JPH0698005B2 - マラリアワクチン用ポリペプチドのイー・コリにおけるクローニングおよび発現 - Google Patents

マラリアワクチン用ポリペプチドのイー・コリにおけるクローニングおよび発現

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JPH0698005B2
JPH0698005B2 JP61025660A JP2566086A JPH0698005B2 JP H0698005 B2 JPH0698005 B2 JP H0698005B2 JP 61025660 A JP61025660 A JP 61025660A JP 2566086 A JP2566086 A JP 2566086A JP H0698005 B2 JPH0698005 B2 JP H0698005B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、哺乳動物をマラリアから防御するワクチンに
関する。
発明の背景 マラリアは、長年鋭意研究が重ねられてきたにもかかわ
らず、ワクチンが開発されていない、重く、かつ広範囲
にわたる病気である。例えば、サイエンス(Scienc
e)、第226巻、679頁(1984年11月9日)参照。実験的
に、ヒトを含めた哺乳類は、照射したスポロゾイトを接
種することにより、マラリアの病原体、プラスモジウム
(Plasmodium)による感染に対して防御される。クライ
ドら、アメリカン・ジャーナル・オブ・トロピカル・メ
ジシン・アンド・ハイジーン(Clyde et al.,Am.J.Tro
p.Med、Hyg.)、第24巻、397頁(1975)およびリークマ
ンら、ブリティン、タブリュー・エイチ・オー(Rieckm
anet al.,Bull.WHO)、第57巻(補遺1)、261頁(197
9)参照。ヨシダら、サイエンス(Yoshida et al.,Scie
nce)、第207巻、71頁(1980)は、かかる防御は、少な
くとも、スポロゾイトの表面上のタンパク質、サーカム
スポロイゾイト(CS)タンパク質に対する抗体により部
分的に媒介され、CSタンパク質に対して生じたモノクロ
ーナル抗体は、in vitroで感染を中和し、in vivoで動
物を防御する。CSタンパク質は、種内で高度に進化的に
保存されるが、種間ではかなり異なる。
プラスモジウムの4つの種は、ヒトを感染させることが
公知である。これらは、熱帯熱マラリア原虫(P.falcip
arum)、三日熱マラリア原虫(P.vivax)、卵形マラリ
ア原虫(P.ovale)および四日熱原虫(P.malariae)で
あって、後の2つは頻度が少ない。科学的に興味深い他
の種は、囓歯類住血胞子虫(P.berghei)および猿マラ
リア原虫(P.knowlesi)であり、これらの種の宿主は、
各々、 囓歯類動物およびサルである。
猿マラリア原虫のCSタンパク質は、12のアミノ酸配列の
12のタンデム重複からなる。ザバラら、ジャーナル・オ
ブ・エクスペリメンタル・メジシン(Zavala et al.,J.
Exp.Med.)、第157巻、1947頁(1983)は、該重複単位
に対するモノクロナール抗体が、抗スポロゾイト抗血清
の可溶化スポロゾイトタンパク質に対する接触をブロッ
クするという実験に基づいて、該重複単位が、猿マラリ
ア原虫CSタンパク質の主な免疫原であることを報告して
いる。ジシンら、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタ
ル・メジシン(Gysin et al.,J.Exp.Med.)、第160巻、
935頁(1984)は、猿マラリア原虫CSタンパク質のタン
デム重複単位を表す合成の24のペプチド残基は、サルに
おける病原性スポロゾイトの感染性を中和することを報
告している。
コルマンら(Colman et al)、国際特許公開WO84−2922
−A号(1984年8月2日公開)は、猿マラリア原虫CSタ
ンパク質重複単位のコーディング領域のタンパク質のク
ローニング、およびイー・コリ(E.coli)におけるその
β−ラクタマーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ融合株の
発現を報告している。ヌッセンツバイクら(Nussenzwei
g et al.)、米国特許第4466917号は、P44タンパク質と
称するスポロゾイトタンパク質、およびイー・コリにお
けるそのクローニングおよび発現を開示している。
エネアら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシズ・ユー・エス・エイ(En
ea et al.,Proc.Natl.Acad.Scl.USA)、第81巻、7520頁
(1984)は、シノモルギマラリア原虫(P.cynomologi)
のCSタンパク質内の類似した重複単位構造を報告してい
る。
ケンプら(Kemp et al)、国際特許公開WO84−02917−
A号は、イー・コリにおける熱帯熱マラリア原虫cDNAの
クローニングおよび発現を開示している。
デイムら、サイエンス(Dame et al.,Science)、第225
巻、593頁(1984)は、イー・コリにおける熱帯熱マラ
リア原虫のCSタンパク質のクローニングおよび発現を報
告している。該タンパク質は、分子量約44000の約412の
アミノ酸からなると記載されている。これは、テトラペ
プチドの41タンデム重複からなる。モノクローナル抗体
に結合した重複領域由来の合成の7−、11−および15−
ペプチド残基は、CSタンパク質に対して発生する。
発明の概要 −態様において、本発明は、熱帯熱マラリア原虫(Plas
modium falciparum)CSタンパク質の重複単位の全部ま
たは一部に対するコーディング配列を有するイー・コリ
(E.coli)発現ベクターである。
他の態様において、本発明は、本発明のイー・コリ発現
ベクターで形質転換されたイー・コリからなる。
図面の簡単な説明 第1a図は、CSタンパク質のコーディング配列を担う熱帯
熱マラリア原虫(P.falciparum)ゲノムDNAの領域の部
分的制限エンドヌクレアーゼ開裂地図である。
第1b図は、pASlの部分的制限エンドヌクレアーゼの開裂
地図である。
発明の詳説 本発明により発現したポリペプチド(以下、単に、本発
明のポリペプチドと称する)は、イー・コリ(E.coli)
において産生される4つ以上のタンデムCSタンパク質重
複単位からなる。該ポリペプチドは、CSタンパク質では
ないが、重複単位以外のCSタンパク質の部分を含んでも
よい。熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)重複単位
は、次に示す配列を有するテトラペプチドである: アスパラギン(asn)−アラニン(ala)−asn−プロリ
ン(pro)− (以下、本明細書におけるアミノ酸残基の三文字記号は
全て小文字で表示する) 本発明のポリペプチド内で、のテトラペプチドが存在
し、かかるペプチドは、熱帯熱マラリア原虫CSタンパク
質に関して、その抗体の反応性に著しく悪い影響を及ぼ
さない。例えば、デイムら、サイエンス(Dame et al.,
Science)、第225巻、593頁(1984)に開示されている
如く、天然に存在する熱帯熱マラリア原虫における41テ
トラペプチド重複の37はasn−ala−asn−proであり、4
はasn−バリン(val)−アスパラギン酸(asp)−proで
ある。好ましくは、本発明のポリペプチドにおけるテト
ラペプチド重複単位の半分以上は、いわゆる共通塩基配
列、asn−ala−asn−proである。
好ましくは、本発明のポリペプチドは、約8重複(即ち
32アミノ酸)〜約148重複からなる。さらに好ましく
は、ポリペプチドは、約16〜約112の重複からなる。
本発明のポリペプチドは、ハイブリッド、即ち、非CSタ
ンパク質重複単位配列を有する融合ポリペプチドであっ
てもよい。かかる非CSタンパク質重複配列は、免疫原性
を高めるか、または組換微生物におけるクローニングお
よび発現を促進する担体分子として機能し得る。あるい
は、かかる追加的配列は、他のスポロゾイト免疫原、他
のプラスモジウム免疫原および/または他の非プラスモ
ジウム免疫原に対する1以上のエピトープを担うことが
できる。特に、イー・コリにおいて実施可能な量で安定
に発現されず、熱帯熱マラリア原虫に対する免疫化に関
して必要でないことが判明しているCSタンパク質は、本
発明から除外される。
本明細書において例示する本発明のポリペプチドの種類
の具体例は、次のとおりである: 重複のC末端と融合したpBR322におけるテトラサイクリ
ン耐性(tetR)遺伝子由来の約32のN−末端アミノ酸を
有する少なくとも4つの重複からなるRtet32ポリペプチ
ド; 重複のC末端と融合したtetR遺伝子を有する少なくとも
4つの重複からなるRtet86ポリペプチド; 重複のC末端と融合したNSlの227のアミノ酸を有する少
なくとも4つの重複からなるRNS1ポリペプチド; 重複のN末端と融合したNS1の81のN末端アミノ酸を有
する少なくとも4つの重複からなるNS1Rポリペプチド; 重複のC末端で−グリシン残基が続いている少なくとも
4つの重複からなるRGポリペプチド; 重複のC末端で−ロイシン−アルギニン残基につながっ
ている少なくとも4つの重複からなるRLAポリペプチ
ド;および 重複のC末端で−asn−thr−val−ser−serにつながっ
ている少なくとも4つの重複からなるRNポリペプチド。
CSタンパク質重複単位に関する遺伝子コーディング配列
は、公知の技術により得ることができる。該技術には、
合成、好ましくは、例えば、エリスら、ネイチャー(El
lis et al.,Nature)、第302巻、536頁(1983)に開示
されている様なメッセンジャーRNAの逆転写により、熱
帯熱マラリア原虫から得られるものによるか、または、
前記デイムら(Dame et al)により開示されている様
な、熱帯熱マラリア原虫ゲノムDNAから得られる完全な
遺伝子の直接的クローニングによるものが挙げられる。
図面に、CSタンパク質コーディング領域を示す。熱帯熱
マラリア原虫およびそのスポロゾイトは、感染したヒト
および蚊より得ることができる。
CSタンパク質の全部または一部に対するコーディング配
列をクローンし、重複単位の全部または一部をコードす
るそのサブフラグメントを、公知の技術により調製する
ことができる。第1a図に、CSタンパク質遺伝子内の選択
された有用な制限サイトを示す。好ましいサイトはXhoI
Iサイトである。XhoIIで切断すると、次に示す16重複の
コーディング配列が得られる: N-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15(asn-val-asp-pr
o)〕nC 〔式中、nは1である〕 適当な配列の多重タンデムXhoIIフラグメントを用いる
ことにより、さらに長い重複、即ち、nが1以上である
重複が得られる。
合成技術は公知であり、かつ、商業的に入手可能なDNA
合成装置を用いて達成することができる。実質的に同じ
アミノ酸に関するコドンを有し、同じXhoII末端または
末端に異なる開裂サイトを有する合成オリゴヌクレオチ
ドを合成することができる。かかる合成オリゴヌクレオ
チドは、天然の64コドンと異なってもよく、同じアミノ
酸、または少数の、好ましくは約8未満の異なるアミノ
酸をコードし得る。ただし、これらはポリペプチドの免
疫防御性に著しく悪影響を及ぼさないものとする。典型
的な合成コーディング配列は、完全に、共通塩基配列、
(asn−ala−asn−pro)n(式中、nは少なくとも4で
ある)をコードする。
ポリペプチドのコーディング配列は、いかなるイー・コ
リ発現ベクターにも挿入することができ、その多くは公
知であり、かつ入手可能である。イー・コリにおける本
発明のポリペプチドの高レベルの発現は、生成物の異常
なアミノ酸組成(アスパラギン(asn)約50%、アラニ
ン(ala)25%、プロリン(pro)25%)の観点から、驚
異的である。さらに以下に記載する様に、プラスミドpA
S1に含まれる様な、λ−PLプロモーターおよび−cIIリ
ボソーム結合サイトからなる調節エレメントを用いて、
コーディング配列がよく発現されることが判明している
〔ローゼンベルクら、メソッズ・オブ・エンザイモロジ
ー(Rosenberg et al.,Meth.Enzym.)、第101巻、123頁
(1983)およびシャッツマンら、エクスペリメンタル・
マニピュレイション・オブ・ジーン・エクスプレッショ
ン、エム・イノウエ編、アカデミックス、ニューヨーク
(Shatzman et al.,in Experimental Manipulation of
gene Expression,edit.by M.Inouye.Acaremic Press,Ne
w York)(1982)参照〕。pAS1は、pBR322複製開始点、
アンピシリン耐性マーカーおよびPL、N抗停止機能認識
サイト(NutLおよびNutR)、ρ−依存性転写停止シグナ
ル(tR1)およびG残基が直接BamHI開裂サイトにつなが
っているcII翻訳開始サイトを含むcIIリボソーム結合サ
イトを含むλ由来の一連のフラグメントを担う。pAS1
は、pKC30cIIから、pKC30cIIのcII−pBR322結合のBamHI
サイトおよびcIIATG間のヌクレオチドを切除し、該分子
を再結紮して、ATGのすぐ下流にBamHIサイトを再生する
ことにより得ることができる。pKC30cIIは、pKC30のHpa
Iサイトに、cII遺伝子を担うλ由来の1.3kb HaeIIIフラ
グメントを挿入することにより組立てることができる
(前記シャッツマンら(Shatzman et al.)および前記
ローゼンベルクら(Rosenberg et al.)参照)。pKC30
は、シミタケら、ネイチャー(Shimitake et al.,Natur
e)、第292巻、128頁(1981)により記載されている。
これは、pBR322のtetR遺伝子のHindIIIおよびBamHIサイ
ト間に挿入されたλの2.4kb HindIII−BamHIフラグメン
トを有するpBR322誘導体である。pAS1に類似した構造
は、コートニーら、ネイチャー(Courtney et al.,Natu
re)、第313巻、149頁(1985)に記載されている。pAS1
は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(American Type CultureCollection.Rockville,Maryla
nd)に、ブダペスト条約に従って寄託されている。コー
ディング配列は、有効に、即ち、適当な配列で、適当な
解読フレーム中で、イー・コリ発現ベクターの調節エレ
メントに、標準的技術により結合され、本発明の発現ベ
クターを形成する。
この様に発現されたポリペプチドを、公知の標準的タン
パク質単離技術により、増殖倍養株から単離精製する。
典型的な、有用な一連の精製反応は、1)細胞の破壊、
2)細胞片の清澄化、3)本発明のポリペプチドの、清
澄化細胞抽出物中に存在する他のポリペプチドからの分
離、4)残存ポリペプチド、炭水化物、核酸および/ま
たはリポポリサッカライドを含む残存する汚染物質を除
去するための最終精製からなる。
第1工程は、例えば、リソゾームまたは他の溶解または
浸透化剤を添加するか、あるいは機械的または超音波破
壊により達成することができる。抽出物を清澄化するた
めの遠心操作または濾過の前に、界面活性剤を添加し
て、本発明のポリペプチドを溶液状態に保つ。
本発明の一態様としては、本発明のある種のポリペプチ
ドは、清澄化した抽出物を、タンパク質の溶解性を維持
するために界面活性剤を添加した後、約80℃に加熱する
ことにより、他のポリペプチドから非常に効率よく分離
できることが判明した。少なくとも約4分間80℃に加熱
することにより、実質的に重複または他の非熱変性配列
と融合した重複からなるポリペプチドを変性させること
なく殆んど全ての細菌性ポリペプチドを沈殿させられる
ことが判明した。変性した細菌性ポリペプチドは、遠心
操作によりペレット化し、除去することができる。この
操作は、Rtet32、RG、RLAおよびRtet86ポリペプチドを
精製するのに用いられる。特に、この操作は、以下の実
施例に記載の如く、R16tet32、R32tet32、R48tet32、R6
4tet32、R48G、R32LAおよびR16tet86をうまく精製する
のに用いられるが、R16NS1およびR32NS1を加熱すると、
これらのポリペプチドは沈殿する。
例えば、選択的沈殿剤を添加し、次いでイオン交換クロ
マトグラフィーまたは逆相HPLC等の仕上クロマトグラフ
ィー工程により、本発明のポリペプチドをさらに精製す
ることができる。
本発明のワクチンにおいて、好ましくは生理的pHに緩衝
された本発明のポリペプチドの水性溶液を直接用いるこ
とができる。あるいは、通常の凍結乾燥を施したかまた
はしていないポリペプチドを、いかなる各種公知のアジ
ュバントと混合あるいは吸着させることができる。かか
るアジュバントとしては、とりわけ水酸化アルミニウ
ム、ムラミルジペプチドおよびQuil A等のサポニンが挙
げられる。別の変法例として、ポリペプチドをリポソー
ム等の微粒子中に封入することができる。さらに別法例
として、死菌百日咳(Bordetella)または破傷風トキソ
イド等の免疫刺激性高分子に接合することができる。
ワクチンの調製は、一般的に、「ワクチンにおける新傾
向および発展」ボーラーら編、ユニバシティー・パーク
・プレス(New Trends and Developements in Vaccine
s,edited by Voller et al.,University Park Press,Ba
ltimore,Maryland,U.S.A)、(1978)に記載されてい
る。リポソーム中への封入は、例えば、フュラートン
(Fullerton)、米国特許第4235877号に記載されてい
る。タンパク質の高分子への接合は、例えばリクハイト
(Likhite)、米国特許第437294号およびアーモーら(a
rmor et al.)、米国特許第4474757号により開示されて
いる。Quil Aの使用は、例えばダルスガードら、アクタ
・ベテリナリア・スカンジナビカ(Dalsgaard et al.,A
cta.Vet.Scand.)、第18巻、349頁、(1977)に開示さ
れている。
各ワクチン投与量中に存在するポリペプチドの量は、典
型的なワクチンにおける著しく有害な副作用なしに免疫
防御応答を惹起する量として選択される。かかる量は、
どのポリペプチドを用いるか、およびワクチンにアジュ
バンドが添加されているか否かによって異なる。一般
に、各投与量はポリペプチドを1〜100μg、好ましく
は、10〜200μg含有する。特定のワクチンに対する最
適量は、抗体力価および患者における他の応答の観察を
含めた標準的考察により確かめることができる。第1回
接種の後、患者は好ましくは約4週間後に追加抗原投与
を受け、その後、感染の危険性が存在するかぎり、6カ
月毎に追加抗原投与を繰返し受ける。
以下の実施例で本発明を説明するが、これに限定される
ものではない。CSタンパク質コーディング配列は、ジェ
ームズ・ウェーバー・ウォルター・リード・アーミー・
インスティチュート・フォア・リサーチ(James Weber,
Walter Reed Army Institute for Research)により、p
UC8(標準的なイー・コリクローニングベクター(例え
ば、ベゼスダ・リサーチ・ラボラトリーズ・インゴーポ
レイテッド(Bethesda Research Laboratories,Inc.,Ga
ithersburg,MD)より入手可能)のEcoRIサイトにおける
λmPF1(前記デイムら(Dame et al.)参照)の2337bp
EcoRIフラグメント(第1a図参照)として得た。得られ
たpUC8誘導体は、pUC8クローン1と称する。
実施例 実施例1 CSタンパク質誘導体 精製したpUC8クローン1プラスミドDNA40μgを培地緩
衝液(50mMトリス、pH7.550mM MaCl、1mMジチオトレイ
トール(DTT)、10mM MgCl2)400μ中制限エンドヌク
レアーゼStuIおよびRsaI(各酵素、それぞれ100単位)3
7℃にて1.5時間消化する。CSタンパク質のはじめの18ア
ミノ酸以外をコードする得られた1216塩基対フラグメン
トを、5%ポリアクリルアミドゲル(PAGE)上での電気
泳動により単離する。発現ベクターpAS1 10μgを、培
地緩衝液200μ中制限エンドヌクレアーゼBamHI25単位
で、37℃にて1.5時間消化する。切断されたプラスミド
を、次いでDNAポリメラーゼ大フラグメントで処理し
(クレノウ5単位;20mMトリス−HCl、pH7.5、7mM MgC
l2、60mM NaCl、6mM2−メルカプトエタノールおよび各
0.25mMの4種のデオキシヌクレオチドトリホスフェー
ト;25℃、15分)、BamHIサイトの末端をうめる。CG遺伝
子フラグメント1μgを次いで30μリガーゼバッファ
ー(50mMトリス、pH7.5、1mM DTT、10mM MgCl2、100μM
rATP)中、1単位のT4−DNAリガーゼで4℃にて16時
間、このベクター100ngに結紮する。該結紮混合物をイ
ー・コリMM294CI+株に形質転換し、アンピシリン耐性
コロニーを得、CS遺伝子フラグメントのpAS1中への挿入
に関してスクリーンする。適正な構造を有するプラスミ
ド(pCSP)を同定し、イー・コリN515株(cIts857)に
形質転換し、完全なCSタンパク質の発現に関してテスト
する。(タンパク質のアミノ末端での18アミノ酸の欠失
は、真圧CSタンパク質の開裂シグナルペプチドに対応す
る。)細胞を、ルリア・ベルタニ・ブロス(LB)中で32
℃にて650nmでの吸収(A650)が0.6となる様に増殖さ
せ、2時間42℃で発現プラスミドのPLプロモーターの転
写およびその結果CSタンパク質誘導体の翻訳が起こる。
細胞の1mをサンプルにとり、ペレット化し、溶解緩衝
液(10mMトリス−HCl、pH7.8、25%(v/v)グリセロー
ル、2%2−メルカプトエタノール、2%ドデシル硫酸
ナトリウム(SDS)、0.1%ブロモフェニルブルー)中に
再懸濁し、105℃加熱ブロック中で5分間インキュベー
トする。タンパク質をSDS−PAGE(13%アクリルアミド3
0:0.8アクリルアミド:ビスアクリルアミド比)により
分離する。タンパク質をニトロセルロースに移し、イー
・コリにおいて産生したCSタンパク質を、熱帯熱マラリ
ア原虫CSタンパク質のテトラペプチド重複領域と反応性
の5つのモノクローナル抗体のプールを用いて、ウエス
ンブロット分析により検出する(前記デイムら(Dame e
t al.)参照)。
実施例2 R16tet86 精製したpUC8クローン1プラスミド100μgを培地緩衝
液400μ中制限エンドヌクレアーゼXhoII40単位で37℃
にて、16時間消化する。CSタンパク質の16テトラペプチ
ド重複をコードづける192塩基対フラグメントを次いでP
AGEにより単離する。発現ベクターpAS1を実施例1に記
載したのと同様にして制限エンドヌクレアーゼBamHIで
開裂させる。実施例1に記載したのと同様にして、192
塩基対のXhoIIフラグメント1μgをpAS1 100ngのBamH
Iサイトに結紮する。結紮ミックスをイー・コリMM294CI
+株に形質転換する。クローンは、該プラスミドのBamH
I−HindIIフラグメントのポアクリルアミドゲル電気泳
動分析によりpAS1のBamHIサイトで適正な配列である192
塩基対のXhoIIフラグメントを含有し、HindIIサイトがt
etR遺伝子の下流であり、BamHIサイトがcIIATGおよび適
正な配列のプラスミドの挿入部の結合点にあるものと同
定される。このプラスミドpR16tet86は、次の様に表さ
れる: (図中、BHはBamHIサイトを意味し、BはBanIIサイト、
Sは終止コドンを意味する)。pR16tet86は、イー・コ
リN5151株(cIts857)を形質転換するのに用いられ、ウ
エスタン・ブロット分析によりCSタンパク質のテトラペ
プチド重複の産生に関して調べる。この様にして産生さ
れたタンパク質は、次の様な配列を有する: N-met-asp-pro(asn-ala-asn-pro)15(asn-val-asp-pr
o)1T86-C (式中、T86はpAS1上に存在するテトラサイクリン耐性
遺伝子由来の86アミノ酸である)。
N−末端メチオニン(met)残基も、ベクター、より詳
しくは、cIIタンパク質開始コドン由来である。
実施例2A R32tet86およびR48tet86 精製したpR16tet86プラスミドDNA10μgを培地緩衝液20
0μ中BamHI25単位で37℃にて2時間、消化する。この
DNA100ngを次いで前記と同様にして、192塩基対のXhoII
フラグメント1μgと結紮する。次のポリペプチドをコ
ードするプラスミド発現ベクター、pR32tet86およびpR4
8tet86を調節し、イー・コリにおいて発現させる: N-met-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15-(asn-val-asp
-pro)〕n-T86-C (式中、nは2(R32tet86)またはnは3(R48tet86
である。)nが2または3であるpAS1クローンは、前記
と同様にして、各々nが2または3以外であるクローン
から選択される。調べた全てのクローンは、適正な配列
の挿入部を有していた。R32tet86およびR48tet86は両方
とも、イムノブロッティングにより評価される如く、R1
6tet86とほぼ同じレベルで発現される。
数種のRtet86タンパク質のイムノブロット分析により、
クーマシー・ブリリアント・ブルーR−250染色により
見られない不均一な生成物があることが示される。これ
らのタンパク質は、以下に記載の如くRtet32ポリペプチ
ドのおよそ半量まで著積されると考えられる。最小の分
解生成物の大きさは、クローン中のテトラペプチド重複
の数に比例する。これらのタンパク質の不安定性は、不
均質COOH末端の低下による。
実施例3 R16tet32 精製したpR16tet86DNA10μgを培地緩衝液200μ中制
限エンドヌクレアーゼBanII25単位で、37℃にて2時間
で切断する。切断したDNA100ngを次いで結紮する。この
操作により14塩基対のBanIIフラグメントが欠失し、残
存するBanIIサイトのすぐ下流に終止コドンが生じる。
得られたプラスミドpR16tet32を用いてイー・コリN5151
株においてR16tet32を発現させ、R16tet32をこれから精
製する。R16tet32を含有するイー・コリ30g(湿潤重
量)を緩衝液A(50mMトリスHCl、pH8.0、2mMエチレン
ジアミン四酢酸(EDTA)、0.1mMジチオトレイトール、
5%(v/v)グリセロール)200ml中に再懸濁させる。リ
ソザイムを添加して最終濃度を0.2mg/mlにし、該混合物
を氷上で30分間インキュベートし、細胞を溶解させる。
該混合物を次いでワーリングブレンダー中、最高値にセ
ットして3分間処理し、次いでブランソン350超音波装
置で1分間超音波処理することにより、微生物性DNAを
除去する。デオキシコール酸ナトリウムを添加して最終
濃度を0.1%(w/v)にし、この混合物を4℃にて30分間
攪拌する。該懸濁液を次いで12000×gで30分間遠心操
作に付し、細胞片を除去する。上清をフラスコ中に集
め、沸騰水浴中で10分間インキュベートし、12000×g
で30分間遠心分離する。殆ど全てのイー・コリタンパク
質が、加熱工程中に沈殿し、遠心操作中にペレット化さ
れ、一方、R16tet32タンパク質は溶解性で、上清中に含
まれる。上清を集め、次いで硫酸アルミニウムをゆっく
り添加して、最終濃度を飽和状態の20%とする。これに
より、R16tet32タンパク質が選択的に沈殿し、これを遠
心操作(12000×gで30分間)により集める。この時点
で、R16tet32は、他の汚染バクテリアタンパク質に関し
て約95%純粋である。
最終クロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換、逆
相高速液体クロマトグラフィー、フェニルセファロース
クロマトグラフィー、サイズ・セパレーション等)を行
い、タンパク質、炭水化物、核酸またはリポポリサッカ
ライド等の他の物質による残存する汚染物質を除去す
る。R16tet32を発現させ、イー・コリタンパク質全体の
5%にほぼ等しいレベル、即ち、フーマシーブルー染色
により示される様な、約30〜60mg/Lで精製する。
R16tet32は次に示す配列を有する: N-met-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15(asn-val-asp-
pro)〕nT32-C (式中、nは1、T32はテトラサイクリン耐性遺伝子由
来の32アミノ酸である。)さらに詳しくは、T32は、次
の様に配列: ‐leu-arg-arg-thr-his-arg-gly-arg-his-his-arg-arg-
his-arg-cys-gly-cys-trp-arg-leu-tyr-arg-arg-his-hi
s-arg-trp-gly-arg-ser-gly-ser-Cを有し、残存するBan
IIサイトは、30および31残基の間にある。
実施例3A R32tet32、R48tet32 前記実施例3と実質的に同様にして、R32tet32およびR4
8tet32(各々、R16tet32においてnが2および3であ
る)をイー・コリにおいて発現させ、R16tet32と同じレ
ベルおよび程度の純度に単離する。出発ベクターは、各
々、pR32tet86およびpR48tet36である。
実施例3B R64tet32、R80tet32 精製したpR48tet32プラスミドDNA10μgを培地緩衝液20
0μ中BamHI25単位で、37℃にて2時間消化する。この
DNA100ngを次いで前記と同様にして、192塩基対のXhoII
フラグメント1μgと結紮する。次に示すポリペプチド
をコードするプラスミド発現ベクターを調製し、イー・
コリにおいて発現させる。
N-met-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15(asn-val-asp-
pro)〕n-T32-C (式中、nは4(R64tet32)またはnは5(R80tet32
である)。nが4または5であるpAS1クローンを、前記
と同様にして、各々、nが4または5以外であるクロー
ンから選択する。R64tet32およびR80tet32は両方ともR4
8tet32とほぼ同じレベルで発現する。R64tet32を、前記
R16tet32、R32tet32およびR48tet32と実質的に同じ方法
で精製する。
実施例3C R96tet32およびR112tet32 前記実施例3Bに記載したのと実質的に同様にして、R96t
et32およびR112tet32(各々、nは6および7である)
をR48tet32とほぼ同じレベルでイー・コリにおいて発現
させる。出発ベクターはpR80tet32である。
イムノブロット分析により、精製したRtet32ポリペプチ
ドにおいて、いくぶん不均一性がみられるが、バンドに
対応する主要な反応性種がタンパク質染色により見られ
る。SDS−PAGEによって得られる分子量は、予想値の約
2倍であるが、各タンパク質の移動は、各構造中のテト
ラペプチドの数に比例する。数種のRtet32ポリペプチド
に関するアミノ酸組成決定は、予想通りの値を示す。
実施例4 R16G pTermは、配列: 5′−GATCCCGGGTGACTGACTGA−3′ 3′−GGCCCACTGACTGACTCTAG−5′ を有する合成リンカーを、pAS1のBamHIサイトに挿入す
ることにより調製される。pAS110μgを25単位のBamHI
で消化する。100ngのBamHI切断pAS1を20ngの合成リンカ
ーと結紮し、プラスミドpTermをpAS1のBamHIサイトに挿
入されたリンカーで同定する。このベクターはBamHIサ
イトを有し、全ての3種の解読フレーム中にcIIタンパ
ク質のATG開始コドンの下流にTGA終止コドンが挿入され
る。
pR16Gは、pUC8クローン1由来の192塩基対のXhoIIフラ
グメントをpTermのBamHIサイトに挿入することにより調
製し、適正な配列の1つのXhoII挿入部を有するクロー
ンを、実質的pR16Gは、pUC8クローン1由来の192塩基対
のXhoIIフラグメントをpRermのBamHIサイトに挿入する
ことにより調製し、適正な配列の1つのXhoII挿入部を
有するクローンを、実質的に前記と同様にして選択す
る。
実質的に前記と同様にして、pR16Gをクローン化し、イ
ー・コリN5151株において発現させる。
R16Gは、次に示す配列を有する: N-met-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15-(asn-val-asp
-pro)〕n−gly-C (式中、nは1である)。
このタンパク質は芳香族残基を含有していないので、発
現レベルを定量化するクーマシーブリリアントブルーR
−250染色法によって視覚化することができない。CSタ
ンパク質に関して特異的な5種のモノクローナル抗体を
用いたイムノブロット分析(前記デイムら(Dame et a
l.)参照)により、クーマシーブリリアントブルーR−
250染色が可能なR16tet32と比較して評価したレベル
は、全細胞タンパク質の約1%である。
実施例4A R32G、R48G、R64G、R80GおよびR112G 前記実施例4と同様にして、R32G、R48G、R64G、R80Gお
よびR112G(R16Gにおいて各々、nが2、3、4、5ま
たは7である)をイー・コリN5151株において発現させ
る。これらのポリペプチドは、R16Gとほぼ同じレベルで
発現される。実質的に実施例3に記載したのと同様にし
て、R48Gを精製する。
実施例5 R16LAおよびR32LA 実質的に実施例4に記載したのと同様にして、配列: 5′−GATCCGCTGCGTT−3′ 3′−GCGACGCAACTAG−5′ を有する合成リンカーをpAS1のBamHIサイトに挿入する
ことによりpTerm2を調製する。pTerm2はBamHIサイトを
有する。pUC8クローン1由来の192塩基対のXhoIIフラグ
メントを前記と同様にして挿入する。各々、適正な配列
の1種または2種のXhoII挿入部を有するクローンであ
るpR16LAおよびpR32LAを、実質的に前記と同様にして選
択する。実質的に実施例3に記載したのと同様にして、
R32LAを精製する。
実質的に前記と同様にして、pR16LAおよびpR32LAをクロ
ーン化し、イー・コリN5151株において発現させる。
R16LAおよびR32LAはつぎの配列を有する: N-met-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15(asn-val-asp-
pro)〕n-leu-arg-C (式中、nは、各々、1および2である)。C末端のロ
イシンおよびアルギニンは、pTerm2の合成リンカー由来
のものである。R16LAは全イー・コリタンパク質の約1
%で発現され、一方、R32LAは、全細胞タンパク質の約
5%で発現される。
実施例6 R16NS1 pAS1デルタEHは、pAS1起源のpBR322の必須でないEcoRI
−HindIII領域の切除により調製される。実質的に前記
と同様にして、10μgのpAS1を、培地緩衝液200μ中E
coRIおよびHindIII(各々、20単位)で切断し、DNAポリ
メラーゼ(クレノウ)で処理し、結紮し、イー・コリ中
に形質転換する。29塩基対のEcoRI−HindIIIフラグメン
トが欠失したクローンを同定する。861塩基対のビール
ス原および375塩基対のpBR322原中にインフルエンザビ
ールス(A/PR/8/34)NS1コーディング領域を含有するpA
PR801の1236塩基対のBamHIフラグメント(ヤングら、プ
ロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシズ・ユー・エス・エイ(Young et al.,P
roe.Natl.Acad.Sci.U.S.A)、第80巻、6105頁(1983)
参照)を、pAS1デルタEHのBamHIサイトに挿入する。得
られたプラスミド、pAS1デルタEH/801は真正のNS1(230
アミノ酸)を発現する。このプラスミドは、cII翻訳開
始サイトおよびNS1コーディング配列間にBamHIサイトを
有する。
実質的に前記と同様にして、pAS1デルタEH/801 10μg
を、ハイ・バッファー(50mMトリス・HCl、pH7.5、1mM
DTT、10mM MgCl2、100mM NaCl)200μ中EcoRI20単位
およびSalI20単位で、37℃にて2時間で切断し、DNAポ
リメラーゼ大フラグメント(クレノウ)で処理し、結紮
する。650塩基対のEcoRI−SalI領域が欠失したクローン
を単離する。このプラスミド、pNS1デルタESは真正のNS
1を発現する。
pUC8クローン1由来の192塩基対のXhoIIフラグメントを
pNS1デルタES中のBamHIサイト中に挿入することによりp
R16NS1を調製し、実質的に前記と同様にして、適正な配
列の1つのXhoII挿入を有するクローンを選択する。
煮沸工程を除いて、実質的に前記と同様にして、pR16NS
1をクローンし、イー・コリにおいて発現し、R16NS1を
精製する。
R16NS1は、次の配列を有する: N-met-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15(asn-val-asp-
pro)〕n-N227 (式中、nは1、N227は、NS1起源の227アミノ酸であ
る)。
R16NS1調製におけるR16NS1は、煮沸またはイオン交換工
程なしで、タンパク質の80%以上と評価された。特に著
しく高い比率を示すR16NS1は、総細胞タンパク質の約25
%である。
実施例6A R32NS1、R48NS1およびR64NS1 煮沸工程を除いて、実質的に実施例3に記載したのと同
様にして、R32NS1(R16NS1においてnが2である)イー
・コリにおいて発現し、イー・コリから精製する。R32N
S1はR16NS1とほぼ同じレベルで発現され、同じ程度まで
精製する。
実質的に前記と同様にして、R48NS1(R16NS1においてn
が3である)およびR64NS1(R16NS1においてnが4であ
る)をイー・コリにおいて発現させる。R48NS1およびR6
4NS1は、各々、総イー・コリタンパク質の約10%および
約5%で発現する。
実施例7 NS1R48 実質的に前記と同様にして、pR48tet86をBamHIで開裂さ
せ、DNAポリメラーゼ(クレノウ)で末端をうめる。プ
ラスミドを次いで前記の如くBanIIで開裂させ、3つのX
hoIIフラグメントを担う672塩基対のフラグメントおよ
びテトラサイクリン耐性遺伝子由来の96塩基対を得る。
実質的に前記と同様にして、10μgのpRAS1デルタEH/80
1をハイバッファー200μ中NcoI20単位で37℃にて2時
間で切断し、DNAポリメラーゼ大フラグメント(クレノ
ウ)で末端をうめる。NcoIサイトは、NS1中の81残基に
関するコドン中にある。プラスミドを次いで前記の如く
BanII切断して残存するNS1コドンおよびテトラサイクリ
ン耐性遺伝子の一部を切除し、pAS1デルタEH/801−1を
得る。
672塩基対のBamHI(末端をうめたもの)−BanIIフラグ
メントをpAS1デルタEH/801−1に挿入してpNS1R48を調
製する。このプラスミドを実質的に前記と同様にして、
イー・コリにおいて発現させる。NS1R48は、次の配列を
有する: N-81N-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15(asn-val-asp-
pro)〕n-T32-C (式中、81NはNS1の81N末端アミノ酸、nは3、T32は前
記のとおりである)。NS1R48は総細胞タンパク質の約5
%で発現される。
実施例8 R32N 実質的に前記と同様にして、10μgのpR32NS1を培地緩
衝液200μ中HindIII25単位で37℃にて2時間で切断
し、pR32NS1−1を得る。HindIIIサイトはNS1コーディ
ング領域中の残基5に関するコドン中にある。pR32NS1
−1 100ngを次いで実質的に前記と同様にして結紮す
る。得られたプラスミド、rR32Nは、NS1コーディング配
列において、5番目のコドンの後にTAA終止コドンを含
有する。pR32Nは、実質的に前記と同様にしてイー・コ
リにおいてR32Nを発現するのに用いる。
R32Nは、次の配列を有する: N-met-asp-pro〔(asn-ala-asn-pro)15-(asn-val-asp
-pro)〕n-N5-C 〔式中、nは2、N5はNS1遺伝子由来の5つのアミノ酸
である)。さらに詳しくは、N5は、次の配列を有する: ‐asn-thr-val-ser-ser-C R32Nは総イー・コリタンパク質の約5%で発現される。
実施例9 抗体応答−ELISA 組換タンパク質R16tet32、R32tet32およびR48tet32を実
質的に前記と同様にして精製し、0.01Mリン酸緩衝生理
食塩水pH7.0(PBS)に対して透析し、アリコートをと
り、−80℃にて貯蔵する。構築物を、PBS、水酸化アル
ミニウム(明バン)または完全フロインドアジュバント
(CFA)のいずれかと混合して、50μgのタンパク質を
含有する0.5mlの投与量を得る。PBS中CFA(GIBCO、Gran
d Island、NewYork)+抗原を1:1の比で、機械的攪拌機
で30分間攪拌することにより乳濁化させる。明バンをPB
S中に希釈した水酸化アルミニウムゲル(USP)から調製
する。
4℃にて12時間回転式混合機で、抗原は明バンに吸着さ
れる。該懸濁液をさらに12時間静置し、上清を廃棄し
て、1投与量につきAl0.80mgおよび組換タンパク質50μ
gを得る。6〜8週令のC57B1/6マウスを総量50μgの
タンパク質を皮下投与および腹腔内投与により免疫化す
る(1群につき5匹)。被験動物に、第一回注射と同じ
方法に従って、初期免疫化の4週間後に追加抗原投与を
する。ただし、CFA中免疫原を受けた群には、不完全フ
ロインドアジュバント(IFA)中乳濁化したタンパク質
で追加抗原投与を行う。1週間後、尾から採取した血を
全部ため、一夜4℃にて凝固させ、遠心操作に付して血
清を分離する。この血清を必要になるまで−80℃にて保
存する。
固相酵素免疫測定法(ELISA)を用いて、熱帯熱マラリ
ア原虫CSタンパク質(asn-ala-asn-pro)の4つの重
複からなる16アミノ酸合成ペプチドとの反応性に関し
て、全ての血清をテストする(デイムら、サイエンス
(Dame et al.,Science)、第225巻、593頁(1984)参
照)。合成ペプチド抗原を牛血清アルブミン(BSA)と
結合させ、これをマイクロタイタープレートの孔に塗布
する。0.01Mリン酸緩衝生理食塩水pH7.4(PBS)で希釈
したスクリーニング抗原50μ(0.1μg)をポリスチ
レンマイクロタイタープレート(イムンロン2 ダイナ
テク・ラボラトリーズ(Immunlon2 Dynatech Labo-rato
ries,Alexandria,VA)のくぼみにピペットで添加し、一
夜室温(約22℃)(RT)に保つ。孔内容物を次いで、吸
引し、ブロッキングバッファー(BB=PBS中1.0%BSA、
0.5%カゼイン、0.005%チメルソールおよび0.0005%フ
ェノールレッド)を充填し、1時間室温に保つ。マウス
の血清を連続してBB中に希釈し、50μを各孔に添加す
る。室温にて2時間インキュベートした後、孔を吸引
し、PBS−0.05%ツィーン20(PBS−TW20)で3回洗浄
し、10%PBS中熱不活化ヒト血清で1/500に希釈したヤギ
抗マウスIgG(H+L)(バイオラドラボラトリーズ(B
io-Rad Laboratories,Richmond,CA)と接合したホース
ラディッシユパーオキシダーゼμを各孔に添加する。
1時間後、孔内容物を吸引し、PBS−TW20で3回洗浄
し、次いで基質(1mg2,2′−アジノ−ジ−(3−エチル
ベンズチアゾリンスルホン酸−6)/0.1Mクエン酸リン
酸緩衝液、pH4.0ml、使用直前に0.005%過酸化水素を添
加)を各孔に添加する。414nmにおける吸収を1時間後
にELISAプレートリーダー(ティターテク・マルチスキ
ャン、フロー・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド
(Titertek Multiskan,Flowlaboratories,Inc.,McLean,
VA))で測定する。R16tet32、R32tet32およびR48tet32
構築物は、全てELISAにおいて反応する抗体を産生す
る。R16tet32は、単独で投与した場合、R32tet32および
R48tet32に比べて免疫原性が劣る。明バンおよびCFAは
両方とも3種のタンパク質全部の免疫原性を高め、抗体
は、少なくとも1領域で滴定により102000検出される。
実施例10 抗体応答−IFA 実施例9で得た抗血清は、間接免疫蛍光抗体分析(IF
A)でテストし、真正熱帯熱マラリア原虫CSタンパク質
と強く反応することが示された。猿マラリア原虫、シノ
モルギマラリア原虫(P.cynomolgi)、三日熱マラリア
原虫(P.viva)、およびガリナケウムマラリア原虫(P.
gallinaceum)に対する反応性は検出されなかった。R32
tet32に対する抗血清の反応性は、若干、囓歯類住血胞
子虫(P.berghei)に関してみられた。この結果は、ホ
ックマイヤーら、プロシーデンクズ・サード・インター
ナショナル・シンポジウム・オブ・イムノバイオロジ
ー、プロティンズペプタイズ、アタッシ、エム・ゼット
編、プレナム(Hockmeyer et al.,in Proc.3d Int′l.S
ymp.Immuno-biol.Proteins Peptides,ed.by Atassi,M.
Z.,Plenum New York(inpress)による、熱帯熱マラリ
ア原虫に対するある種のMabは、IFAにより、囓歯類住血
胞子虫スポロゾイトと反応することを示すデータと一致
する。
実質的にボスワース、ジャーナル・オブ・パラシトロジ
ィ(Bosworth、J.Parasitol.)、第61巻、769頁(197
5)に記載されているのと同様にして、スポロゾイトを
感染した蚊の唾液腺から摘出し、食塩水または0.5%BSA
を含有するMedium199(GIBCO)中に希釈し、血球計算盤
で計測し、2000〜5000スポロゾイト/10μに希釈す
る。10μのアリコートを、マルチウェルプリンテッド
IFAスライドの各孔に入れ、室温で乾燥し、−80℃にて
保存する。
IFAは、まず、BBで1/100に希釈した血清20μ容を、乾
燥したスポロゾイトを入れたIFAスライドの孔に入れる
ことにより開始する。湿潤室内で室温にて20分間インキ
ュベートした後、該血清溶液を吸引し、スポットを2滴
のPBSで洗浄する。BBで1:40に希釈したフルオレセイン
イソチオシアネート(キルケガード・アンド・ペリー
(Kirkegord and Pery,Gaithersburg,MD)と接合したヤ
ギ抗マウス抗体20μを次いで各スポットに添加する。
再び室温にて20分間インキュベートした後、該スポット
を再び2滴のPBSで洗浄し、グリセロールに添加し、500
倍のUV光の下で蛍光に関して調べる。
実施例11 CSP反応 R16tet32、R32tet32およびR48tet32で免疫化したマウス
由来の血清は、強いCSP陽性反応を示す(第1表参
照)。アジュバントなしで投与した場合、R16tet32だけ
が、陽性のCSP反応を示す抗体を産生せず、一方、CFAま
たは明バンとともに投与した場合、3つの構築物は全て
強いCSP反応を示す抗体を産生した。
CSP反応は、基本的にファンデルベルクら、(Vanderber
g et al.Mil.Med.)、第134巻(補遺1)、1183頁(196
9)により記載されているのと同様にして行う。Medium1
99中に再懸濁させた熱帯熱マラリア原虫500〜1000を含
有する蚊唾液腺スポロゾイトを、顕微鏡スライド上で血
清5μと混合し、カバーガラスをかけ、ペトロリウム
ゼリーをふちにつけて密封し、37℃にて1時間インキュ
ベートする。位相差顕微鏡で400倍で反応を評価する。2
5のランダムスポロゾイトを、各血清サンプルに関して
調べ、CSP陽性生体の数を表に示す。前記ファンベルク
ら(Vanderberg et al.)により記載されているCSP反応
度を書き加えてある。
(−)は、CSP反応性が検出されないことを示す;(2
+)は、スポロゾイトの表面上に粒状の沈殿が見られる
ことを示す;(4+)は、スポロゾイトの一端に、長い
糸状フィラメントが見られることを示す。正常マウス血
清、およびCFAのみで免疫化したマウスから得た血清
は、同様の分析で検出可能なCSP活性を示さなかった。
実施例12 肝臓細胞ブロッキング 前記実施例9で得た血清を、in vitroでの侵入阻害分析
で調べた(第2表)。これらのデータにより、R32tet32
およびR48tet32タンパク質はアジュバントの非存在下で
も抗体に強いブロッキング活性を惹起することがわか
る。R16tet32は、適用され明バンに吸収される場合は、
強いブロッキンング抗体の惹起にあまり有効でない。こ
れは、R16tet32タンパク質に生じる抗血清について見ら
れる弱いCSP反応性および低いELISA滴定値と一致する。
培養細胞のスポロゾイト侵入の阻害は、ホリングデイル
ら、ジヤーナル・オブ・イムノロジイ(Hollingdale et
al.,J.Immu nol.)第32巻、909頁(1984)により記載
されているのと実質的に同様にして行なわれる。R16tet
32、R32tet32およびR48tet32構築物で免疫化されたマウ
スから得た血清を、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイトに
よる培養細胞の侵入の阻害性に関してテストした。血清
を培養液中に希釈し、HepG2−A16細胞培養物に添加し
て、最終希釈度を1:20(v/v)にする。次いで12000〜40
000の蚊唾液腺熱帯熱マラリア原虫スポロゾイトを適用
した培養物を、37℃にて5%CO2雰囲気下で3時間イン
キュベートし、Dulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水(PB
S)ですすぎ、メタノール中で凝固させて、PBSで2回洗
浄する。
細胞中にはいったスポロゾイトは、免疫パーオキシダー
ゼ分析(IPA)により視覚化できる(前記ホリングデイ
ルら(Hollingdale et al.参照)。IPAは、まず、固定
化培養物を熱帯熱マラリア原虫に対するMab(2Fl.1、前
記デイムら(Dame et al.参照)で処理し、次いで、ホ
ースラディッシュパーオキシダーゼと接合したウサギ抗
マウスイムノグロブリンとともにインキュベートし、3,
3−ジアミノベンジジンで染色することにより行う。培
養細胞中に侵入したスポロゾイトの数を、ライツ(Leit
z)の顕微鏡で、250倍で、暗青色フィルターを用いて、
全調製物中に存在する細胞内寄生体の計測により測定す
る。実験は、2回または3回ずつ行い、同一の実験にお
いては、各細胞培養物に同数のスポロゾイトを添加す
る。阻害は、正常マウス血清対照例と比較した抗構築免
疫血清によるスポロゾイト侵入の減少率(%)であり、
CS反応性Mab2F1.1により、希釈度1/20で100%のスポロ
ゾイト侵入阻害が得られた。
実質的に前記と同様にして調製した組換タンパク質、RL
A、R16NS1およびR32NS1を、同様にELISAおよびIFA分析
でテストし、同様に、16合成ペプチド残基と反応する抗
体を惹起し、陽性のCSP反応を示すことが判明した。R32
tet32およびR32LAは、その反応の均一性、発現レベルお
よび調製の容易性のために好ましい。
合成的に製造したワクチンの第一の問題は、合成免疫原
性に対して産生された抗体が真正分子を認識するかどう
か、および該抗体が防御を付与するのに十分な生物学的
性質を有するかどうかである。免疫蛍光分析およびCSP
反応の両方を示す実施例により、イー・コリ構築物に対
して産生された抗体は、スポロゾイトの表面と反応し、
従って、真正CSタンパク質を認識することがわかる。CS
P抗体は動物およびヒトにおいて存在し、防御免疫と重
要な関連があることが判明している。抗構築抗体in vit
roでヒトヘプトーマのスポロゾイト侵入を阻害すること
は明らかである。前記ホリングデイルら(Hollingdale
et al.)は、熱帯熱マラリア原虫および三日熱マラリア
原虫に対するヒト免疫由来のポリクローナル血清と同時
に、スポロゾイト侵入をブロックすることを示してい
る。in vitroでのスポロゾイト侵入のブロッキングは、
従って防御抗体に関する評価として考慮される。従っ
て、該データは全体として、侵入のワクチンは、熱帯熱
マラリア原虫スポロゾイトによる感染からヒトを防御す
るのに用いることができることがわかる。
ELISA滴定により評価されるこれらの組換タンパク質、
表面反応性(IFAおよびCSPにより示される)およびスポ
ロゾイト侵入のブロッキングに対する免疫応答は、完全
フロインドアジュバントまたたは明バンのいずれかを用
いることにより高められる。完全フロインドアジュバン
トは、発熱させ、肉芽腫を生じさせ、その結果、ツベル
クリン過感作となるので、ヒトにおいて用いることがで
きない。明バンは、現在、ジフテリアおよび破傷風トキ
ソイド等の確立されたワクチン、ならびに最新ワクチン
の一種、B型肝炎において、アジュバントとして用いら
れている。これは、有効で、ヒトにおいて長期間安全に
使用できることが実証されている。
実施例13 ワクチン調製物 一例として、ワクチンを以下の様にして調製する。3%
水酸化アルミニウムの緩衝水性溶液(10mMリン酸ナトリ
ウム、150mMNacl、pH6.8;濾過により滅菌化)に、同様
の緩衝液中本発明のポリペプチド溶液を攪拌しながら添
加し、ポリペプチドの最終濃度を100μg/ml、アルミニ
ウム(Al3+)の最終濃度を1.0mg/mlにする。pHを6.6に
保つ。該混合物を約0℃にて一夜静置する。チメルソー
ルを添加し、最終濃度を0.005%にする。pHをチェック
し、要すれば、6.8に調節する。
以上の様に本発明およびその好ましい具体例を記載した
が、本発明は、記載した具体例に限定されるわけではな
く、むしろ特許請求の範囲に含まれるあらゆる修飾が含
まれる。
【図面の簡単な説明】
第1a図は、CSタンパク質のコーディング配列を担う熱帯
熱マラリア原虫(Plasmoduim falciparum)ゲノムDNAの
領域の部分的制限エンドヌクレアーゼ開裂地図である。 第1b図は、pAS1の部分的制限エンドヌクレアーゼの開裂
地図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 13/00 8318−4H C12P 21/02 C 8214−4B (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (56)参考文献 Science,1984〔225〕P.593− 599

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falcipa
    rum)のCSタンパク質のタンデム重複単位の4つ以上
    と、非CSタンパク質とからなるポリペプチドをコードす
    るDNA配列を含み、該非CSタンパク質が、Gly、Leu−Ar
    g、インフルエンザ・ウイルス非構造タンパク質(NS
    1)、NS1の81のN末端アミノ酸、Asn−Thr−Val−Ser−
    Ser、テトラサイクリン耐性遺伝子製品の86N−末端アミ
    ノ酸(tet86)およびテトラサイクリン耐性遺伝子製品
    の32N−末端アミノ酸(tet32)のいずれかから選択さ
    れ、該タンデム重複単位が、式 N−Met−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)15(Asn−
    Val−Asp−Pro)]n(ここにn≧1) で示され、該DNA配列が調節エレメントに作動可能に結
    合していることを特徴とするイー・コリ(E.coli)発現
    ベクター。
  2. 【請求項2】コードされたポリペプチドが、式 N−Met−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)15(Asn−
    Val−Asp−Pro)]n−tet32−C(ここにn≧1) で示される特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  3. 【請求項3】コードされたポリペプチドが、式 N−Met−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)]n−t
    et32−C(ここにn≧1) で示される特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  4. 【請求項4】tet32が、式 Leu−Arg−Arg−Thr−His−Arg−Gly− Arg−His−His−Arg−Arg−His−Arg− Cys−Gly−Cys−Trp−Arg−Leu−Tyr− Arg−Arg−His−His−Arg−Trp−Gly− Arg−Ser−Gly−Ser−C で示されるアミノ酸配列からなる特許請求の範囲第
    (3)項記載のベクター。
  5. 【請求項5】コードされたポリペプチドが、式 N−Met−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)15(Asn−
    Val−Asp−Pro)]n−Gly−C(ここにn≧1) で示される特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  6. 【請求項6】コードされたポリペプチドが、式 N−Met−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)15(Asn−
    Val−Asp−Pro)]n−Leu−Arg−C(ここにn≧
    1) で示されるされる特許請求の範囲第(1)項記載のベク
    ター。
  7. 【請求項7】コードされたポリペプチドが、式 N−Met−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)15(Asn−
    Val−Asp−Pro)]n−NS1−C(ここにn≧1) で示される特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  8. 【請求項8】コードされたポリペプチドが、式 N−NS181−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)15(Asn
    −Val−Asp−Pro)]n−tet32−C(ここにn≧1) で示される特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  9. 【請求項9】コードされたポリペプチドが、式 N−Met−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)15(Asn−
    Val−Asp−Pro)]n−Asn−Thr−Val−Ser−Ser−C
    (ここにn≧1) で示される特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  10. 【請求項10】調節エレメントがPLプロモーターと、c
    II翻訳開始サイトを含めたc IIリボソーム結合サイトを
    含む特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  11. 【請求項11】pAS1調節エレメントを有する特許請求の
    範囲第(3)項記載のベクター。
  12. 【請求項12】熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falci
    parum)のCSタンパク質のタンデム重複単位の4つ以上
    と、非CSタンパク質とからなるポリペプチドをコードす
    るDNA配列を含み、該非CSタンパク質が、Gly、Leu−Ar
    g、インフルエンザ・ウイルス非構造タンパク質(NS
    1)、NS1の81のN末端アミノ酸、Asn−Thr−Val−Ser−
    Ser、テトラサイクリン耐性遺伝子製品の86N−末端アミ
    ノ酸(tet86)およびテトラサイクリン耐性遺伝子製品
    の32N−末端アミノ酸(tet32)のいずれかから選択さ
    れ、該タンデム重複単位が、式 N−Met−Asp−Pro[(Asn−Ala−Asn−Pro)15(Asn−
    Val−Asp−Pro)]n(ここにn≧1) で示され、該DNA配列が調節エレメントに作動可能に結
    合しているイー・コリ(E.coli)発現ベクターで形質転
    換されたイー・コリ。
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