JPH07101262A - トルク配分制御装置 - Google Patents
トルク配分制御装置Info
- Publication number
- JPH07101262A JPH07101262A JP24805593A JP24805593A JPH07101262A JP H07101262 A JPH07101262 A JP H07101262A JP 24805593 A JP24805593 A JP 24805593A JP 24805593 A JP24805593 A JP 24805593A JP H07101262 A JPH07101262 A JP H07101262A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lateral acceleration
- state
- steering
- turning
- counter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 カウンタステア状態でかつ高横加速度での走
行時に、安定した走行特性を実現する。 【構成】 エンジン駆動力を後輪ディファレンシャルの
制御型オリフィスカップリング7L、7R、ドライブシ
ャフト8L、8Rを経て左右後輪6L、6Rに夫々伝達
する。ステッピングモータ30L、30Rによりスプー
ル16L、16Rをストロークさせてオリフィス17
L、17Rの開度を変更するため、コントロールユニッ
ト40は、操舵角θ、車速V、横加速度値Yg、ヨーレ
ートY、スロットル開度Th等を入力されて、所定の制
御プログラムを実行し、カウンタステア状態で高横加速
度状態のときは非転舵側オリフィスを閉鎖しつつ転舵側
オリフィスを横加速度に応じて開放し、カウンタステア
状態で高横加速度状態ではないときは左右オリフィスを
閉鎖して直結状態にするトルク配分制御を行う。
行時に、安定した走行特性を実現する。 【構成】 エンジン駆動力を後輪ディファレンシャルの
制御型オリフィスカップリング7L、7R、ドライブシ
ャフト8L、8Rを経て左右後輪6L、6Rに夫々伝達
する。ステッピングモータ30L、30Rによりスプー
ル16L、16Rをストロークさせてオリフィス17
L、17Rの開度を変更するため、コントロールユニッ
ト40は、操舵角θ、車速V、横加速度値Yg、ヨーレ
ートY、スロットル開度Th等を入力されて、所定の制
御プログラムを実行し、カウンタステア状態で高横加速
度状態のときは非転舵側オリフィスを閉鎖しつつ転舵側
オリフィスを横加速度に応じて開放し、カウンタステア
状態で高横加速度状態ではないときは左右オリフィスを
閉鎖して直結状態にするトルク配分制御を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、左右輪独立駆動車にお
いてカウンタステア状態か否かに応じて左右輪間のトル
ク配分を独立に制御するようにした、トルク配分制御装
置に関するものである。
いてカウンタステア状態か否かに応じて左右輪間のトル
ク配分を独立に制御するようにした、トルク配分制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のトルク配分制御装置とし
ては、例えば特開平4-185539号公報に記載されたものが
ある。この従来例は、操舵角の検出信号に基づき、旋回
方向を判別し、旋回外輪側では最大トルクが得られ、旋
回内輪側では左右回転数差を許容しつつ、旋回外輪側と
等しいトルクが得られる。そのため、内輪の回転数を外
輪に対して必要左右回転差だけ小さくすることができる
差動機能が発揮されると共に、左右輪へ等しい伝達トル
クが与えられる等トルク配分機能が発揮される。
ては、例えば特開平4-185539号公報に記載されたものが
ある。この従来例は、操舵角の検出信号に基づき、旋回
方向を判別し、旋回外輪側では最大トルクが得られ、旋
回内輪側では左右回転数差を許容しつつ、旋回外輪側と
等しいトルクが得られる。そのため、内輪の回転数を外
輪に対して必要左右回転差だけ小さくすることができる
差動機能が発揮されると共に、左右輪へ等しい伝達トル
クが与えられる等トルク配分機能が発揮される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、図4(a)に示すように左右輪間の回
転数差を許容しつつ左右輪へ等しい大きさのトルクを伝
達することができるが、高横加速度状態の旋回時には輪
荷重の移動により旋回外輪側のトルクが旋回内輪側に比
べて大きくなってヨーレートの発生を促進する。このよ
うな鷹横加速度旋回時或いは、低μ路状態での旋回時に
ドライバがカウンタステア操作を行うと、同図(b)の
ように実際の車両の旋回方向とドライバが操作する操舵
方向とが異なるため、実際の旋回内輪側を旋回外輪側と
見做し、トルク配分制御を行い、その結果、車両のヨー
レートと横加速度の作用方向が一致して旋回外側に車両
が張り出してしまい、リバースステアが生じ易くなり、
安定した走行特性を実現することができない。
来例においては、図4(a)に示すように左右輪間の回
転数差を許容しつつ左右輪へ等しい大きさのトルクを伝
達することができるが、高横加速度状態の旋回時には輪
荷重の移動により旋回外輪側のトルクが旋回内輪側に比
べて大きくなってヨーレートの発生を促進する。このよ
うな鷹横加速度旋回時或いは、低μ路状態での旋回時に
ドライバがカウンタステア操作を行うと、同図(b)の
ように実際の車両の旋回方向とドライバが操作する操舵
方向とが異なるため、実際の旋回内輪側を旋回外輪側と
見做し、トルク配分制御を行い、その結果、車両のヨー
レートと横加速度の作用方向が一致して旋回外側に車両
が張り出してしまい、リバースステアが生じ易くなり、
安定した走行特性を実現することができない。
【0004】本発明は、ドライバのハンドル操作がカウ
ンタステア状態になった場合に車両が旋回方向外側に飛
び出すことなく、安定した旋回特性が得られることを目
的とする。
ンタステア状態になった場合に車両が旋回方向外側に飛
び出すことなく、安定した旋回特性が得られることを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
は、入力軸から左右の出力軸に駆動力を分配して伝達す
る駆動力分配手段を具え、該駆動力分配手段を入力軸と
共に回転する入力回転分材と、出力軸と共に回転する出
力部材と、これら入力回転部材及び出力回転部材間を個
々に結合可能な回転結合手段とで公正したトルク配分制
御装置において、旋回方向を検出する旋回方向検出手段
と、ドライバのハンドル操作がカウンタステア状態か否
かを判別するカウンタステア判別手段と、カウンタステ
ア状態であると判別されたときは旋回方向検出手段の検
出信号に基づき、旋回内輪側の駆動力を増加させるよう
前記駆動力分配手段を制御する制御手段とを具えて成る
ことを特徴とするものである。
は、入力軸から左右の出力軸に駆動力を分配して伝達す
る駆動力分配手段を具え、該駆動力分配手段を入力軸と
共に回転する入力回転分材と、出力軸と共に回転する出
力部材と、これら入力回転部材及び出力回転部材間を個
々に結合可能な回転結合手段とで公正したトルク配分制
御装置において、旋回方向を検出する旋回方向検出手段
と、ドライバのハンドル操作がカウンタステア状態か否
かを判別するカウンタステア判別手段と、カウンタステ
ア状態であると判別されたときは旋回方向検出手段の検
出信号に基づき、旋回内輪側の駆動力を増加させるよう
前記駆動力分配手段を制御する制御手段とを具えて成る
ことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明によれば、カウンタステア判別手段によ
りカウンタステア状態と判別された場合には、制御手段
が、旋回方向検出手段に基づき旋回方向に対して内輪側
の駆動力を増加させ、車両にオーバステアモーメントを
発生させるよう左右輪間のトルク配分を制御する。
りカウンタステア状態と判別された場合には、制御手段
が、旋回方向検出手段に基づき旋回方向に対して内輪側
の駆動力を増加させ、車両にオーバステアモーメントを
発生させるよう左右輪間のトルク配分を制御する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明の第1実施例のトルク配分制御
装置を搭載した後輪駆動車の構成を示す図であり、図中
1はエンジン、2は変速機を夫々示す。なお、本実施例
の基本的なハードウエアは上述した特開平4-185539号公
報の第2図と同様に構成されている。
説明する。図1は本発明の第1実施例のトルク配分制御
装置を搭載した後輪駆動車の構成を示す図であり、図中
1はエンジン、2は変速機を夫々示す。なお、本実施例
の基本的なハードウエアは上述した特開平4-185539号公
報の第2図と同様に構成されている。
【0008】エンジン1からの駆動力は変速機2、プロ
ペラシャフト(入力軸)3を介して後輪ディファレンシ
ャルのドライブギア4へ伝達され、さらにドライブギア
4からリングギア5へ伝達される。その後、左後輪6L
へは第1の制御型オリフィスカップリング(駆動力分配
手段)7L、左ドライブシャフト(出力軸)8Lを経て
エンジン駆動力が伝達され、右後輪6Rへは第2の制御
型オリフィスカップリング(駆動力分配手段)7R、左
ドライブシャフト(出力軸)8Rを経てエンジン駆動力
が伝達される。なお、左右前輪9L、9Rは従動輪であ
り、かつステアリングホイール10の操舵操作により転
舵される操向車輪である。
ペラシャフト(入力軸)3を介して後輪ディファレンシ
ャルのドライブギア4へ伝達され、さらにドライブギア
4からリングギア5へ伝達される。その後、左後輪6L
へは第1の制御型オリフィスカップリング(駆動力分配
手段)7L、左ドライブシャフト(出力軸)8Lを経て
エンジン駆動力が伝達され、右後輪6Rへは第2の制御
型オリフィスカップリング(駆動力分配手段)7R、左
ドライブシャフト(出力軸)8Rを経てエンジン駆動力
が伝達される。なお、左右前輪9L、9Rは従動輪であ
り、かつステアリングホイール10の操舵操作により転
舵される操向車輪である。
【0009】制御型オリフィスカップリング7L、7R
は、相対回転時にドライビングピストンを往復動させる
させることにより吐出させた作動油の流出量規制を左右
オリフィス17L、17Rにより行って伝達トルクを発
生する継手であり、図2に示すように、プロペラシャフ
ト3および左右ドライブシャフト8L、8R間に夫々左
右オリフィス17L、17Rを設置し、左右オリフィス
17L、17Rの開度をスプール16L、16Rのスト
ロークにより変更する。これら制御型オリフィスカップ
リングは、入出力回転数差に応じて伝達トルクを発生さ
せるとともに、入出力回転数差に対する制御ゲインの異
なる複数の2次関数的な伝達トルク特性をオリフィス開
口面積の変更により左右独立に制御し得るようになって
いる(制御型オリフィスカップリングの詳細について
は、上述した特開平4-185539号公報を参照のこと)。
は、相対回転時にドライビングピストンを往復動させる
させることにより吐出させた作動油の流出量規制を左右
オリフィス17L、17Rにより行って伝達トルクを発
生する継手であり、図2に示すように、プロペラシャフ
ト3および左右ドライブシャフト8L、8R間に夫々左
右オリフィス17L、17Rを設置し、左右オリフィス
17L、17Rの開度をスプール16L、16Rのスト
ロークにより変更する。これら制御型オリフィスカップ
リングは、入出力回転数差に応じて伝達トルクを発生さ
せるとともに、入出力回転数差に対する制御ゲインの異
なる複数の2次関数的な伝達トルク特性をオリフィス開
口面積の変更により左右独立に制御し得るようになって
いる(制御型オリフィスカップリングの詳細について
は、上述した特開平4-185539号公報を参照のこと)。
【0010】上記オリフィス開口面積の変更のため、オ
リフィスアクチュエータとしてステッピングモータ30
L、30Rを設け、ステッピングモータ30L、30R
に対し駆動指令信号を出力するコントロールユニット4
0を設ける。コントロールユニット40は、ステアリン
グホイール10の操舵角(左右前輪9L、9Rの転舵
角)θを検出する操舵角センサ(旋回方向検出手段)4
1からの信号、車速Vを検出する車速センサ42からの
信号、車両の横加速度(横加速度)値Ygを検出する横
加速度センサ43からの信号、ステッピングモータ30
L、30Rに内蔵されたポテンショメータ45L、45
Rからのフィードバック信号、ヨーレートYを検出する
ヨーレートセンサ44からの信号、スロットル開度Th
を検出するスロットルセンサ46からの信号等を入力さ
れて、図3の制御プログラムを実行することにより左右
後輪6L、6Rに対するトルク配分制御を行う。
リフィスアクチュエータとしてステッピングモータ30
L、30Rを設け、ステッピングモータ30L、30R
に対し駆動指令信号を出力するコントロールユニット4
0を設ける。コントロールユニット40は、ステアリン
グホイール10の操舵角(左右前輪9L、9Rの転舵
角)θを検出する操舵角センサ(旋回方向検出手段)4
1からの信号、車速Vを検出する車速センサ42からの
信号、車両の横加速度(横加速度)値Ygを検出する横
加速度センサ43からの信号、ステッピングモータ30
L、30Rに内蔵されたポテンショメータ45L、45
Rからのフィードバック信号、ヨーレートYを検出する
ヨーレートセンサ44からの信号、スロットル開度Th
を検出するスロットルセンサ46からの信号等を入力さ
れて、図3の制御プログラムを実行することにより左右
後輪6L、6Rに対するトルク配分制御を行う。
【0011】すなわち、コントロールユニット40によ
り所定制御周期(例えば40msec)毎に繰返し実行される
図3のフローチャートにおいて、まずステップ51で、
上記各センサより操舵角θ、車速V、横加速度値Yg、
ヨーレートY、スロットル開度Thを読み込み、ステッ
プ52では、ステップ52内に併記したマップにより、
操舵角θに基づいて旋回内輪側のオリフィスを開放する
オリフィス開度制御を行う。このオリフィス開度制御
は、旋回内輪側のオリフィスを対象としており、操舵角
θが中立位置(θ=0)を中心とする所定範囲内(例え
ば−15°<θ≦15°)にあるときはヨーモーメント
を積極的に付与する制御の代わりに旋回内輪側のオリフ
ィスを閉鎖する制御を行い、所定範囲外のときは操舵角
θに応じて上記マップに示すゲインで旋回内輪側のオリ
フィスを開放する制御を行う。
り所定制御周期(例えば40msec)毎に繰返し実行される
図3のフローチャートにおいて、まずステップ51で、
上記各センサより操舵角θ、車速V、横加速度値Yg、
ヨーレートY、スロットル開度Thを読み込み、ステッ
プ52では、ステップ52内に併記したマップにより、
操舵角θに基づいて旋回内輪側のオリフィスを開放する
オリフィス開度制御を行う。このオリフィス開度制御
は、旋回内輪側のオリフィスを対象としており、操舵角
θが中立位置(θ=0)を中心とする所定範囲内(例え
ば−15°<θ≦15°)にあるときはヨーモーメント
を積極的に付与する制御の代わりに旋回内輪側のオリフ
ィスを閉鎖する制御を行い、所定範囲外のときは操舵角
θに応じて上記マップに示すゲインで旋回内輪側のオリ
フィスを開放する制御を行う。
【0012】次のステップ53ではカウンタステア状態
か否かの判別を行い、カウンタステア状態と判断した場
合には制御をステップ54へ進め、カウンタステア状態
ではないと判断した場合には制御をステップ55へ進め
る。なお、このカウンタステア状態の判別では、横加速
度から判断される旋回方向と操舵角から判断される旋回
方向とが相反する場合にカウンタステア状態であると判
別するようにしており、上記ステップ53においてコン
トロールユニット40はカウンタステア判別手段として
機能する。
か否かの判別を行い、カウンタステア状態と判断した場
合には制御をステップ54へ進め、カウンタステア状態
ではないと判断した場合には制御をステップ55へ進め
る。なお、このカウンタステア状態の判別では、横加速
度から判断される旋回方向と操舵角から判断される旋回
方向とが相反する場合にカウンタステア状態であると判
別するようにしており、上記ステップ53においてコン
トロールユニット40はカウンタステア判別手段として
機能する。
【0013】次のステップ54では、ステップ54内に
併記したマップにより、横加速度値Ygに基づくオリフ
ィス開度制御を行う。このオリフィス開度制御では、カ
ウンタステア状態と判別されたことに伴い非転舵側のオ
リフィスは無条件で閉鎖し、横加速度値Ygが所定値
(例えば0.3G)を越える高横加速度状態のときは操
舵角θに基づき内輪側のオリフィスを横加速度値Ygに
応じて閉鎖して駆動トルクを増加させる。ここでオリフ
ィスの閉鎖量は、横加速度値Ygが大きい程増加するよ
う、又、横加速度値Ygが所定値以下の場合には零にな
るよう設定されている。これは、横加速度値Ygが大き
い程左右輪間での荷重移動量が大きいため、旋回内輪側
のグリップ力が減少し、旋回後期においてグリップ力が
回復したときの車両安定性を確保するものである。な
お、路面状態に基づき制御する場合には、路面摩擦係数
μが小さい程、オリフィスの閉鎖量を増加させればよ
い。また、このステップ54において、コントロールユ
ニット40は制御手段として機能する。
併記したマップにより、横加速度値Ygに基づくオリフ
ィス開度制御を行う。このオリフィス開度制御では、カ
ウンタステア状態と判別されたことに伴い非転舵側のオ
リフィスは無条件で閉鎖し、横加速度値Ygが所定値
(例えば0.3G)を越える高横加速度状態のときは操
舵角θに基づき内輪側のオリフィスを横加速度値Ygに
応じて閉鎖して駆動トルクを増加させる。ここでオリフ
ィスの閉鎖量は、横加速度値Ygが大きい程増加するよ
う、又、横加速度値Ygが所定値以下の場合には零にな
るよう設定されている。これは、横加速度値Ygが大き
い程左右輪間での荷重移動量が大きいため、旋回内輪側
のグリップ力が減少し、旋回後期においてグリップ力が
回復したときの車両安定性を確保するものである。な
お、路面状態に基づき制御する場合には、路面摩擦係数
μが小さい程、オリフィスの閉鎖量を増加させればよ
い。また、このステップ54において、コントロールユ
ニット40は制御手段として機能する。
【0014】ステップ54の次のステップ55では、ス
ロットルセンサ46からのスロットル開度信号Thによ
りアクセルがONかOFFかを判別し、アクセルONの
場合にはステップ56で旋回外輪側のオリフィスを閉鎖
して駆動力を路面に伝達するようにする。一方、アクセ
ルOFFの場合にはステップ57で旋回外輪側のオリフ
ィスを旋回内輪側のオリフィスと同一開度になるまで開
放して、アクセルON時とOFF時とで車両挙動の変化
が小さくなるようにする。なお、本実施例ではアクセル
状態より車両の駆動状態が加速状態か否かを判別してい
るが、アクセル状態の代わりに、エンジンの燃料カット
制御や点火時期制御等のための信号により車両の駆動状
態を判別するようにしてもよい。
ロットルセンサ46からのスロットル開度信号Thによ
りアクセルがONかOFFかを判別し、アクセルONの
場合にはステップ56で旋回外輪側のオリフィスを閉鎖
して駆動力を路面に伝達するようにする。一方、アクセ
ルOFFの場合にはステップ57で旋回外輪側のオリフ
ィスを旋回内輪側のオリフィスと同一開度になるまで開
放して、アクセルON時とOFF時とで車両挙動の変化
が小さくなるようにする。なお、本実施例ではアクセル
状態より車両の駆動状態が加速状態か否かを判別してい
るが、アクセル状態の代わりに、エンジンの燃料カット
制御や点火時期制御等のための信号により車両の駆動状
態を判別するようにしてもよい。
【0015】次のステップ58では、車速Vが所定車速
(例えば15km/h)を上回っているか否かの判別を
行い、V>15km/hの場合にはステップ59でその
中に併記したマップによりヨーレートフィードバックに
よるオリフィス開度補正制御を行い、V≦15km/h
の場合にはステップ59をスキップして制御を直ちにス
テップ60に進める。
(例えば15km/h)を上回っているか否かの判別を
行い、V>15km/hの場合にはステップ59でその
中に併記したマップによりヨーレートフィードバックに
よるオリフィス開度補正制御を行い、V≦15km/h
の場合にはステップ59をスキップして制御を直ちにス
テップ60に進める。
【0016】このオリフィス開度補正制御においては、
車速Vおよび操舵角θより算出した目標ヨーレートに対
しヨーレートセンサ44からのヨーレート検出値が大き
い場合には、車両がオーバーステアであると判断して旋
回内輪側のオリフィスの開度を減少させるように補正
し、目標ヨーレートに対しヨーレート検出値が小さい場
合には、車両がアンダーステアであると判断して旋回内
輪側のオリフィスの開度を増加させるように補正する。
なお、オーバーステア時とアンダーステア時とでは、オ
ーバーステア時のヨーレートの発生速度がアンダーステ
ア時に比べて遅いことから、ヨーレート偏差の絶対量が
異なるものになるので、オーバーステア時の旋回内輪側
のオリフィス開度補正値の方がアンダーステア時の旋回
内輪側のオリフィス開度補正値よりも大きくなるように
する必要がある。このため、補正ゲインを上記マップに
示すようにオーバーステア時とアンダーステア時とで異
なるものにしている。
車速Vおよび操舵角θより算出した目標ヨーレートに対
しヨーレートセンサ44からのヨーレート検出値が大き
い場合には、車両がオーバーステアであると判断して旋
回内輪側のオリフィスの開度を減少させるように補正
し、目標ヨーレートに対しヨーレート検出値が小さい場
合には、車両がアンダーステアであると判断して旋回内
輪側のオリフィスの開度を増加させるように補正する。
なお、オーバーステア時とアンダーステア時とでは、オ
ーバーステア時のヨーレートの発生速度がアンダーステ
ア時に比べて遅いことから、ヨーレート偏差の絶対量が
異なるものになるので、オーバーステア時の旋回内輪側
のオリフィス開度補正値の方がアンダーステア時の旋回
内輪側のオリフィス開度補正値よりも大きくなるように
する必要がある。このため、補正ゲインを上記マップに
示すようにオーバーステア時とアンダーステア時とで異
なるものにしている。
【0017】次のステップ60では、横加速度値Ygが
所定値(例えば0.85G)を越えたか否かにより高横
加速度状態の判別を行い、高横加速度状態ではないと判
別された場合には制御をそのまま終了し、高横加速度状
態と判別された場合には次のステップ61で高横加速度
時の安定制御を行う。この安定制御では、横加速度値Y
gが上記所定値を越える領域において旋回内輪側のオリ
フィス開度を横加速度値に比例させて減少させる制御を
行うと限界付近の走行時に車両挙動が急変して安定性が
損なわれる惧れがあることを考慮して、横加速度の変化
に対し旋回内輪側のオリフィスの開度を二次元的減少さ
せる補正を行い、車両挙動の急変を防止して安定性を向
上させている。
所定値(例えば0.85G)を越えたか否かにより高横
加速度状態の判別を行い、高横加速度状態ではないと判
別された場合には制御をそのまま終了し、高横加速度状
態と判別された場合には次のステップ61で高横加速度
時の安定制御を行う。この安定制御では、横加速度値Y
gが上記所定値を越える領域において旋回内輪側のオリ
フィス開度を横加速度値に比例させて減少させる制御を
行うと限界付近の走行時に車両挙動が急変して安定性が
損なわれる惧れがあることを考慮して、横加速度の変化
に対し旋回内輪側のオリフィスの開度を二次元的減少さ
せる補正を行い、車両挙動の急変を防止して安定性を向
上させている。
【0018】次に、本実施例の作用を従来例と比較しな
がら説明する。上述した従来例においては、高横加速度
旋回時には輪荷重の移動により旋回外輪側のトルクが旋
回内輪側に比べて大きくなってヨーレートの発生を促進
するので、図4(a)に示すような高横加速度旋回時に
ドライバがカウンタステア操作を行うと、旋回方向の変
更により同図(b)に示すように旋回内輪側から旋回外
輪側に転じた車輪、すなわち非転舵側の車輪(図4では
左後輪)がロックされる結果、リバースステアが生じ易
くなり、車両のヨーレートと横加速度の作用方向が一致
して旋回外輪側に車両が張り出してしまい、安定した走
行特性を実現することができない。
がら説明する。上述した従来例においては、高横加速度
旋回時には輪荷重の移動により旋回外輪側のトルクが旋
回内輪側に比べて大きくなってヨーレートの発生を促進
するので、図4(a)に示すような高横加速度旋回時に
ドライバがカウンタステア操作を行うと、旋回方向の変
更により同図(b)に示すように旋回内輪側から旋回外
輪側に転じた車輪、すなわち非転舵側の車輪(図4では
左後輪)がロックされる結果、リバースステアが生じ易
くなり、車両のヨーレートと横加速度の作用方向が一致
して旋回外輪側に車両が張り出してしまい、安定した走
行特性を実現することができない。
【0019】一方、本実施例においては、図3のオリフ
ィス開度制御のステップ52の実行により、横加速度か
ら判別される旋回方向と操舵角から判別される旋回方向
とが相反する場合にカウンタステア状態であると判別す
るので、上記従来例のように車両が横滑り状態のとき等
の左右車輪回転数間に差が出ない場合に車両の旋回方向
を判別することができないためカウンタステアの判別が
できなくなる不具合は生じず、正確にカウンタステア状
態か否かを判別することができる。また、ステップ53
の実行により、非転舵側(この場合左側)のオリフィス
は無条件で閉鎖し、横加速度値Ygが所定値(例えば
0.3G)を越える高横加速度状態のときは転舵側(こ
の場合右側)のオリフィスを横加速度値Ygに応じて開
放して駆動トルクを減少させ、高横加速度状態ではない
ときは転舵側のオリフィスも閉鎖することにより左右駆
動輪を直結して差動作用がなされないようにするから、
高横加速度旋回時にカウンタステア操作を行った場合で
あっても車両挙動が急変することはなく、ドライバの意
志を反映した挙動を示す安定した走行特性が得られる。
ィス開度制御のステップ52の実行により、横加速度か
ら判別される旋回方向と操舵角から判別される旋回方向
とが相反する場合にカウンタステア状態であると判別す
るので、上記従来例のように車両が横滑り状態のとき等
の左右車輪回転数間に差が出ない場合に車両の旋回方向
を判別することができないためカウンタステアの判別が
できなくなる不具合は生じず、正確にカウンタステア状
態か否かを判別することができる。また、ステップ53
の実行により、非転舵側(この場合左側)のオリフィス
は無条件で閉鎖し、横加速度値Ygが所定値(例えば
0.3G)を越える高横加速度状態のときは転舵側(こ
の場合右側)のオリフィスを横加速度値Ygに応じて開
放して駆動トルクを減少させ、高横加速度状態ではない
ときは転舵側のオリフィスも閉鎖することにより左右駆
動輪を直結して差動作用がなされないようにするから、
高横加速度旋回時にカウンタステア操作を行った場合で
あっても車両挙動が急変することはなく、ドライバの意
志を反映した挙動を示す安定した走行特性が得られる。
【0020】なお、本発明は、上記実施例に限られるも
のではなく制御型オリフィスカップリングでなく、多板
クラッチ等を用いてもよい。
のではなく制御型オリフィスカップリングでなく、多板
クラッチ等を用いてもよい。
【0021】
【発明の効果】かくして本発明のトルク配分制御装置は
上述の如く、カウンタステア判別手段によりドライバの
ハンドル操作がカウンタステア状態と判別された場合
に、制御手段が、旋回方向に対して旋回内輪側の駆動力
が増加するよう駆動力分配手段を制御するから、車両の
ヨーレートと横加速度の作用方向が一致して旋回外側に
車両が張り出すようなリバースステアが生じにくくな
り、安定した走行特性を実現することができる。
上述の如く、カウンタステア判別手段によりドライバの
ハンドル操作がカウンタステア状態と判別された場合
に、制御手段が、旋回方向に対して旋回内輪側の駆動力
が増加するよう駆動力分配手段を制御するから、車両の
ヨーレートと横加速度の作用方向が一致して旋回外側に
車両が張り出すようなリバースステアが生じにくくな
り、安定した走行特性を実現することができる。
【図1】本発明の第1実施例のトルク配分制御装置を搭
載した後輪駆動車の構成を示す図である。
載した後輪駆動車の構成を示す図である。
【図2】第1実施例の後輪ディファレンシャル部の詳細
構造およびその制御回路を示す図である。
構造およびその制御回路を示す図である。
【図3】第1実施例においてコントロールユニットによ
り実行されるトルク配分制御の制御プログラムを示すフ
ローチャートである。
り実行されるトルク配分制御の制御プログラムを示すフ
ローチャートである。
【図4】従来例の作用を説明するための図である。
1 エンジン 2 変速機 3 プロペラシャフト 4 ドライブギア 5 リングギア 6L 左後輪(駆動輪) 6R 右後輪(駆動輪) 7L 第1の制御型オリフィスカップリング 7R 第2の制御型オリフィスカップリング 8L、8R ドライブシャフト 9L 左前輪(従動輪) 9R 右前輪(従動輪) 10 ステアリングホイール 16L、16R スプール 17L、17R オリフィス 30L、30R ステッピングモータ 40 コントロールユニット 41 操舵角センサ 42 車速センサ 43 横加速度センサ 44 ヨーレートセンサ 46 スロットルセンサ
Claims (1)
- 【請求項1】 入力軸から左右の出力軸に駆動力を分配
して伝達する駆動力分配手段を具え、該駆動力分配手段
を入力軸と共に回転する入力回転分材と、出力軸と共に
回転する出力部材と、これら入力回転部材及び出力回転
部材間を個々に結合可能な回転結合手段とで公正したト
ルク配分制御装置において、 旋回方向を検出する旋回方向検出手段と、 ドライバのハンドル操作がカウンタステア状態か否かを
判別するカウンタステア判別手段と、 カウンタステア状態であると判別されたときは旋回方向
検出手段の検出信号に基づき、旋回内輪側の駆動力を増
加させるよう前記駆動力分配手段を制御する制御手段と
を具えて成ることを特徴とする、トルク配分制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24805593A JPH07101262A (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | トルク配分制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24805593A JPH07101262A (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | トルク配分制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07101262A true JPH07101262A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17172534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24805593A Pending JPH07101262A (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | トルク配分制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07101262A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100905190B1 (ko) * | 2007-07-09 | 2009-06-29 | 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 | 차량의 선회 거동 제어 장치 |
KR100905189B1 (ko) * | 2007-07-09 | 2009-06-29 | 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 | 차량의 선회 거동 제어 장치 |
JP2010018251A (ja) * | 2008-07-14 | 2010-01-28 | Toyota Motor Corp | 車両運動制御システム |
-
1993
- 1993-10-04 JP JP24805593A patent/JPH07101262A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100905190B1 (ko) * | 2007-07-09 | 2009-06-29 | 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 | 차량의 선회 거동 제어 장치 |
KR100905189B1 (ko) * | 2007-07-09 | 2009-06-29 | 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 | 차량의 선회 거동 제어 장치 |
US7761215B2 (en) | 2007-07-09 | 2010-07-20 | Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha | Device operable to control turning of vehicle using driving and braking force for understeering and oversteering |
US8548706B2 (en) | 2007-07-09 | 2013-10-01 | Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha | Device operable to control turning of vehicle |
JP2010018251A (ja) * | 2008-07-14 | 2010-01-28 | Toyota Motor Corp | 車両運動制御システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2833199B2 (ja) | トルク配分制御装置 | |
US4681180A (en) | Power transmission system for rear wheels of a motor vehicle | |
JP2534730B2 (ja) | 4輪操舵・差動制限力総合制御装置 | |
US20020003057A1 (en) | Drive-force distribution controller | |
JPH01212619A (ja) | 前後輪駆動力配分制御車両の補助操舵方法 | |
JP2964622B2 (ja) | 四輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置 | |
EP1359044B1 (en) | A four-wheel drive vehicle | |
JPH07101262A (ja) | トルク配分制御装置 | |
US7657357B2 (en) | Vehicle motion control device | |
JP5454688B2 (ja) | 車両の左右輪駆動力配分制御装置 | |
JP2552327B2 (ja) | 差動制限装置付車両の4輪操舵制御装置 | |
JPH07101261A (ja) | トルク配分制御装置 | |
JP2005306273A (ja) | 車両駆動システム | |
JP2936640B2 (ja) | 補助舵角と輪荷重配分の総合制御装置 | |
JPH0234428A (ja) | 前後輪駆動力配分制御装置 | |
JPH061158A (ja) | 車両の左右輪トルク配分制御装置 | |
JP2690099B2 (ja) | 4輪駆動車の伝達トルク制御装置 | |
JP2631850B2 (ja) | 4輪操舵4輪駆動車 | |
JP2023020619A (ja) | 車両制御装置 | |
JPS62178437A (ja) | 車両の動力伝達装置 | |
JP2610449B2 (ja) | 4輪駆動自動車の後輪操舵制御方法 | |
JP2875277B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
JPH0628988B2 (ja) | 四輪駆動装置の制御方法 | |
JP3114406B2 (ja) | 車両用駆動力制御装置 | |
JPH05229364A (ja) | トルク配分制御装置 |