JPH0697793A - 遮断器の操作制御回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遮断器の操作制御回路の単一部品故障による
誤動作を防止し、かつ信頼性の向上及び保守性の向上を
図ることを目的とする。 【構成】 半導体スイッチ回路を直列接続された複数個
の半導体スイッチング素子で構成し、各部の電圧印加状
態を検出できるように電圧検出回路を半導体スイッチン
グ素子と負荷の両端に並列接続する構成とした。 【効果】 半導体スイッチが複数個の半導体スイッチン
グ素子の直列接続で構成されているため、一素子の短絡
故障に対して誤動作を防止できる。さらには、半導体ス
イッチング素子や負荷の断線等の単一故障においても、
制御回路の点検機能を維持することができ、操作制御回
路の異常を点検により速やかに検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は遮断器の操作制御回路に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は例えば実開平2-24636号公報に示
された従来の遮断器トリップ操作回路である。制御電源
の正極端子1a、負極端子1bの間には半導体スイッチ２、
補助開閉器３、遮断器のトリップコイル４の直列回路が
接続されている。半導体スイッチ２は遮断器の閉極時に
は遮断状態であり、図示していない制御装置から遮断器
のトリップ指令５が与えられると半導体スイッチ２は導
通する。補助開閉器３は遮断器の閉極時には導通状態で
あり、遮断器が開極を完了すると遮断状態になる。これ
らの導通、遮断状態は図示を省略した公知の制御装置に
より制御されている。

【０００３】次に図５の回路の動作について説明する。
図示しない遮断器が閉極状態において、事故電流検出に
よりまた電力系統の構成変更指令に対して、短時間のう
ちに遮断器の開極操作を行う必要があるときは、遮断器
の開極動作の引き金となるトリップコイル４の励磁が遮
断器のトリップ指令５に対して随時行えるよう準備がな
されている。前述のとおり、まず遮断器の閉極時には半
導体スイッチ２は遮断状態、補助開閉器３は導通状態で
あるから、トリップコイル４は励磁されていない。図示
しない制御装置から半導体スイッチ２に遮断器のトリッ
プ指令５が与えられると半導体スイッチ２は導通し、そ
れ故トリップコイル４が励磁されて遮断器が開極動作を
開始する。遮断器が開極を完了すると、補助開閉器３が
遮断されるので半導体スイッチ２は遮断状態となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の遮断器の操作制
御回路は以上のように構成されているので、半導体スイ
ッチ２に短絡故障が発生すると遮断器が誤動作してしま
い、電力供給が停止する等で電力供給の信頼性がそこな
われるという問題点があった。この発明は上記のような
問題点を解消するためになされたもので、遮断器の操作
制御回路に用いられている半導体スイッチ２に短絡故障
が生じても遮断器は誤動作しなく、かつ平常時には操作
制御回路の点検を常時行うことにより、保守・点検が容
易に行える操作制御回路を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の遮断器の操作
制御回路は複数個の直列に接続された半導体スイッチン
グ素子とそれぞれの半導体スイッチング素子を駆動する
各駆動回路とを有する半導体スイッチ回路と、前記半導
体スイッチング素子のそれぞれに並列に接続され前記半
導体スイッチング素子を点検する第１の電圧検出回路
と、前記半導体スイッチング素子の直列接続にさらに直
列に接続された遮断器操作用電磁装置と、前記遮断器操
作用電磁装置に並列に接続され前記遮断器操作用電磁装
置を点検する第２の電圧検出回路と、前記駆動回路のそ
れぞれを一斉に駆動して前記遮断器操作用電磁装置の操
作指令信号を与えると共に前記駆動回路を独立して制御
する点検信号を与え前記第１の電圧検出回路、前記第２
の電圧検出回路の出力により前記半導体スイッチング素
子及び前記遮断器操作用電磁装置を点検する制御回路、
とを有する。

【０００６】

【作用】複数個の直列に接続された半導体スイッチング
素子で構成された半導体スイッチ回路が一つの半導体ス
イッチング素子の短絡故障に対して誤動作を防止する。
さらに半導体スイッチング素子や負荷の断線等の単一故
障に対して、それぞれに並列に接続された電圧検出回路
が遮断器の閉極中の平常時に常時点検をする。

【０００７】

【実施例】図１はこの発明による遮断器の操作制御回路
の一実施例である。図１において制御電源の正極端子1
a、負極端子1bの間には半導体スイッチ回路12及び遮断
器のバネ操作用モーター17の直列回路が電気的に接続さ
れている。半導体スイッチ回路12は、トランジスター61
及びトランジスター62の直列接続と、トランジスター61
のベースに接続された駆動回路71及びトランジスター62
のベースに接続された駆動回路72と、で構成されてい
る。トランジスター61のコレクターとエミッターの間に
は、抵抗81aと発光ダイオード81bの直列接続で構成され
半導体スイッチング素子を点検する電圧検出回路81が電
気的に接続され、トランジスター62のコレクターとエミ
ッターの間には、抵抗82aと発光ダイオード82bの直列接
続で構成された半導体スイッチング素子を点検する電圧
検出回路82が電気的に接続されている。電圧検出回路8
1,82はそれぞれトランジスター61,62が正常に作動して
いるか否かを点検するためのものである。さらに遮断器
のバネ操作用モーター17の両端子にも、抵抗83aと発光
ダイオード83bの直列接続で構成され操作用モーター17
を点検する、電圧検出回路83が電気的に接続されてい
る。駆動回路71及び駆動回路72への駆動信号51及び駆動
信号52は、光信号により制御回路13から入力され、半導
体スイッチング素子を点検する電圧検出回路81,82の光
信号出力91,92及び操作用モーター17を点検する電圧検
出回路83の光信号出力93は、制御回路13へ入力される。
制御回路13は、外部から操作指令14を受けて駆動信号51
及び駆動信号52を出力し、それによりトランジスター61
及びトランジスター62を同時に導通する機能、及びさら
に操作指令14を待機しているときに図１の操作制御回路
全体の中の各半導体スイッチング素子61,62、各構成回
路81,82などを常時点検する機能の両者を有し点検結果
は出力信号15として外部に出力する。

【０００８】以上のように構成された図１の実施例の動
作を説明する。外部からの操作指令14が入力されていな
いとき、制御回路13から出力される駆動信号51,52は遮
断されているので半導体スイッチ回路12は遮断状態であ
り、制御電源の正極端子1a及び負極端子1bから遮断器の
バネ操作用モーター17へは駆動電流は供給されない。次
に外部からの操作指令14が与えられると、制御回路13は
駆動信号51,52を駆動回路71,72に入力し、駆動回路71,7
2はトランジスター61,62を導通させて半導体スイッチ回
路12が導通状態となる。半導体スイッチ回路12が導通状
態となるとバネ操作用モーター17に駆動電流が流れ、図
示しない遮断器の投入バネの操作を開始する。投入バネ
操作機構に設けられた図示しないリミットスイッチによ
り投入バネの操作完了が検出されると、外部からの操作
指令14が遮断され、制御回路13は駆動信号51,52の送出
を停止して半導体スイッチ回路12を遮断状態にする。半
導体スイッチ回路12が遮断状態になると、バネ操作用モ
ーター17の駆動電流を遮断してバネ操作用モーター17を
停止させる。

【０００９】外部からの操作指令14が制御回路13に入力
されていない平常時には、制御回路13の動作によって図
１の操作制御回路全体の中の各半導体スイッチング素子
61,62、各構成回路81,82などの点検が行なわれるが、こ
の点検の動作を図２及び図３にもとづき説明する。図２
及び図３に示されたプログラムは制御回路13に内蔵され
ている。まずステップ101で駆動信号51,52を遮断してト
ランジスター61,62を遮断状態にする。このとき電圧検
出回路81の出力信号91が遮断状態（ステップ102）で且
つ電圧検出回路82の出力信号92が導通状態（ステップ11
1）であれば、トランジスター61が短絡故障と判断され
る（ステップ112）。また出力信号91が導通し出力信号9
2が遮断状態（ステップ103）であれば、トランジスター
62が短絡故障と判断される（ステップ113）。さらに出
力信号91が導通状態、出力信号92が導通状態で且つ出力
信号93が導通状態（ステップ104）の場合にはバネ操作
用モーター17が断線故障と判断される（ステップ11
4）。駆動信号51,52を遮断して出力信号91が導通状態、
出力信号92が導通状態、出力信号93が遮断状態のときに
はこれらの短絡と断線の故障がないと判断される。

【００１０】次にステップ105で駆動信号51を導通状態
にし駆動信号52を遮断する。このとき出力信号91が導通
状態（ステップ106）であればトランジスター61の断線
故障と判断される（ステップ115）。また出力信号91が
遮断状態で出力信号92も遮断状態（ステップ107）の場
合電圧検出回路82の断線故障と判断される（ステップ11
6）。駆動信号51を導通状態、駆動信号52を遮断状態に
して出力信号91が遮断状態、出力信号92が導通状態のと
きにはこれらの断線故障がないと判断される。更にステ
ップ108で駆動信号51を遮断し、駆動信号52を導通状態
にする。このとき出力信号91が遮断状態（ステップ10
9）であれば電圧検出回路81の断線故障と判断される
（ステップ117）。また出力信号91が導通状態で出力信
号92も導通状態（ステップ110）の場合トランジスター6
2の断線故障と判断される（ステップ118）。駆動信号51
を遮断状態、駆動信号52を導通状態にして出力信号91が
導通状態、出力信号92が遮断状態のときはこれらの断線
故障がないと判断されて点検の動作が終了する（ステッ
プ119）。図４は図２及び図３のプログラムで検出され
た各故障モードの真理値表を示す図である。図１の実施
例による遮断器の操作制御回路は半導体スイッチ回路が
複数個の直列に接続された半導体スイッチング素子で構
成しているので、一つの半導体スイッチング素子の短絡
故障に対しても誤動作を防止できる。また点検により故
障部分を常時検出し、その都度故障部分を修復すること
により遮断器の操作制御回路を常に健全な状態に保つこ
とができる。

【００１１】図１の実施例では半導体スイッチ回路12は
複数個の直列に接続された半導体スイッチング素子を単
一で構成したが、直列回路を複数個並列に接続しても半
導体スイッチング素子の断線故障に対して同様の効果を
奏する。また図１の実施例では半導体スイッチング素子
としてトランジスター61,62を用いたが、制御電源が交
流の場合にはサイリスタ等の半導体スイッチング素子を
用いてもよい。また図１の実施例ではバネ操作用モータ
ー17であるが、トリップコイル等を負荷として半導体ス
イッチ回路12に接続してもよい。図１の実施例は遮断器
の操作制御回路について説明したが、断路器や他の開閉
装置であっても図１の実施例と同様の効果を奏する。

【００１２】

【発明の効果】この発明によれば、半導体スイッチ回路
が互に直列に接続された複数個の半導体スイッチング素
子で構成されているので、半導体スイッチング素子の短
絡故障が発生しても誤動作を回避することができる。ま
た、半導体スイッチング素子及び負荷の両端に接続され
た電圧検出回路により単一故障による操作制御回路の異
常を点検できるので、信頼性が高く保守の容易な遮断器
の操作制御回路を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による遮断器の操作制御回路の一実施
例

【図２】この発明による遮断器の操作制御回路の点検時
のフローチャート

【図３】図２のフローチャートの続き

【図４】この発明による遮断器の操作制御回路の点検時
の真理値表の図

【図５】従来の遮断器の操作制御回路

【符号の説明】

12 半導体スイッチ回路 13 制御回路 17 バネ操作用モーター 61 半導体スイッチング素子 62 半導体スイッチング素子 71 駆動回路 72 駆動回路 81 第１の電圧検出回路 82 第１の電圧検出回路 83 第２の電圧検出回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個の直列に接続された半導体スイッ
   チング素子とそれぞれの半導体スイッチング素子を駆動
   する各駆動回路とを有する半導体スイッチ回路と、 前記半導体スイッチング素子のそれぞれに並列に接続さ
   れ前記半導体スイッチング素子を点検する第１の電圧検
   出回路と、 前記半導体スイッチング素子の直列接続にさらに直列に
   接続された遮断器操作用電磁装置と、 前記遮断器操作用電磁装置に並列に接続され前記遮断器
   操作用電磁装置を点検する第２の電圧検出回路と、 前記駆動回路のそれぞれを一斉に駆動して前記遮断器操
   作用電磁装置の操作指令信号を与えると共に前記駆動回
   路を独立して制御する点検信号を与え前記第１の電圧検
   出回路、前記第２の電圧検出回路の出力により前記半導
   体スイッチング素子及び前記遮断器操作用電磁装置を点
   検する制御回路、とを有する遮断器の操作制御回路。