JPH0710122Y2 - 車輌用差動装置の差動制限機構 - Google Patents

車輌用差動装置の差動制限機構

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JPH0710122Y2
JPH0710122Y2 JP1989121307U JP12130789U JPH0710122Y2 JP H0710122 Y2 JPH0710122 Y2 JP H0710122Y2 JP 1989121307 U JP1989121307 U JP 1989121307U JP 12130789 U JP12130789 U JP 12130789U JP H0710122 Y2 JPH0710122 Y2 JP H0710122Y2
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cylinder
worm
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differential
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和彦 佐藤
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株式会社ゼクセル
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は車輌用差動装置の差動制限機構に関する。
[従来技術の説明] 車輌用差動装置として、例えば特開昭49−43323号公報
などに示されているように、回転駆動されるデフケース
と、このデフケース内に同軸状に配置され2つの出力軸
に夫々結合された回転可能な一対のウォームギアと、ウ
ォームホイールと当該ウォームホイールの両側に設けら
れた係合平歯車とからなるエレメントギアであって、係
合平歯車が互いに噛合し且つウォームホイールが前記ウ
ォームギアの夫々に噛合する一対を一組として前記デフ
ケースに回転可能に設けられた複数組のエレメントギア
とを有するものが知られている。
このような差動装置は、周知のように、通常の傘歯車差
動装置などと同様に両出力軸の回転差の補正を行なうこ
とに加えて、両出力軸へのトルク配分を行なう機能があ
り、速い回転の出力軸より遅い回転の出力軸の方により
大きな駆動トルクを分配する。すなわち、抵抗の小さい
方の出力軸より抵抗の大きい方の出力軸に、ウォームギ
アのリード角とウォームギアの駆動における摩擦状態と
によって定まる一定のトルクバイアス比に応じて、抵抗
の小さい方のトルクよりも大きいトルクを分配する。
[考案が解決しようとする課題] このような差動装置においては、片側車輪が脱輪などに
より完全に空転状態となり一方の出力軸にかかる抵抗が
零になった場合でも、他方の出力軸にトルクが分配され
るように両出力軸のトルクバイアス比を設定しておく
と、通常走行での差動機能に支障をきたすので、このよ
うな弊害を生じさせない比率に設定されている。そのた
め、一方の出力軸が完全に空転した場合に他方の出力軸
にトルクが伝達されず、空転状態からの車輌の自力脱出
が不可能になるという問題があった。
本考案は上記観点に基づいてなされたもので、その目的
は、一方の出力軸が完全に空転した場合でも他方の出力
軸にトルクを伝達することのできる車輌用差動装置の差
動制限機構を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案においては、回転駆動されるデフケースと、この
デフケース内に同軸状に配置され2つの出力軸に夫々結
合された回転可能な一対のウォームギアと、ウォームホ
イールと当該ウォームホイールの両側に設けられた係合
平歯車とからなるエレメントギアであって、係合平歯車
が互いに噛合し且つウォームホイールが前記ウォームギ
アの夫々に噛合する一対を一組として前記デフケースに
回転可能に設けられた複数組のエレメントギアとを有
し、前記2つの出力軸の回転差の補正とトルク配分とを
行なう車輌用差動装置において、前記一対のウォームギ
アを離間させ、それらの間に設けられる夫々単一のシリ
ンダおよびピストンであって、前記シリンダは、一方の
端面が前記ウォームギアの一方に当接するように、当該
一方のウォームギアに結合された出力軸に一体化されて
いると共に、他方の端面に油圧室を形成するための凹部
を有し、前記ピストンは、前記シリンダの凹部に摺動自
在に嵌挿される小径部と、この小径部よりも大で前記シ
リンダの他方の端面と接離する大径部とを有し、前記小
径部が前記シリンダの凹部に嵌挿され、前記大径部が前
記ウォームギアの他方に当接するように設けられ、前記
シリンダの油圧室に供給される油圧に応じて前記ピスト
ンを前記シリンダから突出させることにより、前記一対
のウォームギアの夫々の端面を前記デフケースの内面に
直接的に押しつける押圧力が作用するように構成した車
輌用差動装置の差動制限機構によって、上記目的を達成
する。
[作用] シリンダに供給された油圧に応じてピストンが突出する
ことで、ウォームギアの軸方向に押圧力が作用し、ウォ
ームギアとデフケースとの係合度合が強められ、ウォー
ムギアの摩擦力が増大してトルクバイアス比が大きくな
る。そのため、一方の出力軸が完全に空転した場合で
も、他方の出力軸にトルクが伝達される。シリンダから
油圧を抜けば、ウォームギアに対する押圧が解除され、
トルクバイアス比は予め設定された比率に戻る。
[考案の実施例] 第1図は本考案の一実施例を示す構成図、第2図は第1
図のA−A断面図である。
これらの図において、1はデフケース、2,3はウォーム
ギア、4,5,6,7はエレメントギア、8はシリンダ、9は
ピストンである。
デフケース1は、中心軸に対し120度の角度間隔で形成
された3つのエレメントギア取付用開口1aを有すると共
に、外周面にフランジ10を備えており、このフランジ10
にリングギア11が固定されている。デフケース1は、リ
ングギア11と図示しないドライブピニオンとの係合によ
って、回転駆動されるようになっている。
ウォームギア2,3は、デフケース1内に同軸状に配置さ
れて回転可能となっており、2つの出力軸12,13に夫々
スプライン結合されている。
エレメントギア4〜7は、ウォームホイール4a,5a,6a,7
aとウォームホイールの両側に夫々設けられた係合平歯
車4b,5b,6b,7bとからなり、一対のエレメントギアを一
組として、ウォームギア2,3の外周囲に120度の角度間隔
で三組配置され、デフケース1のエレメントギア取付用
開口1aにジャーナルピン14,15,16,17によって回転可能
に取付けられている。本例では、エレメントギア4と5
とが一対であり、エレメントギア6および7は図示しな
いエレメントギアと夫々一対になっている。エレメント
ギア4,5は、夫々の係合平歯車4bと5bとが互いに噛合
し、エレメントギア4のウォームホイール4aが一方のウ
ォームギア2に噛合し、エレメントギア5のウォームホ
イール5aが他方のウォームギア3に噛合している。他の
エレメントギアの対についても同様の構成となってい
る。
シリンダ8およびピストン9はウォームギア2と3との
間に設けられている。シリンダ8は、一方の出力軸12と
一体化されており、出力軸12よりも大径で、一方のウォ
ームギア2の端面に当接している。ピストン9は、他方
のウォームギア3の端面に当接しており、小径部9aと大
径部9bとを備え、小径部9aがシリンダ8に摺動自在に嵌
挿され、大径部9bがシリンダ8の端面に当接可能になっ
ている。ピストン9の小径部9aの端面とシリンダ8とに
よってシリンダ8の内部に油圧室18が形成されており、
油圧室18に供給された油圧に応じたピストン9の突出力
により、ウォームギア2,3の軸方向に押圧力が与えられ
るようになっている。シリンダ8の底面には油路19の一
端が開口している。油路19は一方の出力軸12内を軸方向
に延び、その他端がデフケース1の外部で出力軸12の外
周面に開口している。
20は油路19に油圧を供給するための油路部材で、環状溝
20aを備えたリング部20bと、リング部20bの環状溝20aに
連通するパイプ部20cとを有している。油路部材20は、
リング部20bの環状溝20aが油路19の開口と対向するよう
に、一方の出力軸12の外周囲に配置されている。油路部
材20は、出力軸12と共には回転しないように固定配置さ
れており、出力軸12の外周面との間の油密状態での摺動
により、油路19を通して油圧室18に油圧を供給するよう
になっている。
以上のごとき構成で、差動制限を必要としない通常走行
状態では、油圧室18に油圧は供給されない。そのため、
ウォームギア2,3に押圧力は作用せず、差動機能に支障
を来すことのない一定のトルクバイアス比で両出力軸1
2,13へのトルク配分が行なわれる。
一方、脱輪や極端なぬかるみ等により例えば出力軸13が
完全に空転状態となり、当該出力軸13にかかる抵抗が零
になった場合には、油路部材20および油路19を通して油
圧室18に油圧を供給する。これにより、ピストン9がシ
リンダ8から突出するため、ウォームギア2,3の軸方向
に押圧力が作用し、ウォームギア2,3とデフケース1と
の係合度合が強められ、ウォームギア2,3の駆動時にお
ける摩擦力が増大してトルクバイアス比が大きくなる。
そのため、出力軸13が完全に空転している場合でも、空
転していない方の出力軸12にトルクが伝達され、空転状
態からの自力脱出が可能となる。油圧室18に供給する油
圧を大きくすればするほど差動が制限されて所謂デフロ
ックに近づき、空転状態からの脱出が容易になる。差動
制限が不要となった場合には、油圧室18から油圧が抜か
れ、これによって、ウォームギア2,3への押圧力が解除
され、差動機能に支障を来すことのない一定のトルクバ
イアス比で両出力軸12,13へのトルク配分が行なわれ
る。
第3図は本考案の別の実施例を示す構成図、第4図は第
3図のB−B断面図で、その特徴は、環状溝30aおよび
孔30bと、第1油路部材31と、油路32および環状溝33
と、第2油路部材34とによって、油圧室18への油圧の給
排を行なうように構成したことにある。
環状溝30aは、シリンダ8の外周面に形成されており、
孔30bによって油圧室18と連通している。第1油路部材3
1は、環状溝31aを備えたリング部31bと、環状溝31aに連
通するパイプ部31cとを有している。第1油路部材31
は、リング部31bの環状溝31aがシリンダ8の環状溝30a
と対向するように、シリンダ8の外周囲に配置されてい
る。第1油路部材31は、シリンダ8と共には回転しない
ように、パイプ部31cがデフケース1に取り付けられて
おり、リング部31bとシリンダ8の外周面との間の油密
状態での摺動により、シリンダ8の環状溝30aおよび孔3
0bを通して油圧室18に油圧を供給するようになってい
る。油路32は、デフケース1に形成されており、一端が
第1油路部材31のパイプ部31cに連通し、他端がデフケ
ース1の外周面に形成された環状溝33に連通している。
第2油路部材34は、環状溝34aを備えたリング部34bと、
環状溝34aに連通するパイプ部34cとを有し、リング部34
bの環状溝34aがデフケース1の環状溝33と対向するよう
に、デフケース1の外周囲に配置されている。第2油路
部材34は、デフケース1と共には回転しないように固定
配置されており、リング部34bとデフケース1の外周面
との間の油密状態での摺動により、デフケース1の環状
溝33に油圧を供給するようになっている。なお、先の実
施例では油路19を形成するためにシリンダ8が出力軸12
に一体化されていたが、本例ではシリンダ8を出力12と
一体化する必要はない。その他の構成は先の実施例と同
様である。
以上のごとき構成によれば、シリンダ8に形成された環
状溝30aおよび孔30b,第1油路部材31,油路32,環状溝33,
第2油路部材34を通して油圧室18への油圧の給排が行わ
れ、先の実施例で述べたように、油圧室18への油圧の供
給でピストン9がシリンダ8から突出することにより、
ウォームギア2,3の軸方向に押圧力が作用する。
上記実施例ではシリンダおよびピストンを一対のウォー
ムギアの夫々に当接するように設けることとしたが、別
の実施例として、シリンダおよびピストンを夫々のウォ
ームギアに固定するように構成することも可能である。
また、上記実施例ではピストンの小径部がシリンダ内を
摺動し大径部がシリンダの端面と接離するようにした
が、別の実施例として、小径部がシリンダの凹部底面と
接離するようにし大径部がシリンダ内を摺動するように
構成すること、更に、この構成に加えて、ウォームギア
に当接する大径部の端面に径が異なる当接部を設けるよ
うに構成することも可能である。
[考案の効果] 以上説明したように本考案によれば、シリンダおよびピ
ストンをウォームギアの間に設け、シリンダに供給され
る油圧に応じてピストンをシリンダから突出させること
により、ウォームギアに軸方向の押圧力を与えるように
したので、押圧力によってトルクバイアス比を大きくす
ることができ、出力軸のひとつが完全に空転状態となっ
た場合でも他方の出力軸に駆動トルクを伝えることが可
能となり、空転状態からの自力脱出を行なうことができ
るなどの効果を奏する車輌用差動装置の差動制限機構を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す構成図、第2図は第1
図のA−A断面図、第3図は本考案の別の実施例を示す
構成図、第4図は第3図のB−B断面図である。 1……デフケース、2,3……ウォームギア 4,5,6,7……エレメントギア 4a,5a,6a,7a……ウォームホイール 4b,5b,6b,7b……係合平歯車 8……シリンダ、9……ピストン 19,32……油路、20……油路部材 30a,33……環状溝、30b……孔 31……第1油路部材、34……第2油路部材

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転駆動されるデフケースと、 このデフケース内に同軸状に配置され2つの出力軸に夫
    々結合された回転可能な一対のウォームギアと、 ウォームホイールと当該ウォームホイールの両側に設け
    られた係合平歯車とからなるエレメントギアであって、
    係合平歯車が互いに噛合し且つウォームホイールが前記
    ウォームギアの夫々に噛合する一対を一組として前記デ
    フケースに回転可能に設けられた複数組のエレメントギ
    アとを有し、 前記2つの出力軸の回転差の補正とトルク配分とを行な
    う車輌用差動装置において、 前記一対のウォームギアを離間させ、それらの間に設け
    られる夫々単一のシリンダおよびピストンであって、 前記シリンダは、一方の端面が前記ウォームギアの一方
    に当接するように、当該一方のウォームギアに結合され
    た出力軸に一体化されていると共に、他方の端面に油圧
    室を形成するための凹部を有し、 前記ピストンは、前記シリンダの凹部に摺動自在に嵌挿
    される小径部と、この小径部よりも大で前記シリンダの
    他方の端面と接離する大径部とを有し、前記小径部が前
    記シリンダの凹部に嵌挿され、前記大径部が前記ウォー
    ムギアの他方に当接するように設けられ、 前記シリンダの油圧室に供給される油圧に応じて前記ピ
    ストンを前記シリンダから突出させることにより、前記
    一対のウォームギアの夫々の端面を前記デフケースの内
    面に直接的に押しつける押圧力が作用するように構成し
    た車輌用差動装置の差動制限機構。
JP1989121307U 1989-10-17 1989-10-17 車輌用差動装置の差動制限機構 Expired - Lifetime JPH0710122Y2 (ja)

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JPH0360641U JPH0360641U (ja) 1991-06-14
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US3884096A (en) * 1972-07-18 1975-05-20 Vernon E Gleasman Floating journal pin in multiple gear differential
JPH0238119Y2 (ja) * 1985-01-28 1990-10-15

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