JPH0693302A - 粉末冶金用液状結合剤および偏析防止混合粉末 - Google Patents

粉末冶金用液状結合剤および偏析防止混合粉末

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JPH0693302A
JPH0693302A JP4243470A JP24347092A JPH0693302A JP H0693302 A JPH0693302 A JP H0693302A JP 4243470 A JP4243470 A JP 4243470A JP 24347092 A JP24347092 A JP 24347092A JP H0693302 A JPH0693302 A JP H0693302A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鉄系粉末をベースとする粉末冶金用混合粉末
に、ヨウ素価が100 以下で、100 Fにおける粘度が50cS
T 以下の液状脂肪酸エステルを液状結合剤として配合す
る。 【効果】 黒鉛粉の様に軽比重のものを加えても発塵す
ることが少なく、また銅粉の様に高比重のものを加えて
も偏析することが少なく、且つそれらの経時変化も少な
い粉末冶金用の偏析防止混合粉末が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏析および発塵が極め
て少なく、かつ流動性に優れ、混合粉末における粉体特
性の経時的変化が少ない粉末冶金用混合粉末、および該
混合粉末の成分として使用される結合剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】機械部品等を粉末冶金法によって製造す
る場合、焼結強度、製品における耐摩耗性あるいは切削
性等の物性を向上させるために、鉄系粉末にさまざまの
合金用粉末を混合してから成形・焼結するのが一般的で
ある。しかし多くの場合、混合する粉末間に比重差や粒
度差があるため発塵と偏析が生じやすく、この解決が長
年の課題であった。
【0003】まず発塵については、特に黒鉛粉などのよ
うに比重の小さい微粉末の存在によるものが主であり、
粉末を取り扱う際の作業環境汚染が問題になるばかりで
なく、歩留りの低下を招く。また偏析については、比重
差や粒度差が大きい粉末同士を混合した場合に生じ、例
えばホッパー内から粉末混合物を排出する際に、始め・
中頃・終わりで合金用成分の配合が変化してしまうこと
がよく知られている。
【0004】こうした混合粉末の発塵と偏析の問題を解
決する手段として、これまで大別して3つの手法が考え
られてきた。第一の方法は特開昭60-502158 などで開示
されているようにトール油などの液体添加剤を粉末混合
物に添加する方法であり、第二の方法は特開昭63-10300
1 ・特開平2-217403などで提案されているように固体結
合剤を溶剤で溶解して添加し均一混合した後、溶剤を蒸
発させる方法であり、第三の方法は特開平1-219101等に
示されている様に固体結合剤を混合操作中に溶融させる
ことを特徴とした、いわゆるホットメルト方法である。
【0005】しかしながら、これらの方法はいずれも黒
鉛粉の発塵と比重の小さい微粉末の偏析に対して効果は
認められるものの、銅粉末の様に比較的高比重の各種合
金粉末の偏析防止に対しては効果が薄いものであった。
例えば銅粉末を特に高密度に配合する様な部品について
は、銅粉末の偏析が寸法変化率や強度のバラツキの原因
になるため、より安定した特性が要求される昨今、上記
の各手法では充分満足のいく結果が得られていないとい
うのが実状であった。
【0006】更に、従来の液体添加剤を添加する方法に
ついては、以下の二つの大きな問題点があった。一つは
粉末混合物の流動性の悪化である。例えば、混合粉末に
スピンドル油などの鉱物油を添加した場合、混合粉末の
安息角が極端に大きくなるため、ホッパー等からの排出
時にブリッジを起こし易く作業性が非常に悪くなる点で
あり、もう一点は混合粉末の粉体特性や圧粉体特性にお
ける経時的変化が大きいことである。即ち鉱物油は通常
揮発性であるため、時間の経過につれて油添加の効果が
薄れてしまう。また植物油であってもトール油などの乾
性油あるいは半乾性油は酸素と反応して酸化劣化を起こ
しやすく、流動性の悪化、見掛密度の減少の傾向がみら
れることは良く知られていることである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の難点を解消するためになされたものであり、その目的
は黒鉛粉等の微粉末による発塵を防止し、かつ黒鉛粉や
銅粉などに代表される様な比重差・粒度差によらずあら
ゆる粉末の偏析を抑制しながら、更に混合粉末の流動性
を積極的に改善し、粉体特性の経時的変化が非常に小さ
い偏析防止混合粉末と、それに適用される結合剤を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明のに係る粉末冶金用液状結合剤の構成
は、ヨウ素価が100 以下、かつ 100Fにおける粘度が50
cST以下の液状脂肪酸エステルからなるところに要旨
を有するものである。また本発明に係る偏析防止混合粉
末の構成は、この液状脂肪酸エステルを、鉄粉末ベース
とする粉末冶金用混合粉末に結合剤として含有させ、あ
るいは該結合剤と共に、スチレンとブタジエンをモノマ
ー成分とするスチレン系合成ゴム共重合体を含有させて
なるところに要旨を有するものである。尚、液状脂肪酸
エステルの好ましい含有率は、混合粉末に対して0.01〜
0.2 重量%の範囲である。
【0009】
【作用および実施例】粉末冶金用に使用される混合粉末
には、焼結体強度、耐摩耗性、切削性、潤滑性などの諸
特性を改善させる目的で鉄粉の他に一種類あるいはそれ
以上の粉末(以下特性改善材という)を配合するのが一
般的である。これら特性改善材は鉄系粉末との間で比重
差および(または)粒度差を有するものが多く、従って
これらを単に混合するだけでは特性改善材が簡単に偏析
を起こす。そこでこれを解決するため種々研究を行なっ
た結果、液状脂肪酸エステルを結合剤として添加すれば
添加剤の偏析防止に幅広く効果を発揮することがわかっ
た。但し本発明においては、液状脂肪酸エステルとして
ヨウ素価が100 以下で且つ 100Fにおける粘度が50cS
T以下の液状脂肪酸エステルを使用しなければならな
い。
【0010】ここで使用される好ましい液状脂肪酸エス
テルとしては、オレイルアルコール、ステアリルアルコ
ール等の一価のアルコール類および(または)エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソル
ビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類と、
高級脂肪酸、例えばラウリン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン
酸等との脱水反応によって生成するエステルを挙げるこ
とができ、これらの脂肪酸エステルは単独で用いてもよ
く、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。また2
種以上の脂肪酸またはアルコールから得られる混合エス
テルを用いることも勿論可能である。
【0011】該脂肪酸エステルのヨウ素価および粘度を
定めた理由については、下記の実施例1,2によって明
確にする。また本発明では、上記脂肪酸エステルと共
に、スチレンとブタジエンをモノマー成分とするスチレ
ン系合成ゴム共重合体を固体結合剤として併合すること
によって偏析防止効果や流動性を一段と優れたものとす
ることができ、こうした併用の効果については、下記実
施例3として説明する。
【0012】実施例1(ヨウ素価を100 以下に限定した
理由) 鉄粉(神戸製鋼所商品名「アトメル300 M」:平均粒径
70μm )に、黒鉛粉末(天然黒鉛:平均粒径3μm )
を混合粉末全量に対して0.8 %(重量比:以下同じ)
銅粉末(アトマイズ銅粉:平均粒径30μm )を混合粉末
全量に対して2.0 %となる様に夫々配合し、ハイスピー
ドミキサー型混合機にて100rpmで5分混合した後、粘度
が一定( 100Fにおける粘度が25cST)で、ヨウ素価
がそれぞれ1(試料名A)、4(同B)、45(同C)、
77(同D)、90(同E)、130 (同F)である脂肪酸エ
ステルを混合粉末全量に対して0.08%となる様に添加
し、更に100rpmで6分間混合を行なった。この時点で第
一次サンプリングを行い、以下に説明する気流法用の供
試粉とした。
【0013】次に潤滑剤(ステアリン酸亜鉛:平均粒径
30μm )を混合粉末全量に対して0.75%となる様に加
え、100rpmで2分間混合した。この時点で第二次サンプ
リングを行い銅粉と黒鉛粉の偏析度および粉体特性調査
用の供試材とする。
【0014】まず、第一次サンプリングした供試材を用
いて気流法によるカーボン付着度を測定した。測定には
図1に示すようなニュークリポアフィルター1(網目12
μm)を付した漏斗状のガラス管2(内径16mm、高さ106
mm )を使用し、供試粉末P(25g )を入れて下方より
窒素ガスを0.8 リットル/分の速度で20分間流し、次式
より黒鉛付着率を求める。 黒鉛付着率(%) ={窒素ガスを流した後の炭素量(%) /
窒素ガスを流す前の炭素量(%) }×100(%)
【0015】次に第二次サンプリングした供試材を用い
て粉体特性および成分の偏析度を測定した。なお見掛密
度の測定方法はJIS-Z2504 、流動度の測定方法はJIS-Z2
502に準じて行った。なお、見掛密度と流動度の測定は
製造してから3日後に行なった。また、カーボン偏析度
および銅粉の偏析度は、それぞれの混合粉末500kg を連
続プレスにて成形する際、一つのホッパー内で成形した
サンプルを10点等間隔で抜き取ってカーボンと銅の量
を求め、夫々の最大値と最小値の差として求めた。
【0016】結果を表1に示す。比較粉として脂肪酸エ
ステル無添加のプレミックス(試料G)と、脂肪酸エス
テルの代わりにスピンドル油(同H)およびトール油
(同I)を添加した例を併記した。
【0017】
【表1】
【0018】表1からも明らかである様に、脂肪酸エス
テルを添加した混合粉は、脂肪酸エステル無添加のもの
に比べて流動性が著しく改善されており、またカーボン
付着率の向上と成分偏析防止効果が認められる。またス
ピンドル油を添加したものでは、カーボン付着率向上と
成分偏析防止には効果が認められるものの、流動性が非
常に悪い。次に粉体特性の経時変化をみるため、製造し
てからの経過日数を変えて見掛密度と流動度の測定を行
った。結果を表2と表3に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】表2および表3より、脂肪酸エステルのヨ
ウ素価と粉体特性の経時変化との間には密接な関連を有
していることがわかる。そしてヨウ素価が100 以下であ
る脂肪酸エステルを用いたものの見掛密度および流動度
は、2カ月間経過後も殆ど変わっていないが、100 を超
える脂肪酸エステルを用いたものでは、経時的な見掛密
度の減少と流動度の悪化が顕著である。また、トール油
を添加したものについても経時的な見掛密度の減少と流
動度の悪化が見られた。
【0022】尚ヨウ素価とは、試料にハロゲンを作用さ
せときのハロゲン吸収量をヨウ素量に換算し、試料に対
する百分率で表わした値をいい、脂肪酸エステルの場合
不飽和結合の量に比例する。不飽和結合が多いと、その
部分で酸素と反応しポリマー化し易いため脂肪酸エステ
ルの酸化劣化が激しい。従って、ヨウ素価が高いほど酸
化劣化を起こし易くなって、混合粉末の見掛密度の低
下、流動度の悪化といった好ましくない現象が起こって
くる。従って本発明では、こうした経時変化を抑えるた
め脂肪酸エステルのヨウ素価を100 以下に定めた。
【0023】実施例2( 100Fにおける粘度を50cST
以下に限定した理由) 鉄粉(神戸製鋼所商品名「アトメル300 M」:平均粒径
70μm )に、黒鉛粉末(天然黒鉛:平均粒径30μm )を
混合粉末全量に対して0.8 %、銅粉末(アトマイズ銅
粉:平均粒径30μm )を混合粉末全量に対して2.0 %と
なる様に夫々配合し、ハイスピードミキサー型混合機に
て100rpm で5分間混合した後、ヨウ素価77の一定条
件で 100Fにおける粘度がそれぞれ3cST(試料名
J)、7(同K)、15(同L)、26(同M)、55(同
N)、80(同O)である脂肪酸エステルを各々混合粉末
全量に対して0.08%となる様に添加し、更に100rpmで6
分間混合を行った。この時点で第一次サンプリングを行
って気流法用の供試粉とした。次に潤滑剤(ステアリン
酸亜鉛:平均粒径30μm )を混合粉末全量に対して0.75
%加え100rpmで2分間混合し、この時点で第二次サンプ
リングを行って銅粉と黒鉛粉の偏析度および粉体特性調
査用の供試材とした。表4にカーボン付着率と粉体特性
の結果を示す。
【0024】
【表4】
【0025】表4からも明らかである様に、脂肪酸エス
テルの粘度を変えてもカーボン付着率向上や成分偏析防
止には大差なく効果が認められる。しかし、粘度が50
cSTをわずかに超える試料(N)では、流動性が明ら
かに悪くなっており、粘度が更に高い試料(O)では流
動しなくなる。従って本発明では、送給時にブリッジ現
象等を起こすことなく円滑な流れを確保するための要件
として、脂肪酸エステルの粘度を 100Fにおいて50cS
T以下に定めた。
【0026】上記実施例1及び実施例2は、混合粉末に
ヨウ素価が100 以下でかつ 100Fにおける粘度が50cS
T以下である液状脂肪酸エステルを添加した場合の効果
を示したものであるが、いずれの試料においてもカーボ
ンの付着率は60前後であり、脂肪酸エステル無添加の場
合に比べるとかなり向上しているが、未だ充分ではな
い。そこで、こうした性能不足を補うための手段とし
て、スチレンとブタジエンをモノマー成分とするスチレ
ン系合成ゴム共重合体よりなる固体結合剤の併用を試み
た。
【0027】実施例3(上記液状結合剤とスチレン・ブ
タジエン系合成ゴム共重体の併用例) 鉄粉(神戸製鋼所商品名「アトメル300 M」:平均粒径
70μm )に、黒鉛粉末(天然黒鉛:平均粒径3μm)を
混合粉末全量に対して0.8 %、銅粉末(アトマイズ銅
粉:平均粒径30μm)を混合粉末全量に対して2.0 %
となる様に夫々加え、ハイスピードミキサー型混合機に
て100rpmで数分間混合する。均一に混合した後、スチレ
ンとブタジエンをモノマー成分とする共重合体(スチレ
ンとブタジエンの共重合比が35:65であり、分子量
が約10万)をトルエンに8%溶解したものを、混合粉
末全量に対して2%(共重合体として)となる様に攪拌
しながら添加する。
【0028】更に数分間攪拌した後、ミキサー内を真空
状態にして混合物を攪拌しながらトルエンを蒸発乾燥さ
せ、黒鉛を鉄粉の表面に付着させる。乾燥完了後、ヨウ
素価が77で 100Fにおける粘度が25cSTである液体脂
肪酸エステルを、混合粉末全量に対して0.04%となる様
に添加して2分間混合し、第一次サンプリングを行い気
流法用の供試粉とした。
【0029】次に潤滑剤(ステアリン酸亜鉛:平均粒径
30μm )を混合粉末全量に対して0.75%となる様に100r
pmで2分間混合を行った。この時点で第二次サンプリン
グを行い銅粉と黒鉛粉の偏析度および粉体特性調査用の
供試材とした。表5にカーボン付着率と粉体特性の結果
を示す。また比較粉として液体脂肪酸エステルを添加せ
ずスチレンとブタジエンをモノマー成分とする共重合体
のみを添加した場合の結果を併記した。
【0030】
【表5】
【0031】表5からも明らかである様に、試料名P,
Qともにスチレン・ブタジエン系合成ゴム共重体を固体
結合剤として併用しているため、カーボン付着率は大幅
に改善されていることがわかる。また、固体結合剤の他
に本発明の液状脂肪酸エステルを同時に添加したもので
は、銅偏析が著しく改善されていることが分かる。更
に、実施例3で使用した脂肪酸エステルは、ヨウ素価が
100 以下で且つ 100Fにおける粘度が50cST以下であ
るため、スチレン・ブタジエン系合成ゴム共重体を同時
に添加した場合でも経時変化がなく、流動性に優れると
いった特徴も備えている。
【0032】実施例4(液状結合剤の添加量を限定した
理由) 鉄粉(神戸製鋼所商品名「アトメル300 M」:平均粒径
70μm)に、黒鉛粉末(天然黒鉛:平均粒径3μm )を混
合粉末全量に対して0.8 %、銅粉末(アトマイズ銅粉:
平均粒径30μm )を混合粉末全量に対して2.0 %となる
様に夫々加え、ハイスピードミキサー型混合機にて10
0rpm で数分間混合する。均一に混合した後、スチレン
とブタジエンをモノマー成分とする共重合体(スチレン
とブタジエンの共重合比が35:65であり、分子量が
約10万)をトルエンに8%溶解したものを、混合粉末
全量に対して2%(共重合体として)となる様に攪拌し
ながら添加する。
【0033】更に数分間攪拌した後、ミキサー内を真空
状態にして混合物を攪拌しながらトルエンを蒸発乾燥さ
せ、黒鉛を鉄粉の表面に付着させる。乾燥完了後、ヨウ
素価が77で 100Fにおける粘度が25cSTである液体脂
肪酸エステルを、混合粉末全量に対して添加量がそれぞ
れ0.005%(試料名R),0.02%(同S),0.04%(同
T),0.08%(同U),0.15%(同V),0.30%(同
W)となる様に添加して2分間混合し、第一次サンプリ
ングを行い気流法用の供試粉とした。
【0034】次に潤滑剤(ステアリン酸亜鉛:平均粒径
30μm)を混合粉末全量に対して0.75%となる様に100rpm
で2分間混合を行った。この時点で第二次サンプリング
を行い銅粉と黒鉛粉の偏析度および粉体特性調査用の供
試材とした。表6にカーボン付着率と粉体特性の結果を
示す。
【0035】
【表6】
【0036】表6からも明らかである様に、液体結合剤
の添加量が混合粉末全量に対して0.01重量%未満では、
銅の偏析防止効果が十分でなく、一方、0.2 重量%を超
えると、混合粉末の流動性が悪くなる傾向がある。それ
故液体結合剤の添加量は0.01〜0.2 重量%の範囲は好ま
しい。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば黒鉛粉の発塵を防止し、
且つ黒鉛粉や銅粉など比重差・粒度差によらず幅広く、
添加粉末の偏析を抑制し、更に流動性を積極的に改善す
るとともに粉体特性における経時変化が極端に小さい混
合粉末を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒鉛付着率の測定に使用した測定器具の断面図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井 伝栄 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系粉末をベースとする粉末冶金用混合
    粉末に適用される結合剤であって、ヨウ素価が100 以
    下、かつ100 Fにおける粘度が50cST以下の液状脂肪
    酸エステルからなることを特徴とする粉末冶金用液状結
    合剤。
  2. 【請求項2】 鉄系粉末をベースとする粉末冶金用混合
    粉末において、請求項1の液状脂肪酸エステルを結合剤
    として含有することを特徴とする偏析防止混合粉末。
  3. 【請求項3】 鉄系粉末をベースとする粉末冶金用混合
    粉末において、請求項1の液状結合剤と共に、スチレン
    とブタジエンをモノマー成分とするスチレン系合成ゴム
    共重合体を固体結合剤として含有することを特徴とする
    偏析防止混合粉末。
  4. 【請求項4】 混合粉末に対し0.01〜0.2 重量%の液状
    脂肪酸エステルを含有するものである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の偏析防止混合粉末。
JP4243470A 1992-09-11 1992-09-11 粉末冶金用液状結合剤および偏析防止混合粉末 Expired - Lifetime JP2504365B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100369700C (zh) * 2005-12-22 2008-02-20 株洲钻石切削刀具股份有限公司 一种硬质合金生产用成型剂
JP2009522447A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 ホガナス アクチボラゲット 冶金用粉末組成物

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JP2009522447A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 ホガナス アクチボラゲット 冶金用粉末組成物

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