JPH06921B2 - 噴霧法による金属粉末の製造方法および装置 - Google Patents

噴霧法による金属粉末の製造方法および装置

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JPH06921B2
JPH06921B2 JP1310057A JP31005789A JPH06921B2 JP H06921 B2 JPH06921 B2 JP H06921B2 JP 1310057 A JP1310057 A JP 1310057A JP 31005789 A JP31005789 A JP 31005789A JP H06921 B2 JPH06921 B2 JP H06921B2
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博行 山本
来世志 牧野
大輔 老山
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Kawasaki Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は噴霧法による金属粉末の製造方法および装置に
係り、特に常磁性金属粉末の効果的な製造方法および装
置に関し、粉末冶金分野に広く利用される。
〔従来の技術〕
一般に粉末冶金用金属粉末として供せられる常磁性金属
粉末は、溶融された金属をタンデイツシユに収容し、密
閉した噴霧室内でタンデイツシユのノズルから流下する
溶融金属に、高圧の冷却媒体(以下噴霧媒と称する)を
噴射して粉化させ、得られた金属粉末は噴霧室の下方に
設けられた槽中で粉化された金属粉末と噴霧媒との混合
懸濁液として貯えられ、自然沈降法、遠心分離法もしく
は振動分離法等で固液分離され、その後粉末金属に付着
している噴霧媒を除去した後、脱酸、脱炭、脱窒処理等
の純化処理が行なわれて製品としての粉末冶金用金属が
供される。
常磁性金属粉末の製造方法もしくは製造装置として従来
開示されたものが少くないが、その一つとして特開昭5
9―1605がある。この発明は噴霧室の下方に設けら
れた流路から排出される金属粉末と噴霧媒との混合懸濁
液中に一部浸漬したマグネツトドラムを設け、該ドラム
に金属粉末を吸着させて分離回収する方法である。
この方法で噴霧媒として水を使用した場合、マグネツト
ドラムに吸着された金属粉末は、なお20〜30%の水
分を有しているので、更にプレスフイルター、真空脱水
機、遠心分離機等で付着液の除去を行い、その後乾燥す
る必要がある。上記開示発明の如く水分20〜30%含
む金属粉末は非常に重く、そのまま放置すると固液に分
離し、懸濁液の如く均一な状態でプレスフイルター、真
空脱水機、遠心分離機等に供給することが困難となる。
このため懸濁液を直接、上記の如き脱水装置に供給する
ことになるが、この場合、固液分離後の噴霧媒中には依
然として微細な金属粉が多量に残留し、歩留を悪化する
大きな原因となつている。更に上記噴霧媒中に残存する
微細な金属粉末を回収して噴霧媒中の通常SS値と称さ
れているサスペンデツトソリツド値を下げるためには大
規模な装置を必要とする等の問題点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、噴霧法による金属粉末の製造時、特に
常磁性金属粉末製造時の上記従来技術の欠点である固液
分離後なお金属粉末に残存する噴霧媒を、簡単な装置で
除去し得る金属粉末の効果的な製造方法および製造装置
を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明による常磁性金属粉末の製造方法の要旨とすると
ころは次の如くである。
すなわち、ノズルから流出する溶融金属を密閉した噴霧
室に導入し高圧噴霧媒を噴射して粉化する段階と、前記
噴霧室の下方に形成された流路にて前記粉化された金属
粉末と噴霧媒との混合懸濁液を連続して流出する段階
と、前記流出する混合懸濁液中の金属粉末を回収する段
階とを有して成る噴霧法による金属粉末の製造方法にお
いて、前記流路に一部浸漬されたマグネツトドラムおよ
び該ドラムをプーリーとする瀘布コンベヤーにて前記金
属粉末を回収する段階と、前記瀘布コンベヤーの瀘布下
に設けられた真空排気装置により前記回収金属粉末中の
噴霧媒を除去する段階と、を有することを特徴とする噴
霧法による金属粉末の製造方法である。
次に本発明による常磁性金属粉末の製造装置の要旨とす
るところは次の如くである。
すなわち、溶融金属を収容するタンデイツシユと、前記
タンデイツシユの底部に設けられたノズルを介して流下
する前記溶融金属に噴霧媒を噴射して粉化する噴霧装置
と、前記噴霧装置を密閉する噴霧室と、前記噴霧室の下
方に形成され前記粉化された金属粉末と前記噴霧媒との
混合液を連続して流出する流路と、前記混合懸濁液から
金属粉末を回収する回収装置とを有して成る噴霧法によ
る金属粉末の製造装置において、前記流路の懸濁液中に
一部を浸漬して常磁性の前記金属粉末を回収するマグネ
ツトドラムと、前記マグネツトドラムをプーリーとし前
記回収した金属粉末を搬送する瀘布コンベヤーと、前記
瀘布コンベヤーの瀘布下に設けられ前記搬送中の金属粉
末に付着する前記噴霧媒を除去する真空排気装置と、を
有することを特徴とする噴霧法による金属粉末の製造装
置である。
本発明の詳細を第1図を参照して説明する。
電気炉等の溶解装置で溶解された極低炭素鋼等の常磁性
金属溶湯2はタンデイツシユ4に収容され、その下方に
は密閉された噴霧室6が設けられている。タンデイツシ
ユ4中の溶鋼2は底部に設けられたノズル8を介して流
下されるが、噴霧室6の直上には複数本の高圧噴霧媒1
0の噴射ノズル12が開口しており、流下する溶鋼2に
向つてジエツト噴射されるので、粉化された金属粉末2
Aは噴霧媒10と共に噴霧室6中を落下し、噴霧室6の
下方に設けられた槽中で流路14を形成し、金属粉末2
Aと噴霧媒10との混合懸濁液16となつて流下する。
噴霧媒10としては通常水が使用されるが、必要により
油等の他の噴射媒体が使用される。流路(噴霧槽)14
の他端にはマグネツトドラム18が設けられ、駆動装置
によつて回転され、その表面には金属粉末を吸引する磁
場を形成する。またマグネツトドラム18をテールプー
リーとし、他方のヘツドプーリー20との間に瀘布コン
ベヤー22が設けられ、瀘布コンベヤー22を介してマ
グネツトドラム18にて吸着された金属粉末2Aが連続
的に搬送される。またマグネツトドラム18のテールプ
ーリーとヘツドプーリー20との間に瀘布コンベヤー2
2の裏面に真空排気装置24が設けられ、搬送されて来
る金属粉末に付着されている噴霧媒10を除去する。な
お、瀘布コンベヤー22は裏面に設置する真空排気装置
24との関係上、中間プーリー26、28、30を介し
て回転され、更に噴霧槽14の他端のマグネツトドラム
18の裏側には、金属粉末2Aをほとんど含まない噴霧
媒10の上澄噴霧媒排出口32が開口している。
〔作 用〕
上記本発明による金属粉末の製造装置の構成と、その作
用の大要について説明したが、本発明の特徴は金属粉末
2Aを吸着回収する大径のマグネツトドラム18を設け
たほかに、このマグネツトドラム18をテーププーリー
とし、他方のヘツドプーリー20との間に瀘布コンベヤ
ー22を設け、更に瀘布コンベヤー22の瀘布下に真空
排気装置24を設けたことであつて、この構成によりマ
グネツトドラム18を介して瀘布コンベヤー22上に吸
着回収された金属粉末2A中の付着噴霧媒10はほとん
ど完全に除去され、金属粉末2Aの高い回収率と、残存
噴霧媒10のきわめて少い金属粉末2Aを製造すること
ができた。
〔実施例〕
電気炉で10,000Kgの極低炭素鋼を溶解し、この
1,580℃の溶鋼を第1図にて説明した方法で水を噴
霧媒として粉化した。流路(噴霧槽)14の金属粉末2
Aと水との混合懸濁液16中の固体金属粉末量は8〜2
0%であつた。この懸濁液16から第1図に示す装置に
よりマグネツトドラム18の磁場の強さ、瀘布コンベヤ
ー22の速度、真空排気装置24の真空圧等を種々変化
させて試験した。なお、この試験に使用した瀘布コンベ
ヤー22の瀘布はポリプロピレン製織布を使用した。
好適な試験装置の諸元、操業条件および成分金属粉末の
組成、粒度分布は以下のとおりであつた。
(A)装置諸元 噴霧室6の大きさ…………………10m3 噴霧槽14の大きさ……幅3000mm×深さ500mm マグネツトドラム18の直径……1000mm ドラム18の浸漬深さ……………450mm (B)操業条件 溶鋼量………………………………10,000Kg 溶鋼温度……………………………1,580℃ 噴霧水量……………………………2400/min マグネツトドラム回転数…………2rpm 懸濁液16の流速……………0.8〜1.8m/sec 真空排気装置24の真空度……260トール (C)成品金属粉末の組成(重量%) 得られた約5%の水分を含有する金属粉末成品を乾燥
し、次の脱酸、脱炭、脱窒等の純化処理を施して製品と
した。
〔発明の効果〕
上記実施例より明らかなとおり、本発明は常磁性金属粉
末の製造に当り、従来複数のマグネツトドラムを使用
し、その後大規模装置により金属粉末中に残存する付着
水分等の噴霧媒を除去していた従来法を廃し、本発明は
1個のマグネツトドラムと、該ドラムをテールプーリー
とする瀘布コンベヤーを設け、更に瀘布コンベヤーの裏
面に真空排気装置を設けて、残存噴霧媒を吸引除去する
方法をとつたので、次の如き効果を挙げることができ
た。
(イ) 噴霧法により粉化した金属粉末と噴霧媒との混
合懸濁液からの金属粉末の回収工程において、従来の自
然沈降法、遠心分離法、振動分離法等に比較して、はる
かに短時間で、しかも連続的に処理が可能であつた。
(ロ) 従来の複数のマグネツトドラムを設けるほか、
大規模の脱水装置を要する従来装置に比しきわめて簡単
な装置で、しかも分離水中のSS値が22〜36ppmと
極めて少い良好な成績を挙げることができた。
(ハ) 本発明による金属回収率は99.99%ときわ
めて高く、しかも粒度分布も―150メツシユが78%
を占める粉末冶金に好適な微細金属粉末を製造すること
ができた。
(ニ) 上記(イ)、(ロ)、(ハ)により噴霧法によ
る金属粉末製造における設備費、操業費の大幅な低減が
可能となつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による噴霧法による金属粉末の製造装置
を示す模式断面図である。 2…金属溶湯, 2A…金属粉末 4…タンデイツシユ, 6…噴霧室 8…ノズル, 10…噴霧媒 12…噴霧媒ノズル, 14…流路(噴霧槽) 16…混合懸濁液, 18…マグネツトドラム 22…瀘布コンベヤー,24…真空排気装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズルから流出する溶融金属を密閉した噴
    霧室に導入し高圧噴霧媒を噴射して粉化する段階と、前
    記噴霧室の下方に形成された流路にて前記粉化された金
    属粉末と噴霧媒との混合懸濁液を連続して流出する段階
    と、前記流出する混合懸濁液中の金属粉末を回収する段
    階とを有して成る噴霧法による金属粉末の製造方法にお
    いて、前記流路に一部浸漬されたマグネツトドラムおよ
    び該ドラムをプーリーとする瀘布コンベヤーにて前記金
    属粉末を回収する段階と、前記瀘布コンベヤーの瀘布下
    に設けられた真空排気装置により前記回収金属粉末中の
    噴霧媒を除去する段階と、を有することを特徴とする噴
    霧法による金属粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】溶融金属を収容するタンデイツシユと、前
    記タンデイツシユの底部に設けられたノズルを介して流
    下する前記溶融金属に噴霧媒を噴射して粉化する噴霧装
    置と、前記噴霧装置を密閉する噴霧室と、前記噴霧室の
    下方に形成され前記粉化された金属粉末と前記噴霧媒と
    の混合懸濁液を連続して流出する流路と、前記混合懸濁
    液から金属粉末を回収する回収装置とを有して成る噴霧
    法による金属粉末の製造装置において、前記流路の懸濁
    液中に一部を浸漬して常磁性の前記金属粉末を回収する
    マグネツトドラムと、前記マグネツトドラムをプーリー
    とし前記回収した金属粉末を搬送する瀘布コンベヤー
    と、前記瀘布コンベヤーの瀘布下に設けられ前記搬送中
    の金属粉末に付着する前記噴霧媒を除去する真空排気装
    置と、を有することを特徴とする噴霧法による金属粉末
    の製造装置。
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