JPH069638A - ピラゾロピリミジン誘導体 - Google Patents

ピラゾロピリミジン誘導体

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JPH069638A
JPH069638A JP20173392A JP20173392A JPH069638A JP H069638 A JPH069638 A JP H069638A JP 20173392 A JP20173392 A JP 20173392A JP 20173392 A JP20173392 A JP 20173392A JP H069638 A JPH069638 A JP H069638A
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JP
Japan
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group
methyl
reaction
compound
substituent
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Application number
JP20173392A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Kuroki
良明 黒木
Shinji Takamura
真司 高村
Hitoshi Ueno
均 上野
Ichiro Nakakoshi
一郎 中越
Hiroshi Fujiwara
寛 藤原
Tomio Kimura
富美夫 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 〔式中、Rは水酸基、メルカプト基、アルケニル基、
アルキニル基、シクロアルキル基、アルキルチオ基、ア
ルコキシ基、あるいは置換基Aを有していてもよいアル
キル基、フェニル基を表し、R、RおよびRはそ
れぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メル
カプト基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低
級アルコールでエステル化されてもよいカルボキシル
基、低級アルキル基で置換されていてもよい、アミノ
基、カルバモイル基、あるいは置換基Bを有していても
よい低級アルキル基、フェニル基を表し、Rはシアノ
基、低級アルコールでエステル化されてもよいカルボキ
シル基、または置換基Cを有していてもよいテトラゾー
ル−5−イル基を表す〕で示されるピラゾロピリジン誘
導体。 【効果】この化合物は、すぐれたアンジオテンシンII
拮抗作用をし、高血圧症、鬱血性心不全などアンジオテ
ンシンII拮抗作用が有効である疾患の治療・予防薬と
して有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として優れた作用
を有する新規なピラゾロピリミジン誘導体に関する。さ
らに詳しくは、本発明は、優れたアンジオテンシンII
拮抗作用を有し、高血圧症、鬱血性心不全、腎不全、緑
内障あるいはアルドステロン過剰症などの疾病または症
状の治療に有用な新規ピラゾロピリミジン誘導体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】温血動物における血圧の調節機構の一つ
としてレニン・アンジオテンシン系(RAS)が知られ
ている。その中心的な役割を果たしているアンジオテン
シンIIはアンジオテンシンIからアンジオテンシン変
換酵素(ACE)の作用により生成するペプチドホルモ
ンであり、血管系に作用して収縮(血圧上昇)を起こさ
せる。また、副腎に作用してアルドステロンの合成と分
秘を促進し、血圧上昇を起こさせることが知られてい
る。RASと高血圧の関係は、例えば、アンジオテンシ
ンIIの生成を抑制するアンジオテンシン変換酵素阻害
薬(ACE阻害薬)の高血圧症に対する臨床上の有用性
により明らかにされている。
【0003】一方、アンジオテンシンIIの作用を受容
体レベルで阻害するアンジオテンシンII拮抗薬は、A
CE阻害薬と同様に高血圧症の治療に有用であると孝え
られる。これまで多くのアンジオテンシンII拮抗作用
を有するペプチド性類縁体が報告されてきたが、アゴニ
スト作用を有する、経口投与では無効であるなどの問題
があった。最近、非ペプチド性アンジオテンシンII拮
抗薬が報告されており、例えば、特開昭63−2386
8号公報、特開平3−5480号公報、特開平3−22
3284号公報および特開平3−236377号公報に
はイミダゾール及びその関連誘導体が開示され、また、
特開平1−287071号公報および特開平3−218
371号公報にはピロール、ピラゾール、トリアゾール
誘導体などが開示されている。
【0004】しかしながら、本発明のピラゾロピリミジ
ン誘導体類がアンジオテンシンII拮抗作用を有するこ
とは全く知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、種々検
討を重ねた結果、一般式〔I〕で表される新規ピラゾロ
ピリミジン誘導体が優れたアンジオテンシンII拮抗作
用を有しており、従って、高血圧症、鬱血性心不全、腎
不全あるいはアルドステロン過剰症などの治療薬として
極めて有用であることを見出だした。本発明は、経口、
または非経口投与により優れたアンジオテンシンII拮
抗作用を発明する新規な化合物を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
〔1〕、
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、Rは水酸基、メルカプト基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルキ
ルチオ基、アルコキシ基、あるいは置換基Aを有してい
てもよいアルキル基、フェニル基を表し、R、R
よびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原
子、水酸基、メルカプト基、低級アルコキシ基、低級ア
ルキルチオ基、低級アルコールでエステル化されていて
もよいカルボキシル基、低級アルキル基で置換されてい
てもよいアミノ基、カルバモイル基、あるいは置換基B
を有していてもよい低級アルキル基、フェニル基を表
し、Rはシアノ基、低級アルコールでエステル化され
ていてもよいカルボキシル基、または置換基Cを有して
いてもよいテトラゾール−5−イル基を表す〕で示され
るピラゾロピリミジン誘導体。
【0009】本発明の化合物は一般式〔I〕において、
は水酸基、メルカプト基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シクロアルキル基、アルキルチオ基、アルコキシ
基、置換基Aを有していてもよいアルキル基、または置
換基Aを有していてもよいフェニル基である。
【0010】Rのアルケニル基は、例えばエテニル
基、1−プロペン−1−イル基、2−プロペン−1−イ
ル基、2−メチル−1−プロペン−1−イル基、2−メ
チル−2−プロペン−1−イル基、1−ブテン−1−イ
ル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル
基、2−メチル−1−ブテン−1−イル基などの炭素数
2〜8個、特に2〜4個の直鎖状もしくは分岐状の少な
くとも1つの炭素・炭素二重結合を含むアルケニル基を
挙げることができる。Rのアルキニル基は、例えばエ
チニル基、1−プロピン−1−イル基、2−プロピン−
1−イル基、2−メチル−1−プロピン−1−イル基、
2−メチル−2−プロピン−1−イル基、1−ブチン−
1−イル基、2−ブチン−1−イル基、3−ブチン−1
−イル基、2−メチルー1−ブチン−1−イル基などの
炭素数2〜8の直鎖状または分岐状の少なくとも1個の
炭素・炭素三重結合を含むアルキニル基を挙げることが
でる。Rのシクロアルキル基は、例えばシクロプロピ
ル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基など炭素数3〜6個、特に3〜5個のシクロアル
キル基を挙げることができる。Rのアルキルチオ基
は、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プピルチ
オ基、イソプピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチ
ルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチ
オ基などの炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアル
キルチオ基を挙げることができる。Rのアルコキシ基
は、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec− ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n
−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、n−ヘキ
シルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオ
キシ基などの炭素数1〜8個、特に1〜4個の直鎖状も
しくは分岐状のアルコキシ基を挙げることができる。
【0011】本発明の化合物は一般式〔I〕において、
の「置換基Aを有していてもよい」と表される置換
基Aとしては、それぞれ独立して、水酸基、メルカプト
基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基などの炭素数1〜4個の直鎖状もしくは分岐状
の低級アルキル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、
イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブト
キシ基などの炭素数1〜4個の直鎖状もしくは分岐状の
低級アルコキシ基、また、例えばメチルチオ基、エチル
チオ基、n−プピルチオ基、イソプピルチオ基、n−ブ
チルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ
基、tert−ブチルチオ基などの炭素数1〜4個の直
鎖状または分岐状の低級アルキルチオ基、そして、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子などのハロゲン
原子、特にフッ素原子、塩素原子を挙げることができ
る。
【0012】Rの置換基Aを有していてもよいアルキ
ル基は、置換基を有していないアルキル基としては、例
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル
基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などの炭素数1〜
8個、特に1〜4個の直鎖状または分岐状のアルキル基
を挙げることができ、あるいは、置換基Aを有するアル
キル基としては、上記の置換基を有していないアルキル
基に前記の置換基A(低級アルキル基を除く)を少なく
とも1個有するアルキル基を挙げることができる。R
の置換基Aを有していてもよいフェニル基は、フェニル
基、または前記の置換基Aを有するフェニル基であれば
よい。Rにおけるそのような置換基Aを1個有するフ
ェニル基としては、例えば2−メチルフェニル基、3−
メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチル
フェニル基、3−エチルフェニル基、4−プロピルフェ
ニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェ
ニル基などの低級アルキル基を有するフェニル基、2−
メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メ
トキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エト
キシフェニル基、4−プロポキシフェニル基、3−イソ
プロポキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基などの
低級アルコキシ基を有するフェニル基、4−フルオロフ
ェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル
基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、4
−ブロモフェニル基などハロゲン原子を有するフェニル
基を好適に挙げることができる。Rにおいて前記の置
換基Aを2個有するフェニル基としては、例えば2,3
−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル
基、2−エトキシ−3−メトキシフェニル基、2,3−
ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2
−エチル−3−メチルフェニル基、2,4−ジフルオロ
フェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、3
−ブロモ−4−フルオロフェニル基、4−ブロモ−3−
クロロフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル
基、2−クロロ−3−エチルフェニル基、3−クロロ−
4−メトキシフェニル基、4−クロロ−3−エトキシフ
ェニル基、2−ブロモ−3−メトキシフェニル基、4−
ブロモ−3−メチルフェニル基などを好適に挙げること
ができる。または、Rにおいて、前記の置換基Aを3
固有するフェニル基としては、例えば3,4,5−トリ
メチルフェニル基などの任意に炭素数1〜4のアルキル
基、炭素性1〜4のアルコキシ基、または、ハロゲン原
子からなる群から選択される3個の置換基で置換された
トリ置換フェニル基を好適に挙げることができる。
【0013】Rは,フェニル基、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基のような炭素数1
〜4個を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、例
えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、se
c−ブトキシ基のような炭素数1〜4個を有する直鎖状
もしくは分岐状のアルコキシ基を置換基Aとして有する
炭素数1〜4個を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキ
ル基、例えば上記に定義したアルキル基のいずれか1個
以上の水素原子がフッ素原子または塩素原子で1個以上
置換されているハロゲン化アルキル基、例えばエテニル
基、1−プロペン−1−イル基、2−プロペン−1−イ
ル基、2−メチル−1−プロペン−1−イル基、1−ブ
テン−1−イル基、2−ブテン−1−イル基のような炭
素数2〜4個を有する直鎖状もしくは分岐状のアルケニ
ル基、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基のような炭素数3〜5個を有するシクロア
ルキル基、または、例えばメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、
イソブトキシ基、sec−ブトキシ基のような炭素数1
〜4個を有する直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基な
どが好ましい。
【0014】R、RおよびRは、それぞれ独立し
て、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、
低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルコー
ルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、低級
アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、低級アル
キル基で置換されていてもよいカルバモイル基、あるい
は置換基Bを有していてもよい低級アルキル基、または
置換基Bを有していてもよいフエニル基である。R
およびRの低級アルコキシ基は、例えばメトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキ
シ基などの炭素数1〜4個、特に1〜3個の直鎖状もし
くは分岐状の低級アルコキシ基を挙げることができる。
、RおよびRの低級アルキルチオ基は、例えば
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プピルチオ基、イソ
プピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、
sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基のよう
な炭素数1〜4個、特に1〜3個の直鎖状もしくは分岐
状の低級アルキルチオ基を挙げることができる。
【0015】R、RおよびRの低級アルコールで
エステル化されていてもよいカルボキシル基は、カルボ
キシル基、もしくは、例えばメチルアルコール、エチル
アルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコールのような炭素数1〜3個を有する直鎖状もしく
は分岐状の低級アルキル基をもつアルコールでエステル
化されているカルボキシル基を挙げることができる。R
、RおよびRの低級アルキル基で置換されていて
もよいアミノ基は、アミノ基、もしくは、例えばジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基の
ような炭素数1〜3個を有する直鎖状もしくは分岐状の
低級アルキル基を少なくとも1個有するアミノ基を挙げ
ることができる。R、RおよびRの低級アルキル
基で置換されていてもよいカルバモイル基は、カルバモ
イル基、もしくは、例えばN−メチルカルバモイル基、
N−エチルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモ
イル基、N,N−ジエチルカルバモイル基のような炭素
数1〜2個を有する直鎖状もしくは分岐状の低級アルキ
ル基を少なくとも1個有するカルバモイル基を挙げるこ
とができる。
【0016】本発明の化合物は一般式〔I〕において、
、RおよびRの「置換基Bを有していてもよ
い」と表される置換基Bとしては、それぞれ独立して水
酸基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、カル
バモイル基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、
沃素原子のようなハロゲン原子、特にフッ素原子、塩素
原子、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基のような炭素数1〜4
個、特に1〜3個の直鎖状もしくは分岐状の低級アルキ
ル基、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基などのメチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコールのような
炭素数1〜3個を有する直鎖状もしくは分岐状の低級ア
ルキル基をもつ低級アルコールでエステル化されている
カルボキシル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−
プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキ
シ基のような炭素数1〜4個、特に1〜3個の直鎖状も
しくは分岐状の低級アルコキシ基、例えばメチルチオ
基、エチルチオ基、n−プピルチオ基、イソプピルチオ
基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブ
チルチオ基、tert−ブチルチオ基のような炭素数1
〜4個、特に1〜3個の直鎖状もしくは分岐状の低級ア
ルキルチオ基、例えばジエチルアミノ基、ジメチルアミ
ノ基のような炭素数1〜3個を有する直鎖状もしくは分
岐状の低級アルキル基で置換されているアミノ基、また
は、例えばN−メチルカルバモイル基、N−エチルカル
バモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N
−ジエチルカルバモイル基のような上記低級アルキル基
で置換されているカルバモイル基などが挙げることがで
きる。
【0017】R、RおよびRの置換基Bを有して
いてもよい低級アルキル基は、置換基を有していない低
級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基のよう
な炭素数1〜4個、特に1〜3個の直鎖状もしくは分岐
状の低級アルキル基を挙げることができ、あるいは置換
基Bを有する低級アルキル基としては、前記の置換基を
有していない低級アルキル基に上記の置換基B(低級ア
ルキル基を除く)を少なくとも1個有する低級アルキル
基を挙げることができる。R、RおよびRの置換
基Bを有していてもよいフェニル基は、前記Rにおけ
る置換基Aを有していてもよいフェニル基と同じであれ
ばよい。
【0018】R、RおよびRは、それぞれ独立し
て、例えばフッ素原子または塩素原子のようなハロゲン
原子、例えばメチルアルコール、エチルアルコールのよ
うな炭素数1〜2個を有する直鎖状もしくは分岐状のア
ルキル基をもつアルコールでエステル化されているカル
ボキシル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜3個を有
する直鎖状もしくは分岐状の低級アルコキシ基、例えば
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プピルチオ基、イソ
プピルチオ基などの炭素数1〜3個を有する直鎖状もし
くは分岐状の低級アルキルチオ基、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基のような炭素
数1〜3個を有する直鎖状もしくは分岐状の低級アルキ
ル基、例えば水酸基を置換基としてもつ炭素数1〜3個
を有する直鎖状もしくは分岐状の低級アルキル基、例え
ば前記で定義した低級アルキル基のいずれか1個以上の
水素原子がフッ素原子、塩素原子のようなハロゲン原子
で置換されたハロゲン化低級アルキル基、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基のような炭素数1〜3個を有する直鎖状もしくは分岐
状の低級アルコキシ基を置換基としてもつ炭素数1〜3
個を有する直鎖状もしくは分岐状の低級アルキル基、ま
たは、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プピル
チオ基、イソプピルチオ基のような炭素数1〜3個を有
する直鎖状もしくは分岐状のアルキルチオ基を置換基と
してもつ炭素数1〜3個を有する直鎖状もしくは分岐状
の低級アルキル基が好ましい。
【0019】本発明の化合物は一般式〔I〕において、
はシアノ基であり、Rの低級アルコールでエステ
ル化されていてもよいカルボキシル基は、カルボキシル
基、もしくは、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ルのような炭素数1〜3個を有する直鎖状もしくは分岐
状のアルキル基をもつアルコールでエステル化されてい
るカルボキシル基を挙げることができ、またはRの置
換基Cを有していてもよいテトラゾール−5−イル基
は、テトラゾール−5−イル基を挙げることができ、あ
るいは、フェニル基または炭素数1〜3個を有するアル
コキシ基で少なくとも1個以上の水素原子が置換されて
いる、炭素数1〜3個を有する直鎖状もしくは分岐状の
低級アルキル基で置換されていてもよいテトラゾール−
5−イル基を挙げることができる。Rはカルボキシル
基、テトラゾール−5−イル基、例えばメチルアルコー
ルあるいは、エチルアルコールでエステル化されている
カルボキシル基、または、例えばトリフェニルメチル基
もしくはメトキシメチル基で置換されているテトラゾー
ル−5−イル基が好ましい。
【0020】また、本発明の化合物に適当なアルカリ、
または酸を作用させることによって、非毒性の、薬理学
的に有効な塩にすることができる。このような薬理学的
に許容される塩としては、本発明の化合物に関して可能
なものであれば何でも良いが、例えばアンモニウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、マ
レイン酸塩、フマル酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン
酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩などを挙げることができる。更に、化合物によっては
例えば水和物などの溶媒和物になる場合、または互変異
性体、二重結合に伴う位置異性体、不斉に伴う光学異性
体が存在する場合があるが、ラセミ体及び光学活性体も
含めてこれらのものが本発明の範囲に入ることはいうま
でもない。本発明の化合物はインビボで、例えば酵素反
応などにより一般式〔I〕の親化合物を遊離する形に化
学的に修飾してもよい。このようなプロドラッグは、例
えば薬理学的に許容される代謝上不安定なエステル誘導
体である。この様なエステルの例としては、メチルまた
はエチルエステルのような低級アルキルエステルが挙げ
られる。上記エステル体に加えて、本発明はその範囲内
に他の薬理学的に許容される相当物、即ちインビボで一
般式〔I〕の親化合物に変換されるような薬理学的に許
容される形の一般式(I)の化合物も含む。
【0021】本明細書において用いる略号を以下に示
す。Me(メチル基),Et(エチル基),Pr(n−
プロピル基),iPr(イソプロピル基),cPr(シ
クロプロピル基),Bu(n−ブチル基),Tet(1
H−テトラゾール−5−イル基),DMF(N,N−ジ
メチルホルムアミド),Ph(フェニル基)。前記一般
式〔I〕を有する化合物として、以下の表に例示する化
合物をあげることができる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】本発明の一般式〔I〕で表される化合物
は、以下の方法に従って容易に製造される。
【0027】反応(1)は、一般式〔I〕における置換
基R(前記と同義)の変換に関する反応であり、反応
式(1)、
【式1】
【0028】[式中、R,R,R,及びRは前
記と同義。Rは式 −CN,及び −COORで示
される基,Rは式 −COOH,及び −Tet で
示される基であり、Rは置換基を有していてもよい炭
素数1〜4の低級アルキル基を意味する。]で表され
る。反応(1)は、さらに詳しくは、化合物(Ia)が
ベンゼン環上にシアノ基を持つ場合、種々のアジド化合
物と反応させてテトラゾール体(Ib)に変換するか、
あるいはアルカリまたは酸存在下、加水分解してカルボ
ン酸体(Ib)に変換するものであり、化合物(Ia)
がベンゼン環上にアルコキシカルボニル基を持つ場合、
アルカリまたは酸存在下、加水分解してカルボン酸体
(Ib)に変換するものである。
【0029】テトラゾール体(Ib)に変換するには、
ベンゼン環上にシアノ基を持つ化合物(Ia)1モルに
対してアジド化合物を1〜3モル程度使用し、溶媒中で
反応を行う。上記のアジド化合物は、たとえば、トリア
ルキルスズアジド、トリフェニルスズアジドなどの有機
スズアジド化合物、アジ化水素酸などが挙げられる。上
記反応溶媒は、たとえばジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、トルエン、ベンゼン、キシレンなどが
挙げられる。上記の反応に有機スズアジド化合物を用い
る時は、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの溶媒中で
加熱還流しながら10〜40時間程度反応させるか、あ
るいは、塩化トリブチルスズなどのハロゲン化トリアル
キルスズとナトリウムアジドを加えて、系中でスズアジ
ド化合物に変換して反応させることもできる。また、ア
ジ化水素酸を反応させる時は、ナトリウムアジドと塩化
アンモニウムを化合物(Ia)に対して1〜3倍モル程
度用い、ジメチルホルムアミド中100〜130℃程度
で1〜3日程度反応させる。この間、ナトリウムアジド
と塩化アンモニウムを適量加えることによって、反応を
促進させることが好ましい。
【0030】また、加水分解によりカルボン酸体(I
b)に変換するには、ベンゼン環上にシアノ基、または
アルコキシカルボニル基を持つ化合物(Ia)1モルに
対してアルカリを1〜3倍モル程度使用し、通常、メタ
ノール、エタノール、エチレングリコールなどの水を含
むアルコール類などの溶媒中で反応させる。上記反応に
使用するアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化バリウムなどが挙げられる。反応温度は室温
〜還流温度であり、反応時間は1〜10時間程度で行う
ことができる。酸による加水分解は、通常、塩酸、希塩
酸、硫酸、希硫酸などの鉱酸類と加熱して行う。また、
酢酸、ギ酸などの有機酸(好ましくは酢酸、ギ酸)を溶
媒として用いることもできる。反応は、室温〜還流温
度、1時間〜3日程度で行うことができる。
【0031】反応(2)は、有機溶媒中3−アミノピラ
ゾール(II)と種々のβ−ジケトン(IIIa)を用
いて縮合閉環反応を行い、ピラゾロ[1,5−a]ピリ
ミジン(Ic)を得るものであり、反応式(2)、
【0032】
【式2】
【0033】[式中、R,R及びRは前記と同義
であり、RおよびR10は、同一でも異なってもよ
く、置換基を有していてもよいC1〜4の低級アルキル
基、フェニル基を意味する。]で表される。この縮合反
応は、3−アミノピラゾール(II)1モルに対してβ
−ジケトン(IIIa)を1〜4倍モル程度使用し、エ
タノールなどの溶媒中、室温〜環流温度、1〜24時間
程度で行うことができる。また、必要に応じて、触媒量
のピペリジンなどを加えて反応を促進させることもでき
る。
【0034】反応(3)は、有機溶媒中3−アミノピラ
ゾール(II)と種々のβ−ケトエステル(IIIb)
を用いて縮合閉環反応を行い、7−ヒドロキシ体(I
d)を得るものであり、反応式(3)、
【0035】
【式3】
【0036】[式中、R,R,R,R及びR
10は前記と同義。]で表される。この縮合反応は、3
−アミノピラゾール(II)1モルに対してβ−ケトエ
ステル(IIIb)を1〜4倍モル程度使用し、酢酸、
エタノールなどの溶媒中、室温〜還流温度、1時間〜2
日間程度で行うことができる。また、エタノールなどの
アルコール溶媒を用いるときは、必要に応じて、触媒量
〜等モル倍量の適当な塩基を加えて反応を促進させるこ
ともできる。このような塩基としては、例えば、ナトリ
ウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアルコキシドなど
が挙げられる。
【0037】反応(4)は、7−ヒドロキシ体(Id)
を、ハロゲン化することにより、7−ハロゲン体(I
e)を得るものであり、反応式(4)、
【0038】
【式4】
【0039】[式中、R,R,R及びRは前記
と同義。XはCl,Brなどのハロゲン原子を意味す
る。]で表される。ハロゲン化反応は、N,N−ジメチ
ルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリエチルア
ミンなどの脱酸剤の存在下、或いは非存在下、オキシ塩
化リン、オキシ臭化リンなどのハロゲン化剤を使用する
ことにより行うことができる。なお、上記ハロゲン化剤
は溶媒も兼るので反応(4)においては特に溶媒を必要
としないが、不活性溶媒中でも実施でき、その場合の溶
媒は例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げ
ることができる。また、脱酸剤を用いる場合は、化合物
(Id)1モルに対して脱酸剤1〜10倍モル程度使用
し、反応は室温〜還流温度、1〜3時間程度で行うこと
ができる。
【0040】反応(5)は、7−ハロゲン体(Ie)を
有機溶媒中、求核試薬と反応させて置換化合物(If)
を得るものであり、反応式(5)、
【0041】
【式5】
【0042】[式中、R,R,R,R及びXは
前記と同義。R11は炭素数C1〜4のアルコキシ基、
炭素数1〜4のアルキルチオ基、または置換基を有して
いてもよいアミノ基を意味する]で表される。反応
(5)で使用するとしては有機溶媒は、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。溶媒は用いる
求核試薬によって選択するのが好ましい。このような求
核試薬は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、メチルメルカプタン、アンモニア、アルキル
アミンが挙げられる。反応は、試薬及び溶媒の組み合わ
せによって異なるが、好ましくは、適当な塩基の存在
下、氷冷下〜還流温度、1時間〜10時間程度で行わ
れ、そのような塩基としては、たとえば、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムア
ルコキシドなどがある。
【0043】反応(6)は、7−ハロゲン体(Ie)を
有機溶媒中、水素化還元して化合物(Ig)を得るもの
であり、反応式(6)、
【0044】
【式6】
【0045】[式中、R,R,R,R及びXは
前記と同義。]で表される。この還元反応は、パラジウ
ム触媒の存在下、メタノール、エタノールなどのアルコ
ール溶媒中、水素ガスを作用させて室温〜還流温度、1
〜12時間程度で行うことができる。
【0046】反応(7)は、3−アミノピラゾール(I
I)とマロン酸ジエステル(IIIc)を用いて縮合閉
環反応を行い、5,7−ジヒドロキシ体(Ih)を得る
ものであり、反応式(7)、
【0047】
【式7】
【0048】[式中、R,R,R,R及びR
10は前記と同義。]で表される。この縮合反応は、反
応(3)と同様の方法で行うことができる。また、水酸
基は、さらに反応(4)〜(6)と同様の方法でハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキルチ
オ基、水素原子に変換することもできる。
【0049】反応(8)は、3−アミノピラゾール(I
I)とβ−シアノエステル(IIId)を用いて縮合閉
環反応を行い、5−ヒドロキ−7−アミノ体(Ii)を
得るものであり、反応式(8)、
【0050】
【式8】
【0051】[式中、R,R,R及びRは前記
と同義。]で表される。この縮合反応は、反応(3)と
同様の方法で行うことができる。
【0052】反応(9)は、3−アミノピラゾール(I
I)と3−アルコキシアクリル酸エステル(IIId)
を用いて縮合閉環反応を行い、7−ヒドロキシ体(I
j)を得るものであり、反応式(9)、
【0053】
【式9】
【0054】[式中、R,R,R,R及びR
は前記と同義。]で表される。この縮合反応は、反応
(3)と同様の方法で行うことができる。また、水酸基
は、さらに反応(4)〜(6)と同様の方法でハロゲン
原子、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキルチオ
基、水素原子に変換することもできる。
【0055】反応(10)は、3−アミノピラゾール
(II)と3−アルコキシアクリロニトリル(III
f)を用いて縮合閉環反応を行い、7−アミノ体化合物
(Ik)を得るものである、反応式(10)、
【0056】
【式10】
【0057】[式中、R,R,RおよびRは前
記と同義。]で表される。この縮合反応は、反応(3)
と同様の方法で行うことができる。
【0058】反応(11)は、3−アミノピラゾール
(II)と3−アルコキシエノン(IIIg)を用いて
縮合閉環反応を行い、化合物(I1)を得るものであ
り、反応式(11)、
【0059】
【式11】
【0060】[式中、R,R,R,R及びR
10は前記と同義。]で表される。この縮合反応は、反
応(3)と同様の方法で行うことができる。
【0061】また、上記反応において出発原料として使
用される3−アミノピラゾール(II)は、例えば以下
に示すような方法によって製造することができる。反応
(12)は、反応式(12)、
【0062】
【式12】
【0063】[式中、R,R及びXは前記と同
義。]で表される。上記反応式に示すβ−ケトニトリル
(IV)と化合物(V)との反応は、β−ケトニトリル
(IV)1モルに対して化合物(V)を0.25〜1倍
モル程度使用し、例えば、アセトニトリル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの溶媒中で、適
当な塩基を用いて氷冷下〜60℃、1〜5時間で行う。
適当な塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、水素化ナトリウムなどが挙げられる。また、閉
環縮合反応は、化合物(VI)1モルに対して抱水ヒド
ラジンを3〜5倍モル程度使用し、例えば、エタノール
などのアルコール中、室温〜還流温度、1〜20時間で
行う。更に、β−ケトニトリル(IV)は例えば、特開
昭60−13749号公報に記載の方法で容易に合成で
き、化合物(V)は例えば、A.I.Meyerset
al.J.Org.Chem.,43,1372(1
978),または特開昭63−23868号公報に記載
の方法によって容易に合成できる。
【0064】上記各反応式に示す方法により得られる化
合物は、慣用される分離手段により反応系内より単離さ
れ、また精製される。そのような単離・精製手段として
は溶媒抽出、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィ
ー、プレパラティヴ薄層クロマトグラフィーなどが挙げ
られる。更に本発明化合物は、必要により遊離の形態
で、または薬理学的に許容される酸、例えば塩酸、臭化
水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸、プロ
ピオン酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、メタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸などの有機酸との酸付加塩の形態で、または薬理学的
に許容されるアンモニウム塩、またはアルカリ金属、或
いはアルカリ土類金属(例、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウムなど)の金属塩の形態で単離してもよい。
【0065】一般式〔I〕の化合物およびそれらの薬学
的に許容される塩のアンジオテンシンII(AII)拮
抗作用は、たとえばAII受容体結合試験、AII昇圧
反応抑制試験において認めることができる。 試験例1 AII受容体結合試験は、Chiuらの方法〔Chiu
A.T.,European J.Pharmaco
l.,157,pp13(1988)〕に準じて行っ
た。Wistar系雄性ラット(日本チャールズリバー
社供給)より調整した副腎皮質分画(タンパク質濃度:
0.2〜0.3g/ml)300μlを種々の濃度の被
験物質10μlと1.5〜2.5nMの〔H〕−AI
I10μlを有するトリス緩衝液中で25℃、1時間イ
ンキュベートした。氷冷した0.9%生理的食塩水20
mlを加えて反応を停止させ、直ちに吸引濾過し、濾紙
に回収した受容体結合〔H〕−AIIを液体シンチレ
ーションカウンターを用いて定量した。被験物質の代わ
りにDMSOを加えたときの結合量を100%、非標識
AII(最終濃度10−5M)を加えたときの結合量を
0%として、各濃度の被験物質存在下での〔H〕−A
IIの結合率を算出した。濃度に対する結合率より結合
阻害曲線を導き、被験物質の阻害定数Kiを次式より求
めた。Ki=IC50/(1+C/Kd),IC50
結合率50%になる化合物濃度、C:〔H〕−AII
の濃度、Kd:用いた受容体の解離定数。本試験におい
て、代表的な化合物はKi値10−5M以下の活性を示
した。
【0066】試験例2 AII昇圧反応抑制試験はWongらの方法〔Wong
P.C.,J.ofPharm.and Exp.T
herap.,252,pp719(1990)〕に準
じて行った。 Crj:Wistar系雄性ラット(9〜13週令,日
本チャールズリバー社供給)を用いた。試験1週間前に
ペントバルビタール ナトリウム麻酔下で大腿動脈およ
び静脈に留置カニューレを施した。試験前日より試験直
前まで絶食、水自由摂取の条件下で飼育した。試験当
日、動脈カニューレを血圧トランスデューサー(TP−
400T,日本光電社製)に接続し、無麻酔・無拘束下
での平均血圧を歪み圧力アンプ(AP−601G,日本
光電社製)を介してサーマルアイレコーダー(RTA−
1200,日本光電社製)で記録した。被験物質を投与
前に対照になるAII(300ng/kg)の静脈内投
与による昇圧反応を求めた。被験物質(10mg/k
g)を経口投与し、その後の各測定点においてAIIを
静脈内投与し、同様に昇圧反応を求め、被験物質投与前
および投与後の反応を比較して抑制率を求めた。本試験
において代表的な化合物は抑制率50%以上の活性を示
した。
【0067】
【発明の効果】このようにして製造される本発明化合
物、及びその塩は、低毒性でアンジオテンシンIIによ
る血管収縮及び血圧上昇作用を強力に抑制し、高血圧症
の治療・予防に有効であり、また、アンジオテンシンI
I拮抗作用が有効である他の疾患の治療・予防にも有効
である。
【0068】医薬として用いる場合、本発明化合物、及
びその塩は、製剤の技術分野における通常の方法で、そ
れ自体、或いは適宜の薬理学的に許容される担体、賦形
剤、希釈剤と混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、
注射剤など剤型にして経口的または非経口的に投与する
ことができる。投与量は、対象疾患、症状の程度、患者
の年齢・性別・体重・感受性差、投与方法、投与の時期
・間隔、医薬製剤の性質・調剤・種類、有効成分の種類
などによって異なり、特に限定されない。経口投与で
は、通常成人1人あたり約1〜1,000mg、好まし
くは約5〜500mgまた静注では、0.1〜3mgを
通常1日1〜3回にわけて投与するのが好ましい。
【0069】
【実施例】次に、本発明の代表的化合物について参考
例、および実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、
これらが本発明を限定するものでないことはいうまでも
ない。
【0070】参考例12−[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]
−3−オキソヘプタンニトリル 氷冷下、3−オキソヘプタンニトリル5.85g(4
6.7mmol)にDMF100mlを加え、攪拌しな
がら、64%油性水素化ナトリウム1.75g(48.
7mmol)を少量ずつ加えて、約20分間攪拌した。
次いで、室温にて4−(2−シアノフェニル)ベンジル
ブロマイド5.09g(18.7mmol)のDMF1
00ml溶液を約1.5時間かけて滴下し、更に約0.
5時間攪拌した。反応液に水を加えて、濃塩酸で中和
後、トルエンで抽出した。抽出液を水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後減圧下で濃縮し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;
ヘキサン8:酢酸エチル1)にて精製して、目的化合物
4.88gを黄色油状物として得た。収率83%。 NMR(CDCl)δ:0.90(3H,t),1.
24−1.42(2H,m),1.52−1.70(2
H,m),2.63−2.70(2H,m),3.10
−3.37(2H,m),3.64−3.72(2H,
dd),7.37−7.80(8H,m)。
【0071】参考例23−アミノ−5−n−ブチル−4−[(2′−シアノビ
フェニル−4−イル)メチル]ピラゾール 2−[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]
−3−オキソヘプタンニトリル4.85g(15.3m
mol)にエタノール15mlを加え、抱水ヒドラジン
1.5mlを加えて10時間加熱還流した。反応混合物
を減圧下で濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム30:メタ
ノール1)にて精製して、目的化合物3.12gを黄色
飴状物として得た。収率62%。 NMR(CDCl)δ:0,90(3H,t),1.
24−1.43(2H,m),1.48−1.64(2
H,m),2.55(2H,t),3.77(2H,
s),7.28−7.78(8H,m)。
【0072】参考例2に記載した方法に準じて下記化合
物(参考例3〜6)を得た。 参考例33−アミノ−5−エチル−4−[[2′−(1H−テト
ラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]
ピラゾール 2−[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]
−3−オキソヘプタンニトリルの代わりに2−[[2′
−(N−トリフェニルメチルテトラゾール−5−イル)
ビフェニル−4−イル]メチル]−3−オキソペンタン
ニトリルを用いて、目的化合物をヒドラジン塩として得
た。 NMR(polysol)δ:1.17(3H,t),
2.46−2.56(2H,q),3.66(2H,
s),7.00(4H,s),7.27−7.38(3
H,m),7.48−7.51(1H,m)。
【0073】参考例43−アミノ−5−n−プロピル−4−〔(2′−シアノ
ビフェニル−4−イル)メチル〕ピラゾール 2−[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]
−3−オキソヘプタンニトリルの代わりに2−[(2′
−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−3−オキソ
ヘキサンニトリルを用いて、目的化合物を黄色飴状物と
して得た。 NMR(CDCl)δ:0.95(3H、t),1.
52−1.71(2H,m),2.54(2H,t),
3.78(2H,s),4.61(3H,b),7.2
7−7.78(8H,m)。
【0074】参考例53−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール 2−[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]
−3−オキソヘプタンニトリルの代わりに2−[[2′
−(N−トリフェニルメチルテトラゾール−5−イル)
ビフェニル−4−イル]メチル]−3−オキソヘキサン
ニトリルを用いて、目的化合物をヒドラジン塩として得
た。 NMR(DMSO−d)δ:0.82(3H,t),
1.37−1.56(2H,m),2.30−2.38
(2H,t),3.55(2H,s),6.98(4
H,s),7.27−7.38(3H,m),7.48
−7.51(1H,m)。
【0075】参考例63−アミノ−5−n−ブチル−4−[[2′−(1H−
テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチ
ル]ピラゾール 2−[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]
−3−オキソヘプタンニトリルの代わりに2−[[2′
−(N−トリフェニルメチルテトラゾール−5−イル)
ビフェニル−4−イル]メチル]−3−オキソヘプタン
ニトリルを用いて、目的化合物をヒドラジン塩として得
た。 NMR(polysol)δ:0.87(3H,t),
1.20−1.38(2H,m),1.41−1.56
(2H,m),2.43(2H,t),3.60(2
H,s),7.04(4H,s),7.30−7.47
(3H,m),7.59−7.65(1H,m)。
【0076】参考例73−アミノ−5−フェニル−4−[[2′−(1H−テ
トラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチ
ル]ピラゾール 2−[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]
−3−オキソヘプタンニトリルの代わりに2−ベンゾイ
ル−3−[2′−(N−トリフェニルメチルテトラゾー
ル−5−イル)ビフェニル−4−イル]プロパンニトリ
ルを用いて、目的化合物をヒドラジン塩として得た。 NMR(DMSO−d)δ:3.79(2H,s),
6.99−7.02(4H,m),7.30−7.51
(9H,m)。
【0077】実施例12−n−プロピル−5,7−ジメチル−3−[[2′−
(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イ
ル]メチル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジン0.70g(1.79m
mol)にエタノール10mlを加え、アセチルアセト
ン0.4ml(3.90mmol)とピペリジン2滴を
加えた後、3時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で
濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶出溶媒;クロロホルム9:メタノール1)に
て精製した。得られた飴状物をジイソプロピルエーテル
中で結晶化させ、目的化合物0.68gを白色結晶とし
て得た。収率89%。 融点(℃):160−161。 元素分析値(%) C2525・1/4HOと
して 計算値: C70.15 H6.01 N 22.91 実測値: C70.16 H6.16 N 23.21 NMR(CDCl)δ:0.93(3H,t),1.
56−1.75(2H,m) 2.48(3H,s),
2.63−2.71(5H,m),4.04(2H,
s),6.48(1H,s),6.95(2H,d),
7.04(2H,d),7.33−7.37(1H,
m),7.47−7.58(2H,m),8.07−
8.12(1H,m)。
【0078】実施例1に記載した方法に準じて下記化合
物(実施例2〜8)を得た。 実施例22−n−プロピル−5,6,7−トリメチル−3−
[[2′−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニ
ル−4−イル)メチル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミ
ジン アセチルアセトンの代わりに3−メチル−2,4−ペン
タンジオンを用いて、目的化合物を白色結晶として得
た。 融点(℃):222−224。 元素分析値(%) C2627・1/2HOと
して 計算値: C69.93 H6.32 N21.96 実測値: C70.07 H6.12 N21.99。 NMR(CDCl)δ:0.92(3H,t),1.
54−1.73(2H,m),2.29(3H,s),
2.54(3H,s),2.65(3H,t)2.72
(3H,s),4.09(2H,s),7.00(2
H,d),7.15(2H,d),7.41−7.68
(5H,m)。
【0079】実施例32−n−プロピル−5−メチル−3−[(2′−シアノ
ビフェニル−4−イル)メチル]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジンおよびアセチルアセトン
の代わりに3−アミノ−5−n−プロピル−4−
〔(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]ピラ
ゾールおよび4、4−ジメトキシ−2−ブタノンを用い
て、目的化合物を黄色油状物として得た。 NMR(CDCl)δ:0.96(3H,t),1.
60−1.78(2H,m),2.60(3H,s),
2.71(2H,t),4.20(2H,s),6.5
8(1H,d),7.33−7.50(6H,m),
7.57−7.65(1H,m),7.73−7.77
(1H,m),8.42(1H,d)。
【0080】実施例42−エチル−5,7−ジメチル−3−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジンの代わりに3−アミノ−
5−エチル−4−[[2′−(1H−テトラゾール−5
−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ピラゾール・
ヒドラジンを用いて、目的化合物を白色結晶として得
た。 融点(℃):194−196.5。 元素分析値(%) C2423として 計算値: C70.40 H5.66 N23.94 実測値: C70.36 H5.66 N23.68。 NMR(CDCl)δ:1.22(3H,t),2.
47(3H,s),2.68(3H,s),2.73
(2H,q),4.04(2H,s),6.47(1
H,s),6.95(2H,d),7.07(2H,
d),7.33−7.38(1H,m),7.47−
7.59(2H,m),8.05−8.10(1H,
m)。
【0081】実施例52−n−ブチル−5,7−ジメチル−3−[[2′−
(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イ
ル]メチル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジンの代わりに3−アミノ−
5−n−ブチル−4−[[2′−(1H−テトラゾール
−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ピラゾー
ル・ヒドラジンを用いて、目的化合物を白色結晶として
得た。 融点(℃):182−183。 元素分析値(%) C2627として 計算値: C71.37 H6.22 N22.41 実測値: C71.13 H6.13 N22.56。 NMR(CDCl)δ:0.92(3H,t),1.
26−1.45(2H.m),1.54−1.69(2
H,m),2.49(3H,s),2.69(3H,
s),2.72(2H,t),4.08(2H,s),
6.47(1H,s),7.01(2H,d),7.1
4(2H,d),7.33−7.38(1H,m),
7.47−7.58(2H,m),8.14−8.18
(1H,m)。
【0082】実施例62−n−ブチル−5,7−ビス(トリフルオロメチル)
−3−[[2′−(1H−テトラゾール−5−イル)ビ
フェニル−4−イル]メチル]ピラゾロ[1,5−a]
ピリミジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジンおよびアセチルアセトン
の代わりに3−アミノ−5−n−ブチル−4−[[2′
−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−
イル]メチル]ピラゾール・ヒドラジンおよび1,1,
1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジ
オンを用いて、目的化合物を白色結晶として得た。 融点(℃):150−151。 元素分析値(%) C2621・1/4H
Oとして 計算値: C56.78 H3.94 N17.83 実測値: C56.81 H3.85 N17.84。 NMR(CDCl)δ:0.92(3H,t),1.
30−1.49(2H.m),1.62−1.77(2
H,m),2.88(3H,t),4.28(2H,
s),7.18(2H,d),7.33−7.40(4
H.m),7.48−7.63(2H,m),8.18
−8.23(1H,m)。
【0083】実施例7 2−n−ブチル−5,7−ジメチル−3−[(2′−シ
アノビフェニル−4−イル)メチル]ピラゾロ[1,5
−a]ピリミジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジンの代わりに3−アミノ−
5−n−ブチル−4−[(2′−シアノビフェニル−4
−イル)メチル]ピラゾールを用いて、目的化合物を白
色結晶として得た。 NMR(CDCl)δ:0.89(3H,t),1.
27−1.45(2H.m),1.53−1.68(2
H,m),2.58(3H,S),2.72(3H,
s),2.74(3H,t),4.22(2H,s),
6.48(1H,s),7.33−7.50(6H,
m),7.57−7.65(1H,m),7.74(1
H,d)。
【0084】実施例82−フェニル−5,7−ジメチル−3−[[2′−(1
H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]
メチル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジンの代わりに3−アミノ−
5−フェニル−4−[[2′−(1H−テトラゾール−
5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ピラゾール
を用いて、目的化合物を白色結晶として得た。 融点(℃):190−192。 元素分析値(%) C2823として 計算値: C73.50 H5.07 N21.40 実測値: C73.45 H5.28 N21.05。 NMR(CDCl)δ:2.54(3H,s),2.
78(3H,s),.29(2H,s),6.57
(1H,s),6.99(2H,d),7.14(2
H,d),7.34−7.56(6H,m),7.65
−7.70(2H,m),8.11−8,16(1H,
m)。
【0085】実施例92−n−プロピル−7−メチル−3−〔〔2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メ
チル〕ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−5−カルボ
ン酸 実施例1に記載した方法に準じて、3−アミノ−5−n
−プロピル−4−〔〔2′−(1H−テトラゾール−5
−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕ピラゾール・
ヒドラジンと2,4−ジオキソ吉草酸エチルを用い、5
−エトキシカルボニル−2−n−プロピル−7−メチル
−3−〔〔2′−(1H−テトラゾール−5−イル)ビ
フェニル−4−イル〕メチル〕ピラゾロ〔1,5−a〕
ピリミジンと7−エトキシカルボニル−2−n−プロピ
ル−5−メチル−3−〔〔2′−(1H−テトラゾール
−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕ピラゾロ
〔1,5−a〕ピリミジンの混合物を得た。この混合物
0.50g(1.03mmol)にエタノール15ml
を加え、攪拌しながら、1N−水酸化ナトリウム水溶液
を10ml加えて0.5時間加熱還流した後、1N−塩
酸10mlを加えて中和した。反応混合物を減圧下で濃
縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出溶媒;クロロホルム30:メタノール1)に
て精製した。得られた結晶をジイソプロピルエーテルで
洗浄して、目的化合物0.13gを白色結晶として得
た。収率32%。 融点(℃):185−186。 元素分析値(%) C2523・1/4H
Oとして 計算値: C65.56 H5.17 N21.41 実測値: C65.71 H5.26 N20.68。 NMR(polysol)δ:0.94(3H,t),
1.61−1.80(2H,m),2.69(3H,
s),2.73(3H,t),4.14(2H,s),
7.07(2H,d),7.16(2H,d),7.4
1−7.58(4H,m),7.74−7.77(1
H,m)。
【0086】実施例102−n−プロピル−5−メチル−3−〔〔2′ー(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メ
チル〕ピラゾロ(1,5−a〕ピリミジン 実施例3で得
られた2−n−プロピル−5−メチル−3−〔(2’−
シアノビフェニル−4−イル)メチル〕ピラゾロ〔1,
5−a〕ピリミジン1.40g(3.82mmol)を
キシレン40mlに加え、ナトリウムアジド0.50g
(7.69mmol)と塩化トリブチルスズ2.49g
(7.26mmol)を加えて36時間加熱還流した。
反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン:メタノ
ール:濃アンモニア水の混合溶液(混合比;5:3:
1)50mlを加えて室温で6時間攪拌した。濃縮残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ク
ロロホルム30:メタノール1およびクロロホルム9:
メタノール1)にて精製した。得られた飴状物をジイソ
プロピルエーテル中で結晶化させ、目的化合物0.94
gを微黄色結晶として得た。収率60%。 融点(℃):209−211。 元素分析値(%) C2423・1/4HOと
して 計算値: C69.23 H5.72 N23.68 実測値: C69.61 H6.02 N23.43。 NMR(CDCl)δ:0.90(3H,t)1.5
4−1.73(2H,m),2.52(3H,s),
2.64(2H,t),4.04(2H,s),6.5
7(1H,d),6.98(2H,d),7.09(2
H,d),7.35−7.40(1H,m),7.47
−7.60(2H,m),8.06−8.10(1H,
m),8.35(1H,d)。
【0087】実施例112−n−ブチル−7−ヒドロキシ−5−メチル−3−
[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]ピラ
ゾロ[1,5−a]ピリミジン 3−アミノ−5−n−ブチル−4−[(2′−シアノビ
フェニル−4−イル)メチル]ピラゾール1.06g
(3.21mmol)を酢酸4mlに加え、アセト酢酸
メチル0.27ml(3.29mmol)を加えた後、
3時間加熱還流した。反応混合物に水20mlを加え
て、析出した結晶を濾別した。得られた結晶を酢酸エチ
ルから再結晶して、目的化合物0.98gを白色結晶と
して得た。収率77%。 NMR(CDCl)δ:0.81(3H,t),1.
17−1.35(2H,m),1.46−1.62(2
H,m),2.28(3H,s),2.55(3H,
t),3.93(2H,s),5.53(1H,s),
7.15(2H,d),7.36−7.48(4H,
m),7.59−7.68(1H,m),7.75(1
H,d),10.07(1H,s)。
【0088】実施例11に記載した方法に準じて下記化
合物(実施例12)を得た。 実施例122−n−ブチル−5,6−ジメチル−7−ヒドロキシ−
3−[(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチル]
ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン アセト酢酸メチルの代わりに2−メチルアセト酢酸エチ
ルを用いて、目的化合物を白色結晶として得た。 NMR(CDCl)δ:0.79(3H,t),1.
15−1.34(2H,m),1.43−1.58(2
H,m),2.03(3H,s),2.30(3H,
s),2.52(3H,t),3.89(2H,s),
7.12(2H,d),7.35−7.47(4H,
m),7.59−7.66(1H,m),7,74(1
H,d),9.98(1H,s)。
【0089】実施例132−n−プロピル−7−ヒドロキシ−5−メチル−3−
[[2′−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニ
ル−4−イル]メチル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミ
ジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジン1.50g(3.84m
mol)にエタノール10mlおよびアセト酢酸メチル
1.4ml(17.11mmol)を加えて、5時間加
熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残
渣を15%水酸化ナトリウム水溶液40mlに溶解して
1N−塩酸で弱酸性にした。析出した結晶を濾別して、
目的化合物1.75gを白色結晶として得た。収率99
%。 融点(℃):265(分解)。 元素分析値(%) C2423O・2HOとし
て 計算値: C62.46 H5.90 N21.24 実測値: C62.60 H5.41 N21.13。 NMR(DMSO−d)δ:0.85(3H,t),
1.43−1.61(2H,m),2.30(3H,
s) 2.45(2H,t),3.92(2H,s),
5.52(1H,s),7.01(4H,s),7.3
6−7.57(4H,m)。
【0090】実施例13に記載した方法に準じて下記化
合物(実施例14〜15)を得た。 実施例142−n−ブチル−7−ヒドロキシ−5−メチル−3−
[[2′−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニ
ル−4−イル]メチル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミ
ジン 3−アミノ−5−n−プロピル−4−[[2′−(1H
−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メ
チル]ピラゾール・ヒドラジンの代わりに3−アミノ−
5−n−ブチル−4−[[2′−(1H−テトラゾール
−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ピラゾー
ル・ヒドラジンを用いて、目的化合物を白色結晶として
得た。 融点(℃):200−202。 元素分析値(%) C2525O・HOとして 計算値: C65.63 H5.95 N21.43 実測値: C65.60 H5.45 N21.64。 NMR(polysol)δ:0.78(3H,t),
1.15−1.34(2H,m),1.41−1.57
(2H,m),2.32(3H,s),2.53(2
H,t),3.91(2H,s),5.55(1H,
s),6.89(4H,s),7.34−7.54(3
H,m),7.70(1H,d)。
【0091】実施例152−n−プロピル−7−ヒドロキシ−5−フェニル−3
−[[2′−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェ
ニル−4−イル]メチル]ピラゾロ[1,5−a]ピリ
ミジン アセト酢酸メチルの代わりにベンゾイル酢酸エチルを用
いて、目的化合物を淡黄色結晶として得た。 融点(℃):169−172。 元素分析値(%) C2925O・3/4H
として 計算値: C69.51 H5.33 N19.56 実測値: C69.72 H5.13 N19.04。 NMR(DMSO−d)δ:0.85(3H,t),
1.42−1.61(2H,m),2.43(3H,
t),4.06(2H,s),5.90(1H,s),
6.99−7.14(4H,m),7.49−7.68
(7H,m),7.75−7.80(2H,m)。
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中越 一郎 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 藤原 寛 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 木村 富美夫 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕、 【化1】 〔式中、Rは水素基、メルカプト基、アルケニル基、
    アルキニル基、シクロアルキル基、アルキルチオ基、ア
    ルコキシ基、あるいは置換基Aを有していてもよいアル
    キル基、フェニル基を表し、 R、RおよびRは,それぞれ独立して、水素原
    子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、低級アルコ
    キシ基、低級アルキルチオ基、低級アルコールでエステ
    ル化されていてもよいカルボキシル基、低級アルキル基
    で置換されていてもよいアミノ基、カルバモイル基、あ
    るいは置換基Bを有していてもよい低級アルキル基、フ
    ェニル基を表し、 Rはシアノ基、低級アルコールでエステル化されてい
    てもよいカルボキシル基、または置換基Cを有していて
    もよいテトラゾール−5−イル基を表す〕で示されるピ
    ラゾロピリミジン誘導体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003091256A1 (ja) * 2002-04-23 2005-09-02 塩野義製薬株式会社 ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体およびそれを含有するNAD(P)Hオキシダーゼ阻害剤
US8748435B2 (en) 2011-04-01 2014-06-10 Novartis Ag Pyrazolo pyrimidine derivatives

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