JPH0696441B2 - 高密度炭素材料の製造装置 - Google Patents

高密度炭素材料の製造装置

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JPH0696441B2
JPH0696441B2 JP59046076A JP4607684A JPH0696441B2 JP H0696441 B2 JPH0696441 B2 JP H0696441B2 JP 59046076 A JP59046076 A JP 59046076A JP 4607684 A JP4607684 A JP 4607684A JP H0696441 B2 JPH0696441 B2 JP H0696441B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高密度の炭素材料を工業的に製造する装置に関
するものである。
(従来技術) 炭素材料(ダイヤモンドを除く)は無定形炭素と黒鉛に
二分されるが、各々成形体,繊維など種々の形態のもの
があり、その優れた耐熱性,化学薬品に対する安定性,
特異な電気的性質のため、近年その利用分野はロケット
ノズルなど宇宙材料から心臓の人工弁まで多岐にわたつ
ており、益々その適用分野は広がる傾向にある。
とくに近年、従来の黒鉛等と異なり高強度または高弾性
の炭素繊維が開発されるに及び構造部材としての用途の
増大は急激である。
しかしながら、これらの機能的な構造材料として使用さ
れる部材は一般に高密度のものが要求され、とりわけ高
密度で、等方的で、かつ大形のものの開発が急がれてい
る。例えば、高密度化することにより材料の強度や、耐
食性が飛躍的に改善され、高温下で使用される化学機器
や生体用材料等の用途への利用の拡大が期待される。ま
た、この数年、需要が増大している放電加工用電極では
切り出し方向により電気特性が異なると電極としての性
能に影響するため等方的であることが求められている。
ところで、従来、これらの炭素材料はコークスなどフイ
ラー材と、タール・ピツチなどのバインダーとを捏合,
成形した後、加熱してバインダーを炭化させるという工
程で製造されるため、バインダーの分解ガスが抜けた気
孔を不可避的に含んでいた。そこで、この気孔の量を減
少させ、高密度化するため、タール・ピツチを含浸し、
これを炭化する操作を繰返し行なうことが行なわれてい
る。
しかしながら、このような工程では焼成時のバインダー
分解を緩速で行なわないと製品に割れを生じ、かつ炭素
の収率が低いため繰返し数が多くなり、結果として製品
の完成に数ケ月を要するなどの問題が派生しいてる。
また、等方性を得るためには、微粒のコークスを冷間静
水圧成形法(ラバープレス法)で成形するという手段が
採られているが、バインダーの量を20%以上混合しない
と成形性が悪く、このため最初の焼成後の気孔率を低減
することが困難となつていた。
このような状況において、上記の各問題を解消する方法
として、分解生成するガス成分のうち、水素のみを透過
するパラジウムなどの缶体に成形体を収納し、缶体外部
からほゞ等方的に圧縮しつつ炭化を行なう方法(米国特
許第3,249,964号明細書参照)や、成形体を溶融金属中
に浸漬して流体加圧下にて焼成する方法(特公昭58-104
2号公報参照)などが提案されている。
しかし、前者については、当該方法を実施し得るような
設備が実質上、存在しなかつたこともあり、工業化され
るに至つていない。また、後者については製品の特性の
再現性確保や、焼成冷却後の固化した溶融金属の除去な
ど検討課題が多く残されている。
一方、近年、高温下でガス圧力を作用させて圧縮する熱
間静水圧加圧法(以下、HIP法と略記する。)が等方性
かつ高密度の粉末冶金製品の製造法として注目を浴び普
及しつつある。このHIP法によれば、例えば粉末原料を
カプセルと呼ばれる気密の容器内に封入して処理するこ
とにより、一工程で高密度の製品を製造することが可能
であるが、炭素材料、特に黒鉛では処理温度が約2600℃
と極めて高くなり、カプセルとしてTa,Wなどの高価で、
かつ加工の困難な高融点合金を使用しなければならない
ことを考えれば実用化に乏しい。
しかし、このHIP法に使用される装置(以下HIP装置と略
記する)は上述の粉末冶金関連業界での需要の増大に伴
ない、処理室容積が数百リツトルのものまで製造される
に至つており、急速に進歩している。そこで、これら装
置技術の進歩の過程で知られた知見をもとに前記従来技
術の欠点を排除し、かつ工業的に高密度の炭素材料を製
造する装置が種々検討されている。
(発明の課題) 本発明は叙上の如き実状をふまえ、HIP法における知見
にもとづき高密度炭素材料製品を製造する工業的装置を
提供することを課題とするものである。
ところで、本発明者らは、HIP法の利用に際し本出願人
がさきに特開昭51-88503号をもつて提案した高温高圧成
形焼結方法を用いることが最も好適であることを知見
し、その採用を試みた。
この方法は、被処理体をカプセル内に封入して高圧容器
内に挿入し、高圧容器内に内蔵した発熱体により被処理
体を加熱しつつ高圧容器内の圧力媒体の等方的な圧縮力
により加圧するに際し、前記カプセル内と連通し、高圧
容器外へその端部が延長する調整管を設け、該調整管を
通じてカプセル内の雰囲気ガスの種類及び/または圧力
を調整しつつ被処理体を加熱加圧する方法であり、カプ
セル内の圧力を調整しつつ加熱加圧処理できることは極
めて有用であるが、これをそのまま利用しようとしたと
きには折角の調整管が処理時に圧媒ガスの圧力により圧
潰し閉塞して充分に調整の役割を果し得ないことが分つ
た。
なかでも、高密度の炭素成形体を得るにはタール・ピツ
チあるいはその他樹脂からの炭素の収率を上げることが
極めて重要であり、これは第1図において代表的な石油
ピツチを例にとり、その炭素の収率と圧力の関係を示し
ている通り、圧力の増加と共に炭素の収率は増大する傾
向にあつて、圧力の影響は高密度炭素材料に大きな影響
を有している。
従つて、前述の本出願人の提案した高温高圧成形焼結方
法にも更にまだ改善すべき余地であり、今後の大きな課
題であつた。
(発明の目的) 本発明は上述の改善を課題とし、雰囲気調整用管内部に
特に難焼結性のセラミツク粉末を充填することにより雰
囲気圧力とカプセル内圧力との調整を良好ならしめ、も
つて高密度炭素材料製品の工業的製造を達成することを
目的とするものである。
(発明の構成) 即ち、上記目的を達成する本発明の特徴とするところ
は、前記高密度炭素材料製品の製造を実施するための高
温高圧装置の具体的構成で、高圧円筒と、上下の蓋によ
つて画成される高圧容器内に断熱層,発熱体を配設し、
発熱体で画成される炉室内に水素透過性もしくは水素吸
蔵性の金属材料からなるカプセルを炉室内雰囲気ガスに
対して気密に配置せしめると共に前記カプセルの内部と
連通し、高圧容器外へその端部が延長する雰囲気調整用
管を設け、かつ該調整用管内部に難焼,結性のセラミツ
ク粉末を充填せしめた点にある。
ここで、前記雰囲気調整用管内部に充填する難焼結性の
セラミツク粉末としてはアルミナ,シリカ,ジルコニ
ア,マグネシアなどの酸化物や、又窒化ケイ素,窒化ホ
ウ素などの窒化物あるいは炭化ケイ素,炭化ホウ素等の
炭化物が含まれ、これらは何れも1種又は2種以上混合
して用いられる。しかし、ガスを流通させることが必要
であり、一般には40〜50%程度の充填割合であるが、処
理時に圧媒ガスの圧力により圧潰,閉塞することのない
ように留意することが肝要である。
なお、本発明において処理しようとする炭素材料である
炭素とタール・ピツチなどの有機材料との混合成形体は
HIP処理過程で昇温すると分解して水素,炭化水素の各
ガス成分を発生する。このような物質は通常のカプセル
に封入する方法で処理すれば上記ガス成分によりカプセ
ル内部の圧力が上昇してカプセル外側の不活性雰囲気ガ
スの圧力で十分に圧縮できなかつたり、カプセルが破裂
して了うため高密度化ができないことがある。
そこで、カプセル内部の圧力をHIP処理中に制御するこ
とが求められ、これによつて上記の如き成形体は高密度
製品化が可能となる。とくに分解生成ガスが水素の場合
には水素ガスがカプセル壁を拡散してカプセル外側の圧
媒ガス中に散逸する現象を利用することによつて効果的
に高密度化を行なうことができる。
カプセル内の圧力の制御はカプセル内のガスを高圧容器
外に引き出し、これを発熱体への投入電力の変化に変換
し、炉内温度を調節することにより、又は調整用管の一
部からガスを引き出し、その種類又は/及び量を選択的
に測定しその結果を調整用管作動系又は温度,圧力調整
系に指令することにより行なうことも有効である。
(実施例) 以下、本発明製造装置の実施例を添付図面により詳述す
る。
第2図は本発明装置例として高温高圧装置の本体部分お
よびその内部に配置した被処理体の断面を示す。
図において、高圧容器は高圧円筒(1)およびその上下
端部を塞ぐ上蓋(2)と下蓋(3)とによつて区画構成
され、各々の嵌合部はシール材(10)(10′)によつて
気密に保持されており、蓋部に作用するガス圧力はプレ
ス枠体(図示せず)によつて支持される。そして高圧容
器内部には被処理体(13)を加熱昇温するための電気加
熱抵抗線よりなる発熱体(4)(4′)およびこれら発
熱体からの熱により高圧円筒(1)や上蓋(2),下蓋
(3)への熱の散逸を抑制する断熱層(6)が組み込ま
れている。
被処理体(13)は水素ガス透過性もしくは水素ガス吸蔵
性を有する材料からなるカプセル(12)の中に収納され
る。カプセル(12)には雰囲気調整用管(14)が取り付
けられており、この管(14)は継手(15)を介して下蓋
(3)に設けられたカプセル内雰囲気調整孔(11)に連
通する如く着脱自在かつ炉室(7)内の圧媒ガスとはシ
ールリング(16)により気密を保つように接続されてい
る。
被処理体(13)は石油コークス,アンスラセンコーク
ス,炭素繊維などの炭素系フイラー材と、コールタール
・ピツチやフエノールなどの有機材料バインダーとの混
合物からなる成形体である。一方、カプセル(12)の材
料としては軟鋼,ステンレス鋼などの鋼材の外、白金,
パラジウムなども勿論、使用可能である。又、雰囲気調
整用管(14)は前記カプセル(12)と同一材質または継
手(15)との結合の容易さ等から鋼材が通常使用され製
作される。そして、この管(14)の内部には本発明の特
徴として説明した如く処理時に圧媒ガスの圧力による圧
潰で閉塞することがないよう難焼結性のセラミツク粉末
(14′)が充填される。これは管(14)自体に圧潰に耐
える十分な肉厚を与えても可能であるが、前記の充填と
併用すれば更に好適である。又、セラミツク粉末の代り
に多孔性のセラミツクス焼結体を詰めておくことも本発
明の含むところである。
なお、雰囲気調整用管(14)と調整孔(11)との接合部
にはセラミツク粉末が低温部になり液分と固結するのを
防止するため金網フイルターが設けられる。
第3図,第4図は前記装置におけるカプセル(12)と雰
囲気調整用管(14)との接合部の各例を示し、筒状のカ
プセル本体(12a)の上下に蓋(12b)(12c)が溶接手
段等によつて取り付けられており、第3図では下蓋(12
c)と被処理成形体(13)との間に断熱材からなる中子
(12′)が介装され、蓋と成形体との間に距離が置かれ
ている。
一方、第4図では下蓋(12c)が上げ底状となつていて
蓋と距離をおいて溶接がなされている。
これらは溶接時に1500℃という高温となるので成形体に
与える影響を考慮したためである。
次に、上記装置により成形体の高密度化を行なう手順に
ついて説明するが、成形体は種々の方法により製造が可
能である。例えば石油コークス粉末に20〜30重量部のコ
ールタール・ピツチを混合し100℃前後で捏合し金型に
て成形する。又、炭素繊維を使用し、かつ異方性を余り
持たせない場合には適量のタールピツチ等のバインダー
を混合した後、冷間又は温間で静水圧成形することによ
り目的が達成される。又、樹脂成形体を加熱し、一部を
炭化したものを成形体に用いることも可能である。
そして、かかる成形体はカプセルに収納されるが、カプ
セルの製造および成形体のカプセルへの収納方法として
は以下の如き手法が本発明方法では好適である。
即ち、軟鋼製の薄肉の管材と円板とを溶接にて容器状に
なし、これに成形体を挿入した後、雰囲気調整用管(1
4)の付いた蓋を同じく溶接により前記容器に結合する
方法である。(第3図,第4図参照) この場合、蓋をカプセル本体に溶接する際に溶接時の熱
が成形体に伝わつてバインダーを分解せしめることがあ
るので、好ましくは容器を外側から冷却するか、第3図
の如く蓋と成形体の距離を離し、間に断熱材を充填する
ようにするか、あるいは第4図のような形状のカプセル
を使用する。
このようにしてカプセルに収納された被処理体(成形
体)はその後、第2図に示した如く炉室(7)内の台座
上に気密に載置固定される。なお、発熱体保持円筒
(5)に保持された発熱体(4)(4′)や断熱層
(6)などが耐酸化性に乏しいモリブデンやグラフアイ
トからなる場合にはカプセル固定時に炉室(7)内に混
入した空気を排出するために真空引き用穴(9)を通じ
高圧容器内を真空排気する。その後、必要に応じ圧媒ガ
ス導入孔(8)から圧媒ガスを数〜数10Kgf/cm2導入,
排出して高圧容器内のガスを置換洗浄する。
次いで、圧媒ガスを充填し、徐々に昇温を開始する。こ
のとき昇温の初期、即ち100℃強に至るまでの期間は、
カプセル内を真空引きすることによりカプセルの内表面
や成形体に吸着された水分等を除去することが好まし
い。更に、引続き加熱し、昇温するとバインダーの重合
および炭化が始まるが、高密度の製品を得るためには重
合開始後、カプセル外側からの圧媒ガスの圧力により圧
縮することと、バインダー成分中の炭素生成成分が最終
的に炭素と水素にまで分解し、この炭素が成形体の空隙
中にできるだけ多く残留すること、即ち、炭素の収率を
向上させるような操作を行なうことが好ましい。後者の
観点からはカプセル内に数10Kgf/cm2のArガスを充填し
た状態で昇温することにより良い結果が得られる。
このカプセル内の圧力は昇温時のArガスの膨張に伴なう
圧力上昇およびバインダーが分解して発生するガス成分
の圧力により変動するので、前記の被処理体、即ち成形
体圧縮のための圧媒ガスの圧力はこのカプセル内圧力よ
り高く保持する必要がある。特に450℃前後からはバイ
ンダーの分解により生成するガス(主としてCH4)の圧
力が急激に上昇し、カプセル内の圧力が圧媒ガスより高
くなつてカプセルを破損することがないよう注意が必要
である。
本発明によれば圧媒ガス圧力のみならず、カプセル内の
圧力の制御も可能であるため適切な制御が可能となる。
600℃位からはカプセル材料である鋼材などが触媒的な
役割を果たし、バインダーの分解が更に進み発生ガス成
分の多くは水素となる。即ち、バインダー中の炭素は成
形体の緻密化に寄与する。この段階ではカプセル内の圧
力の制御を昇温速度を制御することにより実施すること
が炭素の収率向上の立場から好ましい。
なお、この点に関し先に第1図に石油ピツチの炭素の収
率と圧力の関係を示しているが、炭素の収率は圧力の増
加と共に増大する傾向にあり、この傾向は約50Kgf/cm2
位までが顕著であることが看取される。
かくして昇温速度,カプセル内圧力および圧媒ガスの圧
力を各温度段階において適宜制御することによつて高密
度の炭素製品を製造することが可能となる。
第5図にカプセル内圧力および雰囲気を制御するための
配管系統図を示す。
初期におけるカプセル内部の真空排気は塞止弁(22)お
よび塞止弁(24)を閉じた状態で塞止弁(23)を開き、
真空ポンプ(21)を運転して行なう。
カプセル内に数10Kgf/cm2のArガスを導入する操作は、
塞止弁(22),塞止弁(23)を閉じ、塞止弁(24)およ
び塞止弁(27)を開き、炉室内のアルゴンガスを流入さ
せるか、アルゴンガス集合装置(17)からコンプレツサ
(18)の経路から塞止弁(24)を経て注入するなどによ
り行なう。勿論、塞止弁(24),(22),(23)で閉じ
られた回路に別途アルゴンガスボンベあるいは更にコン
プレツサを接続して行なつても良い。
カプセル内圧力と炉室内圧媒の圧力との関係の制御、即
ち、圧媒ガスによる被処理体の圧縮力の制御は、圧媒ガ
スの圧力系統に設けられた圧力計(19)と、カプセル内
圧力系統に設けられた圧力計(20)の指示値を比較しつ
つ圧力調整計等の指示により行なうことにより実現が可
能である。昇温過程で両者の差が所期の値より小さくな
りつつある時には、コンプレツサ(18)を駆動して圧媒
ガスの圧力を増加させるか、塞止弁(22)を開くことに
よりカプセル内のガス圧力を低下させることにより実現
が可能である。どちらの方法により制御するかは、前記
の如く、処理工程のステージによつて選択が可能であ
る。
処理工程の中期以降において、炭素の収率を向上するに
は、前記の如く昇温速度を制御する方が効果的である
が、これは、カプセル内圧力系統にある圧力計(20)の
指示値の変化を見ながら発熱体(4)(4′)への投入
電力を制御することにより、容易に実現される。
又、上記投入電力制御を自動的に行なうには加熱電力制
御装置を利用し、これに圧力計(20)からの圧力信号を
圧力電気信号線により同装置内に取り込むようにすると
共に、所期の圧力値とこの圧力信号値を比較し所期の圧
力値より小さい場合には投入電力を増加させ、逆の場合
には減少させる制御装置を組み込めば充分、その目的を
達成することができる。
これを更にタールピツチと石油コークスからなる成形体
を処理する場合で詳述すれば、成形体を本装置にセツト
した後、真空ポンプ(21)にてその配管系及びカプセル
内部を真空引きし、炉室内部も真空ポンプ(26)にて真
空排気する。続いて塞止弁(24)を開とした状態でアル
ゴンガスをアルゴンガス集合装置(17)から50〜100Kgf
/cm2充填し、同弁(24)を閉止する。このときカプセル
内に通じる配管系(イ)内の圧力は300Kgf/cm2に保持す
るように設定する。
炉室内のみを配管系(ロ)からアルゴンガスを供給して
加圧すると共に発熱体(4)(4′)に電力を投入す
る。このとき、成形体は加熱されるとタールピツチが分
解してCH4,H2などの分解ガスが生成する。このうちH2
はカプセルが水素透過性材料でできているため透過し、
炉室内のアルゴンガス中に散逸する。この散逸量と分解
生成ガスの量との割合が略同等であればカプセル内、即
ち配管系(イ)内の圧力は一定値となる。
ところで、配管系(イ)内の圧力はタールピツチが分解
して生成するガスにより上昇するが、300Kgf/cm2に達す
ると、前記制御機能により昇温速度が制御され、保持さ
れる。そして、一定時間経過すると、分解するタールピ
ツチの量が少なくなり昇温速度が速くなる。更に時間を
経ると分解は終了し、配管系(イ)内の圧力は減少を始
める。この場合、制御系には温度の上限値を例えば1000
℃と設定しておく。従つて、炉室内圧力をこの間、1000
Kgf/cm2に保持しておくと、成形体は炉室内圧力とカプ
セル内圧力の差圧、即ち700Kgf/cm2により、圧縮され
る。圧力調節計は例えばカプセル内圧を980Kgf/cm2とす
るように設定しておけばカプセル内の圧力が炉室内の圧
力より高くなつてカプセルが膨張して破裂することを避
けることができる。
又、前記の如き加熱電力制御装置を用いず発生ガスの種
類,量により選択的に指令を出し、温度,圧力の制御を
図ることもできる。
第6図はその1例を示し、被処理体の加熱による発生ガ
スの分子量,分子数の変動がカプセル内の圧力変動にな
ることに立脚するもので、先ず指標となるガスを選択的
に取り出す。そのため安全弁(33)をもつ雰囲気調整用
管(14)の一部の系から電磁弁(31)を介して吸引装置
(32)が連結されており、電磁弁(34)が閉じていると
きに電磁弁(31)を開け、吸引装装(32)により定量的
に発生ガスを測定装置(35)に供給する。
なお、この取出系路では高圧容器内の温度との間で大き
な差があるため系路内で凝縮が起る。このため、防止策
として系路の保温,加熱を行なうか、凝縮したものを除
去するトラツプを設置する方法があるが、前者が好適で
ある。
又、発生ガスを採取する調整用管について、加熱時に被
処理体から発生するガスの排出管,採取管として必要な
数の複数個を設置し、あるいは2重管構造として設置し
てもよく、このように調整用管の複数設置,複数利用に
よつてガス引きのみならず雰囲気ガスを連続的に任意の
圧力で任意の操作時に独立又はHIP処理と平行的に供給
可能とすることができる。
かくして指標となるガスの発生が測定装置(35)により
検出されたときに、もう1つの測定装置(36)に切り替
え、この装置(36)にて特定ガスの定量を行なう。切替
えの方法としては指標とするガスが特定波長の位置で赤
外線に吸収されるという既知の原理を利用し、特定波長
の位置に検知器を設置し、測定装置(36)を作動する。
一般に被処理体が発生するガスは炭素,水素,酸素等の
成分を数種含有しているところから、加熱時に蒸発又は
/及び分解して発生するガスの中より適宜選択し、前記
指標ガスとして測定する。そして、この測定結果はHIP
装置における温度,圧力の制御に指令を出す機能を有し
温度,圧力を調整できる。
なお、以上はカプセル内圧力と雰囲気圧力との間の処理
時の関連した制御であるが、カプセルは処理時、カプセ
ル全体が外側から圧縮される関係上、降温,降圧後、熱
膨張係数がカプセルの方が通常大きい焼きばめ状態とな
つている。そして、このカプセルから中にある成形体を
取り出すには化学的にカプセルを腐食させて除去する
か、機械的に削り取る方法が採られる。しかし、前者は
除去に長時間を要することや、成形体に浸透した除去の
ための薬品等を除去する必要があつて問題が多く、通常
は後者により除去される。しかし、前述の如くカプセル
の焼きばめ状態で成形体を圧縮した状態にあるため、機
械的に除去する際に急激に応力が解放され成形体に大き
なクラツクを惹起する。
第7図はかかる問題に対処するカプセルの構成を示し、
難焼結性(本発明での処理温度ではポーラスな状態を保
つという意味で用いる)のセラミツクスもしくは炭素の
粉末(37)をカプセル(12)内面と成形体(13)との間
に緩衝材として介在せしめている。従つて、これにより
上記応力の解放時にその応力がこの緩衝材により吸収さ
れ成形体は破損することがない。
なお、難焼結性のセラミツク粉末は処理中に発生するH2
がカプセルを透過して外へ散逸してゆくことを妨げない
ので本来の効果はそのまま持続される。又、セラミツク
粉末は水分等を吸着しているため処理前にカプセル内を
真空引きしておくことが好ましい。
本発明は以上のようにして雰囲気調整用管内に難焼結性
のセラミツク粉末を充填し、該管を通じてカプセル内圧
力の調整制御を図りつつ焼成するものであるが、高密度
炭素成形体の製造方法には又、次のようなことがある。
即ち、最も一般的な高密度化法として知られるCIP法で
予備成形した原料を常温かつ2000〜5000Kgf/cm2で主に
液状圧媒を用いて加圧高密度化するときは常温のためガ
ス発生も起らず、従つて揮発成分も閉じ込められたまま
加圧されるためその後の焼成においてこの揮発成分が分
解飛散し空孔を生じる。
又、含浸法として知られる方法は、予め焼成した成形体
にピツチやフエノール,フランなどを加圧含浸し、オー
トクレーブ中などで硬化せしめる方法であるが、この方
法においても揮発成分の蒸発をオートクレーブの圧力に
よつて減少させる効果しか期待できず空孔の存在は避け
られない。又、炭素成形体が多孔性の、例えば炭素繊維
からなるような場合も同様で、これらは結局、強度面に
おいて所期の特性を得ることが困難である。
このような場合にはカプセル内部にカプセル外部の不活
性ガス圧力より低い圧力で炭化性のガスを導入し成形体
中に生じた空隙に侵入せしめ熱分解により炭素として沈
積せしめることが好適である。
このとき、炭化性ガスの導入は前記雰囲気調整用の管を
通じて導入することもできるが、又、別の管を用いて導
入することもできる。
第8図は雰囲気調整用管を通じて炭化性ガスを導入する
配管系統図であり、通常の系統に対し炭化性ガスボンベ
(38)と減圧調整器(39)及びコンプレツサ(18′)が
設けられていて、所期の温度を保持しつつカプセル内部
に炭化性ガスを圧入し、炭化性ガスの圧入量が所定の値
より小さくなつたら降温すると同時にカプセルの内部圧
力を下げるようになつている。
なお、カプセル内に炭化性ガスを導入するときは、該導
入された炭化性ガスは分解して最終的には固体としての
炭素と、ガス体としての水素に分解する。このうち炭素
は成形体中の孔に蓄積され、一方、ガス体としての水素
はカプセル壁中を拡散してカプセル外側のArガス中に散
逸する。従つて多量の炭素を成形体の孔中に作り出すに
は多量の炭化性ガスを供給し、かつ分解生成する水素を
効率よくカプセル外に散逸させれば良い。
これを行なうにはカプセル内の圧力を上げ炭化性ガスの
絶対値を増加し、かつこれにより分解生成する水素の分
圧を上げることが効果的である。
第9図は前記炭化性ガスの導入口(40)をカプセル内の
ガス排気口(41′)と別個に形成し、カプセル(12)上
方より排気管(41)を通じてガスを排気すると共に、下
方より炭化性ガスを導入するようにしたものである。
この場合もその作用に関しては同様であるが、導入ガス
の水素分圧を下げ、熱分解を促進させるため排気口(4
1)にパラジウムなどの水素透過性膜を設置することが
好適である。
以下、更に本発明を比較例と対比し実施した結果を示
す。
(比較例) 平均粒径20μmの石油コークス70重量部に、コールター
ルピツチ30重量部を加え、140℃にて捏合した後、室温
まで冷却し粉砕した。得られた粉末をゴム袋に入れ、ラ
バープレス装置により3000Kgf/cm2の圧力にて成形し
た。旋削により円柱状とし、125gのサンプルを得た。こ
れを1気圧の窒素雰囲気下で150℃/hrの昇温速度にて85
0℃まで昇温して2時間保持した後、降温した。得られ
た焼成体の重量は101gで、嵩密度1.38g/cm3であつた。
また得られた焼成体には無数のクラツクが生じていた。
(実施例) 上記比較例と同様の円柱状のサンプル(直径50mm×高さ
50mm,重量126.9g)を、第3図の形状の軟鋼カプセルに
収納した。このカプセルを第2図に示したような状態で
高温高圧装置に装着した。装置の炉室内を真空引き、ア
ルゴンガス置換した後、120Kgf/cm2のアルゴンガスを炉
室内に充填し、第10図に示すように温度および炉室内圧
力を変化させて成形体を圧縮炭化させた。この時カプセ
ル内の圧力は、主として大気圧への解放するための塞止
弁を操作し、0〜200Kgf/cm2の範囲を越えないように調
節した。降温,降圧後、軟鋼カプセルを取り除き焼成体
を取り出した。得られた焼結体の寸法および重量は、直
径44mm,高さ45mm,重量107.4gであつた。嵩密度は、1.56
g/cm3で、クラツクの発生も軽微であつた。
(比較例) 次に上記実施例と同様な工程を第2図に図示した構成
で、調整用管内にセラミツク粉末を充填していない高温
高圧装置を用いて行なつた。その結果、得られた結体の
寸法及び重量は直径46mm,高さ47mm,重量115.8gであつ
た。
処理後、同装置を開放し前記実施例と対比したところ、
雰囲気調整用管の一部に圧潰現象が見られ、カプセル内
部の圧力制御が充分でなかつたことが分つた。
(発明の効果) 本発明装置は以上のように炭素材料成形体を焼成するに
あたり、雰囲気調整用管を有する水素透過性もしくは水
素吸蔵性の金属からなるカプセルを使用し、該カプセル
内に前記成形体を収納し、かつ雰囲気調整用管内部に難
焼結性セラミツク粉末を充填してカプセルをカプセル外
側圧力で圧縮しつつ昇温し、同時に前記雰囲気調整用管
を通じてカプセル内のガス圧力を制御しつつ焼成するも
のであり、前記難焼結性セラミツク粉末充填の雰囲気調
整用管を使用することによりカプセル外側の圧力が高い
場合でも処理時、該圧力により雰囲気調整用管が圧潰さ
れることがなく、適切なカプセル内圧力の制御を確保し
て高密度化処理を円滑に遂行することができると共に、
カプセル内における成形体周囲の雰囲気および圧力を上
記の如く確実に調整することにより有機材料の固定炭素
分の収率を向上でき、高性能の密度の高い製品を得るこ
とができる顕著な効果を奏する。
又、本発明装置はカプセル外側のガス圧力をカプセル内
のガス圧力に比し高くすることと、前記カプセル内の適
確な圧力制御とを組合せることにより、製品特性,経済
性の両面から幅の広い制御が可能となり、工業性を高め
得ると共に静水圧的に圧縮しながら焼成することにより
成形体の膨張等によるクラツクの発生を抑制することも
でき、今後における高密度炭素材料の工業的製造にその
有用性が期待される方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は石油ピツチの炭素の収率と圧力との関係を示す
図表,第2図は本発明装置の1例を示す断面概要図、第
3図及び第4図は本発明に使用する雰囲気調整用管付き
カプセルの各例を示す断面概要図、第5図はカプセル内
圧力及び雰囲気制御配管系統図、第6図は制御機構の他
の例を示すHIP装置概要図、第7図はカプセルの他の実
施例を示す断面図、第8図及び第9図は炭化性ガス導入
機構をもつ本発明装置の配管系統図及び断面概要図、第
10図は本発明を実施した場合の炉室内圧力と炉内温度の
変化を示す図表である。 (1)……高圧円筒,(2)……上蓋, (3)……下蓋,(4)(4′)……発熱体, (6)……断熱層,(7)……炉室, (9)……真空引き孔, (11)……カプセル内雰囲気調整孔, (12)……カプセル,(13)……成形体(被処理体), (14)……雰囲気調整用管, (14′)……難焼結性セラミツク粉末,

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧円筒と上下の蓋とによって画成される
    高圧容器内に断熱層とその内部に発熱体を配設して発熱
    体で画成される炉室内に水素透過性もしくは水素吸蔵性
    の金属材料からなるカプセルを炉室内雰囲気ガスに対し
    て気密に配置せしめると共に、前記カプセルの内部と連
    通し高圧容器外へその端部が延長する雰囲気調整用管を
    設け、かつ該雰囲気調整用管内部に難焼結性のセラミッ
    ク粉末を充填してなることを特徴とする高密度炭素材料
    の製造装置。
  2. 【請求項2】カプセルが成形体と下部蓋との間に断熱材
    からなる中子を具えている特許請求の範囲第1項記載の
    高密度炭素材料の製造装置。
  3. 【請求項3】カプセルの下部蓋が上げ底となっている特
    許請求の範囲第1項記載の高密度炭素材料の製造装置。
  4. 【請求項4】雰囲気調整用管がカプセルの上方に連結し
    ている特許請求の範囲第1項記載の高密度炭素材料の製
    造装置。
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