JPH069059U - 電線用圧縮接続具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 １個又は２個以上の筒体に２個以上の貫通穴
を設け、その筒体を圧縮して２本以上の電線を電気的に
直接接続する。 【構成】 １個又は互いに階段状に連結された２個以上
の筒体からなる。１個又は２個以上の筒体は、電線を挿
入して圧縮接続するため互いに平行に穿設された２個以
上又は１個以上の貫通穴を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、２本以上の電線を２個以上の貫通穴に個別に挿入して圧縮すること により、２本以上の電線を電気的に直接接続するための圧縮接続具に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、柱上変圧器の二次側リード線と低圧側引上線との接続は、柱上におけ る作業者の手作業により、それぞれの端部に露出させた導体部をバインド巻して 連結することにより行われていた。かかるバインド巻作業は、リード線及び引上 線の各端部の絶縁体をそれぞれ３０cm程度剥離して導体部を露出させ、それらを 重ね合わせた状態で作業者がペンチ等の工具を用いてバインド線（軟銅製の裸電 線）を導体部に巻き付けることにより行っている。

【０００３】 また、従来の、圧縮接続により２本以上の電線を電気的に直接接続するための 圧縮接続具としては、例えば実開昭６１−８７４７４号公報に掲載されているよ うなものがある。このものは、電線の導体部をクランプするクランプ部を、複数 個分一体的に設けてなることを特徴としている。クランプ部は断面形状がＣ字形 をなしており、それぞれのクランプ部を環状に締め付けて電線の導体部を個別に 圧縮することにより、２本以上の電線を電気的に直接接続している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述したようなバインド巻作業は、柱上における作業者の手巻 き作業であって、バインド巻線の長さが 2.3〜11.8ｍという長いものであったた めその作業に長時間を要し、特に、夏季では暑気によって作業者の疲労が増大す るという課題があった。さらに、バインド巻工法は作業者によって巻付力に大き なバラツキが生じ易く、その巻付力の不足等によって巻付不良を生じるとその接 続部の電気抵抗が増大して大電流が流れ、焼損事故が発生することがある。

【０００５】 また、上述したような圧縮接続具を用いた場合にあっては、電線が複数本の素 線を撚り合わせた撚り線であるときにはクランプ部の合わせ目から素線がはみ出 してしまうことがあり、素線切れ等の不具合が生じて接続の信頼性が不安定であ るという課題があった。

【０００６】 本考案は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、１個又は２個以上 の筒体に２個以上の貫通穴を設け、その筒体を圧縮して２本以上の電線を電気的 に直接接続することにより、上記課題を解決することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における電線用圧縮接続具は、１個又は互 いに階段状に連結された２個以上の筒体からなり、前記１個又は２個以上の筒体 は、電線を挿入して圧縮接続するため互いに平行に穿設された２個以上又は１個 以上の貫通穴を有することを特徴としている。

【０００８】

【作用】

１個又は２個以上の筒体に設けた２個以上又は１個以上の貫通穴に電線の導体 部を１本づつ挿入し、その筒体を圧縮して１本又は２本以上の電線を圧縮するこ とにより、２本以上の電線を確実に電気的に直接接続することができる。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例について図面を参照して説明する。

【００１０】 図１乃至図５は、本考案の一実施例を示す図である。まず、構成を説明すると 、図１及び図２に示す１〜３は筒体の一実施例を示す円筒体、４は、隣り合う円 筒体１，２及び２，３間を連結する腕部であり、これら３個の円筒体１〜３と腕 部４とは導電部材によって一体に形成されている。かかる導電部材としては、例 えば、タフピッチ銅、電気銅等の各種の銅合金を適用できることは勿論のこと、 その他にもアルミニウム合金等の各種の導電性を有する部材を適用することがで きる。

【００１１】 ３個の円筒体１〜３と腕部４とは同一平面上に設定されていて、各円筒体１〜 ３の端部を個別に圧縮加工できるように中央の円筒体２のみを逆側に突出させて 階段状に配置し、隣り合う円筒体１，２及び２，３の基部を２個の腕部４でそれ ぞれ連結している。各円筒体１〜３は、電線を挿入して圧縮接続するための貫通 穴５を１個づつ有し、それらの貫通穴５は互いに平行をなすように穿設されてい る。

【００１２】 かかる構成を有する圧縮接続具Ａは、例えば、図３〜図５に示すような作業手 順によって３本の電線６〜８が接続される。

【００１３】 まず、図３に示すように、１個の外側の円筒体１の貫通穴５に、予め絶縁体を 端部から所定の長さだけ剥離した電線６の導体部９を挿入する。この導体部９の 挿入深さは、当該導体部９の先端が少なくとも腕部４に達するまで差し込むよう にする。しかる後、円筒体１の電線挿入側に圧縮工具１０を臨ませ、その圧縮工 具１０で円筒体１の先部を、図４に示すように圧縮し、当該円筒体１を変形させ て導体部９を固定する。なお、圧縮工具１０は円筒を握るように圧縮するもので 、その構造は周知であるため、その説明は省略する。

【００１４】 次に、図４に示すように、もう１個の外側の円筒体３の貫通穴５に電線８の導 体部９を挿入し、同様にして、円筒体３の電線挿入側を圧縮工具１０で圧縮し、 当該円筒体３の先部を変形させて導体部９を固定する。次いで、図５に示すよう に、残った中央の円筒体２の貫通穴５に電線７の導体部９を挿入し、同様にして 、円筒体２の電線挿入側とは反対側を圧縮工具１０で圧縮し、当該円筒体２の先 部を変形させて導体部９を固定する。これにより、図６に示すように、１個の圧 縮接続具Ａによって３本の電線６〜８を、簡単な作業でありながら確実に電気的 に直接接続することができる。

【００１５】 なお、上述したように、中央の円筒体２に電線７を固定する作業を最後に行っ たのは、これを最初に行うと、次の円筒体１（又は３）に電線６（又は８）を固 定する時に圧縮工具１０をセットすることができなくなるからであり、従って、 隣り合う円筒体間に十分なスペースがある場合には、３本の電線６〜８のどれか ら連結してもよい。

【００１６】 図７乃至図１６には、本考案の他の実施例を示す。

【００１７】 図７及び図８に示す実施例は、２個の円筒体１，２を階段状に連結して構成し たものであり、各円筒体１，２には１個づつ貫通穴５が設けられていて、１個の 腕部４によって両円筒体１，２が連結されている。

【００１８】 図９及び図１０に示す実施例は、２個の円筒体１，２を階段状に連結して構成 したものであるが、両円筒体１，２を直接結合して腕部４を廃止したものである 。なお、各円筒体１，２には１個づつ貫通穴５が設けられている。

【００１９】 図１１及び図１２に示す実施例は、断面形状が楕円形をなす１個の円筒体１１ に、互いに平行をなす２個の貫通穴５，１５を設けて構成したものである。この 実施例に係る圧縮接続具Ｂは、図６に示すような状態で２本の電線１６，１７を 電気的に直接接続することができる。なお、同図に示す、２０は電灯用変圧器、 ２１は動力用変圧器である。

【００２０】 図１３及び図１４に示す実施例は、２個の円筒体１，１１を階段状にして直接 結合して構成したものであるが、円筒体１１は断面形状が楕円形をなしていて、 その円筒体１１には互いに平行をなす２個の貫通穴５，１５を設けている。

【００２１】 また、図１５及び図１６に示す実施例は、２個の円筒体１，１２を階段状にし て腕部４で結合して構成したものであるが、円筒体１２は横断面形状が卵形をな していて、その円筒体１２には腕部４が延びる方向と交差する方向に平行に配置 した２個の貫通穴５，１５を設けている。

【００２２】 なお、本考案に係る圧縮接続具は、上記実施例に限定されるものではなく、１ 個又は２個以上の筒体が２個又は１個以上の貫通穴を有し、その貫通穴に２本以 上の電線を個別に接続できるものであればよいのである。また、筒体の形状とし ても前記実施例に限定されるものではなく、例えば、横断面形状が四角形、六角 形、八角形、十二角形等の各種形状のものを適用することができることは勿論で ある。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案は上述のとおり構成されているため、次に記 載するような効果を奏する。

【００２４】 １個又は２個以上の筒体に２個又は１個以上の貫通穴を設け、各貫通穴に電線 の導体部を個別に挿入して筒体を圧縮する構造としたため、作業員によっても締 付力にバラツキを生じることがなく、接続作業を簡単に行うことができて作業時 間の短縮を図ることができ、２本以上の電線を確実に接続することができる圧縮 接続具を提供することができる。

【００２５】 また、電線が複数本の素線を撚り合わせた撚り線である場合でも、貫通穴に挿 入された筒体を圧縮するだけで接続できるため、接続部から素線がはみ出して素 線切れ等の不具合を生じることがなく、接続の信頼性の高い圧縮接続具を提供す ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す斜視図である。

【図２】同じく正面図である。

【図３】第１の実施例の取付手順を示す説明図である。

【図４】同じく取付手順を示す説明図である。

【図５】同じく取付手順を示す説明図である。

【図６】リード線と引上線との接続状態を示す説明図で
ある。

【図７】本考案の第２の実施例を示す斜視図である。

【図８】同じく正面図である。

【図９】本考案の第３の実施例を示す斜視図である。

【図１０】同じく正面図である。

【図１１】本考案の第４の実施例を示す斜視図である。

【図１２】同じく正面図である。

【図１３】本考案の第５の実施例を示す斜視図である。

【図１４】同じく正面図である。

【図１５】本考案の第６の実施例を示す斜視図である。

【図１６】同じく正面図である。

【符号の説明】

１，２，３，１１，１２ 円筒体（筒体） ４ 腕部 ５，１５ 貫通穴 ６，７，８，１６，１７ 電線 ９ 導体部 １０ 圧縮工具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 佐藤 庄市 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目７番１号 東北電力株式会社内 (72)考案者 虻川 恵章 宮城県仙台市太白区郡山一丁目２番１号 北日本電線株式会社内 (72)考案者 斎藤 義雄 宮城県仙台市太白区郡山一丁目２番１号 北日本電線株式会社内 (72)考案者 千葉 幹郎 宮城県仙台市太白区郡山一丁目２番１号 北日本電線株式会社内 (72)考案者 井上 良則 大阪市東成区深江北一丁目15番17号 大日 合金株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １個又は互いに階段状に連結された２個
   以上の筒体からなり、前記１個又は２個以上の筒体は、
   電線を挿入して圧縮接続するため互いに平行に穿設され
   た２個以上又は１個以上の貫通穴を有することを特徴と
   する電線用圧縮接続具。