JPH0691350A - 溶湯の不純物除去方法およびその装置 - Google Patents

溶湯の不純物除去方法およびその装置

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JPH0691350A
JPH0691350A JP4500793A JP4500793A JPH0691350A JP H0691350 A JPH0691350 A JP H0691350A JP 4500793 A JP4500793 A JP 4500793A JP 4500793 A JP4500793 A JP 4500793A JP H0691350 A JPH0691350 A JP H0691350A
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furnace
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利一 澤田
Kazuhisa Mitani
和久 三谷
Hiroshi Hirota
寛 廣田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶湯への溶湯処理材と不活性ガスの吹き込み
による溶湯表面のばたつきを抑えるとともに、溶湯表面
に浮上したスラグの除去を容易にする。 【構成】 保持炉11内の溶湯12を水平方向に回転さ
せつつ、溶湯12中に溶湯処理剤51と不活性ガス52
とを吹き込み、溶湯表面12aに浮上したスラグS1
溶湯表面12aのほぼ中央に集める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶湯内に混在する不純
物等を除去する方法および装置に関し、とくに溶湯の酸
化を抑制するとともに、溶湯表面に浮上したスラグの除
去が容易な溶湯の不純物除去方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶融金属の品質を高めるために、溶湯中
に混在するガスや不純物を除去する作業が行われる。溶
湯中の不純物の除去は、一般にフラックスなどの溶湯処
理剤を溶湯中に混入させ、溶湯表面に浮上したスラグを
取り除くことによって行われる。
【0003】図10は、アルミニウム合金の溶湯中の不
純物を除去する工程を示している。図10において、1
は溶解炉で溶融された金属を一時貯溜する保持炉を示し
ている。保持炉1内の溶湯2には、ランスパイプ3が挿
入されており、ランスパイプ3を介してN2 ガスとフラ
ックスとが吹き込まれる。
【0004】溶湯2中にN2 ガスとフラックスとが吹き
込まれると、溶湯2の泡立ち(バブリング)によって不
純物の浮上が促進される。溶湯面2aに浮上したスラグ
(のろ)S2 は、作業者によってかき寄せられ除去され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
のように、溶湯2中にN2 ガスとフラックスとを吹き込
む場合は、溶湯2の泡立ちによる不純物の除去効果を高
めるため、吹き込み圧力を増加させると、溶湯2の跳ね
上がりによって溶湯表面2aがばたつき、溶湯表面2a
の酸化膜が常時破れたままとなる。そのため、溶湯2と
大気との接触面積が大きくなって溶湯2の酸化物が増加
し、メタルロス(被溶解金属の酸化損失)が多くなると
いう問題がある。なお、吹き込み圧力を弱めるとランス
パイプ内に溶湯が逆流し、ランスパイプが目詰りする。
【0006】溶湯表面2aに浮上したスラグS2 は、作
業者によってかき寄せられ除去されるが、この場合、ス
ラグS2 は溶湯表面2aのばたつきにより炉の内周壁へ
向けて広がり炉壁に付着するので、スラグS2 の除去能
率が著しく悪いという問題があった。また、スラグの除
去作業は高温下で行われるので、作業者にとっては過酷
な労働となる。したがって、スラグS2 を容易に除去で
きる方法の開発が望まれる。
【0007】炉体の外周に電磁誘導コイルを配置し、バ
ブリング時に溶湯の撹拌を行う技術が特開昭60−16
5327号公報、特開平2−104441号公報が知ら
れているが、この場合も上述と同様に溶湯表面のばたつ
きが生じ、酸化物が増加するという問題がある。また、
静磁場により溶湯表面のばたつきを抑える方法が特開平
2−104440号公報に開示されているが、この方法
の場合は、スラグの広がりを防止することは難かしく、
スラグの除去能率が悪い。
【0008】本発明は、上記の問題に着目し、溶湯への
溶湯処理剤および不活性ガスの吹き込みによる溶湯表面
のばたつきを抑えるとともに、溶湯表面に浮上したスラ
グの除去が容易となる溶湯の不純物除去方法およひその
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)この目的を達成するための本発明に係る溶湯の不
純物除去方法は、炉内の溶湯を水平方向に回転させつ
つ、溶湯中に溶湯処理剤と不活性ガスとを吹き込み、溶
湯表面に浮上したスラグを除去する方法から成る。
【0010】(2)この目的を達成するための本発明に
係る溶湯の不純物除去装置は、炉内の溶湯全体に水平方
向の回転流を付与する回転流付与手段と、溶湯中に溶湯
処理剤と不活性ガスとを吹き込むランスパイプと、溶湯
表面に浮上したスラグを除去するスラグ除去手段と、を
備えたものから成る。
【0011】
【作用】このように構成された溶湯の不純物除去方法お
よびその装置においては、回転流付与手段によって炉内
の溶湯に水平方向の回転流が付与される。溶湯に水平方
向の回転流が付与されると、溶湯表面に浮上したスラグ
が回転流によって自然に溶湯表面の中央に集められる。
【0012】スラグが溶湯表面の中央に集まると、溶湯
表面の中央はスラグによって覆われた状態となるので、
たとえば溶湯処理剤と不活性ガスとを溶湯の回転中心に
吹き込んだ場合でも、溶湯処理剤と不活性ガスとの吹き
込みによる溶湯表面のばたつきが抑えられ、溶湯表面の
酸化膜の破れが抑制される。したがって、大気と溶湯と
の接触による酸化物の発生が抑制され、メタルロスの低
減がはかれる。また、スラグが溶湯表面の中央に自然に
集まるので、スラグ除去手段によるスラグの除去が容易
になるとともに、スラグの炉内壁への付着も確実に防止
される。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係る溶湯の不純物除去方法
およびその装置の望ましい実施例を、図面を参照して説
明する。
【0014】第1実施例 図1ないし図6は、本発明の第1実施例を示しており、
とくにアルミ溶湯の保持炉に適用した場合を示してい
る。図1および図2において、11は保持炉を示してい
る。保持炉11には、図示されないタワーメルタ式急速
溶解炉によって溶解されたアルミニウム合金の溶湯12
が貯溜されている。保持炉11内の溶湯表面12aは、
溶湯12の温度低下防止のために図示されない保持バー
ナによって加熱されている。
【0015】保持炉11の下方には、回転流付与手段と
しての電磁誘導コイル13が配置されている。電磁誘導
コイル13は、溶湯表面12aの中心に対し芯ずれした
状態で配置されている。電磁誘導コイル13は、直方体
に形成され溶湯表面12aのほぼ半分と重なるように配
置されている。電磁誘導コイル13には、図示されない
制御装置を介して三相交流電圧が印加されるようになっ
ている。
【0016】電磁誘導コイル13に三相交流電圧が印加
されると、移動磁界が発生し、誘導電動機と同様の原理
により溶湯12に推力が発生するようになっている。こ
れにより、溶湯12に水平方向の回転流14が付与さ
れ、炉内の溶湯12全体が溶湯表面12aのほぼ中央を
中心として、矢印方向に回転するようになっている。溶
湯12の回転速度は、図示されない上述の制御装置によ
って可変することができる。
【0017】溶湯12の上方には、図3に示すように、
ランスパイプ15が配置されている。ランスパイプ15
の一方には、フラックスフィーダ20が接続されてい
る。フラックスフィーダ20は、図5に示すように、台
車21、タンク22、制御部23を有している。タンク
22は台車21上に固定されている。タンク22の頂部
には、タンク22内に溶湯処理剤としてのフラックス5
1を投入するホッパ24が取付けられている。タンク2
2内には、不活性ガスとしてのN2 ガス52が供給され
るようになっている。
【0018】タンク22内に供給されたフラックス51
とN2 ガス52は、ホース等を介してランスパイプ15
に圧送されるようになっている。ランスパイプ15の他
端は、溶湯表面12aのほぼ回転中心から溶湯12中に
挿入されており、ランスパイプ15を介してフラックス
51とN2 ガス52とが溶湯12中に吹き込まれるよう
になっている。
【0019】保持炉11の近傍には、溶湯表面12aに
浮上したフラグS1 を除去するためのスラグ除去手段3
0が配置されている。スラグ除去手段30は、図2に示
すように、台車31、回転駆動部32、ロッド33、除
去アーム34、移動部35を有している。台車31は保
持炉11に対して進退可能となっている。回転駆動部3
2には、水平方向に延びるロッド33が取付けられてい
る。ロッド33の先端には、除去アーム34が取付けら
れている。
【0020】回転駆動部32は、台車31に対して移動
可能に取付けられている。回転駆動部32は、台車31
に取付けられた移動部35によって台車31上を移動す
るようになっている。回転駆動部32が移動部35によ
って後退した状態では、保持ロッド11の開口部11a
を介してロッド33が引抜かれ、除去アーム34が保持
炉11から抜け出るようになっている。回転駆動部32
が移動部35によって前進した状態では、除去アーム3
4が開口部11aを介して保持炉11内に進入するよう
になっている。
【0021】ロッド33は中空状になっており、ロッド
33の中空部には冷却のためのエアが圧送されている。
保持炉11内に進入した除去アーム34は、溶湯表面1
2aのほぼ中央で停止するように位置決めされる。この
状態でロッド33が回転駆動部32によって回動される
と、溶湯表面12aの中央に集まったスラグS1 が除去
アーム34によってすくい上げられるようになってい
る。
【0022】つぎに、第1実施例における溶湯の不純物
除去方法および作用について説明する。図示されないタ
ワーメルタ式急速溶解炉によって溶解されたアルミニウ
ム合金の溶湯12は、溶解炉の底壁面を流下し、保持炉
11に流入する。保持炉11内の溶湯12は凝固しない
ように保持バーナによって加熱されている。この状態で
は、ランスパイプ15を介して溶湯表面12aのほぼ中
央から溶湯12内に、フラックス51とN2 ガス52が
吹き込まれる。
【0023】溶湯12内にフラックス51とN2 ガス5
2が吹き込まれると、溶湯12の泡立ち(バブリング)
によって不純物の浮上が促進される。溶湯12のバブリ
ング時には、保持炉11の下方に配置された電磁誘導コ
イル13に三相交流電圧が印加され、移動磁界が発生す
る。この移動磁界の発生により溶湯12に起電力が発生
し、誘導電流が流れる。この誘導電流は、電磁誘導コイ
ル13による移動磁界との相互の作用により溶湯12に
推力を生じさせる。
【0024】この推力は移動磁界の方向に働くため、溶
湯12に撹拌作用を与える。また、この推力は垂直方向
と水平方向の成分を持っているため、溶湯12は斜め上
方に移動することになり、溶湯12に矢印方向の回転流
14が付与される。これにより、保持炉11内の溶湯1
2の全体が溶湯表面12aのほぼ中央を中心として回転
することになる。
【0025】フラックス51およびN2 ガス52を溶湯
12内に吹き込みながら溶湯12全体を回転させること
により、導電性のある金属溶湯は強い遠心力を得るのに
対し、酸化物等の不純物およびフラックスは、比重差に
よる遠心分離作用によって溶湯表面12aの回転中心に
集まる。
【0026】溶湯表面12aの中央にスラグS1 が集ま
ると、溶湯表面12aの中央はスラグS1 によって覆わ
れた状態となり、フラックス51およびN2 ガス52の
吹き込みによって溶湯表面12aのばたつきが抑えら
れ、溶湯表面12aの酸化膜の破れが抑制される。した
がって、大気と溶湯12との接触による酸化物の発生が
抑制され、メタルロスが著しく低減される。
【0027】アルミ合金材料がAC9C材のような過共
晶Al−Si合金の溶解の場合では、回転流14の付与
によって溶湯12の撹拌が促進されるので、シリコン成
分の溶解速度が速くなり、従来問題となっていた初晶シ
リコンの溶け残りを解消することができる。
【0028】また、保持炉11では溶湯12の温度低下
を防止するために、溶湯表面12aが保持バーナ(図示
略)によって加熱されるので、溶湯12の上部と下部と
で温度差が生じ熱効率の低下が問題となるが、溶湯12
に水平方向の回転流14が付与されることにより、溶湯
12の全体の温度が均一化され、熱効率が高められる。
これにより、保持炉11の面積を縮小することが可能と
なる。
【0029】回転流の付与によって溶湯表面12aの中
央へ集まるスラグS1 が増加すると、スラグ除去手段3
0によってスラグS1 の除去が行われる。このスラグ除
去はつぎのように行われる。スラグS1 を除去しない状
態では、台車31は保持炉11に対して後退しており、
スラグS1 を除去する際には台車31が保持炉11に対
して前進する。
【0030】台車31の前進が完了すると、回転駆動部
32が移動部35によって前進し、除去アーム34およ
びロッド33が保持炉11の開口部11aを介して保持
炉11内に進入する。除去アーム34が溶湯表面12a
のほぼ中央に位置決めされると、回転駆動部32によっ
てロッド33が回動し、除去アーム34がまず角度45
°だけ回動される。この状態では、除去アーム34内に
スラグS1 が徐々に進入する。除去アーム34にスラグ
1 が十分進入すると、回転駆動部32によってロッド
33がさらに回動される。これにより、除去アーム34
内に進入したスグS1 がすくい上げられる。
【0031】除去アーム34によってスラグS1 がすく
い上げられると、移動部35によって回転駆動部32が
後退し、ロッド33および除去アーム34が保持炉11
から引き抜かれる。除去アーム34が保持炉11から引
き抜かれると、台車31が保持炉11から後退する。そ
の後、除去アーム34によって捕捉されたスラグS
1は、図示されない容器に排出される。
【0032】このように、溶湯12に回転流14を与え
ることにより、溶湯表面12aに浮上したスラグS1
溶湯表面12aの中央に集めることが可能となり、スラ
グ除去手段30によるスラグ除去作業の自動化が実現で
き、作業者は過酷な作業から解放される。
【0033】本実施例の電磁誘導コイル13によって溶
湯12に回転流を付与した場合と、回転流を付与しない
場合の試験結果を表1に示す。表1における作業感覚の
評価は、非常に良い、良い、普通、悪い、非常に悪い、
の5段階とした。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示すように、溶湯12に回転流を付
与した場合は、スラグ(のろ)S1の発生量が著しく減
少し、のろかき作業時間の短縮がはかれる。ここで、ス
ラグS1 の発生量が抑えられるのは、スラグS1 が溶湯
表面12aの中心に集まることによって溶湯表面12a
の中央のばたつきが抑えられ、溶湯12と大気との接触
によって生じる酸化物の発生が減少するからである。ま
た、のろかき作業時間が従来よりも短縮されるのは、ス
ラグS1 が自然に溶湯表面12aの中心に集まることに
より、スラグS1 を1個所にかき寄せる必要がなくな
り、また炉内壁に付着するスラグS1 が減少するからで
ある。
【0036】なお、本実施例では除去アーム34の回動
動作によってスラグS1 を自動的にすくい上げる構成と
したが、別のスラグ除去手段を用いて手動で行なう構成
でもよいし、他の手法によってスラグS1 を自動除去す
る構成としてもよい。たとえば、図6に示すように、ス
ラグ除去手段を軽量セラミックからなるハット型の穴あ
き容器55から構成し、この穴あき容器55を溶湯表面
12aのほぼ中央から溶湯12内に沈めておき、溶湯表
面12aの中央にスラグが多量に集まった時点でスラグ
1 をすくい上げる構成でもよい。
【0037】また、スラグの除去に際しては、図1のよ
うに配置された電磁誘導コイル13を保持炉11の中心
側に移動させることにより溶湯12の流れ変え、スラグ
1をのろかき作業場53側に寄せるようにすれば、さ
らにスラグS1 の除去は容易となる。
【0038】第2実施例 図7は、本発明の第2実施例を示している。第2実施例
が第1実施例と異なるところは、回転流付与手段の構成
のみであり、その他の部分は第1実施例に準じるので、
準じる部分に第1実施例と同一の符号を付すことにより
準じる部分の説明を省略し、異なる部分についてのみ説
明する。
【0039】第1実施例では、回転流付与手段を電磁誘
導コイル13から構成したが、本実施例では保持炉11
の底面部に回転流付与手段としてのプロペラ61が設け
られている。プロペラ61は、たとえば電動機やエアモ
ータなどのアクチュエータ62と連結されている。この
ように、本実施例では機械的手法によって溶湯12に水
平方向の回転流14を付与するようになっている。
【0040】第3実施例 図8および図9は、本発明の第3実施例を示している。
第1実施例および第2実施例では、溶湯のほぼ回転中心
から溶湯中に溶湯処理剤と不活性ガスとを吹き込むよう
にしていたが、本実施例ではランスパイプ15の先端が
保持炉11の底面11a近傍でかつ溶湯12の回転中心
から半径方向外方に離れた位置に配置されている。
【0041】このように構成された第3実施例において
は、溶湯処理剤51と不活性ガス52とがランスパイプ
15の先端から溶湯12中の保持炉11の底面近傍に排
出される。ここで、ランスパイプ15の先端が溶湯12
の回転中心から半径方向外方に離れた位置に配置されて
いるので、溶湯12中に混在された不活性ガス52の気
泡52aは、溶湯12の回転力と比重差による遠心分離
作用により、図8の矢印Aに示すように、うず巻き状に
流動しながら溶湯12の回転中心に集められる。これに
より、保持炉11の溶湯12全体に存在する不純物を浮
上させることが可能となり、溶湯12の全域にわたって
不純物の除去が可能となる。
【0042】また、不活性ガスが保持炉11の底面近傍
に排出されることから、不活性ガス52の気泡が溶湯表
面12aに浮上するまでの時間が長くでき、不活性ガス
52の気泡はより小さな気泡となる。したがって、ラン
スパイプ15の先端を溶湯12の回転中心から半径方向
外方の離れた位置に配置した場合でも、溶湯表面のバタ
ツキが著しく小に抑えられ、酸化物等の不純物の発生量
を低減することが可能となる。
【0043】このように、第3実施例においては、不活
性ガス52の気泡および溶湯処理剤51が半径方向外方
からうずを巻いた状態で溶湯12の中心に向って集束す
るので、第1実施例の場合よりも溶湯清浄度および脱ガ
ス能力の向上が図れる。これにより、不純物の除去処理
をさらに高効率で行うことができ、溶湯の不純物除去時
間をさらに短縮することが可能となる。
【0044】上記各実施例は、溶湯保持炉に適用したも
のであるが、これに限定されることはなく、溶湯処理炉
または取鍋にも適用することが可能である。さらに、溶
湯処理材としてフラックスを用いたが、これ以外のもの
でもよく、不活性ガスはN2ガスの他にArガス等を用
いてもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、つぎの効果が得られ
る。
【0046】(1)炉内の溶湯を水平方向に回転させつ
つ、溶湯中に溶湯処理剤と不活性ガスとを吹き込むよう
にしたので、溶湯表面に浮上するスラグを溶湯表面のほ
ぼ中央に集めることができ、溶湯表面の中央をスラグに
よって覆うことができる。これにより、たとえば溶湯処
理剤と不活性ガスとを溶湯の回転中心から吹き込んだ場
合でも、溶湯処理剤と不活性ガスとの吹き込みによる溶
湯表面のばたつきを抑制することができる。したがっ
て、溶湯と大気との接触による酸化物の発生が抑制さ
れ、メタルロスの大幅な低減がはかれる。
【0047】(2)溶湯の水平方向の回転によってスラ
グが溶湯表面のほぼ中央に自然に集まるので、スラグ除
去手段によるスラグの除去が容易になるとともに、スラ
グの炉壁への付着も確実に防止され、スラグ除去作業の
自動化が可能となる。
【0048】(3)溶湯の水平方向の回転により溶湯と
溶湯処理剤との接触効果を高めることができるので、溶
湯処理剤の使用量を低減することができ、溶湯処理のコ
ストを低減することができる。また、溶湯処理剤の使用
量が低減されることから、これに伴う集じんダストの発
生量を抑えることができ、溶湯処理作業環境を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る溶湯の不純物除去方
法を実施するための保持炉の概略平面図である。
【図2】図1の保持炉の断面図である。
【図3】図1の保持炉内の溶湯に溶湯処理剤と不活性ガ
スとを吹き込む状態を示す断面図である。
【図4】図2におけるスラグ除去手段の除去アームの動
きを示す正面図である。
【図5】図3における溶湯に溶湯処理剤と不活性ガスと
を供給するフラックスフィーダの側面図である。
【図6】図1のスラグ除去手段の変形例を示す断面図で
ある。
【図7】本発明の第2実施例に係る溶湯の不純物除去方
法を実施するための保持炉の概略平面図である。
【図8】本発明の第3実施例に係る溶湯の不純物除去方
法を実施させるための保持炉の概略平面図である。
【図9】図8の断面図である。
【図10】従来の保持炉における溶湯の不純物除去方法
を示す断面図である。
【符号の説明】
11 保持炉 12 溶湯 12a 溶湯表面 13 回転流付与手段 14 回転流 15 ランスパイプ 20 フラックスフィーダ 30 スラグ除去手段 51 溶湯処理剤 52 不活性ガス 55 スラグ除去手段 61 回転流付与手段 S1 スラグ(のろ)
フロントページの続き (72)発明者 澤田 利一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 三谷 和久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 廣田 寛 愛知県名古屋市中区金山3丁目13番28号 扶桑熱爐株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内の溶湯を水平方向に回転させつつ、
    溶湯中に溶湯処理剤と不活性ガスとを吹き込み、溶湯表
    面に浮上したスラグを除去することを特徴とする溶湯の
    不純物除去方法。
  2. 【請求項2】 炉内の溶湯全体に水平方向の回転流を付
    与する回転流付与手段と、 溶湯中に溶湯処理剤と不活性ガスとを吹き込むランスパ
    イプと、 溶湯表面に浮上したスラグを除去するスラグ除去手段
    と、を備えたことを特徴とする溶湯の不純物除去装置。
JP05045007A 1992-07-27 1993-03-05 溶湯の不純物除去方法およびその装置 Expired - Lifetime JP3081401B2 (ja)

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Cited By (3)

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