JPH0694480B2 - 試薬および方法 - Google Patents

試薬および方法

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JPH0694480B2 JP61236972A JP23697286A JPH0694480B2 JP H0694480 B2 JPH0694480 B2 JP H0694480B2 JP 61236972 A JP61236972 A JP 61236972A JP 23697286 A JP23697286 A JP 23697286A JP H0694480 B2 JPH0694480 B2 JP H0694480B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野および発明の要約] 本発明は、組織プラスミノーゲン活性化因子をこれを含
有する水性媒質から可逆的に二鎖形(tPA)および/ま
たは単鎖形(以下プロtPAと称する)として結合させる
能力を有する蛋白質試薬、該試薬の製造法、該試薬の固
定化された形、ならびにtPAおよび/またはプロtPAの単
離における該試薬の用途に関する。
この試薬は、ある種の組織においてtPAと並存する他の
プラスミノーゲン活性化因子を除き、ウロキナーゼさえ
も除くtPAおよびプロtPAに対し独特の選択性を有する。
近年組換えDNA技術により、1またはそれ以上のアミノ
酸残基の置換、除去または付加によって天然蛋白質とは
異なるtPAおよびプロtPAの突然変異に基づく変異体が取
得可能となった。本明細書中に使用する「tPA」および
「プロtPA」という語は、これらが本発明試薬に対する
親和性を有する部位または部位群を保有する場合は、か
かる変異体を包含する。
[先行技術および発明の経緯] プラスミノーゲン活性化因子は、プラスミノーゲン(プ
ラスミンの前駆体)に対して作用することによりプラス
ミンを生成する酵素である。プラスミンは次いでフィブ
リン(または血液クロット)に作用し、フィブリンを液
化または溶解させる。またプラスミンは、フィブリンの
前駆対であるフィブリノーゲンの溶解を引き起こす。
上記の効果は、天然のフィブリン溶解システム中で重要
な役割を果たす。またこれらは、血栓性疾患またはその
他のプラスミノーゲン活性化機構を経由する局所的フィ
ブリン溶解もしくは蛋白質溶解活性の発生が望ましい状
態を管理、処置または予防するために、プラスミノーゲ
ン活性化因子の治療目的による投与に使用される。
さらにこれらは、インビトロでのフィブリン溶解を含む
診断、病理学的または科学的試験のための試薬という用
途を見出すことができる。
2種のヒトプラスミノーゲン活性化因子が広く使用され
ている。第一は、非蛋白質溶解機構により作用する細菌
性酵素即ちストレプトキナーゼである。第二は、尿また
は培養腎細胞から、そして組換えDNA法によって得られ
るプロテアーゼであるウロキナーゼである。これら2種
の化合物は、その作用が血液クロット中のフィブリンに
制限されることにより限定されていないという欠点を有
する。これらは、一般に循環中のプラスミノーゲンに作
用し、その結果、フィブリンの前駆体であるフィブリノ
ーゲンの広範な溶解をもたらすプラスミンを広く産生さ
せる。これは、次いで血液凝固の無力化の結果として広
範囲な全身性出血を引き起こす。
tPAのフィブリン結合傾向、ウロキナーゼおよびストレ
プトキナーゼに比較してフィブリン存在下で著しく増強
されるフィブリン溶解作用、および、フィブリン不在下
での相対的に無効果なプラスミノーゲン活性化因子とし
ての機能が結び付いて、tPAが人の血栓溶解療法のため
の選り抜きの治療薬となる。フィブリンとtPAの相互作
用は、プラスミンの生成をクロット部位にかなり局限
し、ウロキナーゼまたはストレプトキナーゼ使用の際に
認められる雑多なプラスミノーゲン活性化の結果を軽減
または回避する。さらに、tPAは人間にとって免疫化学
的に親和性の蛋白質であるのに対し、ストレプトキナー
ゼはそうではなく、外来蛋白質である。
P.ウォレン等[プログレス・イン・ケミストリー・オブ
・フィブリノリシス・アンド・トロンボリシス(Prog.C
hem.Fibrinolysis Thromboysis)第5巻16〜23頁(198
1)]によれば、tPAは2種の異なった形で存在し、一方
は単鎖形であり、これはプラスミンまたはトリプシンに
よって、ジスルフィド橋で結合した2個の鎖に交換され
る。
ヒトtPAは、組織抽出液、血管灌流液および哺乳類の細
胞培養物に存在する。より最近になって、組換えDNA技
術によって或る種の哺乳類宿主細胞、酵母および細菌に
tPAを発現させることが注目されている。商業的規模でt
PAを効果的に生産するためには、細胞培養基中に存在す
る妨害蛋白質、細胞片等の複雑な混合物中に少量存在す
るtPA酵素を容易に抽出する方法が必要である。さら
に、このような方法は、収穫液からのtPAが高収率でな
ければならず、また、この酵素が人間の患者に静脈内投
与される場合は高純度の産物を生成せねばならない。さ
らに、ある方法を商業的規模で用いる場合、これは高い
生産速度でなければならない。
日本国特許出願第5148183号は、水性媒質からtPAおよび
/またはプロtPAを選択的かつ可逆的に吸着し、しばし
ば実質上1段階でtPAの高度精製および高収率を達成す
ることのできる親和試薬および方法を記載している。こ
の親和性試薬は、tPA酵素阻害特性を示す、DE−3の番
号が付された固定化クロマトグラフィー蛋白質分画に基
づくものであって、E.ラティシマ(E.latissima)のご
ときエリスリナ(Erythrina)属の植物種の種子から得
られる。これは、以下のような特性の組み合わせによっ
て、かかる種の中に存在する他の酵素阻害物質と区別さ
れる: (a)これはクニッツ型の阻害物質である; (b)これはウロキナーゼに対し作用しない; (c)これはtPAおよび/またはプロtPAを阻害する;そし
て (d)これはトリプシンおよびプラスミンを阻害する。
さらに、これはトロンビンに作用しない。
エリスリナ・ラティシマ(Erythrina latissima)(広
葉エリスリナ)およびその他のエリスリナ(Erythrin
a)種の種子は、幾つかの蛋白質分解酵素阻害物質を含
有する[ジュベール等、ツァイトシュリフト・フュア・
フィジオロギッシェ・ケミー(Z.Physiol.Chem.)362巻
531〜538頁(1981)]。DEAEセファロースカラムからの
第1および第3の溶出物であって該刊行物中それぞれDE
−1およびDE−3と称される2個のクロマトグラフィー
分画は、トリプシン阻害活性を示した。これに続く刊行
物[フランソワ・J.・ジュベール、フィトケミストリー
(Phytochem.)21巻(6)、1213〜1217(1982)]中で
は、4種の別個の蛋白質分画(任意にDE−1、DE−2、
DE−3およびDE−4と番号が付けられた)が、エリスリ
ナ・リシステモン(Erythrina lysistemon)の種子か
らクロマトグラフィーによって抽出された。やはり4個
の全分画がトリプシン阻害活性を示した。
その後、E.ラティシマ(E.latissima)からのDE−3分
画は、ジュベール等によって報告されたトリプシンの阻
害に加えて、tPAおよびプロtPAを阻害する貴重な性質を
有していることがわかった。この発見は、上記の日本国
特許出願に記載されている。その後、本発明者等は、他
のエリスリナ(Erythrina)種の種子もまた上記のDE−
3分画と類似のtPAおよびプロtPAを選択的に阻害するこ
とのできる分画を含むことを発見した。DE−3蛋白質分
画ならびにtPAおよびプロtPAを阻害する類似の分画(必
ずしもDEAEセファロースから同じ順序で溶出されるとは
限らない)は、現在まで試験された数多くのエリスリナ
(Erythrina)種の全ての種子中に存在することがわか
っており、したがって実質上全てのエリスリナ(Erythr
ina)種に共通するものと考えられる。
エリスリナ(Erythrina)種の種子から得られるDE−3
分画および類似の分画は、tPAを阻害する性質を有す
る、体液から抽出されたものでない唯一の既知の蛋白質
分解酵素阻害物質である。
本分野への上記のごとき貢献は、極めて価値があるとは
言え、含まれる物質の不完全な理解と特性決定に基づい
ていた。
とりわけその時点では、特許請求された上記のtPA阻害
分画が純粋でなく、実際にはtPA阻害能に呼応する純粋
な物質の特異的tPA阻害能力の一部を有するだけである
という事が理解されていなかった。この度本発明者等
は、これらのtPA阻害分画のはるかに完全な精製に成功
し、かつ、活性なtPA阻害蛋白質の同定および性格決定
を行なった。
この精製の驚くべき結果として、E.ラティシマ(E.lati
ssima)からの最初のDE−3生成物および他のエリスリ
ナ(Erythrina)種由来の対応するtPA阻害分画は、tPA
および/またはプロtPAを分解することのできる挾雑蛋
白質分解酵素を含有することが発見された。したがっ
て、これらが除去された場合、得られる精製された阻害
物質は、所望のtPAおよび/またはプロtPAの蛋白質分解
的崩壊が事実上みられないという点で有効性が極めて増
加し、その結果tPAおよび/またはプロtPAの治療上の品
質がかなり向上する。DE−3に関する過去の刊行物は、
この物質が実質上均質であると指摘してきたため、この
事は驚くべきことである。
[発明の記載] したがって、本発明によって発明者等は、tPAおよび/
またはプロtPAと可逆的に結合する能力を有する蛋白質
試薬であって、17000〜23000ダルトンの範囲の分子量を
有し、非細胞毒性であり、tPA、プロtPAおよびトリプシ
ンを阻害する能力を有するがウロキナーゼまたはトロン
ビン阻害能は無く、2個のジスルフィド橋を持ち、実質
上プロテアーゼを含まない、クニッツ型蛋白質分解酵素
阻害物質からなる試薬を提供するものである。
上記のクニッツ型阻害物質は、さらにプラスミンを阻害
し、0.05Mトリス/HCl緩衝液(pH8)中の塩化ナトリウム
の直線勾配(0〜0.2M、1以上)を使用するDEAEセフ
ァロースカラムから、20℃で、流速20ml/時、保持容量6
00〜690mlの範囲で溶出する。
上記に指摘の通り、この蛋白質試薬はエリスリナ(Eryt
hrina)種、例えば、E.カフラ(E.caffra)、E.ラティ
シマ(E.latissima)、E.アカントロカルパ(E.acanthr
ocarpa)、E.コラロデンドロン(E.corallodendron)、
E.リシステモン(E.lysistemon)、E.フメアナ(E.hume
ana)、E.セイヘリ(E.seyheri)およびE.デコラ(E.de
cora)の種子から得ることができる。
本発明に係る試薬中の活性物質である、クニッツ型阻害
物質は、以下のようなアミノ酸配列: を有し、かつ以下の位置:Cys39〜Cys83およびCys132〜C
ys139に2個のジスルフィド橋を有し、またはtPAおよび
/またはプロtPAを阻害する性質を持つ機能的に類似の
アミノ酸配列を有し、tPAまははプロtPAを阻害する性質
を保持している前述のポリペプチドの断片および誘導体
を包含する。
2個のジスルフィド橋(または少なくともこれらのうち
いずれか)の存在は、tPAおよびプロtPAに対する阻害作
用にとって重要である。ジスルフィド橋をそのまま残し
て鎖をトリプシンで切断したところ、活性は失われなか
った。しかしながら、ジスルフィド橋の減少は、活性を
失わせる結果となった。この事から、幾何学的または三
次元配置が、実質上上記のアミノ酸配列を有する分子が
tPAおよびプロtPAを阻害するか否かを決定するために、
何らかの意義を有する、という結論が導かれる。
さらに、N末端アミノ酸がバリンであることが重要であ
るという強い徴候がある。何故なら、これは通常クニッ
ツ型プロテアーゼ阻害物質には存在しないが、考察され
たエリスリナ(Erythrina)種由来の全てのtPA阻害物質
に存在するからである。
しかしながら、tPA結合活性を失わせずにクニッツ型阻
害物質に若干の修飾または分解を施すことはできると思
われる。即ち上記に指摘の通り、当該分子の若干の限ら
れた蛋白質分解、特にトリプシン結合部位の開裂は、ジ
スルフィド結合が維持されている限り、tPA結合活性を
破壊しない。さらに、より大きな選択性の生物学的吸着
剤(biosorbant)を生成させるために、トリプシン結合
部位を保護することができる。即ち、例えばこの阻害物
質を、1,2−シクロヘキサン−ジオンのようなアルギニ
ン保護剤と反応させて、トリプシン結合部位を保護する
ことができる。必要ならばヒドロキシルアミンによる処
理によって、このような保護を除去することができる。
所望のtPA阻害活性が存在するためには、少なくともア
ミノ酸配列の39〜139位を含む領域、特に大体50〜80位
の領域において、上記アミノ酸配列との一致が85%、好
ましくは90%を超えていなければならないと推察でき
る。
調査された相異なるエリスリナ(Erythrina)種から得
られたtPA阻害活性を有するクニッツ型阻害物質のアミ
ノ酸組成は、非常に似通ってはいるが、以下に示すよう
な幾らかの相違を示す。一般にアミノ酸組成は以下の限
られた値の範囲内にある: Asp(15−18)、Thr(7−9)、Ser(12−14)、Glu
(21−26)、Pro(10−14)、Gly(14−15)、Ala(6
−8)、Cys(4)、Val(15−16)、Met(0−1)、I
le(6−7)、Leu(16−17)、Tyr(7−8)、Phe
(4−6)、Lys(10−13)、His(1−3)、Arg(5
−8)、Trp(2−3). 各場合におけるアミノ酸残基の総数は172である。上記
に指摘したように、どの場合においても2個のジスルフ
ィド結合が存在し、N末端アミノ酸は常にバリンであ
る。
E.ラティシマ(E.latissima)由来のクニッツ型tPA阻害
物質は、以下のアミノ酸配列を有する: より詳細には、この蛋白質試薬は、溶媒、希釈剤または
増量剤による希釈以前の濃縮された形においては、少な
くとも60000IU/mg(本明細書中に定義される)、好まし
くは70000IU/mg以上の特異活性を有する。tPA阻害物質
は、好ましくは該蛋白質試薬の少なくとも80重量%、よ
り好ましくは少なくとも90重量%を占める。
さらに、活性蛋白質の純度を高めると、驚くほど高い比
活性となる。したがって、例えば先に述べたDE−3クロ
マトグラフィー溶出分画は40000IU/mg以下またはしばし
ばこれよりずっと低い特異的tPA阻害活性を有していた
が、一方、この度90000IU/mgまたはこれ以上の比活性を
有する精製分画が本発明によって得られた。親和性試薬
を得るために蛋白質を基質上に固定化すると、得られる
基質上への活性蛋白質の装荷がはるかに高くなるため、
tPAおよび/またはプロtPAを含有する液体の処理がずっ
と迅速になり、よって感受性の高い蛋白質をゆっくり扱
った場合に通常観察される自然崩壊が減少するというこ
とがわかる。これは、さらに基質材料と処理時間を節約
することにもなる。
本発明者等は、先に述べたDE−3分画および類似のtPA
阻害分画中に存在する不純物が、別のエリスリナ(Eryt
hrina)プロテアーゼ阻害物質を含有していることを認
めた。以下に述べるこれら別のプロテアーゼ阻害物質
は、各tPA阻害物質に極めて似通った分子量を有する。
これら別種のプロテアーゼ阻害物質が固定化された形の
試薬中に存在する場合、これらはtPAおよびプロtPAに加
えて他のプロテアーゼを吸着することができるため、脱
着時に生成物は極めて純度が低くなるであろう。このよ
うな別種のプロテアーゼは、tPAおよびプロtPAが通常単
離される組織液および細胞培養基の両者に、普通に存在
する。
本発明に係る試薬は、固定された形で好都合に使用でき
る。かかる固定化された試薬は高度に安定であり、か
つ、恐らくは固定化された試薬中にプロテアーゼが存在
しないため、何回も反復使用した後であってもtPAに対
するその特異性を維持している。したがってこれは、親
和性試薬の分解または変性がなく、かつ固定化された試
薬がtPAに対する特異性を失うことなく、tPAに対して繰
り返し吸着および脱着させることが必要である、工業的
規模における複雑な蛋白質混合物からのtPAの抽出およ
び精製に役立つ。カラムは、固定化された試薬の安定性
に不都合な影響を及ぼすことなく清浄化し、滅菌するこ
とができる。固定化された試薬に対するtPAの結合比率
は高い。したがって、固定化された試薬のカラム中の流
速は、細胞収穫液中に存在する他の多くの妨害蛋白質か
らのtPAの分離を達成するためにサイズ排除クロマトグ
ラフィーが使用される場合よりも実質的に大きい。
本発明によって蛋白質試薬を固定化する方法は、この試
薬を担体に共有結合させる方法を含んでいた。例えば、
本発明試薬は、当業者にとって自体既知の方法により、
臭化シアン活性化アガロースと結合し得る。しかしなが
ら他の固体担体を使用することもでき、また、蛋白質試
薬が結合されるべき表面の化学的性質に応じて他のカッ
プリング試薬を使用することもできる。その例を挙げる
と、 (a)遊離アミノ基を遊離カルボキシ基に結合させるカル
ボシイミドカップリング、 (b)NH2基を予めアミノアルキル型に交換しアガロースに
結合させるグルタルアルデヒドカップリング、 (c)アルデヒド官能基を生成し、続いてこれがpH4〜6で
阻害物質のアミンと反応してシフ塩基を形成し、次にこ
れが水素化硼素ナトリウムまたは水素化シアノ硼素ナト
リウムにより還元される、アガロースの過ヨウ素酸塩活
性化。
(d)アガロースをヒドラジオ(hydrazio)サクシニル誘
導体に変換し、これにカルボキシルリガンドをEDCで結
合させるか、またはアミンをジアゾ化で結合させる方
法。
(e)セルロース繊維またはビーズをヒドラジド誘導体に
変換し、パリク等の方法[メソッズ・イン・エンザイモ
ロジー(Methods In Enzymology)34巻77〜102頁、ジ
ャコビおよびウィルチェック編、アカデミック・プレ
ス、ニューヨーク]にしたがって用いる方法。
(f)ポリアクリルアミドビーズを直接グルタルアルデ
ヒド法により、またはp−アミノベンズアミドエチル誘
導体もしくはヒドラジド誘導体のジアゾ化により、カッ
プリングさせる方法。
(g)最後に、例えばゼラチンのような蛋白質で被覆で
き、西独特許出願P3224387.7号、日本国特許出願116086
/1982号、英国特許2103791号および米国特許4478946号
に記載のカップリング方法のいずれかと同様の方法によ
り、阻害物質と架橋しカップリングさせ得るガラスビー
ズ(または他の固体物質)を参考にできる。
上記の方法は当業者にとって自体既知であり、そして/
または引用文献に記載されている。
上記の日本国特許出願第5148/83号に開示された固定化
試薬の使用方法は、本明細書に開示される親和性試薬に
同じく適用することができる。これは個々の例にも同様
に適用する。
ヒトの組織プラスミノーゲン活性化因子は、血液、組織
抽出液、血管灌流液および細胞培養中に存在するが、極
めて濃度が低い。これらに代わるtPAの供給源がEPO出願
第81200643−5号に列挙されているが、ここには、上記
の供給源中に通例見出されるより高濃度でtPAを生成す
ることのできる黒色腫細胞培養が記載されている。
プロtPAはプロテアーゼの働きによりtPAに変換されるこ
とがわかっている。したがって、本発明試薬からプロテ
アーゼを除去する別の利点は、最終生成物中のtPAに対
するプロtPAの比率という点での改善であり得る。プロt
PAはフィブリンの不在下では活性がより低いが、フィブ
リンクロットにより選択的に強く吸収され、いったん吸
収されると速やかにtPAに変換されてクロットの溶解を
開始することから、プロtPAは投与のためにはtPAより好
ましいという事が示唆されている。
より最近になって、主に哺乳類のセルライン、繊維芽細
胞、酵母および細菌中で、比較的高濃度のtPAの発現を
させるために組換えDNAを技術を応用することに注意が
払われるようになってきた。このような組換えDNA技術
により、tPAをコードしているヒトの遺伝子が宿主細胞
に組み入れられ、それによってtPA酵素を合成するよう
形質転換される。遺伝子を増幅する方法によって、tPA
濃度の増大が達成される。これらの方法は、南アフリカ
特許出願第83/3174号ならびにEPO公開第117059号および
117060号に記載されている。上記に指摘した通り、これ
らの技術はtPAおよびプロtPAの突然変異による変異体を
提供することができる。
本発明に係る蛋白質試薬はウロキナーゼを阻害せず、ま
たこれと反応しない。したがって、ウロキナーゼと共に
tPAおよび/またはプロtPAを含有している水溶液、例え
ば様々な身体組織液からtPAおよび/またはプロtPAを単
離するために、固定された形で好都合に使用することが
できる。さらに、より選択性の低い生物学的吸着剤を用
いて、このような液体からtPA、プロtPAおよびウロキナ
ーゼの混合物を分離し、次いで本発明試薬を用いてtPA
およびプロtPAを除き、これにより精製ウロキナーゼを
得ることも可能である。
本発明の教示は、天然の供給源、特にエリスリナ(Eryt
hrina)種の種子から活性蛋白質試薬を精製するための
実質上改善された方法に基づくものであり、これは、実
質上プロテアーゼ活性を含まない阻害物質を提供する。
したがって本発明のさらに別の局面によれば、本発明者
等は、tPAおよび/またはプロtPAを可逆的に結合する能
力を有する本発明に係る蛋白質試薬の製造方法であっ
て、該試薬を不純物と共に含有する水溶液、例えばエリ
スリナ(Erythrina)種の種子の水性抽出液を、所望の
試薬が含まれていると同定された分画を選択し、かつプ
ロテアーゼを含む分画を排除する、1またはそれ以上の
分別工程に付すことからなる方法を提供する。
本発明による方法は、若干の点においてジュベールによ
り記載された方法(上記引用文献)に類似しているかも
知れない。
しかしながら驚くべきことに、分別工程が疎水性ゲル、
最も好ましくはフェニルアガロースを用いる疎水性クロ
マトグラフィーを含むならば、実質上より良い精製が達
成されることがわかった。フェニルセファロース(CL4
B)または技術的に同等の物が特に好ましい。所望の蛋
白質はpH6.0〜8.0、好ましくは約pH7.0で溶出する。
上記記載の排除クロマトグラフィー工程は、最初に硫酸
アンモニウム沈澱化により分別した後、好ましくはDEAE
セルロース(例えばDEAEセルロースDE−52または技術的
に同等の物)によるイオン交換クロマトグラフィー、お
よび/またはサイズ排除クロマトグラフィー(例えばセ
ファデックスG−50のごとき架橋デキストラン吸着剤ま
たは技術的に同等の物による)と組み合わせる。
即ち、例えば本発明に係る好ましい方法においては、好
ましくはpH7〜9、最も好ましくは約pH8.0において、フ
ェニルセファロースを用いる排除クロマトグラフィーを
DEAEセルロースによるクロマトグラフィーに先行させ、
次いでセファデックスG−50または技術的に同等の物
を、好ましくはpH7〜9、最も好ましくはpH8.2〜8.3で
使用する。
本発明者等の実験から、クニッツ型阻害物質からプロテ
アーゼを除去する能力のあるのは、フェニルセファロー
スのごとき疎水性ゲルによるクロマトグラフィーである
と思われる。
[実施例] 以下の非限定的実施例は、本発明を説明することを意図
するものである。
実施例1 エリスリナ(Erythrina)種の種子からのtPA
阻害物質の製造 エリスリナ(Erythrina)種、例えばE.ラティシマ(E.L
atissima)の粉砕脱脂種子(10kg)を0.5M塩化ナトリウ
ム溶液100で一夜10℃で抽出する。この懸濁液を、次
にワーリング混合器(商品名)中で5分間浸軟する。抽
出液を清澄化し、硫酸アンモニウムで60%飽和とし、遠
心分離によって沈澱を回収する。この沈澱を0.05M塩化
ナトリウム中に再溶解し、蒸留水に対し透析し、凍結乾
燥する。
粗抽出液を、0.05Mトリス/HCl(pH8)中の塩化ナトリウ
ム直線勾配(0〜0.2M)を用いてDEAEセルロース(DE5
2)によりさらに分別する。0.2M NaCl分画を集め、フ
ェニルセファロースカラム(Cl4B)に入れる。このカラ
ムを0.01M NaP中の10%(重量/容量)硫酸アンモニウ
ム(pH7.0)で溶離し、tPA阻害物質のピークを集める。
次いで部分的に精製されたtPA阻害物質をセファデック
スG−50カラムに入れ、0.2M重炭酸アンモニウム(pH8.
2)で溶出する。
上記方法を用いて、検出可能量のプロテアーゼを含有し
ない90%以上の純度のtPA阻害物質が得られた。
実施例2 tPA阻害物質活性のアッセイ エリスリナ(Erythrina)種の種子から得られるtPA阻害
物質の阻害活性は、実験的に以下のごとく定義される阻
害単位によって表現できる: (i)純粋なtPA試料を、蛍光発生基質であるn−α−
ベンジルオキシカルボニル−グリシル−グリシル−L−
アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン(Cbz−G
ly−Gly−Arg−AMC;バッケム、スイス)を使用してツィ
マーマン等の方法[プロシーディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ
・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA)(1978)75巻750頁]により蛍光測定
でアッセイし、0.02%トリトンX−100を含有する0.1M
トリス−HCl/ml付き酵素50蛍光測定単位を含有するよう
に調節する。
(ii)tPA阻害物質試料を適当な濃度で(通常0.1〜2mg/
mlであり、その阻害物質に対して予測される特異的活性
に依存する)0.1Mトリス−HCl(pH8.1)に溶解する。
(iii)0.1Mトリス−HCl(pH8.1)中で連続的な2倍希
釈の阻害物質溶液を最終希釈1/2048まで作成する。
(iv)各阻害物質希釈液(10μ容量)をtPA溶液90μ
と混合し、管を室温で30分間インキュベーションす
る。
(v)次いで各々の管を残存活性についてアッセイし、
分画の残存活性のロジット(logit)変換を、阻害物質
希釈度の対数の関数としてプロットする。これらの点に
対し最小二乗回帰線を定め、内挿によって「50%阻害」
に対応する座標を得るのに用いる。
(vi)阻害活性の1単位を、tPA/蛍光側定単位を50%阻
害する量として定義する。
使用される標準アッセイは、反応開始のために以下の混
合物中に酵素を添加することによって行なう。
ml 0.1Mトリス−HCl、pH8.1 0.43 DMSO中25mMの基質 0.01 DMSO 0.01 酵素溶液 0.05 0.05ml 混合物を短時間撹拌し、記録計を備えた分光蛍光光度計
の試料室に入れる。AMCの放出を、383nmの活性化波長、
455nmの放出波長にて監視する。
測定器を純粋なAMCをもって標準化し、記録計の最大ス
ケールの振れが、DMSO10μをDMSO中の2×10-5のAMC
で置き換えた上記アッセイ混合物によって得られる(即
ち、記録計の最大スケールの振れが、アッセイ混合物中
のAMC200ピコモルまたは4×10-7MのAMC溶液0.5mlによ
って得られる)ようにする。
1傾向測定単位の酵素活性は、20℃において10ピコモル
/分のAMCの放出を触媒する量として定義される。
以下は、この測定の個別的例である: 5mg/バイアルで凍結乾燥し2.5mg/mlに再構成したtPA阻
害物質を含む部分精製分画。
0.1MトリスHCl(pH8.1)中で倍数希釈を行なう。
標準tPA溶液47.3u/ml 阻害物質希釈液10μ+tPA90μ;室温にて30分間;
混合物中の酵素活性をアッセイする。
[結果] 回帰式: ロジット(Logit)R =0.8851log(1/希釈)−−2.3232 [ここでR=残存活性であり、 50%阻害希釈=1/423 2.5mg/mlの阻害物質溶液の1/423希釈液10μは4.26単
位の50%を阻害した。
よって特異的活性は、4.26単位×1/0.01ml×423×1/2.5
mg=72100単位/mgである。
実施例3 以下のエリスリナ(Erythrina)種の種子を、実施例1
の従いDEAEセルロースクロマトグラフィーの段階まで
(この段階を含む)処理した。こうして得られたtPA阻
害物質の前濃縮液は、実施例2の方法によって決定され
る以下の活性を有していた。
IU/mg E.リシステモン(E.lysistemon) 27247 E.デコラ(E.decora) 20833 E.セイヘリ(E.seyheri) 15797 E.フメアナ(E.humeana) 20533 E.アブシニア(E.abussinia) 5050 実施例1に記載の方法に従うことにより、これらの物質
の品質が向上し得る。例えばE.リシステモン(E.lysist
emon)前濃縮液が27246IU/mgから94339IU/mgに向上し、
またE.セイヘリ(E.seyheri)前濃縮液が15797IU/mgか
ら71428IU/mgに向上した。
実施例4 エリスリナ(Erythrina)種の種子からのtPA
阻害物質の別途製造方法 1.エリスリナ(Erythrina)種の種子をコーヒーミル中
で粉砕して微粉とする。
2.粉末化した種子200gを取り、0.5M Nacl2で抽出す
る。4℃で一夜撹拌する。
3.グラスウールで過し、10000rpmで1時間遠心分離す
ることによって溶液を澄明にする。上清を保存し残渣を
捨てる。
4.種子のスラリーを0.5M Nacl2ずつで2回抽出し、
過し、遠心分離し、上清を最初の抽出による上清と合
わせる。
5.硫酸アンモニウムを60%飽和となるまで、合した抽出
液に加える(390g/)。4℃で穏やかに一夜撹拌す
る。
6.溶液を5000rpmで30分間遠心分離し、上清を捨て、沈
澱を0.5M Naclに再溶解する(およそ200ml)。
7.水道の流水に対して4℃で一夜透析する。
8.5000rpmで30分間遠心分離する。
9.上清液を凍結乾燥して粗製の阻害物質を得る(収量は
およそ4g/種子粉末200g)。
10.粗製の阻害物質を0.05Mトリス/HCl(pH8.0)に溶解
して50mg/mlの濃度とする。
11.DEAEセルロースのカラム(DE52)に入れる。
12.トリス/HCl(pH8.0)中0.1M NaClで洗浄する。
13.0.05Mトリス/HCl(pH8.0)中0.22M NaClで溶出す
る。
14.透析し凍結乾燥する。
15.10%(NH42SO4(pH7)中0.01M NaPO4に溶解して
蛋白質50mg/mlの濃度とする。
16.フェニルセファロースのカラム(Cl 4B)に入れ
る。
17.15%(NH42SO4で洗浄する。
18.8%(NH42SO4で溶出する。
19.例えばHPLC分析用クロマトグラフィーにより溶離液
を監視し、活性な試料を集める。
20.透析し凍結乾燥する。
21.0.2M(NH4)HCO3(pH8.3)に25mg/mlの蛋白質を溶解
し、セファデックスG−50カラムに入れる。
22.0.2M(NH4)HCO3(pH8.3)で溶離し、例えばHPLCで
溶離液を監視する。種子1kg当たり約1gの純粋な凍結乾
燥tPA阻害物質が得られる。
実質上上記と同様の方法を数多くのエリスリナ(Erythr
ina)種の種子の試料に適用し、各々の最終生成物のtPA
阻害活性を、実施例2のごとく測定した。代表的な結果
を下記の表1に示す。
表1 IU/mg E.アカントロカルパ(E.acanthrocarpa) 78000 E.カフラ(E.caffra) 68500 E.コラロデンドロン(E.corallodendron) 68300 E.リイステモン(E.lysistemon) 94300 E.セイヘリ(E.seyheri) 71400 実施例5 E.カフラ(E.caffra)の種子から精製したtP
A阻害物質のHPLC分析 ジュベール等の方法[ホッペ・ザイラーズ・ツァイトシ
ュリフト・フュア・フィジオロギッシェ・ケミー(Hoop
e−Seyler's Z.Physiol.Chem.)362巻531〜534頁]に
より、E.カフラ(E.caffra)の種子からtPA阻害物質を
精製した。DEAEセファロースカラムのDE−3ピークを透
析し、凍結乾燥して、52000IU/mgの生成物を得た(試料
1)。
また、E.カフラ(E.caffra)の種子からtPA阻害物質
を、実施例4の方法によって精製した。最終生成物は80
000IU/mgの活性を有することがわかった(試料2)。
精製tPA阻害物質の両試料を、C18カラムを備えたウォー
ターズHPLCクロマトグラフィー系を用いてHPLCにより分
析した。水中0.05%トリフルオロ酢酸から70%アセトニ
トリル中0.05%トリフルオロ酢酸に至る直線勾配を、1m
l/分でカラムにポンプで通過させ、溶出する蛋白質を20
5nmのU.V.吸収により検出した。
ほぼ等量の試料1および2を用いて得られたHPLCのグラ
フを、それぞれ第1a図および第1b図に示す。
第1b図には無いが第1a図は汚染物質のピークを示してい
る。第1a図からは、試料1中に存在する蛋白質のほぼ20
%がtPA阻害物質でないことが推察される。
実施例6 E.カフラ(E.caffra)およびE.ラティシマ
(E.latissima)の種子から精製されたtPA阻害物質の、
SDS−PAGEによる分析 (i)tPA阻害物質の製造 3種のtPA阻害生成物を分析した: 1.ジュベール等の方法[ホッペ・ザイラーズ・ツァイト
シュリフト・フュア・フィジオロキッシェ・ケミー(Ho
ope−Seyler's Z.Physiol.Chem.)(4981)362巻、531
〜538頁]によりE.カフラ(E.caffra)の種子から精製
されたtPA阻害物質。
2.ジュベール等の方法(上記)によりE.ラティシマ(E.
latissima)の種子から精製されたtPA阻害物質。
3.実施例4の方法によりE.カフラ(E.caffra)の種子か
ら精製されたtPA阻害物質。
(ii)SDS−PAGE 0.1%SDSの存在下、15%ポリアクリルアミドゲル板上で
電気泳動を行なった。クマシ−ブリリアントブルー(CB
B)染色、銀染色またはtPA阻害物質に対するモノクロー
ナル抗体を用いる「ウェスタン・ブロット」技術によ
り、バンドを同定した。
(iii)結果 E.ラティシマ(E.latissima)の種子由来の生成物2に
ついてのみ、CBBで染色した場合、単一のバンドが観察
されたが、「ウェスタン・ブロット」技術によると2個
のバンドが観察された。
相対的分子量(Mr)およそ20000で0.01mgの生成物3が
移動し、CBB染色したゲル上に単一の均質なバンドとし
て現われた。同じ方法で生成物1の分析を行なったとこ
ろ、Mr20000の主要成分および2種の少量の挾雑蛋白
質、即ち第1はMrおよそ22000を有し、第2はMrおよそ2
3000をする蛋白質が認められた。
0.01mgの生成物1および3をSDS−PAGEに適用して得ら
れる物と同一のゲルを、「ウェスタン・ブロット」技術
により分析するためのニトロセルロース板上に移したと
ころ、どちらの生成物の場合も、モノクローナル抗体は
20000Mrの蛋白質を有する強いシグナルを与えた。しか
しながら生成物1の場合、抗原は、さらに微量の18000M
rの挾雑物上のエピトープとも結合した。免疫化学的方
法の感受性は、その蛋白質が、銀で染色したゲル上には
わずかに知覚できるだけであり、またCBB染色したゲル
上には全く見えないという事実にもかかわらず、明確に
見えるという程度である。生成物3を用いて得られるウ
ェスタン・ブロット上には18000Mrのバンドは認められ
なかった。
実施例7 様々なエリスリナ(Erythrina)種の種子に
存在する蛋白質分画 以下の表IIは、ジュベール等の方法[ホッペ・ザイラー
ズ・ツァイトシュリフト・フュア・フィジオロギッシェ
・ケミー(Hoope−Seyler's Z.Physiol.Chem.)(198
1)362巻、531〜538頁]により様々なエリスリナ(Eryt
hrina)種の種子から単離された蛋白質分画の分子量決
定結果を示すものである。
分子量決定は、SDSゲル電気泳動により以下のごとく実
施した: (i)E.ラティシマ(E.latissima)の種子の場合、シ
ャピロ等の方法[バイオケミカル・アンド・バイオフィ
ジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem.Bi
ophys.Res.Comm.)(1967)28巻815〜830頁]によっ
た。
(ii)E.カフラ(E.caffra)、E.リイステモン(E.lysi
stemon)およびE.フメアナ(E.humeana)の種子の場
合、ウェーバーおよびオスボーンの方法「ジャーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)
(1969)144巻4406頁]によった。
(iii)E.リイステモン(E.lysistemon)、E.クリスタ
ガリ(E.cristagalli)、およびE.アカントロカルパ
(E.acanthrocarpa)の種子の場合、オルンシュタイン
およびデービスの方法[(1962)ディスク・エレクトロ
フォレーシス(Disc electrothoresis)、ディスティ
レーション・プロダクツ・インダストリーズ(ロチェス
タ、ニューヨーク)により再版]によった。
(iv)E.セイヘリ(E.seyheri)の種子の場合、アンド
リューズの方法[メソッズ・オブ・バイオケミカル・ア
ナリシス(Methods Biochem.Anal.)(1970)18巻1
頁]によった。
強いtPA阻害活性を示した分画には下線を付してある。
さらにこれらの結果は、挾雑蛋白質を含まないエリスリ
ナ(Erythrina)種の種子からのtPA阻害物質の精製は、
類似の分子量をもつ他の蛋白質からtPA阻害物質を完全
に分離することに依存している事を示している。実施例
5および6の結果が示すように、これはジュベール等の
方法(上記)によってではなく、実施例4の方法によっ
て達成される。
実施例8 エリスリナ(Erythrina)種の種子に存在す
る植物プロテアーゼのtPAに対する効果 エリスリナ(Erythrina)の種子は蛋白質溶解活性を有
することが見出されたが、これは、合成基質Cbs−Gly−
Gly−Arg−AMCからのアミノメチルクマリン(AMC)の触
媒的放出を定量することにより、ツィマーマン等の標準
蛍光測定アッセイ(上記)で測定できる。
同じ蛍光測定法を用いて、ジュベール等の方法(上記)
によりE.カフラ(E.caffra)の種子から得られるtPA阻
害物質が、やはり蛋白質溶解活性(およそ1.4FU/mg蛋白
質)を有することがわかった。このようなアミド溶解活
性は、実施例4の方法によりE.カフラ(E.caffra)の種
子から得られるtPA阻害物質においては測定され得なか
った。
tPA31.4FU/mlを含有する試料をE.カフラ(E.caffra)の
種子から得られるプロテアーゼの等量溶液と混合する
が、この物は20.6FU/mlであり、電気泳動および免疫化
学的分析によってtPA阻害物質を含まないことが確認さ
れている。得られた混合物は、予期した通り26.0FU/ml
を含有していた。この溶液を室温で2時間インキュベー
ションし、以下の表IIIに示す時点で蛍光測定用試料を
採取した。
この実験から、エリスリナ(Erythrina)プロテアーゼ
はtPAの触媒活性を破壊できることが明らかである。こ
の効果は、(tPA含有溶液が数時間に渡って親和カラム
にポンプ注入されるという調整的環境のもとで当然得ら
れると期待される)エリスリナ(Erythrina)プロテア
ーゼに対して、tPAを暴露する間、認められた。
実施例9 細胞毒性試験 UCT−BR−1細胞(本来、原発性乳癌からの骨転移沈着
物に由来する)を、10%牛胎児血清および抗生物質を添
加したRPM1−1640培地0.1mlを入れた96孔の微量滴定組
織培養プレートに細胞密度1.8×104/孔で蒔いた。空気9
5%−CO25%の湿性雰囲気中で、37℃で24時間インキュ
ベーションした後、(この時間までに細胞は付着し半接
合性となった)、実施例4の方法によってエリスリナ
(Erythrina)種の種子から精製し滅菌RPM1−10に溶解
したtPA阻害物質を相異なる試験濃度で添加した。さら
に48時間インキュベーションした後、各ウェル(孔)
に、3H−チミジンを0.1ugおよび0.2uCi/孔の濃度で18時
間適用した。
ついで細胞を収穫し、細胞のDNA中に取り込まれた放射
活性を測定した。細胞毒性は、tPA阻害物質を含まない
対照に対するパーセンテージとして表わされる3H−チミ
ジン取り込みの阻害として測定した。
tPA阻害物質が、たとえ1.0mg/mlという高濃度で存在し
た場合であっても、細胞増殖またはDNA合成に及ぼす測
定可能な影響は見出されなかった。
正常なヒトの乳房組織由来の細胞を用いて本質上同様の
結果が得られた。
tPA阻害物質の細胞毒性の欠如は、この蛋白質を皮下筋
肉内注射または腹腔内注射によりマウスに投与する試験
によって確認された。
本発明のtPA阻害物質と実施例5に示したDE−3の生成
物の細胞毒性を上記した如く3H−チミジン取り込みの阻
害として比較した所、本発明のtPA阻害物質は0細胞毒
性単位/mgであり、DE−3は160細胞毒性単位/mgであ
り、本発明のtPA阻害物質は細胞毒性がない点で優れて
いることが判った。
実施例10 数多くのエリスリナ(Erythrina)種から得
られたtPA阻害物質のトリプシン活性部位領域のアミノ
酸配列解析 エリスリナ(Erythrina)種の様々な種子から精製され
たtPA阻害物質を、pH3でトリプシンによる部分的加水分
解に付した。消化は20℃で7日間実施した。各tPA阻害
物質のトリプシン反応性部位の近傍のアミノ酸配列を、
還元剤の存在下でのSDSゲル電気泳動および標準EDMAN法
により濃縮されたフラグメントを使用して決定した。63
〜74のアミノ酸残基を以下の表IVに開示する。それぞれ
の場合のトリプシン反応性部位は、Arg63ほSer64であ
る。
上の配列の比較から以下の結論が導き出せる: (1)上記フラグメント間には90%以上の相同性がある。
(2)E.ラティシマ(E.latissima)およびE.カフラ(E.ca
ffra)のtPA阻害物質のアミノ酸配列からの若干の背反
は、tPAを阻害する能力を失うことなく寛容し得る。
(3)tPA阻害活性を除去することなく若干の変化をもたせ
ることは可能であるが、このような変化に応じて活性の
程度が増加または減少し得る。
実施例11 様々なエリスリナ(Erythrina)種から得ら
れるtPA阻害物質のアミノ酸組成の比較 相異なるエリスリナ(Erythrina)種の種子由来の7種
のtPA阻害物質について、アミノ酸組成を決定した。結
果を以下の表Vに示す: 上記の表は、阻害物質のアミノ酸配列の間に若干の程度
の相関を容認するものである。 略語 E.acan:E.アカンスロカルパ(E.acanthrocarpa)、E.co
ral:E.コラロデンドロン(E.coralrodendron)、E.lat:
E.ラティシマ(E.latissima)、E.lys:E.リイステモン
(E.lysistemon)、E.sey:E.セイヘリ(E.seyheri)、
E.dec:E.デコラ(E.decora) 実施例12 エリスリナ(Erythrina)種の種子から得ら
れるtPA阻害物質中、阻害活性にとってのジスルフィド
架橋の重要性の考察 エリスリナ(Erythrina)種の種子から得られる全ての
クニッツ型プロテアーゼ阻害物質は、2個のジスルフィ
ド結合を有している。
かかる阻害物質を、還元することなくpH3でトリプシン
を用いて部分的加水分解[バーク等(1967)、ビオキミ
カ・エ・ビオフィジカ・アクタ(Biochem.Biophys.Act
a)147、402〜404]したところ、tPAに対する阻害活性
を保持する2個のジスルフィド結合フラグメントが生成
されることがわかった。
しかしながら、部分的加水分解に続いて2個のジスルフ
ィド橋の還元およびヨードアセテートによるS−カルボ
キシメチル化を行なうと、tPA阻害活性は失われた。
無傷のtPA阻害物質のジスルフィド橋の還元に続いてS
−カルボキシメチル化を行なった場合もやはりtPA阻害
活性が失われる結果となった。
これらの試験は、2個のジスルフィド橋がtPA阻害活性
にとって重要であるという見解を支持している。
実施例13 親和クロマトグラフィーによる、ヒト黒色腫
細胞培養基からのtPAおよびプロtPAの単離 (i)親和性試薬としての使用のための固定化tPA阻害
物質の製造 エリスリナ・カフラ(Erythrina caffra)の種子か
ら、実施例4に記載のようにtPA阻害物質を単離した。
親和性試薬としての使用に好適な固定化tPA阻害物質を
製造するために、製造業者の指示に従って、精製阻害物
質200mgを、膨潤させたCNBr活性化セファロース4B(フ
ァルマシア)40mlに結合させた。結合は室温で行ない、
上清のA280測定およびSDS−PAGEによって監視した。21/
2時間以内にスペクトル分析による蛋白質の検出がなさ
れなくなり、これはSDS−PAGEによって確認された。
即時の使用のために、緩衝液(0.4M塩化ナトリウム、0.
1%トリトンX−100(商品名)、および安定剤として0.
02%アジ化ナトリウムを含有する0.01Mリン酸ナトリウ
ム(pH7.4))中で平衡化することにより、固定化tPA阻
害物質を製造した。
次いで、製造された親和性試薬を、すぐ使用できるよう
にカラム(2.3×9.6cm)に充填した。
別法として、カラム法に替わる可能な方法としての大規
模生産時のバッチ処理を容易にするために、フラクトゲ
ルまたは架橋アガロースのごとき、セファロース4Bより
機械的に安定な他の基質上にも阻害物質を固定化した。
(ii)細胞培養およびtPA/プロtPA含有調節培地の製造 ジョージ・ムーア博士(デンバー、コロラド)により確
立されたヒト黒色腫セルラインRPM17272(ボウエス黒色
腫)をtPAの供給源とした。このラインの二次培養が、
ニューヨークのロックフェラー大学のE.ライヒ博士によ
って提供された。細胞は、75cm2のファルコンフラスコ
中に、空気95%およびCO25%の湿性雰囲気下、37℃で維
持した。全面生長した付着単層培養は、およそ1×107
の細胞を含んでいた。これを、10%の熱不活性化牛胎児
血清、ペニシリン300単位/mlおよびストレプトマイシン
200μg/mlを加えたRPMI 1640倍地20mlで覆った。血清
を含まない収穫液を、予熱(37℃)したRPMI 1640で単
層を数回洗浄し、同じ培地20mlで細胞を覆うことによっ
て、集めた。24時間後、tPA/プロtPAを含有する調整培
地を集め、新鮮な、血清を含まない培地と置き換えた。
幾つかの(通常3〜4)連続的な24時間血清不含収穫液
が集められた後、培養は、血清含有培地に再暴露するこ
とにより再生させる必要がある。単鎖のプロtPAから二
鎖のtPAへの変換を防止するために、アプロチニン(シ
グマ)を20KIU/mlの濃度で培地に添加した。
貯蔵のために、収穫液を遠心分離して細胞片を除去し、
トリトンX−100に関して0.1%とした。この方法で処理
した収穫液は、明らかな酵素活性の低下なく少なくとも
−20℃で6か月間保存できた。
(iii)親和クロマトグラフィー 上記(ii)に従って製造された貯蔵黒色腫細胞収穫液の
バッチ群を融解し、0.1M NaOHでpH7.4とし、NaClに関
して0.4M、そしてトリトンX−100に関して0.1%とし
た。アジ化ナトリウムを加えて最終濃度0.02%とした。
次いで、容量が1〜8まで異なる各バッチをワットマ
ン541紙(商品名)で過し、上記(i)のごとく製
造されたtPA阻害物質・アガロースの40mlカラムを4
℃、90ml/時でポンプにより通過させた。全ての場合に
おいて、カラムは、収穫液から全酵素活性を有効に除去
した。引き続き、5カラム容量の平衡緩衝液で洗浄した
が、酵素の置換は起こらなかった。平衡緩衝液中1.6M
KSCNの溶液でtPA/プロtPAの溶離を達成した。
典型的なクロマトグラフィー工程の結果を第2図に示
す。この実験に際しては、アプロチニンの存在下で集め
た6の収穫液をカラムにポンプ注入した。非吸収フラ
クションは測定可能なtPA活性を有しておらず、SDS−PA
GE上に見ることのできる大量の他の蛋白質を含んでい
た。吸着されたtPA/プロtPAは、アミド溶解活性を有す
る単一ピークとして1.6M KSCNで溶出され、これは、類
似の形をした280nm吸収の単一ピークに相当するもので
あった。このピーク中のアミド溶解活性[ツィマーマン
等の方法(プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイ
テッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Nat.Acad.Sc
i.U.S.A.)(1978)75巻750頁)によって測定]は、プ
ラスミンによる処理によってほぼ8倍に増加し、この事
は、このフラクションが主に単鎖のプロtPAを含むこと
を示している。
酵素を含むピークの分析は、カラムがtPA/プロtPAのた
めの親和性試薬として高度に選択性があり、また殆どの
酵素は、実際には単鎖形をとっていることを示した。非
還元条件下における精製された酵素の電気泳動により、
見掛けの分子量が73000および70000ダルトンである、間
隔の狭い2個の著明な蛋白質のバンドが示された。さら
に68000ダルトンにおいて第3の、より強度の小さいバ
ンドも認められた。幾つかの試験においては、微量の11
5000Mrの物が観察された。これらの全ては、70000ダル
トンのtPA成分にまで高められた抗体によって特異的に
阻害されるフィブリン溶解活性のバンドに対応した。tP
A族の蛋白質以外の蛋白質は、銀で染色した精製酵素試
料のゲル中に認められなかった。
還元条件下に電気泳動を行なうと、72000ダルトンの二
重線が残り、見掛けの分子量38000および35000のごく微
量の2個のバンドが現われるようになった。溶出した酵
素をプラスミンと共にインキュベーションすると、全て
の蛋白質が38000および35000ダルトンの形に変換され
た。
本発明者等は、6回の精製試験結果の要約を示す。平均
すると、黒色腫細胞調節培地は、およそ90mg/の蛋白
質を含有し、うち0.3mg/がカラムに吸着され、KSCNに
よって溶出した。収穫液の総tPA含量は、およそ15000FU
/であった。このKSCN溶出液は平均96%のアミド溶解
活性があり、これは270倍に精製された結果である。
精製工程の最後の、tPA阻害物質親和性試薬からのtPAの
満足すべき溶離は、酸・尿素溶液(尿素2M、NH4OAc0.2
M、pH4)のような他の溶液をもってしても達成できる。
実施例14 組換えDNA技術によって得られるtPAおよびプ
ロtPAの、固定化tPA阻害物質を用いた精製 以前欧州特許出願0093619号(4/5/1983)に開示された
ような組換えDNA技術の応用により、tPA/プロtPA含有溶
液を得た。
tPAをコードしている遺伝子を、発現ベクターの発現に
好適な部位に挿入し、得られるベクターを、宿主細胞の
形質転換に使用した。tPA暗号化遺伝子が発現されてい
る、形質転換された宿主セルラインは、液体培地中の固
体支持体上に維持、または支持用栄養物を含有する懸濁
液中で増殖させることによって維持した。栄養物は主
に、培地に血清を加えることにより添加した。単一鎖tP
A(プロtPA)から二重鎖形への望ましくない変換を防ぐ
ために、抗プラスミン物質、例えばアプロチニンもま
た、収穫前に添加した。
この方法において、tPA/プロtPAを含む収穫液は、望ま
しくない血清蛋白質をも含有しており、これは、人間の
患者の処置に適当な医薬用のtPA/プロtPAを得るために
除去すべきである。
血清添加培地からのtPA/プロtPAの精製は以下の方法で
達成された: 中性またはこれよりわずかに高いpHのtPA/プロtPA含有
溶液を、実施例6(i)に従って製造した固定化tPA阻
害物質の1.5×7.5cmカラムに、4℃でおよそ30ml/時の
速度で入れた。吸着されたtPA/プロtPAを1.6M KSCNに
て溶出した。tPAの回収率は、A280およびtPA活性により
測定すると90%であった。溶出したtPAの純度は、比活
性およびSDS−PAGEにより測定した場合、85%であっ
た。
カラムの能力はtPA2〜5mg/mlであるとわかった。ジュベ
ール等の方法[ジュベール等(1981)、ボッペ・ザイラ
ーズ・ツァイトシュリフト・フュア・フィジオロギッシ
ェ・ケミー(Hoppe−Seyler's Z.Physiol)362巻531〜
538頁]により製造された固定化tPA阻害物質を充填した
同一のカラムのカラム能力は、はるかに小さく、カラム
1ml当たりtPAおよそ1mgであることがわかった。
tPAを血清含有培地から医学的用途に適合するよう精製
するためには、上記のような固定化tPA阻害物質を用い
る親和精製に加えて、さらに工程が必要である。例え
ば、以下のプロトコルが適当であるとわかった: 工程1:液体容量を減らし、1段階で高収率および高純度
を得るための、実施例6(i)に従って製造される固定
化tPA阻害物質を使用する親和クロマトグラフィー。
工程2:カルボキシメチルセファロース(イオン交換精
製)またはレクチンまたはHPLC。
工程3:S−200またはS−300(ファルマシア)(セファ
クリル)。
常套の後処理工程の後、これら3工程は98〜100%純度
のtPA生成物を生成する。
【図面の簡単な説明】
第1a図および第1b図は、それぞれ、実施例5における試
料1および2のHPLCグラフである。第2図は、溶離フラ
クションの吸光度とアミド溶解活性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランソワ・ジョアンヌ・ジュベルト 南アフリカ共和国、プリトーリア、メイリ ングヌード・ロード、サイアンティア、カ ウンシル・フォー・サイエンティフィッ ク・アンド・インダストリアル・リサー チ、ナショナル・ケミカル・リサーチ・ラ ボラトリー(番地の表示なし) (56)参考文献 特開 昭59−118717(JP,A) 特開 昭59−110625(JP,A)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】tPAおよび/またはプロtPAと可逆的に結合
    する能力を有する蛋白質試薬であって、17000〜23000ダ
    ルトンの範囲の分子量を有し、非細胞毒性であり、tP
    A、プロtPA、トリプシンおよびプラスミンを阻害する能
    力を持つがウロキナーゼまたはトロンビンを阻害する能
    力は持たず、その特異的tPAおよび/またはプロtPA阻害
    活性が少なくとも60000IU/mgであり、2個のジスルフィ
    ド橋を有し、かつ実質上プロテアーゼを含まない、エリ
    スリナ種の種子から得られるクニッツ型蛋白質分解酵素
    阻害物質からなる、蛋白質試薬。
  2. 【請求項2】tPAおよび/またはプロtPAと可逆的に結合
    する能力を有する蛋白質試薬であって、以下のアミノ酸
    配列: を有し、かつ以下の位置: Cys39〜Cys83およびCys132〜Cys139に2個のジスルフィ
    ド橋を有するか、または機能上類似のアミノ酸配列を有
    し、非細胞毒性であり、tPA、プロtPA、トリプシンおよ
    びプラスミンを阻害する能力を持つがウロキナーゼまた
    はトロンビンを阻害する能力は持たず、実質上プロテア
    ーゼを含まないクニッツ型蛋白質分解酵素阻害物質から
    なる、特許請求の範囲第1項記載の試薬。
  3. 【請求項3】tPAおよび/またはプロtPAと可逆的に結合
    する能力を有する蛋白質試薬であって、以下のアミノ酸
    配列: を有し、かつ以下の位置: Cys39〜Cys83およびCys132〜Cys139に2個のジスルフィ
    ド橋を有するか、または機能上類似のアミノ酸配列を有
    し、非細胞毒性であり、tPA、プロtPA、トリプシンおよ
    びプラスミンを阻害する能力を持つがウロキナーゼまた
    はトロンビンを阻害する能力は持たず、実質上プロテア
    ーゼを含まないクニッツ型蛋白質分解酵素阻害物質から
    なる、特許請求の範囲第1項記載の試薬。
  4. 【請求項4】該阻害物質が、少なくとも該蛋白質試薬の
    80重量%を構成している、特許請求の範囲第1項〜第3
    項のいずれか1項に記載の試薬。
  5. 【請求項5】該阻害物質が少なくとも該蛋白質試薬の90
    重量%を構成している、特許請求の範囲第4項記載の試
    薬。
  6. 【請求項6】該阻害物質の分子中のトリプシン結合部位
    が保護されている、特許請求の範囲第1項〜第5項のい
    ずれか1項に記載の試薬。
  7. 【請求項7】2個のジスルフィド橋を維持しつつ部分的
    蛋白質分解することにより修飾された、特許請求の範囲
    第1項記載の試薬。
  8. 【請求項8】tPAおよび/またはプロtPAと可逆的に結合
    する能力を有する蛋白質試薬であって、17000〜23000ダ
    ルトンの範囲の分子量を有し、非細胞毒性であり、tP
    A、プロtPA、トリプシンおよびプラスミンを阻害する能
    力を持つがウロキナーゼまたはトロンビンを阻害する能
    力は持たず、その特異的tPAおよび/またはプロtPA阻害
    活性が少なくとも60000IU/mgであり、2個のジスルフィ
    ド橋を有し、かつ実質上プロテアーゼを含まない、エリ
    スリナ種の種子から得られるクニッツ型蛋白質分解酵素
    阻害物質からなる、蛋白質試薬を用いて、不純物を含む
    tPAおよび/またはプロtPAの水溶液からtPAおよび/ま
    たはプロtPAを単離する方法であって、 該水溶液を固定化された蛋白質試薬と接触させ、これに
    よって溶液中のtPAおよび/またはプロtPAを選択的に吸
    着させ、tPAおよび/またはプロtPAが吸着された固定化
    された該蛋白質試薬を、不純物を含む該水溶液から分離
    し、そしてこの固定化された該蛋白質試薬からtPAおよ
    び/またはプロtPAを回収する、上記単離方法。
  9. 【請求項9】tPAおよび/またはプロtPAと可逆的に結合
    する能力を有する蛋白質試薬であって、17000〜23000ダ
    ルトンの範囲の分子量を有し、非細胞毒性であり、tP
    A、プロtPA、トリプシンおよびプラスミンを阻害する能
    力を持つがウロキナーゼまたはトロンビンを阻害する能
    力は持たず、その特異的tPAおよび/またはプロtPA阻害
    活性が少なくとも60000IU/mgであり、2個のジスルフィ
    ド橋を有し、かつ実質上プロテアーゼを含まない、エリ
    スリナ種の種子から得られるクニッツ型蛋白質分解酵素
    阻害物質からなる、蛋白質試薬の製造方法であって、 不純物と共に該試薬を含有している水溶液を、該試薬を
    含むと確認された分画を選択しプロテアーゼを含む分画
    を排除する1またはそれ以上の分別工程に付す、上記製
    造方法。
  10. 【請求項10】水溶液がエリスリナ種の種子の水性抽出
    液である、特許請求の範囲第9項記載の方法。
  11. 【請求項11】分別工程が疎水性ゲルを用いるクロマト
    グラフィーを含む、特許請求の範囲第10項記載の方法。
  12. 【請求項12】少なくとも以下の分別工程: (a) サイズ排除クロマトグラフィー、 (b) イオン交換クロマトグラフィー、 (c) 疎水性クロマトグラフィー、 からなる、特許請求の範囲第11項記載の方法。
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