度と流向流速を管理しながら餌料を投入することに
よって宝石珊瑚の人工飼育を行うことができる。そして
人工基盤に宝石珊瑚から放出される幼生が定着するの
で、そのまま海底に移送、移植・定着させて資源の増大
をはかることができる。また、飼育した宝石珊瑚、或い
は飼育した宝石珊瑚を分割した小片、或いは折損した小
枝等を海底に移送して、移植・定着させることもでき
る。
かる海洋深層水を使用した宝石珊瑚の飼育方法と装置に
よれば、以下に記すような各種の効果が得られる。即ち
海底から採取した天然の宝石珊瑚を人工基盤に固定して
から飼育水槽内に収納し、該飼育水槽内への海洋深層水
の温度と流向流速を管理しながら餌料を投入することに
よって宝石珊瑚の人工飼育を行うことができる。そして
人工基盤に宝石珊瑚から放出される幼生が定着するの
で、そのまま海底に移送、移植・定着させて資源の増大
をはかることができる。また、飼育した宝石珊瑚、或い
は飼育した宝石珊瑚を分割した小片、或いは折損した小
枝等を海底に移送して、移植・定着させることもでき
る。
【0052】また、海洋深層水を飼育水槽の壁面に沿っ
て適度な水流を起して循環しながら流入することによ
り、宝石珊瑚の群体表面に適度な流速が与えられ、生物
・非生物を問わず微細粒子の群体表皮への沈降沈着が防
止されると同時に、宝石珊瑚に対する摂餌機会の増大を
はかることができる。更に飼育水槽に流入した海洋深層
水は常時、流入、循環するとともに排水されているた
め、飼育水槽内には常に清浄な海洋深層水が供給され、
かつ、水温が安定している。
て適度な水流を起して循環しながら流入することによ
り、宝石珊瑚の群体表面に適度な流速が与えられ、生物
・非生物を問わず微細粒子の群体表皮への沈降沈着が防
止されると同時に、宝石珊瑚に対する摂餌機会の増大を
はかることができる。更に飼育水槽に流入した海洋深層
水は常時、流入、循環するとともに排水されているた
め、飼育水槽内には常に清浄な海洋深層水が供給され、
かつ、水温が安定している。
【0053】また本発明によれば、宝石珊瑚の個体群の
安定的確保及び提供を可能として、この宝石珊瑚及びそ
の周辺生物の生理生態に関する試験、実験、技術開発、
研究に生体試料を提供することが可能となる。特に深海
性動物として「宝石珊瑚」近辺の動物群の生態も本発明
を援用して観察可能である。
安定的確保及び提供を可能として、この宝石珊瑚及びそ
の周辺生物の生理生態に関する試験、実験、技術開発、
研究に生体試料を提供することが可能となる。特に深海
性動物として「宝石珊瑚」近辺の動物群の生態も本発明
を援用して観察可能である。
【0054】本発明によって得られた知見から、宝石珊
瑚は無性生殖(栄養生殖)による個体数の増大が可能で
あることが確認され、宝石珊瑚の群体の天然採取あるい
は飼育等の有性生殖方法以外の方法による個体数の確保
を可能とする技術開発を促進することが可能である。ま
た、本発明で得られたデータから従来の飼育方法の欠
点、特に表層海水を用いた飼育方法の開発への技術的フ
ィードバックが期待できる上、陸上での飼育環境である
海水の性状を安定的に維持し、宝石珊瑚が増殖するに必
要十分な期間の人工飼育を実現する飼育方法及びその装
置を提供することができる。
瑚は無性生殖(栄養生殖)による個体数の増大が可能で
あることが確認され、宝石珊瑚の群体の天然採取あるい
は飼育等の有性生殖方法以外の方法による個体数の確保
を可能とする技術開発を促進することが可能である。ま
た、本発明で得られたデータから従来の飼育方法の欠
点、特に表層海水を用いた飼育方法の開発への技術的フ
ィードバックが期待できる上、陸上での飼育環境である
海水の性状を安定的に維持し、宝石珊瑚が増殖するに必
要十分な期間の人工飼育を実現する飼育方法及びその装
置を提供することができる。
【図1】本発明にかかる海洋深層水を使用した宝石珊瑚
の飼育装置例を示す外観図。
の飼育装置例を示す外観図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1の側断面図。
【図4】飼育水槽に大型容器を設置した場合と設置しな
いない場合の室温の変化に対応する飼育水槽の水温の推
移を測定した結果を示すグラフ。
いない場合の室温の変化に対応する飼育水槽の水温の推
移を測定した結果を示すグラフ。
1…飼育水槽 2…ウオーターバス 3…架台 4…給水パイプ 5,7…コック 6…給水ホース 6a…注水口 8…排水口 9…排水ホース 10…排水管 11…排水弁 12…蓋体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加志崎 万蔵 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号 高知 県商工労働部地場産業振興課内 (72)発明者 谷口 章介 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号 高知 県商工労働部地場産業振興課内 (56)参考文献 特開 昭63−209532(JP,A) 特公 平3−64089(JP,B2)
Claims (4)
- 【請求項1】 飼育水槽内に海中から採取した水深約1
00〜300mの海底に住む天然の宝石珊瑚を収納し、
該飼育水槽に海洋の水深100メートル以深から汲み上
げた清浄な海水である海洋深層水を少なくとも略20℃
以下の温度に保って流入,循環させて、宝石珊瑚の人工
的飼育を行うことを特徴とする海洋深層水を使用した宝
石珊瑚の飼育方法。 - 【請求項2】 飼育水槽内に、人工基盤に固定した水深
約100〜300mの海底に住む天然の宝石珊瑚を収容
し、該飼育水槽に海洋の水深100メートル以深から汲
み上げた清浄な海水である海洋深層水を少なくとも略2
0℃以下の温度に保って流入,循環させるとともに餌料
の投入と温度管理等の人為的な管理下での飼育を実施
し、飼育した宝石珊瑚、又は飼育した宝石珊瑚を分割し
た小片、或いは折損した小枝等を海底に移送して、移植
・定着させるようにしたことを特徴とする海洋深層水を
使用した宝石珊瑚の飼育方法。 - 【請求項3】 飼育水槽に海洋深層水を常時、流入,循
環させるとともに排水する請求項1又は2記載の海洋深
層水を使用した宝石珊瑚の飼育方法。 - 【請求項4】 海中から採取した天然の宝石珊瑚が収納
可能な飼育水槽と、該飼育水槽に設けられ飼育水槽内に
対する外部からの入射光を適度な光度にまで遮光する機
能を持つ蓋体と、該飼育水槽に海洋の水深100メート
ル以深の海洋深層水を供給するための汲上げ機構と、得
られた海洋深層水の飼育水槽内への流入,循環機構を具
備して成ることを特徴とする海洋深層水を使用した宝石
珊瑚の飼育装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5041840A JPH07102058B2 (ja) | 1993-02-04 | 1993-02-04 | 海洋深層水を使用した宝石珊瑚の飼育方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5041840A JPH07102058B2 (ja) | 1993-02-04 | 1993-02-04 | 海洋深層水を使用した宝石珊瑚の飼育方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06225663A JPH06225663A (ja) | 1994-08-16 |
JPH07102058B2 true JPH07102058B2 (ja) | 1995-11-08 |
Family
ID=12619460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5041840A Expired - Lifetime JPH07102058B2 (ja) | 1993-02-04 | 1993-02-04 | 海洋深層水を使用した宝石珊瑚の飼育方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07102058B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100571997B1 (ko) * | 2005-03-03 | 2006-04-17 | 이화여자대학교 산학협력단 | 한국산 연산호류의 유생 채취방법 및 유생 배양방법 |
JP2007037481A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Shizuoka Prefecture | 甲殻類を飼育、養殖又は蓄養する方法及びその方法により飼育、養殖又は蓄養された甲殻類 |
CN102907353B (zh) * | 2011-11-21 | 2014-07-02 | 中国水产科学研究院淡水渔业研究中心 | 一种刀鲚鱼种的运输方法 |
KR101460795B1 (ko) * | 2013-05-14 | 2014-11-17 | 한국해양과학기술원 | 생태환경 실험용 장치 및 이를 포함하는 폐쇄생태계 모델 시스템 |
CN104170783A (zh) * | 2014-09-05 | 2014-12-03 | 广西壮族自治区水产科学研究院 | 一种适用于鲎从受精卵至2龄阶段的高效繁育方法 |
CN104542456A (zh) * | 2014-11-27 | 2015-04-29 | 巫溪县菊红水产养殖专业合作社 | 大鲵仿生态养殖方法 |
CN104719200B (zh) * | 2015-03-18 | 2017-01-25 | 大连长海振禄水产有限公司 | 大西洋深海扇贝的繁育与增养殖方法 |
CN108548826A (zh) * | 2018-04-08 | 2018-09-18 | 广西大学 | 一种鉴别人工海水养殖珊瑚和自然海区生长珊瑚的方法 |
CN109156385A (zh) * | 2018-07-16 | 2019-01-08 | 广西大学 | 一种石珊瑚活体的运输方法 |
CN109220919B (zh) * | 2018-07-27 | 2021-06-04 | 海南大学 | 一种砗磲、珊瑚陆基养殖系统及其混合养殖方法 |
CN113303273B (zh) * | 2021-05-27 | 2022-09-16 | 浙江省海洋水产研究所 | 一种用于软体珊瑚的转运装置 |
CN114208727B (zh) * | 2021-12-20 | 2023-05-12 | 东南大学 | 一种模块化密闭珊瑚培养系统 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5212114B2 (ja) * | 1972-01-26 | 1977-04-05 | ||
JPS50157191A (ja) * | 1974-06-06 | 1975-12-18 | ||
JPS52127889A (en) * | 1976-04-17 | 1977-10-26 | Yoshiki Maeda | Process for propagation and growth stimulation of marine life with use of sea bottom organic maters deposits and deeppsea water |
US4189379A (en) * | 1977-09-16 | 1980-02-19 | Finley Warren T | Method for bringing nutrient-rich water from the aphotic zone of the ocean to the photic zone |
JPS60234526A (ja) * | 1984-05-07 | 1985-11-21 | 三井化学株式会社 | 海洋上の巨大水槽構造物 |
JPS63209532A (ja) * | 1987-02-27 | 1988-08-31 | 株式会社 エコ− | 移設サンゴ礁の造成法 |
JPH0364089A (ja) * | 1989-08-01 | 1991-03-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電子部品用セラミック基板 |
-
1993
- 1993-02-04 JP JP5041840A patent/JPH07102058B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06225663A (ja) | 1994-08-16 |
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WO1980000907A1 (en) | Abalone mariculture | |
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