JPH0692870A - 薬物担体用高分子および徐放性制ガン剤 - Google Patents
薬物担体用高分子および徐放性制ガン剤Info
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- JPH0692870A JPH0692870A JP24639292A JP24639292A JPH0692870A JP H0692870 A JPH0692870 A JP H0692870A JP 24639292 A JP24639292 A JP 24639292A JP 24639292 A JP24639292 A JP 24639292A JP H0692870 A JPH0692870 A JP H0692870A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記式(I)で表されるポリ- γ- グルタミ
ン酸またはその塩からなる、薬物担体用高分子。 【化1】 (上記式中、nは正の整数を表す。) 【効果】 上記ポリ‐γ‐グルタミン酸およびその塩
は、ガン組織への集積性が高く、薬物の徐放性に優れ、
かつ、生分解性を示す。従って、安全で、薬効を長期間
持続させることが可能な薬物担体用高分子を提供するこ
とができる。
ン酸またはその塩からなる、薬物担体用高分子。 【化1】 (上記式中、nは正の整数を表す。) 【効果】 上記ポリ‐γ‐グルタミン酸およびその塩
は、ガン組織への集積性が高く、薬物の徐放性に優れ、
かつ、生分解性を示す。従って、安全で、薬効を長期間
持続させることが可能な薬物担体用高分子を提供するこ
とができる。
Description
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、薬物特に制ガン剤、の
担体として有用な薬物担体用高分子およびそれに制ガン
剤が結合されてなる高分子制ガン剤に関する。
担体として有用な薬物担体用高分子およびそれに制ガン
剤が結合されてなる高分子制ガン剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、制ガン剤を高分子化し、ガン組織
の高い血管透過性を利用して高分子化制ガン剤をガン組
織に蓄積させる試みがなされている。また、薬効のない
高分子化制ガン剤からの制ガン剤の放出を利用し、高分
子化制ガン剤を徐放化製剤として用いることも試みられ
ている。このような化合物は、一般的に、制ガン剤を種
々の高分子化合物に担持させることによって得られる。
の高い血管透過性を利用して高分子化制ガン剤をガン組
織に蓄積させる試みがなされている。また、薬効のない
高分子化制ガン剤からの制ガン剤の放出を利用し、高分
子化制ガン剤を徐放化製剤として用いることも試みられ
ている。このような化合物は、一般的に、制ガン剤を種
々の高分子化合物に担持させることによって得られる。
【0003】本発明者らの一部は、制ガン剤として5-
フルオロウラシルを用い、種々の高分子化合物にそれを
担持させた高分子化制ガン剤を提案している(M.Akash
i,K.Takemoto,Adv.Polym.Sci.,97,107(1990) )。その
うち1-P-ビニルベンゾイル- 5- フルオロウラシルおよ
び1-P-ビニルベンゾイルオキシメチル- 5- フルオロウ
ラシルの縮合体モノマーの重合体並びにこれらと水溶性
コモノマーとの共重合体については、インビボにおける
抗ガン活性試験において良好な結果が得られており、特
に後者は徐放性に優れている(M.Akashi,M.Morita et a
l.,New PolymericMater.,3,31(1991))。
フルオロウラシルを用い、種々の高分子化合物にそれを
担持させた高分子化制ガン剤を提案している(M.Akash
i,K.Takemoto,Adv.Polym.Sci.,97,107(1990) )。その
うち1-P-ビニルベンゾイル- 5- フルオロウラシルおよ
び1-P-ビニルベンゾイルオキシメチル- 5- フルオロウ
ラシルの縮合体モノマーの重合体並びにこれらと水溶性
コモノマーとの共重合体については、インビボにおける
抗ガン活性試験において良好な結果が得られており、特
に後者は徐放性に優れている(M.Akashi,M.Morita et a
l.,New PolymericMater.,3,31(1991))。
【0004】しかしながら、上記高分子化制ガン剤を越
える優れたガン組織での蓄積性および生分解性を有した
高分子制ガン剤が依然として求められている。
える優れたガン組織での蓄積性および生分解性を有した
高分子制ガン剤が依然として求められている。
【0005】[発明の概要]
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、生体
内での安全性に優れ、制ガン剤を化学結合を介して担持
し、薬物送達が可能な薬物担体用高分子を提供すること
を目的とする。
内での安全性に優れ、制ガン剤を化学結合を介して担持
し、薬物送達が可能な薬物担体用高分子を提供すること
を目的とする。
【0006】本発明は、また、上記高分子に制ガン剤を
担持させた、徐放性を有する高分子化制ガン剤を提供す
ることを目的とする。
担持させた、徐放性を有する高分子化制ガン剤を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるポリ‐γ‐
グルタミン酸およびその塩からなる薬物担体用高分子
は、下記式(I)で表されるもの、である。
グルタミン酸およびその塩からなる薬物担体用高分子
は、下記式(I)で表されるもの、である。
【化4】
【0008】また本発明によるポリ‐γ‐グルタミン酸
複合体およびその塩は、下記の一般式(II)で表される
もの、である。
複合体およびその塩は、下記の一般式(II)で表される
もの、である。
【化5】
【0009】(式中、R1は水酸基または下記式(III)
または(IV)で表わされる基: (ここで、R2およびR3は水素原子または基−CH2
OHを表す)を表し、nは正の整数を表すが、但し、分
子中の全てのR1が水酸基を表すことはない)
または(IV)で表わされる基: (ここで、R2およびR3は水素原子または基−CH2
OHを表す)を表し、nは正の整数を表すが、但し、分
子中の全てのR1が水酸基を表すことはない)
【0010】さらに、本発明による制ガン剤は、ポリ-
γ- グルタミン酸複合体またはその塩を有効成分として
含んでなるもの、である。
γ- グルタミン酸複合体またはその塩を有効成分として
含んでなるもの、である。
【0011】前記式(I)で表されるポリ- γ- グルタ
ミン酸およびその塩は、ガン組織への集積性が高く、薬
物の徐放性に優れ、かつ、生分解性を示す。従って、安
全で、薬効を長期間持続させることが可能な薬物担体用
高分子を提供することができる。
ミン酸およびその塩は、ガン組織への集積性が高く、薬
物の徐放性に優れ、かつ、生分解性を示す。従って、安
全で、薬効を長期間持続させることが可能な薬物担体用
高分子を提供することができる。
【0012】[発明の具体的説明]ポリ‐γ‐グルタミン酸 本発明における薬物担体としてのポリ‐γ‐グルタミン
酸(以下、「γ‐PGA」という場合がある)は、グル
タミン酸のアミノ基とγ- カルボキシル基がペプチド結
合によって重合したものであり、直鎖状の構造を有す
る。
酸(以下、「γ‐PGA」という場合がある)は、グル
タミン酸のアミノ基とγ- カルボキシル基がペプチド結
合によって重合したものであり、直鎖状の構造を有す
る。
【0013】このγ- PGAはガン組織に蓄積し易いと
いう性質を有し、またそのα- カルボキシル基に生理活
性を有する化合物を化学結合を介して保持させることが
できる。また、γ- PGAは微生物により生産される生
分解性高分子であり、生体内とくに肝臓などの臓器で逐
次分解される性質を有するものであることから、生体内
での蓄積による副作用の問題も少なく安全性が高いと考
えられる。従って、このγ‐PGAは、それに制ガン剤
を担持させてガン組織にその薬物を送達する、薬物担体
として利用することができる。γ- PGAに担持された
制ガン剤は、そのエステル結合等が徐々に加水分解され
制ガン作用の長期持続化が達成される。
いう性質を有し、またそのα- カルボキシル基に生理活
性を有する化合物を化学結合を介して保持させることが
できる。また、γ- PGAは微生物により生産される生
分解性高分子であり、生体内とくに肝臓などの臓器で逐
次分解される性質を有するものであることから、生体内
での蓄積による副作用の問題も少なく安全性が高いと考
えられる。従って、このγ‐PGAは、それに制ガン剤
を担持させてガン組織にその薬物を送達する、薬物担体
として利用することができる。γ- PGAに担持された
制ガン剤は、そのエステル結合等が徐々に加水分解され
制ガン作用の長期持続化が達成される。
【0014】γ‐PGAはその塩として存在することが
できるが、その用途を考慮すれば薬学上許容できる塩で
あることが好ましい。そのような塩としては、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の塩などが挙げられる。
できるが、その用途を考慮すれば薬学上許容できる塩で
あることが好ましい。そのような塩としては、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の塩などが挙げられる。
【0015】また、γ‐PGAの分子量は特に限定はさ
れないが、生体内での動態、生体内における各種エステ
ラーゼによる側鎖の加水分解、抗原性および毒性などを
考慮して決定されてよく、好ましくは1.0×104 〜
1.2×106 、より好ましくは1.2×106 程度で
ある。
れないが、生体内での動態、生体内における各種エステ
ラーゼによる側鎖の加水分解、抗原性および毒性などを
考慮して決定されてよく、好ましくは1.0×104 〜
1.2×106 、より好ましくは1.2×106 程度で
ある。
【0016】γ‐PGAへの制ガン剤の導入は、γ- P
GAのα- カルボキシル基にその医薬をエステル結合さ
せることによってなされる。従って、導入する制ガン剤
は、アルコール性水酸基を有するか、またはアルコール
性水酸基を有するように修飾されたものであることが望
ましい。このような制ガン剤の例としては、1位および
/または3位がメチロール化された5- フルオロウラシ
ル(以下、「5- フルオロウラシル誘導体」という場合
がある)、アドリアマイシン系制ガン剤(例えば、アド
リアマイシン)、アクチノマイシンD、ブレオマイシン
などが挙げられる。
GAのα- カルボキシル基にその医薬をエステル結合さ
せることによってなされる。従って、導入する制ガン剤
は、アルコール性水酸基を有するか、またはアルコール
性水酸基を有するように修飾されたものであることが望
ましい。このような制ガン剤の例としては、1位および
/または3位がメチロール化された5- フルオロウラシ
ル(以下、「5- フルオロウラシル誘導体」という場合
がある)、アドリアマイシン系制ガン剤(例えば、アド
リアマイシン)、アクチノマイシンD、ブレオマイシン
などが挙げられる。
【0017】また、制ガン剤をエステル結合を介して導
入する以外にも、アミド結合を介して導入することがで
きる。このような制ガン剤の例としては、マイトマイシ
ンなどが挙げられる。
入する以外にも、アミド結合を介して導入することがで
きる。このような制ガン剤の例としては、マイトマイシ
ンなどが挙げられる。
【0018】このようにγ- PGAに制ガン剤を導入し
た場合、一般式(II)のR1部分に制ガン剤が導入され
た構成単位と導入されなかった構成単位の分子中での存
在の態様は、ランダム状態、ブロック状態のいずれにも
限定されない。また、γ- PGA中に導入される制ガン
剤の量も特に限定されないが、例えば5- フルオロウラ
シル誘導体の場合、構成単位であるグルタミン酸に対し
て10〜100%(モル比)が好ましく、100%が特
に好ましい。
た場合、一般式(II)のR1部分に制ガン剤が導入され
た構成単位と導入されなかった構成単位の分子中での存
在の態様は、ランダム状態、ブロック状態のいずれにも
限定されない。また、γ- PGA中に導入される制ガン
剤の量も特に限定されないが、例えば5- フルオロウラ
シル誘導体の場合、構成単位であるグルタミン酸に対し
て10〜100%(モル比)が好ましく、100%が特
に好ましい。
【0019】ポリ‐γ‐グルタミン酸複合体の製造 γ- PGAへの制ガン剤の導入は、γ- PGAのα−カ
ルボキシル基に制ガン剤のアルコール性水酸基をエステ
ル結合させることによって行うことができる。
ルボキシル基に制ガン剤のアルコール性水酸基をエステ
ル結合させることによって行うことができる。
【0020】具体的には、例えばヒドロキシルメチル化
された(1−ヒドロキシ、3−ヒドロキシ−または1,
3−ジヒドロキシ−)5−フルオロウラシルの導入は次
のように行われるのが好ましい。まず、5−フルオロウ
ラシルとγ- PGAとを、N,N- ジメチルホルムアミ
ド(以下DMFと略)、N,N- ジエチルホルムアミ
ド、N,N- ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、N- メチルピロリドンなどの極性有機溶媒中で、
ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤の存在
下、−30〜−60℃程度の温度下で、好ましくは−2
5℃で、1〜48時間、好ましくは24時間、縮合反応
させることによって行う。この反応においては、必要に
応じてジメチルアミノピリジン、ヒドロキシベンゾトリ
アゾールなどの触媒を添加して行ってもよい。次いで、
この反応液から反応溶媒を減圧除去した後、副生産物の
ジシクロヘキシルウレアをよく溶かすアセトン、アセト
ニトリルなどの溶媒により洗浄してγ- PGA複合体を
得ることができる。
された(1−ヒドロキシ、3−ヒドロキシ−または1,
3−ジヒドロキシ−)5−フルオロウラシルの導入は次
のように行われるのが好ましい。まず、5−フルオロウ
ラシルとγ- PGAとを、N,N- ジメチルホルムアミ
ド(以下DMFと略)、N,N- ジエチルホルムアミ
ド、N,N- ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、N- メチルピロリドンなどの極性有機溶媒中で、
ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤の存在
下、−30〜−60℃程度の温度下で、好ましくは−2
5℃で、1〜48時間、好ましくは24時間、縮合反応
させることによって行う。この反応においては、必要に
応じてジメチルアミノピリジン、ヒドロキシベンゾトリ
アゾールなどの触媒を添加して行ってもよい。次いで、
この反応液から反応溶媒を減圧除去した後、副生産物の
ジシクロヘキシルウレアをよく溶かすアセトン、アセト
ニトリルなどの溶媒により洗浄してγ- PGA複合体を
得ることができる。
【0021】なお、5- フルオロウラシルへのヒドロキ
シメチル基の導入は、5- フルオロウラシルをホルムア
ルデヒド溶液と反応させることによって行うことができ
る(S.Ozaki et al.,Polym.J.,21,956(1989))。この反
応により、1- ヒドロキシメチル- 5- フルオロウラシ
ル、3- ヒドロキシメチル- 5- フルオロウラシル、
1,3- ジヒドロキシメチル- 5- フルオロウラシルを
得ることができる。
シメチル基の導入は、5- フルオロウラシルをホルムア
ルデヒド溶液と反応させることによって行うことができ
る(S.Ozaki et al.,Polym.J.,21,956(1989))。この反
応により、1- ヒドロキシメチル- 5- フルオロウラシ
ル、3- ヒドロキシメチル- 5- フルオロウラシル、
1,3- ジヒドロキシメチル- 5- フルオロウラシルを
得ることができる。
【0022】医薬組成物およびその用途 本発明による化合物およびその薬理学的に許容される塩
は、ガン組織に蓄積し、制ガン剤を徐放することにより
長期的な制ガン効果を有する。従って、本発明による化
合物およびその薬理学的に許容される塩は、制ガン剤と
して用いることができる。
は、ガン組織に蓄積し、制ガン剤を徐放することにより
長期的な制ガン効果を有する。従って、本発明による化
合物およびその薬理学的に許容される塩は、制ガン剤と
して用いることができる。
【0023】本発明による化合物およびその薬理学的に
許容される塩を主成分として含有してなる医薬組成物
は、ヒトおよびヒト以外の動物に、主として経口投与ま
たは非経口投与(例えば筋注、靜注、皮下投与、直腸投
与、経皮投与など)、好ましくは非経口投与することが
できる。従って、本発明の化合物を有効成分として含有
してなる医薬組成物は、経口または非経口投与に適した
種々の剤型で使用される。例えばその用途に応じて、錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トロー
チ錠などの経口剤や、注射剤、直腸投与剤、水溶性坐剤
などのいずれかの製剤形態に調製することができる。こ
れらの各種製剤は、通常用いられている賦形剤、増量
剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、
分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯
臭剤、無痛化剤、安定化剤などを用いて常法により製造
することができる。
許容される塩を主成分として含有してなる医薬組成物
は、ヒトおよびヒト以外の動物に、主として経口投与ま
たは非経口投与(例えば筋注、靜注、皮下投与、直腸投
与、経皮投与など)、好ましくは非経口投与することが
できる。従って、本発明の化合物を有効成分として含有
してなる医薬組成物は、経口または非経口投与に適した
種々の剤型で使用される。例えばその用途に応じて、錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トロー
チ錠などの経口剤や、注射剤、直腸投与剤、水溶性坐剤
などのいずれかの製剤形態に調製することができる。こ
れらの各種製剤は、通常用いられている賦形剤、増量
剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、
分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯
臭剤、無痛化剤、安定化剤などを用いて常法により製造
することができる。
【0024】投与量は、用法、患者の年齢、性別、症状
の程度などを考慮して適宜決定されるが、通常成人1日
当り約50〜1500mg、好ましくは100〜400mg
程度とするのがよく、これを1日1回または数回に分け
て投与することができる。
の程度などを考慮して適宜決定されるが、通常成人1日
当り約50〜1500mg、好ましくは100〜400mg
程度とするのがよく、これを1日1回または数回に分け
て投与することができる。
【0025】
【実施例】本発明による医薬担体および医薬組成物を以
下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0026】実施例1 5‐フルオロウラシル2.73g(21mmol)を
4.0mlの35%ホルマリン水溶液に溶解した後、窒
素気流下、60℃で1時間反応させた。こののち反応溶
液を減圧下に濃縮して、油状のヒドロキシメチル‐5‐
フルオロウラシル誘導体3.55gを得た。
4.0mlの35%ホルマリン水溶液に溶解した後、窒
素気流下、60℃で1時間反応させた。こののち反応溶
液を減圧下に濃縮して、油状のヒドロキシメチル‐5‐
フルオロウラシル誘導体3.55gを得た。
【0027】上記反応により得られたヒドロキシメチル
‐5‐フルオロウラシル混合物全量を25mlのDME
に溶かした。さらに0.67gのγ‐PGA(特開平1
−174397号公報の記載に従って、Bacillus subti
lis F−02−1株の培養液より単離精製して得た)
を加えて溶かし、溶解液に触媒としてジメチルアミノピ
リジン1.32g、ジシクロヘキシルカルボジイミド
2.08gを加えた後、ただちに−25℃に冷却し、窒
素気流下24時間反応させて5‐フルオロウラシル‐γ
‐PGA(以下、「PGAFU」という場合がある)を
合成した。溶媒として用いたDMFを減圧濃縮して除去
した後、、残渣をアセトンさらにアセトニトリルで洗浄
し、減圧下40℃で一晩乾燥させPGAFU1.50g
を得た。
‐5‐フルオロウラシル混合物全量を25mlのDME
に溶かした。さらに0.67gのγ‐PGA(特開平1
−174397号公報の記載に従って、Bacillus subti
lis F−02−1株の培養液より単離精製して得た)
を加えて溶かし、溶解液に触媒としてジメチルアミノピ
リジン1.32g、ジシクロヘキシルカルボジイミド
2.08gを加えた後、ただちに−25℃に冷却し、窒
素気流下24時間反応させて5‐フルオロウラシル‐γ
‐PGA(以下、「PGAFU」という場合がある)を
合成した。溶媒として用いたDMFを減圧濃縮して除去
した後、、残渣をアセトンさらにアセトニトリルで洗浄
し、減圧下40℃で一晩乾燥させPGAFU1.50g
を得た。
【0028】得られたPGAFUの0.2Mリン酸緩衝
液中での紫外部吸収スペクトルは200nmおよび27
5nmに極大吸収を示す特徴的なものであった(図
1)。
液中での紫外部吸収スペクトルは200nmおよび27
5nmに極大吸収を示す特徴的なものであった(図
1)。
【0029】実施例2 実施例1により得られたPGAFU10mgを10ml
の36℃ 0.2規定リン酸緩衝液(pH=7.4)に
懸濁し、一定時間ごとに上清液10μlをHPLC(カ
ラム:Si−ODS 12.5×4.6mmI.D.,流
速:0.5ml/min 、検出波長:265nm、溶出液:H
2O)にかけ、上清に放出される5‐フルオロウラシル
を測定した。この結果80分間にPGAFUに含まれる
5‐フルオロウラシルの20%が放出された(図2)。
の36℃ 0.2規定リン酸緩衝液(pH=7.4)に
懸濁し、一定時間ごとに上清液10μlをHPLC(カ
ラム:Si−ODS 12.5×4.6mmI.D.,流
速:0.5ml/min 、検出波長:265nm、溶出液:H
2O)にかけ、上清に放出される5‐フルオロウラシル
を測定した。この結果80分間にPGAFUに含まれる
5‐フルオロウラシルの20%が放出された(図2)。
【0030】薬理試験 実施例1で得られた高分子化合物の抗ガン活性を、エー
ルリッヒ(Ehrlich)腹水ガンおよび固形ガン
(ガン細胞0.1ml(106 〜107 個含まれる)をラ
ット腹腔内および皮下にそれぞれ注射した。)により評
価した。前者については、無処置対照群と薬剤添加群
(5‐フルオロウラシルおよびPGAFU添加群)の担
ガンマウス生存率として求めた(表1)。一方、固形ガ
ンについては、無処置対照群と薬剤添加群とのガン細胞
表面積を比較し抗ガン活性を比較した(表2)。PGA
FUは5‐フルオロウラシルと同等の抗ガン活性を示し
た。
ルリッヒ(Ehrlich)腹水ガンおよび固形ガン
(ガン細胞0.1ml(106 〜107 個含まれる)をラ
ット腹腔内および皮下にそれぞれ注射した。)により評
価した。前者については、無処置対照群と薬剤添加群
(5‐フルオロウラシルおよびPGAFU添加群)の担
ガンマウス生存率として求めた(表1)。一方、固形ガ
ンについては、無処置対照群と薬剤添加群とのガン細胞
表面積を比較し抗ガン活性を比較した(表2)。PGA
FUは5‐フルオロウラシルと同等の抗ガン活性を示し
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【図1】0.2Mリン酸緩衝液中におけるメチルオキシ
‐5‐フルオロウラシルおよびPGAFUの紫外部吸収
スペクトルを示したものである。
‐5‐フルオロウラシルおよびPGAFUの紫外部吸収
スペクトルを示したものである。
【図2】0.2Mリン酸緩衝液中におけるPGAFUか
らの5‐フルオロウラシルの放出の時間経過を示したも
のである。
らの5‐フルオロウラシルの放出の時間経過を示したも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守 田 則 一 福岡県福岡市城南区七隈8−19−1 福岡 大学薬学部内 (72)発明者 遠 藤 剛 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学資源化学研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】下記式(I)で表されるポリ- γ- グルタ
ミン酸またはその塩からなる、薬物担体用高分子。 【化1】 (式中、nは正の整数を表す。) - 【請求項2】下記の一般式(II)で表される、ポリ- γ
- グルタミン酸複合体およびその塩。 【化2】 (式中、R1は水酸基または下記式(III)または(IV)
で表わされる基: 【化3】 (ここで、R2およびR3は水素原子または基−CH2
OHを表す)を表し、 nは正の整数を表すが、 但し、分子中の全てのR1が水酸基を表すことはない) - 【請求項3】請求項2記載の複合体またはその塩を有効
成分として含んでなる、徐放性制ガン剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24639292A JPH0692870A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 薬物担体用高分子および徐放性制ガン剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24639292A JPH0692870A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 薬物担体用高分子および徐放性制ガン剤 |
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JPH0692870A true JPH0692870A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=17147846
Family Applications (1)
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JP24639292A Pending JPH0692870A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 薬物担体用高分子および徐放性制ガン剤 |
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JP (1) | JPH0692870A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2003049771A1 (fr) * | 2001-12-11 | 2003-06-19 | Ajinomoto Co., Inc. | Capsules alimentaires |
JP2006327949A (ja) * | 2005-05-23 | 2006-12-07 | Hiroshi Takeda | 眼薬用組成物 |
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WO2014208611A1 (ja) | 2013-06-26 | 2014-12-31 | 武田薬品工業株式会社 | ポリアミノ酸の製造方法 |
-
1992
- 1992-09-16 JP JP24639292A patent/JPH0692870A/ja active Pending
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US9815938B2 (en) | 2013-06-26 | 2017-11-14 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | Production method for poly(amino acid) |
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