JPH07101072A - 液体貯蔵容器 - Google Patents

液体貯蔵容器

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JPH07101072A
JPH07101072A JP24564393A JP24564393A JPH07101072A JP H07101072 A JPH07101072 A JP H07101072A JP 24564393 A JP24564393 A JP 24564393A JP 24564393 A JP24564393 A JP 24564393A JP H07101072 A JPH07101072 A JP H07101072A
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JP
Japan
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ink
storage chamber
negative pressure
tank
pressure generating
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JP24564393A
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English (en)
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Sadayuki Sugama
定之 須釜
Masanori Takenouchi
雅典 竹ノ内
Toshihiko Ujita
敏彦 氏田
Masahiko Hikuma
昌彦 日隈
Keiichiro Tsukuda
圭一郎 佃
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクカートリッジの容積に対して、インク
収容能力と、インク供給性を向上して、安定したインク
記録を達成できるインクタンクを提供する。 【構成】 負圧発生部材を収容すると共に大気との連通
を得るための大気連通部を備え、インク供給方向に垂直
な断面が略正方形の第1収納室と、該大気連通部から離
れた位置に設けられた微小連通部のみを介して該第1収
納室に対して連通するが実質的に密閉状態で、第1収納
室へ供給するためのインクを直接収納するための第2収
納室と、を有し、該大気連通部から該第1収納室内の負
圧発生部材に大気を直接導入する大気導入部が第1収納
室の第2収納室側端部である。 【効果】 小容量のインクタンク構成であっても、イン
ク収容量を増加でき、同時に負圧発生部材の機能を十分
発揮せしめて、さらに、負圧発生部材中にのみ残ったイ
ンクの消費状態がその断面に沿った界面を形成しながら
インクの移動が達成できるので、結果的に、インク残量
を減少することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタや情報処理装
置(ワープロ,パソコン,ワークステーション等)や複
写機、ファクシミリ等の事務機器に適用可能なインク等
の液体供給用の容器に関し、又、この容器内の液体吸収
体に対して別室から効率よく液体を充填する方法を提供
し、特には、これらを用いた記録装置をも提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、インクジェットプリンタとし
て知られているような液体噴射記録装置やプロッター等
においては、インクを一時的又は、長期的に保有し、記
録部に対してインクを供給するインクタンクが用いられ
ている。近年では、インクタンクが記録ヘッドに対して
一体化されているものが主流製品となっている。
【0003】この一体化インクタンクは、記録ヘッドと
共に変換されるために比較的小さいものの記録ヘッドの
耐久を満足するようなインク収容量が収納できるものと
なっている。このため、記録ヘッド部がインクタンクの
30分の1〜50分の1の大きさとなるものが多い。
【0004】この種のインクタンク内にスポンジで代表
される連続多孔質体を圧縮して収納する構成をもつもの
が多いが、この多孔質体中に供給できずに残存するイン
クが多いために、これを改善する各種の発明が提案され
ている。例えば記録ヘッド側からこの多孔質体内に圧入
する進入量を考慮した発明やインクタンク内壁に沿って
外気を案内するためのリブ構造を規定した発明が知られ
ている。
【0005】液体記録装置が実用化され、市場のニーズ
に応じて各種の対応に対して上記発明は効果的なもので
あったが、極めてコンパクトなプリンターユニットを構
成してみると、従来では認識していず不安定要因とされ
ていた各部の構成の相互関係が意外にも技術的な意味を
もつようになっていることが、本発明者達によって解明
されることになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の課題
は、上記従来技術に鑑み上記インクジェット用インクカ
ートリッジとして新規な上記第1収納室と第2収納室を
もつカートリッジ構成を利用することで、小型タンクの
インク収容量を増加し、インクカートリッジに残存する
インクを実質的に無にでき、負圧発生部材中のインク残
量も限りなく減少できるインクジェット用カートリッジ
を提供することにある。
【0007】本発明は、従来では個別に考えられてい
た、供給管の多孔質体内への圧接状態と液体貯蔵容器内
への多孔質体の圧縮状態との関係を関連したものとした
観点からなされ、これが多孔質体内に収納された液体を
均一な液体移動状態を左右できるものとなることを解明
し、結果的に供給管端部の多孔質体への密着状態をより
安定化し、供給不良を防止することができる発明を提供
することを第2の課題とする。
【0008】又、本発明の第3の課題は、第2の課題と
は別の観点から要因をさらに見い出し、臨界的なファク
ターとして好ましい条件をもった液体貯蔵容器を提供す
ることにある。
【0009】さらに、特徴のある液体貯蔵容器に対し
て、その利点を利用し吸収体としての多孔質体内に液体
を充填するに当たって効率の良いしかも安全性に優れた
液体補充方法を提供するものである。
【0010】本発明のさらに好ましい構成は、以下の説
明より理解できる課題を夫々個々に或は組合せ構成によ
る相互作用により、より効果的な発明を提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、負圧発生部材
を収容すると共に大気との連通を得るための大気連通部
を備え、インク供給方向に垂直な断面が略正方形の第1
収納室と、該大気連通部から離れた位置に設けられた微
小連通部のみを介して該第1収納室に対して連通するが
実質的に密閉状態で、第1収納室へ供給するためのイン
クを直接収納するための第2収納室と、を有し、該大気
連通部から該第1収納室内の負圧発生部材に大気を直接
導入する大気導入部が第1収納室の第2収納室側端部で
あることを特徴とする液体貯蔵容器である。ここで言
う、略正方形とは、一辺が40mm以下で、数学上は長
方形であるような、長辺と短辺の差が10mm以下のも
のを含むものである。機能的に言えば、負圧発生部材中
にのみ残ったインクの消費状態がその断面に沿った界面
を形成しながらインクの移動が見られるものを言う。
【0012】上記本発明の実施上の最適構成である図1
に使用されるインクタンクとしての第1収納室、第2収
納室構造の技術的な意味は、負圧発生部材中のインク消
費が実質的に進行するまでに、第2収納室内のインクが
常時供給されて、負圧発生部材中のインク保持状態を安
定し、実質的なインク袋からのインク供給のようにイン
ク供給がなされ、第2収納室内のインクが消費されて初
めて、その断面に沿った界面を形成しながらインクの移
動負圧発生部材中のインクの消費が行われることにな
る。従って、本発明によれば、小容量のインクタンク構
成であっても、インク収容量を増加でき、同時に負圧発
生部材の機能を十分発揮せしめて、結果的に、インク残
量を減少することができる。
【0013】ここで、本発明にとって、好ましい変形例
と、前記構成のインクタンクにも共通する作用説明を含
めて以下説明する。
【0014】上記前提構成における微小連通部の仕切り
壁までの高さは、負圧発生部材の平均孔径(好ましくは
微小連通部近傍の平均孔径)より大きく(実用上は0.
1mm以上)、5mm以下が適している。より安定化を
期待するのであれば、3mm以下が好ましい。又、負圧
発生部材の収納室の容積とインクのみの収容室の容積の
比は、1:1以上1:3以下の範囲内が実用上の最適範
囲として挙げることができる。
【0015】本発明の第1の好ましい条件は、圧縮収納
された連続多孔質体の液体供給側(長さ方向の中心より
も液体供給側)で、液体の移動状態を左右するファクタ
ーが供給側の端部フィルタ圧接がなされる当接部の中心
に対して全体周辺がどのような構造体になっているか
が、以外にも重要視するべきものであることに着目して
なされたもので、請求項6でいう特徴の当接部の中心部
を通って、当接部の液体供給方向に沿った対称面が複数
個あることを特徴とする液体貯蔵容器である。この対称
面は、正三角柱の容器で中心部に当接域をもっていれば
3個の対称面となり、円柱容器では無限個となる。この
対称面は、上記当接部に向かっての全体から集中してく
る液体の分布を当接域に対して均等分布化する要素とし
て機能し、従来は全く考慮されていない構成である。こ
の発明によれば、液体の供給に伴って発生する多孔質体
内部の気体の分布が一部に集中することがなくなり、全
体のバランスを良好に保つことができる。特に第1発明
は、正三角柱もしくは一辺が20mm以下の多角面の端部
域の断面とする容器にはその効果が向上されるので特に
最適であり、以下の発明も同様であった。
【0016】本発明の第2の好ましい条件は、容器の内
壁と圧縮多孔質体との接触部分の不安定要因があって端
部フィルタの圧縮部となる多孔質体領域が全体に対して
支配的な状態となり、安定供給を実行できるもので、そ
のため請求項7でいう、最短距離が端部フィルタの圧接
部(当接部)の直径の半分以下という条件で達成される
という発明である。特に、当接部の周囲から内壁までの
最長距離が、この直径半分の値の近傍(直径の半分×
1.3以内)であると、その効果は極めて安定したもの
であった。
【0017】本発明の第3の好ましい条件は、第1,2
条件をより具体化したパラメータとして見ることができ
る当接部面積と、そこにおける多孔質体全体の断面積と
の比率関係である。この請求項8でいう3.0倍以上
6.5倍以下の範囲内によって不要気体の移動を許容し
つつ、必要液体の当接部側への集中移動状態を確保でき
る。特にこの数値が、4.0倍以上6.0倍以下の範囲
内になると、多少の断面部での周囲の形状バラツキがあ
っても、これを吸収して、より安全性の高い液体供給を
達成できた。
【0018】本発明の第4の好ましい条件は、圧縮多孔
質体の全長方向に関して液体移動条件と圧縮多孔質体周
囲から端部フィルタ圧接部までに至る液体移動条件との
関係に着目したもので、これらの相関関係が実質的な圧
縮状態に帰着するという解明に基づいた条件である。即
ち、請求項9,10の夫々の特徴事項が技術的意味をも
つ。請求項4でいうこの長手方向の圧縮比が周囲の圧縮
比より小さいことで、多孔質体内部のフィルタ圧接部と
は反対側の液体が圧接部側へ容易に移動でき、周囲から
の移動液体と相剰作用を起こし、圧接部近傍への液体供
給を集中化できる。これによって、吸引回復のような急
激な液体排出を行っても十分追従可能な液体移動を保て
る。特に請求項10でいう各面での圧縮比の平均がほぼ
全面で同等(±5%以内、好ましくは±2%以内)であ
れば、周囲全体に関しての液体集中状態を長期的に確保
できるのでより好ましいものである。これらの圧縮比関
係が差分として0.05以上0.25以下、より好まし
くは0.09以上0.18以下である範囲内にあると、
立方体よりも長い長方体内の液体を効率よく、他の振動
や手振動等の外因によって液体が分布異常を起こしても
即時的な定常状態に復帰することができてより好まし
い。
【0019】本発明のさらなる特徴や、本発明に具体的
に応用することで、好ましい部分構成は以下の説明で理
解できよう。
【0020】本発明でいう端部フィルタの境界部や面積
の計算は、フィルタの実質的な液体流通範囲として有効
値を用いることはいうまでもない。
【0021】
【実施例】本発明夫々の構成をすべて適用した不図示の
大気連通口を介して大気圧したで供給を行う容器の最適
実施例を図1を用いて説明するが、本発明でいう「端部
フィルタ」の多孔質体に対する圧接部、当接部は、常時
得られている本実施例以外に、記録ヘッドの装着によっ
て形成される場合も含むものである。
【0022】図1(B)は、端部フィルタFが連続多孔
質体SPに圧接している当接部における周囲状況を説明
する図、図1(A)は、図1(B)の当接部中心であり
端部フィルタFの中心でも或る中心部Oを通り、容器内
の液体供給方向に関しての1つの対称面におけるX方向
断面図を示しており、この中心部0を通り、容器内の液
体供給方向に関して別の対称面におけるY方向断面図も
多孔質体に関しては同等である。図1でRは多孔質体S
Pの長手方向の長さよりもフィルタF側に長く形成され
たリブで、左右面のみに夫々の3本づつ設けられてい
る。図1で示す液体貯蔵容器は、上記中心部0を通り、
多孔質体SPの長手方向に関する断面において、対称面
を2個(即ち、複数個)備えた構成である。フィルタF
は本例多孔質体に圧接した状態で、容器内に固定されて
いる。この構成は、容器内の多孔質体に外圧変動を加え
ることがないので液体供給体制が極めて安定している。
【0023】図1の構造は、負圧発生部材を収容すると
共に大気との連通を得るための大気連通部を備え、イン
ク供給方向に垂直な断面が略正方形の第1収納室と、該
大気連通部から離れた位置に設けられた微小連通部のみ
を介して該第1収納室に対して連通するが実質的に密閉
状態で、第1収納室へ供給するためのインクを直接収納
するための第2収納室と、を有し、該大気連通部から該
第1収納室内の負圧発生部材に大気を直接導入する大気
導入部5が第1収納室の第2収納室側端部である特徴の
インクタンクを示している。
【0024】大気導入部5は、負圧発生部材SPを圧縮
しており、本例では、負圧発生部材SP端面のほぼ中央
部に位置している。この位置は、気体とインク収容部2
内のインクとの交換を容易にし、インク収容部2内のイ
ンク消費後、負圧発生部材SPの保持しているインクが
図の横方向であるインクの移動方向に垂直な断面に沿っ
て、インク界面が移動することを助けるためである。大
気導入部5の負圧発生部材SP端面における位置は、い
ずれでも良いが、中央域にすることが良い。大気導入部
5を形成する大気導入機構は、単なる開口でも良いが、
本実施例では、大気導入部5よりも下方に空間を形成し
ており、環境変化に対して、大気導入部5から大気連通
口4側へインクが漏れた際に、一時的にそのインクを収
納し、実質的なタンクからの漏れを防止するようにして
いる。
【0025】ここで、図1の変形例について、図14を
用いて変形部分について説明する。図14例は、インク
供給管6が装填される領域には、上記負圧発生部材を圧
縮した状態でインクをヘッド側へ案内する方向性インク
案内部材が収容されており、該方向性インク案内部材
は、インク供給管の装填によってインク供給管端部のフ
ィルターに密着するものである。この方向性インク案内
部材は、繊維を束ねたようなもので構成され、実質的
に、吸収体のような負圧発生部材の占有率を下げること
ができ、負圧発生部材に残存するインク量を減少でき、
インクジェットヘッドが要求するインク供給量を与える
のに必要な流体抵抗を下げる効果もある。
【0026】図15で、走査型のキャリッジCRに保持
されたインクジェットヘッドHBに対して装着されるタ
ンク1は、後述する図1のカートリッジ201のシール
テープ等の密閉部材を除いたものである。キャリッジ上
に装着されたタンク201はヘッドのインク供給管がタ
ンク開口部を通って、負圧発生部材SPの圧縮可能領域
9を圧縮変形させる。本例では、負圧発生部材SPを微
小連通部3側へ変形させる。この時、タンクの着脱検知
手段(機械的又は電気的な公知の検知手段によって代用
されるので不図示とした)によって装着信号LPがプリ
ンタ制御手段CCに入力される。これに応じて、記録開
始前にヘッド回復手段HRが作動してタンク201内の
インクを排出して、タンク内インクの圧力分布状態を改
善する。
【0027】インクジェット記録装置が稼動すると、イ
ンクジェット記録ヘッドのオリフィス8からインクが吐
出され、インクタンクにインク吸引力が発生する。イン
クはこの吸引力によりインク収容部2から隙間部3を通
り負圧発生部材収容部1へ、そして負圧発生部材SPを
通ってジョイント部材6内に引き込まれインクジェット
記録ヘッドへ供給される。これにより隙間部3以外は密
閉しているインク収容部2の内部の圧力が低下し、イン
ク収容部2と負圧発生部材収容部1との間に圧力差を生
ずる。この際、その圧力差は、負圧発生部材収容部1の
大気連通孔4より大気に開放されているため、大気導入
機構の負圧発生部材SPとの圧接部である気体供給部5
より空気が負圧発生部材SPを通って大気導入機構とイ
ンクカートリッジ底部との隙間部3からインク収容部2
に入る。この時点で、インク収容部2と負圧発生部材収
容部1との間の圧力差が解消される。インクジェット記
録中はこの動作が繰り返され、ある一定の負圧がインク
カートリッジ内に得られる。また、インク収容部2内の
インクは、インク収容部2内の壁面に付着するインク以
外は、ほぼ全て使用できるためインク使用効率が向上す
る。非記録時は、負圧発生部材1自身の毛細管力(ある
いはインク−負圧発生部材界面でのメニスカス力)など
が発揮され、インクジェット記録ヘッドからインクが漏
れることを抑制する。
【0028】ここで、対称面夫々における対称より好ま
しい条件について説明する。上記当接域は、円形でかつ
容器の中心部にその円の中心を一致させるように形成さ
れている。そのため、各対称面である図1それぞれで
は、当接部の周境界から、対向する壁部夫々に対して最
短距離が上,下、夫々が同一で、これらをそれぞれX,
Yとすると、図1の寸法でX=4.2mm,Y=2.9mm
であり、実質的な距離が、フィルタの有効直径8mmの半
分である4mmに対して、Xが5%増加しているものの本
願でいう実質的な直径の半分以下(直径の半分×1.3
以下)になっており、本願でいうフィルタFの圧接部の
支配的な状況下になっている。
【0029】本例の吸収体である多孔質体は、単位をmm
として図1(A)に示す寸法で、幅28×高さ30の直
方形断面が、当接部を含む断面域に存在することで幅
(13.8〜15.8)×高さ16.4に周囲全体から
圧縮されている。
【0030】従って、圧縮比は、本例で幅13.5〜1
5.8/28,高さ16.4/30,長さ23/35に
なっている。これらは、本願の圧縮の割合の条件に照ら
すと、長さ方向の圧縮比が幅・高さの夫々の圧縮比より
も小さく、又、幅・高さの夫々の圧縮比がほぼ同等であ
り、又、本願でいう圧縮比の長さ方向と周囲とでの差が
0.09以上0.18以下の範囲に入っており、又、
幅,高さ方向夫々も同等の圧縮状態と見なせる範囲であ
る。従って、この容器を用いることで、従来には内画期
的な効果が得られた。
【0031】ここで本発明の好ましい装置構成を説明す
るが、タンク形状も部分的に改良してある。図2乃至図
13は、本発明の液体貯蔵容器の特定のキャリッジに対
する装着操作にとって有効な部分構成の説明図である。
図において、200は電気信号によりインクを吐出させ
る記録ヘッド、201はインクを収納しておき記録ヘッ
ド200に供給するインクタンク、203は記録ヘッド
200およびインクタンク201を保持・走査する記録
装置本体に設けられたキャリア、204は記録ヘッドの
保持・解除を行うヘッドレバー、205はインクタンク
201の着脱を行うインクタンクレバー、207はキャ
リア203に記録ヘッド200を固定しておくためのヘ
ッドホルダバネ、208はインクタンク201を保持し
ているタンクケース、でありこれらの各部によって記録
装置のヘッドカートリッジ部およびキャリア部が構成さ
れる。
【0032】図2は本発明の実施例に関する記録装置の
記録ヘッド200およびインクタンク201を示した模
式的斜視図である。同図において、220はインクタン
ク201から記録ヘッドにインクを供給する通路となる
インク被供給孔、221はインクタンク201から記録
ヘッド200にインクを供給するインク供給孔、222
は記録ヘッド200とインクタンク201を一体化する
場合に両者をガイドして保持するための結合爪、223
は結合爪222と係合する結合爪ガイド溝、232は記
録ヘッド200をキャリアから取り出す際に、取り出し
操作を容易にするためのヘッドタブであり、これらの各
部によってヘッドカートリッジ202が構成される。
【0033】記録ヘッド200は、インクを吐出するた
めに利用される熱エネルギを発生する複数の電気熱変換
素子およびこれを駆動するための駆動回路が形成された
基板と、この基板上に上記複数の電気熱変換素子の各々
に対応した吐出口および液路、さらには各液路に連通す
る共通液室を構成するための天板が積層されており、さ
らには前記駆動回路に記録装置本体から信号を与える為
の電気的接点が設けられている。さらに、ヘッドの状態
を記録装置本体から検知するためのセンサを記録ヘッド
200内に配することもでき、具体的には、前記電気熱
変換素子近傍の温度を検知する為の温度検知センサ、イ
ンクの供給がなくなり前述の共通液室内からインクがな
くなった場合にこれを検知するインク残量検知センサ、
あるいは、ヘッドカートリッジ内のインクの種類やヘッ
ドの種類が違う物を交換しながら使用する場合にヘッド
カートリッジの種類を特定するヘッド種類判別センサ、
等である。これらのセンサからの信号を記録装置本体で
判断し、前期電気熱変換素子に印加する信号を制御して
印字状態を最適にすることが出来る。
【0034】そして、このようにして構成された記録ヘ
ッドの吐出口を配列した吐出口面が記録媒体に対向する
ように記録装置に搭載される。
【0035】インクタンク201は、インクを保持しな
がら記録により消費されたインクを補うために適宜記録
ヘッド200にインクを供給するためのタンクであり、
インクタンク201単体で存在するときにはインク供給
孔221からインクがもれないように図示せざる封止手
段によって封止されている。この封止手段は記録ヘッド
200と一体化された時点で自動的あるいは手動で開放
され、インク流路が形成される。封止手段は、たとえば
金属球をゴム栓にバネで押圧しておく機構で実現するこ
とが出来る。
【0036】また、インクの消費により減少するインク
体積に応じて外部から大気を導入するような機構を備え
ていてもよい。さらには、記録ヘッドに供給するインク
の圧力をわずかに負圧に保つ機構を内部に持つことで、
印字品位を向上させインク漏れを防止することも出来
る。
【0037】本実施例に於いては、インクタンク201
内部に図示せざる可撓性の袋を持っており、その中にイ
ンクが収められ、インク供給孔221につながるように
構成されている。インクタンク201内の残りの空間は
空気で満たされているが、空気圧は記録動作状態に於い
て図示せざる圧力調節弁により調節されており、さらに
具体的には、所定範囲の負圧状態が発生・保持されるよ
うになっている。
【0038】あるいはさらに簡単な機構で上記の圧力調
節機構を実現するために、インクタンク201内部にス
ポンジ状のインク吸収体を入れておき、インク吸収体に
インクを保持させておくこともできる。この場合はイン
ク吸収体自身の毛細管現象によってインクを保持しよう
とする力が働くため、そこからインクを取りだそうとす
ると自動的に負圧状態を発生・保持することができる。
またこの場合には、使用したインクの体積分だけインク
タンク201外から取り込むための大気連通口をインク
タンク201に設けてある。
【0039】記録ヘッド200とインクタンク201は
一体化したヘッドカートリッジ202の状態で記録動作
中の記録装置上で使用されるが、次に両者を一体化する
方法を説明する。
【0040】基本的に記録ヘッド200とインクタンク
201はインク被供給孔220とインク供給孔221を
結合することによって一体化されるため、この部分はイ
ンクの漏れ、あるいはインク流路への気体の侵入を防止
する形になっている。本実施例においては図21に示さ
れるように、剛体のパイプと弾性体の栓を利用する方式
を採っている。すなわち、インク被供給孔220はモー
ルド部材で筒状に成形されており、これに対向するイン
ク供給孔221はゴム材により成型された円筒穴の開い
た部材である。インク被供給孔220の外径はインク供
給孔221の内径よりもわずかに大きく作られている。
そこでインク被供給孔220をインク供給孔221に圧
入すると、インク供給孔221は半径方向にわずかに変
形しながらインク被供給孔220に密着して一体化され
る。
【0041】なお、結合部は剛体と弾性体の組合わせに
は限定されず、シール機能を持ったものであれば良いの
で、例えば、モールドのパイプとモールドの穴の組合わ
せでモールドの微少変形による弾性を利用してシールし
てもよいし、あるいは穴の開いていないゴム製のシール
部材と注射針状のパイプで構成してもよい。
【0042】記録ヘッド200とインクタンク201の
一体化においては、上述のインク被供給孔220とイン
ク供給孔221の結合だけでもよいのであるが、ヘッド
カートリッジ202の取扱時において予期せざる外力が
加わった場合に簡単に外れないようにするため、あるい
は一体化する場合に容易に一体化できるガイドとなるよ
うに、本実施例においては結合爪222と結合爪ガイド
溝223によって結合をより強固なものとしている。す
なわち、インク被供給孔220と一体にモールドで成形
され、弾性的に変形することが出来る結合爪222は、
先端に突起が設けられており、この突起の高さの分だけ
弾性的に変形しながら結合爪ガイド溝223に係合して
いき、結合爪ガイド溝223の奥に設けられた溝が深く
なった部分に結合爪222の突起が到達した時点で係合
が完了するものである。
【0043】さらに結合爪222は記録ヘッド200と
インクタンク201の結合時にインク被供給孔220と
インク供給孔221が容易に位置合せされるように、ガ
イドとしての役割も持っている。すなわち結合爪222
はインク被供給孔220よりも長くなっており、インク
被供給孔220がインク供給孔221に接する前に結合
爪222がインクタンク201に接触するようになって
いる。ここで結合爪222の先端は斜めに切り取られて
おり、斜めの部分が結合爪ガイド溝に図18矢印a方向
のガイドとなって容易に係合されうる。また、結合爪2
22の先端に設けられた突起も斜めに切り取られており
図2矢印b方向のガイドとなって容易な係合を助けてい
る。
【0044】なお、本実施例においては結合爪を記録ヘ
ッド側に設けたが、これには拘束されず、インクタンク
201側、あるいは記録ヘッド200とインクタンク2
01の両方に設けることも出来る。
【0045】次に、記録ヘッド200をキャリア203
に機械的、電気的に接続する方法を説明する。
【0046】図3にキャリア203への記録ヘッド20
0の接続部分を示す断面図を、図4に取り付け順序を示
した模式的斜視図を示す。
【0047】同図において225はキャリア203に固
定され記録ヘッド200に設けられた穴に係合して図4
矢印a、矢印b方向の位置決めをする位置決めピン、2
26はキャリア203に固定され、図3a方向に押し付
けられる記録ヘッド200を受け止めるストッパ、21
1は記録装置本体と記録ヘッド200とを電気的に接続
するためのフレキシブルケーブル、211aはフレキシ
ブルケーブル211に設けられた位置決め穴a、211
bはフレキシブルケーブル211に設けられた位置決め
穴b、212はフレキシブルケーブル211とキャリア
203の間に挟まれフレキシブルケーブル211を弾性
的に支持するフレキシブルケーブルパッド、212aは
フレキシブルケーブルパッド212に設けられた位置決
め穴a、212bはフレキシブルケーブルパッド212
に設けられた位置決め穴b、212cはコンタクト部へ
のインクの侵入を防ぐインクバリア、227は記録ヘッ
ド200に設けられ記録ヘッド200内のヒーター部と
電気的に接続されたヘッドコンタクト部、227aはヘ
ッドコンタクト部227に設けられた位置決め穴a、2
27bはヘッドコンタクト部227に設けられた位置決
め穴b、227cはストッパ226の端面が当たるスト
ッパ当接場所、である。
【0048】記録ヘッド200はヘッドホルダバネ20
7から図示せざるレバーを介してa方向に押し付けられ
ており、その位置は記録ヘッド200に設けられた穴と
位置決めピン225との係合、およびストッパ226と
の干渉により一意に決まる。このようにして記録ヘッド
200とキャリア203は機械的に接続される。
【0049】また、記録ヘッド200に設けられたヘッ
ドコンタクト部227とフレキシブルケーブル211の
端面には相対する位置に複数の電気的な接点が設けられ
ており、これらを所定の圧力をもって押圧することによ
り記録装置本体と記録ヘッド200が電気的に接続され
る。この際に複数の電気的接点を一度に圧接する必要が
あるので、これらを均一に圧接するために弾性材料で出
来たフレキシブルケーブルパッド212を押圧部に入れ
ている。フレキシブルケーブルパッド212の材質は例
えばシリコンゴムなどを用いており、前述の電気的接点
に対応した位置に複数の突起を持って、押圧の応力が接
点に集中するように構成している。さらに、フレキシブ
ルケーブル211に設けられた前述の電気的接点は、押
圧された際の応力をさらに集中させて接続を確実なもの
にするために突起状に構成してもよい。
【0050】また、押圧された時に発生する反力は記録
ヘッド200を押さえつけているヘッドホルダバネ20
7の力よりはるかに小さくなるように構成されている
為、フレキシブルケーブルパッド212からの反力によ
り記録ヘッド200の位置がずれてしまうことはない。
【0051】また、キャリア203、フレキシブルケー
ブルパッド212、フレキシブルケーブル211、ヘッ
ドコンタクト部227およびヘッドカートリッジ203
は確実な電気的接続や良好な記録品位を得るために互い
に正確に位置決めされている必要があるが、その為に以
下のように構成している。
【0052】すなわち、キャリア203の2本の位置決
めピン225を基準として、片方の位置決めピン225
が位置決め穴a212a、位置決め穴a211aおよび
位置決め穴a227aに共通に嵌合し、またもう一方の
位置決めピン225が位置決め穴b212b、位置決め
穴b211bおよび位置決め穴b227bに共通に嵌合
して図4a方向および図4b方向の位置を決定してい
る。
【0053】さらにストッパ226の端面がヘッドコン
タクト部227のストッパ当接場所227cに当接する
まで図3a方向から押圧してやることにより、記録ヘッ
ド200の図4c方向の位置も正確に決定することが出
来る。
【0054】さらには、電気的な接触面すなわちフレキ
シブルケーブル211とヘッドコンタクト部227の間
に、なんらかの原因でインクが侵入すると電気的に短絡
してしまう可能性があるので、これを防止する必要があ
る。そのために本実施例ではフレキシブルケーブルパッ
ド212の一部を突起状にしてインクバリア212cと
し、記録ヘッド200の端面に押圧するようにしてヘッ
ド200の吐出口から出たインクの侵入を防止してい
る。
【0055】なお、本実施例においては電気的あるいは
機械的な結合部を記録ヘッド側に設けたが、これには拘
束されず、インクタンク201側、あるいは記録ヘッド
200側とインクタンク201側の両方に設けるように
するか、また、どちらかに電気的結合部と機械的結合部
を分けて設けるようにしてもよい。
【0056】次に記録ヘッド200およびインクタンク
201の取扱方法、すなわちインクが無くなったインク
タンク201を新しいインクタンク201に交換する場
合や、何らかの原因によって使用不能となった記録ヘッ
ド200を交換する場合の方法について説明する。
【0057】第1の形態として、記録ヘッド200とキ
ャリア203の固定を解除して、キャリア203から記
録ヘッド200とインクタンク201を一体化したまま
の状態で取り出し、キャリア203から外れた状態(以
下、オフキャリア状態と呼ぶ)で記録ヘッド200とイ
ンクタンク201を分離したり一体化したりする方法が
ある。
【0058】図5にキャリア203から記録ヘッド20
0とインクタンク201を一体としたままで取り出す場
合の模式的斜視図を示す。この場合、ヘッドレバー20
4を図5a方向に回転させこのような位置まで引き起こ
すことにより、ヘッドレバー204に設けられたカム
が、記録ヘッド200を押圧していたレバーに設けられ
た軸を移動させることによってヘッドホルダバネ207
による記録ヘッド200への押圧力を解除している。
【0059】この際にキャリア203内のタンクケース
208が、その突起をインクタンク201の記録ヘッド
200側端面に係合したまま移動するので、記録ヘッド
200とインクタンク201は一体化したままで図5b
方向に移動する。これにより位置決めピン225と記録
ヘッド200の穴との係合も外れるので、記録ヘッド2
00とインクタンク201は一体のまま図5c方向に移
動させることができ、キャリアから取り出せ、オフキャ
リア状態とすることが出来る。この際に、記録ヘッド2
00に取り付けられたヘッドタブ232をつまみ、持上
げることによってヘッドカートリッジ202全体を容易
に取り出すことができる。なお、このヘッドタブ232
は可撓性の材料(例えばポリエステル)でできており、
フレキシブルケーブル211と接する面は、少なくとも
電気的に絶縁性の部材で構成されている。そして、記録
時には、ヘッドタブ232がヘッドレバー205とフレ
キシブルケーブル211との間に介在して、フレキシブ
ルケーブル211の保護と外部からの電気的絶縁とを行
っている。オフキャリア状態にした後は、記録ヘッド2
00とインクタンク201を一体化した際の結合方向と
は反対方向に力を加えることにより両者を分離すること
が出来る。そして、交換したい方を新しいものとし、前
述の一体化の方法により両者を一体化して逆の手順でキ
ャリア203に収納することにより交換作業が終了す
る。
【0060】なお、本実施例においてはヘッドレバー2
04を用いて記録ヘッド200の押圧力を解除している
が、これには拘束されず、記録ヘッド200を押圧する
レバーを直接移動するように構成してもよい。また、記
録ヘッドの固定方法にヘッドホルダバネ207を用いて
押圧しているがこれには拘束されず、バネ性を持ったラ
ッチフックなどを用いて固定するように構成してもよ
い。
【0061】第1の形態を採った場合、以下のような効
果がある。
【0062】すなわち、記録ヘッドあるいはインクタン
クのどちらか一方に交換が必要となった場合、交換が必
要な方だけ交換すればよいので、経済性が向上する。
【0063】第2の形態として、記録ヘッド200とキ
ャリア203の固定をしたままで、記録ヘッド200と
インクタンク201の分離をキャリア上で行い(以下、
オンキャリア状態)、インクタンク201のみを取り外
す方法がある。
【0064】図6にキャリア203上で記録ヘッド20
0からインクタンク201を分離した状態の模式的斜視
図を示す。この場合、タンクレバー205を図6a方向
に回転させこのような位置まで引き起こすことにより、
タンクレバー205に設けられた図示せざるカムによっ
てタンクケース208が図6b方向に移動する。タンク
ケース208に設けられた突起がインクタンク201の
記録ヘッド200側端面に係合してインクタンク201
を図6b方向に移動させる。この時、記録ヘッド200
の固定は、インクタンク201と共に移動することはな
いので、記録ヘッド200とインクタンク201の係合
部がはずれ、分離することが出来る。さらにインクタン
ク201を図6c方向に移動させることによりキャリア
203から外すことが出来る。
【0065】また、インクタンク201の装着において
は、逆の手順によってタンクケース208の中にインク
タンク201を挿入し、タンクレバー205を操作す
る。これによって、タンクケース208がインクタンク
201の端部を押圧するので、その圧力により記録ヘッ
ド200とインクタンク201を結合することができ
る。
【0066】なお、このとき本実施例のように記録ヘッ
ド200をヘッドホルダバネ207によって弾性的に押
圧している場合には分離の際の力のかかりかたによって
ヘッドの固定が外れてしまう可能性があるので以下のよ
うに構成するとよい。図7に力のかかり方を示す模式的
平面図を示す。同図において記録ヘッド200はヘッド
ホルダバネ207によってf1の力でキャリア203に
押圧されている。また、記録ヘッド200とインクタン
ク201を分離するため、結合爪222と結合爪ガイド
溝223の係合およびインク被供給孔220とインク供
給孔221の係合を外すのにf2の力が必要であるとす
る。この時、力の大きさをf1>f2としておくこと
で、分離作業中に記録ヘッド200の固定が外れてしま
うことを防止することが出来る。
【0067】なお、本実施例においてはタンクレバー2
05を用いてf2に相当する力を出して分離している
が、これには拘束されず、直接インクタンク201を持
って図23中のb方向に引っ張り記録ヘッド200とイ
ンクタンク201を分離するように構成してもよい。
【0068】第2の形態を採った場合には第1の形態の
場合に加えて以下のような効果がある。すなわち、タン
クレバー205のカム形状を適当に設計することによっ
て分離する際の引き抜き速度をコントロールすることが
出来、インク被供給孔220やインク供給孔221から
のインクの飛散を防止することが出来る。
【0069】また、記録ヘッド200を直接手で持つ必
要がないので記録ヘッド200のインク吐出口付近を手
で触ることがなく、印字に悪影響を及ぼす無用な汚染を
防ぐことが出来る。
【0070】また、インクタンク201の力のかかる部
分が特定されるため、その部分だけ力に耐える構造にす
れば良いので、他の部分は薄肉にでき軽量化、内容積の
増加、などの効果がある。
【0071】次に、インクタンク201をキャリア20
3内のタンクケース208に挿入する際の誤挿入防止に
ついて説明する。インクタンク201は記録ヘッド20
0と接続するためのインク供給口221が付いた端面
と、そうでない端面があり、また結合爪222や結合爪
ガイド溝223の方向により、挿入方向はある程度規制
する必要がある。そこで本実施例においてはタンクケー
ス208側に凸形状、インクタンク201側に凹形状を
設けることにより挿入方向の規制を行っている。図9に
タンクケース208の構成を表す模式的斜視図を示す。
同図において、208aはタンクケース208の内側で
インクタンク201が挿入される所に突出したタンクケ
ースエンド突起、208bはタンクケース208の端部
を規制しインクタンク201をキャリア203に挿入す
る際にインクタンク201を押圧するためのタンクケー
スエンドであり、これらの各部によりタンクケース20
8が構成される。また、タンクケースエンド突起208
aは高さH2,長さがW2,厚さがT2の略直方体形状
である。なお、形状は略直方体に限定されるものではな
い。
【0072】図10にインクタンク208の記録ヘット
200取り付け側と反対の方向から見た場合の模式的斜
視図を示す。同図において、201aはインクタンク2
01の内側に向かって切込まれたインクタンクスリット
である。また、インクタンクスリット201aは高さが
H1,長さがW1,隙間がT2の略直方体のスリットで
ある。なお、形状は略直方体に限定されるものではな
い。
【0073】上記のタンクケースエンド突起208aと
インクタンクスリット201aにより挿入方向を規制し
ている。正しい方向にインクタンク201が挿入された
場合には、タンクケースエンド突起208aがインクタ
ンクスリット201aにはまり込みタンクケース208
内に収めることができる。しかし誤った方向にインクタ
ンク201を入れた場合にはタンクケースエンド突起2
08aがインクタンク201の外形部と干渉して、正規
の位置までインクタンク201をはめ込むことができな
い。これにより操作者は誤った挿入方向にインクタンク
201を挿入したことに気付くので、誤方向への無理な
挿入などによる機械の破損や故障を防止することができ
る。
【0074】次に、タンクケース208,インクタンク
201に関する寸法上の制約について記す。図11はタ
ンクケース208とインクタンク201に必要な寸法を
示す模式的平面図である。同図において、位置Oはイン
クタンク201の反記録ヘッド200側を回転させた時
(矢印c方向)の回転中心、位置Aはインクタンク20
1の反記録ヘッド200側の下角部、位置Bはタンクケ
ースエンド208bのインクタンク201に接する側の
上角部、長さL1は位置Oから位置Aまでの距離、長さ
L2は位置Oから位置Bまでの距離である。
【0075】図12はタンクケース208とインクタン
ク201に必要な寸法を示す模式的正面図である。同図
において、長さT3はインクタンク201の側面からイ
ンクタンクスリット201aまでの距離、長さT4はタ
ンクケース208内側面からタンクケースエンド突起2
08aまでの距離、長さT5はインクタンク201の
幅、長さT6はタンクケース208の内のり幅、長さT
7はT3と反対の側面からインクタンクスリット201
aまでの距離、長さT8はT4と反対のタンクケース2
08内側面からタンクケースエンド突起208aまでの
距離である。
【0076】図11において、 (長さL1)<(長さL2) とすることにより、従来インクタンク201をまっすぐ
上方にしか引き抜けなかったものが、回転運動によって
も取り出すことができるようになり、操作性を向上させ
ることができる。しかし、長さL2を余りにも大きくと
りすぎると操作性はよくなるがキャリア203が大きく
なり、ひいては装置の大型化を招く。そこでさらに長さ
L2は以下の関係を満たすことが望ましい。
【0077】(長さL2)<(インクタンク201の主
走査方向長さ)×2 またタンクケースエンド突起208aの深さと、インク
タンクスリット201aの長さの関係は、 (長さW1)>(長さW2) とすることにより、誤挿入防止の突起の有無にかかわら
ずインクタンク201の端部をタンクケースエンド20
8bで押すことができるので、つねに安定した押圧力を
与えられ、インクタンク201と記録ヘッド200の装
着動作が円滑である。長さH1と長さH2の関係につい
ては後述する。
【0078】図12において、インクタンク201がタ
ンクケース208の中に入るためには(長さT5)<
(長さT6)でなければならないが、さらに挿入の際に
タンクケースエンド突起208aにインクタンク201
が干渉せずに円滑に挿入できるようにするには以下の式
を満たす必要がある。すなわち、 (長さT2)+(長さT4)<(長さT1)+(長さT
3) かつ (長さT2)+(長さT8)<(長さT1)+(長さT
7) とすることにより、タンクケースエンド突起208aは
インクタンクスリット201aに円滑に挿入されるよう
になる。
【0079】次にヘッドカートリッジ202とキャリア
203に関する寸法上の制約を示す。図13はヘッドカ
ートリッジ202とキャリア203に必要な寸法を示す
模式的正面図である。同図において、208cはタンク
ケース208の端部にありインクタンク201の端部と
係合するタンクケース突起、206cはヘッドホルダ2
06の端部にあり記録ヘッド200を押圧するヘッドホ
ルダ突起、位置Oは図50で回転中心となったタンクケ
ース208の上端である。
【0080】同図はヘッドカートリッジ202をキャリ
ア203内に装着する(あるいは取り外す)途中の状態
を示すものであり、ヘッドカートリッジ202を矢印C
方向にθ°まで回転させつつ上下して抜き差しするもの
である。あるいは、回転動作を伴わずに上下方向の移動
のみによって抜き差しすることも可能である。
【0081】図13において、回転動作を伴って抜き差
しする場合を考慮すると、図11にて述べたH1とH2
の関係は、 (長さH1)×cosθ>(長さH2) を満たしていれば、ヘッドカートリッジ202の抜き差
し動作に際してタンクケースエンド突起208aとイン
クタンク201が干渉することがない。
【0082】また、ヘッドカートリッジ202の抜き差
しに際しては、記録ヘッド200のインク吐出口付近に
インクがたまっている場合に、そのインクがフレキシブ
ルケーブル211のコンタクト部分に付着して電気的な
ショートを引き起こす可能性がある。そのために記録ヘ
ッド200の先端とフレキシブルケーブル211の隙間
dを抜き差し操作中でも0以上になるように配置してお
くことが望ましい。抜き差し操作中は、タンクケース突
起208cとヘッドホルダ突起206aは図52の記録
ヘッド200の斜線で示した部分のみを通過することが
できるので、位置Oからフレキシブルケーブル211の
コンタクト面までの距離Loと、記録ヘッド200の主
走査方向の長さLhの関係を、 (長さLo)−(長さLh)>0 とし、さらに位置Oの高さHoとフレキシブルケーブル
211のコンタクト面の最大高さHcの関係を、 (長さHo)+(長さLh)×sinθ>(長さHc) としておくことによりインク付着を防止することができ
る。
【0083】
【発明の効果】本発明は、負圧発生部材を収容すると共
に大気との連通を得るための大気連通部を備え、インク
供給方向に垂直な断面が略正方形の第1収納室と、該大
気連通部から離れた位置に設けられた微小連通部のみを
介して該第1収納室に対して連通するが実質的に密閉状
態で、第1収納室へ供給するためのインクを直接収納す
るための第2収納室と、を有し、該大気連通部から該第
1収納室内の負圧発生部材に大気を直接導入する大気導
入部が第1収納室の第2収納室側端部であることを特徴
とするので、小容量のインクタンク構成であっても、イ
ンク収容量を増加でき、同時に負圧発生部材の機能を十
分発揮せしめて、さらに、負圧発生部材中にのみ残った
インクの消費状態がその断面に沿った界面を形成しなが
らインクの移動が達成できるので、結果的に、インク残
量を減少することができる。
【0084】本発明は、従来の液体貯蔵容器内に圧縮多
孔質体を収納する上で、個々に考えられていた部分構成
の少なくとも複数の関係夫々又はその組合せに着目し、
その技術的な作用が相乗し合って予想もできない範囲、
水準の効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明インクタンクの第1実施例を
示す模式的概要図で、(a)は吸収体とフィルタの圧接
部使用図,(B)はタンクの縦断面図である。
【図2】 第1実施例のヘッドカートリッジ部を示す模
式的斜視図である。
【図3】 第1実施例のキャリア部の部分的拡大図を示
す模式的断面図である。
【図4】 第1実施例のキャリア部とヘッドカートリッ
ジ部の結合方法を示す模式的斜視図である。
【図5】 第1実施例の第1形態の交換方式を示す模式
的斜視図である。
【図6】 第1実施例の第2形態の交換方式を示す模式
的斜視図である。
【図7】 第1実施例の力のかかり方を表わす模式的平
面図である。
【図8】 第1実施例の自動給紙部を示す全体斜視図で
ある。
【図9】 第1実施例のキャリアからインクタンクを取
り外した状態の模式的斜視図である。
【図10】 第1実施例のインクタンクを反記録ヘッド
取付け側から見た模式的斜視図である。
【図11】 第1実施例のタンクケースのサイズを示す
した模式的正面図である。
【図12】 第1実施例のタンクケースとインクタンク
のサイズを示した模式的平面図である。
【図13】 第1実施例のキャリアとヘッドカートリッ
ジのサイズを示した模式的正面図である。
【図14】 本発明の第2のインクタンク一体化記録ヘ
ッドユニットの断面図である。
【図15】 本発明のインクジェット装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
201 インクタンク 201a インクタンクスリット 202 ヘッドカートリッジ 203 キャリア 204 ヘッドレバー 205 タンクレバー 206 ヘッドホルダ 206 ヘッドホルダ突起 207 ヘッドホルダバネ 208 タンクケース 208a タンクケースエンド突起 208b タンクケースエンド 208c タンクケース突起 209 リードピン 210 リードピンバネ 211 フレキシブルケーブル 211a 位置決め穴a 211b 位置決め穴b 212 フレキシブルケーブルパッド 212a 位置決め穴a 212b 位置決め穴b 212c インクバリア 213 リードスクリュー 213a 位置決め穴a 213b 位置決め穴b 220 インク被供給孔 221 インク供給孔 222 結合爪 223 結合爪ガイド溝 225 位置決めピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日隈 昌彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佃 圭一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負圧発生部材を収容すると共に大気との
    連通を得るための大気連通部を備え、インク供給方向に
    垂直な断面が略正方形の第1収納室と、該大気連通部か
    ら離れた位置に設けられた微小連通部のみを介して該第
    1収納室に対して連通するが実質的に密閉状態で、第1
    収納室へ供給するためのインクを直接収納するための第
    2収納室と、を有し、該大気連通部から該第1収納室内
    の負圧発生部材に大気を直接導入する大気導入部が第1
    収納室の第2収納室側端部であることを特徴とする液体
    貯蔵容器。
  2. 【請求項2】 上記第1収納室と上記第2収納室との容
    積比が1:3〜1:1の範囲内の比である請求項1の液
    体貯蔵容器。
  3. 【請求項3】 上記微小連通部の高さが上記負圧発生部
    材の上記第1収納室内における平均孔径よりも大きく5
    mm以下の範囲内の値である請求項1又は請求項2の液
    体貯蔵容器。
  4. 【請求項4】 負圧発生部材を収容すると共に大気との
    連通を得るための大気連通部を備え、インク供給方向に
    垂直な断面が略正方形の第1収納室と、該大気連通部か
    ら離れた位置に設けられた微小連通部のみを介して該第
    1収納室に対して連通するが実質的に密閉状態で、第1
    収納室へ供給するためのインクを直接収納するための第
    2収納室と、を有し、該大気連通部から該第1収納室内
    の負圧発生部材に大気を直接導入する大気導入部が第1
    収納室の第2収納室側端部である液体貯蔵容器であっ
    て、該液体貯蔵容器の第1収納室に結合するインクジェ
    ットヘッドのインク供給管が装填される領域が第1収納
    室に関して第2収納室と反対側であることを特徴とする
    液体貯蔵容器。
  5. 【請求項5】 上記インク供給管が装填される領域に
    は、上記負圧発生部材を圧縮した状態でインクをヘッド
    側へ案内する方向性インク案内部材が収容されており、
    該方向性インク案内部材は、インク供給管の装填によっ
    てインク供給管端部のフィルターに密着するものである
    請求項4の液体貯蔵容器。
  6. 【請求項6】 上記負圧発生部材は連続多孔質体で、そ
    の液体供給側の端部域が、該端部域から供給を受けるた
    めのヘッド供給管端部フィルタの当接部の中心部を通っ
    て該当接部の液体供給方向に沿った対称面を複数有する
    ことを特徴とする請求項4の液体貯蔵容器。
  7. 【請求項7】 上記連続多孔質体の液体供給側の端部域
    における該端部域から供給を受けるための上記端部フィ
    ルタの当接部の周囲から周囲を取り巻く上記第1収納室
    までの最短距離がいずれも該端部フィルタ当接部の直径
    の半分以下であることを特徴とする請求項4の液体貯蔵
    容器。
  8. 【請求項8】 上記連続多孔質体の液体供給側の端部域
    における該端部域から供給を受けるための上記端部フィ
    ルタの当接部を含む断面において、上記連続多孔質体の
    断面積が該当接部の断面積の3.0倍以上6.5倍以下
    であることを特徴とする請求項4の液体貯蔵容器。
  9. 【請求項9】 上記連続多孔質体の液体供給側の端部
    に、該端部域から供給を受けるために連続多孔質体を圧
    縮せしめる当接部によって圧縮される連続多孔質体の収
    納前体積に対する圧縮比が上記第1収納室内面で圧縮さ
    れる最大圧縮状態の圧縮比より小さいことを特徴とする
    請求項4の液体貯蔵容器。
  10. 【請求項10】 上記第1収納室内面で圧縮される各面
    での圧縮比の平均がほぼ同等であることを特徴とする請
    求項9の液体貯蔵容器。
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