JPH0694905A - 正立傾斜型プリズム光学系 - Google Patents
正立傾斜型プリズム光学系Info
- Publication number
- JPH0694905A JPH0694905A JP4269618A JP26961892A JPH0694905A JP H0694905 A JPH0694905 A JP H0694905A JP 4269618 A JP4269618 A JP 4269618A JP 26961892 A JP26961892 A JP 26961892A JP H0694905 A JPH0694905 A JP H0694905A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- prism
- isosceles
- optical system
- isosceles triangular
- triangular prism
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡便な構成でありながら、すべての面におい
て全反射の条件を満たして光学系の光量低下を生じるこ
となく、かつプリズム光学系の途中に絞りを配置するこ
とが可能となる正立傾斜型プリズム光学系を得る。 【構成】 正立傾斜型プリズム光学系において、直角三
角形プリズムおよび第1と第2の二等辺三角形プリズム
とを、第1の二等辺三角形プリズムの頂角に対向する第
1の底面と第2の二等辺三角形プリズムの頂角に対向す
る第2の底面とが互いに逆向きの反射面となり、第1の
二等辺三角形プリズムの二等辺のうちの一方を含む第1
の側面と第2の二等辺三角形プリズムの二等辺のうちの
一方を含む第2の側面とが互いに平行となると共に、前
記直角三角形プリズムの直角に対向する底面と前記第1
および第2の側面とが互いに平行に対面するよう配置し
た。
て全反射の条件を満たして光学系の光量低下を生じるこ
となく、かつプリズム光学系の途中に絞りを配置するこ
とが可能となる正立傾斜型プリズム光学系を得る。 【構成】 正立傾斜型プリズム光学系において、直角三
角形プリズムおよび第1と第2の二等辺三角形プリズム
とを、第1の二等辺三角形プリズムの頂角に対向する第
1の底面と第2の二等辺三角形プリズムの頂角に対向す
る第2の底面とが互いに逆向きの反射面となり、第1の
二等辺三角形プリズムの二等辺のうちの一方を含む第1
の側面と第2の二等辺三角形プリズムの二等辺のうちの
一方を含む第2の側面とが互いに平行となると共に、前
記直角三角形プリズムの直角に対向する底面と前記第1
および第2の側面とが互いに平行に対面するよう配置し
た。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、望遠鏡、顕微鏡に使用
され、観察に便利なように光軸を傾斜させた正立傾斜型
プリズム光学系に関するものである。
され、観察に便利なように光軸を傾斜させた正立傾斜型
プリズム光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】望遠鏡観察など、例えば対象物が上方に
ある場合には、観察する視線の方向を対象物の方向と異
なった方向に向けた方が姿勢に無理がなく疲れないで観
察できる場合が多々ある。このような場合には観察光軸
を傾斜させるプリズム光学系が使われる。従来、光軸を
傾斜させる正立プリズムとしては、図4に示したポロプ
リズム1型40や、図5に示すダハ面Dを持つ一体型正
立プリズム50が知られている。
ある場合には、観察する視線の方向を対象物の方向と異
なった方向に向けた方が姿勢に無理がなく疲れないで観
察できる場合が多々ある。このような場合には観察光軸
を傾斜させるプリズム光学系が使われる。従来、光軸を
傾斜させる正立プリズムとしては、図4に示したポロプ
リズム1型40や、図5に示すダハ面Dを持つ一体型正
立プリズム50が知られている。
【0003】ポロプリズム1型40は、第1の直角三角
形プリズム41と第2の直角三角形プリズム42とを、
各々の直角稜線が互いに垂直となり、互いの底面が対面
するよう配置することによって、第1のプリズムに入射
した光の像が第2のプリズムを透過した後にその左右・
上下が逆転される正立プリズムと、偏光プリズム43を
組み合わせたものである。第2のプリズム42を出た光
線は、偏光プリズム43へ入射して内側面で反射される
ことによって第1のプリズムへの入射光線に対して傾斜
して射出される。
形プリズム41と第2の直角三角形プリズム42とを、
各々の直角稜線が互いに垂直となり、互いの底面が対面
するよう配置することによって、第1のプリズムに入射
した光の像が第2のプリズムを透過した後にその左右・
上下が逆転される正立プリズムと、偏光プリズム43を
組み合わせたものである。第2のプリズム42を出た光
線は、偏光プリズム43へ入射して内側面で反射される
ことによって第1のプリズムへの入射光線に対して傾斜
して射出される。
【0004】また、ダハ面Dを有する一体型正立プリズ
ム50は、プリズムに入射した光の像を、ダハ面Dでの
反射によって左右上下を同時に反転して正立像とし、プ
リズムへの入射光線に対して傾斜して射出するものであ
る。
ム50は、プリズムに入射した光の像を、ダハ面Dでの
反射によって左右上下を同時に反転して正立像とし、プ
リズムへの入射光線に対して傾斜して射出するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
おけるポロプリズム1型40では、偏角プリズム43の
第2の反射面43aにおいて、入射光線はその反射面4
3aの法線となす角度γが小さいため全反射されず、光
学系の光量損失が生じてしまう。そこで、この反射面4
3aには一般にアルミ蒸着等の処置が施されていた。し
かし全反射に比べてアルミ蒸着面では反射率が低いた
め、やはり光学系の光量の低下は避けられないという問
題があった。
おけるポロプリズム1型40では、偏角プリズム43の
第2の反射面43aにおいて、入射光線はその反射面4
3aの法線となす角度γが小さいため全反射されず、光
学系の光量損失が生じてしまう。そこで、この反射面4
3aには一般にアルミ蒸着等の処置が施されていた。し
かし全反射に比べてアルミ蒸着面では反射率が低いた
め、やはり光学系の光量の低下は避けられないという問
題があった。
【0006】また、図5における一体正立型プリズムで
は、光線は全ての反斜面で全反射するから上記のような
光量の低下はない。しかし、像を正立させるため一部を
ダハ面としなければならず、特に高倍率の光学系の場合
には高精度なダハ角を必要とするため、製造するのに難
しいだけでなくコスト高となってしまう。
は、光線は全ての反斜面で全反射するから上記のような
光量の低下はない。しかし、像を正立させるため一部を
ダハ面としなければならず、特に高倍率の光学系の場合
には高精度なダハ角を必要とするため、製造するのに難
しいだけでなくコスト高となってしまう。
【0007】又、入射光軸と射出光軸をずらして高精度
なダハ面を設ける必要を避けたプリズムも考案されてい
るが、このような一体型プリズムを用いる場合には、該
プリズムの途中に絞りを置くことができないという欠点
がある。
なダハ面を設ける必要を避けたプリズムも考案されてい
るが、このような一体型プリズムを用いる場合には、該
プリズムの途中に絞りを置くことができないという欠点
がある。
【0008】本発明は、上記問題を解消し、簡便な構成
でありながら、すべての面において全反射の条件を満た
して光学系の光量低下を生じることなく、かつプリズム
光学系の途中に絞りを配置することが可能となる正立傾
斜型プリズム光学系を得ることを目的とする。
でありながら、すべての面において全反射の条件を満た
して光学系の光量低下を生じることなく、かつプリズム
光学系の途中に絞りを配置することが可能となる正立傾
斜型プリズム光学系を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る正立傾斜型プリズム光
学系では、直角三角形プリズムおよび第1と第2の二等
辺三角形プリズムとからなり、前記第1と第2の二等辺
三角形プリズムは、前記第1の二等辺三角形プリズムの
頂角に対向する第1の底面と前記第2の二等辺三角形プ
リズムの頂角に対向する第2の底面とが互いに逆向きの
反射面となると共に、前記第1の二等辺三角形プリズム
の二等辺のうちの一方を含む第1の側面と前記第2の二
等辺三角形プリズムの二等辺のうちの一方を含む第2の
側面とが互いに平行となるよう配置され、前記直角三角
形プリズムは、前記第1の二等辺三角形プリズムの二等
辺のうちの他方を含む第3の側面に入射して前記第1の
底面で全反射されたのち前記第1の側面から垂直方向に
射出される光線を、その直角を挟む二つの側面の内面に
おける全反射によって前記第2の側面へ垂直に入射させ
て前記第2の底面で全反射させてから前記第2の二等辺
三角形プリズムの二等辺のうち他方を含む第4の側面か
ら射出させるように、その直角に対向する底面と前記第
1および第2の側面とが互いに平行に対面するよう配置
されたものである。
め、請求項1に記載の発明に係る正立傾斜型プリズム光
学系では、直角三角形プリズムおよび第1と第2の二等
辺三角形プリズムとからなり、前記第1と第2の二等辺
三角形プリズムは、前記第1の二等辺三角形プリズムの
頂角に対向する第1の底面と前記第2の二等辺三角形プ
リズムの頂角に対向する第2の底面とが互いに逆向きの
反射面となると共に、前記第1の二等辺三角形プリズム
の二等辺のうちの一方を含む第1の側面と前記第2の二
等辺三角形プリズムの二等辺のうちの一方を含む第2の
側面とが互いに平行となるよう配置され、前記直角三角
形プリズムは、前記第1の二等辺三角形プリズムの二等
辺のうちの他方を含む第3の側面に入射して前記第1の
底面で全反射されたのち前記第1の側面から垂直方向に
射出される光線を、その直角を挟む二つの側面の内面に
おける全反射によって前記第2の側面へ垂直に入射させ
て前記第2の底面で全反射させてから前記第2の二等辺
三角形プリズムの二等辺のうち他方を含む第4の側面か
ら射出させるように、その直角に対向する底面と前記第
1および第2の側面とが互いに平行に対面するよう配置
されたものである。
【0010】また、請求項2に記載の発明に係る正立傾
斜型プリズム光学系では、請求項1に記載の正立傾斜型
プリズム光学系において、前記直角三角形プリズムの底
面に対して、前記第1の二等辺三角形プリズムへの入射
光線がなす角と、前記第2の二等辺三角形プリズムから
の射出光線がなす角との和に相当する角度δが、30°
≦δ≦60°を満たすようにしたものである。
斜型プリズム光学系では、請求項1に記載の正立傾斜型
プリズム光学系において、前記直角三角形プリズムの底
面に対して、前記第1の二等辺三角形プリズムへの入射
光線がなす角と、前記第2の二等辺三角形プリズムから
の射出光線がなす角との和に相当する角度δが、30°
≦δ≦60°を満たすようにしたものである。
【0011】
【作用】本発明は、直角三角形プリズムおよび第1と第
2の二等辺三角形プリズムとを、第1の二等辺三角形プ
リズムの頂角に対向する第1の底面と第2の二等辺三角
形プリズムの頂角に対向する第2の底面とが互いに逆向
きの反射面となり、第1の二等辺三角形プリズムの二等
辺のうちの一方を含む第1の側面と第2の二等辺三角形
プリズムの二等辺のうちの一方を含む第2の側面とが互
いに平行となると共に、前記直角三角形プリズムの直角
に対向する底面と前記第1および第2の側面とが互いに
平行に対面するよう配置してなる正立傾斜型プリズム光
学系である。
2の二等辺三角形プリズムとを、第1の二等辺三角形プ
リズムの頂角に対向する第1の底面と第2の二等辺三角
形プリズムの頂角に対向する第2の底面とが互いに逆向
きの反射面となり、第1の二等辺三角形プリズムの二等
辺のうちの一方を含む第1の側面と第2の二等辺三角形
プリズムの二等辺のうちの一方を含む第2の側面とが互
いに平行となると共に、前記直角三角形プリズムの直角
に対向する底面と前記第1および第2の側面とが互いに
平行に対面するよう配置してなる正立傾斜型プリズム光
学系である。
【0012】この光学系においては、前記第1の二等辺
三角形プリズムの二等辺のうちの他方を含む第3の側面
に入射して前記第1の底面で全反射されたのち前記第1
の側面から垂直方向に射出される光線が、前記直角三角
形プリズムの直角を挟む二つの側面の内面における全反
射によって前記第2の側面へ垂直に入射されて前記第2
の底面で全反射されてから前記第2の二等辺三角形プリ
ズムの二等辺のうち他方を含む第4の側面から射出され
るものである。
三角形プリズムの二等辺のうちの他方を含む第3の側面
に入射して前記第1の底面で全反射されたのち前記第1
の側面から垂直方向に射出される光線が、前記直角三角
形プリズムの直角を挟む二つの側面の内面における全反
射によって前記第2の側面へ垂直に入射されて前記第2
の底面で全反射されてから前記第2の二等辺三角形プリ
ズムの二等辺のうち他方を含む第4の側面から射出され
るものである。
【0013】本発明の作用を、第1と第2の二等辺三角
形プリズムとして頂角の等しい2つの二等辺三角形プリ
ズムを用いた場合を例に図2をもって説明する。図2
(a)(b)に示したプリズム光学系は、頂角αの第1
の二等辺三角形プリズムP1 と同じく頂角αの第2の二
等辺三角形プリズムP3 と直角三角形プリズムP2 とか
ら構成されている。
形プリズムとして頂角の等しい2つの二等辺三角形プリ
ズムを用いた場合を例に図2をもって説明する。図2
(a)(b)に示したプリズム光学系は、頂角αの第1
の二等辺三角形プリズムP1 と同じく頂角αの第2の二
等辺三角形プリズムP3 と直角三角形プリズムP2 とか
ら構成されている。
【0014】第1の二等辺三角形プリズムP1 の側面A
1 (第3の側面)に垂直に入射する光線は、プリズムP
1 の頂角に対向する底面B1 (第1の底面)で反射さ
れ、側面C1 (第1の側面)から垂直に射出される。こ
こで、底面B1 における入射光線は水平に対してδ/2
の角度を持って入射するものとする。この時の入射光線
の底面B1 の法線Nに対する角度をiとすると、以下の
(1) 式および(2) 式が成立する。
1 (第3の側面)に垂直に入射する光線は、プリズムP
1 の頂角に対向する底面B1 (第1の底面)で反射さ
れ、側面C1 (第1の側面)から垂直に射出される。こ
こで、底面B1 における入射光線は水平に対してδ/2
の角度を持って入射するものとする。この時の入射光線
の底面B1 の法線Nに対する角度をiとすると、以下の
(1) 式および(2) 式が成立する。
【0015】 i=45°+δ/4 …(1) 式 α=90°−δ/2 …(2) 式
【0016】(1) 式から入射光線の底面B1 の法線Nに
対する角度iは45°より大きいので光線は底面B1 に
おいて全反射されるため、ここで光量損失の問題ない。
対する角度iは45°より大きいので光線は底面B1 に
おいて全反射されるため、ここで光量損失の問題ない。
【0017】第1の側面C1 を垂直に射出した光線は、
直角三角形プリズムP2 の直角に対向する底面A2 に垂
直に入射し、側面B2 および側面C2 で全反射され、再
び底面A2 の入射位置から距離Dだけ離れた位置から垂
直に射出される。その後、第2の二等辺三角形プリズム
P3 の側面C3 (第2の側面)に入射し、プリズムP1
の頂角に対向する底面B3 (第2の底面)で全反射され
て側面A3 (第4の側面)から垂直に射出される。底面
B3 での反射は、第1の二等辺三角形プリズムP1 の底
面B1 における反射と同様である。
直角三角形プリズムP2 の直角に対向する底面A2 に垂
直に入射し、側面B2 および側面C2 で全反射され、再
び底面A2 の入射位置から距離Dだけ離れた位置から垂
直に射出される。その後、第2の二等辺三角形プリズム
P3 の側面C3 (第2の側面)に入射し、プリズムP1
の頂角に対向する底面B3 (第2の底面)で全反射され
て側面A3 (第4の側面)から垂直に射出される。底面
B3 での反射は、第1の二等辺三角形プリズムP1 の底
面B1 における反射と同様である。
【0018】したがって、側面A3 から射出した光線
は、水平線とδ/2の角度をなしており、またこの場合
の第1および第2の二等辺三角形プリズムP1 、P2 の
頂角は共に等しいαであるから、結局、射出光線が入射
光線に対してなす角度はδとなる。
は、水平線とδ/2の角度をなしており、またこの場合
の第1および第2の二等辺三角形プリズムP1 、P2 の
頂角は共に等しいαであるから、結局、射出光線が入射
光線に対してなす角度はδとなる。
【0019】即ち、入射光線側が水平となるように光学
系を傾けて配置すれば、射出光線は水平からδ傾くこと
になり、観察者が楽な姿勢で観察することが可能にな
る。
系を傾けて配置すれば、射出光線は水平からδ傾くこと
になり、観察者が楽な姿勢で観察することが可能にな
る。
【0020】また、上記構成のプリズム光学系において
は、像の上下方向の反転は底面B1と底面B3 での全反
射、左右方向の反転は側面B2 と側面C2 での全反射に
よりなされるため、観察光学系における正立プリズムと
なる。この側面B2 と側面C2 はダハ面でなく、通常の
直角三角形プリズムの斜面での反射と同じである。した
がって、このプリズム光学系では、製造的に難しく価格
的にも高価なダハ面を必要をしない。
は、像の上下方向の反転は底面B1と底面B3 での全反
射、左右方向の反転は側面B2 と側面C2 での全反射に
よりなされるため、観察光学系における正立プリズムと
なる。この側面B2 と側面C2 はダハ面でなく、通常の
直角三角形プリズムの斜面での反射と同じである。した
がって、このプリズム光学系では、製造的に難しく価格
的にも高価なダハ面を必要をしない。
【0021】さらに、該プリズム光学系においては、第
1ん側面C1 と底面A2 との間、または底面A2 と第2
の側面C3 との間に空間として隙間を設けることができ
る。このため、これらの空間位置に絞りを配置して光束
径を絞ることができ、光学系の収差補正、またはフレア
ー、ゴーストの処理に対して有効な手段となり得る。
1ん側面C1 と底面A2 との間、または底面A2 と第2
の側面C3 との間に空間として隙間を設けることができ
る。このため、これらの空間位置に絞りを配置して光束
径を絞ることができ、光学系の収差補正、またはフレア
ー、ゴーストの処理に対して有効な手段となり得る。
【0022】以上のように、本発明のプリズム光学系で
は、簡便な構成でありながら、すべての面において全反
射の条件を満たして光学系の光量低下を生じることがな
いだけでなく、プリズム光学系の光路中に絞りを配置す
ることが可能である。
は、簡便な構成でありながら、すべての面において全反
射の条件を満たして光学系の光量低下を生じることがな
いだけでなく、プリズム光学系の光路中に絞りを配置す
ることが可能である。
【0023】また、本発明による正立傾斜プリズム光学
系では、直角三角形プリズムの底面に対して、第1の二
等辺三角形プリズムへの入射光線がなす角と、第2の二
等辺三角形プリズムからの射出光線がなす角との和に相
当する角度δが、 30°≦δ≦60° を満たすものである。
系では、直角三角形プリズムの底面に対して、第1の二
等辺三角形プリズムへの入射光線がなす角と、第2の二
等辺三角形プリズムからの射出光線がなす角との和に相
当する角度δが、 30°≦δ≦60° を満たすものである。
【0024】この条件の下限は、観察時の視線の方向が
対象物の方に向きすぎて本来の光軸傾斜の目的からはず
れることを防ぐためのものであり、上限は逆に傾斜させ
過ぎて快適に観察できる対象物の方向が限定されること
を防ぐためのものである。したがって、本発明によれ
ば、任意に快適な姿勢で対象物の観察を行うことができ
る。
対象物の方に向きすぎて本来の光軸傾斜の目的からはず
れることを防ぐためのものであり、上限は逆に傾斜させ
過ぎて快適に観察できる対象物の方向が限定されること
を防ぐためのものである。したがって、本発明によれ
ば、任意に快適な姿勢で対象物の観察を行うことができ
る。
【0025】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図1をもって説明
する。図1(a)は、本発明の一実施例による正立傾斜
プリズム光学系1を望遠鏡に組み込んだ場合を示す概略
構成図であり、図1(b)は図1(a)のプリズム光学
系1を接眼レンズL2 側から見たものである。
する。図1(a)は、本発明の一実施例による正立傾斜
プリズム光学系1を望遠鏡に組み込んだ場合を示す概略
構成図であり、図1(b)は図1(a)のプリズム光学
系1を接眼レンズL2 側から見たものである。
【0026】本実施例においては、正立傾斜プリズム光
学系1は、第1の二等辺三角形プリズム10と直角三角
形プリズム20と、その頂角が第1の二等辺三角形プリ
ズム10の頂角と等しい第2の二等辺三角形プリズム3
0とで構成し、対物レンズL1 からの光線がプリズム1
0の側面11(第3の側面)に対して垂直に入射すると
共に、水平に対してδ/2の角度でプリズム10の底面
12(第1の底面)に入射するよう設定されている。
学系1は、第1の二等辺三角形プリズム10と直角三角
形プリズム20と、その頂角が第1の二等辺三角形プリ
ズム10の頂角と等しい第2の二等辺三角形プリズム3
0とで構成し、対物レンズL1 からの光線がプリズム1
0の側面11(第3の側面)に対して垂直に入射すると
共に、水平に対してδ/2の角度でプリズム10の底面
12(第1の底面)に入射するよう設定されている。
【0027】この光学系において、対物レンズL1 を介
して側面11から垂直にプリズム10へ入射した光線
は、底面12で全反射され、側面13(第1の側面)か
ら垂直に射出される。ここで射出された光線は、プリズ
ム20の直角に対向する底面21から垂直にプリズム2
0内に入射し、その側面22及び側面23で全反射さ
れ、再び底面21から垂直に射出され、第2の二等辺三
角形の側面31(第2の側面)から垂直にプリズム30
内へ入射する。その後、プリズム30の底面32(第2
の底面)で全反射され、側面33(第4の側面)から垂
直に射出される。
して側面11から垂直にプリズム10へ入射した光線
は、底面12で全反射され、側面13(第1の側面)か
ら垂直に射出される。ここで射出された光線は、プリズ
ム20の直角に対向する底面21から垂直にプリズム2
0内に入射し、その側面22及び側面23で全反射さ
れ、再び底面21から垂直に射出され、第2の二等辺三
角形の側面31(第2の側面)から垂直にプリズム30
内へ入射する。その後、プリズム30の底面32(第2
の底面)で全反射され、側面33(第4の側面)から垂
直に射出される。
【0028】このようなプリズム光学系において、光の
像は、底面12と底面32での全反射によって上下方向
に反転され、側面22と側面23での全反射によって左
右方向に反転される。したがって、プリズム30から射
出される光線は対象物の正立像Yを形成し、接眼レンズ
L2 によって観察される。この接眼レンズL2 を含む観
察光軸は、対物レンズL1 の光軸に対してδの角度をな
す。
像は、底面12と底面32での全反射によって上下方向
に反転され、側面22と側面23での全反射によって左
右方向に反転される。したがって、プリズム30から射
出される光線は対象物の正立像Yを形成し、接眼レンズ
L2 によって観察される。この接眼レンズL2 を含む観
察光軸は、対物レンズL1 の光軸に対してδの角度をな
す。
【0029】通常、疲れない快適な姿勢で観察を行うに
は、プリズム光学系を30°≦δ≦60°となるよう設
定すれば良い。これは、観察時の視線の方向が対象物の
方に向き過ぎず、且つ傾斜させ過ぎて快適に観察できる
対象物の方向が限定されることを防ぐ条件範囲である。
は、プリズム光学系を30°≦δ≦60°となるよう設
定すれば良い。これは、観察時の視線の方向が対象物の
方に向き過ぎず、且つ傾斜させ過ぎて快適に観察できる
対象物の方向が限定されることを防ぐ条件範囲である。
【0030】例えばδを45°とすれば、プリズム10
の底面12の法線に対して入射光線がなす角度iは、i
=45°+δ/4から、i=56.25°となる。した
がって、角度iは45°より大きいので入射光線は底面
12で全反射され、ここで光量低下が生じる恐れはな
い。
の底面12の法線に対して入射光線がなす角度iは、i
=45°+δ/4から、i=56.25°となる。した
がって、角度iは45°より大きいので入射光線は底面
12で全反射され、ここで光量低下が生じる恐れはな
い。
【0031】また、第1の二等辺三角形プリズム10及
び第2の二等辺三角形プリズム30の頂角αは、α=9
0°−δ/2であるから、α=67.5°とすれば良
い。このように、第1及び第2の二等辺三角形プリズム
の頂角を任意に設定することによって所望の角度δを得
ることができる。
び第2の二等辺三角形プリズム30の頂角αは、α=9
0°−δ/2であるから、α=67.5°とすれば良
い。このように、第1及び第2の二等辺三角形プリズム
の頂角を任意に設定することによって所望の角度δを得
ることができる。
【0032】なお、本実施例においては、第1の二等辺
三角形プリズム10と第2の二等辺三角形プリズム30
とを互いに頂角の等しいものとしたが、本発明はこれに
限定されるものではない。しかしながら頂角の等しいプ
リズムを用いれば光学系の設計が簡便となるので好まし
い。
三角形プリズム10と第2の二等辺三角形プリズム30
とを互いに頂角の等しいものとしたが、本発明はこれに
限定されるものではない。しかしながら頂角の等しいプ
リズムを用いれば光学系の設計が簡便となるので好まし
い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
対象物からプリズム光学系への方向に対する観察光軸即
ち観察する視線の方向が30〜60°と楽な姿勢で観察
できるものとなる。
対象物からプリズム光学系への方向に対する観察光軸即
ち観察する視線の方向が30〜60°と楽な姿勢で観察
できるものとなる。
【0034】また、本発明の正立傾斜プリズム光学系に
おいては、全ての反射面で全反射と成るため、光学系の
光量損失がない。しかも絞りをプリズム光学系の途中に
配置することができるので、これによって収差補正、フ
レアーやゴーストの処理にも有利となる。
おいては、全ての反射面で全反射と成るため、光学系の
光量損失がない。しかも絞りをプリズム光学系の途中に
配置することができるので、これによって収差補正、フ
レアーやゴーストの処理にも有利となる。
【0035】さらに本発明では、高精度のダハ面を有す
る必要がないので、プリズム光学系の製造が容易である
と共に、従来の高精度のダハ面を必要とした光学系に比
べて安価名正立傾斜型プリズム光学系を提供することが
できるという効果がある。
る必要がないので、プリズム光学系の製造が容易である
と共に、従来の高精度のダハ面を必要とした光学系に比
べて安価名正立傾斜型プリズム光学系を提供することが
できるという効果がある。
【図1】本発明の一実施例に係る正立傾斜型プリズム光
学系を示す概略構成図である。
学系を示す概略構成図である。
【図2】本発明の作用を示す正立傾斜型プリズム光学系
の説明図である。
の説明図である。
【図3】従来の正立傾斜型プリズム光学系の説明図であ
る。
る。
【図4】従来の一体型正立プリズムの説明図である。
P1 ,10:第1の二等辺三角形プリズム P3 ,30:第2の二等辺三角形プリズム P2 ,20,41,42:直角三角形プリズム 43:偏向プリズム 50:一体型正立プリズム L1 :対物レンズ L2 :接眼レンズ C1 ,13:第1の側面 C3 ,31:第2の側面 A1 ,11:第3の側面 A3 ,33:第4の側面 B1 ,12:第1の底面 B3 ,32:第2の底面
Claims (2)
- 【請求項1】 直角三角形プリズムおよび第1と第2の
二等辺三角形プリズムとからなり、 前記第1と第2の二等辺三角形プリズムは、前記第1の
二等辺三角形プリズムの頂角に対向する第1の底面と前
記第2の二等辺三角形プリズムの頂角に対向する第2の
底面とが互いに逆向きの反射面となると共に、前記第1
の二等辺三角形プリズムの二等辺のうちの一方を含む第
1の側面と前記第2の二等辺三角形プリズムの二等辺の
うちの一方を含む第2の側面とが互いに平行となるよう
配置され、 前記直角三角形プリズムは、前記第1の二等辺三角形プ
リズムの二等辺のうちの他方を含む第3の側面に入射し
て前記第1の底面で全反射されたのち前記第1の側面か
ら垂直方向に射出される光線を、その直角を挟む二つの
側面の内面における全反射によって前記第2の側面へ垂
直に入射させて前記第2の底面で全反射させてから前記
第2の二等辺三角形プリズムの二等辺のうち他方を含む
第4の側面から射出させるように、その直角に対向する
底面と前記第1および第2の側面とが互いに平行に対面
するよう配置されたことを特徴とする正立傾斜型プリズ
ム光学系。 - 【請求項2】 前記直角三角形プリズムの底面に対し
て、前記第1の二等辺三角形プリズムへの入射光線がな
す角と、前記第2の二等辺三角形プリズムからの射出光
線がなす角との和に相当する角度δが、 30°≦δ≦60° を満たすことを特徴とする請求項1に記載の正立傾斜型
プリズム光学系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4269618A JPH0694905A (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 正立傾斜型プリズム光学系 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4269618A JPH0694905A (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 正立傾斜型プリズム光学系 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0694905A true JPH0694905A (ja) | 1994-04-08 |
Family
ID=17474862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4269618A Pending JPH0694905A (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 正立傾斜型プリズム光学系 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0694905A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115826112A (zh) * | 2023-01-18 | 2023-03-21 | 安徽华创鸿度光电科技有限公司 | 一种超快固体激光器用棱镜的设计方法 |
-
1992
- 1992-09-11 JP JP4269618A patent/JPH0694905A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115826112A (zh) * | 2023-01-18 | 2023-03-21 | 安徽华创鸿度光电科技有限公司 | 一种超快固体激光器用棱镜的设计方法 |
CN115826112B (zh) * | 2023-01-18 | 2023-05-05 | 安徽华创鸿度光电科技有限公司 | 一种超快固体激光器用棱镜的设计方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0660155B1 (en) | Image display apparatus | |
US5973858A (en) | Reflecting optical system and optical apparatus | |
US7670008B2 (en) | Oblique projection optical system | |
JPH09218379A (ja) | 広画角液晶プロジェクションレンズシステム | |
JP6539886B2 (ja) | 像反転プリズム | |
US5126549A (en) | Automatic focusing telescope | |
JPH04356038A (ja) | 色分解・合成光学系 | |
JPH01233430A (ja) | ケプラー式ファインダー光学系 | |
US6603603B2 (en) | Real image viewfinder optical system | |
US5668674A (en) | Reflecting prism and a finder system having a reflecting prism | |
JPH0694905A (ja) | 正立傾斜型プリズム光学系 | |
JPS62164010A (ja) | 赤外線カメラ | |
JP3548282B2 (ja) | 光分岐光学系 | |
JPH08179400A (ja) | ファインダ光学系及びその反転光学系 | |
JPH0641208Y2 (ja) | 組合せプリズムおよびこの組合せプリズムを用いた双眼顕微鏡 | |
JPH0766107B2 (ja) | 俯視角度可変観察光学系 | |
US6252729B1 (en) | Real image type finder optical system | |
JPH08304880A (ja) | 実像式ファインダー光学系 | |
JP3735146B2 (ja) | 光軸調整機構及び光軸調整方法 | |
JPH09222564A (ja) | 正立光学系 | |
JP2559731Y2 (ja) | 鏡筒光学系 | |
JPH07110428A (ja) | オートフォーカス双眼鏡 | |
JPH05232548A (ja) | プリズムファインダー | |
JPH0540491Y2 (ja) | ||
JPH08129203A (ja) | 実像式ファインダ |