JPH0694202B2 - 緩衝体及びその製造方法 - Google Patents

緩衝体及びその製造方法

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JPH0694202B2
JPH0694202B2 JP1042131A JP4213189A JPH0694202B2 JP H0694202 B2 JPH0694202 B2 JP H0694202B2 JP 1042131 A JP1042131 A JP 1042131A JP 4213189 A JP4213189 A JP 4213189A JP H0694202 B2 JPH0694202 B2 JP H0694202B2
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thermoplastic resin
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照男 岡本
和夫 田渕
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Inaba Rubber Co Ltd
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Inaba Rubber Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、精密機器等に取付けられて振動や衝撃を緩
衝する緩衝体に関する。
〔従来の技術〕
周知のように、振動や衝撃に対して、その機能が損なわ
れ易いCDプレーヤー、精密天秤、測定機等の精密機器に
は、所要箇所に緩衝体が取付けられている。このような
緩衝体として、ゴム材料を所定形状に成形したものや、
シリコーンオイルを容器に封入したものがあり、また、
シリコーンゲル単体を精密機器の所要箇所に直接付着さ
せることも行われてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記した従来の技術によると、ゴム材料
では微小な振動や衝撃を緩衝せず、またシリコーンオイ
ルを容器に封入したものは、その容器の構造が複雑であ
るため製造に手間がかかり、更にまたシリコーンゲルを
精密機器に直接付着させるには、シリコーンゲル表面の
高い粘着性が取り扱いに不適当であり、加えてシリコー
ンゲル単体では引っ張り強度や圧縮荷重に対する強度が
弱く、精密機器の一部を支持する状態に取付けることが
できないという問題点がある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明者は、以上のような従来の緩衝体の諸欠点に鑑
みて種々考察した結果、この発明を完成させるに至った
ものであって、その手段とするところは、熱可塑性エラ
ストマーまたは熱可塑性樹脂からなり一側に膨出部を形
成したシートと、上記膨出部内に充填された針入度50〜
150のシリコーンゲル硬化体と、熱可塑性エラストマー
または熱可塑性樹脂からなり上記シートの他側に溶着一
体化されてシートとの間に上記シリコーンゲル硬化体を
封入する平板状の薄板と、この薄板における上記シート
との溶着面と反対側の面に被着される粘着材とを備え、
上記シートの膨出部表面に上記薄板とほぼ平行な平面部
を設けたことにあり、また、前記外被体に粘着材を被着
したことにあり、また、熱可塑性エラストマーまたは熱
可塑性樹脂でなるシートの一側に中空の膨出部をこのシ
ートの他側に開口させて複数個成形し、前記膨出部の中
空部分に液状シリコーンゲルを充填した後、この液状シ
リコーンゲルを硬化させて針入度50〜150のシリコーン
ゲル硬化体と成し、別途設けた熱可塑性エラストマーま
たは熱可塑性樹脂でなる薄板の一方の面に粘着材を被着
すると共にこの薄板の他方の面を前記シートの他側に溶
着一体化することにより前記シリコーンゲル硬化体を密
封する複数の外被体を形成し、次いで夫々の外被体毎に
切割して分離させて緩衝体を製造することにある。
〔作用〕
上記した手段によると、熱可塑性エラストマーまたは熱
可塑性樹脂からなるシートの中空の膨出部には液状シリ
コーンゲルが充填され、その後、液状シリコーンゲルを
硬化させて針入度50〜150のシリコーンゲル硬化体と成
し、別途設けた熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹
脂からなら薄板を前記シートに溶着して密封された外被
体を形成するので、所要の針入度のシリコーンゲル硬化
体が充填封入された緩衝体が容易に得られる。また、こ
の緩衝体は、熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂
からなる外被体を有することにより、シリコーンゲル単
体の場合に比べて引っ張り強度や圧縮荷重に対する強度
等の機械的強度が向上すると共に、シリコーンゲル硬化
体の表面の粘着性に係る取り扱い難さが解消される。そ
して、このシリコーンゲル硬化体に外被体に介して微小
な振動や衝撃が伝達された場合には、シリコーンゲル
は、全方向にエネルギーを分散させ且つまた変形して、
振動や衝撃を緩衝する。
〔実施例〕
この発明の実施例を以下第1図乃至第8図に基づいて説
明する。
緩衝体1は、第1図及び第2図に示すように、熱可塑性
エラストマーでなる中空の外被体2の内部に、石油・ア
スファルト針入度試験JISK 2530による針入度50〜150の
シリコーンゲル硬化体3を隙間なく充填封入している。
この外被体2は、一側に膨出部4aを形成した熱可塑性エ
ラストマーでなるシート4と、このシート4の他側に溶
着可能に別途設けた熱可塑性エラストマーでなる薄板5
とからなり、この薄板5の一方の面には、粘着材6及び
剥離用シート7を被着している。第1図及び第2図から
明らかなように、薄板5は平坦な平板状に形成するとと
もに、シート4における膨出部4aの表面に平面部4bを設
け、且つ平面部4bと薄板5とを互いにほぼ平行としてい
る。本緩衝体の使用例として、例えば、精密機器(また
はその一部)を本緩衝体を介して平坦な支持面上に載置
する場合を考えると、剥離用シート7を剥離して粘着材
6により本緩衝体を精密機器の底面に取り付けるのみで
良い。この状態で、平坦な薄板5が精密機器への取付部
になるとともに、シート4の平面部4bが上記支持面に対
する接触部を成し、精密機器が本緩衝体により安定的に
防振支持される。また、第3図(a)及び第3図(b)
に示す縦横方向に複数個連結された緩衝体1は、同時に
形成されたもので、夫々の緩衝体1毎に切割して分離可
能となるように、切り込み8が設けられている。
以上のような構成の緩衝体1は、例えば次のようにして
作成される。
先ず、第4図に示すように、厚さ0.1〜0.5好ましくは厚
さ0.2mmの熱可塑性エラストマーでなるシート4(日本
マタイ(株) エスマーURS)をプレス金型9でプレス
成形する。この場合、雄型9aには縦横に適当間隔で配列
された複数の山型9cを突設し、雌型9bには、この山型9c
に対応する凹部9dを形成している。そして、前記プレス
金型9を110℃に加熱し、前記した熱可塑性エラストマ
ーからなるシート4を雄型9aと雌型9bの間に挿入し、10
kg/cm2の圧力で約10秒圧締する。その後、成形されたシ
ート4を取り出し、室温で放置するか又は冷却装置(図
示せず。)で強制的に冷却し、型形状を固定する。この
ようにすると、第5図に示すように、シート4の一側
(図中下側)の複数箇所が膨出され、このシート4の他
側(図中上側)に中空部分10が開口部12を有することと
なり、外被体の膨出部4aが複数個一体に成形される。
次に、第6図に示すように、膨出部4aをその外形状を保
持させるための雌型11に嵌合し、開口部12の上向きの状
態とする。この状態で、中空部分10に液状シリコーンゲ
ル3a(信越化学(株)KE1052 A:B=1:1重量比配合)を
開口部12と同一の高さにまで充填する。次いで、加熱機
(図示せず。)により120゜で20分加熱し、液状シリコ
ーンゲル3aを硬化させて針入度50〜150好ましくは針入
度65のシリコーンゲル硬化体3とする。
一方、第7図に示すように、熱可塑性エラストマーは、
別工程で厚さ0.2〜2.0mm好ましくは0.5mmの薄板5に成
形し、その薄板5の一方の面(第7図中下面)にアクリ
ル樹脂系感圧粘着材6a(日東電工(株) NO.501K)を
被着させる。次に、この薄板5の他方の面(第7図中上
面)を開口部12に密接させて、熱溶着装置13で夫々の開
口部12の周囲を150℃で5秒間加熱してシート4と薄板
5を溶着一体化する。この場合、溶着方法として上記し
た熱溶着の他、高周波溶着または超音波溶着を採用して
もよい。
このようして、中空部分10にシリコーンゲル硬化体3が
封入された外被体2には、後に単一の緩衝体1毎に分離
して使用するため、第8図に示すようにハーフカットマ
シン14を用いて、溶着された部分に切り込み8を設け
る。このとき、薄板5の一方の面に被着されたアクリル
樹脂系感圧粘着材6aを更に被覆する剥離用シート7が貼
着されている場合には、この剥離用シート7を切り込ま
ずに残すと、使用時まで複数個の緩衝体1を一組として
取り扱えるので便利である。
尚、上記した実施例において、外被体2の素材として、
熱可塑性エラストマーを使用しているが、熱可塑性樹脂
を使用しても同様の作用効果のある緩衝体1を製造でき
る。また、外被体2の成形方法は、上記したプレス成形
ばかりでなく、射出成形によっても行うことができ、成
形された外被体2の形状も、この実施例に限定されるも
のではない。
次に、比較のため、上記実施例の外被体2と同形状の試
験片A(ゴム材質NBR70Hs)を形成し、衝撃吸収力の比
較試験を行った。試験方法は、第9図に示すように10g
の重り15を吊支して45゜の角度で傾斜状態に吊り下げ、
次いで振り落として前記試験片Aまたは上記実施例の緩
衝体1に衝突させて、これをピックアップセンサー16
(ENDEVCO 215E)で衝撃力を感知し、チャージアンプ17
(日本電気三栄(株)6D07)にその信号を伝達し、更に
アナライジングレコーダ18(横河北辰電機(株)MODEL
3655)で加速度に換算して表示させた。そのの結果を第
10図に示す。
この結果によると、この発明の実施例である緩衝体1の
衝撃力の吸収a(第10図中実線)は、第10図のグラフに
おいて加速度の急激な増減変化がないことから明らかな
ように、従来のゴム材による衝撃力の吸収b(第10中鎖
線)に比べて良好であって、精密機器に取り付けた場合
でも振動や衝撃を吸収する緩衝体として適当であること
が判明した。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、この発明の緩衝体及
びその製造方法によると、シリコーンゲル硬化体が、熱
可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂に封入された状
態で容易に変形して振動や衝撃のエネルギーを分散する
ので、各種の精密機器の緩衝部材として適当であり、ま
た、シリコーンゲル単体の場合に比べて引っ張り強度や
圧縮荷重に対する強度等の機械的強度が向上し、しかも
緩衝体の表面も粘着しないので取り扱いが便利であり、
更には、外被体をなす薄板に粘着材が被着されて各種の
精密機器への取付けが容易となり、また緩衝体の製造方
法も容易且つ安価な材料を使用し得るから大量生産に適
した産業上価値の高いものである。また、本緩衝体は第
1の平坦部である薄板が被緩衝体としての精密機器等へ
の取付部を成すとともに、第2の平坦部であるシートの
平面部が上記精密機器等を支持する支持部に対する接触
部(または取付部)を成すので、上記精密機器等が安定
的に防振支持される。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図はこの発明の実施例を示し、第1図は
緩衝体の斜視図、第2図は第1図のII−II線断面図、第
3図(a)は複数の緩衝体を配列した場合の断面図、第
3図(b)は同平面図、第4図乃至第8図は緩衝体の製
造工程を説明する縦断面図、第9図及び第10図はこの発
明の実施例である緩衝体と従来の緩衝体の衝撃吸収力の
比較例を示し、第9図は衝撃吸収力の測定方法の説明
図、第10図は加速度と時間の関係を示すグラフ。 1……緩衝体、 2……外被体、 3……シリコーンゲル硬化体、 3a……液状シリコーンゲル、 4……シート、 4a……膨出部、 5……薄板、 6……粘着材、 10……中空部分。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 83:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂
    からなり一側に膨出部を形成したシートと、上記膨出部
    内に充填された針入度50〜150のシリコーンゲル硬化体
    と、熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂からなり
    上記シートの他側に溶着一体化されてシートとの間に上
    記シリコーンゲル硬化体を封入する平板状の薄板と、こ
    の薄板における上記シートとの溶着面と反対側の面に被
    着される粘着材とを備え、上記シートの膨出部表面に上
    記薄板とほぼ平行な平面部を設けてなる緩衝体。
  2. 【請求項2】熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂
    でなるシートの一側に中空の膨出部をこのシートの他側
    に開口させて複数個成形し、前記膨出部の中空部分に液
    状シリコーンゲルを充填した後、この液状シリコーンゲ
    ルを硬化させて針入度50〜150のシリコーンゲル硬化体
    と成し、別途設けた熱可塑性エラストマーまたは熱可塑
    性樹脂でなる薄板の一方の面に粘着材を被着すると共に
    この薄板の他方の面を前記シートの他側に溶着一体化す
    ることにより前記シリコーンゲル硬化体を密封する複数
    の外被体を形成し、次いで夫々の外被体毎に切割して分
    離させることを特徴とする緩衝体の製造方法。
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