JPH069620U - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 着用者の肌を刺激することがなく、外観のよ
い通気孔を使い捨ておむつの裏面シートに設ける。 【構成】 使い捨ておむつ１の吸収体４側縁から外方に
延出する裏面シート３によってフラップ５を形成し、こ
のフラップ５の腰周り部分５Ａ，５Ｂにおむつ１の長手
方向に沿うスリット１５を多数設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、不透液性裏面シートに通気性のスリットを設けた使い捨ておむつ に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、使い捨ておむつを着用したときの蒸れを解消する技術の一つに裏面シー トや、これに接合した翼片等に通気性の透孔を設ける技術がある。例えば、実開 平３−１１１３２４号公報ではおむつの背側区域の対向側から延出する各翼片を 多数の透孔からなるシートで構成し、これら透孔を介しておむつの通気の向上を はかっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記実開平３−１１１３２４号公報の技術では、透孔を設けた翼片をプラスチ ックフィルムや不織布でつくり、これをおむつの背側区域に溶着等の手段により 接合している。この技術は透孔を設ける方法について何も開示していないが、プ ラスチックフィルムや不織布等の素材に微細な透孔を多数設けるには機械的なパ ンチングや素材を熱溶融する方法を採用することが多い。しかしパンチングでは 素材をきれいに食い切ることが難しく、透孔周縁にささくれが生じて外観上好ま しくないという問題がある。熱溶融では溶融固化した素材が透孔周辺に残り、こ れが着用者の肌を刺激するという問題がある。

【０００４】 そこで、この考案は、少なくともフラップの腰周り部分の裏面シートにスリッ トを設けることにより、前記問題を解消しながらおむつの通気性の向上をはかる ことを課題にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案が前記課題を解決するために要旨とするところは、透液性表面シート と、不透液性裏面シートと、これら両シートの間に介在する吸収体とからなり、 少なくとも前記裏面シートがこの吸収体の各側縁から外方へ延出してフラップを 形成する使い捨ておむつを前提とし、かかるおむつにおいて、前記裏面シートの 少なくともフラップの腰周り部分にはおむつの長手方向に沿う多数のスリットが 設けてあり、その長手方向に直交する方向の張力が作用しない状態においてはそ れらのスリットが閉じた状態にあることを特徴とすることにある。

【０００６】

【作用】

このように構成した使い捨ておむつでは、このおむつを着用者にフィットさせ るためにフラップ腰周り部分を腰周り方向に引張るとスリットも横方向に引張ら れて開孔する。開孔したスリットは通気孔として作用し、おむつの蒸れを防止す ることができる。スリットは、刃先の鋭利なスリッターを使用することで切口を きれいに仕上げることができ、そのような切口は着用者の肌を刺激することがな い。

【０００７】

【実施例】

この考案の詳細を添付の図に基づいて説明すると以下のとおりである。

【０００８】 図１は、この考案に係る使い捨ておむつ１を裏面側から見た平面図であって、 一部が切り欠いてある。おむつ１は、通気透液性表面シート２、不透液性裏面シ ート３、これら両シート２，３の間に介在する吸収体４等からなり、吸収体４の 各側縁から外方には表面シート２と裏面シート３とが延出し、これら延出した両 シート２，３は互いに間欠的に接合されて一体となり、フラップ５を形成してい る。おむつ１の長手方向は前身頃６、股下部位７、後身頃８からなり、前後身頃 ６，８には端縁１２，１３がある。フラップ５は、前後身頃６，８において延出 寸法が相対的に大きい腰周りフラップ５Ａ，５Ｂと、股下部位７において延出寸 法が相対的に小さい脚周りフラップ５Ｃとからなる。後身頃８の腰周りフラップ ５Ｂの両側縁において、おむつ１着用時に前後身頃６，８を連結するためのテー プファスナー９の一端が裏面シート３に固着してある。脚周りフラップ５Ｃには 表裏面シート２，３間においてこれら両シート２，３に伸張下に貼着した脚周り 弾性部材１０、および前後身頃６，８の端縁１２，１３近傍には同様に両シート ２，３間に貼着した腰周り弾性部材１１が設けてある。腰周りフラップ５Ａ，５ Ｂにおいて裏面シート３にはおむつ１の長手方向に沿うスリット１５が多数設け てあり、その長手方向に直交する方向の張力が作用しない状態においてはスリッ ト１５は閉じた状態にある。

【０００９】 図２は、着用した状態にあるおむつ１の斜視図である。おむつ１は左右各々に おいて腰周りフラップ５Ａと５Ｂとを重ね合わせたのち、テープファスナー９の 自由端を腰周り方向に軽く引張りながら前身頃６の裏面シート３に貼着すること によって前後身頃６，８が連結してある。このように着用したおむつ１では、裏 面シート３の腰周り部分に腰周り方向の張力が作用し、その張力によって腰周り フラップ５Ａ，５Ｂに設けたスリット１５が表面シート２とともに横方向に引張 られて開孔し、通気性の表面シート２を介しておむつ１の内外に通じる通気孔と なる。

【００１０】 おむつ１において、表面シート２には不織布や適宜の大きさの開孔を多数設け た開孔プラスチックフィルム、裏面シート３にはプラスチックフィルム、吸収体 ４には粉砕パルプや粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物を使用することが できる。フラップ５は裏面シート３単独であってもよいが、表面シート２が通気 可能なものである場合には、これを側縁から延出させて裏面シート３と一体的に 接合しておくことで、裏面シート３を補強したり、その表面シート側の肌触りを よくすることができる。

【００１１】 スリット１５は、おむつ１の漏れの原因となることがないようにそれを設ける べき部位を選ぶ。腰周りフラップ５Ａや５Ｂは最も好適な部位であり、端縁１２ ，１３近傍の裏面シート３部分も好適な部位である。

【００１２】 スリット１５は、おむつ１の連続生産工程に組み込んだスリッターによってこ の工程を流れる裏面シート３用のプラスチックフィルムに設けることができ、鋭 利なスリッターを使用すれば切口がきれいで、着用者の肌を徒らに刺激すること がないスリットが容易に得られる。

【００１３】

【考案の効果】

この考案に係る使い捨ておむつの通気孔は、スリットであるからその切口の外 観をきれいにつくることができ、その切口は、着用者の肌を徒らに刺激すること がない。そのスリットはスリッターによって簡単に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るおむつの平面図。

【図２】着用状態にあるおむつの斜視図。

【符号の説明】

１ おむつ ２ 表面シート ３ 裏面シート ４ 吸収体 ５ フラップ ５Ａ，５Ｂ 腰周りフラップ ５Ｃ 脚周りフラップ １５ スリット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性表面シートと、不透液性裏面シート
   と、これら両シートとの間に介在する吸収体とからな
   り、少なくとも前記裏面シートが前記吸収体の各側縁か
   ら外方へ延出してフラップを形成する使い捨ておむつに
   おいて、 前記裏面シートの少なくとも前記フラップの腰周り部分
   にはおむつの長手方向に沿う多数のスリットが設けてあ
   り、前記方向に直交する方向の張力が作用しない状態に
   おいては該スリットが閉じた状態にあることを特徴とす
   る前記使い捨ておむつ。