JPH0697158B2 - 熱交換器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、積層構造をなすプレート・フイン型の熱交
換器に関するものである。

〔従来の技術〕 プレート・フイン型の熱交換器は、単位体積当りの伝熱
面積が大きく、比較的小型で高効率の熱交換器として広
く使用されており、熱交換すべき２つの流体の流れ方の
違いから向流型、対向流型、直交（斜交）流型の三種類
に分けることができる。空調装置に対しては直交流型が
多く採用されているが、これまでその基本的な構成は、
第３図に示すように熱交換すべき２つの流体を仕切る厚
紙等よりなる熱交換板（101）を、複列の平行流路を構
成する厚紙等よりなる波形板状の間隔保持板（102）を
挾んで積層し全体を段ボール紙状の構造としている。第
３図の空調用のものにおいてはその熱交換板（101）は
伝熱性と通湿性とを合わせもった和紙をベースとする紙
材で形成され、間隔保持板（102）も熱交換板（101）と
同じような紙材を波形板に加工し所定の寸法形状に切断
することで得られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の熱交換器にあっては、波形板を所定
の寸法形状に切断して得られる間隔保持板（102）を同
様に切断によって得られる熱交換板（101）に挾着する
ことで製造されているが、波形板の山および谷と平行で
ない方向の切断で端面の波形がつぶれたりしやすく、空
気対空気の熱交換器では切断時の端面の変形により圧力
損失が大きいものとなっている。また、切断によって所
定の寸法形状を得るため、材料の歩止まりが悪く、ひし
形等の形状に切断する場合には廃材が40％にも達するこ
とになる。

本発明はかかる問題点を解決するためになされたもの
で、製造にあたり廃材がほとんど出ず材料の歩止まりが
良く圧力損失の低い熱交換器を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る熱交換器は、平板状のプレートの片面に
プレートの結合性の良い非金属材料で形成した直線状の
リブを所定の間隔をおいて列状に配設してなる単位部材
を複数枚リブが交差するよう交互に積層し、リブによっ
て多段の平行流路を構成するとともに、リブのうちの最
外側部の二つの外側部分を上下に斜面を持つ略山形に形
成してプレートの端より外方へ突出させたものである。

〔作用〕

この発明においてはプレートとの結合性の良い非金属材
料で形成した直線状のリブのプレートへの列状配設によ
って流体を通す平行流路が形成されるので、平行流路に
ぱらつきが出来にくく端面の変形がないので圧力損失が
低い。また、単位部材をプレートに対するリブの配設に
よって得るための廃材がほとんど出ず材料の歩止まりが
良い。さらに単位部材の最外側部のリブが平行流路への
流体の案内作用を果すので空調装置への採用においては
送風機を小型に出来るほどに圧力損失が低いものとな
る。

〔発明の実施例〕

図面に示す実施例としての熱交換器は、空調分野で採用
される空気対空気の熱交換器で、第１図のものは、熱交
換すべき２つの流体がおおむね直角に交叉して流れる直
交流型で、２つの流体が角度をなして流れる熱交換器の
一例としてこの直交流型の熱交換器（１）について説明
する。この熱交換器（１）は、複数枚のプレート（２）
のそれぞれの間に、一定の方向に等しい間隔をもって並
ぶ直線状のリブ（３）によって平行流路を形成したもの
で、リブ（３）の方向が一層ごとにおおむね90゜ずれて
いるものである。プレート（２）は伝熱性と通湿性とを
合わせもつ和紙などよりなる0.05〜0.2mm程度の薄肉の
方形の平板で、熱交換すべき２つの流体を仕切る部材
で、その片面にプレート（２）との結合性の良い例えば
高分子系材料・セラミックス・フアイバー材料・木材・
紙等の非金属材料よりなるリブ（３）が所定の間隔をお
いて列状に固定され、熱交換器（１）の構成単位となる
単位部材（４）を構成している。各単位部材（４）のリ
ブ（３）の高さ（プレート（２）同志の間隔を規定し、
１〜2.0mm程度である）は、熱交換すべき流体を通す複
列の平行流路をプレート（２）の対向する間隙に構成す
る要素である。リブ（３）及びプレート（２）の肉厚
は、薄ければ薄いほど熱交換のうえからは良い結果が得
られるが、実際にはそれらの機械的強度を保つという要
請を受け、極端な薄肉にはできない。しかし、リブ
（３）が合成樹脂でプレート（２）の片面に一体成形さ
れている本例の熱交換器（１）ではプレート（２）の機
械的強度をリブ（３）で補足させうるので、その分プレ
ート（２）の機械的強度を下げ薄肉にすることもできる
のである。各リブ（３）は相互に独立した形態で一面に
おいてプレート（２）の片面に密着している。単位部材
（４）のリブ（３）のうち最外側部の二つのリブ（3A）
についてはプレート（２）との当り面となる上面（５）
が他のリブ（３）のそれより広く形成され、かつその外
側部分が上下に斜面（６）をもつ山形等に形成されプレ
ート（２）の端より外方へ突出している。従って、プレ
ート（２）が和紙のような柔軟な材料のものであっても
一つの単位部材（４）のプレート（２）と他の単位部材
（４）のリブ（3A）の上面との接着性は良く、もれの少
ない安定した構造の熱交換器（１）となる。

しかして、単位部材（４）を、一層ごとにリブ（３），
（3A）の方向が90゜ずれるように積層し、相互に接着す
れば第１図に示すような構造的安定性が高く組立性もよ
い直交流型の熱交換器（１）が得られる。そして、同じ
方向の一つの系統の平行流路に一次空気を、他の一つの
系統の平行流路に二次空気を通せば、これまでのこの種
のものと同様に、一次空気と二次空気との間での熱交換
が可能である。この熱交換器（１）は、伝熱性と通湿性
とを兼備する材料でプレート（２）が形成されているた
め顕熱と潜熱の双方の熱交換が可能であるが、プレート
（２）を伝熱性をもつ材料により形成し顕熱に関する熱
交換器を構成することも全く同様の仕方で可能である。
そして、最外側部のリブ（3A）のそれぞれの斜面（６）
が流体の平行流路への案内をするから端面への流体の衝
突がなく圧力損失は著しく低くなる。従って、空調装置
への適用では送風機を小型にすることが可能で、製造面
では端面の変形を伴うような切断工程を要しないので、
端面の変形による不良品が出ず歩止まりが良い。

〔発明の効果〕

以上、実施例による説明からも明らかなように本発明の
熱交換器は、伝熱性のあるプレートの片面にプレートと
の結合性の良い非金属材料よりなるリブを所定の間隔を
おいて列状に配設してなる単位部材を複数枚リブが交差
よるよう交互に積層して各プレート同志の隙間に前記リ
ブによる複列の平行流路を多段に構成してなる熱交換器
で、各単位部材のリブのうちの最外側部の二つのリブの
外側部分を上下に斜面をもつ略山形に形成し、プレート
の端より外方へ突出させたものであるから、単位部材相
互の積層が容易で作り易く、端面の切断によるつぶれな
ども出来ず材料の歩止まりが良い。さらにリブの最外側
部のものが平行流路への流体の案内をするので流体の衝
突がなく圧力損失が著しく低いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の適用例としての直交流型の熱交換器を
示す斜視図、第２図は、その単位部材を単独に示す斜視
図、第３図は従来例としての直交流型の熱交換器を示す
斜視図である。図において、（１）は熱交換器、（２）
はプレート、（３）はリブ、（3A）は最外側部のリブ、
（４）は単位部材、（６）は斜面である。なお、図中同
一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】伝熱性を有する平板状のプレートの片面に
   プレートとの結合性の良い非金属材料よりなるリブを所
   定の間隔をおいて列状に配設してなる単位部材を複数枚
   リブが交互に交差するように積層して各プレート同志の
   隙間に前記リブによる複列の平行流路を多段に構成して
   なる熱交換器であって、前記単位部材のリブのうちの最
   外側部の二つの外側部分を上下に斜面をもつ略山形に形
   成し、プレートの端より外方へ突出させたことを特徴と
   する熱交換器。