JPH069708Y2 - プレス機と金型取付用治具の組み合わせ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、プレス機のベッド上に設けた基板上とプレ
ス機の昇降部材の下部に取付けた上部板の下部とに下金
型と上金型を取付ける際に出没自在の複数のノックピン
により下金型と上金型の位置決めを行うようにしたプレ
ス機と、この金型取付けの際に用いる治具との組み合わ
せに関する。

〔従来の技術〕

第６図において、１はプレス機のベッド２上に固定した
基板、３はプレス機のラムにより昇される昇降部材４の
下面に固定した上部板である。

上記基板１上には図示省略してあるクランプ装置により
下金型７を固定し、上部板３の下面には図示省略してあ
るクランプ装置により上金型８を固定し、下金型７上に
所望の金属板からなるワークを載せ、上金型８を下降さ
せてプレス加工を施す。

下金型７を基板１上に固定するために、位置決めが必要
であり、そのため、基板１に出没する前後一対で一組の
昇降ノックピン９を左右二組設けて、基板１に設けた左
右一対の前後方向の操作軸１０に設けたピニオンギヤ１
１をノックピン９のラックギヤ１２に噛合させて操作軸
１０の先端のツマミ１３でノックピン９を上下させて、
ノックピン９を下金型７のノック孔１４に着脱自在に係
合させる。

また、上部板３にはその下面に出没する前後一対で一組
の昇降ノックピン１７を左右二組設けて、上部板３に設
けた左右一対の前後方向の操作軸１８に設けたピニオン
ギヤ１９をノックピン１７のラックギヤ２０に噛合させ
て操作軸１８の先端のツマミ２１でノックピン１７を上
下させて、ノックピン１７で上金型８のノック孔２２に
着脱自在に係合させる。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のような金型の位置決め機構を有するプレス機で
は、手作業で各金型の位置決めを行う方法はきわめて手
数がかかる。

また、金型を自動的に装着する装置も種々提案されてい
るが構造が複雑で高価となるなどの問題がある。

この考案の課題は上記の問題点を解決するために、上金
型と下金型とを出没自在の昇降ノックピンにより位置決
めするようにしたプレス機と、このプレス機に対して上
下の金型を保持して一度に装着して位置決めできるよう
にした金型取付用治具との組合わせを提供することであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案はプレス機のベ
ッド上に固定する基板の上部と、プレス機の昇降部材の
下部に固定した上部板の下部に、下金型と上金型とをそ
れぞれ着脱自在に固定するようになし、このプレス機の
基板には、上記下金型の複数のノック孔に着脱自在に係
合する複数の昇降ノックピンを出没自在に装着し、上記
の上部板にも上記上金型の複数のノック孔に着脱自在に
係合する複数の昇降ノックピンを出没自在に装着したプ
レス機と、板状の治具本体の周囲部の上下に複数の垂直
の軸を固定し、上部の軸の上端と下部の軸の下端に、上
記上金型のノック孔と上記下金型のノック孔に着脱自在
に嵌合する突軸を設けたプレス機と金型取付用治具の組
み合わせを提供する。

また、上記垂直の軸の上端と下端の突軸を、手動操作ま
たは、流体作動シリンダのような駆動手段により出没さ
せるようにしたものも提供する。

〔作用〕

この考案は上記の構成であるから、治具本体の上下の軸
の端部の突軸を上金型のノック孔と下金型のノック孔に
係合させて上下の金型の位置決めを行う。

このように治具で位置決めした上下の金型をプレス機の
基板上に載せ、上部板は上金型に接触させた状態でプレ
ス機の上部板と基板に出没自在に取付けた昇降ノックピ
ンを上下の金型のノック孔に係合させる。

ついで、基板と上部板に設けたクランプ装置を働かせて
下金型と上金型を基板と上部板に固定し、上金型を上昇
させて治具を除去する。

〔実施例〕

第１図ないし第３図に示す実施例において、第６図の従
来例と同じ部分は同じ符号を付けて説明は省略する。

２５は治具本体で厚板からなり、中央には、第３図のよ
うに、重量軽減用の開口２６が設けてある。

上記本体２５の四隅の上下には垂直の軸２７の端部のフ
ランジ２８をゴム板２９を挾んで固定する。

３０は軸２７の固定用の複数のボルトでフランジ２８お
よびゴム板２９に設けた孔に挿入し、本体２５に設けた
ネジ孔にねじ込んで固定する。

また、第２図のように各軸２７にフランジ２８から突出
する突軸３１を設けて、この各突軸３１を本体２５の四
隅の位置決め用縦孔３２に挿入してある。

また、各軸２７の外端にはそれぞれ突軸３３を設けてこ
の各突軸３３を下金型７の各ノック孔１４と上金型８の
各ノック孔２２に嵌合せしめる。

また、本体２５の前後には、外端にツマミ３４を有する
軸３５を連結してある。

第４図、第５図は突軸３３を出没自在としたもので、軸
２７の端部に凹孔３７を設け、長くした突軸３３を凹孔
３７に摺動および回動自在に挿入し、突軸２７の一側に
固定したハンドル３８の軸部を軸２７の倒立Ｌ形のガイ
ド孔３９に挿入してこのハンドル３８により、突軸３３
の先端を軸２７の端部から出没させる。

上記の実施例に示す治具はその本体２５の四隅上下の軸
２７の上下の突軸３３を下金型７のノック孔１４と上金
型８のノック孔２２にそれぞれ挿入して位置決めし、図
示省略してある適宜の搬送台上に載せて所定の金型装着
部の前方まで移動し、搬送台上を滑らせて基板１上に押
し出す。

このとき、基板１や上部板３のクランプ装置はじゃまに
ならないように開いており、上部板３は上昇している。

また、基板１上の両側および後側には下型７の両側およ
び後側の大体の位置を決めるガイドが設けてある。

ついで、上部板３を下降させ、その下面を上金型８の上
面に接触させる。

そののち、各ツマミ１３、２１を回して下部のノックピ
ン９を上昇させてノック孔１４に嵌合させ、上部のノッ
クピン１７を下降させてノック孔２２に係合させる。

上記の際、各ノックピン９、１７の端部を若干のテーパ
にしておくことによりノック孔１４、２２への嵌合が容
易となる。

こうして各ノックピン９、１７が下金型７と上金型８の
ノック孔１４、２２に完全に嵌合した条件で、各クラン
プ装置を働かせ、下金型７と上金型８を基板１と上部板
３に固定する。

そののち、上部板３と共に上金型８を上昇させると、上
金型８のノック孔２２から上部の突軸３３が抜ける。

ついで、本体２５を若干持ち上げて、下部の突軸３３を
下金型７のノック孔１４から抜いて治具を取り外し、プ
レス作業を開始する。

また、各軸２７端の突軸３３を出没式にした場合は、下
金型７や上金型８をそのままにして各突軸３３を引込ま
せることにより治具本体２５を簡単に除去できる。

〔考案の効果〕

この考案は上記のように、プレス機のベッド上に固定す
る基板と、プレス機の昇降部材の下部に固定した上部板
に下金型と上金型の複数のノック孔に着脱自在に係合す
る複数の昇降ノックピンを出没自在に装着し、治具本体
の上下に設けた複数の軸の上下の突軸を上金型と下金型
のノック孔に係合させることにより、上下の金型が正確
に位置決めされる。

従って、プレス機のベッド上に基板上に、位置決めされ
た上下の金型を押出すことができ、このまま各ノックピ
ンを基板上の上部板の下面から突出させれば基板と上部
板に対する各金型の位置決めができるきわめて便利なも
のである。

また、治具の垂直の軸の端部の突軸を出没式にしたもの
では、治具による金型の位置決め後に突軸を引込めるこ
とにより、治具の除去がきわめて容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案治具の一実施例を取付けたプレスの要
部を示す正面図、第２図は同上の側面図、第３図は同じ
く平面図、第４図は出没式突軸取付部の拡大縦断側面
図、第５図は同上の正面図、第６図は従来のプレス機の
要部を示す正面図である。 １……基板、２……ベッド、 ３……上部板、４……昇降部材、 ７……下金型、８……上金型、 ９、１７……昇降ノックピン、 １４、２２……ノック孔、２５……治具本体、 ２７……軸、２９……ゴム板、 ３３…突軸。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレス機のベッド上に固定する基板の上部
   と、プレス機の昇降部材の下部に固定した上部板の下部
   に、下金型と上金型とをそれぞれ着脱自在に固定するよ
   うになし、このプレス機の基板には、上記下金型の複数
   のノック孔に着脱自在に係合する複数の昇降ノックピン
   を出没自在に装着し、上記の上部板にも上記上金型の複
   数のノック孔に着脱自在に係合する複数の昇降ノックピ
   ンを出没自在に装着したプレス機と、板状の治具本体の
   周囲部の上下に複数の垂直の軸を固定し、上部の軸の上
   端と下部の軸の下端に、上記上金型のノック孔と上記下
   金型のノック孔に着脱自在に嵌合する突軸を設けたプレ
   ス機と金型取付用治具の組み合わせ。
2. 【請求項２】上記垂直の軸の上端と下端の突軸を手動操
   作により出没自在とした請求項(1)記載のプレス機と金
   型取付用治具の組み合わせ。
3. 【請求項３】上記垂直の軸の上端と下端の突軸を流体作
   動シリンダのような駆動手段により出没自在とした請求
   項(1)記載のプレス機と金型取付用治具の組み合わせ。