JPH0698774A - サーマス属細菌由来のカロテノイド生合成を司る遺伝子dna断片およびその利用 - Google Patents

サーマス属細菌由来のカロテノイド生合成を司る遺伝子dna断片およびその利用

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JPH0698774A
JPH0698774A JP25658092A JP25658092A JPH0698774A JP H0698774 A JPH0698774 A JP H0698774A JP 25658092 A JP25658092 A JP 25658092A JP 25658092 A JP25658092 A JP 25658092A JP H0698774 A JPH0698774 A JP H0698774A
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thermus
carotenoid
plasmid
dna fragment
strain
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Takayuki Hoshino
貴行 星野
Tadaatsu Nakahara
忠篤 中原
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カロテノイド生産の増大した新規形質転換サ
ーマス属細菌の提供。 【構成】 サーマス・サーモフィラスHB27由来株の
染色体からカロテノイドの生合成を司る遺伝子を含むD
NA断片をクローニングし、この遺伝子の塩基配列を決
定した。また、該DNA断片が導入されたサーマス属細
菌内で複製増殖可能なプラスミドを造成した。 【効果】 上記プラスミドで形質転換されたカロテノイ
ド生産性サーマス・サーモフィラスHB27由来株のカ
ロテノイド生産性は、著しく増加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カロテノイド生産に有
用な遺伝子を含む高度好熱菌由来のDNA断片、該DN
Aを含む組換えプラスミド、該プラスミドにより形質転
換された高度好熱菌および該高度好熱菌を用いるカロテ
ノイド製造法に関する。カロテノイドは黄色−橙色−赤
色を呈する脂質であり、多くの生物で重要な役割を果し
ている。高等植物では、光合成器官の中で光受容反応に
関与するとともに、光酸化反応からの組織の保護作用な
ども果している。またある種のカビ、酵母、細菌等にも
含まれており、光酸化反応から細胞を保護したり、生体
膜の構造強化作用を持つのではないかと推定されてい
る。また、近年では、食品等の天然着色料として特に注
目を集めている。さらに、代表的カロテノイドの一つで
あるβ−カロテンは動物生体内においてビタミンAの前
駆体として利用されており、最近では、着色料としての
利用の他に、ガン予防作用、活性酸素除去作用および老
化防止作用等の作用を有する生理活性物質としても重要
視されている。
【0002】
【従来の技術】カロテノイドは、植物に広く分布してい
るので、工業的には植物組織培養により多量に生産しよ
うとする試みがなされている。また、カロテノイド生産
能を有する酵母、緑藻等の微生物を大量に培養し、カロ
テノイドを生産しようとする試みもなされている。しか
しながら、いずれの場合も商業生産用途としては生産能
力が低く、例えばβ−カロテン製造法の場合は、合成法
による生産性を上回ることができないのが現状である。
したがって、カロテノイドを高効率に生産し得る生体培
養技術の開発が望まれており、その一つのアプローチと
して、カロテノイドの生合成に関与する遺伝子群を単離
し、その遺伝子群を高発現化する手法が考えられる。し
かし現状では、カロテノイド合成酵素、およびこれをコ
ードする遺伝子については、その一部がエルビニア(Er
winia)属細菌、ある種の光合成細菌およびある種の高
等植物において報告されているのみで、その全体の詳細
についてはほとんど解明されていない。一方、高度好熱
細菌であるサーマス(Thermus)属細菌のカロテノイド
については、サーマス・アクアチクス(Thermus aquati
cus)YT1が少なくとも6種類のカロテノイドを生産
し、そのうち二つはフィトエンと△−カロテンであるこ
とがBrockらにより報告されている[Journal of B
acteriology, Vol.108,227-225 (1971)]。また、サー
マス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)は高度
好熱性細菌の代表的菌種であり、特有のカロテノイドを
生産することも知られている。さらに、該菌の生産する
カロテノイドは、上記YT1と同種のカロテノイドであ
ることが報告されている(1991年度発酵工学会大
会、星野ら)。さらに、該菌のカロテノイドが耐熱性と
何らかの関係を有している可能性も考えられる。しかし
ながら、いずれの場合も、すべてのカロテノイドの詳細
な構造、生合成経路およびカロテノイド生産に関する遺
伝子については何等明らかにされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度好熱菌
のカロテノイド生産に関与する遺伝子を解析および単離
し、該遺伝子を用いることにより前記菌に効率良くカロ
テノイドを生産させる、カロテノイド製造法の開発を目
的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、サーマス・サーモ
フィラス(Thermus thermophilus)HB27株からカロ
テノイドの生合成に関与する遺伝子領域を単離し、該遺
伝子を適当なベクタープラスミドに導入して、サーマス
Thermus)属細菌を形質転換し、該形質転換細菌を培
養することにより、その培養物中に効率的にカロテノイ
ドが生産されることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0005】かくして、本発明によれば、(1)サーマ
ス(Thermus)属細菌に由来するカロテノイドの生合成
を司る遺伝子を含むDNA断片、(2)該DNAが導入
され、かつサーマス(Thermus)属細菌内で複製増殖可
能な組換えプラスミド、(3)該組換えプラスミドによ
り形質転換されたサーマス(Thermus)属細菌、(4)
該サーマス(Thermus)属細菌を培養し、その培養物中
にカロテノイドを生成せしめることを特徴とする、カロ
テノイドの製造方法が提供される。以下、本発明につい
てさらに詳細に説明する。
【0006】本発明の「カロテノイドの生合成を司る遺
伝子を含むDNA断片」とは、カロテノイド生合成系酵
素遺伝子、あるいはこれらの遺伝子発現の調節因子をコ
ードする遺伝子、あるいはカロテノイドの生合成系調節
因子をコードする遺伝子等、カロテノイド生成に関与す
る遺伝子鎖の一部、もしくは全ての部分から構成される
遺伝子鎖を意味するものである。
【0007】カロテノイドの生合成を司る遺伝子を含む
DNA断片(以下これを「crt断片」と略称すること
がある)は、その塩基配列が決定された後においては合
成することも可能であるが、通常はカロテノイド生産性
微生物からクローニングされることが多い。該遺伝子の
供給源微生物としては、サーマス(Thermus)属細菌であ
れば特定の種もしくは株に限定されるものではないが、
殊にサーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)
HB27株(FERM P-7502)および該HB27株をニト
ロソグアニジン(N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidi
ne)で処理して得られるアミノ酸要求株、カロテノイド
生産増大株などの突然変異株等が好適に使用される。例
えばトリプトファン要求性変異株であるtrpB1、t
rpB2およびtrpB5、もしくはカロテノイド生産
増大変異株であるcop101、cop102およびc
op103等を使用することができる。
【0008】以下に、これらの供給源微生物からcrt
断片を調製するための基本的操作の一例を示す。crt
断片は、上記サーマス(Thermus)属細菌、例えばサー
マス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)HB2
7株の染色体上に存在するので、その染色体を適当な制
限酵素で切断することにより生ずる切断断片の中から、
以下に述べる方法で分離、取得して調製することができ
る。まず、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermo
philus)HB27の培養物から適当な慣用法により染色
体DNAを抽出する。次いで得られた染色体DNAを適
当な制限酵素、例えばHindIIIを用いて部分分解す
る。得られたDNA断片のショットガンクローニング
(泉美治、中川八郎、三輪谷俊夫・共編「生物化学実験
のてびき 3−核酸の分離・分析法」 p.37、化学同人、
1986年)を行った後、サーマス(Thermus)属菌の有す
る自然形質転換機能を利用した形質転換法(安藤忠彦、
坂口健二・編「微生物学基礎講座8巻、遺伝子工学」 p.
154、共立出版、1987年)により、前記サーマス・サー
モフィラス(Thermus thermophilus)HB27株に導入
し、この形質転換株を寒天平板培地に塗沫する。得られ
る形質転換株から、コロニーの色が濃くなった(即ち、
濃いオレンジ色になった)クローンを選択してそのプラ
スミドを制限酵素を用いて解析することにより、挿入さ
れたサーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilu
s)HB27株由来の、カロテノイドの生合成を司る遺
伝子を含むDNA断片(crt断片)を確認し、取得す
ることができる。
【0009】かくして得られるcrt断片の一例とし
て、上記のサーマス・サーモフィラス(Thermus thermo
philus)HB27株の染色体DNAを制限酵素Hin
IIIで切り出すことにより得られる、大きさ約1.5kb
pのDNA断片を挙げることができる。この約1.5k
bpの、カロテノイドの生合成を司る遺伝子を含むDN
A断片を各種の制限酵素で切断したときの認識部位数お
よび切断断片の大きさを下記表1に、制限酵素による切
断点地図を図1に示す。
【0010】
【表1】 表1 大きさが約1.5kbpのcrt断片 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(bp) ACCI 4 180, 400, 610, 130, 170 StuI 3 350, 520, 220, 400 SacI 1 420,1080 KpnI 1 660, 840 BamHI 1 790, 710 AflII 1 1180, 320
【0011】なお、本明細書において、制限酵素による
「認識部位数」は、DNA断片またはプラスミドを制限
酵素の存在下で完全分解し、それらの分解物をそれ自体
既知の方法に従い1%アガロースゲル電気泳動および5
%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、分離可能な
断片の数から決定した値を採用した。また、「切断断片
の大きさ」およびプラスミドの大きさは、アガロースゲ
ル電気泳動を用いる場合には、エシェリヒア・コリ(Esc
herichia coli)のラムダファージ(λ phage)のDNA
を制限酵素HindIIIで切断して得られる分子量既知
のDNA断片の同一アガロースゲル上での泳動距離で描
かれる標準線に基づき、また、ポリアクリルアミドゲル
電気泳動を用いる場合には、エシェリヒア・コリのファ
イエックス174ファージ(φx174 phage)のDNAを
制限酵素HaeIIIで切断して得られる分子量既知のD
NA断片の同一ポリアクリルアミドゲル上での泳動距離
で描かれる標準線に基づいて、切断DNA断片またはプ
ラスミドの各DNA断片の大きさを算出する。プラスミ
ドの大きさは切断断片それぞれの大きさを加算して求め
る。なお、各DNA断片の大きさの決定において、1k
bp以上の断片の大きさについては1%アガロースゲル
電気泳動によって得られる結果を採用し、約0.1kb
pから1kbp未満の断片の大きさについては4%ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動によって得られる結果を採
用した。なお、表1における各断片の大きさは、配列表
の配列番号1に示す塩基配列から推定される切断断片の
大きさと一致した。
【0012】一方、上記サーマス・サーモフィラス(The
rmus thermophilus)HB27株の染色体DNAを制限酵
HindIIIを用いて切断することにより得られる大
きさ約1.5kbpのDNA断片については、その塩基
配列をプラスミドpUC118またはpUC119(宝
酒造製)を用いるジデオキシヌクレオチド酵素法(di-d
eokxychain termination 法、Sanger,F. et. al., Pro
c. Natl. Acad. Sci.USA, 74, p5463, 1977)により決
定することができる。このようにして決定した上記大き
さ約1.5kbpのカロテノイドの生合成を司る遺伝子
は、後記配列表の配列番号1に示す配列を有するもので
あり、347個のアミノ酸をコードする1041塩基対
のオープンリーディングフレームを含む、1509の塩
基対から構成されている。配列番号1に示す塩基配列を
包含し、カロテノイドの生合成を司る遺伝子を含む、本
発明の上記DNA断片は、天然のサーマス(Thermus)属
細菌染色体DNAから分離されたもののみならず、通常
用いられるDNA合成装置、例えばベックマン社製 Sys
tem-1 Plus を用いて合成されたものであってもよい。
また、前記の如くサーマス・サーモフィラス(Thermus t
hermophilus)HB27株の染色体DNAから取得される
本発明のDNA断片は、カロテノイドの生合成を司る機
能を実質的に損なうことがない限り、塩基配列の一部の
塩基が他の塩基と置換されていても、または削除されて
いてもよく、あるいは新たに塩基が挿入されていてもよ
く、さらに塩基配列の一部が転位されているものであっ
てもよく、これらの誘導体はいずれも、本発明のカロテ
ノイドの生合成を司る遺伝子を含むDNA断片に包含さ
れる。
【0013】本発明によるカロテノイドの生合成を司る
遺伝子を含むDNA断片は、適当なプラスミド、例えば
サーマス(Thermus)属細菌内でプラスミドの複製増殖
を司る遺伝子を少なくとも含むプラスミドベクターに導
入することにより、サーマス(Thermus)属細菌内でカ
ロテノイドの生合成を司る遺伝子の高発現可能な組換え
プラスミドを得ることができる。また、本発明のカロテ
ノイドの生合成を司る遺伝子を発現させるためのプロモ
ーターはサーマス(Thermus)属細菌が保有する該遺伝
子自身のプロモーターであることができるが、それに限
定されるものではなく、原核生物においてカロテノイド
の生合成を司る遺伝子の転写を開始させ得る塩基配列で
あればいかなるプロモーターであってもよい。本発明の
crt断片を導入することが可能で、かつサーマス(Th
ermus)属細菌内で複製増殖を司る遺伝子を少なくとも
含むプラスミドベクターとしては、例えば、プラスミド
pYK134およびpYK141(昭和56年度〜平成
2年度「組換えDNA利用技術研究開発総括報告書」、1
9〜65頁、バイオテクノロジー開発技術研究組合編、
平成3年9月発行)、プラスミドpTT8[Eberhard,M.
D.,et al., Plasmid, Vol.6, 1(1981)]、プラスミドp
YK109[Koyama,Y.,et al., FEMS Microbiol. Let
t., Vol.72, 97(1990)]等を挙げることができる。なかで
もサーマス(Thermus)属細菌の宿主−ベクター系で用
いられるプラスミドベクターとしては、該細菌内で複製
増殖を司る遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子およびtr
pB遺伝子を有する、マルチコピープラスミドpYK1
34が好適に使用される。
【0014】上記プラスミドpYK134を調製するた
めに、該プラスミドを保有するサーマス・サーモフィラ
ス(Thermus thermophilus)HB27株をサーマス培地
(酵母エキス 0.2%、ポリペプトン 0.4%、塩化ナ
トリウム 0.1%、pH7.5)に接種し、70℃で16
〜18時間振とう培養する。菌体を遠心分離により収集
した後、リゾチーム処理およびアルカリ−SDS法によ
る溶菌処理を行い細胞混合液を得る。これを遠心分離し
て得られる上清にポリエチレングリコール 6000を10
%(w/v)添加して氷中に静置し、次いで遠心分離するこ
とにより該プラスミドの沈殿物を得る。この沈殿物を、
塩化セシウムを用いた平衡密度勾配遠心にかけてバンド
を回収することで、該プラスミド溶液を調製することが
できる。上記プラスミドpYK134のより詳細な調整
方法は、後記実施例2において述べられる。
【0015】次に、本発明のcrt断片を上記プラスミ
ドベクターに導入するには、例えばプラスミドベクター
中に1カ所だけ存在する制限酵素部位を制限酵素で開裂
し、前記crt断片および開裂したプラスミドベクター
の末端を、必要に応じてS1ヌクレアーゼで処理して平
滑末端とするか、もしくは適当なアダプターDNAの存
在下に、DNAリガーゼ処理により連結させて行うこと
ができる。本発明のcrt断片を上記プラスミドpYK
134に導入するには、プラスミドpYK134を制限
酵素HindIIIで開裂させ、そこにHindIII処理し
た前記crt断片をDNAリガーゼで連結させて行うこ
とができる。このようにして造成される、本発明のcr
t断片をプラスミドpYK134に導入した組換えプラ
スミドは、カロテノイドの製造に好適に用いることがで
きる組換えプラスミドであり、本発明者らはこれをプラ
スミドpCOP1、また本発明のcrt断片がpCOP
1と逆向きに挿入されたプラスミドをpCOP2と命名
した。上記プラスミドpCOP1およびpCOP2の調
製方法を図2に示す。また、crt断片の調製方法、プ
ラスミドpCOP1およびpCOP2の詳細な作成方法
は後記実施例2において説明する。
【0016】このようにして造成される、カロテノイド
の生合成を司る遺伝子を含むDNA断片が導入された、
サーマス(Thermus)属細菌内で複製増殖可能なプラス
ミドを宿主微生物に導入して培養することにより、カロ
テノイドを効率よく生産することが可能となる。本発明
のプラスミドで形質転換し得る宿主微生物として、サー
マス(Thermus)属細菌、例えばサーマス・サーモフィラ
ス(Thermus thermophilus)HB27株およびそれより
誘導される変異株である、アミノ酸要求性変異株(tr
pB1、trpB2、trpB5、Pro~、Leu~、
Met~、Lys~)、カロテノイド生産増大変異株(c
op101、cop102、cop103等)、カロテ
ノイド生産低下変異株(crt1、crt2、crt
4、crt5、crt7、crt19)等が挙げられ
る。また、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermop
hilus)HB8株[Oshima,T. & Imahori,K., Int. J. Sy
st. Bact., Vol.24, 102(1974)]、サーマス・フラバス
(Thermus flavus)AT62[Saiki,T. et. al., Agric.
Biol. Chem., Vol.36, 2357 (1972)]、サーマス・カ
ルドフィラス(Thermus caldophilus)GK24 [Taguch
i,H., et al., J. Biochem., Vol.91, 1343 (1982)]、
サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)YT1
[Brock,T.D. & Freeze,H., J. Bacteriol.,Vol.98, 289
(1969)]、サーマス(Thermus)T2[Ulrich,T., et a
l., J. Bacteriol., Vol.110, 691 (1972)]およびこれ
らの変異株等も宿主微生物として用いることができる。
【0017】上記サーマス(Thermus)属細菌に前記プ
ラスミドを導入して形質転換を起こさせる方法として
は、該細菌の有する自然形質転換能を利用することによ
り、簡便に形質転換株を取得することができる。具体的
には、該細菌の培養液に導入するDNAを添加し、短時
間培養を継続するだけで形質転換株が高頻度に生じる
[安藤、坂口・編「微生物学基礎講座8、遺伝子工学」
共立出版(株)、1987]。上記方法により形質転換して得
られるカロテノイド生産能の増大したサーマス(Thermu
s)属細菌、例えばサーマス・サーモフィラス(Thermus
thermophilus)HB27由来株の培養方法を以下に述
べる。培養は炭素源、窒素源および無機塩等を含む通常
の栄養培地を用いて行うことができ、炭素源としては、
例えばグルコース、シュークロース、廃糖蜜等が、そし
て窒素源としては、例えばアンモニア、硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等がそ
れぞれ単独もしくは混合して用いられる。また無機塩と
しては、例えばリン酸一水素カリウム、リン酸二水素カ
リウム、硫酸マグネシウム等が用いられる。この他にポ
リペプトン、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーン
スティープリカー、カザミノ酸、ビオチン、チアミン等
の各種ビタミン等の栄養素を培地に添加することができ
る。培養は、通気撹拌もしくは振とう等の好気的条件下
で、50〜82℃、好ましくは60〜80℃の温度で行
うことができる。培養開始時の炭素源濃度は、好ましく
は0.1〜5容量%、さらに好ましくは0.5〜2容量%
である。また、培養期間は通常2〜72時間とすること
ができ、好適には36〜48時間である。
【0018】このようにして培養された菌体は、その菌
体内にカロテノイドを著量蓄積するので、遠心分離等に
より培養物から菌体を集め、該菌体からカロテノイドを
取得することができる。菌体の生産したカロテノイド
は、例えばアセトン、クロロホルム等、通常の脂溶性色
素を抽出する際に使用される有機溶媒を用いて、菌体か
ら抽出することにより取得することができる。抽出され
たカロテノイドは公知の慣用法、例えばシリカゲルクロ
マトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等により精製
することができる。このようにして得られるカロテノイ
ドの分析および定量については、薄層クロマトグラフィ
ー分析によりその構成成分が分離可能であり、その量比
はデンシトメーターにより測定することができる。また
有機溶媒により抽出された画分の光吸収パターンを測定
することで該カロテノイドの特異的吸収波長を見出すこ
とができ、例えば波長460nmにおける光吸収を測定
することにより黄色系のカロテノイドの定量が可能とな
る。以上に本発明を説明してきたが、下記の実施例によ
り本発明をさらに具体的に説明する。しかしながら、下
記実施例は本発明の具体的認識を得る一助とみなすべき
ものであり、本発明の範囲を何ら制限するものではな
い。
【0019】
【実施例】実施例1 カロテノイド生産能の異なる変異株の取得 サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)H
B27(FERM P-7502)を(前記)サーマス培地に接種
し、70℃で6時間振とう培養した。遠心分離により菌
体を集め、TMB(1/20M Tris-Malate buffer, pH6.0)
にて洗浄後、菌数が108/mlとなるようにTMBに
懸濁した。これに、終濃度が150 μg/mlとなるよう
にNTG溶液を混合して、30℃で20分間静置した。
集菌した後にTMBで菌体を洗浄し、サーマス培地で1
時間培養した。これをサーマス寒天培地に分散させて培
養し、カロテノイド生産性の異なる変異株をコロニーの
色調(オレンジ色)の程度により区分して分離した。そ
れら分離された変異株のうち、カロテノイド非生産株を
crt31、生産低下株をcrt1、生産増大株をco
p101と命名した。上記変異株をサーマス培地に接種
して、70℃にて20時間振とう培養した。クロロホル
ムを用いて培養物よりカロテノイドを抽出し、それを薄
層クロマトグラフィーに供した結果を図3に示す。親株
であるHB27株、および生産増大株cop101株に
ついては、それぞれ6つのスポットが同じ位置に検出さ
れたが、生産低下株crt1株では下方の3つだけが検
出された。cop101株の6つのスポットすべてが大
きくなっていることから、cop101株では個々のカ
ロテノイド生産量がすべて増加していることが明らかと
なった。なお、上記カロテノイド生産増大変異株サーマ
ス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)cop1
01は、茨城県つくば市東1丁目1番3号の工業技術院
微生物工業研究所に、平成4年6月10日付で:微工研
菌寄第12992号(FERM P-12992)として寄託されて
いる。
【0020】実施例2 カロテノイドの生合成を司る遺
伝子を含むDNA断片のクローニング(1)カロテノイ
ド生産性を有するサーマス・サーモフィラスHB27株
染色体DNAの調製 サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)H
B27(FERM P-7502)を2lのサーマス培地[ディフコ
・イーストエキストラクト 2g、ポリペトン(大五栄
養)4g、NaCl 1g、ニトリロ三酢酸 0.1g、C
aSO4・7H2O0.06g、MgSO4・7H2O 0.
1g、KNO3 0.105g、NaNO30.7g、Na
HPO4 0.11g、FeCl3 0.3mg、MnSO4
2.2mg、ZnSO4 0.5mg、H3BO3 0.5m
g、CuSO4 0.016mg、Na2MoO4 0.02
5mg、CoCl2・3H2O 0.046mg を純水1
lに含み、pH7.5に調整したもの)に接種して培養
後、対数増殖期の終わり近くで集菌し、約6gの湿菌体
を得た。これをリゾチーム12mgを溶かした6mlの
0.15M 塩化ナトリウム−0.1M EDTA(pH8)
に懸濁し、37℃で20分間保温した後、エタノール・
ドライアイスの冷媒中に入れてすみやかに凍らせる。5
0mlの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH9.0)−1%SD
S−0.1M塩化ナトリウムを加えて撹拌した後、上記
緩衝液で飽和させたフェノールを56ml加えて4℃で
振とうし、次いで、これを遠心に付してその上層を分取
する。これに2容の冷アルコールを加えて核酸画分を糸
状沈殿として回収し、20mlの0.1×SSC(0.1
5M 塩化ナトリウム−0.015M クエン酸ナトリウ
ム)に溶かしたあと2mlの10×SSCを加え、1×
SSCに溶けた粗DNA溶液を得る。次にRNaseA
(シグマ社製)、RNaseT1(シグマ社製)をそれ
ぞれ50 μg/ml、30 μg/mlになるように加えて37
℃で30分間静置し、RNAを分解したのち、上記フェ
ノール処理を繰り返して、染色体DNA溶液を得た。
【0021】(2)プラスミドベクターpYK134の
調製 プラスミドpYK134を保持するサーマス・サーモフ
ィラス(Thermus thermophilus)HB27株を100m
lのサーマス培地に接種し、70℃で16〜18時間振
とう培養した。次いで、この培養液を1lのサーマス培
地に接種し、70℃で5時間培養した。遠心により集菌
してTES(20mM Tris-Cl、5mM EDTA、100mM NaCl pH7.
5)で洗浄した後、菌体を、湿重量4g当り10mlの
25%ショ糖含有TESに懸濁した。この懸濁液に、リ
ゾチーム(10 mg/ml)を2ml、0.25M−EDTA
(pH8)を4mlそれぞれ添加した後、0℃で10分
間静置し、続いて37℃に10分間保温した。この細胞
混合液に2mlの10%SDSおよび5mlの5M 塩
化ナトリウムを加え4℃に15〜18時間静置した。こ
れを28000 rpmで1時間の超遠心分離に付して上清を得
た。得られた上清にポリエチレングリコール 6000 を1
0%(W/V)添加して0℃で2〜3時間静置した後、220
0 rpm、2分間の遠心分離により沈殿を得た。得られた
沈殿を15mlのTESに溶解し、これにCsClおよ
びエチジウムブロマイドを添加して密度を1.61〜1.
62に調製した。この試料を38000 rpmで30〜40時
間の平衡密度勾配遠心に付した。生じたプラスミドDN
Aのバンドを収集し、イソアミルアルコールでエチジウ
ムブロマイドを除去した後、TEN(20mM Tris-HCl、1m
M EDTA、20mM NaCl)に透析することにより溶液が得られ
た。
【0022】(3)カロテノイドの生合成を司る遺伝子
を含むDNA断片のクローニング カロテノイドの生合成を司る遺伝子を含むDNA断片の
クローニングは、上記(1)項において調製したサーマ
ス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)HB27
株の染色体DNAを制限酵素HindIIIにより切断し
た後、ショットガンクローニング法によりベクタープラ
スミドpYK134に挿入し、これを用いてサーマス・
サーモフィラスHB27株を再び形質転換させ、該形質
転換株よりプラスミドを抽出し、該プラスミドに挿入さ
れたDNA断片を解析することにより行った。(i)染色体DNAの調製 サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)H
B27(FERM P-7502)を2lの前記サーマス培地に接種
して培養し、対数増殖期の終期に集菌して約6gの湿菌
体を得た。これを12mgのリゾチームを溶かした6m
lの0.15M 塩化ナトリウム−0.1M EDTA(p
H8)に懸濁し、37℃で20分間保温後、エタノール
・ドライアイスの冷媒中に入れてすみやかに凍らせた。
50mlの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH9.0)−1%SD
S−0.1M 塩化ナトリウムを加えて撹拌した後、上記
緩衝液で飽和させたフェノールを56ml添加し、4℃
で振とうしてからこれを遠心してその上層を分取した。
これに2容の冷アルコールを添加して核酸画分を糸状沈
殿として回収し、20mlの0.1×SSC(0.15M
塩化ナトリウム−0.015M クエン酸ナトリウム)
に溶かしたあと2mlの10×SSCを添加して、1×
SSCに溶けた粗DNA溶液を得る。次に、RNase
A(シグマ社製)、RNaseT1(シグマ社製)をそれぞ
れ50μg/ml、30 μg/mlになるように加えて37℃
で30分間静置してRNAを分解した後、上記フェノー
ル処理を繰り返して、染色体DNA溶液を得た。
【0023】(ii)カロテノイドの生合成を司る遺伝子
のショットガンクローニング 得られた染色体DNA、およびプラスミドベクターpY
K134を、制限酵素HindIIIにて各々切断した
後、DNAリガーゼでプラスミドpYK134のHin
dIII切断部位に、染色体DNAのHindIII切断断片
を結合させた。染色体DNAを含有するプラスミドpY
K134のHB27株への導入は以下のように行った。
サーマス・サーモフィラスHB27株を前記サーマス培
地に植菌して一晩培養した後、新しいサーマス培地で5
0分の一に希釈して、該培地中にて70℃で2時間、対
数増殖期の初期まで培養した。(約5×107個の菌体
を含む)前記培養物0.5mlに、上記HindIII断片
の挿入されたプラスミドpYK134溶液50 μlを混
合して、該液中のDNA濃度を1μg/mlとした。続いて
70℃でさらに1時間培養した後に、氷上に5分間静置
した。DNAの取り込みの停止は、DNaseIを最終
濃度50μg/mlとなるように添加した後に37℃で15
分間保温して、培地中の残存DNAを分解することによ
り行った。サンプルを生理食塩水で希釈した後、カナマ
イシン40μg/mlを含むサーマス培地に塗布して60℃
で36〜48時間培養し、形質転換体のコロニーを得
た。得られたコロニーの色調(濃いオレンジ色)を基準
として、カロテノイド高産生変異株を分離した。この変
異株を、前記サーマス培地で液体培養した後に該培養物
からプラスミドDNAを抽出した。該プラスミドを制限
酵素HindIIIにより切断してアガロースゲル電気泳
動で調べたところ、プラスミドpYK134の12.3
kbpのDNA断片に加え、大きさ約1.5kbpの挿
入DNA断片が認められた。この大きさ約1.5kbp
のDNA断片を種々の制限酵素で切断したときの制限酵
素の認識部位数および切断断片の大きさを、前記表1に
示した。また上記カロテノイド高産生変異株から得られ
たプラスミドを解析した結果、いずれのプラスミドも同
じ1.5kbpのHindIII断片を保有していたが、該
断片の挿入の向きが他と逆であるプラスミドも認められ
た。本発明者らは、この一方をプラスミドpCOP1、
もう一方をプラスミドpCOP2と命名した。上記で得
たプラスミドを各種の制限酵素で切断して切断断片の大
きさを測定した。その結果を表2および表3に示す。ま
た、これらのプラスミドの制限酵素による切断点地図を
図4および図5に示す。
【0024】
【表2】 表2 プラスミドpCOP1 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kbp) EcoRI 2 1 12.8 SalI 2 0.3 12.5 KpnI 3 2.4 2.8 8.6 PstI 2 5.7 8.1 BclI 1 13.8 HindIII 2 1.5 12.3
【0025】
【表3】 表3 プラスミドpCOP2 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kbp) EcoRI 2 1 12.8 SalI 2 0.3 12.5 KpnI 3 2.4 3.0 8.4 PstI 2 5.7 8.1 BclI 1 13.8 HindIII 2 1.5 12.3
【0026】実施例3 カロテノイドの生合成を司る遺
伝子の塩基配列の決定 実施例2の(3)項で得られたカロテノイドの生合成を
司る遺伝子を含む大きさが約1.5kbpのDNA断片
について、その塩基配列を、プラスミドpUC118ま
たはpUC119(宝酒造製)を用いたジデオキシヌク
レオチド酵素法(dideoxy chain termination 法、Sange
r,F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 74, p5463,
1977)により図6に示す戦略図に従って決定した。上
記DNA断片の塩基配列中にオープンリーディングフレ
ームが存在することから、カロテノイドの生合成を司る
遺伝子は、後記配列表の配列番号1に示す配列を有する
347個のアミノ酸をコードする1041塩基対のオー
プンリーディングフレームを含む、1509塩基対より
構成されていることが判明した。
【0027】実施例4 プラスミドpCOP1のサーマ
ス属細菌への導入およびカロテノイドの製造 実施例2の(3)項に記載のショットガンクローニング
法により、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermo
philus)HB27株および実施例1で得たカロテノイド
生産性変異株(crt31、crt1、cop101)
に、実施例2の(3)項で得たプラスミドpCOP1を導
入した。各々のプラスミド導入株およびその親株を10
0mlのサーマス培地に接種し、70℃にて24時間振
とう培養した。遠心分離により菌体を集め、20mlの
クロロホルムを用いて、生産されたカロテノイドを抽出
した。抽出したカロテノイドの分子吸光パターンを図7
に示した。黄色系カロテノイドの最大吸収が波長460
nmにあることから、この波長の吸光度を測定すること
により各菌株のカロテノイド生産量を比較した。その結
果を表4に示す。
【0028】
【表4】 表4 プラスミドpCOP1導入株のカロテノイド生産性 親株 プラスミド カロテノイド生産量 (OD460/mg dry cell×103) 相対量 HB27 − 1.4 1.0 HB27 pCOP1 4.8 3.4 crt1 − 0.23 0.16 crt1 pCOP1 3.2 2.4 cop101 − 12 9.1 cop101 pCOP1 15 11
【0029】表4から明らかなとおり、プラスミドpC
OP1を野生株であるHB27株に導入したところ、カ
ロテノイド量は3.4倍増加した。また、低生産株であ
るcrt1に導入した結果、カロテノイド生産性は約1
5倍向上した。さらに生産増大変異株であるcop10
1に導入した場合においても、1.2倍の生産性向上が
確認された。なお、上記cop101株にプラスミドp
COP1が導入されたサーマス・サーモフィラスCOP
101−P1は、茨城県つくば市東1丁目1番3号の工
業技術院微生物工業技術研究所に、平成4年6月10日
付で:微工研菌寄第12993号(FERM P-12993)として寄
託されている。
【0030】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1509 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:サーマス・サーモフィラス(Thermus thermoph
ilus) 株名:HB27 配列 AAGCTTTTGT ACATCTCTGC GGAGTGTAGC CGGGGCAAAA GTCCCCGAGG CCGCCTAGA 59 ATG AAA ATG CCC GCA AGT ATG GAG CCC GAC TGG AAA GCC CTC CTC CGC 107 Met Lys Met Pro Ala Ser Met Glu Pro Asp Trp Lys Ala Leu Leu Arg GTC CTC CGC GCC CAC TCC GCC ACC TTC TAC CTG GGA AGC CTC CTC TTC 155 Val Leu Arg Ala His Ser Ala Thr Phe Tyr Leu Gly Ser Leu Leu Phe CCC AAG GAG GCC CGC AAG GGG GCC TGG GCG GTC TAC GCC GCC TGC CGC 203 Pro Lys Glu Ala Arg Lys Gly Ala Trp Ala Val Tyr Ala Ala Cys Arg CTG GGG GAC GAG GCG GTG GAC GGG GAG GGC GGG GGC CCG GAG GCC CTC 251 Leu Gly Asp Glu Ala Val Asp Gly Glu Gly Gly Gly Pro Glu Ala Leu GAG GCC TGG TGG GCG GGG GTG GAG CGG GCC TAC CGG GGA AGG CCC CTC 299 Glu Ala Trp Trp Ala Gly Val Glu Arg Ala Tyr Arg Gly Arg Pro Leu GCC GAG TGG GAG AAG GGC CTC GCC TGG GCC CTG GAG CGC TGG GAC ATC 347 Ala Glu Trp Glu Lys Gly Leu Ala Trp Ala Leu Glu Arg Trp Asp Ile CCC TTT GAG GCC TTC CTC CAC ATG CGG GAG GGC TTC CTG ACC GAC CTC 395 Pro Phe Glu Ala Phe Leu His Met Arg Glu Gly Phe Leu Thr Asp Leu GGC CCC GTG CGG CTC GGG ACG GAG GCG GAG CTC CTC CGG TAC TGC TAC 443 Gly Pro Val Arg Leu Gly Thr Glu Ala Glu Leu Leu Arg Tyr Cys Tyr CAG GTG GCG GGC ACC GTG GGG CGG ATG ATG GCC CCC ATC GCC GGG GGC 491 Gln Val Ala Gly Thr Val Gly Arg Met Met Ala Pro Ile Ala Gly Gly GGC AAG GAG GCG GAA GCC CGG GCG GTG AAG CTG GGG CAG GCC ATG CAG 539 Gly Lys Glu Ala Glu Ala Arg Ala Val Lys Leu Gly Gln Ala Met Gln CTC ACC AAC ATC CTC CGG GAC GTG GGG GAG GAC CTG GAG CGG GAC CGG 587 Leu Thr Asn Ile Leu Arg Asp Val Gly Glu Asp Leu Glu Arg Asp Arg GTC TAC CTG CCC TTG GAC CTC CTC CGG GCC CAC GGG GTG GAG GTG GAG 635 Val Tyr Leu Pro Leu Asp Leu Leu Arg Ala His Gly Val Glu Val Glu GAC CTG CGG GCG GGG CGC GTC ACC CCA GGG TAC CGG GCC CTC ATG GCC 683 Asp Leu Arg Ala Gly Arg Val Thr Pro Gly Tyr Arg Ala Leu Met Ala CAC CTG GAG GGG AAG GCC CGG GCC CTT TAC CGG GAG GGG CTT GCG GGC 731 His Leu Glu Gly Lys Ala Arg Ala Leu Tyr Arg Glu Gly Leu Ala Gly CTA GGC CAC CTC AAG GTG GGC CGG GCG GCC ATC GCC CTT GCC GCC TTG 779 Leu Gly His Leu Lys Val Gly Arg Ala Ala Ile Ala Leu Ala Ala Leu CAG TAC CGG GGG ATC CTG GAC AAG CTC AGG CTT TCA GGC TAC GAC AAC 827 Gln Tyr Arg Gly Ile Leu Asp Lys Leu Arg Leu Ser Gly Tyr Asp Asn CTG GGA AGG CGG GCC CAC CTC AAG GCC TGG GAA CGG GCC CTC CTC CTC 875 Leu Gly Arg Arg Ala His Leu Lys Ala Trp Glu Arg Ala Leu Leu Leu CCA AGG CCT TCC TCG CCG CCC GCT TTC CCC CAA GGC CGG AGG GAA GCC 923 Pro Arg Pro Ser Ser Pro Pro Ala Phe Pro Gln Gly Arg Arg Glu Ala CCT GAT GGG CCC CCT TCT CGT CTG GCA CCG GGG CGA CCT CCG CCT CCA 971 Pro Asp Gly Pro Pro Ser Arg Leu Ala Pro Gly Arg Pro Pro Pro Pro CGA CCA CCC GGC CCT TCT GGA GGC CCT CGC CCG GGG GCC AGT GGT GGG 1019 Arg Pro Pro Gly Pro Ser Gly Gly Pro Arg Pro Gly Ala Ser Gly Gly CCT CGT GGT CCT GGA CCC CAA CAA CCT GAA GAC CAC CCC GAG GCG GCG 1067 Pro Arg Gly Pro Gly Pro Gln Gln Pro Glu Asp His Pro Glu Ala Ala GGC CTG GTT CCT GGA GAA CGT CCG GGC CCT GCG TGA 1103 Gly Leu Val Pro Gly Glu Arg Pro Gly Pro Ala GGCCTACCGG GCCCGGGGCG GAGCCCTTTG GGTCCTGGAG GGCCTCCCTT GGGAGAAGGT 1163 GCCCGAGGCG GCGAGGCGGC TTAAGGCCAA GGCCGTCTAC GCCCTCACGA GCTACACCCC 1223 CTACGGCCGC TACCGGGACG CGAAGGTGCA AGAGGCCCTC CCCGTGCCCC TCCACCTCCT 1283 CCCCGCCCCC CACCTCCTCC CCCCCGACCT CCCCCGGGCC TACCGGGTCT ACACCCCCTT 1343 CGCCCGGCGC TTCCTGGGGG TGGAAGCCCC CCTCCCCGCC CCCGAGGCCC TGCCCAAGGG 1403 GCCGGAGGAG GGGGAAATCC CCCGGGAAGA CCCGGGGCTT CCCCTCCCCG AGCCGGGGGA 1463 GGAGGCGGCC CTCGCGGGGC TTCGGGCCTT CCTCGAGGCC AAGCTT 1509
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカロテノイドの生合成を司る遺伝子を
含む大きさ約1.5kbpのDNA断片を示す説明図で
ある。
【図2】本発明のプラスミドpCOP1およびpCOP
2の調製方法を示す説明図である。
【図3】カロテノイド生産性変異株により生産されたカ
ロテノイドの薄層クロマトグラフィーパターンを示す図
である。
【図4】本発明のプラスミドpCOP1の制限酵素切断
点地図である。
【図5】本発明のプラスミドpCOP2の制限酵素切断
点地図である。
【図6】大きさ約1.5kbpの本発明のDNA断片の
塩基配列を決定する戦略図である。
【図7】生産されたカロテノイドの分子吸光パターンを
示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 15/31 C12R 1:01) (C12N 1/20 C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:01) (C12P 23/00 C12R 1:01)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマス(Thermus)属細菌に由来する
    カロテノイドの生合成を司る遺伝子を含むDNA断片。
  2. 【請求項2】 前記サーマス属細菌がサーマス・サーモ
    フィラス(Thermus thermophilus)HB27株もしくは
    その変異株である、請求項1に記載のDNA断片。
  3. 【請求項3】 前記DNA断片の大きさが1.5kbp
    である、請求項2に記載のDNA断片。
  4. 【請求項4】 下記の制限酵素により下記の如く認識お
    よび切断される、請求項2に記載のDNA断片: 制限酵素 認識部位数 断片長(bp) AccI 4 180、 400、610、130、170; StuI 3 350、 520、220、400; SacI 1 420、1080; KpnI 1 660、 840; BamHI 1 790、 710; AflI 1 1180、 320。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のDNA
    断片が導入され、サーマス(Thermus)属細菌内で複製
    増殖可能な、組換えプラスミド。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の組換えプラスミドによ
    り形質転換されたサーマス(Thermus)属細菌。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のサーマス(Thermus
    属細菌を培養し、その培養物中にカロテノイドを生成せ
    しめることを特徴とする、カロテノイドの製造方法。
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