JPH069271A - 耐摩耗性のすぐれたダイヤモンド基焼結材料およびその製造法 - Google Patents
耐摩耗性のすぐれたダイヤモンド基焼結材料およびその製造法Info
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Abstract
を改善して、これを特に切削工具として用いた場合にす
ぐれた耐摩耗性を発揮せしめる。 【構成】 分散相形成成分として、1〜20容量%のM
gCO3 ,CaCO3 ,SrCO3 ,およびBaC
O3 ,並びにこれらの2種以上の固溶体のうちの1種ま
たは2種以上と、1〜30容量%のTiC,ZrC,H
fC,VC,TaC,NbC,WC,Cr3 C2 ,Mo
2 C,およびSiC,並びにこれらの2種以上の固溶体
のうちの1種または2種以上を含有し、残りが実質的に
上記金属炭酸塩の作用で焼結時にダイヤモンド粒の相互
結合促進がなされて素地を形成するようになるダイヤモ
ンドからなる組成をもったダイヤモンド基焼結材料およ
びその製造法である。
Description
高温安定性にすぐれ、特に大きな発熱を伴なうSi3 N
4 系セラミックスやサイアロン系セラミックス、さらに
WC基超硬合金などの切削に、切削工具として用いた場
合に、すぐれた耐摩耗性を発揮し、使用寿命の延命化を
可能とするダイヤモンド基焼結材料およびその製造法に
関するものである。
号公報に記載される通り、原料粉末として、ダイヤモン
ド粉末と、周期律表の4a,5a,および6a族金属の
炭化物、窒化物、ほう化物、およびけい化物、並びにこ
れらの2種以上の固溶体のうちの1種または2種以上の
粉末を用い、これらの原料粉末を所定の割合に配合し、
混合した後、超高圧焼結装置にて、焼結することによ
り、20〜80容量%のダイヤモンドが分散相を形成
し、残りの周期律表の4a,5a,および6a族金属の
炭化物、窒化物、ほう化物、およびけい化物、並びにこ
れらの2種以上の固溶体のうちの1種または2種以上が
焼結体組織中で連続した結合相を形成するダイヤモンド
基焼結材料を製造する方法が知られており、またこのダ
イヤモンド基焼結材料が切削工具として用いられること
も良く知られている。
のFA化およびCIM化はめざましく、これに伴ない切
削工具にもより一層の使用寿命の延命化が要求される
が、上記の従来方法で製造されたダイヤモンド基焼結材
料においては、分散相を形成するダイヤモンド粒の結合
相に対する密着性、特に高温密着性が十分でないため
に、切削中にダイヤモンド粒が分離し易く、この結果摩
耗の進行が速くなり、比較的短時間で使用寿命に至るの
が現状である。
上述のような観点から、上記の従来ダイヤモンド基焼結
材料に比して、一段と耐摩耗性のすぐれたダイヤモンド
基焼結材料を開発すべく研究を行なった結果、原料粉末
として、ダイヤモンド粉末と、周期律表の4a,5a,
および6a族金属の炭化物、並びにSi炭化物、さらに
これらの2種以上の固溶体からなる複合炭化物のうちの
1種または2種以上で構成された金属炭化物粉末に加え
て、Mg,Ca,Sr,およびBaの炭酸塩、並びにこ
れらの2種以上の固溶体からなる複合炭酸塩のうちの1
種または2種以上で構成された金属炭酸塩粉末を用い、
これら原料粉末を、容量%で(以下、%は容量%を示
す)、金属炭酸塩粉末:1〜20%、金属炭化物粉末:
1〜30%、ダイヤモンド粉末:残り、からなる配合組
成に配合し、通常の条件で混合して混合状態とするか、
あるいは、金属炭酸塩粉末層と、ダイヤモンド粉末と金
属炭化物粉末との混合粉末で構成されたダイヤモンド系
混合粉末層、のそれぞれ1層以上の交互積層体とし、か
つこれらの全体に占める割合を、金属炭酸塩粉末:1〜
20%、金属炭化物粉末:1〜30%、ダイヤモンド粉
末:残り、とした状態で、通常の超高圧焼結装置に装入
し、通常の条件、すなわち、圧力:6GPa 以上、温度:
1700℃以上、望ましくは、圧力:7〜10GPa 、温
度:2000〜2500℃、の条件で超高圧焼結を施す
と、原料粉末を交互積層配置とした場合には、高圧付加
により稠密化したダイヤモンド粉末と金属炭化物粉末か
らなる混合粉末層の微少な粉末間隙に金属炭酸塩粉末が
進入し、また混合状態の場合はそのままの状態で、金属
炭酸塩粉末が隣接するダイヤモンド粉末同志の接合を著
しく促進する作用を発揮するので、ダイヤモンドの素地
に、金属炭化物と金属炭酸塩化合物(この金属炭酸塩化
合物は、全体が金属炭酸塩からなる場合が通常である
が、焼結条件によって、その一部が金属炭酸塩を構成す
る金属の酸化物および炭化物、並びにこれらの2種以上
の固溶体のうちの1種または2種以上からなる場合があ
る。しかしその割合が10%以下であれば特性上何らの
影響を受けるものではない)が分散した組織を有するダ
イヤモンド基焼結材料が得られるようになり、この結果
のダイヤモンド基焼結材料は、上記の通りダイヤモンド
が分散相を形成し、セラミックスが素地を形成する組織
の従来ダイヤモンド基焼結材料とは相反して、ダイヤモ
ンド粒の相互接合によって形成された素地に微細な金属
炭酸塩化合物と金属炭化物が均一に分散した組織を有す
るので、相対的に高硬度を有し、かつ高温安定性にもす
ぐれたものになり、この結果、これを例えば大きな発熱
を伴なう切削の切削工具として用いた場合にも一段とす
ぐれた耐摩耗性を発揮するようになるという研究結果を
得たのである。
もとづいてなされたものであって、原料粉末として、M
g,Ca,Sr,およびBaの炭酸塩(以下、それぞれ
MgCO3 ,CaCO3 ,SrCO3 ,およびBaCO
3 で示す)、並びにこれらの2種以上の固溶体からなる
複合炭酸塩のうちの1種または2種以上で構成された金
属炭酸塩粉末、周期律表の4a,5a,および6a族金
属の炭化物、並びにSi炭化物(以下、それぞれTi
C,ZrC,HfC,VC,TaC,NbC,WC,C
r3 C2,Mo2 C,およびSiCで示す)、さらにこ
れらの2種以上の固溶体からなる複合炭化物のうちの1
種または2種以上で構成された金属炭化物粉末、および
ダイヤモンド粉末、を用い、これらの原料粉末を、
(a)金属炭酸塩粉末:1〜20%、金属炭化物粉末:
1〜30%、ダイヤモンド粉末:残り、からなる配合組
成に配合し、通常の条件で混合して混合状態とするか、
あるいは、(b)金属炭酸塩粉末層と、ダイヤモンド粉
末と金属炭化物との混合粉末で構成されたダイヤモンド
系混合粉末層、のそれぞれ1層以上の交互積層体とし、
かつこれらの全体に占める割合を、金属炭酸塩粉末:1
〜20%、金属炭化物粉末:1〜30%、ダイヤモンド
粉末:残り、とした状態で、通常の超高圧焼結装置に装
入し、通常の条件、すなわち、圧力:6GPa 以上、温
度:1700℃以上、望ましくは、圧力:7〜10GPa
、温度:2000〜2500℃、の条件で超高圧焼結
することにより耐摩耗性のすぐれたダイヤモンド基焼結
材料を製造する方法、並びに、この方法によって製造さ
れた、全体に占める割合で、1〜20%のMgCO3 ,
CaCO3 ,SrCO3 ,およびBaCO3 ,並びにこ
れらの2種以上の固溶体からなる複合炭酸塩のうちの1
種または2種以上を主体とし、焼結条件によっては同じ
く10%以下の割合で、Mg,Ca,Sr,およびBa
の酸化物および炭化物、並びにこれらの2種以上の固溶
体のうちの1種または2種以上を選択的に含有する場合
がある金属炭酸塩化合物と、同1〜30%のTiC,Z
rC,HfC,VC,TaC,NbC,WC,Cr3 C
2 ,Mo2 C,およびSiC,並びにこれらの2種以上
の固溶体からなる複合炭化物のうちの1種または2種以
上で構成された金属炭化物が、素地中に微細均一に分布
する分散相を形成し、残りがダイヤモンド粒の相互接合
体からなる素地を形成するダイヤモンドからなる、耐摩
耗性のすぐれたダイヤモンド基焼結材料、に特徴を有す
るものである。
料およびその製造法において、配合組成(成分組成)を
上記の通りに限定した理由を説明する。
時の結合促進効果が不十分で、満足するダイヤモンド素
地の形成が困難であり、一方その割合が20%を越える
と、金属炭化物との割合とも関連してダイヤモンド粒相
互間に介在する割合が多くなりすぎ、この結果ダイヤモ
ンド粒の結合をさまたげ、ダイヤモンド素地の形成が困
難になり、すぐれた耐摩耗性を確保することができなく
なることから、その割合を1〜20%と定めた。
性を向上させる作用があるが、その割合が1%未満では
所望の靭性を確保することができず、一方その割合が3
0%を越えると、上記の通りダイヤモンド素地の形成が
困難になって、耐摩耗性の低下をきたすようになること
から、その割合を1〜30%と定めた。
上、温度:1700℃以上、望ましくは圧力:7〜10
GPa 、温度:2000〜2500℃の超高圧焼結条件
は、通常の条件であって、これらの条件を満足した場合
に、粒成長を抑制した状態で、ポアのない緻密にして健
全な焼結材料を製造することができるのである。
およびその製造法を実施例により具体的に説明する。
〜20μmの範囲内の所定の平均粒径を有するダイヤモ
ンド粉末、各種の金属炭酸塩粉末および金属炭化物粉末
を用意し、これら原料粉末を表1に示される配合組成に
配合し、乾式混合した後、200MPa の圧力で圧粉体に
成形し、この圧粉体を通常のベルト型超高圧焼結装置に
装入し、同じく表1に示される条件で超高圧焼結するこ
とにより本発明法1〜14および従来法1〜5を実施
し、それぞれ表3に示される成分組成および直径:7mm
φ×厚さ:1mmの寸法をもった本発明ダイヤモンド基焼
結材料1〜14および従来ダイヤモンド基焼結材料1〜
5を製造した。
粉末を用い、これら原料粉末をそれぞれ表2に示される
割合に秤量し、ダイヤモンド粉末と金属炭化物粉末とを
溶媒としてアセトンを用いて湿式混合し、乾燥してダイ
ヤモンド系混合粉末とし、この混合粉末と金属炭酸塩粉
末とを、それぞれ層状にして同じく表2に示される層数
にて交互に積層し、この積層体を通常のベルト型超高圧
焼結装置にて、圧力:8GPa 、温度:2200℃の条件
で超高圧焼結することにより本発明法A〜Nを実施し、
表3に示される成分組成をもった本発明ダイヤモンド基
焼結材料A〜Nをそれぞれ製造した。
ンド基焼結材料について、ビッカース硬さを測定し、さ
らにこれをWC基超硬合金(WC−6重量%Co)の基
体に、Ti合金ろう材を用いて、1000℃にてろう付
けした後、TPGN322およびTNGA332に則し
た形状の切削チップに加工し、(a)被削材:市販のサ
イアロン(セラミックス)の丸棒、切削速度:10m/
min 、切込み:0.1mm、送り:0.05mm/rev.、チ
ップ形状:TPGN322、の条件(水溶性切削油使
用)でのセラミックスの湿式連続切削試験(以下切削試
験Aという)、(b)被削材:WC−12重量%Coの
組成をもったWC基超硬合金の丸棒、切削速度:40m
/min 、切込み:0.3mm、送り:0.1mm/rev.、チ
ップ形状:TNGA332、の条件でのWC基超硬合金
の乾式連続切削試験(以下切削試験Bという)を行な
い、いずれの場合も切刃の逃げ面摩耗幅が0.2mmに至
るまでの切削時間を測定した。これらの測定結果を表3
〜5に示した。
〜14および本発明法A〜Nにより製造された本発明ダ
イヤモンド基焼結材料1〜14および同A〜Nは、いず
れもダイヤモンドからなる素地に、微細な金属炭酸塩を
主体とする金属炭酸塩化合物と金属炭化物とが均一に分
散した組織を有し、この結果相対的に高い硬さを有する
ようになって、切削試験ではすぐれた耐摩耗性を発揮す
るのに対して、従来法1〜5で製造された従来ダイヤモ
ンド基焼結材料1〜5は、いずれも金属炭化物からなる
結合相とダイヤモンドの分散相で構成された組織をもつ
ので、切削試験ではダイヤモンド粒の欠落が起って低い
耐摩耗性しか示さないことが明らかである。
金属炭酸塩の作用で、ダイヤモンド素地に金属炭化物と
金属炭酸塩化合物とが微細均一に分散した組織をもった
高硬度を有し、かつ高温安定性にすぐれたダイヤモンド
基焼結材料を製造することができ、したがって、これを
これらの特性が要求されるSi3 N4 基セラミックスや
WC基超硬合金、さらにサイアロン基セラミックスなど
の切削に切削工具として用いた場合に、すぐれた耐摩耗
性を示し、使用寿命の著しい延命化を可能とするなど工
業上有用な効果がもたらされるのである。
Claims (7)
- 【請求項1】 主体が、Mg,Ca,Sr,およびBa
の炭酸塩、並びにこれらの2種以上の固溶体からなる複
合炭酸塩のうちの1種または2種以上で構成された分散
相形成成分としての金属炭酸塩化合物:1〜20容量
%、 周期律表の4a,5a,および6a族金属の炭化物、並
びSi炭化物、さらにこれらの2種以上の固溶体からな
る複合炭化物のうちの1種または2種以上で構成された
分散相形成成分として金属炭化物:1〜30容量%、を
含有し、残りが実質的に素地形成用成分としてのダイヤ
モンドからなる組成を有することを特徴とする耐摩耗性
のすぐれたダイヤモンド基焼結材料。 - 【請求項2】 上記金属炭酸塩化合物が、実質的にM
g,Ca,Sr,およびBaの炭酸塩、並びにこれらの
2種以上の固溶体からなる複合炭酸塩のうちの1種また
は2種以上からなることを特徴とする上記請求項1記載
の耐摩耗性のすぐれたダイヤモンド基焼結材料。 - 【請求項3】 上記金属炭酸塩化合物が、Mg,Ca,
Sr,およびBaの炭酸塩、並びにこれらの2種以上の
固溶体からなる複合炭酸塩のうちの1種または2種以上
を主体とし、このほかにMg,Ca,Sr,およびBa
の酸化物および炭化物、並びにこれらの2種以上の固溶
体のうちの1種または2種以上を含有することを特徴と
する上記請求項1記載の耐摩耗性のすぐれたダイヤモン
ド基焼結材料。 - 【請求項4】 Mg,Ca,Sr,およびBaの炭酸
塩、並びにこれらの2種以上の固溶体からなる複合炭酸
塩のうちの1種または2種以上:1〜20容量%、 周期律表の4a,5a,および6a族金属の炭化物、並
びにSi炭化物、さらにこれらの2種以上の固溶体から
なる複合炭化物のうちの1種または2種以上:1〜30
容量%、 ダイヤモンド:残り、からなる配合組成を有する混合粉
末を、 圧力:6GPa 以上、温度:1700℃以上、の条件で焼
結することを特徴とする耐摩耗性のすぐれたダイヤモン
ド基焼結材料の製造法。 - 【請求項5】 上記焼結条件が、 圧力:7〜10GPa 、温度:2000〜2500℃、で
あることを特徴とする上記請求項4記載の耐摩耗性のす
ぐれたダイヤモンド基焼結材料の製造法。 - 【請求項6】 全体に占める割合で、1〜20容量%の
Mg,Ca,Sr,およびBaの炭酸塩、並びにこれら
の2種以上の固溶体からなる複合炭酸塩のうちの1種ま
たは2種以上で構成された金属炭酸塩粉末層と、 同1〜30容量%の周期律表の4a,5a,および6a
族金属の炭化物、並びにSi炭化物、さらにこれらの2
種以上の固溶体からなる複合炭化物のうちの1種または
2種以上と、残りのダイヤモンドとの混合粉末で構成さ
れたダイヤモンド系混合粉末層、とを2層以上の交互積
層配置とした状態で、 圧力:6GPa 以上、温度:1700℃以上、の条件で焼
結することを特徴とする耐摩耗性のすぐれたダイヤモン
ド基焼結材料の製造法。 - 【請求項7】 上記焼結条件が、 圧力:7〜10GPa 、温度:2000〜2500℃、で
あることを特徴とする上記請求項6記載の耐摩耗性のす
ぐれたダイヤモンド基焼結材料の製造法。
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JP18347391A JP3289285B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 耐摩耗性のすぐれたダイヤモンド基焼結材料およびその製造法 |
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JP18347391A Expired - Lifetime JP3289285B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 耐摩耗性のすぐれたダイヤモンド基焼結材料およびその製造法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6302225B1 (en) | 1998-04-28 | 2001-10-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Polycrystal diamond tool |
JP2006522732A (ja) * | 2003-04-14 | 2006-10-05 | スケルトン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト | ダイヤモンド複合材料の製造方法 |
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1991
- 1991-06-28 JP JP18347391A patent/JP3289285B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US7959887B2 (en) | 2003-04-04 | 2011-06-14 | Element Six Limited | Method for manufacturing a diamond composite |
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