JPH0692391B2 - 1,4−ジヒドロピリジン誘導体 - Google Patents
1,4−ジヒドロピリジン誘導体Info
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- JPH0692391B2 JPH0692391B2 JP17734187A JP17734187A JPH0692391B2 JP H0692391 B2 JPH0692391 B2 JP H0692391B2 JP 17734187 A JP17734187 A JP 17734187A JP 17734187 A JP17734187 A JP 17734187A JP H0692391 B2 JPH0692391 B2 JP H0692391B2
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- dioxene
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- dihydropyridine derivative
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた薬理活性を有する新規1,4−ジヒドロピ
リジン誘導体に関し、更に詳しくは腫瘍等の治療薬とし
て有効な1,4−ジヒドロピリジン誘導体に関する。
リジン誘導体に関し、更に詳しくは腫瘍等の治療薬とし
て有効な1,4−ジヒドロピリジン誘導体に関する。
1,4−ジヒドロピリジン誘導体については既に多くの化
合物が知られている。これらの公知1,4−ジヒドロピリ
ジン誘導体の中には薬理活性を有することが知られてい
る化合物は数多いが、その大部分のものは循環器系に対
して薬理活性を有するものであり、その他の薬理活性に
ついては抗炎症作用、肝保護作用等を有するものがごく
少数報告されているに過ぎない。
合物が知られている。これらの公知1,4−ジヒドロピリ
ジン誘導体の中には薬理活性を有することが知られてい
る化合物は数多いが、その大部分のものは循環器系に対
して薬理活性を有するものであり、その他の薬理活性に
ついては抗炎症作用、肝保護作用等を有するものがごく
少数報告されているに過ぎない。
一方、腫瘍に対して何等かの薬理活性を有する1,4−ジ
ヒドロピリジン誘導体については、特公表55-500577号
公報の中に、4位に置換基を有しない1,4−ジヒドロピ
リジン化合物がある種の腫瘍に対して転移抑制効果を有
することが記載されている。また、特開昭60-6613号公
報には、ニフェジピン、ニモジピン等の1,4−ジヒドロ
ピリジンを有効成分とする抗腫瘍及び抗腫瘍転移剤につ
いて記載されている。更に、特開昭62-87516号公報に
は、白金配位化合物とニフェジピン、ニモジピン等の化
合物を併用する悪性腫瘍の処置法等が記載されている。
ヒドロピリジン誘導体については、特公表55-500577号
公報の中に、4位に置換基を有しない1,4−ジヒドロピ
リジン化合物がある種の腫瘍に対して転移抑制効果を有
することが記載されている。また、特開昭60-6613号公
報には、ニフェジピン、ニモジピン等の1,4−ジヒドロ
ピリジンを有効成分とする抗腫瘍及び抗腫瘍転移剤につ
いて記載されている。更に、特開昭62-87516号公報に
は、白金配位化合物とニフェジピン、ニモジピン等の化
合物を併用する悪性腫瘍の処置法等が記載されている。
しかしながら、上記公報中に記載されている化合物は、
4位に置換基を有しないか、又は4位にニトロフェニル
基等の置換フェニル基が結合した1,4−ジヒドロピリジ
ン化合物であり、4位にジオキセンの如き特殊な複素環
が結合した1,4−ジヒドロピリジン誘導体については全
く述べられていない。
4位に置換基を有しないか、又は4位にニトロフェニル
基等の置換フェニル基が結合した1,4−ジヒドロピリジ
ン化合物であり、4位にジオキセンの如き特殊な複素環
が結合した1,4−ジヒドロピリジン誘導体については全
く述べられていない。
本発明者らは1,4−ジヒドロピリジン誘導体について、
抗腫瘍薬との併用効果の有無を広範にスクリーニングし
た結果、意外にも、ある種の化合物が抗腫瘍薬に対する
腫瘍細胞、特に耐性を獲得した腫瘍細胞の感受性を著し
く増大させる作用を有することを見出し、本発明に到達
したものである。
抗腫瘍薬との併用効果の有無を広範にスクリーニングし
た結果、意外にも、ある種の化合物が抗腫瘍薬に対する
腫瘍細胞、特に耐性を獲得した腫瘍細胞の感受性を著し
く増大させる作用を有することを見出し、本発明に到達
したものである。
本発明によれば、式(I) (式中、R1は水素原子又はC1〜C3アルキル基を表わし、
R2はC1〜C6アルキル基、好ましくはC1〜C5アルキル基、
更に好ましくはC3〜C5アルキル基又はベンゼン環がメチ
ル基で置換されていてもよいフェニル基もしくはフェニ
ル低級アルキル(例えばベンシル基、フェニルエチル
基)を表わし、nは2〜4の整数を表わし、R3は水素原
子又はC1〜C3アルキル基を表わすが、R1が水素原子又は
メチル基を表わし、R2がメチル基を表わし、nが整数2
を表わし、R3が水素原子を表わす場合は除く)で表わさ
れる1,4−ジヒドロピリジン誘導体が提供される。
R2はC1〜C6アルキル基、好ましくはC1〜C5アルキル基、
更に好ましくはC3〜C5アルキル基又はベンゼン環がメチ
ル基で置換されていてもよいフェニル基もしくはフェニ
ル低級アルキル(例えばベンシル基、フェニルエチル
基)を表わし、nは2〜4の整数を表わし、R3は水素原
子又はC1〜C3アルキル基を表わすが、R1が水素原子又は
メチル基を表わし、R2がメチル基を表わし、nが整数2
を表わし、R3が水素原子を表わす場合は除く)で表わさ
れる1,4−ジヒドロピリジン誘導体が提供される。
本発明に於いて、上記式(I)で表わされる1,4−ジヒ
ドロピリジン誘導体の中で特に顕著な薬物感受性増強作
用を有するものはR2がC3〜C5アルキル基である化合物で
ある。
ドロピリジン誘導体の中で特に顕著な薬物感受性増強作
用を有するものはR2がC3〜C5アルキル基である化合物で
ある。
これら特定の置換基を有する化合物は、後記試験例で詳
しく述べるように、他の化合物に比べて一層顕著な薬物
感受性増強作用を有しており、医薬として特に有用な化
合物である。
しく述べるように、他の化合物に比べて一層顕著な薬物
感受性増強作用を有しており、医薬として特に有用な化
合物である。
上記式(I)で表わされる1,4−ジヒドロピリジン誘導
体は、いずれも従来から1,4−ジヒドロピリジン類の製
造に利用されている周知の反応を利用して製造すること
ができる。例えば、式(I)においてR3が水素原子であ
る化合物は式(II) (式中、R1は水素原子又はC1〜C3アルキル基を表わす)
で表わされるアルデヒドをβ−アミノクロトン酸エステ
ル及びアセト酢酸エステルと共に有機溶媒の存在下又は
不存在下に加熱あるいは加熱還流して反応させるか(方
法A)、又は式(II)で表わされるアルデヒドをアセト
酢酸エステル及びアンモニア水と共に、有機溶媒の存在
下又は不存在下に、加熱好ましくは加熱還流して反応さ
せる(方法B)ことにより製造することができる。更
に、式(I)に於いてR3がC1〜C3アルキル基である化合
物は、上記方法A又は方法Bにより得られた、それぞれ
の、目的化合物を、更に有機溶媒中に於いて水素化ナト
リウムの存在下にC1〜C3アルキルクロライドと反応させ
ることにより製造することができる(方法C)。これら
の反応を反応式で示すと下記の通りである。
体は、いずれも従来から1,4−ジヒドロピリジン類の製
造に利用されている周知の反応を利用して製造すること
ができる。例えば、式(I)においてR3が水素原子であ
る化合物は式(II) (式中、R1は水素原子又はC1〜C3アルキル基を表わす)
で表わされるアルデヒドをβ−アミノクロトン酸エステ
ル及びアセト酢酸エステルと共に有機溶媒の存在下又は
不存在下に加熱あるいは加熱還流して反応させるか(方
法A)、又は式(II)で表わされるアルデヒドをアセト
酢酸エステル及びアンモニア水と共に、有機溶媒の存在
下又は不存在下に、加熱好ましくは加熱還流して反応さ
せる(方法B)ことにより製造することができる。更
に、式(I)に於いてR3がC1〜C3アルキル基である化合
物は、上記方法A又は方法Bにより得られた、それぞれ
の、目的化合物を、更に有機溶媒中に於いて水素化ナト
リウムの存在下にC1〜C3アルキルクロライドと反応させ
ることにより製造することができる(方法C)。これら
の反応を反応式で示すと下記の通りである。
これらの製造方法に用いられる反応は、従来から1,4−
ジヒドロピリジン化合物の製造に使用されている公知の
反応(例えば特公昭46-40625号公報、同56-37225号公
報、特開昭60-214786号公報等に記載されている方法に
用いられている反応)と基本的に同一である。従って本
発明の1,4−ジヒドロピリジン誘導体は上記方法以外
に、これら公知文献に記載された別の反応を適宜応用す
ることによっても製造することも可能である。
ジヒドロピリジン化合物の製造に使用されている公知の
反応(例えば特公昭46-40625号公報、同56-37225号公
報、特開昭60-214786号公報等に記載されている方法に
用いられている反応)と基本的に同一である。従って本
発明の1,4−ジヒドロピリジン誘導体は上記方法以外
に、これら公知文献に記載された別の反応を適宜応用す
ることによっても製造することも可能である。
上記製造方法に於いて用いられる原料化合物は、一部の
アルデヒドを除きいずれも公知の化合物であり、当業者
が必要に応じて容易に入手もしくは製造することのでき
るものである。即ち、アセト酢酸エステル、β−アミノ
クロトン酸エステルはいずれも1,4−ジヒドロピリジン
化合物の製造原料として常用されている化合物であり、
必要に応じて市販品を随時入手することができ、また容
易に合成することもできる。また、式(II)で表わされ
るアルデヒドは、例えばM.S.Shostakovskii;Izvest.Aka
d.Nauk. S.S.S.R.Otdel.Khim.Nauk.,1685,(1961)、前記特開昭
60-214786号公報等に記載されている方法によって製造
することができる。
アルデヒドを除きいずれも公知の化合物であり、当業者
が必要に応じて容易に入手もしくは製造することのでき
るものである。即ち、アセト酢酸エステル、β−アミノ
クロトン酸エステルはいずれも1,4−ジヒドロピリジン
化合物の製造原料として常用されている化合物であり、
必要に応じて市販品を随時入手することができ、また容
易に合成することもできる。また、式(II)で表わされ
るアルデヒドは、例えばM.S.Shostakovskii;Izvest.Aka
d.Nauk. S.S.S.R.Otdel.Khim.Nauk.,1685,(1961)、前記特開昭
60-214786号公報等に記載されている方法によって製造
することができる。
本発明によれば、上記の方法で生成される反応生成物、
即ち、式(I)で表わされる1,4−ジヒドロピリジン誘
導体は、常法に従って、例えば溶媒による抽出、クロマ
トグラフィー、結晶化等によって反応混合物から分離
し、かつ精製することができる。
即ち、式(I)で表わされる1,4−ジヒドロピリジン誘
導体は、常法に従って、例えば溶媒による抽出、クロマ
トグラフィー、結晶化等によって反応混合物から分離
し、かつ精製することができる。
次に、参考例および実施例を示し、本発明に係る1,4−
ジヒドロピリジン誘導体の合成例及びその有用性を確認
するために行なった薬理試験結果について説明するが、
本発明の範囲がこれら実施例に限定されるものでないこ
とが言うまでもない。
ジヒドロピリジン誘導体の合成例及びその有用性を確認
するために行なった薬理試験結果について説明するが、
本発明の範囲がこれら実施例に限定されるものでないこ
とが言うまでもない。
参考例1 2−ホルミル−3−エチル−p−ジオキセンの合成 ジメチルホルムアミド154ml(1.99モル)に、氷冷攪拌
下、溶液の温度を0−5℃に保ちつつオキシ塩化リン62
ml(0.644モル)を滴下した。次に、得られた反応溶液
に2−エチル−p−ジオキセン63.0g(0.553モル)を、
溶液の温度を10℃以下に保ちつつ滴下した後、徐々に室
温にもどし、更に70℃の油浴上で1時間加熱攪拌し、反
応を完結した。反応後、得られた反応溶液を氷水中に注
ぎ込み、炭酸水素ナトリウムにて加水分解し、ジクロロ
メタンで抽出した。ジクロロメタン層を芒硝で乾燥した
後、溶媒を留去し得られた油状物質を減圧蒸留して油状
の目的物質65.0g(収率:83.0%)を得た。この物質の分
析値は以下の通りである。
下、溶液の温度を0−5℃に保ちつつオキシ塩化リン62
ml(0.644モル)を滴下した。次に、得られた反応溶液
に2−エチル−p−ジオキセン63.0g(0.553モル)を、
溶液の温度を10℃以下に保ちつつ滴下した後、徐々に室
温にもどし、更に70℃の油浴上で1時間加熱攪拌し、反
応を完結した。反応後、得られた反応溶液を氷水中に注
ぎ込み、炭酸水素ナトリウムにて加水分解し、ジクロロ
メタンで抽出した。ジクロロメタン層を芒硝で乾燥した
後、溶媒を留去し得られた油状物質を減圧蒸留して油状
の目的物質65.0g(収率:83.0%)を得た。この物質の分
析値は以下の通りである。
沸点:77.0-80.5℃(7mmHg) IR:νKBr maxcm-1 1720(C=0),1220(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 1.21(3H,t,CH2 CH3 ) 2.56(2H,q,CH2 CH3) 4.04−4.30(4H,m,ジオキセン環OCH2CH2O) 9.53(1H,s,CHO) 実施例1 4−〔2−(5,6−ジヒドロ−p−ジオキシニル)〕−
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(2−n−ブトキシエチル)エステルの合成 2−ホルミル−p−ジオキセン2.30g(0.020モル)、ア
セト酢酸−2−n−ブトキシエチルエステル8.90g(0.0
40モル)および28%アンモニア水3.5mlをイソプロピル
アルコール30mlに溶解し、20時間加熱還流した。冷却
後、反応液を濃縮乾固し残渣を酢酸エチルに溶解し、少
量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で
乾燥した後、溶媒を留去し結晶を得た。ついでイソプロ
ピルアルコールで再結晶を行ない白色結晶の目的物質4.
45g(収率45.8%)を得た。
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(2−n−ブトキシエチル)エステルの合成 2−ホルミル−p−ジオキセン2.30g(0.020モル)、ア
セト酢酸−2−n−ブトキシエチルエステル8.90g(0.0
40モル)および28%アンモニア水3.5mlをイソプロピル
アルコール30mlに溶解し、20時間加熱還流した。冷却
後、反応液を濃縮乾固し残渣を酢酸エチルに溶解し、少
量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で
乾燥した後、溶媒を留去し結晶を得た。ついでイソプロ
ピルアルコールで再結晶を行ない白色結晶の目的物質4.
45g(収率45.8%)を得た。
この物質の分析値は以下の通りである。
融点:95.0〜96.0℃ IR:νKBr maxcm-1 3340(NH),1700(C=0),1210,1275(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 0.95(6H,t,2×CH2CH2CH2 CH3 ) 1.9-2.1(8H,m,2×CH2 CH2CH2 CH3) 2.09(6H,s.2,6位 CH3) 3.50(4H,t,2×OCH2 CH2CH2CH3) 3.70(4H,t,2×COOCH2 CH2 O) 3.90(4H,s,ジオキセン環 OCH2CH2O) 4.15-4.40(4H,m,2×COOCH2 CH2) 4.46(1H,s,4位H) 5.80(1H,b,NH) 5.93(1H,s,ビニルH) 元素分析(C25H39NO8) 計算値:C,62.35:H,8.16:N,2.91 実験値:C,62.53:H,8.03:N,2.85 実施例2 4−〔2−(5,6−ジヒドロ−p−ジオキシニル)〕−
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(2−イソプロピルオキシエチル)エステル
の合成 2−ホルミル−p−ジオキセン2.30g(0.020モル)、ア
セト酢酸−2−イソプロピルオキシエチルエステル8.28
g(0.044モル)および28%アンモニア水3.5mlをイソプ
ロピルアルコール25mlに溶解し、20時間加熱還流した。
冷却後、反応液を濃縮乾固し残渣を酢酸エチルに溶解
し、少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を
芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し結晶化した。ついでイ
ソプロピルアルコールで再結晶を行ない白色結晶の目的
物質3.82g(収率41.8%)を得た。
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(2−イソプロピルオキシエチル)エステル
の合成 2−ホルミル−p−ジオキセン2.30g(0.020モル)、ア
セト酢酸−2−イソプロピルオキシエチルエステル8.28
g(0.044モル)および28%アンモニア水3.5mlをイソプ
ロピルアルコール25mlに溶解し、20時間加熱還流した。
冷却後、反応液を濃縮乾固し残渣を酢酸エチルに溶解
し、少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を
芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し結晶化した。ついでイ
ソプロピルアルコールで再結晶を行ない白色結晶の目的
物質3.82g(収率41.8%)を得た。
この物質の分析値は以下の通りである。
融点:80.0〜80.5℃ IR:νKBr maxcm-1 3320(NH),1700(C=0),1200,1270(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 1.35(12H,d,2×CH(CH3)2 ) 2.25(6H,s.2,6位 CH3) 3.65(4H,t,2×COOCH2 CH2 O) 3.43-3.83(2H,q,2×CH(CH3)2) 3.90(4H,s,ジオキセン環 OCH2CH2O) 4.10-4.40(4H,m,2×COOCH2 CH2) 4.45(1H,s,4位H) 5.93(1H,s,ビニルH) 5.96(1H,b,NH) 元素分析(C23H35NO8) 計算値:C,60.91:H,7.78:N,3.09 実験値:C,60.86:H,7.73:N,3.23 実施例3 4−〔2−(5,6−ジヒドロ−p−ジオキシニル)〕−
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(2−フェノキシエチル)エステルの合成 2−ホルミル−p−ジオキセン2.28g(0.020モル)、ア
セト酢酸−2−フェノキシエチルエステル9.00g(0.041
モル)および28%アンモニア水3.3mlをイソプロピルア
ルコール40mlに溶解し、48時間加熱還流した。冷却後、
析出した結晶を濾取し、ついでエチルアルコールで再結
晶を行ない白色結晶の目的物質4.75g(収率43.9%)を
得た。この物質の分析値は以下の通りである。
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(2−フェノキシエチル)エステルの合成 2−ホルミル−p−ジオキセン2.28g(0.020モル)、ア
セト酢酸−2−フェノキシエチルエステル9.00g(0.041
モル)および28%アンモニア水3.3mlをイソプロピルア
ルコール40mlに溶解し、48時間加熱還流した。冷却後、
析出した結晶を濾取し、ついでエチルアルコールで再結
晶を行ない白色結晶の目的物質4.75g(収率43.9%)を
得た。この物質の分析値は以下の通りである。
融点:164.5〜165.5℃ IR:νKBr maxcm-1 3300(NH),1700(C=0),1245(C−0),1500(フ
ェニル) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 2.28(6H,s.2,6位 CH3) 3.83(4H,s,ジオキセン環OCH2CH2O) 4.03-4.27(4H,m,2×COOCH2 CH2 O) 4.33-4.60(4H,m,2×COOCH2 CH2) 4.46(1H,s,4位H) 5.80(1H,b,NH) 5.92(1H,s,ビニルH) 6.75-7.40(10H,m,2×フェニル) 元素分析(C29H31NO8) 計算値:C,66.78:H,5.99:N,2.69 実験値:C,66.77:H,6.14:N,2.86 実施例4 4−〔2−(5,6−ジヒドロ−p−ジオキシニル)〕−
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(2−ベンジルオキシエチル)エステルの合
成 2−ホルミル−p−ジオキセン1.14g(0.010モル)、ア
セト酢酸−2−ベンジルオキシエチルエステル6.1g(0.
026モル)および28%アンモニア水1.7mlをイソプロピル
アルコール20mlに溶解し、20時間加熱還流を行った。冷
却後応溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、少量
の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝乾燥
した後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチルとn−ヘキサン
の混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行
ない結晶を得た。ついでエタノールで再結晶を行ない白
色結晶の目的物質1.94g(収率35.3%)を得た。この物
質の分析値は以下の通りである。
ェニル) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 2.28(6H,s.2,6位 CH3) 3.83(4H,s,ジオキセン環OCH2CH2O) 4.03-4.27(4H,m,2×COOCH2 CH2 O) 4.33-4.60(4H,m,2×COOCH2 CH2) 4.46(1H,s,4位H) 5.80(1H,b,NH) 5.92(1H,s,ビニルH) 6.75-7.40(10H,m,2×フェニル) 元素分析(C29H31NO8) 計算値:C,66.78:H,5.99:N,2.69 実験値:C,66.77:H,6.14:N,2.86 実施例4 4−〔2−(5,6−ジヒドロ−p−ジオキシニル)〕−
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(2−ベンジルオキシエチル)エステルの合
成 2−ホルミル−p−ジオキセン1.14g(0.010モル)、ア
セト酢酸−2−ベンジルオキシエチルエステル6.1g(0.
026モル)および28%アンモニア水1.7mlをイソプロピル
アルコール20mlに溶解し、20時間加熱還流を行った。冷
却後応溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、少量
の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝乾燥
した後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチルとn−ヘキサン
の混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行
ない結晶を得た。ついでエタノールで再結晶を行ない白
色結晶の目的物質1.94g(収率35.3%)を得た。この物
質の分析値は以下の通りである。
融点:77.0〜78.0 IR:νKBr maxcm-1 3320(NH),1700(C=0),1200,1270(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 2.28(6H,s.2,6位 CH3) 3.70(4H,t,2×COOCH2 CH2 O) 3.85(4H,s,ジオキセン環 OCH2CH2O) 4.20-4.50(4H,m,2×COOCH2 CH2O) 4.43(1H,s,4位H) 4.53(4H,s,2×OCH2 Ph) 5.93(1H,s,ビニルH) 5.98(1H,b,NH) 7.30(10H,s,2×フェニル) 元素分析(C31H35NO8) 計算値:C,67.75:H,6.42:N,2.55 実験値:C,67.47:H,6.38:N,2.45 実施例5 4−〔2−(5,6−ジヒドロ−p−ジオキシニル)〕−
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(3−メトキシプロピル)エステルの合成 2−ホルミル−p−ジオキセン2.30g(0.020モル)、ア
セト酢酸−3−メトキシプロピルエステル7.40g(0.043
モル)および28%アンモニア水3.5mlをイソプロピルア
ルコール40mlに溶解し、48時間加熱還流した。冷却後応
溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、少量の水で
不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で乾燥した
後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混
合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行ない
結晶を得た。ついでエーテルで再結晶を行ない白色結晶
の目的物質1.89g(収率22.0%)を得た。この物質の分
析値は以下の通りである。
2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸ビス(3−メトキシプロピル)エステルの合成 2−ホルミル−p−ジオキセン2.30g(0.020モル)、ア
セト酢酸−3−メトキシプロピルエステル7.40g(0.043
モル)および28%アンモニア水3.5mlをイソプロピルア
ルコール40mlに溶解し、48時間加熱還流した。冷却後応
溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、少量の水で
不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で乾燥した
後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混
合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行ない
結晶を得た。ついでエーテルで再結晶を行ない白色結晶
の目的物質1.89g(収率22.0%)を得た。この物質の分
析値は以下の通りである。
融点:75.5〜77.0℃ IR:νKBr maxcm-1 3340(NH),1700(C=0),1200,1270(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 1.60-2.20(4H,m,2×COOCH2 CH2 CH2O) 2.30(6H,s.2,6位 CH3) 3.33(6H,s,2×OCH3) 3.50(4H,t,2×COOCH2CH2 CH2 O) 3.91(4H,s,ジオキセン環 OCH2CH2O) 4.00-4.05(4H,m,2×COOCH2 CH2CH2) 4.43(1H,s,4位H) 5.83(1H,s,ビニルH) 6.10(1H,b,NH) 元素分析(C21H31NO8) 計算値:C,59.28:H,7.34:N,3.29 実験値:C,59.44:H,7.21:N,3.28 実施例6 (a)4−〔2−(3−メチル−5,6−ジヒドロ−p−
ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリ
ジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)
エステルの合成 2−ホルミル−3−メチル−p−ジオキセン6.40g(0.0
50モル)、アセト酢酸−2−メトキシエチルエステル3
2.0g(0.200モル)および28%アンモニア水13.6mlをメ
チルセロソルブ30mlに溶解し、135℃で28時間封管反応
を行った。冷却後、反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチル
に溶解し少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル
層を芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチル
とn−ヘキサンの混合溶媒でシリカゲルカラムクロマト
グラフィーを行ない結晶を得、ついでエーテルで再結晶
を行ない白色結晶の目的物質2.62g(収率12.7%)を得
た。この物質の分析値は以下の通りである。
ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリ
ジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)
エステルの合成 2−ホルミル−3−メチル−p−ジオキセン6.40g(0.0
50モル)、アセト酢酸−2−メトキシエチルエステル3
2.0g(0.200モル)および28%アンモニア水13.6mlをメ
チルセロソルブ30mlに溶解し、135℃で28時間封管反応
を行った。冷却後、反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチル
に溶解し少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル
層を芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチル
とn−ヘキサンの混合溶媒でシリカゲルカラムクロマト
グラフィーを行ない結晶を得、ついでエーテルで再結晶
を行ない白色結晶の目的物質2.62g(収率12.7%)を得
た。この物質の分析値は以下の通りである。
融点:114.0〜115.5℃ IR:νKBr maxcm-1 3350(NH),1690(C=0),1190,1205(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 1.94(3H,s,ジオキセン環 CH3 ) 2.29(6H,s.2,6位 CH3) 3.37(6H,s,2×OCH3) 3.62(4H,t,2×COOCH2 CH2 O) 3.75-4.00(4H,m,ジオキセン環 OCH2CH2O) 4.27(4H,t,2×COOCH2 CH2O) 4.70(1H,s,4位H) 5.53(1H,b,NH) (b)1−エチル−4−〔2−(3−メチル−5,6−ジ
ヒドロ−p−ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−
ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メト
キシエチル)エステルの合成 (a)で得た4−〔2−(3−メチル−5,6−ジヒドロ
−p−ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒド
ロピリジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシエ
チル)エステル2.55g(0.0062Mol)をジメトキシエタン
30mlとジメチルホルムアミド10mlの混合溶媒に溶かし、
氷冷攪拌下に、水素化ナトリウム(60%inoil)0.50g
(0.0125Mol)を加え30分間攪拌し、次にヨウ化エチル
2.9g(0.019Mol)を滴下し、室温で1時間攪拌反応し
た。反応液に酢酸エチルを加え水で不純物を抽出除去し
た。酢酸エチル層を芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し結
晶化した。ついでエーテルで再結晶を行ない白色結晶の
目的物質1.10g(収率40.4%)を得た。この物質の分析
値は以下の通りである。
ヒドロ−p−ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−
ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メト
キシエチル)エステルの合成 (a)で得た4−〔2−(3−メチル−5,6−ジヒドロ
−p−ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒド
ロピリジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシエ
チル)エステル2.55g(0.0062Mol)をジメトキシエタン
30mlとジメチルホルムアミド10mlの混合溶媒に溶かし、
氷冷攪拌下に、水素化ナトリウム(60%inoil)0.50g
(0.0125Mol)を加え30分間攪拌し、次にヨウ化エチル
2.9g(0.019Mol)を滴下し、室温で1時間攪拌反応し
た。反応液に酢酸エチルを加え水で不純物を抽出除去し
た。酢酸エチル層を芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し結
晶化した。ついでエーテルで再結晶を行ない白色結晶の
目的物質1.10g(収率40.4%)を得た。この物質の分析
値は以下の通りである。
融点:79.0〜80.5℃ IR:νKBr maxcm-1 1670(C=0),1160,1200(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 1.13(3H,t,N−CH2 CH3 ) 1.92(3H,s,ジオキセン環 CH3 ) 2.42(6H,s.2,6位 CH3) 3.37(6H,s,2×OCH3) 3.61(4H,t,2×COOCH2 CH2 O) 3.67(2H,q,N−CH2 CH3) 3.70-3.97(4H,m,ジオキセン環 OCH2CH2O) 4.15-4.35(4H,m,2×COOCH2 CH2O) 4.71(1H,s,4位H) 実施例7 4−〔2−(3−エチル−5,6−ジヒドロ−p−ジオキ
シニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−
3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)エステ
ルの合成 2−ホルミル−3−エチル−p−ジオキセン34.78g(0.
245モル)、アセト酢酸−2−メトキシエチルエステル1
36.0g(0.849モル)および28%アンモニア水52mlをイソ
プロピルアルコール180mlに溶解し、5日間加熱還流し
た。冷却後、反応溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶
解し、少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層
を芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチルと
n−ヘキサンの混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーを行ない結晶を得、ついでイソプロピルエーテ
ルで再結晶を行ない白色結晶の目的物質20.8g(収率20.
0%)を得た。この物質の分析値は以下の通りである。
シニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−
3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)エステ
ルの合成 2−ホルミル−3−エチル−p−ジオキセン34.78g(0.
245モル)、アセト酢酸−2−メトキシエチルエステル1
36.0g(0.849モル)および28%アンモニア水52mlをイソ
プロピルアルコール180mlに溶解し、5日間加熱還流し
た。冷却後、反応溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶
解し、少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層
を芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチルと
n−ヘキサンの混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーを行ない結晶を得、ついでイソプロピルエーテ
ルで再結晶を行ない白色結晶の目的物質20.8g(収率20.
0%)を得た。この物質の分析値は以下の通りである。
融点:100.0〜103.0℃ IR:νKBr maxcm-1 3360(NH),1680(C=0),1150,1195(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 1.04(3H,t,ジオキセン環 CH2 CH3 ) 2.27(6H,s.2,6位 CH3) 2.30(4H,q,ジオキセン環 CH2 CH3) 3.37(6H,s,2×OCH3) 3.60(4H,s,2×COOCH2 CH2 O) 3.72−3.99(4H,m,ジオキセン環 OCH2CH2O) 4.01-4.49(4H,m,2×COOCH2 CH2O) 4.73(1H,s,4位H) 5.61(1H,b,NH) 実施例8 1−エチル−4−〔2−(3−エチル−5,6−ジヒドロ
−p−ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒド
ロピリジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシエ
チル)エステルの合成 実施例7で得た4−〔2−(3−エチル−5,6−ジヒド
ロ−p−ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒ
ドロピリジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシ
エチル)エステル3.50g(0.0082モル)をジメトキシエ
タン70mlに溶かし、氷冷攪拌下に、水素化ナトリウム
(60%油中)0.80g(0.02モル)を加え30分間攪拌し、
次にヨウ化エチル3.40g(0.022モル)を滴下し、室温で
1.5時間攪拌反応した。反応液に酢酸エチルを加え水で
不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で乾燥した
後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混
合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い結
晶を得、ついでn−ヘキサンで再結晶を行ない白色結晶
の目的物質1.70g(収率45.6%)を得た。この物質の分
析値は以下の通りである。
−p−ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒド
ロピリジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシエ
チル)エステルの合成 実施例7で得た4−〔2−(3−エチル−5,6−ジヒド
ロ−p−ジオキシニル)〕−2,6−ジメチル−1,4−ジヒ
ドロピリジン−3,5−ジカルボン酸ビス(2−メトキシ
エチル)エステル3.50g(0.0082モル)をジメトキシエ
タン70mlに溶かし、氷冷攪拌下に、水素化ナトリウム
(60%油中)0.80g(0.02モル)を加え30分間攪拌し、
次にヨウ化エチル3.40g(0.022モル)を滴下し、室温で
1.5時間攪拌反応した。反応液に酢酸エチルを加え水で
不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で乾燥した
後、溶媒を留去し残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混
合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い結
晶を得、ついでn−ヘキサンで再結晶を行ない白色結晶
の目的物質1.70g(収率45.6%)を得た。この物質の分
析値は以下の通りである。
融点:46.0〜47.0℃ IR:νKBr maxcm-1 1680(C=0),1150,1270(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 1.02(3H,t.ジオキセン環 CH2 CH3 ) 1,12(3H,t,N−CH2 CH3 ) 2.30(2H,q,ジオキセン環 CH2 CH3) 2.40(6H,s,2,6位 CH3) 3.36(6H,s,2×OCH3) 3.60(4H,t,2×COOCH2 CH2 O) 3.63(2H,q,N−CH2 CH3) 3.56-3.96(4H,m,ジオキセン環 OCH2CH2O) 4.01-4.49(4H,m,2×COOCH2 CH2O) 4.76(1H,s,4位H) 実施例9 抗腫瘍薬との併用による腫瘍細胞の増殖抑制効果の試験 ヒト上咽頭癌由来のKB−3−1細胞との多剤耐性クロー
ンであるKB-CHR‐24細胞を供試細胞として用いた。培養
液は10%仔牛血清(フロー・ラボラトリーズ(Flow Lab
oratories)社製)、1mg/mlバクトペプトン(ディフコ
(Difco)社製)、0.292mg/ml L−グルタミン、100単
位/mlペニシリンGを含むイーグルMEM培地(日水製薬
(株)製)を用いた。抗腫瘍薬であるビンクリスチンと
被験化合物との併用による耐性克服効果の試験は次のよ
うに行なった。
ンであるKB-CHR‐24細胞を供試細胞として用いた。培養
液は10%仔牛血清(フロー・ラボラトリーズ(Flow Lab
oratories)社製)、1mg/mlバクトペプトン(ディフコ
(Difco)社製)、0.292mg/ml L−グルタミン、100単
位/mlペニシリンGを含むイーグルMEM培地(日水製薬
(株)製)を用いた。抗腫瘍薬であるビンクリスチンと
被験化合物との併用による耐性克服効果の試験は次のよ
うに行なった。
各供試細胞を培養液にまき、細胞密度を75個/mlに調整
する。この細胞浮遊液を4mlずつシャーレに分注し、炭
酸ガスインキュベーター(5%CO2,95%空気)中で37℃
において24時間培養する。培養24時間後に所定濃度のビ
ンクリスチンのジメチルスルホキシド(DMSO)溶液と所
定濃度の被験化合物のDMSO溶液をそれぞれ20μlずつ加
え、更に10日間培養を継続する。培養終了後にギムザ染
色を行ない。各シャーレのコロニー数を計測し、用量反
応曲線を作成した。これより、10%細胞生存率のビンク
リスチン濃度(D10値)を算出し、耐性克服効果を判定
した。結果を第1表に示す。表中、対照はビンクリスチ
ン(VCR)単独群を、AはVCRと実施例1の化合物(10μ
g/ml)併用群を、BはVCRと実施例3の化合物(10μg/m
l)併用群を、CはVCRと実施例7の化合物(100μg/m
l)併用群を示す。
する。この細胞浮遊液を4mlずつシャーレに分注し、炭
酸ガスインキュベーター(5%CO2,95%空気)中で37℃
において24時間培養する。培養24時間後に所定濃度のビ
ンクリスチンのジメチルスルホキシド(DMSO)溶液と所
定濃度の被験化合物のDMSO溶液をそれぞれ20μlずつ加
え、更に10日間培養を継続する。培養終了後にギムザ染
色を行ない。各シャーレのコロニー数を計測し、用量反
応曲線を作成した。これより、10%細胞生存率のビンク
リスチン濃度(D10値)を算出し、耐性克服効果を判定
した。結果を第1表に示す。表中、対照はビンクリスチ
ン(VCR)単独群を、AはVCRと実施例1の化合物(10μ
g/ml)併用群を、BはVCRと実施例3の化合物(10μg/m
l)併用群を、CはVCRと実施例7の化合物(100μg/m
l)併用群を示す。
実施例10 抗腫瘍薬との併用による腫瘍細胞の増殖抑制効果の試験 マウスP388白血病細胞の抗腫瘍薬感受性細胞(P388/S)
と抗腫瘍薬ビンクリスチン耐性クローン(P388/VCR)を
供試細胞として用いた。培養液は10%牛胎児血清(ギブ
コ(GIBCO社製)、10μM2−ヒドロキシエチルジスルフ
ィド(アルドリッチ(Aldrich)社製)、および100μg/
mlカナマイシンを含むRPMI-1640培地(日水製薬(株)
製)を用いた。抗腫瘍薬であるビンクリスチンと被験化
合物との併用による耐性克服効果の試験は次のように行
なった。
と抗腫瘍薬ビンクリスチン耐性クローン(P388/VCR)を
供試細胞として用いた。培養液は10%牛胎児血清(ギブ
コ(GIBCO社製)、10μM2−ヒドロキシエチルジスルフ
ィド(アルドリッチ(Aldrich)社製)、および100μg/
mlカナマイシンを含むRPMI-1640培地(日水製薬(株)
製)を用いた。抗腫瘍薬であるビンクリスチンと被験化
合物との併用による耐性克服効果の試験は次のように行
なった。
各供試細胞を培養液にまき、細胞密度を1×105個/mlに
調整する。この細胞浮遊液を2mlずつ24孔マイクロプレ
ートに分注し、次いで所定濃度のビンクリスチンのジメ
チルスルホキシド(DMSO)溶液と所定濃度の被験化合物
のDMSO溶液をそれぞれ20μlずつ加え、炭酸ガスインキ
ュベーター(5%CO2,95%空気)中で37℃において72時
間培養する。培養終了後それぞれの細胞数を数え、用量
反応曲線を作成した。これより、ビンクリスチンによる
50%増殖抑制濃度(IC50)を算出し、耐性克服効果を判
定した。
調整する。この細胞浮遊液を2mlずつ24孔マイクロプレ
ートに分注し、次いで所定濃度のビンクリスチンのジメ
チルスルホキシド(DMSO)溶液と所定濃度の被験化合物
のDMSO溶液をそれぞれ20μlずつ加え、炭酸ガスインキ
ュベーター(5%CO2,95%空気)中で37℃において72時
間培養する。培養終了後それぞれの細胞数を数え、用量
反応曲線を作成した。これより、ビンクリスチンによる
50%増殖抑制濃度(IC50)を算出し、耐性克服効果を判
定した。
結果を第2表及び第3表に示す。第2表及び第3表中、
対照、A,B及びCは第1表のそれと同一意味を表わし、
DはVCRと実施例2の化合物(100μg/ml)併用群を示
す。
対照、A,B及びCは第1表のそれと同一意味を表わし、
DはVCRと実施例2の化合物(100μg/ml)併用群を示
す。
実施例11(試験例) ビンクリスチン耐性マウス白血病担癌マウスにおける制
癌剤増強効果 1群6匹のCDF1マウスに106個のビンクリスチン(VCR)
耐性マウス白血病(P388/VCR)細胞を腹腔内に移植し、
本発明化合物とVCRを5日間腹腔内に投与した後、観察
し、それぞれの生存日数を求め、対照に対する延命率
(T/C)を求めた。制癌剤の増強効果(T/V)は次式によ
って求めた。その結果を第4表に示す。表中、化合物1
は実施例1で得られた化合物を示す。
癌剤増強効果 1群6匹のCDF1マウスに106個のビンクリスチン(VCR)
耐性マウス白血病(P388/VCR)細胞を腹腔内に移植し、
本発明化合物とVCRを5日間腹腔内に投与した後、観察
し、それぞれの生存日数を求め、対照に対する延命率
(T/C)を求めた。制癌剤の増強効果(T/V)は次式によ
って求めた。その結果を第4表に示す。表中、化合物1
は実施例1で得られた化合物を示す。
〔発明の効果〕 本発明に係る1,4−ジヒドロピリジン誘導体は、抗腫瘍
薬と併用することにより、その作用を増強する。その効
果は、抗腫瘍薬に対して耐性を獲得したクローンに対し
て特に著しい。例えば、前記第1表から明らかなよう
に、ヒト上咽頭由来のKB−3−1細胞の多剤耐性クロー
ンであるKB-ChR‐24細胞は、耐性を獲得していない細胞
に比べると150倍の濃度の抗腫瘍薬を用いないと同一の
効果(10%細胞生存率)が得られないのに対して、本発
明の化合物を併用したものは、A(実施例1の化合物10
μg/ml併用)では、2.3倍の濃度で同一の効果が得られ
る。
薬と併用することにより、その作用を増強する。その効
果は、抗腫瘍薬に対して耐性を獲得したクローンに対し
て特に著しい。例えば、前記第1表から明らかなよう
に、ヒト上咽頭由来のKB−3−1細胞の多剤耐性クロー
ンであるKB-ChR‐24細胞は、耐性を獲得していない細胞
に比べると150倍の濃度の抗腫瘍薬を用いないと同一の
効果(10%細胞生存率)が得られないのに対して、本発
明の化合物を併用したものは、A(実施例1の化合物10
μg/ml併用)では、2.3倍の濃度で同一の効果が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲田 治明 埼玉県大宮市大和田町2−1344−1 松風 マンション201 (72)発明者 木上 昭 埼玉県岩槻市大字岩槻2977−2−834 (72)発明者 佐野 哲朗 埼玉県大宮市寿能町2―161 (72)発明者 エルギス アルビドウィッチ ビセニエク ス ソビエト連邦,リガ,ウリツァ タラバス ガトベ,11,クバルチーラ 13 (72)発明者 グナール ヤノウィッチ ドゥブール ソビエト連邦,リガ,ウリツァ イエリキ ゥ,43,クバルチーラ 2
Claims (7)
- 【請求項1】式(I) (式中、R1は水素原子又はC1〜C3アルキル基を表わし、
R2はC1〜C6アルキル基又はベンゼン環がメチル基で置換
されていてもよいフェニル基もしくはフェニル低級アル
キル基を表わし、nは2〜4の整数を表わし、R3は水素
原子又ははC1〜C3アルキル基を表わすが、R1が水素原子
又はメチル基を表わし、R2がメチル基を表わし、nが2
の整数を表わし、R3が水素原子を表わす場合は除く)で
表わされる1,4−ジヒドロピリジン誘導体。 - 【請求項2】R1が水素原子、メチル基又はエチル基であ
り、R2がC1〜C5アルキル基、フェニル基又はベンジル基
であり、R3が水素原子、メチル基又はエチル基であり、
nが2又は3の整数である特許請求の範囲第1項記載の
1,4−ジヒドロピリジン誘導体。 - 【請求項3】R2がC3〜C5アルキル基である特許請求の範
囲第1項又は第2項記載の1,4−ジヒドロピリジン誘導
体。 - 【請求項4】R2がn−ブチル基である特許請求の範囲第
1項又は第2項記載の1,4−ジヒドロピリジン誘導体。 - 【請求項5】R1及びR3が水素原子でnが整数2である特
許請求の範囲第1項又は第2項記載の1,4−ジヒドロピ
リジン誘導体。 - 【請求項6】R3がメチル基又はエチル基である特許請求
の範囲第1項又は第2項記載の1,4−ジヒドロピリジン
誘導体。 - 【請求項7】R2がメチル基である特許請求の範囲第1
項、第2項又は第6項記載の1,4−ジヒドロピリジン誘
導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17734187A JPH0692391B2 (ja) | 1987-07-17 | 1987-07-17 | 1,4−ジヒドロピリジン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17734187A JPH0692391B2 (ja) | 1987-07-17 | 1987-07-17 | 1,4−ジヒドロピリジン誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6431780A JPS6431780A (en) | 1989-02-02 |
JPH0692391B2 true JPH0692391B2 (ja) | 1994-11-16 |
Family
ID=16029271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17734187A Expired - Lifetime JPH0692391B2 (ja) | 1987-07-17 | 1987-07-17 | 1,4−ジヒドロピリジン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0692391B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0359377B1 (en) * | 1988-07-28 | 1993-10-13 | Nikken Chemicals Co., Ltd. | 1,4-dihydropyridine derivative |
JP4046379B2 (ja) * | 1996-01-29 | 2008-02-13 | 興和創薬株式会社 | ジヒドロピリジン化合物 |
-
1987
- 1987-07-17 JP JP17734187A patent/JPH0692391B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6431780A (en) | 1989-02-02 |
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