JPH07101570B2 - スポット溶接機用二次ケーブルとその製造法 - Google Patents
スポット溶接機用二次ケーブルとその製造法Info
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- JPH07101570B2 JPH07101570B2 JP4100046A JP10004692A JPH07101570B2 JP H07101570 B2 JPH07101570 B2 JP H07101570B2 JP 4100046 A JP4100046 A JP 4100046A JP 10004692 A JP10004692 A JP 10004692A JP H07101570 B2 JPH07101570 B2 JP H07101570B2
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Description
ガンとトランスを接続するスポット溶接機用二次ケーブ
ルに関する。
ランスを接続する二次ケーブルには、相互に絶縁された
２経路の導体を一本のホース内に組み込んだローリアク
タンス・ケーブルと、往復各経路の導体を個別に一本の
ホース内に組み込んだ単線往復式ケーブルとの２種があ
り、共にＪＩＳ Ｃ ９３１８において両端末の端子加
工を施した完成品として規定されている。
えば図３に示すように、内側に導水管１を通した絶縁チ
ューブ２の周囲に、複数本（図では６本）の導体３がセ
パレータ４を介して往経路側と復経路側とに分離される
状態で配置され、その全体がホースカバー５で覆われた
構造であり、冷却水を一端側から絶縁チューブ２とホー
スカバー５との間の空間６に導入して他端側から導水管
１を通して戻すことにより、溶接時の通電に伴う発熱を
除去するようになされている。また後者の単線往復式ケ
ーブルは、一本のホースカバー内に余剰空間を残す形で
導体を挿通した構造であり、やはり該空間に冷却水又は
空気を流通させて通電に伴う発熱を除去するようになさ
れている。
ケーブルの導体としては、該ケーブルが溶接操作に伴っ
て曲がり及び捻じれを繰り返す可動接続部となることか
ら、従来ではその可撓性を確保するために一般的に電気
用軟銅線（ほぼ純銅）を素線とする複合撚り群が使用さ
れていた。
ては産業用ロボット等を利用したスポット溶接の自動化
が進んでおり、これに伴って前記二次ケーブルとしても
耐久性の大幅な改善が求められている。しかしながら、
前記従来の二次ケーブルにあっては、その導体に用いた
電気用軟銅線の耐疲労応力性が低い上、この種二次ケー
ブルでは端末部の導体に圧着端子の取付加工による塑性
歪みが残り、且つ該端末部に使用状態での曲げ及び捻じ
れ変形の反復による応力が集中し易く、またケーブル内
部で各導体が自在に動き得ると共に該導体のばらけや捻
じれ、曲がり等に対する拘束力が働かないことから、ケ
ーブルの変形の都度に導体の素線同士が擦れ合って磨滅
し易く、特にローリアクタンス・ケーブルでは通電時に
往復経路の導体間に生じる磁気反発作用による応力も加
わることから、早期に疲労劣化及び磨滅を生じて満足な
耐久性が得られず、上記要望に対処できないという問題
があった。
情況に鑑み、スポット溶接機用二次ケーブルとして、導
体の疲労劣化を生じにくく、且つ可動配線用としての本
来の可撓性及び機械的強度、導電性を具備し、高信頼性
で極めて耐久性に優れるものを提供することにある。
ト溶接機用二次ケーブルは、スポット溶接機の溶接ガン
とトランスを接続する二次ケーブルであって、複合撚り
導体を組み込んだホース内に冷却媒体の流通空間を有
し、上記複合撚り導体は、複数本の素線よりなる一次撚
り群の複数本を撚り合わせた二次撚り群、又は該二次撚
り群の複数本を撚り合わせた三次撚り群からなると共
に、最終撚りの前段の撚り群全部が同一の撚り方向であ
り、この前段の撚り群の撚り方向と最終撚りの方向とが
逆に設定され、上記素線が０．２０〜０．４０重量％の
錫を含有する錫入り銅合金線からなり、且つ上記複合撚
り導体が引張強さ５０Ｋｇｆ／ｍｍ2 以上で伸び２〜６
％に設定されてなる構成を採用したものである。
請求項１記載のスポット溶接機用二次ケーブルの製造法
において、複合撚り導体の製作に当たり、素線の複数本
が撚り合わされた一次撚り群の複数本を撚り合わせて二
次撚り群としたのち、この二次撚り群を２３０〜２８０
℃の温度で焼鈍処理することを特徴とする構成を採用し
たものである。
る導体は、０．２０〜０．４０重量％の錫を含有する錫
入り銅合金線を素線とする複合撚り導体であって、且つ
引張強さ５０Ｋｇｆ／ｍｍ2 以上で伸び２〜６％に設定
されたものであるため、充分な導電性を備えると共に、
従来の可動用ケーブルに使用される電気用軟銅線を素線
とした複合撚り導体に比較して腰が強く、且つ適度な柔
軟性と大きな機械的強度を具備すると共に耐磨耗性にも
優れ、可動部配線用として必要な可撓性を保持してい
る。
線を撚り合わせた一次撚り群の複数本を撚り合わせて二
次撚り群としたものと、更にこの二次撚り群の複数本を
撚り合わせて三次撚り群としたものとがあるが、最終撚
りの前段の撚り群全部が同一の撚り方向であり、この前
段の撚り群の撚り方向と最終撚りの方向とが逆に設定さ
れているため、可動部配線用としての優れた捻回性を備
えると共に、導体全体としてのまとまりが良好である。
すなわち、従来の一般的な複合撚り構成では内外の各層
交互に異方向に最終段の撚り合わせを行っているが、本
発明では前述の如く素線の腰が強いことから、同一の撚
り方向の撚り群のみで最終撚りした構成により捻回性を
確保し、且つ最終撚りと前段の撚りとを異方向として複
合撚り導体としてのまとまりを向上させている。
ーブルでは、使用状態で曲げ及び捻じれ変形が繰り返さ
れるにも関わらず、複合撚り導体が充分な可撓性と腰の
強さを有することから、該導体の疲労劣化が非常に少な
い上、圧着端子の取付加工による塑性歪みを残す端末部
へ応力が集中しにくく、しかも該導体のまとまりの良さ
により上記反復変形に伴う素線相互の擦れ合いが軽度に
抑えられることと、該素線自体の耐摩耗性もよいことか
ら、複合撚り導体の摩耗による特性低下も少なく、もっ
て耐久性に極めて優れ、ローリアクタンス・ケーブルの
ように通電時に往復経路の導体間に磁気反発作用による
応力が加わる場合でも充分な耐久性を確保でき、また充
分な導電性及び可撓性と優れた捻回性を具備する。
含有量は、０．２０重量％未満では機械的強度が不充分
となり耐久性の低下を招き、逆に０．４０重量％を越え
ると導電性の低下が無視できなくなる。そして、特に錫
の含有量を０．２５〜０．３５重量％とした場合、機械
的強度と導電性が共に優れたものとなる。また、複合撚
り導体は、引張強度５０Ｋｇｆ／ｍｍ2 以上、伸び２〜
６％に設定すべきであり、この引張強度と伸びが規定範
囲外になると、柔軟性と機械的強度のバランスが悪くな
り、導体の疲労劣化ひいてはケーブルの耐久性低下を招
く。
は、請求項２のように二次撚り群の段階で２３０〜２８
０℃の温度で焼鈍処理するのがよく、三次撚り群の場合
には該照度処理後に撚り合わせを行えばよい。すなわ
ち、この焼鈍処理により錫入り銅合金線の内部に残留し
ていた歪みが除去されると共に柔軟性が増し、引張強度
と伸びが上記規定範囲となる。しかるに、この処理温度
が２３０℃未満では歪み除去と柔軟性の付与を充分に行
えず伸びが不足し、逆に２８０℃より高い処理温度が引
張強さが著しく低下する。なお、焼鈍処理時間は１〜３
時間程度とするのがよい。
ルに用いる導体の構成例を示し、同図のＡは０．２０〜
０．４０重量％の錫を含有する錫入り銅合金線からなる
多数本の素線１０…を撚り合わせた一次撚り群１１の７
本より構成される二次撚り群１２、同図のＢは該二次撚
り群１２の１９本より構成される三次撚り群１３からな
る複合撚り導体である。しかして、一次撚り群１１及び
二次撚り群１２の撚り方向は全て右撚り、三次撚り線１
３の撚り方向は左撚りに設定されている。
・ケーブルの一実施例を示し、内側に導水管１を通した
絶縁チューブ２の周囲に、前記の二次撚り群１２又は三
次撚り群１３からなる６本の複合撚り導体３…がセパレ
ータ４を介して往経路側と復経路側とに周方向交互に分
離される状態で配置され、その全体がホースカバー５で
覆われており、冷却媒体としての冷却水を一端側から絶
縁チューブ２とホースカバー５との間の流通空間６に導
入して他端側から導水管１を通して戻すことにより、溶
接時の通電に伴う発熱を除去するようになされている。
て得られる複合撚り導体の焼鈍温度と引張強さ（破断荷
重）及び伸びとの相関図であり、図中の〇印は引張強さ
（破断荷重）、▲印は伸びを示し、各印を通る上下方向
の線長は各焼鈍温度での変動幅であって印位置が平均値
である。そして、使用した複合撚り導体は、１８０μｍ
径で錫含有率０．３０重量％の錫入り銅合金線からなる
素線５５本を右撚りに撚り合わせた一次撚り群１１を用
い、この一次撚り群１１の７本を右撚りして図１のＡの
如く二次撚り群１２とし、更にこの二次撚り群１２の１
９本を左撚りして図１のＢの如く三次撚り群１３とした
ものである。
８０℃の範囲においては、引張強さが約５０Ｋｇｆ／ｍ
ｍ2 以上、伸びが２〜６％程度であり、スポット溶接機
用二次ケーブル用の導体として好適な機械的強度と柔軟
性が付与されることが判る。なお、導体末端のばらけ
は、焼鈍条件に依存するが、前記温度範囲では生起しな
い。
率が異なる三次撚り群からなる複合撚り導体を使用し、
引張強さと導電率（共に平均値）を調べたところ、次の
結果が得られた。
０．４０重量％の範囲において引張強さと導電率を共に
高く設定でき、特に０．２５〜０．３５重量％の範囲が
好適であることが判る。
ブルとしてローリアクタンス・ケーブルを示したが、本
発明は単線往復式ケーブルにも同様に適用できることは
言うまでもない。
用二次ケーブルとして、特定量の錫入り銅合金線を素線
として特定の引張強度及び伸びに設定され且つ独特の撚
り構成とした複合撚り導体を用いていることから、該導
体の疲労劣化及び摩耗が非常に少なく、しかも端末接続
部に歪みが集中しにくく、もって極めて優れた耐久性を
発揮すると共に、充分な導電性及び可撓性と優れた捻回
性を備えて信頼性の高いものが提供される。
溶接用二次ケーブルの製造において、上記特定の引張強
さ及び伸びを有する複合撚り導体が容易に得られるとい
う利点がある。
いる複合撚り導体の構成例を示し、Ａは二次撚り群の断
面図、Ｂは該二次撚り群を撚り合わせた三次撚り群の断
面図である。
びとの相関特性図である。
ケーブル型のスポット溶接用二次ケーブルの断面図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項１】 スポット溶接機の溶接ガンとトランスを
接続する二次ケーブルであって、複合撚り導体を組み込
んだホース内に冷却媒体の流通空間を有し、上記複合撚
り導体は、複数本の素線よりなる一次撚り群の複数本を
撚り合わせた二次撚り群、又は該二次撚り群の複数本を
撚り合わせた三次撚り群からなると共に、最終撚りの前
段の撚り群全部が同一の撚り方向であり、この前段の撚
り群の撚り方向と最終撚りの方向とが逆に設定され、上
記素線が０．２０〜０．４０重量％の錫を含有する錫入
り銅合金線からなり、且つ上記複合撚り導体が引張強さ
５０Ｋｇｆ／ｍｍ 2 以上で伸び２〜６％に設定されてな
るスポット溶接機用二次ケーブル。 - 【請求項２】 請求項１記載のスポット溶接機用二次ケ
ーブルにおける複合撚り導体の製作に当たり、素線の複
数本が撚り合わされた一次撚り群の複数本を撚り合わせ
て二次撚り群としたのち、この二次撚り群を２３０〜２
８０℃の温度で焼鈍処理することを特徴とするスポット
溶接機用二次ケーブルの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4100046A JPH07101570B2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | スポット溶接機用二次ケーブルとその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4100046A JPH07101570B2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | スポット溶接機用二次ケーブルとその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0696618A JPH0696618A (ja) | 1994-04-08 |
| JPH07101570B2 true JPH07101570B2 (ja) | 1995-11-01 |
Family
ID=14263569
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4100046A Expired - Lifetime JPH07101570B2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | スポット溶接機用二次ケーブルとその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07101570B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US7880089B1 (en) | 2008-06-13 | 2011-02-01 | Southwire Company | Metal-clad cable assembly |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5816087Y2 (ja) * | 1980-03-05 | 1983-04-01 | 古河電気工業株式会社 | 耐捻回性ケ−ブル線路 |
| JPS6361703U (ja) * | 1986-10-11 | 1988-04-23 |
-
1992
- 1992-04-21 JP JP4100046A patent/JPH07101570B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0696618A (ja) | 1994-04-08 |
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