JPH069829B2 - 合成樹脂成形品 - Google Patents

合成樹脂成形品

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JPH069829B2
JPH069829B2 JP30762086A JP30762086A JPH069829B2 JP H069829 B2 JPH069829 B2 JP H069829B2 JP 30762086 A JP30762086 A JP 30762086A JP 30762086 A JP30762086 A JP 30762086A JP H069829 B2 JPH069829 B2 JP H069829B2
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重雄 松丸
知丸 菊地
勝 石垣
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐擦傷性および耐候性に優れた被膜を形成し
てなる合成樹脂成形品に関するものである。
(従来の技術) 現在、ガラス、金属、木等の従来の材質製の成形品に代
わり、多くの合成樹脂成形品が市販されており、これら
は多くの優れた性質を有している。しかしながら、合成
樹脂成形品は、一般に耐摩耗性が充分ではなく、この点
が改良されれば更に多くの発展が期待される。
さて、これらの合成樹脂成形品の耐摩耗性向上法として
は、種々のものが開発されているが、その表面に他の硬
い凹凸のない平滑な耐摩耗性薄膜を何らかの方法で付着
させることが、合成樹脂の本来有する優れた諸性質を損
うことなく改良できる最も有効な方法であると考えられ
ている。
このような方法の1つとして、製造工程の簡略化もあわ
せて行なうことを目的として、鋳型にアリルメタクリレ
ート、エチレンジメタクリレート等の架橋性単量体とそ
の重合開始剤との混合物を塗布した後、これにあらかじ
め製造された基材樹脂を密着させ加熱する方法(特公昭
37−9,827号)があるが、基材樹脂を架橋剤と重
合開始剤との混合物に密着させる際に気泡が入り易く、
その気泡を除去することが困難であり、工業化するには
操作上難しい問題を含んでいる。また、アルカンジオー
ルのジメタクリレートあるいはジエチレングリコールジ
メタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート等の架橋性単量体とその重合開始剤の混合物を鋳型
に塗布し乾燥して薄膜を形成させ、その後基材樹脂原料
をその鋳型に注入して重合を行なう方法(特公昭35−
17,487号)があるが、この方法では薄膜が充分に
重合していないために、薄膜が樹脂原料に膨潤または溶
解しやすく、そのため表面薄膜と基材との界面に線状の
クラックが生じやすい。このため薄膜と親和性のないフ
ィルムを密着させ酸素遮断下で薄膜を重合硬化させた後
フィルムのみを剥離し、その後基材樹脂原料を注入する
方法(特公昭47−13,417号、特公昭49−3
6,829号)が提唱され、さらに架橋性重合物を1分
子中に少なくとも3個のアクリロイルオキシ基および/
またはメタアクリロイルオキシ基を有しかつ各アクリロ
イルオキシ基および/またはメタアクリロイルオキシ基
間が飽和炭化水素で結合された化合物単独または該化合
物を30%以上含有する他の重合可能な化合物との混合
物へと変更し(特公昭49−22,951号)、また薄
膜の重合硬化がある程度進行した後は、フィルムを剥離
し(あるいは不活性基体雰囲気下を解除し)て重合硬化
する(特公昭54−14,617号、特公昭54−1
4,618号)などの改良が加えられている。しかしな
がら、これらの方法は、操作が煩雑であるばかりでな
く、薄膜の素材が満足できるものではないために、曝露
後の耐擦傷性の低下、密着性の低下は避けがたく、得ら
れる合成樹脂の最終製品は、耐摩耗性にムラのあるもの
となりやすい欠点を有している。
一方、耐候性に優れているといわれるオルガノポリシロ
キサン系コーティング組成物での同様な方法において
も、耐擦傷性および耐候性の優れた表面を有する合成樹
脂成形品は得られていない。これは白化、ヒケなどの表
面欠点のない外観良好で密着性が十分な耐摩耗性のすぐ
れた表面を有する合成樹脂成形品が得られないためであ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 従って、本発明の目的は、新規な合成樹脂成形品を提供
することにある。詳しく述べると、本発明は、簡便な処
理工程により耐擦傷性、耐候性および外観性等に優れた
表面を有する合成樹脂成形品を提供することを目的とす
る。更に本発明は、曝露後の耐擦傷性の低下、密着性の
低下がなく耐候性に優れた耐摩耗性にムラのない被膜を
付与された表面を有する合成樹脂成形品を提供すること
を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記諸目的は、(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシ
シランの加水分解物およびシルカゾルを含有するコーテ
ィング組成物を、鋳型の少なくとも一内面に塗布し、あ
らかじめ加熱乾燥して薄膜を形成したのち、基材樹脂原
料を鋳型に注入し、重合を行なって成形される、少なく
とも一表面が上記コーティング組成物由来の硬化膜によ
り被覆されていることを特徴とする合成樹脂成形品によ
り達成される。
(作用) 以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の合成樹脂成形品は、鋳込重合により成形される
ものであり、新規なコーティング組成物を、基材樹脂原
料を注入する前に鋳型内面に塗布し、あらかじめ加熱乾
燥させて薄膜を鋳型内面に形成し、その後基材樹脂原料
を注入し一般的な鋳込重合を行なうことによって優れた
表面特性を付与されるものである。
本発明の合成樹脂成形品を製造するために用いられるコ
ーティング組成物中に含まれる(メタ)アクリロキシ基
含有アルコキシシランの加水分解物とは、一般式I、 (但し、式中R1はアクリロキシ基またはメタクリロキ
シ基で置換された炭素数1〜4、好ましくは3〜4の同
じまたは異なるアルキルであり、R2は炭素数1〜8、
好ましくは1〜6の同じまたは異なるアルキル、アルケ
ニル、フェニルであり、R3は炭素数1〜5、好ましく
は1〜4の同じまたは異なるアルキル、アルコキシアル
キルであり、またnは0〜2、好ましくは0〜1の整
数、mは1〜3、好ましくは1〜2の整数でありかつm
+n≦3である。)で表わされる化合物の加水分解物な
どである。一般式(I)で表わされる化合物としては、
例えばアクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリ
ロキシメチル(メチル)メメトキシシラン、アクリロキ
シメチル(ジメチル)メトキシシラン、アクリロキシメ
チルトリエトキシシラン、β−アクリロキシエチルトリ
メトキシシラン、β−アクリロキシエチル(メチル)ジ
メトキシシラン、β−アクリロキシエチル(エチル)ジ
メトキシシラン、β−アクリロキシエチル(ジメチル)
メトキシシラン、β−アクリロキシエチルトリエトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−アクリロキシプロイル(メチル)ジメトキシシラン、
γ−アクリロキシプロピル(ジメチル)メトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピル(ジメチル)エトキシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピル(ビニル)ジメトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピル(フェニル)ジメト
キシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ(メトキシ
エトキシ)シラン、δ−アクリロキシブチルトリメトキ
シシラン、δ−アクリロキシブチルトリエトキシシラ
ン、δ−アクリロキシブチル(メチル)ジメトキシシラ
ン、δ−アクリロキシブチル(ジメチル)メトキシシラ
ン、ビス(アクリロキシメチル)ジメトキシシラン、ビ
ス(アクリロキシメチル)ジエトキシシラン、ビス(ア
クリロキシメチル)ジメトキシシラン、ビス(アクリロ
キシエチル)ジエトキシシラン、ビス(アクリロキシプ
ロピル)ジメトキシシラン、ビス(アクリロキシプロピ
ル)ジエトキシシラン、トリス(アクリロキシメチル)
メトキシシラン、トリス(アクリロキシメチル)エトキ
シシラン、トリス(アクリロキシエチル)メトキシシラ
ン、トリス(アクリロキシエチル)エトキシシラン、ト
リス(アクリロキシプロピル)メトキシシラン、トリス
(アクリロキシプロピル)エトキシシラン、メタクリロ
キシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチル
(メチル)ジメトキシシラン、メタクリロキシメチル
(ジメチル)メトキシシラン、メタクリロキシメチルト
リエトキシシラン、β−メタクリロキシエチルトリメト
キシシラン、β−メタクリロキシエチルトリエトキシシ
ラン、β−メタクリロキシエチル(メチル)ジメトキシ
シラン、β−メタクリロキシエチル(エチル)ジメトキ
シシラン、β−メタクリロキシエチル(ジメチル)メト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピル(メチル)メトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピル(ジメチル)メトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピル(ジメチル)エ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル(ビニル)
ジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル(フェ
ニル)ジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリ(メトキシエトキシ)シラン、δ−メタクリロキシ
ブチルトリメトキシシラン、δ−メタクリロキシブチル
トリエトキシシラン、δ−メタクリロキシブチル(メチ
ル)ジメトキシシラン、δ−メタクリロキシブチル(ジ
メチル)メトキシシラン、ビス(メタクリロキシメチ
ル)ジメトキシシラン、ビス(メタクリロキシメチル)
ジエトキシシラン、ビス(メタクリロキシエチル)ジメ
トキシシラン、ビス(メタクリロキシエチル)ジエトキ
シシラン、ビス(メタクリロキシプロピル)ジメトキシ
シラン、ビス(メタクリロキシプロピル)ジエトキシシ
ラン、トリス(メタクリロキシメチル)メトキシシラ
ン、トリス(メタクリロキシメチル)エトキシシラン、
トリス(メタクリロキシエチル)メトキシシラン、トリ
ス(メタクリロキシエチル)エトキシシラン、トリス
(メタクリロキシプロピル)メトキシシラン、トリス
(メタクリロキシプロピル)エトキシシランなどがあ
る。
(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシシランの加水分
解物は、上記のような(メタ)アクリロキシ基含有アル
コキシシランのアルコキシ基あるいはアルコキシアルコ
キシ基の一部または前部が水酸基に置換されたものおよ
び置換された水酸基同志が一部結合したものを含んでい
る。これらの加水分解物は、公知のように、例えば純水
または塩酸などの酸性水溶液を添加、攪拌することによ
って製造される。
このような(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシシラ
ンの加水分解物は、単独であるいは2種以上を組合せて
用いてもよい。この(メタ)アクリロキシ基含有アルコ
キシシランは、通常コーティング組成物中に固形分換算
で2〜40重量%、好ましくは3〜35重量%含まれ
る。すなわち、2重量%未満であると、得られる合成樹
脂成形品において硬化膜と基材樹脂との密着性が十分と
ならず、一方、40重量%を超える場合には、製造時に
基材樹脂と鋳型との剥離不良が発生し外観の良好な合成
樹脂成形品が得られない虞れがあるためである。
またコーティング組成物中に含まれるシリカゾルとは、
分散媒、たとえば水またはアルコールなどの有機分散媒
に、無水ケイ酸の微粒子、好ましくは粒径1〜100ミ
リミクロンの微粒子を分散させたコロイド溶液であり、
周知の方法で製造され市販されているものである。なお
シリカゾルにおける固形分は全重量の20〜40%程度
である。このシリカゾルは通常コーティング組成物中に
固形分換算で10〜70重量%、好ましくは20〜65
重量%含有される。すなわち10重量%未満であると、
得られる合成樹脂成形品の耐摩耗性(特にテーバー摩
耗)の向上が十分なものとはならずまた耐候性もよくな
く、一方70重量%を超える場合には、製造時における
成膜が十分になされない虞れがあるためである。
また本発明の合成樹脂成形品を製造するのに用いられる
コーティング組成物中には、上記の(メタ)アクリロキ
シ基含有アルコキシシランの加水分解物およびシリカゾ
ル成分の他に、任意のその他のアルコキシシランの加水
分解物が含まれている。
その他のアルコキシシランの加水分解物としては、例え
ば一般式(II) R4 l−Si−(OR54-l (II) (但し式中R4は、炭素数1〜6の同じまたは異なるア
ルキル、シクロアルキル、アルケニル、フェニルあるい
はこれらのハロゲン、アミノ、エポキシ、グリシド、グ
リシジル、メルカプトなどの置換体であり、R5は炭素
数1〜5、好ましくは1〜4の同じまたは異なるアルキ
ル、アルコキシアルキルであり、まはlは0〜3の整数
である。)で表わされる化合物の加水分解物がある。一
般式IIで表わされる化合物としては、具体的には、トリ
メチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フ
ェニル(メチル)ジエトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニル(メチル)トリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、γ,γ,γ−トリフルオ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−ビス(β−ヒドロキシエ
チル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル(メチル)
ジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピル(メトキシエトキシ)
シラン、γ−グリシジルプロピルトリエトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルプロピルトリメトキシシ
ランなどが含まれる。
その他のアルコキシシランの加水分解物は(メタ)アク
リロキシ基含有アルコキシシランの加水分解物の場合と
同様、上記のごとき有機基含有アルコキシシランのアル
コキシ基あるいはアルコキシアルコキシ基の一部または
全部が水酸基に置換されたものおよび置換された水酸基
同志が一部縮合したものを含んでいる。これらの加水分
解物は公知のように、例えば純水または塩酸などの酸性
水溶液を添加、撹拌することによって製造される。
このようなその他のアルコキシシランの加水分解物は、
単独であるいは2種以上を組合せて用いてもよい。その
他のアルコキシシランの加水分解物は、固形分換算で通
常コーティング組成物中に10〜88重量%、好ましく
は15〜70重量%含まれる。この範囲から外れるとい
ずれもコーティング組成物中の(メタ)アクリロキシ基
含有アルコキシシランの加水分解物の作用を阻害してし
まう虞れがあるためである。しかして(メタ)アクリロ
キシ基含有アルコキシシラン、シリカゾルおよびその他
のアルコキシシランの合計量は、コーティング組成物の
固形分換算で100重量%となる。
上記のコーティング組成物の硬化にあっては、硬化を促
進する目的で各種の硬化剤が使用できる。これらの硬化
剤としては、例えば、過塩素酸アンモニウム、過塩素
酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、スルホン酸、パラトル
エンスルホン酸、三フッ化ホウ素及びその電子供与体と
の錯体、SnCl4、ZnCl3、FeCl3、AlC
3、SbCl5、TiCl4などのルイス酸およびその
錯体、酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コ
バルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ等の有機酸金
属塩、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化スズ等のホウフッ化
金属塩類、ホウ酸エチル、ホウ酸メチル等のホウ酸有機
エステル類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ類、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキ
シチタン等のチタネートエステル類、グロムアセチルア
セトネート、チタニルアセチルアセトネート、アルミニ
ウムアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネ
ート、ニッケルアセチルアセトネート等の金属アセチル
アセトネート類、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルア
ミン、トリ−n−ブチルアミン、グアニジン、ピグアニ
ド、イミダゾール等のアミン類等が挙げられる。これら
の硬化剤のうち特に好ましくは、トリ−n−ブチルアミ
ンなどのようなアミン系硬化剤である。
またこのコーティング組成物は、使用に際して、通常は
塗布に適した濃度に希釈される。用いられる溶剤として
は、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ
類、エステル類、ハロゲン化物、アルボン酸類、芳香族
化合物類、脂肪族炭化水素類などを挙げることができ、
これらは1種または2種以上の混合物として用いること
ができる。これれらの溶剤のうち特に好ましくは、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノールなどの低級アルコール類、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ
類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの低級カルボ
ン酸類、トルエン、キシレンなどのような芳香族化合物
類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのようなエステル類の
1種または2種以上の混合物である。
さらにコーティング組成物中には、必要に応じて、塗膜
表面の摩擦係数向上のためにレベリング剤を添加するこ
とができる。レベリング剤としては、市販の、例えば住
友スリーエム製 FC−431(商品名)のようなフッ
素系界面活性剤や、トーレシリコーン社製 SH−28
(商品名)のようなシリコーン系界面活性剤などを用い
ることができる。これらのレベリング剤の添加量は少量
で十分であり、組成物全体に対し0.01〜5重量%程
度でよい。
また、コーティング組成物中に、紫外線吸収剤や酸化防
止剤などの劣化防止剤、顔料や染料などの着色剤、アル
ミナゾル、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などの
充填剤を含有させることは任意である。
一方、このようなコーティング組成物由来の硬化膜を表
面に付与される基材樹脂としては、一般に鋳込重合可能
な合成樹脂であれば特に限定されないが、アクリル系樹
脂、アリルジグリコールカーボネートおよびスチレン系
樹脂などが好ましく特にメチルメタクリレート単独重合
体、メチルメタクリレートを主成分とする他の共重合し
得る単量体との共重合体および「CR−39」として知
られるジエチレングリコールビスアリルカーボネートが
好ましい。従って本発明の合成樹脂成形品の製造に用い
られる基材樹脂原料としては上記のごとき合成樹脂の常
圧で液状の鋳込重合可能な単量体または部分重合体が用
いられる。例えばアクリル系合成樹脂の場合、メチル
(メタ)アクリレートなどのようなアルキル(メタ)ア
クリレート単独もしくは2種以上のアルキル(メタ)ア
クリレートの混合物またはアルキル(メタ)アクリレー
トを主成分とする他の共重合し得る単量体、例えばヒド
ロキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸塩、塩化ビニル、酢酸ビニル、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、無水マレ
イン酸等との混合物あるいはこれらの部分重合体などが
基材樹脂原料となる。
基材樹脂原料の重合開始剤としては、油溶性の過酸化
物、アゾ化合部のような公知のラジカル重合開始剤が一
般に使用可能である。また、必要に応じて、可塑剤、難
燃化剤、着色剤、紫外線吸収剤などの助剤または添加剤
を基材樹脂原料中に添加することも可能である。
本発明の合成樹脂成形品は、上記のごときコーティング
組成物および基材樹脂原料を用いて、例えば以下のよう
にして製造される。
まず上記のごときコーティング組成物が、例えばステン
レス鋼、無機ガラス板などにより組立てられる通常用い
られる鋳型の内面となる部位へ刷毛塗り、スプレー、ロ
ールコーターなどの適合な手段で、泡やムラのないよう
に均一に塗布される。この際、コーティング組成物の鋳
型の内面となる部位への塗布は、かならずしも内面全面
に対して行なう必要はなく、例えば片面のみ高い耐摩耗
性を有する樹脂成形品を得ようとする場合には、相当す
る鋳型の一内面にコーティング組成物を塗布すれば足り
る。次に100°〜120℃で5〜10分間程度加熱乾
燥させ鋳型の内面となる部位に0.003〜0.03m
m、好ましくは0.005〜0.02mmの厚さの薄膜を
形成する。次に、少なくとも一内面に薄膜を形成させた
該鋳型を組立て、その間に上記のごとき基材樹脂原料と
重合開始剤との混合物を注入する。基材樹脂原料を常法
により重合させた後、鋳型から成形品を剥離すると、鋳
型から移行した硬化膜がその表面に付着した合成樹脂成
形品が得られる。
このようにして製造される本発明の合成樹脂成形品は、
上記のごときコーティング組成物由来の硬化膜、望まし
くは0.003〜0.03mm厚さの硬化膜が基材樹脂表
面に強く密着しており、この硬化膜によりその表面の耐
擦傷性は著しく改善されており、長時間曝露後において
も耐擦傷性、密着性等にほとんど変化は見られず耐候性
も良好なものである。またこの表面は、小皺、凹凸など
の外観不良もなく、鋳型の表面を完全に写しとることが
でき、鋳型からの取外しも容易である。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
なお実施例および比較例により得られた合成樹脂成形品
の性能は以下の方法によって調べられた。
密着性 密着性は碁盤目試験により行ない、剥離しない部分の割
合を%で示した。
耐擦傷性 耐擦傷性は、試験片の表面に#000のスチールウール
の治具を一定荷重(100g/cm2)下で押し付け一定速
度で50回往復させ擦傷前後の曇価の差を摩耗値とし
た。なお曇価は次の式によって表わされる。
耐候性 耐候性試験は紫外線曝露試験機(東洋精機製,ALTAS-UV
CON)湿潤50℃4時間→70℃紫外線曝露のみ8時間
のサイクルで700時間実施し、外観、密着性、耐擦傷
性を試験した。
実施例1 メチルエトキシシラン45重量部、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシラン5重量部、メタノールシリカ
ゾル50重量部(いずれも固形分換算)を有する固形分
20%含有コーティング組成物をガラス板の片面にアプ
リケーターで表面薄膜の厚みが0.005mmになるよう
に均一に塗布し、オーブン中で120℃で5分間加熱乾
燥の後、2枚のガラスを表面薄膜が内側となるように対
向させ、その間にアゾイソブチロニトリル0.5重量%
を含むメタクリル酸メチル部分重合体を注入し、周囲を
軟質塩化ビニル製ガスケットで封じ、樹脂板が5mm厚に
なるように型ガラスの間隔を調整し、60℃で8時間、
次いで120℃で2時間加熱重合させた。冷却後ガラス
板から得られた重合樹脂板を剥離すると、表面薄膜は完
全にメタクリル樹脂板の方に移行し、かつ表面に凹凸が
なく光学歪のないきれいな表面を有する樹脂板が得られ
た。この樹脂板の密着性を測定したところ100%密着
しており、また耐摩耗性を測定した結果、このようなコ
ーティングを行なっていないメタクリル樹脂板の摩耗値
が19%であるのに対し、本実施例の樹脂板の摩耗値は
0〜0.1%であり、ほとんど傷のつかない状態であっ
た。また耐候性試験の結果、外観に異常はなく、密着性
100%、摩耗性0%と密着性、耐擦傷性共に性能低下
は見られず、市販品(例えば成形品塗布方式によるシリ
コン系コーティングにおける性能低下は0.5〜1%、
成形品塗布方式によるアクリル系コーティングでは5〜
10%、型塗布方式によるアクリル系コーティングでは
1〜2%程度であった。)に対し優れた耐候性を示し
た。
実施例2〜5および比較例1〜4 実施例1と同様にして第1表で示す配合のコーティング
組成物を用いて、樹脂板を製造した。得られた樹脂板の
性能を実施例1と同様に調べた。実施例2〜4では、表
面薄膜は完全にメタクリル樹脂板の方に移行し、かつ表
面に凹凸がなく、光学歪のないきれいな表面を有する樹
脂板が得られ、また第1表に示す結果からも明らかなよ
うに、密密着性100%、摩耗性0%であった。これに
対し第1表から明らかなように、比較例1,3ではでは
薄膜の密着性が得られず、比較例2では表面薄膜は樹脂
板に移行するもののテーバー摩耗値が高く、耐候性試験
ではクラックが発生し、そして比較例4では成膜できな
いなどいずれも満足な合成樹脂成形品を得ることはでき
なかった。
実施例6 実施例1に示すコーティング組成物を、眼鏡レンズ用ガ
ラス型の片面にスプレー法で表面薄膜の厚みが0.00
5mmになるように均一に塗布し、オーブン中で100℃
で5分間加熱乾燥の後、オス・メス2枚のガラス型を表
面薄膜が内側となるように対向させてガスケットにより
所望の間隔に組立て、その間にジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート(IPP)3.0%を含むジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート単量体(PPG社
「CR−39」)を注入し、電気炉中で徐々に100℃
まで温度を上昇させ、18時間かけて重合を完了させ
た。冷却後離型して得られたレンズは、表面薄膜が完全
にレンズ表面に移行し、表面が型形状を十分に転写し、
光学特性にすぐれ、スチールウール摩擦でも傷のつかな
い良好なレンズが得られた。
(発明の効果) 以上述べたように本発明は、(メタ)アクリロキシ基含
有アルコキシシランの加水分解物およびシリカゾルを含
有するコーティング組成物を、鋳型の少なくとも一内面
に塗布し、あらかじめ加熱乾燥して薄膜を形成したの
ち、基材樹脂原料を鋳型に注入し、重合を行なって成形
される、少なくとも一表面が上記コーティング組成物由
来の硬化膜により被覆されていることを特徴とする合成
樹脂成形品であるから、曝露後の耐擦傷性、密着性の低
下もなく、耐擦傷性、外観性および耐候性に優れた製品
である。従って、本発明により、例えば自動車用グレー
ジング(はめ込み窓)および外装部品、屋外各種カバー
類、建築用グレージングおよびドームなどに対し粉塵な
どの衝突によるキズの発生あるいは清掃ないし洗車等な
どのモップ、ワイパー等によるキズの発生を抑え長期間
透明性あるいは光沢を維持した合成樹脂成形品を提供で
きる。さらに、眼鏡レンズ、カメラレンズなどでは、特
に多焦点レンズなど複雑な形状に対しても、成形品への
硬化塗料の浸漬塗り、スプレー塗りなどで発生する塗り
ムラ、タレ、ブツなどの欠陥を解消して外観良好な製品
が得られるだけでなく、硬質膜を厚くできることにより
耐すり傷、耐薬品、耐曲げクラック性などが大幅に改善
できる。また本発明の合成樹脂成形品は、何ら繁雑な処
理工程を必要とせず、一般的な鋳込重合法に若干の変更
を加えるのみで成形と同時に被覆形成されるために製造
面においても有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:30 4F (72)発明者 稲垣 宗邦 大阪府大阪市東区備後町2丁目45番地 日 本精化株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−152820(JP,A) 特開 昭62−153325(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシシ
    ランの加水分解物およびシルカゾルを含有するコーティ
    ング組成物を、鋳型の少なくとも一内面に塗布し、あら
    かじめ加熱乾燥して薄膜を形成したのち、基材樹脂原料
    を鋳型に注入し、重合を行なって成形される、少なくと
    も一表面が上記コーティング組成物由来の硬化膜により
    被覆されていることを特徴とする合成樹脂成形品。
  2. 【請求項2】硬化膜は、膜厚0.003〜0.03mmの
    ものである特許請求の範囲第1項に記載の合成樹脂成形
    品。
  3. 【請求項3】基材は、アクリル系樹脂、アリルジグリコ
    ールカーボネート樹脂またはスチレン系樹脂である特許
    請求の範囲第1項に記載の合成樹脂成形品。
JP30762086A 1985-12-27 1986-12-25 合成樹脂成形品 Expired - Fee Related JPH069829B2 (ja)

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AUPQ326399A0 (en) * 1999-09-21 1999-10-28 Sola International Holdings Ltd Method of coating an optical element
US8003022B2 (en) 1999-09-21 2011-08-23 Carl Zeiss Vision Australia Holdings Limited Method of forming a coated optical element

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