JPH07110428A - オートフォーカス双眼鏡 - Google Patents

オートフォーカス双眼鏡

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Publication number
JPH07110428A
JPH07110428A JP25663693A JP25663693A JPH07110428A JP H07110428 A JPH07110428 A JP H07110428A JP 25663693 A JP25663693 A JP 25663693A JP 25663693 A JP25663693 A JP 25663693A JP H07110428 A JPH07110428 A JP H07110428A
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JP
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prism
semi
roof
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module
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Application number
JP25663693A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Sugihara
康正 杉原
Hisanori Ishihara
尚紀 石原
Masato Kato
正人 加藤
Haruyuki Nagano
晴行 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半透過膜の層数が少なく、視野が明るく、AF
精度が高いオートフォーカス双眼鏡を提供する。 【構成】左右の鏡筒には、対物レンズ1,ダハプリズム
5,補助プリズム2,接眼レンズ7が設けられ、一方の
鏡筒の補助プリズム2の反射面のうちの1面が半透過面
Hである。半透過面Hを透過した透過光の光路中に、収
差補正する補正プリズム3,透過光の像を撮像素子で観
察してAF信号を出力するAFモジュール4とを設け
る。AFモジュール4の撮像素子を、画素の配列方向が
光軸とダハプリズム5のダハ稜線Lとを含む平面に直交
するように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオートフォーカス双眼鏡
に関するものであり、更に詳しくは、TTL(through t
he taking lens)−AF(autofocus)方式のオートフォー
カス双眼鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TTL−AF方式の双眼鏡として、左右
の鏡筒のうちの一方に設けられた正立プリズム系の反射
面のうちの1面を半透過面とし、その半透過面で光路を
観察用とAF用との2つに分割するものが知られている
(特開昭55−38532号,特開平4−20915
号,米国特許第5,126,549号等)。特開平4−
20915号では、前記正立プリズム系としてシュミッ
トプリズムが用いられている。
【0003】図13に、このシュミットプリズムSPの
断面形状及び光路を示す。シュミットプリズムSPは、
ダハ面Dを有するダハプリズム5と,反射面のうちの1
面が半透過面Hである補助プリズム2とから成ってい
る。AX1が観察光学系の光軸、AX2がAF光学系の光
軸であり、光軸AX2に対する垂直面からダハ稜線L側
に22.5°傾いた面(つまり、補助プリズム2中での
2回目の反射面)が、シュミットプリズムSPに入射し
た光束を分割する半透過面Hとして用いられる。そし
て、分割された光束のうち、半透過面Hでの反射光束が
観察用光束として用いられ、半透過面Hでの透過光束が
AF用光束として用いられる。
【0004】半透過面Hは上記のように傾いているの
で、AF用の透過光束は光軸AX2に対して非対称に屈
折される。その結果、AF用の光束には非点収差が発生
するため、AF精度(測距精度)が低下してしまうことに
なる。そこで、特開平4−20915号では、非点収差
が発生しないようにするため、半透過面Hに補正プリズ
ムを貼り付けることによって、補正プリズムの出射面が
光軸に対し垂直になるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる構成で
は、半透過面Hでの反射率が、接合された補正プリズム
によって低下してしまうことになる。反射率が低下する
と観察用の光量が少なくなるため、双眼鏡としての明る
さが失われるという問題がある。
【0006】一方、半透過面Hは反射面に設けた半透過
膜により形成されるため、半透過膜の層数を増やせば反
射率を上げることは可能である。しかし、半透過膜の層
数を増やすと、品質のバラツキが大きくなったりコスト
上昇を招いたりする等の悪影響が発生してしまう。
【0007】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であって、半透過膜の層数が少なくても視野が明るく、
AF精度が高いオートフォーカス双眼鏡を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るオートフォーカス双眼鏡は、物体側よ
り順に、物体の像を形成する対物レンズ系と,該対物レ
ンズ系で形成された像を反転する正立プリズム系と,該
正立プリズム系で反転された像を観察するための接眼レ
ンズ系とを左右の鏡筒に備え、該左右の鏡筒のうちの少
なくとも一方の正立プリズム系が、ダハ面を有するダハ
プリズムと,反射面のうちの1面が半透過面である補助
プリズムとから成るシュミットプリズムであり、前記半
透過面を透過した透過光の光路中に、該透過光を収差補
正する補正プリズムと,該補正プリズムで収差補正され
た透過光の像を撮像素子で観察してAF信号を出力する
AFモジュールとから成るAF光学系を備えたTTL−
AF方式のオートフォーカス双眼鏡であって、前記補正
プリズムは、前記半透過面から所定の間隔をあけて配置
され、前記AFモジュールの撮像素子は、画素の配列方
向が光軸と前記ダハプリズムのダハ稜線とを含む平面に
直交するように配置されていることを特徴とする。
【0009】前記正立プリズム系をプリズム保持部材で
支持し、AFモジュールをAFモジュール保持部材で支
持し、プリズム保持部材とAFモジュール保持部材とを
結合するのが好ましい。また、前記AF光学系が配置さ
れている方の鏡筒に、カメラ三脚等に取付け可能なネジ
穴を設けるのが好ましい。
【0010】
【作用】このような構成によれば、半透過面で対物レン
ズ系からの光束が観察用の透過光束とAF用の反射光束
とに分割されるが、補助プリズムは半透過面から所定の
間隔をあけて配置されているので、半透過面での反射率
が低下することはない。一方、透過光束はAFモジュー
ル側に向かうが、AFモジュールの撮像素子は、画素の
配列方向が光軸とダハプリズムのダハ稜線とを含む平面
に直交するように配置されているので、光軸に対する垂
直面からダハ稜線側に傾斜した半透過面では、光軸に対
して非対称に光束が屈折される。その光束のうち、半透
過面に対する入射角の互いに等しい光束が、AFモジュ
ールによるAFに使用される。従って、半透過面で非点
収差が発生しても、AFは非点収差が反映されない光束
に基づいて行われるため、撮像素子の画素の配列方向に
対して垂直方向には結像位置のズレが生じない。その結
果、AF精度が非点収差の影響を受けることはない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は、本実施例に係るTTL−AF方式のオ
ートフォーカス双眼鏡の光学系構成を示す斜視図であ
り、一方の鏡筒について示している。なお、従来例の説
明で既に述べたシュミットプリズムSPの各部に関して
は、同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略す
る。
【0012】図1に示すように、本実施例は、双眼鏡と
して必要な観察光学系として、物体側より順に、物体の
像を形成する対物レンズ1と,対物レンズ系1で形成さ
れた像を反転するシュミットプリズムSPと,視野絞り
6と,シュミットプリズムSPで反転された像を観察す
るための接眼レンズ7とを左右の鏡筒に備えている。
【0013】シュミットプリズムSPは、先に説明した
ように(図13)、ダハ面Dを有するダハプリズム5と,
半透過面Hを有する補助プリズム2とから成る正立プリ
ズムであり、入射してきた光線を半透過面Hで観察用の
反射光とAF用の透過光との2つに分割する。
【0014】通常のシュミットプリズムSPには、全部
で6面の反射面があり(補助プリズム2に2面、ダハプ
リズム5に4面)、そのうち5つの面までが全反射を利
用している。残る1つの面は、補助プリズム2の2面の
反射面のうちダハプリズム5に対向していない方の面で
あり、この面への入射角は通常22.5°前後(図13)
であるので全反射は起こらない。全反射を起こすために
は屈折率が2.6以上の媒質が必要となり、一般的でな
いためである。よって、この面へは、通常、Ag,Al
等の蒸着が施されている。
【0015】本実施例では、前記従来例と同様、この蒸
着を施す面を半透過面Hとし、透過光をAF用に使う。
半透過面Hは光軸AX2と直交する平面に対しダハ稜線
L側に傾斜しており、半透過面Hへの入射角は前述のよ
うに22.5°前後である。従って、このままでは透過
光には非点収差,像面の倒れ,色収差等が発生し、測距
誤差を起こしてしまう。そこで、楔状の補正プリズム3
により、これらの収差を小さくするようにしている。
【0016】なお、シュミットプリズムSPは、少なく
とも後述のAF光学系を搭載する側の鏡筒用の正立プリ
ズムとして用いれば足りる。左右の鏡筒のうちのいずれ
か一方にのみAF光学系を設ければ、AFモジュール4
からの検出信号に基づいて左右両方の対物レンズ1を同
時に動かすことでAFを行うことができるからである。
従って、AF光学系を搭載しない方の鏡筒には、他の正
立プリズムを用いることも可能である。
【0017】半透過面Hを透過した透過光の光路中に
は、透過光を収差補正する補正プリズム3と,補正プリ
ズム3で収差補正された透過光の像をCCD(Charge Co
upledDevice)9(図3)で観察してAF信号を出力する位
相差検出方式のAFモジュール4とから成るAF光学系
が設けられている。対物レンズ1〜補助プリズム2〜補
正プリズム3〜AFモジュール4に関して光学系を展開
すれば、図3に示すようになる。
【0018】図3に示すように、AFモジュール4は、
コンデンサレンズ8A,絞りマスク8B,セパレータレ
ンズ8C及びCCD9から成っている。同図中、ダハプ
リズム5のダハ稜線Lは図の紙面に沿って存在し、CC
D9の画素の配列方向は紙面に対して垂直に位置してい
る。なお、図1及び図3中、焦点面Sは対物レンズ系1
による観察光の結像面と等価な位置に位置している。
【0019】本実施例では、補正プリズム3と補助プリ
ズム2とを接合せずに少し離しているため、非点収差が
わずかに発生している。しかし、その影響がなくなるよ
うに、AFモジュール4のCCD9とシュミットプリズ
ムSPの半透過面Hとの位置関係を規定していることに
特徴がある。つまり、補正プリズム3は、半透過面Hか
ら所定の間隔(空隙K)をあけて配置されており、AFモ
ジュール4のCCD9は、画素の配列方向が光軸AX1
とダハプリズム5のダハ稜線Lとを含む平面に直交する
ように配置されていることに本実施例の特徴がある。
【0020】上記のように補助プリズム2は半透過面H
から所定の空隙Kをあけて配置されているので、対物レ
ンズ1からの光束が半透過面Hで観察用の透過光束とA
F用の反射光束とに分割される際に、半透過面Hでの反
射率の低下によって観察系への光量が不足することはな
い。従って、半透過膜の層数が少なくても、双眼鏡に必
要な明るい視野を得ることができる。
【0021】次に、上記のように画素の配列方向を光軸
AX1とダハプリズム5のダハ稜線Lとを含む平面に直
交するように配置する理由を以下に説明する。実際に接
眼レンズ7を覗くと、視野絞り6の円とその円の中の風
景が観察される。ここで、風景を無視してその代わりに
(本当は見えない)ダハ稜線L及び測距感度域Fが見えた
とすれば、例えば図2に示すようになる。測距感度域F
はCCD9の画素の配列方向に相当するため、一方向に
広がった形状を成している。
【0022】被観察物は、縦線状のものが多いため、通
常、測距感度域Fが水平に見えるようにCCD9は配置
される。同図に示すように、ダハ稜線Lに垂直な方向と
画素の配列方向との成す角をθとすると、本実施例では
θ=0°(即ち、測距感度域Fの長手方向がダハ稜線L
方向と垂直)の状態になるように配置されるが、AFモ
ジュール4の配置の仕方によっては、ダハ稜線L方向と
測距感度域Fの長手方向(即ち、画素の配列方向)との位
置関係をいろいろ変化させることが可能である。この角
度θを変化させることは、AFモジュール4を光軸AX
2回りに回転させることに対応する。
【0023】一方、AF用の撮像素子として用いられて
いるCCD9は、参照部及び基準部から成っており、こ
れらからの出力情報によって位相差検出方式のAFが行
われる。もし、参照部が見ている測距感度域Fと基準部
が見ている測距感度域Fとが上下方向(即ち、測距感度
域Fの長手方向に対して垂直方向)にずれていると、観
察する物体によっては測距誤差が発生してしまう。
【0024】つまり、観察する物体が縦線状のもの(例
えば、人や樹等のように一般に縦方向の線を持つ被観察
物)であれば、図10(A)に示すように参照部9A,基
準部9B上にそれぞれ形成される像IA,IBが、同図
(B)に示すように上下方向にずれても問題はない。しか
し、観察する物体が斜線状のもの(ここでは、鉛直方向
に対し45°の傾きを持っている直線)である場合、同
図(C)に示すように参照部9A,基準部9B上にそれぞ
れ形成される像IA,IBが同図(D)に示すように上下
方向にずれると、デフォーカス量が変動してしまうこと
になる。デフォーカス量の変動は、測距誤差発生の原因
となる。この誤差を、以下「視差誤差」と呼ぶことにす
る。
【0025】図1及び図3に示すように、本実施例のプ
リズム配置では、補助プリズム2と補正プリズム3との
間に、光軸AX2に対し斜めになった空隙Kが存在す
る。この空隙Kを形成している2つの面に対する入射角
に注目すると、θ≠0°のときは、前記基準部9Aに到
達する光線の入射角と参照部9Bに到達する光線の入射
角とは大きさが違うため、測距感度域Fにズレが発生
し、前記視差誤差が発生してしまうことになる。
【0026】この点について更に詳しく説明する。図1
2は、補助プリズム2とCCD9との位置関係を示して
いる。補助プリズム2とCCD9との間には、補正プリ
ズム3,コンデンサレンズ8A,絞りマスク8B及びセ
パレータレンズ8Cが配されているが、ここでは図示省
略する。図12中、半透過面H上に示した光束Pa〜P
fは、これら絞りマスク8b等によって取り出され、C
CD9上に導かれる光束を示している。
【0027】補助プリズム2の半透過面Hは、先に述べ
たように光軸AX2に対する垂直面からダハ稜線L側に
傾斜している(つまり、図13中の角度22.5°の傾
斜)ので、半透過面Hでは光束は光軸AX2に対して非対
称に屈折される。ここで、前記2つの面のうちの半透過
面Hに関し、ダハ稜線Lを鉛直方向に位置させた状態
で、AFモジュール4を光軸AX2回りに回転させるこ
とによって、θ=0°〜90°にCCD9の位置を変化
させたときのCCD9上での結像状態の変化を説明す
る。なお、補正プリズム3の入射面についても、以下の
半透過面Hに関する場合と同様である。
【0028】θ=0°の状態では、参照部9aには光束
Paが結像し、基準部9bには光束Pbが結像する。こ
のとき、光束Paと光束Pbとは半透過面Hに対する入
射角が等しい(つまり、光軸AX1とダハプリズム5の
ダハ稜線Lとを含む平面に対して対称になっている)た
め、光束Paと光束Pbとが参照部9aと基準部9bと
に対して等しい距離だけ屈折する。従って、図11(A)
に示すように2つの像IA,IBはCCD9に対して垂
直方向にずれることはないので、視差誤差は発生しな
い。
【0029】0°<θ<90°の場合の一例として、θ
=45°での状態を挙げる。この状態では、参照部9c
には光束Pcが結像し、基準部9dには光束Pdが結像
する。このとき、光束Pcと光束Pdとは半透過面Hに
対する入射角が異なる(つまり、光軸AX1とダハプリ
ズム5のダハ稜線Lとを含む平面に対して非対称になっ
ている)ので、光束Pcと光束Pdとは参照部9cと基
準部9dとに対して異なる距離だけ、θ=0°のときよ
りも互いに離れるように屈折する。この入射角の違いに
よって半透過面Hで発生した非点収差は、光束Pc,P
dにそのまま反映されてしまうため、CCD9上では像
IA,IBがCCD9に対する長手方向,垂直方向のズ
レを伴って形成されることになる。
【0030】例えば、AFモジュール4をCCD9の長
手方向に沿って移動させることにより、図11(A)と同
様、CCD9の中央から等間隔離れた位置に像IA,I
Bを位置させれば、図11(B)に示すように、像IAと
像IBとの間隔がθ=0°のときよりも大きくあけた状
態となるとともに、2つの像IA,IBがCCD9に対
して垂直方向にずれた状態となる。これは、参照部9c
が見ている測距感度域Fと基準部9dが見ている測距感
度域Fとが一致していないことを意味する。このよう
に、0°<θ<90°の場合、2つの像IA,IBがC
CD9に対して垂直方向にずれることによって、視差誤
差が生じるのである。
【0031】θ=90°の状態では、参照部9eには光
束Peが結像し、基準部9fには光束Pfが結像する。
このとき、光束Peと光束Pfとは半透過面Hに対する
入射角が異なる(つまり、光軸AX1とダハプリズム5
のダハ稜線Lとを含む平面に対して非対称になってい
る)ので、光束Peと光束Pfとは参照部9eと基準部
9fとに対して異なる距離だけ、θ=45°のときより
も更に互いに離れるように屈折する。しかし、この入射
角の違いは、すべてCCD9の長手方向のズレとなって
表れることになる。
【0032】例えば、AFモジュール4をCCD9の長
手方向に沿って移動させることにより、図11(A)と同
様、CCD9の中央から等間隔離れた位置に像IA,I
Bを位置させれば、図11(C)に示すように、像IAと
像IBとの間隔はθ=0°のときよりも大きくあけた状
態とはなるが、2つの像IA,IBはCCD9に対して
垂直方向にはズレていない状態となる。これは、参照部
9eが見ている測距感度域Fと基準部9fが見ている測
距感度域Fとが一致していることを意味する。つまり、
2つの像IA,IBはCCD9の長手方向にはズレても
視差誤差とはならないのである。
【0033】図11に示すCCD9と像Ia,Ibとの
位置関係をまとめると次のようなる。CCD9の長手方
向に沿った像のズレは、θ=0°からθ=90°にかけ
て大きくはなる。CCD9に対する垂直方向の像のズレ
は、θ=0°からθ=45°にかけて大きくなり、θ=
45°からθ=90°にかけて小さくなる。この垂直方
向の像のズレは、その大きさに相当するデフォーカス量
となって表れる。
【0034】図4に、角度θを変化させたときの視差誤
差によるデフォーカス量(即ち、CCD9に対して垂直
方向の像のズレによって生じる焦点面S上からの結像位
置のズレ量)を示す。但し、対物レンズ1の焦点距離を
122mm、空隙の光軸AXに対する傾きを24°、見
る物体の鉛直方向からの傾きを45°とする。図4で
は、−90°≦θ≦90°の範囲について示している
が、その他の範囲においてもデフォーカス量は同じ形で
周期的に変化する。また、観察する物体の鉛直方向から
の傾きが−45°になると、グラフはθ軸に関して対称
なグラフとなる。
【0035】このグラフから、視差誤差を0にするには
θ=…,−90°,0°,+90°,…の値にすればよ
いことが分かる。しかしながら、θ=−90°又は+9
0°等の値をとる場合(これは図3でのCCD9の画素
の配列方向が紙面上にあることに相当する)、例えば、
測距感度域Fの片方の端に入射する光線が空隙Kを通る
ときの半透過面Hや補正プリズム3の入射面に対する入
射角と、他方の端に入射する光線が空隙Kを通るときの
半透過面Hや補正プリズム3の入射面に対する入射角と
が異なるので、CCD9の受光面に対して像面が傾いた
ような現象が発生する。また、光線の波長の違いによっ
て像のズレが発生する。これらの現象は測距誤差の原因
となる。これに対し、θ=0°の場合、これらの現象は
画素の配列方向に対して垂直方向にしか生じないため、
AFには影響を与えない。
【0036】以上のように、CCD9は画素の配列方向
が光軸AX1とダハプリズム5のダハ稜線Lとを含む平
面に直交するように配置されているので、半透過面Hで
光軸AX2に対して非対称に屈折された光束のうち半透
過面Hに対して入射角が等しい光束がAFに使用され
る。従って、半透過面で非点収差が発生しても非点収差
が反映されない光束がAFに使用されるため、AF精度
は非点収差の影響を受けることはなく、AF精度が高い
オートフォーカス双眼鏡を実現することができる。
【0037】なお、本実施例はオートフォーカス双眼鏡
に関するものであるが、この技術は特に双眼鏡に限るわ
けではなく、スポッティングスコープ等の地上望遠鏡,
その他の単眼鏡にも使用することができる。
【0038】次に、本実施例の組立構造について説明す
る。図5に示すように、本実施例では、正立プリズム系
を構成するシュミットプリズムSP(補助プリズム2及
びダハプリズム5)がプリズム保持部材11で支持され
ている。具体的には、プリズム保持部材11は、プリズ
ム2,3,5の両側からとプリズム2,3,5の底面側
(不図示)とからプリズム2,3,5を保持している。一
方、AFモジュール4はAFモジュール保持部材21で
支持されている。プリズム保持部材11とAFモジュー
ル保持部材21とは、ネジ22によって結合された構成
となっている。このようにシュミットプリズムSPとA
Fモジュール4とを保持部材11,21で一体的に形成
するのは、以下のような理由によるものである。
【0039】通常、TTL測距を行う双眼鏡や単眼鏡に
おいては、本実施例のように、光学系全体を各プリズム
2,3,5及びプリズム保持部材11から成るプリズム
ブロック10と、AFモジュール4及びAFモジュール
保持部材21から成るAFユニット20との2つに分け
て双眼鏡本体に組み込む。プリズムブロック10とAF
ユニット20とを双眼鏡本体に組み込む際、プリズムブ
ロック10及びAFユニット20を共に鏡筒に取り付け
るようにすれば、光軸調整のためにプリズムブロック1
0を動かした場合、プリズムブロック10とAFユニッ
ト20との位置関係が大きく変わってしまう。対物レン
ズ1や補助プリズム2は、補正プリズム3等から成るA
F光学系の一部としてAFに使用されるので、測距視野
と実際の視野との間にズレが生じてしまうことになる。
【0040】そこで、本実施例ではこのような問題が生
じないようにするために、AFユニット20を鏡筒に取
り付けるのではなく、プリズムブロック10に取り付け
ている。そうすることで、プリズムブロック10を動か
してもAFユニット20との位置関係が変わらないよう
になる。従って、上記のような問題は低減され、取付け
誤差等も少なくすることができるので、結果として、高
いAF精度が得られるのである。
【0041】次に、光学系全体のコンパクト化を図るた
めの構成を説明する。図6(a)は、本実施例に光路を折
り曲げるためのミラーMを設けた場合の光学系構成を断
面的に示している。このようにミラーMを1枚、又は1
枚以上設けることにより光路を適当な方向に折り曲げれ
ば、光学系全体の大きさを小さくすることができる。ミ
ラーMで反射された後に結像された像は、AFモジュー
ル4(図6中には図示せず)で受光され、焦点検出が行わ
れる。
【0042】シュミットプリズムSPへの入射順序を変
えれば、更にAFモジュール4の配置を含めた全体の小
型化を図ることができる。図6(a)では、(補助プリズ
ム2)〜(ダハプリズム5)の順に光が通るようにシュミ
ットプリズムSPを配置しているので、AF用の光は
(対物レンズ1)〜(補助プリズム2の半透過面Hまで)〜
(補正プリズム3)〜(ミラーM)の順に通ることになる。
一方、図6(b)では、これとは逆に、(ダハプリズム5)
〜(補助プリズム2)の順に光が通るようにシュミットプ
リズムSPを配置しているので、AF用の光は(対物レ
ンズ1)〜(ダハプリズム5)〜(補助プリズム2の半透過
面Hまで)〜(補正プリズム3)〜(ミラーM)の順に通る
ことになる。
【0043】これらを比較すると、後者の方が補正プリ
ズム3までに通る光路が長いことは図6(a)(b)から明
かである。従って、後者のようにシュミットプリズムS
Pを配置すれば、補正プリズム3を出た後の結像点まで
の距離が短くなる。さらに、サイズの小さな補正プリズ
ム3a及びミラーMaを用いることができる。従って、
全体としての大きさをより小さくすることが可能であ
る。
【0044】次に、三脚取付け用ネジ穴の配置によって
AF精度を低下させない構成を説明する。通常の双眼鏡
には、三脚に取り付けて使用することができるように、
三脚取付け用ネジ穴が鏡胴に設けられている。本実施例
に係る双眼鏡にも図8に示すように三脚取付け用ネジ穴
37が設けられており、図7に示すように三脚35に取
り付けた状態で使用することができる。
【0045】ところで、本実施例は位相差検出方式を採
用しているため、測距感度域Fは前述したように一方向
に広がっている。被観察物は一般に人や樹等の縦方向の
線を持つことが多いため、このような一方向に広がった
測距感度域Fを持つ焦点検出手段を用いた場合には、測
距感度域Fが視界の中で水平になるように双眼鏡を位置
させた方がAF精度は良くなる。
【0046】例えば、図9に示すように三脚用取付けネ
ジ穴37がAFモジュール4(図1)を有さない側の鏡筒
30Lに備えられている場合、三脚35に固定したまま
で眼幅調整を行うと、軸32を中心に鏡筒30Rが矢印
mR方向に回動するため、測距感度域Fが破線で示すよ
うに傾いてしまう。本実施例では、図8に示すように三
脚用取付けネジ穴37がAFモジュール4を有する側の
鏡筒30Rに設けられているので、このネジ穴37に三
脚35を取り付けた状態で眼幅調整を行っても、軸32
を中心に回動する(矢印mL方向)のは鏡筒30Lであ
り、測距感度域Fは水平のままの位置に保たれる。
【0047】本実施例では、測距感度域Fと半透過面H
との位置関係を規定した前述の構成(図11(a)参照)に
よって既に良好なAF精度を実現しているが、三脚35
に取り付けた状態での使用下では、上記のように三脚用
取付けネジ穴37の位置をAF側鏡筒に設けるという簡
単な構成を採用しただけで、更に良好なAF精度を保つ
ことができるのである。もちろん、三脚用取付けネジ穴
37の位置をAF側鏡筒に設けるだけでも、三脚取付け
状態での眼幅調整に伴うAF精度の低下を防止すること
ができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ュミットプリズムを構成する補正プリズムが、光路をA
F用に分割する半透過面から所定の間隔をあけて配置さ
れているので、半透過面での反射率の低下はなく、半透
過面を構成するための半透過膜の層数が少なくても視野
を明るくすることができる。また、AFモジュールの撮
像素子は、画素の配列方向が光軸とダハプリズムのダハ
稜線とを含む平面に直交するように配置されているの
で、半透過面で発生した非点収差はAFに影響を与え
ず、そのため高いAF精度のオートフォーカス双眼鏡を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光学系の構成を示す斜視
図。
【図2】ダハプリズムのダハ稜線と測距感度域との位置
関係を説明するための図。
【図3】図1の実施例のAF光学系の構成を示す展開
図。
【図4】CCDの画素配列方向とダハ稜線に垂直な方向
とが成す角θと、デフォーカス量との関係を示すグラ
フ。
【図5】図1の実施例の組立構造を示す斜視図。
【図6】図1の実施例においてシュミットプリズムの取
付け状態を変えたときの光路の違いを説明するための光
学系断面図。
【図7】図1の実施例を三脚に取り付けた状態を示す外
観斜視図。
【図8】図7の状態で眼幅調整を行っている状態を模式
的に示す図。
【図9】図7の状態から三脚の取付け位置を他方の鏡筒
に変えて眼幅調整を行っている状態を模式的に示す図。
【図10】物体の傾斜状態と、CCD上に形成される物
体の像がCCDに対して垂直方向にずれた状態との関係
を模式的に示す図。
【図11】AFモジュールを回転させることによって、
角度θを変化させたときのCCDとCCD上に形成され
る像との関係を模式的に示す図。
【図12】補助プリズム中を半透過面に向けて入射する
光束とCCDとの位置関係を模式的に示す図。
【図13】図1の実施例に用いることができるシュミッ
トプリズムの断面形状及び光路を示す図。
【符号の説明】
1 …対物レンズ 2 …補助プリズム 3 …補正プリズム 4 …AFモジュール 5 …ダハプリズム 6 …視野絞り 7 …接眼レンズ 8A …コンデンサレンズ 8B …絞りマスク 8C …セパレータレンズ 9 …CCD 9A,9a,9c …参照部 9B,9b,9d …基準部 10 …プリズムブロック 11 …プリズム保持部材 20 …AFユニット 21 …AFモジュール保持部材 22 …ネジ 37 …三脚取付け用ネジ穴 S …焦点面 F …測距感度域 D …ダハ面 L …ダハ稜線 SP …シュミットプリズム M …ミラー AX1,AX2 …光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 正人 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 長野 晴行 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタカメラ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側より順に、物体の像を形成する対物
    レンズ系と,該対物レンズ系で形成された像を反転する
    正立プリズム系と,該正立プリズム系で反転された像を
    観察するための接眼レンズ系とを左右の鏡筒に備え、 該左右の鏡筒のうちの少なくとも一方の正立プリズム系
    が、ダハ面を有するダハプリズムと,反射面のうちの1
    面が半透過面である補助プリズムとから成るシュミット
    プリズムであり、前記半透過面を透過した透過光の光路
    中に、該透過光を収差補正する補正プリズムと,該補正
    プリズムで収差補正された透過光の像を撮像素子で観察
    してAF信号を出力するAFモジュールとから成るAF
    光学系を備えたTTL−AF方式のオートフォーカス双
    眼鏡であって、 前記補正プリズムは、前記半透過面から所定の間隔をあ
    けて配置され、 前記AFモジュールの撮像素子は、画素の配列方向が光
    軸と前記ダハプリズムのダハ稜線とを含む平面に直交す
    るように配置されていることを特徴とするオートフォー
    カス双眼鏡。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107102431A (zh) * 2017-06-19 2017-08-29 云南北方光电仪器有限公司 一种便携手持式显微观察镜
CN109387847A (zh) * 2018-09-21 2019-02-26 刘云坤 一种激光测距望远镜光学分束系统

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CN107102431A (zh) * 2017-06-19 2017-08-29 云南北方光电仪器有限公司 一种便携手持式显微观察镜
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CN109387847A (zh) * 2018-09-21 2019-02-26 刘云坤 一种激光测距望远镜光学分束系统
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