JPH0693981B2 - 気体選択透過膜 - Google Patents

気体選択透過膜

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JPH0693981B2
JPH0693981B2 JP1096286A JP1096286A JPH0693981B2 JP H0693981 B2 JPH0693981 B2 JP H0693981B2 JP 1096286 A JP1096286 A JP 1096286A JP 1096286 A JP1096286 A JP 1096286A JP H0693981 B2 JPH0693981 B2 JP H0693981B2
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polymer
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permeability
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隆 能美
敏文 深井
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、気体混合物から少なくとも一種類の気体を分
離、濃縮または希薄化せしめる気体分離用複合膜に関す
る。
(従来の技術) 混合気体から特定の成分気体を分離することは、工業的
に重要なプロセスである。例えば、石油精製業界におい
ての水添プラントで発生する水素は、濃度が希薄、低圧
力、量が少量等の理由から、回収メリツトがなく、燃料
として用いられるか、廃棄、すなわち、大気中で燃やさ
れていた。このような水素の回収、石炭ガスから発生す
る水素と一酸化炭素の混合気体のモル比調節、リフオー
マーから発生する水素の濃縮、アンモニア合成プラント
等のパージガスからの水素回収、アンモニア、水素のモ
ル比調節、メタノール合成プラント等のパージガスから
の水素回収、オキソ合成ガス中の水素と一酸化炭素のモ
ル比調節、空気中からの酸素濃縮、空気中から窒素の濃
縮、地下に埋められた廃棄ゴミ中からメタンの濃縮等で
ある。
最近、これらの気体分離に高分子膜が用いられるように
なつてきた。高性能な高分子膜の出現と共に、在来プロ
セスに比べ省エネルギーで、コンパクト、取扱いが簡単
等の理由により、さらに高性能の膜が要求されているの
は有名である。
高分子膜の気体分離への応用については、均質膜、多孔
膜、複合膜等種々の膜についての研究が行われるように
なつた。
気体分離膜として従来から知られているものには、次の
三つのタイプがある。
第一のタイプは、特開昭50−99971に見られるような芳
香族、イミド、エステル、アミド等を主鎖に持つ高分子
よりなる均一なフイルム、特公昭39−30141に見られる
ようなポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の
均質膜中空糸フイラメントよりなるものである。
第二のタイプは、所望の分離係数を有する高分子を適当
な多孔性支持体膜上に極薄膜として形成させるものであ
り、実用上有益な程度に気体の透過速度を大きくするた
めには、極薄膜の厚さを1μm以下、望ましくは0.1μ
m以下の膜厚にしなければならない。シリコーン膜を利
用した例は、特開昭51−89564号等に開示されている。
しかし、このような極薄膜をピンホールなく工業的に生
産するためには、空気中のゴミ等の影響を受けるため
に、コーテイングポリマー溶液と空気を極限まで清浄化
する必要があり、フリーンベンチを用いた高度な清浄化
システムの導入、振動防止等を採用したとしても、潜在
的欠陥を埋めることはできず、支持体上にすくい上げ、
さらに、二〜三層積層する必要があり、製造工程も複雑
で収率も悪くコスト高となり、工業的実施に不向きであ
る。
第三のタイプは、特開昭52−55719号や特開昭53−86684
号に開示されているように、気体に対して高い気体選択
性を有する高分子多孔膜上に、シリコーンゴムや液体の
ような低い気体選択性を有し、浸透性のあるゴムを多孔
膜に浸透させ、多孔膜表面にあるピンホールをゴムで閉
塞させる方法である。この方法では、コーテイングをす
る材質が浸透して、多孔膜表面にあるピンホールを全て
閉塞させないと、膜の選択透過性が上がらず、また、こ
のためには多孔膜の孔径も小さくしなければならず、こ
のため、多孔膜の気体透過度も低いものを使用せざるを
えない。これらの結果、コーテイング材が中空糸奥深く
まで侵入し、余分なコーテイング材が中空糸多孔膜のう
めなくてもよい孔まで閉塞して抵抗が増すし、多孔膜も
小さい気体透過度のものを用いなければならない。
(発明が解決しようとする問題点) 上に述べたように、従来の技術では、いずれも欠点を有
する。
特に最後に述べた方法について、さらに述べるならば、
多孔膜中空糸を紡糸する高分子溶液には、様々のゴミ、
触媒等の不純物が含まれており、これらのゴミは、普通
紡糸前に10〜100μm程度の孔を有するフイルターで
過除去されるが、0.1μm以下のゴミを除去すること
は、原液の粘度が高いこと、また、過すべき原液量が
多量であることから、過中目づまりによつて過圧力
が上昇し、不可能である。したがつて、不純物を含んだ
原液から紡糸される中空糸多孔膜が多くの欠陥を持つこ
とは避けられない。それ故、膜上にできた大きな孔(欠
陥)を閉塞するために、浸透性シリコーンゴム、液体等
を使用するが、完全に大きな孔を閉塞することは、過剰
なシリコーン含浸を余儀なくされ、透過係数が小さくな
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記問題点を解決するため鋭意研究を重
ねた結果、本発明を完成するに到つた。
すなわち、本発明は、ポリスルホン系樹脂よりなる多孔
膜上に、 (a)下記(1)式で示される繰り返し単位からなるジ
ビニルベンゼン系重合体か、 (式中、R3は水素または炭素数1〜8の炭化水素を表わ
す。) (b)上記(1)式で示される繰り返し単位を有するジ
ビニルベンゼン系共重合体か、 (c)ポリスチレン系樹脂と上記(a)および/または
(b)の重合体とのブレンド物か、 (d)上記(a)〜(c)のいずれかの架橋物 がコーテイングされていることを特徴とする気体選択透
過膜である。
まず、本発明で用いられるポリスルホン系樹脂は、耐熱
性、耐溶剤性、気体透過性、選択透過性にすぐれた重合
体であり、次の繰り返し構造単位を有する脂肪族または
芳香族ポリスルホンである。
ただし、R1、R2は同一または異なつた約1〜40の炭素原
子を含む脂肪族または芳香族炭素原子よりなる化合物を
表わす。さらに好ましい重合体は、下記の式(3),
(4)および(5)で示される芳香族ポリスルホンであ
る。
ただし、X,X1,X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8はメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フツ素、塩素、
臭素、沃素のハロゲン等の非解離性置換基、または−CO
OH、−S3OH、−NH3、−N▲H+ 4▼等の置換基を表わ
し、i,m,n,o,p,q,r,s,tは1または4以下の整数であ
る。
ポリスルホン系樹脂の平均分子量は5000〜100000であ
り、好ましくは10000〜100000である。分子量が小さい
と製膜された膜の機械的強度が上がらず、また、糸に欠
陥が生じ易い。
ポリスルホン系樹脂を溶解する溶媒としては、ポリスル
ホン系樹脂を溶解させるものであれば、どれでも使用で
きるが、好ましくはヘキサメチルホスホルアミド(HMPA
の略称)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド等、
およびこれらのジプロピル、ジプチル化物、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホオキシド、アセチルピペリ
ジン、ホルミルピペリジン、ホルミルモルホリン、アセ
チルモルホリン、テトラメチルウレア等の任意に水と相
溶性のある極性有機溶媒がよい。
紡糸用の重合体溶液には、重合体の非溶媒を少量含有さ
せることもできる。非溶媒とは、重合体を溶解する能力
のほとんどない溶媒を云う。この非溶媒の添加によつ
て、得られる中空糸膜の気体透過性能の向上が期待でき
る。可能な非溶媒の添加量は、個々の非溶媒により異な
るが、多くの場合、重合体溶液に対して20重量%以下で
あり、好ましくは15重量%以下、さらには1〜10重量%
の範囲である。20重量%を超える量の添加では、重合体
溶液の安定性を損ない、白濁や失透を生じさせるおそれ
がある。しかし、原液を高温にする場合では、50重量%
程度まで非溶媒を添加することもあり得る。用いること
のできる非溶媒としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール(平均分子量200〜6000)、テトラエチレ
ングリコール等のグリコール類、ホルムアミド、アセト
アミド、水、トリメチルアミン、イソプロピルアミン、
メタノール、エタノール、プロパノール、ニトロメタ
ン、2−ピロリドン、酢酸、蟻酸、グリセリン、グリセ
ロール等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトンが挙げられる。また、塩化リチウム、臭化リチウ
ム、塩化ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、
亜硝酸ナトリウム、塩化亜鉛、過塩素酸マグネシウム等
の低分子無機塩の添加も有用である。無機塩を添加する
ことにより、溶媒のポリマーに対する溶解度が増大する
と共に重合体溶液の安定性が増大する。
重合体溶液の重合体濃度は17〜50重量%、好ましくは20
〜35重量%である。17重量%未満の濃度では低すぎて、
中空糸を紡糸し、凝固させる際に、気体を選択的に分離
する表面活性層を形成することができず、気体の選択透
過係数の著しい低下を引き起こす。また、重合体濃度が
35重量%を超えると、濃すぎて形成される膜表面の活性
層が厚くなるので、気体の透過性が著しく低下する。
重合体溶液の粘度は、30℃において1000センチポイズ以
上106センチポイズ(cps)以下であることが望ましい。
粘度が1000cps未満では低すぎて、高分子重合体が溶液
中で充分に広がつていない状態か、または低濃度重合体
溶液であるために、良い中空糸は得られ難い。一方、重
合体溶液の粘度が106cpsを超えた場合、このような粘稠
な溶液をノズルから押し出すのに要する圧力が高くなり
すぎるばかりでなく、このような原液を過してゴミを
除く際にも、高圧力下で過しなければならず、容易に
きれいな原液を得ることが困難である。
紡糸用原液の温度は0〜200℃、好ましくは0〜100℃で
ある。原液温度が0℃より低いと、原液の粘度が上が
り、過し難いだけでなく、中空糸用紡口から原液を押
し出す際に吐出圧力が高くなり、中空糸を紡糸し難くな
る。また、得られる中空糸膜の気体の分離係数も低下す
るので好ましくない。一方、200℃を超えると、多くの
溶媒が沸点以上の温度となり、蒸発し易くなるので発泡
が生じ好ましくない。しかし、200℃以上であつても、
沸点が200℃以上の溶媒を用いる場合は、好ましい原液
温度として採用することもできる。
紡糸原液は紡糸前に過される。材としては、金属粉
末を焼結した焼結多孔体、ステンレス等のメツシユフイ
ルター、高分子材料のテフロン、ポリエチレンなどによ
つて作られた高分子多孔膜、繊維を集合させた紙等が
挙げられる。材の孔の大きさは小さいほどよく、10μ
m以下、好ましくは2μm以下の孔径のものがよい。孔
径が10μmを超えると、中空糸表面の気体分離を行うス
キン層中に大きなゴミ、不純物等が混入し易く、気体の
選択透過性を上げることはできない。
凝固液としては、水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール等のグリコール類、エーテ
ル、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ペンタン等の脂
肪族炭化水素類、グリセリン等のグリセロール類などポ
リマーを溶解しないものであれば何でも用いることがで
きる。好ましいのは、水、アルコール類またはこれらの
液体との2種以上の混合液体である。また、これらの液
体中に溶媒を加えて凝固速度を遅くすることも可能であ
る。例えば、水にDMAc、DMF、NMP、ヘキサメチルホスホ
ルアミド等のポリスルホン系樹脂溶媒を50重量%混入さ
せてもよい。これらの凝固液は、中空糸の外部凝固液と
して用いられ、内部凝固液としても用いられる。
中空糸の内部凝固液は、前述の凝固液と同じものも用い
ることができるが、さらに窒素、空気、不活性気体への
ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、
フロン系気体を注入してもよい。
凝固液温度は0〜80℃で、好ましくは0〜60℃、より好
ましくは0〜50℃である。80℃を超えると、得られる中
空糸膜の気体の選択分離性が悪くなり好ましくない。ま
た、あまり低すぎると、凝固液として用いている液体が
固化するので、液体の凝固点以上がよい。
紡糸速度は1〜50m/minがよく、1m/min未満の速度で
は、中空糸が紡口を離れて凝固液に達するまで空気中を
通過する時間が長くなりすぎ、中空糸の形状を保たせる
ために内部凝固液注入速度をバランスさせるのが難しく
なり好ましくない。また、50m/minを超える速度では、
糸を高速で引つ張るために糸の伸延が生じ易く好ましく
ない。
空中走行距離、すなわち、ノズルから凝固液までの距離
は0.1〜50cm、さらには1〜15cmがよく、あまり長すぎ
ても、中空形状が崩れるので好ましくない。また、0cm
にするとノズルの原液吐出口付近にノズルと凝固液の温
度差により気泡が発生し、中空糸膜の透過性能にばらつ
きが生じ易く好ましくない。
原液は、ノズルより吐出後空気中に出ると、原液中に空
気中の水分が混入して、中空糸表面スキン層の孔径が大
きくなるので、ノズルより凝固液までの間は、窒素ガ
ス、ヘリウムガスなどの水分を含まない一定温度の気体
を満たしたフードで囲つて、一定流量で流してやるのが
よい。気体を流動させないと、原液中の溶媒蒸気が蒸発
して濃度が上がつてくるために、一定品質の中空糸を得
ることが難しい。あまり流量を上げすぎても、気体によ
つて中空糸が振動を始めるので好ましくない。また、気
体は1μm以下のフイルターでゴミを完全に除去しなけ
ればならない。
一般に、前記のような湿式製膜法により紡糸される中空
糸の構造は、スキン層、ボイド層等である。すなわち、
中空糸の少なくとも片面に存在するスキン層と、これを
支持する支持層よりなる。スキン層は高分子物質の密に
詰まつた重合体からなり、走査顕微鏡写真により200Å
以上の空孔の存在は認められないものである。スキン層
の厚みは10μm以下である。支持層は均一な細胞よりな
る場合もあるが、ボイドが存在する場合もある。ボイド
の存在は、透過性を向上させるので好ましいが、極度に
大きいものは、機械的強度を下げるので好ましくない。
このような多孔膜構造中、気体分離に有効なのは表面の
スキン層である。このスキン層は、多孔構造を有し、孔
径分布を持つている。気体分離を行なう際、孔径分布の
すその大きな孔の部分は、気体を透過させると、その時
の気体の圧力、温度等の透過条件により、自由分子流れ
になつたり、粘性流れになり、いずれにせよ、気体分離
特性を低下させる。特に、孔径分布中最大孔径の部分
は、ピンホール等と呼ばれている。
ポリスルホン多孔膜上に存在するピンホールは、ガス透
過において、分離特性に悪い影響を与えることは言うま
でもない。このため、多孔膜のデキストランMw70000に
対するカツト率は90%以上のものがよい。90%未満のも
のは、ピンホールが多く適さない。
ここで、再度従来技術と本技術の差について説明し明確
にする。上記のピンホールをうめるために、種の工夫が
なされてきたが、室温重合タイプのシリコーン(RTVシ
リコーン)や、種々のゴム等を用いたり、液体を担持さ
せたりしている例が知られている。
しかし、これらのゴム類や液体等の気体に対する選択透
過性は非常に小さく、例えば、水素と窒素の分離に関し
て、選択透過係数 は約2である。したがつて、支持多孔体の分離特性を出
させるようにピンホールをうめるためには、厚くコーテ
イングをして、この部分からの気体のもれを閉塞しなけ
ればならない。事実、RTVシリコーン等を多孔膜表面に
コーテイングすると、これらのゴル類は浸透性が大きい
ために、厚いコーテイングがなされると共に、中空糸内
部に入り込み、気体の透過に有効な支持多孔体中の貫通
孔までもふさぎ、透過性を低下させる。シリコーンは浸
透性が大きく、中空糸表面の孔から多量のシリコーンが
入りすぎ、また、選択透過性が小さすぎる。しかし、も
し、コーテイングを大きな気体選択性を有するもので行
えば、この部分からもれ出てくる気体も、選択されて出
てくるので、この部分のコーテイングを薄くすることが
できるばかりか、多孔質自身、大きな孔径分布、大きな
平均孔径を有する膜でも、コーテイングにより高い選択
性を得ることができる。このため、複合膜の透過性を高
めることができる。
多少コーテイングが不完全であつてもかまわないわけで
ある。
本発明においては、ポリスルホンと親和性の高い高分子
量の前記(a)〜(d)に特定する重合体を用いること
により、高透過性、高選択透過性を達成することができ
た。すなわち、孔径分布を有する多孔膜表面と高分子量
ポリスチレン溶液をすい込ませると、高分子量であるた
めに、大孔径の孔にうまくはまり込み、この部分に前記
(a)〜(d)の重合体膜を形成することになる。
しかし、高分子量であるために、孔中内には浸入せず
に、うまく孔中に皮膜を形成するので、多孔膜自身の気
体透過性の減少を最少限にすることができる。
前記(a)〜(d)の重合体をポリスルホン多孔膜上に
コーテイングする際に、いくつかの困難がある。一番の
困難は、コーテイング用溶媒の選択である。これは、ポ
リスルホン系樹脂が有機溶媒に侵されやすいという弱点
を持つことにある。ベンゼン、スチレンモノマージビニ
ルベンゼン、キシレンなど芳香族系液体、ジクロルメタ
ン等塩素系炭化水素、テトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミド等極性溶媒など多くの溶媒に容易に溶ける。
また、ポリスルホン樹脂は溶解はしなくても、アセトン
等では容易にストレスクラツクを生じて、ひび割れ等を
生じる。
ポリスルホン多孔膜は、樹脂に比べてさらに鋭敏であ
る。アクリロニトリル、ジオキサン等で、樹脂では長期
間にわたり変化のない溶媒中においても、容易に膨潤し
やすく、不可逆に膨潤しやすいために、ガス分離に有効
な表面孔は、これらの溶媒で容易に破壊されてしまい、
再生不能である。
ポリスルホン上にコーテイング可能な溶媒は、非常に限
定される。本発明では、ポリスルホン多孔膜がシクロヘ
キサン中で特異的に溶媒に侵されず、ガス分離を行う多
孔膜表面孔がコーテイング乾燥操作で再生されること、
また、前記(a)〜(d)の重合体が35℃以上でシクロ
ヘキサン溶媒に安定に溶解し、均一溶液を形成させるこ
と、さらに、該重合体/シクロヘキサン希薄溶液を、35
℃以上でガス分離膜に塗布し、35℃以上に保ちながら
(表面の温度が溶媒蒸発の潜熱をうばわれても、35℃以
下に下がらないように十分な熱を加えてやる)乾燥する
と、表面に均一なコーテイングができることを確認し
た。
次に、本発明のコーテイングに用いる重合体について説
明する。まず、(a)下記(1)式で示される繰り返し
単位からなるジビニルベンゼン系重合体が用いられる。
(式中、R3は水素または炭素数1〜8の炭化水素を表わ
す。) ここで、R3は例えば、イソプロピル基、エチル基、メチ
ル基、水素等であるが、水素のものが入手しやすい。ま
た、ベンゼン核におけるエチレン主鎖とビニル基との位
置関係は、メタ位もしくはパラ位が好ましく、パラ位の
ものが入手しやすい。分子量は104以上、107以下である
ことが好ましく、104未満では、コーテイング後、フイ
ルムにフラツクが入りやすく、強度が弱いために、透過
性、選択透過性が変動するので好ましくない。107を超
えると溶解性に問題がある。本発明に用いるジビニルベ
ンゼン系重合体には、分子鎖中に僅かの枝分れのあるも
のも含まれる。
(1)式で示される重合体は、テトラヒドロフラン等の
非プロトン性溶媒中、ジイソプロピルアミンの存在下
に、リチウムジイソプロピルアミドとジビニルベンゼン
を反応させることによつて製造される。
この反応によつてできる重合体は、パラ−1,4−ジビニ
ルベンゼン、メタ−1,4−ジビニルベンゼンをモノマー
とした時は、それぞれポリパラ−1,4−ジビニルベンゼ
ン、ポリメタ−1,4−ジビニルベンゼン、粗製の1,4−ジ
ビニルベンゼン、パラおよびメタ位の1,4−ジビニルベ
ンゼンおよびジエチルベンゼン、エチルスチレンの混合
物を反応させた時には、1,4−ジビニルベンゼンのパラ
位のものとメタ位のものがランダムに共重合するが、バ
ラ位のものの反応が速いために、ブロツク的なものが得
られやすい。しかし、モノマーの添加スピードをコント
ロールすれば、ランダムなものも得られる。また、ジビ
ニルベンゼンはオルト、メタ、パラ体もしくはその混合
物のいずれでもよいが、反応の進みやすさから、パラジ
ビニルベンゼンが得やすい。
次に、(b)前記(1)式で示される繰り返し単位を有
するジビニルベンゼン系共重合体は、例えば、不活性極
性溶媒中、ジイソプロピルアミン、n−ブチルリチウム
中、ジビニルベンゼンと下記の(6)式で示される単量
体の混合物を混合することにより製造することができ
る。
〔式中、Xは水素、メチル基、シアノ基またはハロゲ
ン、Yはフエニル基、−COOR4(R4は炭素数1ないし20
の炭化水素基)、シアノ基、−COR5(R5は炭素数1ない
し12の炭化水素基)、ニトロ基、ピリジル基、OCO−R6
(R6は炭素数1ないし12の炭化水素基)またはハロゲン
を表わす。〕 中でも、Xとして水素またはメチル基が、Yとしては、
フエニル基、シアノ基または−COOR4等の電子吸引基が
好ましい。さらに、R4としては、メチル基、エチル基ま
たはオクチル基が、反応のしやすさ、原料入手のしやす
さから好ましい。
(6)式に示される単量体として代表的な例をあげるな
らば、スチレン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メチルビ
ニルケトン、ニトロエチレン、ビニルピリジン、α−メ
チルスチレン、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸
エチル、メタアクリル酸オクチル、イソプロペニルメチ
ルケトン、メタクリロニトリル、α−シアノアクリル酸
エチル、1,1−ジシアノエチレン等であるが、中でも、
コーテイング時の溶媒の相溶性、化学的性質が近いこと
から、スチレンが好ましい。
共重合体の分子量は高分子ほど良く、好ましくは104
上、107以下であり、104未満の分子量では、コーテイン
グ物が不安定で、容易に透過性、選択透過性が変化する
ので好ましくない。また、共重合体中のポリビニルベン
ゼンの割合は多いほど良く、共重合体によつては、支持
体のポリスルホン系中空糸を溶解しない溶媒がなく、コ
ーテイング不能となるので好ましくない。
しかし、スチレンのようにジビニルベンゼンと性質の近
いものでは、溶解性に問題がなく、任意の割合で共重合
したものが、シクロヘキサン等のポリスルホン中空糸を
溶解しない溶媒に溶解させることができる。
ジビニルベンゼンの量が多いほど架橋しやすく、耐熱、
耐溶媒性に優れたものが得られやすい。
次に、(c)ポリスチレン系樹脂の前記(a)および/
または(b)の重合体のブレンド物であるが、ここで用
いるポリスチレン系樹脂はどんなものでもよいが、好ま
しくは重量平均分子量104以上、108以下、さらに好まし
くは105以上、107以下が好ましい。ポリスチレン系樹脂
が高分子量なほど、コーテイング後に強度が出るばかり
か、コーテイング物にクラツク等が入らず、透過性、選
択透過性が安定するので好ましい。104以上ではコーテ
イング物の安定性が増すが、108を超えると溶解性が乏
しくなり好ましくない。
ポリ−1,4−ジビニルベンゼンの割合は多いほど良く、
架橋密度が増し、コーテイング物の耐熱、耐溶媒性が向
上する。好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5
重量%以上である。
ポリスチレン系樹脂は共重合体であつてもよいが、ポリ
スチレンが共重合体である場合、ポリスチレンおよびポ
リジビニルベンゼン中のスチレン、ジビニルベンゼンユ
ニツトが全体の70モル%を超えるのが好ましく、70モル
%以下では溶解性が悪くなるので好ましくない。
次に、(d)前記(a)〜(c)のいずれかの架橋物で
あるが、ここで用いることのできる架橋物は、ポリジビ
ニルベンゼンの部分の二重結合をUV、電子線、熱により
架橋させたものである。この際、バーオキサイド等を加
えて架橋しやすくすることもある。ジビニルベンゼン系
重合体コーテイング溶液の濃度は10-3〜10重量%、好ま
しくは10-2〜5重量%がよく、これ以上の濃度では、コ
ーテイング層が厚く透過性が低下してしまい好ましくな
い。また10-3未満ではピンホールがうめられないので好
ましくない。
本発明によつて製膜される複合膜と、コーテイング材、
中空糸支持体素材のポリスルホン系樹脂のそれぞれの気
体選択透過係数をαcomp、αcoat、αsupとすると、三
者の関係は、αcoat≧αsupであり、かつαcoat>αcom
pなる性質を示す。コーテイング材、中空糸素材のα値
が大きいため、得られる複合膜のαも大きなものとなる
ばかりか、透過性も大きい。
前記(a)〜(d)の重合体コーテイングは、膜の片面
または両面にほどこすことも可能である。
前記(a)〜(d)の重合体コーテイングのコーテイン
グ厚みは、薄いものほどよく、厚くても5μm以下、好
ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下で
ある。しかし、濃度が0.5重量%以下の場合、厚みは均
一でない場合もあり、特に0.1μm以下のコーテイング
によるコーテイング厚みの下限を規定するのはむつかし
い。
また、コーテイングの際、膜の両側に圧力差100〜760mm
Hgをかけるのが好ましいが、圧力をかけなくてもよい場
合もある。
気体透過係数の測定は、高分子論文集vol.34,No.10,p72
9−p736(1977)に示されている方法によるものとす
る。
本発明のコーテイング物質中のスチレン、ジビニルベン
ゼンの割合は多いほど良く、好ましくは70モル%を超え
る量であり、この範囲では、コーテイング物質のポリス
ルホン系中空糸支持体を溶解しない溶媒に対して容易に
溶解する。70モル%以下では、多くの共重合体(スチレ
ン,ジビニルベンゼン共)で、共重合したものの性質が
強く引き出されるため、溶解性が極度に落ち、失透しや
すくなつたり、不溶となるため、このようなものをコー
テイングしても、安定性が悪いばかりか、良い透過性と
選択透過性を合わせ持つた中空糸は得られない。
分画分子量測定法 分画分子量の測定は、外径、内径をあらかじめ測定した
1本の中空糸の両端を、それぞれ注水側および排水側と
する。
有効長25cm、入口圧力1.2kg/cm2以下、出口圧力0.8kg/c
m2以上、入口および出口の平均圧力1.0kg/cm2、線速度1
m/secで、蒸留水に溶かしたデキストランMw70000の水溶
液1重量%25℃を注水側より導入し、10分後、水0.5m
lをとり、この中に含まれるデキストラン量を糖度計で
読み取り、カツト率を求める。
(発明の効果) 本発明の気体選択透過膜は、極めて安定がよく、実施例
からも明らかなように、優れた透過性と選択透過性を合
わせ持つている。
(実施例) 実施例1 中空糸紡糸 ポリスルホン系樹脂として、ユニオンカーバイド社(以
下、UCC社と略称)商品名ユーデルポリサルホンP−350
0を用い、溶媒としてN−メチルピロリドンを用いた。
ポリスルホン樹脂25部、N−メチルピロリドン75部を80
℃で溶解し、均一な溶液とした。
水溶液を紡糸用原液として、以下の紡糸条件下で中空糸
紡糸を行つた。
原液温度80℃、内部および外部凝固液を精製水として、
温度10℃に保つた。紡糸速度10m/min、空中走行距離1c
m、空中走行距離部は窒素シールし、30℃に保つた。ま
た、原液フイルターには2μmのものを用い、中空糸紡
糸用環状ノズルより紡糸を行つた。
中空糸は外径600μmであつた。本中空糸のデキストラ
ンMw70000に対するカツト率測定値は95%であつた。
得られた中空糸は、よく洗浄した後、30℃で強制的に精
製水で水洗し脱溶媒してから水を切り、クリーンルーム
(クラス100)で乾燥させた。本中空糸をHF−1とす
る。
コーテイング剤−線状ポリ−1,4−ジビニルベンゼン 撹拌機、滴下ロートを備えた2の丸底フラスコに、モ
レキユラーシーブで乾燥したテトラヒドロフラン1と
ジイソプロピルアミン100gを加え、4℃まで冷却した
後、よく撹拌しながら、100mlのn−ブチルリチウム15
重量%n−ヘキサン溶液を加えた。溶液温度を20℃に保
ちながら、130gの精製p−ジビニルベンゼンを加えた。
1時間撹拌を続けた後、20mlのメタノールを加えた。生
じた少量の白色沈殿を過により除去した後、メタノー
ル20を加えて、白色沈殿の線状ポリ−1,4−ジビニル
ベンゼンを単離した。メタノールで十分に洗浄した後、
減圧下乾燥を行つた。収率は90%であつた。ゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフイー(GPC)によつて求めた
分子量は260000であつた。
複合膜中空糸 コーテイング溶液として、先の線状ポリ−1,4−ジビニ
ルベンゼンを乾燥したものを用いて、溶媒としてシクロ
ヘキサンを用い、0.125重量%溶液を50℃で調製した。
本溶液を50℃に保温しながら、中空糸HF−1の内側を減
圧にして、内外に700mHgの圧力差をつけて、外側よりコ
ーテイング液中に浸漬し、3分間コーテイングを行つ
た。3分後に中空糸を溶液からとり出し乾燥した。
本中空糸の水素、窒素に対する測定を25℃で行つたとこ
ろ、水素気体透過性 は4.0×10-4(cm2(STP)/cm2seccmHg)、また、選択透
過性 は35であつた。
実施例2 実施例1と同様にしてコーテイングをほどこした複合膜
を製膜した後、本複合膜中空糸に底圧水銀灯(120V,270
W)を用いて、中空糸を回転させながら、中空糸のまわ
りに均一に紫外線があたるようにして3時間、水銀灯か
ら中空糸までの距離は30cmであつた。
本複合膜中空糸の水素および窒素の透過性を25℃で測定
したところ、 を得た。
上と同一の条件下で測定した線状ポリジビニルベンゼン
フイルムは であつた。
実施例3,4 実施例1と同様にしてコーテイングをほどこした複合膜
中空糸を、熱風乾燥中120℃で24時間放置後、本複合膜
中空糸の水素および窒素の透過性を25℃で測定したとこ
ろ、 であつた。上と同一条件下で測定した線状ポリジビニル
ベンゼンの であつた。
また、実施例1と同様なコーテイングをほどこした複合
膜中空糸を、0.1重量%ラウリルパーオキサイド、シク
ロヘキサン溶液に3秒間浸漬後、風乾した。さらに、本
中空糸を、熱風乾燥機中120℃で24時間放置した。本中
空糸の水素および窒素の透過性を25℃で測定したとこ
ろ、 なるデーターを得た。
上と同一条件下で測定した線状ポリジビニルベンゼンは であつた。
実施例5 ポリメタジビニルベンゼンコーテイング コーテイングに用いるポリメタジビニルベンゼンは、以
下の方法で作つた。
2容積の三口フラスコに、1000mlの乾燥したテトラヒ
ドロフランと100gのジイソプロピルアミンを加え、次
に、n−ブチルアミンの15重量%n−ヘキサン溶液100m
lを加えた。この内容物を磁気撹拌しながら、130gのメ
タジビニルベンゼンを滴下した後、室温で4時間撹拌を
続けた後、5のメタノール中にあけ、得られたポリマ
ーを別し乾燥した。GPCにより、分子量は220000であ
ることがわかつた。
本ポリメタジビニルベンゼンの0.125重量%シクロヘキ
サン溶液を50℃で調製、HF−1中空糸の内外に700mmHg
の差圧をつけて、3分間外側にポリメタジビニルベンゼ
ンをコーテイング後、とり出し乾燥した。本中空糸の水
素、窒素の透過性を25℃で測定したところ、 を得た。
また、本中空糸をさらに熱風乾燥機中120℃で24時間放
置したところ、 を得た。
上と同一条件下で測定したポリメタジビニルベンゼンは であつた。
実施例6 コーテイングポリマーとして、市販ジビニルベンゼン
(メタジビニルベンゼン40.4%、パラジビニルベンゼン
17.4%、エチルビニルベンゼン38.4%、ジエチルベンゼ
ン3.5%含有)をモノマーとして用い、ブチルリチウム
を開始剤とすることにより、実施例1と同様な方法でポ
リジビニルベンゼンのメタ、パラ共重合体分子量Mw1600
00を得た。
本メタ、バラ共重合体を乾燥した後、シクロヘキサンに
溶かして0.125重量%溶液(50℃)とした。本溶液をコ
ーテイング溶液として、中空糸HF−1に先の実施例1と
同様な方法でコーテイングを行つた後、120℃24時間放
置した。コーテイング後、水素、窒素の透過性を25℃で
測定したところ、 を得た。
また、上と同一条件下で作つたフイルムは であつた。
メタ、パラ体ブレンド 先の実施例1で作つた線状ポリパラジビニルベンゼン、
実施例5で作つたポリメタジビニルベンゼンを1対1の
重量比で混合して、シクロヘキサンに溶かし、0.1重量
%50℃の均一溶液を得た。本溶液をコーテイング溶液と
して、中空糸HF−1上に、実施例1と同様な方法でコー
テイングを行つた後、120℃24時間放置した。その後、
水素と窒素の透過性を25℃で測定したところ、 を得た。
上と同一条件下で作つたフイルムは であつた。
実施例8 タツピング重合物 撹拌機、滴下ロートを備えた2丸底フラスコに、乾燥
したテトラヒドロフラン3とジイソプロピルアミン10
0gを加え、4℃まで冷却後、よく撹拌しながら100mlの
n−ベチルリチウム15重量%n−ヘキサン溶液を加え
た。溶液温度を20℃に保ちながら、130gの精製パラジビ
ニルベンゼンを加え、1時間撹拌した後、100gのスチレ
ンを加えて24時間常温で撹拌した。水溶液に20のメタ
ノールを加え、白色沈殿を得、線状ポリ−p−1,4−ジ
ビニルベンゼン、ポリスチレンのタツピング重合物を得
た。収率は90%であつた。GPCによつて得られた分子量M
wは200000であつた。
本ポリマーをシクロヘキサン中に溶かして、0.1重量%5
0℃溶液を得、実施例1と同様な方法で、HF−1中空糸
上にコーテイングを行つて複合膜中空糸を得た後、120
℃24時間放置した。本中空糸の気体透過性を25℃で測定
したところ、 を得た。
上と同一条件下で作つたフイルムは であつた。
実施例9 撹拌機、滴下ロートを備えた2丸底フラスコに、乾燥
したテトラヒドロフラン1とジイソプロピルアミン10
0gを加え、4℃まで冷却後、よく撹拌しながら100mlの
n−ブチルリチウム15重量%n−ヘキサン溶液を加え
た。溶液温度を20℃に保ちながら、130gの精製パラジビ
ニルベンゼンと100gのスチレンを加えて、24時間室温で
重合した。その後、20のメタノールを加え、白色沈殿
を得た。収率は93%、GPCによつて得られた分子量Mwは2
10000であつた。
本ポリマーをシクロヘキサンに溶かして、0.05重量%50
℃溶液とし、実施例1と同様な方法で、HF−1中空糸上
にコーテイングを行つて、複合膜中空糸を得た後、120
℃24時間放置した。本中空糸の気体透過性を測定したと
ころ、 を得た。
上と同一条件下で作つたフイルムの であつた。
実施例10 実施例1で得られた線状ポリ−1,4−ジビニルベンゼン
およびポリスチレン(スタイロン685旭ダウ製重量平均
分子量260000)を重量比1:1でまぜ、シクロヘキサン溶
液に溶かして、0.05重量%50℃溶液とした後、実施例1
と同様な方法で、中空糸HF−1外側にコーテイングし
た。気体透過性を測定したところ、 であつた。コーテイングポリマーと同一条件下で測定し
たフイルムは であつた。
また、本中空糸を熱風乾燥機中、90℃48時間放置したと
ころ、 となつた。コーテイングポリマーと同一条件下で測定し
たポリマーは であつた。
実施例11 共重合体 撹拌機、滴下ロートを備えた2丸底フラスコに、乾燥
したテトラヒドロフラン2とジイソプロピルアミン10
0gを加え、4℃まで冷却後、よく撹拌しながら100mlの
n−ブチルリチウム15重量%n−ヘキサン溶液を加え
た。溶液温度を20℃に保ちながら、130gの精製p−1,4
−ジビニルベンゼンと1gの共重合体用モノマー(アクリ
ロニトリル,アクリル酸メチル,メタクリル酸エチルヘ
キシル)を加えた後、24時間室温で重合した。その後、
20のメタノールを加え、白色沈殿を得た。
得られたポリマーの元素分析C,H,O,N元素、および赤外
吸収スペクトルにより、それぞれほヾ定量的に、共重合
体に組み込まれたことが明らかとなつた。GPCによつて
得られた分子量Mwは、それぞれ220000,200000,180000で
あつた。
本ポリマーをシクロヘキサンに溶解し、0.05重量%50℃
溶液として、実施例1と同様な方法で、HF−1中空糸上
にコーテイングを行つて、複合膜中空糸を得た。本中空
糸の気体透過測定を行つたところ、水素の透過係数は、
それぞれ 2.9×10-4,3.0×10-4(PU)、水素と窒素の選択透過係
数は、それぞれ であつた。
また、コーテイングポリマーをフイルムにして測定し
た。水素、窒素の選択透過係数は、それぞれ (PU)であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスルホン系樹脂よりなる多孔膜上に、 (a)下記(1)式で示される繰り返し単位からなるジ
    ビニルベンゼン系重合体か、 (式中、R3は水素または炭素数1〜8の炭化水素を表わ
    す。) (b)上記(1)式で示される繰り返し単位を有するジ
    ビニルベンゼン系共重合体か、 (c)ポリスチレン系樹脂と上記(a)および/または
    (b)の重合体とのブレンド物か、 (d)上記(a)〜(c)のいずれかの架橋物 がコーテイングされていることを特徴とする気体選択透
    過膜。
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