JPH069851U - 工作機械のスプラッシュガードにおけるサイドドア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保守点検作業の作業性が向上し、しかも、閉
扉時の見栄えが良好な工作機械のスプラッシュガードに
おけるサイドドアを提供する。 【構成】 工作機械の周囲を囲繞するスプラッシュガー
ドの側面に開口部を形成し、この開口部に対してサイド
ドアをスライド開閉自在に設けたものにおいて、上記サ
イドドアの内面上部に所定長さのレールを側方に所定寸
法突出して水平状態で片持ち状に取り付け、かつ、上記
スプラッシュガードの開口部の上端部に架設された戸車
ベースに戸車を回転自在に取り付け、上記サイドドアの
レールを上記戸車ベースの戸車に案内保持させたもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、マシニングセンタ等の工作機械の周囲に配設されるスプラッシュガ ードにおける側面保守用扉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、マシニングセンタ等の工作機械においては、加工中、工具や被加工物 を冷却して工具の高寿命化や被加工物の被削性向上を図るとともに、切屑を除去 するために、工具と被加工物に大量の切削液をかけている。そのため、加工中に 切削液や切屑が工作機械の周囲に飛散し、作業環境を汚染する。この作業環境の 汚染対策として、通常、図５に示すように、工作機械（１）の主軸ヘッド（２） および作業テーブル（３）の周囲にスプラッシュガード（４）を設け、このスプ ラッシュガード（４）よって切削液や切屑が工作機械（１）の周囲に飛散しない ようにしている。

【０００３】 ところで、上記スプラッシュガード（４）の側面には、図５に示すように、主 軸ヘッド（２）や作業テーブル（３）等を保守点検するための開口部（５）が形 成してあり、この開口部（５）に対してサイドドア（６）をスライド開閉自在に 設けている。

【０００４】 従来、上記サイドドア（６）は、図６および図７に示すように、上部内面の左 右２箇所に上下一対の戸車（７）（７）を回転自在に取り付け、この戸車（７） （７）をスプラッシュガード（４）のサイドパネル（４ａ）の上端部およびスプ ラッシュガード（４）の開口部（５）の上端部、即ちサイドパネル（４ａ）とリ ヤパネル（４ｂ）の上端部間に架設されたレールベース（４ｃ）に水平に取り付 けられているレール（８）に転動可能に装着することによってスプラッシュガー ド（４）の開口部（５）に対してスライド開閉可能となっている。尚、上記スプ ラッシュガード（４）のサイドパネル（４ａ）はサイドドア（６）を内部に収納 し得るようにボックス断面形状に形成してある。

【０００５】 そうして、工作機械（１）の主軸ヘッド（２）や作業テーブル（３）等の保守 点検時には、図８に示すように、サイドドア（６）を図中右方向へスライドさせ てサイドパネル（４ａ）内に収納させることによって開口部（５）を開き、加工 時には、図９に示すように、サイドドア（６）を図中左方向へスライドさせて開 口部（５）を閉じる。尚、上記サイドドア（６）は下端部をスプラッシュガード （４）の底部に取り付けてあるオイルパン（９）の上端部とオーバーラップさせ 、内面に付着した切削油等がスプラッシュガード（４）の外部の床上に落下する のを防いでいる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従来のサイドドア（６）は開扉時にスプラッシュガード（４）のサイドパネル （４ａ）の内部に収納されるため、サイドパネル（４ａ）の幅寸法より大きなも のははみ出してしまうから、小さなものが使用されている。そのため、サイドド ア（６）の大きさに合わせてスプラッシュガード（４）の開口部（５）も開口面 積が小さくなり、工作機械（１）の主軸ヘッド（２）や作業テーブル（３）等の 保守点検の作業性が極めて悪いという問題があった。

【０００７】 また、従来のサイドドア（６）は開扉時にスプラッシュガード（４）のサイド パネル（４ａ）の内部に収納されるため、サイドパネル（４ａ）の表面との間に 段差があり、閉扉時に見栄えが悪かった。

【０００８】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、保守 点検作業の作業性が向上し、しかも、閉扉時の見栄えが良好な工作機械のスプラ ッシュガードにおけるサイドドアを提供する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、工作機械の周囲を囲繞するスプラッシュガ ードの側面に開口部を形成し、この開口部に対してサイドドアをスライド開閉自 在に設けたものにおいて、上記サイドドアの内面上部に所定長さのレールを側方 に所定寸法突出して水平状態で片持ち状に取り付け、かつ、上記スプラッシュガ ードの開口部の上端部に架設された戸車ベースに戸車を回転自在に取り付け、上 記サイドドアのレールを上記戸車ベースの戸車に案内保持させたものである。

【００１０】

【作用】

本考案によれば、サイドドアに取り付けたレールをスプラッシュガードの開口 部の上端部に架設されている戸車ベースに取り付けた戸車に案内保持させること によって、サイドドアをスプラッシュガードの開口部に対してスライド開閉移動 させている。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案に係る工作機械のスプラッシュガードにおけるサイドドアの一実 施例を図１乃至図４に基づいて説明する。尚、図５乃至図７に示したものと同一 物には同一符号を付して説明を省略する。

【００１２】 本考案は、図１および図２に示すように、サイドドア（６）の内面上部にボッ クス断面形状の固定部材（10）を介して所定長さの断面Ｉ字形状のレール（11） を側方に所定寸法突出して水平状態で片持ち状に取り付け、このレール（11）を スプラッシュガード（４）の開口部（５）の上端部、即ちサイドパネル（４ａ） とリヤパネル（４ｂ）の上端部間に架設された戸車ベース（12）の左右２箇所に 回転自在に取り付けられている上下一対の戸車（13）（13）で挟持状態に保持さ せることによってスプラッシュガード（４）の開口部（５）に対してサイドドア （６）をスライド開閉自在に設けている。

【００１３】 そうして、工作機械（１）の主軸ヘッド（２）や作業テーブル（３）等の保守 点検時には、図３に示すように、サイドドア（６）を図左右方向へスライドさせ て開口部（５）を開く。このとき、サイドドア（６）はレール（11）が戸車ベー ス（12）に回転自在に取り付けられた上下一対の戸車（13）（13）に案内保持さ れることによってスライド移動する。また、加工時には、図４に示すように、サ イドドア（６）を図中左方向へスライドさせて開口部（５）を閉じる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、従来のようにサイドドアをスプラッシュガードのサイドパネ ルの内部に収納させないから、サイドパネルの幅寸法より大きなものが使用可能 であり、それに合わせてスプラッシュガードの開口部も開口面積を保守点検が容 易なように大きくすることができ、作業性が向上する。

【００１５】 また、従来のようにサイドドアをスプラッシュガードのサイドパネルの内部に 収納させないから、サイドドアをサイドパネルの表面と面一にすることができ、 閉扉時の見栄えが極めて良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る工作機械のスプラッシュガードに
おけるサイドドアの一実施例を示すスプラッシュガード
の要部斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【図３】本考案の開扉時の状態を示す説明図である。

【図４】本考案の閉扉時の状態を示す説明図である。

【図５】一般的なスプラッシュガードの配置を示す概略
平面図である。

【図６】従来の工作機械のスプラッシュガードにおける
サイドドアの一例を示すスプラッシュガードの要部斜視
図である。

【図７】図６のＢ−Ｂ線における断面図である。

【図８】従来の開扉時の状態を示す説明図である。

【図９】従来の閉扉時の状態を示す説明図である。

【符号の説明】

４ スプラッシュガード ４ａ サイドパネル ４ｂ リヤパネル ５ 開口部 ６ サイドドア 10 固定部材 11 レール 12 戸車ベース 13 戸車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工作機械の周囲を囲繞するスプラッシュ
   ガードの側面に開口部を形成し、この開口部に対してサ
   イドドアをスライド開閉自在に設けたものにおいて、 上記サイドドアの内面上部に所定長さのレールを側方に
   所定寸法突出して水平状態で片持ち状に取り付け、か
   つ、上記スプラッシュガードの開口部の上端部に架設さ
   れた戸車ベースに戸車を回転自在に取り付け、上記サイ
   ドドアのレールを上記戸車ベースの戸車に案内保持させ
   たことを特徴とする工作機械のスプラッシュガードにお
   けるサイドドア。