JPH0698773A - プラズモジウム・ファルシパルムの抗原をコードするdna分子 - Google Patents

プラズモジウム・ファルシパルムの抗原をコードするdna分子

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JPH0698773A
JPH0698773A JP5150375A JP15037593A JPH0698773A JP H0698773 A JPH0698773 A JP H0698773A JP 5150375 A JP5150375 A JP 5150375A JP 15037593 A JP15037593 A JP 15037593A JP H0698773 A JPH0698773 A JP H0698773A
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resa
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dna molecule
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デビッド・ジェイムス・ケンプ
Robin Fredric Anders
ロビン・フレドリック・アンダース
Ross Leon Coppel
ロス・レオン・コッペル
Graham Vallancy Brown
グラハム・バレンシイ・ブラウン
Robert Bryce Saint
ロバート・ブライス・セント
Alan Frederic Cowman
アラン・フレドリック・カウマン
Albert E Bianco
アルバート・エドワード・ビアンコ
Graham Frank Mitchell
グラハム・フランク・ミッチェル
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Walter and Eliza Hall Institute of Medical Research
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 プラズモジウム・ファルシパルム(Plasmosiu
m falciparum)感染に対する防御免疫を付与するのに好
適な抗原性を有する合成ペプチドおよび合成ポリペプチ
ドをコードしているDNA分子、該DNAを含有してい
るベクター、および該ベクターを含有している宿主細胞
の提供。 【構成】 ファルシパルム点在性反復抗原(FIRA)
またはリング−感染赤血球表面抗原(RESA)をコー
ドしているDNA分子の塩基配列、発現コントロール配
列と機能的に結合しているヌクレオチド配列を含んでい
る組換えDNA分子および該ヌクレオチド配列および該
発現コントロール配列がバクテリオファージに挿入され
ている組換DNAクローニングビヒクルまたはベクタ
ー、これらを含有している宿主細胞。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、プラズモジウム・ファルシパル
ム(Plasmosium falciparum)感染に対する防御免疫を
付与するのに好適な抗原性を有する合成ペプチドおよび
合成ポリペプチドをコードしているDNA分子、該DN
Aを含有しているベクター、および該ベクターを含有し
ている宿主細胞に関する。
【0002】最も重篤な形のヒトマラリアを引き起こす
原生動物、プラズモジウム・ファルシパルムに対する免
疫は、長年の広範な暴露の後にのみ獲得される。ヒトで
の天然の免疫原として多数のP.ファルシパルム・ポリ
ペプチドがあるが、その内、どれだけのものが防御免疫
において重要性を有するかは、全く明らかでない。多く
の抗原がその様な役割を持たず、実際、それらは集団的
に免疫系に過剰に負荷されるので、その内のいくつか
は、反生産的(カウンタープロダクティブ)に作用して
いる可能性がある。多くのP.ファルシパルム抗原に株
特異性のあることが明らかにされており、異なる寄生虫
株間での抗原の多様性が免疫回避に一役を担っているの
かもしれない。
【0003】近年、分子クローニング技術によって、
P.ファルシパルムの各ポリペプチド抗原の分析が容易
になった(1)。ヒト抗体を用いて、クローンされた配
列を発現する大腸菌(Escherichia coli)コロニーを
スクリーニングすることにより、これらの抗原をコード
している多数のcDNAクローンが単離された。これら
のクローンの生産およびスクリーニングは、国際特許出
願No.PCT/AU84/00016の明細書に詳細
に記載されている。
【0004】その様な抗原の1つは未熟なリング段階
(環状体)のP.ファルシパルムに感染した赤血球表面
に存在しているので、リング−感染赤血球表面抗原(R
ESA)と称される。この暴露された部位により、これ
が免疫性攻撃における標的であると思われる。RESA
は、多くのプラズモジウム抗原に見出された構造上の特
異性、即ち、複数個のオリゴペプチドが直列に繰返し配
された配列(複数のタンデム反復配列)を有する(2〜
6)。
【0005】ハイブリダイゼーションおよび免疫螢光法
による研究の結果、パプア・ニューギニア(Papua Ne
w Guinea)単離体FC27由来のRESAは、ガーナ
(Ghana)由来のNF7株等、広範囲に及ぶP.ファル
シパルム単離体内に保持されていることが示された。そ
こで、異なるP.ファルシパルムの株から得られたRE
SAcDNAクローン相互の関係を、免疫学的方法並び
に配列決定法により研究した。パプア・ニューギニア産
のFC27株由来のRESAと反応する抗体がアフリカ
人患者の体内に存在しており、一方、NF7株由来のR
ESAと反応する抗体がパプア・ニューギニア人患者の
体内に存在していた。P.ファルシパルムのFC27株
およびNF7株から得たRESAの部分をコードしてい
る8個のcDNAクローンの完全なヌクレオチド配列か
ら、これら2株のRESAポリペプチドは緊密なホモロ
ーガス(同質)性を有しているとの結論を得た。これら
cDNAクローンの配列決定により、RESAポリペプ
チドに、タンデム配列反復に係る2個の別々のブロック
が同定された。反復ブロックの1つはFC27のRES
AのC末端に位置しており、4個の異なる、しかしなが
ら近縁の8、4、4および3個のアミノ酸の酸性配列を
含有している。約600塩基5'側には、これもまた酸
性アミノ酸に富む、近縁のアミノ酸をコードしている反
復配列の第2のブロックが存在している。配列の相関性
の一致に基づき、これら反復に係る2ブロックは、交差
反応性の抗原決定基(エピトープ)をコードしているこ
とが分った。
【0006】SDS−PAGEで分離した、同期増殖し
た寄生虫抗原のイムノブロットにより、RESAは成熟
トロホゾイト内で分子量(Mr)210,000のタン
パク質として合成され、リング期(環状体段階)の寄生
虫に感染した赤血球の膜と結合して見出される分子量1
55,000の形のものにプロセッシングされることが
示された。Mr210,000タンパク質は、幾つかの
抗−RESAモノクローナル抗体および抗−RESAペ
プチド抗体と反応しない、ということが最近になって発
見されたことから、Mr210,000タンパク質は、
Mr155,000RESA分子の前駆体でなく、交差
反応性の抗原であるとされている。
【0007】メロゾイト中のMr155,000ポリペ
プチドは非イオン性界面活性剤トリトンX−100に可
溶性であるが、リング−感染赤血球の膜を透過した後
は、かなり、トリトン−不溶性となる。この様に、RE
SAは赤血球細胞骨格と相互反応すると思われる。RE
SAが膜の脂質二分子層を透過するか否かは未だ不明で
あるが、本発明で決定されたRESA遺伝子の完全な配
列から重要な手がかりが得られるかもしれない。これに
より、RESAが、短い介在配列によって隔てられてい
る2個のエクソンを含んでいることが演繹的に示された
(図9)。エクソン1は、多くの生物における、分泌ペ
プチドのシグナルペプチドに典型的な疎水性配列で開始
されている。次いで、約36アミノ酸残基の親水性配
列、さらに、14残基の第2の疎水性の配列が続いてい
る。さらに202塩基下流には、16アミノ酸の非−荷
電配列で始まり、次いで、高度に荷電した領域が続く、
エクソン2がある。イントロンの排除によって生じる疎
水性配列は、通常、多くの真核性遺伝子における膜−ア
ンカーセグメントである。
【0008】以下に詳述する様に、本発明を完成するに
至った研究の結果、配列、ハイブリダイゼーション、お
よび免疫学的データーに基づき、RESAは、P.ファ
ルシパルムの大部分、またはすべての株に高度に保存さ
れていると思われる。さらに、RESAの反復性構造並
びにリング感染赤血球上の位置は、間接的な免疫螢光法
等によって検出するのに好適な高い感受性を有している
ので、様々な株間でRESAが免疫学的に類似している
ことは、RESAが免疫学的診断の目的に充分に適合し
得ることを意味する。
【0009】大腸菌内でのクローニングおよび発現の結
果検出されたもう一つの抗原は、ファルシパルム点在性
反復抗原[Falciparum Interspersed Repeat Antig
en(FIRA)]と命名された(6)。他の幾つかの反
復性抗原同様、FIRAは、高度に荷電された領域で両
側を囲まれた短い繰返し単位を含む構造単位を含有して
いる。しかしながら、FIRAではこの全構造単位自身
が、抗原内で数回、反復されている。
【0010】大腸菌内でFIRAを発現するcDNAク
ローンは、そのままのコロニー・アッセイにおいて、
P.ファルシパルムが風土病である地方の人の血清(〜
93%)と反応した。対応するcDNAクローンの固定
化リゼイト上、アフィニティ法で精製されたヒト抗体に
より、対応する寄生虫抗原は、Mr>300,000の
ポリペプチドであることが同定された。この抗原は、シ
ゾント、並びにリング段階のトロホゾイト中にも存在し
ており、これは斑点状の免疫螢光像によって、赤血球と
会合(密接)していることが示された。そのmRNAは
メロゾイト内で豊富化され、その特異的性質は、リング
−感染赤血球の表面に位置しているRESAと共通して
おり、数多くのアレル変異体と一緒に単一の遺伝子にコ
ードされている。cDNAクローンの完全なヌクレオチ
ド配列により、酸性および塩基性の両アミノ酸を含む高
度に荷電された領域によって両側面を囲まれたヘキサペ
プチドの13の反復を含む構造単位であることが判っ
た。この構造単位自身が繰返されるので、反復ブロッ
ク、並びに荷電単位が、分子に沿って点在することにな
る。反復内の配列は荷電単位内の配列よりもはるかに広
範囲に変動している。
【0011】染色体性FIRAクローンの配列から、F
IRA遺伝子がRESAと類似のやり方で組織されてい
ることが証明された(図22)。これは短かい5'エク
ソン、はるかに長い3'エクソン、並びに、それら2エ
クソンの間の境界領域の疎水性セグメントを含有してい
る。RESAと同様、FIRAにおける反復も3'エク
ソンのみに限られている。
【0012】本発明は、リング−感染赤血球表面抗原
(RESA)、ファルシパルム点在性反復抗原(FIR
A)、並びに、それらと交差反応性のP.ファルシパル
ムの他の抗原からなる群から選ばれるP.ファルシパル
ムの抗原をコードしている塩基配列の全て、または一部
と実質上対応しているヌクレオチド配列を含むDNA分
子を提供するものである。更に詳しくは、本発明は、図
1〜図8または図14〜図21に示されている塩基配列
の全てまたは一部を、少くともその一部として含有して
いることを特徴とするヌクレオチド配列を含むDNA分
子を提供するものである。その様なヌクレオチド配列
は、RESAまたはFIRAのアミノ酸配列の少くとも
一部を含むポリペプチドをコードしている。
【0013】上記の如く、さらには、図1〜図8および
図14〜図21にさらに詳しくされている様に、RES
AおよびFIRAのアミノ酸配列は、反復単位と、それ
と接する非−反復性のペプチド単位からなっている。従
って、上記の塩基配列は、1またはそれ以上のこれら反
復単位および/またはフランキング(接する)単位に対
応するポリペプチド、あるいは、それら反復単位および
/またはフランキング単位の組み合わせに対応するポリ
ペプチドをコードしている。
【0014】本発明はまた、RESA抗原、FIRA抗
原、およびそれらと交差反応性のP.ファルシパルム抗
原からなる群から選択される抗原全体、または一部の抗
原性を表わす合成ペプチドあるいは合成ポリペプチド、
並びに、これら合成ペプチドまたは合成ポリペプチドの
少くとも1種と、薬学的に許容し得る担体とを含有して
なる、哺乳類においてP.ファルシパルムに対する免疫
応答を刺激するための組成物をも提供するものである。
本発明のかかる合成ペプチドまたは合成ポリペプチド
は、広範囲にわたって上に述べたヌクレオチド配列を含
有している、発現コントロール配列と機能的(操作可
能)に結合している組換えDNA分子、あるいはその様
な組換えDNA分子を含有している組換えDNAクロー
ニングビヒクル、またはベクターを含む宿主細胞内で発
現させることにより調製される。この様にして発現した
合成ペプチドまたは合成ポリペプチドは、RESAまた
はFIRA、または他の交差反応性の抗原の全てまたは
一部の抗原性を表わす部分と、組換えDNA分子に融合
しているDNAによってコードされている付加的なポリ
ペプチドからなる融合ポリペプチドであっても良い。別
法として、この合成ペプチドまたはポリペプチドは、メ
リフィールド(Merrifield)固相合成法等の周知の化
学的手段により、製造することもできる。
【0015】本発明の詳細は、以下の記載、並びに添付
の図面により、さらに明らかとなるであろう。
【0016】図1〜図8はRESAのヌクレオチド配列
および予測されるアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド配
列はジデオキシ法によって決定された(8)。
【0017】図9は図1〜図8の配列から推定されるR
ESA遺伝子の構造を示す。5'および3'エクソンが示
されている。
【0018】図10中、Aは電気泳動試料緩衝液中で溶
解し、抗−RESA抗体でプローブして得た、P.ファ
ルシパルムの2個の単離体の同時培養物に関するウエス
タンブロットを示す。BおよびCは、アフィニティ法で
精製したRESAに対するヒト抗体を用いて得た、P.
ファルシパルムの、(1)リング段階、(2)成熟トロ
ホゾイト、(3)シゾント、および(4)メロゾイトに
関するウエスタンブロットを示す。(B)における抗原
はトリトンX−100で抽出された。(C)における抗
原はトリトンX−100に不溶性であるが電気泳動試料
緩衝液には可溶性であった。放射性活性マーカーはアマ
ーシャム、インターナト(Amersham Internat.)、
バッキンガムシェア(Buckinghamshire)(英国)から
入手した。これは、ミオシン(200キロダルトン、K
dalton)、ホスホリラーゼ−b(93キロダルトン)、
およびウシ血清アルブミン(69キロダルトン)を表わ
す。
【0019】図11は、ウサギ抗−RESAとプロテイ
ンA金を用いて検出した、シゾント内でのミロゾイト形
成期における、短糸を持つと思われる低密度小胞内のR
ESAの位置(→)を示す免疫電子顕微鏡写真である。
ロプトリエス(rhoptries)(R)は標識されていな
い。(X41,700;挿入X73,000)。
【0020】図12は、ウサギ抗−RESAと反応した
リング−感染赤血球の切片の電子顕微鏡写真である。非
感染赤血球の一部も示されている。
【0021】図13は、キモトリプシン(20μg/m
l)で消化したリング段階感染赤血球のウエスタンブロ
ットであって、(1)は0分、(2)は20分、(3)
は60分の消化に付されたものを表わす。酵素消化の
後、無傷の赤血球を洗浄し、電気泳動試料緩衝液に溶解
し、10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にか
け、ニトロセルロース上に電気泳動的に移行させた。次
いで、ニトロセルロースフィルターを希釈率1:500
のウサギ抗−RESAでプローブした。分子量はキロダ
ルトンで示されており、RESA(155Kd)、β−
ガラクトシダーゼ(116Kd)そしてホスホリラーゼ
−b(93Kd)に対応する。
【0022】図14〜図21は、FIRA遺伝子のヌク
レオチド配列および推定のアミノ酸配列を示す。ヌクレ
オチド配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブ
ラリイを組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)さ
せたEcoRIリンカーが存在していないので、この配
列の3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【0023】図22は図14〜図21の配列から推定さ
れるFIRA遺伝子の構造を示す。
【0024】図23はマラリアにさらされた人から得た
血清プールのアフィニティ精製により得たヒト抗体を用
いた、イムノアッセイ(AおよびB)、並びにウエスタ
ン・ブロット法(CおよびD)の結果を示す。Aおよび
Cにおける抗体はFIRA−セファロース吸収剤を用い
て精製され、他方、BおよびDにおける抗体はλamp3
−セファロース吸収剤を用いて精製された。CおよびD
におけるP.ファルシパルム単離体は、1、パプア・ニ
ューギニア起源のFC27;2、タイランド起源のK
1;および3、ガーナ由来のNF7であった。
【0025】図24は、純化した融合ポリペプチド(2
μg/ml)で被覆したマイクロタイタープレートを用い
た固相ELISA法により、アフィニティ精製されたF
IRA抗体を検定した結果を示している。図中、○はF
IRA・フラグメント、□はRESAによる5'反復、
△'はRESAの3'反復に相当する。
【0026】発明の詳しい記述 原料および方法 P.ファルシパルム単離体 FCQ27/PNG(FC27)、IMR143/PN
G(IMR143)、IMR144/PNG(IMR1
44)およびMAD71/PNG(MAD71)の各単
離体は、パプア・ニューギニアの医学研究所(Institu
te of MedicalRsearch)の協力により得られた。ガー
ナ起源のNF7およびタイランド起源のK1は、ウォー
リカー氏(D.Walliker、エジンバラ大学)から提供
された。
【0027】コロニーイムノアッセイ 一連の起源−陽性コロニーのレプリカを30℃で一夜増
殖させ、38℃で誘導し、溶離した(7)。抗−大腸菌
反応性を除くために血清を吸収させ、3%ウシ血清アル
ブミンで、pH9.6において1/500に希釈し、最
終的に、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphyloc
occus aureus)由来の125IプロテインAと一緒にイン
キュベートし、一夜、オートラジオグラフした(7)。
【0028】血清 血清は、パプア・ニューギニア、マダン(Madang)の
住民の同意の下に入手した。一般的な調査過程では、急
性マラリア症状を示している人が幾人かいる外は、無症
候性の寄生虫血症であることが分った。寄生虫血症患者
を、クロロキンで治療した。子供から標本を得る際に
は、事前に親の承諾を得た。
【0029】ハイブリダイゼーション ファージDNAをCsCl−平衡密度遠心にかけて精製
し、EcoRI消化に付し、1%低融点アガロースゲル
でサイズ分画化した後、フェノール抽出し、ニック−ト
ランスレーションにより標識した。1mlの0.75M N
aCl/0.75Mクエン酸ナトリウム/50%ホルムア
ミド/(50μg/ml)の鮭精子DNA/(10μg/m
l)のポリ(C)/0.02%フィコール(Ficoll)/
0.02%のポリビニルピロリドン/0.02%BSA中
の標識化挿入体3ml(3×105cpm)を、一連の抗原−
陽性クローンとハイブリダイズさせた。挿入体をpUc
−9中にサブクローンし(9)、精製した後、上記の如
くニックトランスレートし、サザーン・ブロット実験に
用いた。
【0030】クローンした染色体セグメントの単離およ
び配列決定 λgt10ライブラリイから染色体性RESAクローンを
単離し、EcoR1挿入体をpUC8にサブクローンさ
せた。EcoR1挿入体のRsaI、AhaIIIおよ
びSspIフラグメントをM13mp18およびmp1
9ベクターにサブクローンし、ジデオキシ法によって配
列決定した(8)。合成プライマーをも用いた。結果を
スタデン(Staden)のプログラムに従って処理した
(10)。示された配列は、3.5kb染色体のEcoR
Iフラグメントが、そのEcoRI部位において、cD
NAクローンAg46のEcoRI部位に結合している
配列からなっていた。
【0031】初めに、染色体FIRAクローンをλgt1
0中の6kb AhaIIIフラグメントとして同定し
た。このAhaIIIフラグメントをpUC8にサブク
ローンした。次いで、PvuIIおよびRsaIフラグ
メントをM13mp8およびM13mp9ベクターにサ
ブクローンし、ジデオキシ法で配列決定した。
【0032】抗−RESAおよび抗−FIRA抗体のア
フィニティ精製 記述の如くにしてAg28、Ag231およびλamp3
各クローンの誘導培養(50ml)を調製した(5およ
び6)。ペレット化された細菌を、100mMりん酸ナ
トリウム緩衝液、pH6.8/10mMジチオトレイト
ール中で音波処理した後、1%NaDodSO4を加えて室
温で混合した。可溶性の細菌タンパク質をセファデック
スG−10に通すことにより、100mMりん酸ナトリ
ウム、pH6.8/1mMジチオトレイトール/0.1%
NaDodSO4で平衡化し、製造業者の指示に従って室温
でCNBr活性化セファロース(ファーマシア、スエー
デン)とコンジュゲート(複合体形成)させた。
【0033】パプア・ニューギニアの住民から得たヒト
血清のプールを、遠心して等容量のりん酸緩衝化食塩水
(Pi/NaCl)で希釈し、λamp 3−セファロース吸
収剤に予備吸収させた後、Ag28またはAg231吸
収剤上を通過させることにより、清澄化した。非特異的
な結合タンパク質を、100mMホウ酸ナトリウム/5
00mM NaCl/0.05% Tween20、pH8.5で
洗浄し、次いで、Pi/NaClで洗浄する洗浄サイクル
を繰返し行うことにより、除去した。結合した抗体を1
00mMグリシン/150mM NaCl、pH2.6で溶
離し、直ちに、2Mトリス:HCl、pH8.0でpH
7.0に調節した。
【0034】ウエスタン・ブロット P.ファルシパルムのタンパク抽出物を調製し、7.5
%ポリアクリルアミド/NaDodSO4ゲルにより分画化
した。ゲルから得たタンパク質をニトロセルロース上に
電気泳動的に移行させ、Pi/NaCl中、5%脱脂粉乳
中でインキュベートした後、アフィニティ精製したヒト
抗体と反応させた。フイルターを125I−標識プロテ
インAとインキュベートし、オートラジオグラフィーに
かけた。
【0035】免疫電子顕微鏡写真 Ag28およびAg231免疫吸収剤を用いてアフィニ
ティ精製したヒト抗体、あるいは、Ag28によって精
製された融合ポリペプチドに対して惹起されたウサギ抗
血清を用い、プロテインA−金法によって免疫電子顕微
鏡写真を撮った。免疫電子顕微鏡写真用の標本を0.2
5%グルタルアルデヒドで固定化し(25℃で10分
間)、0.1Mりん酸緩衝液、pH7.4中50mM N
4Clで希釈した後、調製したばかりのりん酸緩衝液中
50mM NH4Clに入れ、30分間放置した。次いで
細胞をりん酸緩衝液で2回洗浄し、70%エタノールで
脱水した後、L.R.ホワイト(White)樹脂、ハード
・ブレード[ロンドン・レジン(London Resin)C
o.Ltd.、ベイシングストーク(Basingstoke)、イ
ングランド]中に入れた。切片を、0.25%Tween2
0含有0.05Mホスフェート、pH7.4(PO4:Tw
een)中、1%ウシアルブミンまたは卵アルブミン中で
5分間インキュベートした後、PO4:Tween中、ウサ
ギ抗−RESA抗血清(希釈率1/100)またはアフ
ィニティ−精製ヒト抗−RESA抗体、1滴の上に30
〜60分間、室温下で移行させた。PO4:Tweenで洗
浄した後、切片を、PO4:Tweenで1/10に希釈し
たプロテインA−金[E−Yラボラトリイズ(Laborat
ories)Inc.]に、30〜60分間、移行させた。さ
らに洗浄した後、切片を酢酸ウラニル水溶液で染色し
た。単離したメロゾイトを、4℃において0.25%グ
ルタルアルデヒド中で10分間固定化させた後、感染細
胞と同様に処理した。
【0036】結果−RESA FC27からのRESAクローンの単離 RESAcDNAクローンの調製は、国際特許出願N
o.PCT/AU84/00016の実施例に詳しく記
載されており、本明細書ではそれを引用する。
【0037】RESAポリペプチドの同定 RESAポリペプチドに対して特異的なヒト抗体をアフ
ィニティクロマトグラフィーで精製した。ウエスタンブ
ロットによると、抗体はMr.155,000に優勢な
バンドを示して反応したが、幾つかの実験例では、接近
して移動する二重線(ダブレット)に分割されていた。
抗−RESA抗体と反応する、より分子量の大きいポリ
ペプチドは、単離体が異ることによりサイズが変化し
(図10A)、単離耐FC27の場合にはMr.21
0,000であった。さらに、幾つかの抗原製品におい
ては、より低分子量のポリペプチド(Mr.80,00
0)も検出された(図10A)。Mr.210,000
ポリペプチドはシゾントに最も豊富であった(図10
B)。逆に、Mr.15,000抗原は、メロゾイト、
環状体およびトロホゾイトに多く、シゾント内には少量
であった(図10BおよびC)。
【0038】RESAと赤血球膜との相互反応性を調べ
るために洗浄剤(デタージェント、界面活性剤)対する
RESAの溶解性を測定した。Mr210,000ポリ
ペプチドは非イオン性洗浄剤のTritonX−100溶液
に可溶性であり、メロゾイト中に存在しているMr15
5,000ポリペプチドの大部分も同様であった(図1
0B)。これに対して、リング段階、並びに他の生活環
におけるMr155,000高原はTritonX−100に
不溶性であったが、SDSおよび2−メルカプトエタノ
ールを含んだ電気泳動試料緩衝液には可溶であった(図
10、BおよびC)。
【0039】同じイムノブロットをAg28融合ポリペ
プチドに対して惹起されたモノクローナル抗体、または
RESA合成ペプチドに対して惹起されたマウスの抗血
清でプローブすると、Mr.210,000ペプチドは
検出されなかったが、Mr.155,000ポリペプチ
ドは強いシグナルを示した。従って、Mr.210,0
00ポリペプチドは、RESAの最初の翻訳産物ではな
く、RESAと交差反応し得る、別の遺伝子産物である
と思われる。
【0040】パプア・ニューギニア株由来のRESAと
反応する、アフリカ住民患者中の抗−RESA抗体 大腸菌内で発現されたRESA融合ポリペプチドに対す
るマウスの抗体に関する前記の研究により、これは、様
々な地域から得たP.ファルシパルムの全株と交差反応
することが証明された。これらのRESAcDNAクロ
ーンは、パプア・ニューギニア由来の血清との反応性に
基づいて単離されたP.ファルシパルムにさらされたヒ
トにおいても、広範囲に及ぶ様々な地域のRESAと交
差反応し得る等価の抗体が惹起されるか否かを決定する
ために、パプア・ニューギニア株FC27から得た、R
ESAの一部を発現する多くのcDNAクローンに対
し、アフリカ人の血清を試験した。133の個別に単離
された抗原陽性クローン(内16はRESAをコードし
ている)の配列と血清とを、既述の、自体そのままのイ
ムノアッセイ法によって反応させた(7)。アフリカ人
の血清は両方ともRESAcDNAクローンと反応し
た。反応の程度は多数のPNG血清と良く匹敵してい
た。しかしながら、反応の程度は、PNG血清の差異に
より、かなり変化するという点が重要である。アフリカ
人血清は、大部分がヘキサペプチド配列の様々な反復か
らなっているFIRAをコードしているcDNAクロー
ン等の、他の様々なcDNAクローンとも反応した。こ
れに対し、FC27の株−特異的S−抗原をコードして
いるcDNAクローンとは反応しなかった。従って、地
理的に異なった地域からのRESAポリペプチドは、人
間にとって天然の免疫原である非−反応性エピトープを
共有していると思われる。
【0041】RESAの抗原決定基 これまで免疫学的に研究されたRESAcDNA発現ク
ローンは全て、5'末端で内因性EcoR1部位と接し
ていた。この部位の5'に何らかの抗原決定基が存在す
るか否かを調べるために、NF7AG13から得た大き
いEcoR1フラグメントをpUC9にサブクローン
し、音波処理して無作為にフラグメント(断片)化し、
生じたフラグメントをλAmp3に再クローンした。この
フラグメントの規定された領域を発現するクローンを同
定するために、得られたクローンを3個の異る制限フラ
グメント、即ち、反復の5'側に位置するフラグメン
ト、反復を含有するフラグメント、並びに反復の3'側
のフラグメントの各々を用いたハイブリダイゼーション
によりスクリーニングした。次に、選択したクローン
が、大きい融合ポリペプチド、即ち、細胞から得た全抽
出物をポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、ク
ーマッシー(Coomassie)ブルー染色により検出可能な
ポリペプチドを発現するかどうかを調べた。配列の正し
いフレームを除く全ての配列には複数個の終止コドンが
存在しているので、その様な発現されたクローンは、既
に抗体結合に関して分析されたあらゆるフラグメントの
5'側にあるRESAのフラグメントであると結論し得
る。
【0042】次いで、5'反復を発現するクローンを、
P.ファルシパルムにさらされた病歴を有するPNG患
者の血清を用い、そのままのコロニー・イムノアッセイ
に付した。5'反復を含んでいる幾つかのクローンが血
清と反応した。5'RESA反復にも、3'反復と同様
に、ヒトでの天然の免疫原である抗原決定基が含まれて
いるとの結論に達した。
【0043】RESAのエクソン1中の残基17から5
2までの配列に相当する36アミノ酸ペプチド(図1〜
図8)を合成し、マラリアにさらされた人での、RES
A該領域に関する抗体を試験するのに用いた。固相ラジ
オイムノアッセイによって測定したところ、幾人かは、
このペプチドに対する著しい抗体レベルを示した。従っ
て、RESAのエクソン1には、天然の免疫原性エピト
ープが存在しており、これは、非反復性配列によってコ
ードされていると思われる。
【0044】RESA配列の免疫原性 RESAの3'および5'反復を発現するクローンからR
ESA/β−ガラクトシダーゼ融合ポリペプチドを単離
した。これらのタンパク質の免疫原性を、抗原0.25
〜0.5mgと完全フロインド・アジュバントとを用いて
ウサギを免疫することにより、試験した。4〜6週間後
に、不完全アジュバント中に入れた同量の抗原を、ウサ
ギにブースター投与した。どの場合においても、インビ
トロで増殖しているP.ファルシパルム中で発現された
RESA分子と反応する抗体が惹起されていた。
【0045】キーホール・リンペット・ヘモシアニン
(Keyhole Limpet Haemocyanin)とコンジュゲート
した3種のRESA合成ペプチド(表1)を用いてウサ
ギを免疫し、得られた抗血清を、ウシアルブミンとコン
ジュゲートさせたこれら3ペプチドの各々、並びにRE
SAの3'および5'反復および感染した赤血球の音波処
理物に対応する融合ポリペプチド、に対して調べた。こ
れらのペプチドで免疫されたマウスは全て、その配列を
含んでいるホモローガスなペプチドおよび融合ポリペプ
チドと反応し得る抗体を産生していた。更に、ペプチド
RESA3'−2(EENV×5)は、他の3'反復ペプ
チド、RESA3'−1(EENVEHDA)(これは
通常アミノ酸5個の配列を有する)と反応する抗体をも
惹起した。しかしながら、その逆は成立せず、抗RES
A3'−1抗体はRESA3'−2と反応しなかった。
【0046】これらの抗−ペプチド抗血清をペプチド−
BSAコンジュゲートについて検定したところ、RES
Aの5'および3'反復間には見掛け上、交差反応性を認
めなかった。しかし、同じ血清を融合ポリペプチド上で
検定したところ、このペプチドは、両反復構造と反応す
る抗体を惹起することが判った。しかし、ホモローガス
な反復との反応に比べて、ヘテロローガスな反復との反
応は極めて弱かった。
【0047】この抗−ペプチド抗血清を、感染赤血球の
ウエスタンブロットにおけるプローブとして用いた。全
ての抗血清がMr155,000RESAポリペプチド
と特異的に反応した。
【0048】
【表1】 RESAに於ける反復に対応する配列および合成ペプチド RESA 反 復 配 列 合 成 ペ プ チ ド 類 *の領域 3'反復 EENVEHDA(5)+ RESA3'−1EENVEHDA EENA(1) EENV(29) RESA3'−2(EENV)nn〜4 EE−V(4) EEYD(3) 5'反復 −EENEEEHTV−(1) DDEHVEEHT−A(1) DDEHVEEPTVA(2) RESA5'-1DDEHVEEPTVAY −DEHVEEPTVA(1) −EEHVEEPTVA(1) −EEHVEEP−−A(1) *ペプチドの合成は、5'−1ペプチドを、アサートン
(Atherton)ら(11)による、キーセルガー(Kies
elguhr)KA樹脂を支持体とするFMOC固相合成法に
よって合成したことを除き、メリフィールドの固相法に
従って行った。+括弧内の数字は、反復ブロック内に各
配列が現われる回数を示す。
【0049】RESAの位置 RESAは免疫電子顕微鏡写真により、リング段階の寄
生虫に感染した赤血球の膜上に検出されたが、赤血球内
の未成熟な寄生虫には随伴していなかった(図12)。
一方、成熟寄生虫を含有している赤血球膜は標識されな
かったのに対し、寄生虫の細胞質内の短糸を有すると思
われる高電子密度のオルガネラには金粒子が付随してい
た(図11)。S抗原に対する対照抗体は赤血球膜上の
メロゾイトと反応しなかった。
【0050】メロゾイトの標識化は明らかに内部で行わ
れており、メロゾイト表面の特異的な標識化を示唆する
ものはない。標識化は核から離れた集合体中、並びに、
時にはロプトリイ(rhoptry)上で起きる。他のメロゾ
イトにおいては、金粒子はさらに拡散されていたが、粒
子不含のロプトリイ付近に存在していた。同様の金の分
布は、アフィニティ精製ヒト抗体、並びにクローンされ
た抗原に対して惹起されたウサギ抗体の両方に関しても
観察されたが、アフィニティ精製ヒト抗体においてはよ
り高いバックグラウンド標識化が明らかであった。標識
化に関して観察される型(パターン)に特異性のあるこ
とが、他のクローンされたP.ファルシパルム抗原
(例、S抗原)に対するアフィニティ精製ヒト抗体また
はウサギ抗血清について同じ方法を採用しても、ラベリ
ング(標識化)の方が異なっていたり、標識されなかっ
たりすることから、証明された。
【0051】さらに、RESAの位置を、タンパク分解
的酵素の攻撃における接近可能性に基いて検討した。無
傷の、リング段階の寄生虫に感染した赤血球(約5%寄
生虫血症)をキモトリプシンまたはトリプシンで処理す
ると、Mr155,000ポリペプチドは限られた数の
部位で開裂され、2個の主フラグメントが生成する。こ
れらは抗RESA抗体と反応した無傷の分子の様である
(図13)。この結果は、RESA分子の少くとも一部
が、リング−感染血球の外面に露出していることを示し
ている。
【0052】インビトロでの寄生虫の発育阻止 P.ファルシパルムの同期培養物を、アフィニティ精製
ヒト抗−RESA抗体の存在下、48時間培養した。阻
害の程度は、通常、対照との比較において20〜40%
阻害の範囲で変化した。
【0053】結果−FIRA FIRAを発現するcDNAクローン FIRAcDNAクローンは、様々な臨床状況にある6
5人から得た100以上のPNG血清の組の95%と反
応した。多くの血清は他のクローンとも強く反応するで
あろうが、これらは、血清の大部分と強力に反応した。
【0054】FIRAは単一の多形性遺伝子によってコ
ードされている 5種のP.ファルシパルム単離体(パプア・ニューギニ
ア起源のFC27、IMR143、IMR144および
MAD71、並びにガーナ起源のNF7)由来の染色体
DNAをEcoRI、AhaIIIおよびRsaIで制
限消化し、サザーン・ブロッティング法で分析した。各
単離体において、単一の非常に大きい(>20kb)Ec
oRIフラグメントがハイブリダイズした(データーは
示されていない)。AhaIIIおよびRsaI消化物
中では、様々なサイズの、より小さい単一フラグメント
がハイブリダイズした。このことから、FIRA遺伝子
は多形性であり、調査した全ての単離体中に存在してい
ることが明らかになった。様々なサイズのフラグメント
は、異ったFIRA遺伝子のアレルを示している様に思
われる。僅か5個の異る単離体から少くとも3個の異っ
たアレルが検出されたことから、全アレル数は非常に大
きくなると予想される。各単離体中の単一のフラグメン
トの大きさは、血中段階のプラズモジウムの一倍性ゲノ
ムと一致している。
【0055】FIRAポリペプチドの同定 FIRAポリペプチド(図23)に対して特異的なヒト
抗体を、アフィニティクロマトグラフィーで精製した。
ウエスタンブロット法において、この抗体は、各単離体
中に含まれている見掛け上極めて大きいP.ファルシパ
ルムのポリペプチド(見掛けの分子量>300,00
0)と強く反応した(図23C)。この極端な領域には
正確なサイズマーカーがないが、FIRAの易動度はF
C27のMr200,000S抗原よりもかなり低かっ
た。DNAフラグメントの大きさの僅かな違いに関連し
ていると思われたFIRAポリペプチドの大きさにおけ
る単離体間の差異は検出されなかった(図23C)。抗
体は、Mr>300,000分子のタンパク分解的開裂
産物と思われる多くの小さいポリペプチドとも、弱く様
々に反応した(図23C)。ベクター吸収剤上の同じ血
清から精製した対照抗体は反応しなかった(図23
D)。さらに、他の抗原陽性クローンからの吸収剤上の
同じ血清から精製した抗体は、Mr>300,000ポ
リペプチド以外のポリペプチドと特異的に反応した(デ
ーターは記載せず)。結論として、FIRAは被検P.
ファルシパルム各単離体中に発現される非常に大きいポ
リペプチドであり、FC27によって発現されたFIR
Aのアレルに対する抗体とK1.およびNF7によって
発現されたアレルとが交差反応するといえる。
【0056】FIRAおよびそのmRNAの位置および
段階特異性 アフィニティ精製ヒト抗体並びにクローンAg231ま
たはAg231科の一員によって免疫されたマウスの血
清は、成熟寄生虫(色素含有)、並びに未成熟な(環状
体、リング型の)寄生虫を含む細胞と反応した。リング
感染細胞上の螢光は不均一であり、寄生虫の限界を越え
て分布している様であった。従って、抗体と、固定化さ
れていない寄生虫処理細胞とを懸濁液中で反応させた場
合、あるいは、軽くグルタルアルデヒドで固定化し、風
乾した寄生虫処理赤血球の単一層とを反応させた場合に
は、赤血球表面で染色されて検出されることはないが、
FIRAは寄生虫の外方に出ていると思われる(1
2)。
【0057】この様に、FIRAの段階特異性は何故か
RESAと類似している(2)。高度に精製されたメロ
ゾイトのmRNAから調製したcDNAと、配列した1
33コロニーとのハイブリダイゼーションにより、さら
に、RESAとの類似性が明らかになった。Ag231
科の全メンバーがメロゾイトcDNAとハイブリダイズ
した。顕著な点として、この配列中の他のクローンのみ
が、あるいは、78抗原陽性クローンに関する別個の配
列中のクローンのみが、RESAをコードしているメロ
ゾイトcDNAとハイブリダイズした(2,13)。従
って、FIRAのmRNAおよびRESAのmRNA
は、それらが、メロゾイト期においては極めて豊富化さ
れるP.ファルシパルム抗原のmRNAの間では一般的
ではないといえる。
【0058】FIRA配列 AhaIIIフラグメントを包含している染色体クロー
ンをλgt10にクローンしてAg231.5と命名し、
その完全な配列決定を行った。この遺伝子は介在配列を
含有しており、全構造は著しくRESAと似通ってい
る。エクソン1はシグナルペプチドかもしれない(それ
は極めて短かいが)セグメント、次いで親水性アミノ
酸、さらに32の非荷電アミノ酸から成っている。介在
配列は、この比較的疎水性のセグメントと直接、隣接し
て存在している。残余配列は反復性配列と、内部に点在
している非反復性配列とのブロックで構成されている。
全ての場合、反復性配列は13のヘキサマーのグループ
として示されたが、これらの5'グループの大部分に
は、非−反復性配列が点在していない。即ち、39ヘキ
サマーのブロックが存在する。3'末端の欠失によって
リンカー−Aha結合が変化したと思われるので、3'
末端の構造は不確実である。
【0059】反復配列間の交差反応 Ag231.6(FIRA)上でアフィラティ精製した
ヒト抗体は、ELISAにおいて、Ag231.6上に
極めて強いシグナルを示し、弱いが極めて明確なシグナ
ルをAg13.1.7.5(RESA5'反復)上に示した
が、Ag13(RESA3'反復)上には何らのシグナ
ルをも示さなかった(図24)。この交差反応は、さも
なくば別々の抗原における反復配列相互の類似性(ホモ
ロジイ)と一致している。
【0060】組換えDNA分子、組換えDNAクローニ
ングビヒクルおよびベクターの調製、宿主細胞−クロー
ニングビヒクルの組合わせ、並びに宿主細胞によるポリ
ペプチドの発現は、国際特許出願No.PCT/AU8
4/00016の明細書に記載されている。この明細書
ではまた、この様にして発現されたDNA分子およびポ
リペプチドの血清学的診断、並びにプラズモジアに対す
る防御免疫を刺激するための単価または多価ワクチンの
製造における使用法についても詳しく記述されている。
これらの記述は本発明にも等しく適用し得るものであ
り、ここにそれらを引用する。
【0061】引用文献 1.ケンプ(Kemp,D.J.),コペル(Coppel,
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【図面の簡単な説明】
【図1】 RESAのヌクレオチド配列および予測され
るアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド配列
はジデオキシ法によって決定された(8)。
【図2】 RESAのヌクレオチド配列および予測され
るアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド配列
はジデオキシ法によって決定された(8)。
【図3】 RESAのヌクレオチド配列および予測され
るアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド配列
はジデオキシ法によって決定された(8)。
【図4】 RESAのヌクレオチド配列および予測され
るアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド配列
はジデオキシ法によって決定された(8)。
【図5】 RESAのヌクレオチド配列および予測され
るアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド配列
はジデオキシ法によって決定された(8)。
【図6】 RESAのヌクレオチド配列および予測され
るアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド配列
はジデオキシ法によって決定された(8)。
【図7】 RESAのヌクレオチド配列および予測され
るアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド配列
はジデオキシ法によって決定された(8)。
【図8】 RESAのヌクレオチド配列および予測され
るアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド配列
はジデオキシ法によって決定された(8)。
【図9】 図1〜図8の配列から推定されるRESA遺
伝子の構造を示す模式図。5'および3'エクソンが示さ
れている。
【図10】 Aは電気泳動試料緩衝液中で溶解し、抗−
RESA抗体でプローブして得た、P.ファルシパルム
の2個の単離体の同時培養物に関するウエスタンブロッ
トを示す。BおよびCは、アフィニティ法で精製したR
ESAに対するヒト抗体を用いて得た、P.ファルシパ
ルムの、(1)リング段階、(2)成熟トロホゾイト、
(3)シゾント、および(4)メロゾイトに関するウエ
スタンブロットを示す模写図。(B)における抗原はト
リトンX−100で抽出された。(C)における抗原は
トリトンX−100に不溶性であるが電気泳動試料緩衝
液には可溶性であった。放射性活性マーカーはアマーシ
ャム、インターナト(Amersham Internat.)、バッ
キンガムシェア(Buckinghamshire)(英国)から入手
した。これは、ミオシン(200キロダルトン、Kdalt
on)、ホスホリラーゼ−b(93キロダルトン)、およ
びウシ血清アルブミン(69キロダルトン)を表わす。
【図11】 ウサギ抗−RESAとプロテインA金を用
いて検出した、シゾント内でのミロゾイト形成期におけ
る、短糸を持つと思われる低密度小胞内のRESAの位
置(→)を示す免疫電子顕微鏡写真の模写図である。ロ
プトリエス(rhoptries)(R)は標識されていない。
(X41,700;挿入X73,000)。
【図12】 ウサギ抗−RESAと反応したリング−感
染赤血球の切片の電子顕微鏡写真の模写図である。非感
染赤血球の一部も示されている。
【図13】 キモトリプシン(20μg/ml)で消化し
たリング段階感染赤血球のウエスタンブロットの模式図
であって、(1)は0分、(2)は20分、(3)は6
0分の消化に付されたものを表わす。酵素消化の後、無
傷の赤血球を洗浄し、電気泳動試料緩衝液に溶解し、1
0%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、ニ
トロセルロース上に電気泳動的に移行させた。次いで、
ニトロセルロースフィルターを希釈率1:500のウサ
ギ抗−RESAでプローブした。分子量はキロダルトン
で示されており、RESA(155Kd)、β−ガラク
トシダーゼ(116Kd)そしてホスホリラーゼ−b
(93Kd)に対応する。
【図14】 FIRA遺伝子のヌクレオチド配列および
推定のアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド
配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブラリイ
を組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)させたE
coRIリンカーが存在していないので、この配列の
3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【図15】 FIRA遺伝子のヌクレオチド配列および
推定のアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド
配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブラリイ
を組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)させたE
coRIリンカーが存在していないので、この配列の
3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【図16】 FIRA遺伝子のヌクレオチド配列および
推定のアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド
配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブラリイ
を組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)させたE
coRIリンカーが存在していないので、この配列の
3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【図17】 FIRA遺伝子のヌクレオチド配列および
推定のアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド
配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブラリイ
を組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)させたE
coRIリンカーが存在していないので、この配列の
3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【図18】 FIRA遺伝子のヌクレオチド配列および
推定のアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド
配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブラリイ
を組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)させたE
coRIリンカーが存在していないので、この配列の
3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【図19】 FIRA遺伝子のヌクレオチド配列および
推定のアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド
配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブラリイ
を組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)させたE
coRIリンカーが存在していないので、この配列の
3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【図20】 FIRA遺伝子のヌクレオチド配列および
推定のアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド
配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブラリイ
を組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)させたE
coRIリンカーが存在していないので、この配列の
3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【図21】 FIRA遺伝子のヌクレオチド配列および
推定のアミノ酸配列の1部を示す配列図。ヌクレオチド
配列はジデオキシ法で決定された(8)。ライブラリイ
を組立てる際に3'末端に結合(ライゲート)させたE
coRIリンカーが存在していないので、この配列の
3'末端は不完全である(おそらく欠失による)。
【図22】 図14〜21の配列から推定されるFIR
A遺伝子の構造を示す模式図。
【図23】 マラリアにさらされた人から得た血清プー
ルのアフィニティ精製により得たヒト抗体を用いた、イ
ムノアッセイ(AおよびB)、並びにウエスタン・ブロ
ット法(CおよびD)の結果を示す模式図。AおよびC
における抗体はFIRA−セファロース吸収剤を用いて
精製され、他方、BおよびDにおける抗体はλamp3−
セファロース吸収剤を用いて精製された。CおよびDに
おけるP.ファルシパルム単離体は、1、パプア・ニュ
ーギニア起源のFC27;2、タイランド起源のK1;
および3、ガーナ由来のNF7であった。
【図24】 純化した融合ポリペプチド(2μg/ml)
で被覆したマイクロタイタープレートを用いた固相EL
ISA法により、アフィニティ精製されたFIRA抗体
を検定した結果を示す模式図。図中、○はFIRA・フ
ラグメント、□はRESAによる5'反復、△'はRES
Aの3'反復に相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 15/12 8517−4H C12P 21/00 C 8214−4B (C12N 15/30 C12R 1:90) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/00 C C12R 1:19) (72)発明者 デビッド・ジェイムス・ケンプ オーストラリア連邦ビクトリア3103、ノー ス・バルウィン、ベルモア・ロード309番 (72)発明者 ロビン・フレドリック・アンダース オーストラリア連邦ビクトリア3051、ノー ス・メルボルン、ブロウアン・ストリート 55番 (72)発明者 ロス・レオン・コッペル オーストラリア連邦ビクトリア3143、アー マデイル、マーサー・ロード6番 (72)発明者 グラハム・バレンシイ・ブラウン オーストラリア連邦ビクトリア3103、バル ウィン、ウォルシュ・ストリート35番 (72)発明者 ロバート・ブライス・セント オーストラリア連邦ビクトリア3107、ロウ アー・テンプルストウ、サヴィレ・コート 2番 (72)発明者 アラン・フレドリック・カウマン オーストラリア連邦ビクトリア3054、ノー ス・カールトン、アール・ストリート3 /20番 (72)発明者 アルバート・エドワード・ビアンコ オーストラリア連邦ビクトリア3032、アス コット・ベイル、バロダ・ストリート34番 (72)発明者 グラハム・フランク・ミッチェル オーストラリア連邦ビクトリア3107、ロウ アー・テンプルストウ、シンクレアー・ア ベニュー21番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズモジウム・ファルシパルムの免疫
    原性ポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を
    含有するDNA分子であって、該ヌクレオチド配列はフ
    ァルシパルム点在性反復抗原(FIRA)をコードして
    いる以下の配列式(1): 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 で示される塩基配列の全てまたはその一部分に実質的に
    相当するものであるか、またはリングー感染赤血球表面
    抗原(RESA)をコードしている以下の配列式
    (2): 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 で示される塩基配列の全てまたはその一部分に実質的に
    相当するものであるか(ただし、該その一部分は上記配
    列式(2)の3619−3996部分配列のみからなる
    配列またはその一部分ではない)、またはこれらの塩基
    配列あるいはその一部分との機能的等価物に実質的に相
    当するものであることを特徴とするDNA分子。
  2. 【請求項2】 EENVEHDA,EENA,EEN
    V,EEV,EEYD,EENEEHTV,DDEHV
    EETA,DDEHVEEPTVA,DEHVEEPT
    VA,EEHVEEPTVAおよびEEHVEEPAか
    ら選択されるアミノ酸配列をコードしているヌクレオチ
    ドサブ配列を含有している第1項に記載のDNA分子。
  3. 【請求項3】 該3619−3996配列中の配列以外
    のサブ配列を含んでいる第2項に記載のDNA分子。
  4. 【請求項4】 該3619−3996配列以外の抗原性
    エピトープをコードしているサブ配列を、そのヌクレオ
    チド配列中に含んでいる第1項〜第3項のいずれかに記
    載のDNA分子。
  5. 【請求項5】 配列式(2): 【化16】 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】 【化21】 【化22】 【化23】 で示されるヌクレオチド配列の一部またはその変異体を
    含んでいるDNA分子であって、該DNA分子の発現に
    よりEENVEHDA,EENA,EENV,EEV,
    EEYD,EENEEHTV,DDEHVEETA,D
    DEHVEEPTVA,DEHVEEPTVA,EEH
    VEEPTVAおよびEEHVEEPAから選択される
    免疫原性ポリペプチドが得られる様に含んでいるDNA
    分子。
  6. 【請求項6】 発現コントロール配列と機能的に結合し
    ている第1項〜第5項のいずれかに記載のヌクレオチド
    配列を含んでいる組換えDNA分子。
  7. 【請求項7】 プラズモジウム・ファルシパルムの少な
    くとも1個のポリペプチドまたは蛋白の全てまたはその
    一部分を発現し得る組換えDNAクローニングビヒクル
    またはベクターであって、発現コントロール配列と機能
    的に結合した第1項〜第5項のいずれかに記載のヌクレ
    オチド配列が挿入されていることからなるクローニング
    ビヒクルまたはベクター。
  8. 【請求項8】 該ヌクレオチド配列および該発現コント
    ロール配列がバクテリオファージに挿入されていること
    を特徴とする第7項に記載の組換DNAクローニングビ
    ヒクルまたはベクター。
  9. 【請求項9】 該バクテリオファージがバクテリオファ
    ージλAmp3である第8項に記載の組換えDNAクロー
    ニングビヒクルまたはベクター。
  10. 【請求項10】 第6項に記載の組換えDNA分子、ま
    たは第7項に記載の組換えDNAクローニングビヒクル
    あるいはベクターを含有している宿主細胞。
JP5150375A 1984-09-11 1993-06-22 プラズモジウム・ファルシパルムの抗原をコードするdna分子 Pending JPH0698773A (ja)

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