JPH0696472B2 - セラミックス多孔体の製造方法 - Google Patents
セラミックス多孔体の製造方法Info
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- JPH0696472B2 JPH0696472B2 JP2294780A JP29478090A JPH0696472B2 JP H0696472 B2 JPH0696472 B2 JP H0696472B2 JP 2294780 A JP2294780 A JP 2294780A JP 29478090 A JP29478090 A JP 29478090A JP H0696472 B2 JPH0696472 B2 JP H0696472B2
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- ceramics porous
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高温燃焼ガス用フイルターあるいは酸化触媒用
担体や生体触媒固定化用担体などに用いるセラミックス
多孔体に関する。
担体や生体触媒固定化用担体などに用いるセラミックス
多孔体に関する。
[従来技術及び解決すべき技術的課題] 従来、上記分野のセラミックス多孔体の製造方法として
は、焼成後にガラス質のマトリックス成分を強度あるい
は強アルカリなどにより溶出・除去して、結晶質の骨格
成分のみを残して空隙を形成する方法、並びに焼成中に
溶剤が溶解して骨材粒子表面に融界することにより粒界
に空隙が生ずるという方法などが大半を占めていた。例
えば、特開昭63−103877,特開平1−153579,特開平1−
224282などがあった。
は、焼成後にガラス質のマトリックス成分を強度あるい
は強アルカリなどにより溶出・除去して、結晶質の骨格
成分のみを残して空隙を形成する方法、並びに焼成中に
溶剤が溶解して骨材粒子表面に融界することにより粒界
に空隙が生ずるという方法などが大半を占めていた。例
えば、特開昭63−103877,特開平1−153579,特開平1−
224282などがあった。
しかし、これらの発明には次のような欠点があった。す
なわち、前者の場合焼成体を沸化水素酸または沸化水素
酸、硫酸、塩酸などの強力な混酸あるいは高濃度の水酸
化ナトリウム溶液を用いてガラス質のマトリックス成分
を溶解・除去しなければならないという問題があった。
この方法は工程が一段階増えるだけでなく強酸、強アル
カリを使用することで操作上危険を伴う一方、工場排水
として二次公害を出す恐れもあった。また、後者の場合
は粒界に空隙を生じさせる目的で融剤成分を多量に使用
しなければならず、それによって成形品が焼成中に変形
したり、炉材に融着したりする欠点を生じるため、狭い
焼成温度範囲を正確に制御しなければならないという焼
成技術上の困難な問題が生じた。
なわち、前者の場合焼成体を沸化水素酸または沸化水素
酸、硫酸、塩酸などの強力な混酸あるいは高濃度の水酸
化ナトリウム溶液を用いてガラス質のマトリックス成分
を溶解・除去しなければならないという問題があった。
この方法は工程が一段階増えるだけでなく強酸、強アル
カリを使用することで操作上危険を伴う一方、工場排水
として二次公害を出す恐れもあった。また、後者の場合
は粒界に空隙を生じさせる目的で融剤成分を多量に使用
しなければならず、それによって成形品が焼成中に変形
したり、炉材に融着したりする欠点を生じるため、狭い
焼成温度範囲を正確に制御しなければならないという焼
成技術上の困難な問題が生じた。
本発明は、上記従来技術の欠点を一掃しようとして試み
られたものであり、均一な気孔を多量に有するセラミッ
クス多孔体を、安全かつ無公害でしかも簡便で効率よく
生産する新方法を提供することを技術的課題とするもの
である。
られたものであり、均一な気孔を多量に有するセラミッ
クス多孔体を、安全かつ無公害でしかも簡便で効率よく
生産する新方法を提供することを技術的課題とするもの
である。
[問題点を解決するための手段] 本発明が上記の技術的課題を解決するために採用した方
法的手段は、カオリナイト質粘土20〜60重量%と水酸化
アルミニウムまたは含水アルミナ鉱物20〜70重量%とを
均一に混合して所定の寸法・形状に成形し、1350℃以
上、1650℃以下の温度域で焼成するというものである。
すなわち、本発明の技術上の狙いは焼成過程で一挙に気
孔を形成させるという点にある。詳細な実験の結果、カ
オリナイト質粘土あるいは水酸化アルミニウムまたは含
水アルミナ鉱物などは焼成中に300〜800℃で構造水を失
ってミクロポーラスな構造となり、これを更に高温まで
焼成すると、その構造を維持したままで大半が中間化合
物のアルミノ・シリケート相やγ−Al2O3を経由してム
ライト(3Al2O3・2SiO2)やコランダム(α−Al2O3)な
どに転移し、そのポーラスな構造は最終生成相にまで受
け次がれて本発明のセラミックス多孔体が得られるので
ある。
法的手段は、カオリナイト質粘土20〜60重量%と水酸化
アルミニウムまたは含水アルミナ鉱物20〜70重量%とを
均一に混合して所定の寸法・形状に成形し、1350℃以
上、1650℃以下の温度域で焼成するというものである。
すなわち、本発明の技術上の狙いは焼成過程で一挙に気
孔を形成させるという点にある。詳細な実験の結果、カ
オリナイト質粘土あるいは水酸化アルミニウムまたは含
水アルミナ鉱物などは焼成中に300〜800℃で構造水を失
ってミクロポーラスな構造となり、これを更に高温まで
焼成すると、その構造を維持したままで大半が中間化合
物のアルミノ・シリケート相やγ−Al2O3を経由してム
ライト(3Al2O3・2SiO2)やコランダム(α−Al2O3)な
どに転移し、そのポーラスな構造は最終生成相にまで受
け次がれて本発明のセラミックス多孔体が得られるので
ある。
ここで、原料として使用するカオリナイト質粘土は不純
物(石英、長石、鉄化合物など)の少ないものであれば
天然品、合成品の何れを用いてもよく、特に制限はな
い。また、水酸化アルミニウムや含水アルミナ鉱物など
は試薬類又は天然品の何れを用いてもよいが、構造水の
多いもの程効果的である。なお、これらの原料はすべて
50μ以下の微粉末にして使用するのが反応速度上望まし
い。
物(石英、長石、鉄化合物など)の少ないものであれば
天然品、合成品の何れを用いてもよく、特に制限はな
い。また、水酸化アルミニウムや含水アルミナ鉱物など
は試薬類又は天然品の何れを用いてもよいが、構造水の
多いもの程効果的である。なお、これらの原料はすべて
50μ以下の微粉末にして使用するのが反応速度上望まし
い。
原料の配合はムライトの量論組成比に近似させるのが理
想的であるが、用途に応じて多少変化させても問題はな
い。また、成形方法も同様に、用途に応じて鋳込み、加
圧、靜水圧成形など各種の方法を利用すればよく、焼成
条件は大気中で1350℃から1650℃の間で適宜選択すれば
よい。
想的であるが、用途に応じて多少変化させても問題はな
い。また、成形方法も同様に、用途に応じて鋳込み、加
圧、靜水圧成形など各種の方法を利用すればよく、焼成
条件は大気中で1350℃から1650℃の間で適宜選択すれば
よい。
このようにして得られたセラミックス多孔体はムライト
とコランダムを主成分とし、かさ比重1.5〜2.2g/cm3、
真気孔率40〜60%、細孔径3μ以下、熱膨張係数5.0〜
5.5×10-6/℃(20〜1400℃)で、純白を呈する。
とコランダムを主成分とし、かさ比重1.5〜2.2g/cm3、
真気孔率40〜60%、細孔径3μ以下、熱膨張係数5.0〜
5.5×10-6/℃(20〜1400℃)で、純白を呈する。
[発明の効果] 本発明法は製造技術面で次の効果が期待される。
(1)製造過程で劇薬を使用したり、特に危険な操作を
伴わないため、安全である。
伴わないため、安全である。
(2)有害物を使用しないため二次公害を派生しない。
(3)製造方法が簡単で効率的である。
また、本発明により得られるセラミックス多孔体は次の
ような特徴がある。
ような特徴がある。
(1)耐熱性が高い。1200〜1500℃で常用可能である。
(2)熱膨張係数が小さいため、熱衝撃抵抗性が高い。
(3)気孔の最大直径が3μと小さく、しかも、1μm
前後が大半を占め、均一である。
前後が大半を占め、均一である。
(4)ムライトとコランダムを主成分とするため、多孔
構造を有する割には強度が比較的高い。
構造を有する割には強度が比較的高い。
以上のように、本発明法は製法上多くの特徴を有するば
かりでなく、得られたセラミックス多孔体は医療、製
薬、農業、食品加工、化学工業など多方面の用途が期待
される。
かりでなく、得られたセラミックス多孔体は医療、製
薬、農業、食品加工、化学工業など多方面の用途が期待
される。
[実施例] 次に実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例 ジョージア・カオリン(SiO245.5%,Al2O338.8%,Fe2
O30.3%,TiO20.4%,Na2O0.1%,Ig.loss13.7%)の微
粉末40gと水酸化アルミニウム粉末65gと水100mlと直径1
2mmのアルミナ製ボール300gとを内容積500mlのアルミナ
製ボールミルに入れて密封し、10時間粉砕混合した後、
100℃で乾燥とした。これを500kg/cm2で加圧成形し、電
気炉中で1600℃で1時間焼成し、60×40×3mmのセラミ
ックス多孔体を得た。
O30.3%,TiO20.4%,Na2O0.1%,Ig.loss13.7%)の微
粉末40gと水酸化アルミニウム粉末65gと水100mlと直径1
2mmのアルミナ製ボール300gとを内容積500mlのアルミナ
製ボールミルに入れて密封し、10時間粉砕混合した後、
100℃で乾燥とした。これを500kg/cm2で加圧成形し、電
気炉中で1600℃で1時間焼成し、60×40×3mmのセラミ
ックス多孔体を得た。
このセラミックスはムライトとコランダムを主成分と
し、かさ密度1.8g/cm3、真気孔率50%、熱膨張係数5.0
×10-6/℃、細孔径1μ以下で、色は純白であった。
し、かさ密度1.8g/cm3、真気孔率50%、熱膨張係数5.0
×10-6/℃、細孔径1μ以下で、色は純白であった。
実施例 実施例と同じジョージア・カオリン30gと村上粘土水
簸物の乾粉(SiO247.21%,Al2O335.32%,Fe2O30.87
%,MgO0.43%,CaO0.24%,Na2O%0.38%、K2O8.23%,I
g.loss9.49%)10gと水酸化アルミニウム粉末60gとを十
分均一に混合し、これに重合度2000のポリビニールアル
コール溶液(1%)100mlを加えて実施例と同様に粉
砕混合した後、石膏板上に流して板状体を成形し、これ
を1500℃で1時間焼成して60×40×3mmのセラミックス
多孔体を得た。
簸物の乾粉(SiO247.21%,Al2O335.32%,Fe2O30.87
%,MgO0.43%,CaO0.24%,Na2O%0.38%、K2O8.23%,I
g.loss9.49%)10gと水酸化アルミニウム粉末60gとを十
分均一に混合し、これに重合度2000のポリビニールアル
コール溶液(1%)100mlを加えて実施例と同様に粉
砕混合した後、石膏板上に流して板状体を成形し、これ
を1500℃で1時間焼成して60×40×3mmのセラミックス
多孔体を得た。
このセラミックスはムライトとコランダムのほかガラス
相も若干生成しており、かさ密度1.6g/cm3、真気孔率55
%、熱膨張係数5.2×10-6/℃(20〜1300℃)、細孔径
3μ以下で白色を呈していた。
相も若干生成しており、かさ密度1.6g/cm3、真気孔率55
%、熱膨張係数5.2×10-6/℃(20〜1300℃)、細孔径
3μ以下で白色を呈していた。
Claims (1)
- 【請求項1】カオリナイト質粘土20〜60重量%と水酸化
アルミニウムまたは含水アルミナ鉱物20〜70重量%とを
配合して均一に混合した後、所定の寸法・形状に成形し
て、1350℃以上、1650℃以下で焼成することを特徴とす
るセラミックス多孔体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2294780A JPH0696472B2 (ja) | 1990-10-30 | 1990-10-30 | セラミックス多孔体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2294780A JPH0696472B2 (ja) | 1990-10-30 | 1990-10-30 | セラミックス多孔体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04170376A JPH04170376A (ja) | 1992-06-18 |
JPH0696472B2 true JPH0696472B2 (ja) | 1994-11-30 |
Family
ID=17812190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2294780A Expired - Fee Related JPH0696472B2 (ja) | 1990-10-30 | 1990-10-30 | セラミックス多孔体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0696472B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS508807A (ja) * | 1973-05-28 | 1975-01-29 | ||
JPS602270A (ja) * | 1984-04-25 | 1985-01-08 | セイコーエプソン株式会社 | 回転式電気かみそりの外刃 |
-
1990
- 1990-10-30 JP JP2294780A patent/JPH0696472B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04170376A (ja) | 1992-06-18 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |