JPH0696959B2 - トンネル構築方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は場所打ちコンクリートライニングシールド工法
におけるトンネル構築方法に係るものである。

（従来の技術） 本出願人等はシールド掘削機によって掘進されたトンネ
ル孔内に組立てられた内型枠の外周にトンネル軸方向に
亘って所定間隔毎に、夫々トンネル孔の円周方向に延び
るリング状鋼板を配設し、前記掘削機に装架された推進
ジヤツキによって前記リング状鋼板を加圧し、同リング
状鋼板を介して前記内型枠とトンネル孔内周面との間に
打設された覆工コンクリートを加圧し、同コンクリート
加圧力を推進反力としてシールド掘削機を推進せしめ、
前記リング状鋼板を覆工コンクリート用の妻型枠、加圧
板及びトンネル補強材を兼用せしめるトンネル構築方法
を提案した。

（発明が解決しようとする課題） 前記トンネル構築方法においては、リング状鋼板の設置
時、内型枠の組立時、覆工コンクリートの打設時等にシ
ールド掘削機の後退を防止するために特別なジヤツキを
必要とした。

またトンネル覆工が完成した後において、トンネル軸方
向の引張・圧縮応力には十分に対応出来ないという問題
点があった。

本発明は前記トンネル構築方法の有する問題点に鑑みて
提案されたものであって、その目的とする処は、ジヤツ
キ盛替え時におけるシールド掘削機にかかる後退圧力を
確実に支持し、且つ覆工コンクリートの強度、剛性が向
上されるトンネル構築方法を提供する点にある。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するため、本発明に係るトンネル構築
方法は前記リング状鋼板に反力支持鋼棒を遊貫し、同鋼
棒の先端部を推進ジヤツキのスプレツダ先端面に設けた
凹部に着脱自在に嵌着された支圧具を介して支承して前
記掘削機にかかる後退圧力を支持し、シールド掘削機の
推進時、前記スプレツダの凹部より前記支圧具を除去
し、前記リング状鋼板を推進ジヤツキで加圧するように
構成されている。

（作用） 本発明の方法は前記したように構成されているので、リ
ング状鋼板の設置時、内型枠の組立時、覆工コンクリー
ト打設時等においてシールド掘削機に後退圧力が作用し
たとき、前記リング状鋼板における反力支持鋼棒の先端
部を、推進ジヤツキのスプレツダ先端面に設けた凹部に
着脱自在に嵌着された支圧具を介して支承することによ
って、前記掘削機にかかる後退圧力が支持される。

而してシールド掘削機の推進時、前記推進ジヤツキのス
プレツダ先端面の凹部から支圧具を取除いたのち、同凹
部の奥部に前記反力支持棒の先端が接するまで推進ジヤ
ツキによってリング状鋼板を加圧し、同リング状鋼板に
より内型枠とトンネル孔との間に打設された覆工コンク
リートを加圧してテールボイドにまで充填せしめ、同覆
工コンクリートの加圧反力を推進反力としてシールド掘
削機を推進せしめる。

（実施例） 以下本発明を図示の実施例について説明する。

（１）はシールド掘削機のテールプレート、（２）は同
掘削機の掘進に伴って形成されたトンネル孔内に組立て
られた内型枠、（３）は同内型枠外周にトンネル軸方向
に所定間隔毎に配設されたＨ型断面のリング状鋼板、
（４）は同鋼板（３）のウエブ部に穿設された透孔に遊
貫された反力支持鋼棒、（５）は前記内型枠（２）の外
周に打設された覆工コンクリートである。

（６）はシールド掘削機に装架された推進ジヤツキで、
そのスプレツダー（７）の先端面に凹部（８）が設けら
れ、同凹部（８）に支圧具（９）が着脱自在に嵌着さ
れ、同支圧具（９）によって前記圧力支持鋼棒（４）の
先端部を支承し、ジヤツキ盛替え時においてシールド掘
削機にかかる後退圧力を確実に支持しながら、内型枠
（２）を設置し、覆工コンクリート打設空間（10）を形
成する。（第１図参照） 次いで前記空間（10）に覆工コンクリート（５）を打設
する。（第２図参照） 次いで前記推進ジヤツキ（６）におけるスプレツダー
（７）の凹部（８）より支圧具（９）を取除いたのち、
（第３図参照）推進ジヤツキ（６）を伸長し、前記リン
グ状鋼板（３）を加圧すると、反力支持鋼棒（４）の先
端が前記スプレツダー（７）の凹部（８）に貫入してい
くように、リング状鋼板（３）が既設の覆工側に、前記
反力支持鋼棒（４）の先端がスプレツダー（７）の凹部
（８）の奥部に衝接するまでスライドし、打設コンクリ
ート（５）を加圧し、このコンクリート加圧力を推進反
力としてシールド掘削機が推進される。（第４図参照） このようにリング状鋼板（３）の最終押込み位置は、前
記スプレツダー（７）の凹部（８）のくぼみ深さによっ
て自動的に決まるので、リング状鋼板（３）は等間隔で
設置されることとなる。

かくしてリング状鋼板（３）を所定の位置まで押込み、
１スパン分のシールド掘削機の推進が完了すると、次位
のスパンの反力支持鋼棒（４）を継手ナツト、カプラー
等の鋼棒用接続材（10）で接続し、リング状鋼板（３）
を設置しながら順次ジヤツキを盛替える。（第４図参
照） 以下前記同様の工程を反覆してトンネルを構築する。

このようにトンネル軸方向に延びるように覆工コンクリ
ート（５）内に埋設された反力支持鋼棒（４）によっ
て、トンネル軸方向の覆工コンクリート（５）の剛性が
向上し、前述のようにリング状鋼板（３）が正確に所定
間隔に覆工コンクリート（５）内の埋設されることと相
俟って、同コンクリートの品質が安定する。

（発明の効果） 本発明によればこのように、トンネル掘削機によって掘
進されたトンネル孔内に組立てられた覆工コンクリート
打設用内型枠の外周に配設されたリング状鋼板に反力支
持鋼棒を遊貫し、同鋼棒の先端をシールド掘削機の推進
ジヤツキのスプレツダー先端面に設けた凹部に着脱自在
に嵌着された支圧具を介して支承することによつて、ジ
ヤツキ盛替え時等におけるシールド掘削機にかかる後退
圧力を確実に支持し、同後退圧力支持用のジヤツキを特
別に設ける必要をなくし、作業性を向上せしめることが
できる。

またシールド掘削機の推進時には前記スプレツダー先端
面の凹部より支圧具を除去し、反力支持鋼棒が同スプレ
ツダー先端面の凹部の奥部で衝接するまで同リング状鋼
板を推進ジヤツキで加圧し、前記反力支持鋼棒に妨げら
れることなく打設覆工コンクリートを加圧し、このコン
クリート加圧力を推進反力としてシールド掘削機を推進
しうるものである。

このように本発明によれば、コンクリート加圧作業とシ
ールド掘削機の推進力確保を、覆工内に埋設された反力
支持鋼棒に当接したシールド推進ジヤツキを伸長させる
ことにより、同シールド推進ジヤツキ先端スプレツダに
設けた反力支持鋼棒支圧具嵌着用の凹部の存在によって
同時作業として行うことができる。また前記リング状鋼
板は覆工コンクリート用の妻型枠、加圧板、トンネル補
強材として兼用され、更に前記コンクリート加圧作業と
シールド掘削機の推進力確保の作業は打設コンクリート
の硬化を待たずに行うことができ、夫々の作業を別工程
で行う必要もなく、従って工事工程の短縮と省力化が図
られる。

また前記反力支持鋼棒は覆工コンクリート中にトンネル
軸方向に亘って埋設され、トンネル軸方向の剛性を増大
させるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明に係るトンネル構築工法に一
実施例の工程を示す縦断面図である。 （１）……テールプレート、（２）……内型枠、 （３）……リング状鋼板、（４）……反力支持鋼棒、 （５）……コンクリート、（６）……推進ジヤツキ、 （７）……スプレツダー、（８）……凹部、 （９）……支圧具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シールド掘削機によって掘進されたトンネ
   ル孔内に組立てられた内型枠の外周に、トンネル軸方向
   に亘って所定間隔毎に、夫々円周方向に延びるリング状
   鋼板を配設し、前記掘削機に装架された推進ジヤツキに
   よって前記リング状鋼板を加圧し、同リング状鋼板を介
   して前記内型枠の外周に打設された覆工コンクリートを
   加圧し、同コンクリート加圧力を推進反力としてシール
   ド掘削機を推進せしめるトンネル構築方法において、前
   記リング状鋼板に反力支持鋼棒を遊貫し、同鋼棒の先端
   部を推進ジヤツキのスプレツダ先端面に設けた凹部に着
   脱自在に嵌着された支圧具を介して支承して前記掘削機
   にかかる後退圧力を支持し、シールド掘削機の推進時、
   前記スプレツダの凹部より前記支圧具を除去し、前記リ
   ング状鋼板を推進ジヤツキで加圧することを特徴とする
   トンネル構築方法。