JPH0690509B2 - 平版印刷原版 - Google Patents

平版印刷原版

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JPH0690509B2
JPH0690509B2 JP61264265A JP26426586A JPH0690509B2 JP H0690509 B2 JPH0690509 B2 JP H0690509B2 JP 61264265 A JP61264265 A JP 61264265A JP 26426586 A JP26426586 A JP 26426586A JP H0690509 B2 JPH0690509 B2 JP H0690509B2
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silver halide
plate
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microcapsules
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哲 長谷川
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/027Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds
    • G03F7/028Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds with photosensitivity-increasing substances, e.g. photoinitiators
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、感光性平版印刷原版に関し、更に詳細には、
簡易処理可能な平版印刷原版(以下、PS版と略称する)
に関する。
[従来の技術] アルミニウム支持体上にハロゲン化銀、及びビニル化合
物からなる組成物を塗布して形成した感光層を有するPS
版は、例えば、特開昭57−211146号公報、および同58−
16231号公報などに開示されている。このPS版から平版
印刷版を製造する方法は、以下のような工程からなって
いる。即ち、PS版をパターン露光する工程(露光工
程)、次いでこれを現像液を浸漬し、水洗し、未露光部
の感光層を溶出する工程(現像工程)、さらに、感光層
を取り除いた部分のアルミニウム支持体表面が空気に曝
され、その親水性が低下するのを防止するために該アル
ミニウム支持体表面にアラビアゴム等を塗布する工程か
らなっている。上記のPS版はハロゲン化銀の感光性を利
用しているので高感度であるが、上記のように現像工程
において、現像液を用いて感光層を除去する方法、いわ
ゆる湿式現像処理方法を使用しているため、製造工程が
煩雑となるばかりでなく、使用薬品によっては衛星上及
び公害上、更に安全上など好ましくない点があった。
[発明の目的] 本発明は、現像液を用いることなく、即ち、湿式現像処
理工程を経ないで、簡易な方式によって平版印刷版が得
られる平版印刷原版(PS版)を提供することを目的とす
る。
[発明の要旨] 本発明は、親水性支持体上に、ハロゲン化銀、還元剤、
および重合性化合物を含有するマイクロカプセルと、親
水性バインダーとを含む感光層が設けられていることを
特徴とする平版印刷原版にある。
[発明の効果] 本発明のPS版においては、ハロゲン化銀等の芯物質がマ
イクロカプセルに含有された感光層を有するために、露
光・加熱現像(一次加熱)後、加熱(二次加熱)および
/または加圧することにより、該感光層は、マイクロカ
プセルが硬化してのちにウオッシユオフなどして取り除
かれる部分と、未硬化部分のカプセルが軟化、破壊され
るなどして重合性化合物が溶出される部分とに区分され
る。従って、感光層には画線部(インキ受容性部分)お
よび非画線部(親水性部分)が容易に形成される。
すなわち、上記加熱(二次加熱)等の処理後、未硬化の
マイクロカプセル(画線部のカプセル)が存在する部分
は、該カプセルが軟化、破壊などされて支持体上に密着
した親油性の膜(画線部)となる。一方、ハロゲン化銀
の潜像が形成された部分(あるいは潜像が形成されない
部分)の重合性化合物が重合硬化したマイクロカプセル
(非画線部のカプセル)が存在する部分は、親水性バイ
ンダーによってとり囲まれたままの状態であるために、
支持体から容易に除去可能であり、除去された部分の支
持体により親水性の面(非画線部)となる。
従って、本発明のPS版は、露光後、現像液を使用するこ
となく、加熱により現像し、さらに加熱および/または
加圧することなどによって容易に平版印刷版を得ること
ができる。
[発明の詳細な記述] 本発明の平版印刷原版(PS版)は、親水性支持体と、こ
の上に設けられた、ハロゲン化銀、還元剤および重合性
化合物を含有するマイクロカプセル、および親水性バイ
ンダーとを含む感光層とから構成される。
本発明のPS版に使用されるハロゲン化銀としては、写真
技術において公知のハロゲン化銀を用いることができ
る。本発明においては、塩化銀、臭化銀、沃化銀あるい
は塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれ
の粒子も用いることができる。
ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成は、表面と内部とが均
一であっても不均一であってもよい。表面と内部で組成
の異なった多重構造を有するハロゲン化銀粒子について
は、特開昭57−154232号、同58−108533号、同59−4875
5号、同59−52237号各公報、米国特許第4,433,048号お
よび欧州特許第100,984号各明細書に記載がある。ま
た、特願昭61−25576号明細書に記載の感光材料に用い
られているように、シェル部分の沃化銀の比率が高いハ
ロゲン化銀粒子を用いてもよい。
ハロゲン化銀粒子の晶癖についても特に制限はない。例
えば、特願昭61−55509号明細書に記載の感光材料のよ
うに、アスペクト比が3以上の平板状粒子を用いてもよ
い。
本発明に使用するハロゲン化銀には、ハロゲン組成、晶
癖、粒子サイズ等が異なった二種以上のハロゲン化銀粒
子を併用することもできる。
ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分布についても特に制限
はない。例えば、特願昭61−55508号明細書に記載の感
光材料のように、粒子サイズ分布がほぼ均一である単分
散のハロゲン化銀粒子を用いてもよい。
本発明において、ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ
は、0.001乃至10μmであることが好ましく、0.001乃至
5μmであることがさらに好ましい。
感光層に含まれるハロゲン化銀の量は、後述する任意の
成分である有機銀塩を含む銀換算で、0.1mg乃至10g/m2
の範囲とすることが好ましい。
本発明のPS版に使用することができる還元剤は、ハロゲ
ン化銀を還元する機能および/または重合性化合物の重
合を促進(または抑制)する機能を有する。上記機能を
有する還元剤としては、様々な種類の物質がある。上記
還元剤には、ハイドロキノン類、カテコール類、p−ア
ミノフェノール類、p−フェニレンジアミン類、3−ピ
ラゾリドン類、3−アミノピラゾール類、4−アミノ−
5−ビラゾロン類、5−アミノウラシル類、4,5−ジヒ
ドロキシ−6−アミノピリミジン類、レダクトン類、ア
ミノレダクトン類、o−またはp−スルホンアミドフェ
ノール類、o−またはp−スルホンアミドナフトール
類、2−スルホンアミドインダノン類、4−スルホンア
ミド−5−ピラゾロン類、3−スルホンアミドインドー
ル類、スルホンアミドピラゾロベンズイミダゾール類、
スルホンアミドピラゾロトリアゾール類、α−スルホン
アミドケトン類、ヒドラジン類等がある。上記還元剤の
種類や量等を調整することで、ハロゲン化銀の潜像が形
成された部分、あるいは潜像が形成されない部分のいず
れかの部分の重合性化合物を重合させることができる。
なお、ハロゲン化銀の潜像が形成されない部分の重合性
化合物を重合させる系においては、還元剤として1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類を用いることが特に好まし
い。
なお、上記機能を有する各種還元剤については、特願昭
60−22980号、同60−29894号、同60−68874号、同60−2
10657号、同60−226084号、同60−227527号、同60−227
528号、同61−42746号の各明細書に記載(現像薬または
ヒドラジン誘導体として記載のものを含む)がある。ま
た上記還元剤については、T.James著“The Theory of t
he Photographic Process"第四版、291〜334頁(1977
年)、リサーチ・ディスクロージャー誌Vol.170,1978年
6月の第17029号(9〜15頁)、および同誌Vol.176,197
8年12月の第17643号(22〜31頁)にも記載がある。ま
た、特願昭61−55505号明細書に記載の感光材料のよう
に、還元剤に代えて加熱条件下あるいは塩基との接触状
態等において還元剤を放出することができる還元剤前駆
体を用いてもよい。本発明のPS版においても、上記各明
細書および文献記載の還元剤および還元剤前駆体が有効
に使用できる。よって本明細書における『還元剤』に
は、上記各明細書および文献記載の還元剤および還元剤
前駆体が含まれる。
これらの還元剤は、単独で用いてもよいが、上記各明細
書にも記載されているように、二種以上の還元剤を混合
して使用してもよい。二種以上の還元剤を併用する場合
における、還元剤の相互作用としては、第一に、いわゆ
る超加成性によってハロゲン化銀(および/または有機
銀塩)の還元を促進すること、第二に、ハロゲン化銀
(および/または有機銀塩)の還元によって生成した第
一の還元剤の酸化体が共存する他の還元剤との酸化還元
反応を経由して重合性化合物の重合を引き起こすこと
(または重合を抑制すること)等が考えられる。ただ
し、実際の使用時においては、上記のような反応は同時
に発生し得るものであるため、いずれの作用であるかを
特定することは困難である。
上記還元剤の具体例としては、ペンタデシルハイドロキ
ノン、5−t−ブチルカテコール、p−(N,N−ジエチ
ルアミノ)フェノール、1−フェニル−4−メチル−4
−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル
−4−メチル−4−ヘプタデシルカルボニルオキシメチ
ル−3−ピラゾリドン、2−フェニルスルホニルアミノ
−4−ヘキサデシルオキシ−5−t−オクチルフェノー
ル、2−フェニルスルホニルアミノ−4−t−ブチル−
5−ヘキサデシルオキシフェノール、2−(N−ブチル
カルバモイル)−4−フェニルスルホニルアミノナフト
ール、2−(N−メチル−N−オクタデシルカルバモイ
ル)−4−スルホニルアミノナフトール、1−アセチル
−2−フェニルヒドラジン、1−アセチル−2−{(p
またはo)−アミノフェニル}ヒドラジン、1−ホルミ
ル−2−{(pまたはo)−アミノフェニル}ヒドラジ
ン、1−アセチル−2−{(pまたはo)−メトキシフ
ェニル}ヒドラジン、1−ラウロイル−2−{(pまた
はo)−アミノフェニル}ヒドラジン、1−トリチル−
2−(2,6−ジクロロ−4−シアノフェニル)ヒドラジ
ン、1−トリチル−2−フェニルヒドラジン、1−フェ
ニル−2−(2,4,6−トリクロロフェニル)ヒドラジ
ン、1−{2−(2,5−ジ−t−ペンチルフェノキシ)
ブチロイル}−2−{(pまたはo)−アミノフェニ
ル}ヒドラジン、1−{2−(2,5−ジ−t−ペンチル
フェノキシ)ブチロイル}−2−{(pまたはo)−ア
ミノフェニル}ヒドラジン・ペンタデシルフルオロカプ
リル酸塩、3−インダゾリノン、1−(3,5−ジクロロ
ベンゾイル)−2−フェニルヒドラジン、1−トリチル
−2−[{2−N−ブチル−N−オクチルスルファモイ
ル)−4−メタンスルホニル}フェニル]ヒドラジン、
1−{4−(2,5−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチ
ロイル}−2−{(pまたはo)−メトキシフェニル}
ヒドラジン、1−(メトキシカルボニルベンゾヒドリ
ル)−2−フェニルヒドラジン、1−ホルミル−2−
[4−{2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブ
チルアミド}フェニル]ヒドラジン、1−アセチル−2
−[4−{2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)
ブチルアミド}フェニル]ヒドラジン、1−トリチル−
2−[{2,6−ジクロロ−4−(N,N−ジ−2−エチルヘ
キシル)カルバモイル}フェニル]ヒドラジン、1−
(メトキシカルボニルベンゾヒドリル)−2−(2,4−
ジクロロフェニル)ヒドラジン、1−トリチル−2−
[{2−(N−エチル−N−オクチルスルファモイル)
−4−メタンスルホニル}フェニル]ヒドラジン、1−
ベンゾイル−2−トリチルヒドラジン、1−(4−ブト
キシベンゾイル)−2−トリチルヒドラジン、1−(2,
4−ジメトキシベンゾイル)−2−トリチルヒドラジ
ン、1−(4−ジブチルカルバモイルベンゾイル)−2
−トリチルヒドラジン、および1−(1−ナフトイル)
−2−トリチルヒドラジン等を挙げることができる。
本発明のPS版において、上記還元剤は銀1モル(前述し
たハロゲン化銀および任意の成分である有機銀塩を含
む)に対して0.1乃至1500モル%の範囲で使用すること
が好ましい。
本発明のPS版に使用できる重合性化合物は、特に制限は
なく公知の重合性化合物を使用することができる。な
お、PS版の使用方法として、熱現像処理を予定する場合
には、加熱時に揮発しにくい高沸点(例えば、沸点が80
℃以上)の化合物を使用することが好ましい。
本発明のPS版に使用される重合性化合物は、一般に付加
重合性または開環重合性を有する化合物である。付加重
合性を有する化合物としてはエチレン性不飽和基を有す
る化合物、開還重合性を有する化合物としてはエポキシ
基を有する化合物等があるが、エチレン性不飽和基を有
する化合物が特に好ましい。
本発明のPS版に使用することができるエチレン性不飽和
基を有する化合物には、アクリル酸およびその塩、アク
リル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸お
よびその塩、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミ
ド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコ
ン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニ
ルエステル類、N−ビニル複素還類、アリルエーテル
類、アリルエステル類およびそれらの誘導体等がある。
本発明に使用することができる重合性化合物の具体例と
しては、アクリル酸エステル類に関し、n−ブチルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フルフリ
ルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレー
ト、ジシクロヘキシルオキシエチルアクリレート、ノニ
ルフェニルオキシエチルアクリレート、ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
ポリオキシエチレン化ビスフェノールAのジアクリレー
ト、ヒドロキシポリエーテルのポリアクリレート、ポリ
エステルアクリレートおよびポリウレタンアクリレート
等を挙げることができる。
また他の具体例としては、メタクリル酸エステル類に関
し、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジ
メタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレートおよびポリオキシアルキ
レン化ビスフェノールAのジメタクリレート等を挙げる
ことができる。
上記重合性化合物は、単独で使用しても二種以上を併用
してもよい。
なお、前述した還元剤の化学構造にビニル基やビニリデ
ン基等の重合性官能基を導入した物質も本発明の重合性
化合物として使用できる。上記のように還元剤と重合性
化合物を兼ねた物質の使用も本発明の態様に含まれるこ
とは勿論である。
本発明のPS版において、重合性化合物はハロゲン化銀1
重量部に対して5乃至1.2×105重量部の範囲で使用する
ことが好ましい。より好ましい使用範囲は、12乃至1.2
×104重量部である。
本発明のPS版は、上記ハロゲン化銀、還元剤および重合
性化合物がマイクロカプセルに含有された状態で感光層
に含まれてなるものである。
なお、本明細書において、『マイクロカプセルに含有さ
れている物質』とは、マイクロカプセルを構成する芯物
質および/または壁材中に存在している物質を意味す
る。
上記マイクロカプセルについては特に制限なく様々な公
知技術を適用することができる。
上記公知技術の例としては、米国特許第280457号および
同第2800458号各明細書記載の親水性壁形成材料のコア
セルベーションを利用した方法;米国特許第3287154号
および英国特許第990443号各明細書、および特公昭38−
19574号、同42−446号および同42−771号各公報記載の
界面重合法;米国特許第3418250号および同第3660304号
各明細書記載のポリマーの析出による方法;米国特許第
3796669号明細書記載のイソシアネート−ポリオール壁
材料を用いる方法;米国特許第3914511号明細書記載の
イソシアネート壁材料を用いる方法;米国特許第400114
0号、同第4087376号および同第4089802号各明細書記載
の尿素−ホルムアルデヒド系あるいは尿素ホルムアルデ
ヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法;米国
特許第4025455号明細書記載のメラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース等の壁形成材
料を用いる方法;特公昭36−9168号および特開昭51−90
79号各公報記載のモノマーの重合によるin situ法;英
国特許第952807号および同第965074号各明細書記載の電
解分散冷却法;米国特許第3111407号および英国特許第9
30422号各明細書記載のスプレードライング法等を挙げ
ることができる。マイクロカプセル化方法は以上に限定
されるものではないが、芯物質を乳化した後、マイクロ
カプセル壁として高分子膜を形成する方法が特に好まし
い。
上記公知技術に基づいて形成されるマイクロカプセルの
壁材について特に制限はない。ただし、本発明において
より有利に利用できるマイクロカプセル壁材は親油性で
あって、水との接触角が40度以上を示す壁材であること
が好ましい。このような壁材としては、ポリウレア、ポ
リウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリエチレンアミン、フェノー
ルホルマリン樹脂、メラミン樹脂、ビニル重合体及びビ
ニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセ
タール樹脂、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブタジエン等およびこれらの混合物を挙げ
ることができる。
上記マイクロカプセル壁材は、比較的低い加熱(二次加
熱)により熱軟化性を示す壁材、すなわちガラス転移温
度の比較的低い壁材であることが好ましい。ガラス転移
温度が低ければ低温で軟化して、未硬化部分のマイクロ
カプセル(芯物質を含む)から重合性モノマーが浸出
し、容易に画線部である親油性の均一な皮膜を形成でき
る。このようなガラス転移温度は、80乃至300℃の範囲
にあることが好ましく、より好ましくは、80乃至250℃
の範囲であり、さらに80乃至220℃の範囲である。ただ
し、上記ガラス転移温度はハイブロンDDV−II型(東洋
ボールドウイン(株)製)を用い、昇温速度2℃/分で
測定した値である。ガラス転移温度が上記の範囲より低
い場合には、マイクロカプセルの経時安定性が劣る。ま
た、ガラス転移温度が上記の範囲より高い場合には、加
熱温度を高く設定しなければならず、支持体自体などに
悪影響を及ぼすことになる。
以上の観点などから、マイクロカプセルの壁材は、ポリ
ウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド及びこれらの混合物が好ましく、特にポ
リウレアおよびポリウレタンが好ましい。
このような壁材で形成されるマイクロカプセルの粒子径
は、0.01乃至30μmの範囲であることが好ましく、特
に、取り扱いなどの点から0.01乃至10μmの範囲にある
ことが好ましく、さらに解像力の点から0.01乃至5μm
の範囲にあることが好ましい。
本発明のPS版に使用される親水性バインダーは、透明か
半透明のものが好ましい。このような親水性バインダー
としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導
体、デンプン、アラビヤゴム等の多糖類のような天然物
質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ア
クリルアミド重合体、ポリアクリル酸、酢酸ビニル−ア
クリル酸共重合体等の水溶性のポリビニル化合物のよう
な合成重合物質を挙げることができる。以上のものは単
独で、あるいは適宜組合せて用いることができる。
本発明に用いられる親水性支持体としては、公知の支持
体材料から適宜選んで用いることができる。具体的に
は、紙、合成紙、プラスチック(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートさ
れた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜
鉛、鉄、銅などのような金属の板、酢酸セルロース、プ
ロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールな
どのようなプラスチックフィルム、上記の如き金属がラ
ミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフ
ィルムなどである。これらのうちでは、紙、合成紙、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アルミ
ニウム板が好ましい。なお、紙支持体については、特開
昭61−3797号および同61−112150号各公報に記載があ
る。
これらの支持体は、必要に応じて表面粗面化処理(砂目
立て処理)、あるいは表面親水化処理などの表面処理が
施される。
支持体として、アルミニウム板を用いる場合を例に以下
説明する。
表面処理(砂目立て処理)は、アルミニウム板を例え
ば、塩酸または硝酸電解液中で電気を流し、砂目立てす
る電気化学的砂目立て法、及びアルミニウム表面を金属
ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球
と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレ
イン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てする
ブラシグレイン法のような機械的砂目立て法を単独ある
いは組み合わせて用いて砂目立てする法などにより実施
される。
次いで、このように、砂目立て処理したアルミニウムは
酸またはアルカリにより化学的にエッチングされる。工
業的に有利な方法は、アルカリを用いるエッチングであ
る。
これらの目的に好適に用いられるアルカリ剤としては、
炭酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、メタ珪酸ナト
リウム、燐酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムおよび水酸化リチウム等を挙げることができる。
そして、このアルカリ溶液が使用される濃度と温度の好
ましい範囲は、それぞれ1〜50重量%、20〜100℃であ
り、アルミニウムの溶解量が5〜20g/m2となるような条
件が好ましい範囲として選らばれる。
更に、通常、アルカリエッチングの後、その表面に残留
する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行なわ
れる。好適な酸としては、硝酸、硫酸、燐酸、クロム
酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等である。
なお、電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理に
は、特開昭53−12739号公報に記載されているような、5
0〜90℃の温度で15〜65重量%の濃度の硫酸と接触させ
る方法あるいは特公昭48−28123号公報に記載されてい
る方法が有効である。
以上のようにして、表面粗面化処理されたアルミニウム
支持体が得られるが、所望により、陽極酸化処理、ある
いは化成処理などを施すこともできる。
陽極酸化処理は、この分野で従来より行なわれている公
知の方法で行なうことができる。具体的には、この方法
は、硫酸、燐酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン
酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらの二種類以上
を組み合わせた溶液または水溶液中でアルミニウムに直
流または交流の電気を流すことにより、アルミニウム表
面に陽極酸化皮膜を形成する方法である。
上記の陽極酸化の処理条件は、使用される電解液によっ
て種々変化するので一概には決定され得ないが、一般的
には電解液の濃度が1〜80重量%、電解液温度が5〜70
℃、電流密度が0.5〜60アンペア/dm2、電圧が1〜100
V、そして電解時間が10〜100秒の範囲にあることが適当
である。
特に、陽極酸化処理方法は、英国特許1412768号明細書
に記載されている、硫酸中で高電流密度で陽極酸化する
方法あるいは米国特許第3511661号明細書に記載されて
いる、燐酸を電解浴として陽極酸化する方法が好まし
い。
陽極酸化処理されたアルミニウム板は、更に米国特許第
2714066号および同3181461号各明細書に記載されている
ように、アルカリ金属シリケート処理(例えば、珪酸ナ
トリウムの水溶液で浸漬などの方法により処理)した
り、あるいは米国特許第3860426号明細書に記載されて
いるように、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛など)を
含む親水性セルロース(例えば、カルボキシメチルセル
ロースなど)からなる下塗り層を設けることもできる。
以下、本発明のPS版の様々な態様、感光層中に含ませる
ことができる任意の成分、およびPS版に任意に設けるこ
とができる補助層等について順次説明する。
本発明のPS版は、上述したようにハロゲン化銀、還元
剤、重合性化合物がマイクロカプセルに含まれてなるも
のである。このマイクロカプセル内には、後述する感光
層中に含ませることができる任意の成分を含ませること
もできる。マイクロカプセルにハロゲン化銀を含有させ
る場合は、マイクロカプセルの外殻を構成する壁材中に
ハロゲン化銀を存在させることが好ましい。
本発明のPS版の感光層に含ませることができる任意の成
分としては、色画像形成物質、増感色素、有機銀塩、各
種画像形成促進剤(例、塩基または塩基プレカーサー、
オイル、界面活性剤、カブリ防止機能および/または現
像促進機能を有する化合物、熱溶剤、酸素の除去機能を
有する化合物等)、熱重合防止剤、熱重合開始剤、現像
停止剤、けい光増白剤、退色防止剤、ハレーションまた
はイラジエーション防止染料、マット剤、スマッジ防止
剤、可塑剤、水放出剤、バインダー、光重合開始剤、重
合性化合物の溶剤等がある。
本発明のPS版に使用できる色画像形成物質には特に制限
はなく、様々な種類のものを用いることができる。色画
像形成物質を感光層に含ませることにより、画線部ある
いは非画線部を着色でき、両者の判別を容易にする。こ
のような例としては、それ自信が着色している物質(顔
料や染料)、あるいはそれ自身は無色、淡色であるが外
部からのエネルギー(加熱、加圧、光照射等)や、別の
成分(顕色剤)との接触により発色する物質(発色剤)
も、本発明に使用し得る色画像形成物質に含まれる。な
お、色画像形成物質については、特開昭61−73145号公
報に記載の感光材料に詳細に記載されている。また、色
画像形成物質として染料または顔料を用いた感光材料に
ついては特願昭61−29987号明細書に、ロイコ色素を用
いた感光材料については特願昭61−53876号、特願昭61
−133091号および同61−133092号各明細書にそれぞれ記
載があり、これらに用いられている色画像形成物質も本
発明のPS版に用いることができる。
本発明に使用することができる増感色素は、特に制限は
なく、写真技術等において公知のハロゲン化銀の増感色
素を用いることができる。上記増感色素には、メチン色
素、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ス
チリル色素およびヘミオキソノール色素等が含まれる。
これらの増感色素は単独で使用してもよいし、これらを
組合せて用いてもよい。特に強色増感を目的とする場合
は、増感色素を組合わせて使用する方法が一般的であ
る。また、増感色素と共に、それ自身分光増感作用を持
たない色素、あるいは可視光を実質的に吸収しないが強
色増感を示す物質を併用してもよい。増感色素の添加量
は、一般にハロゲン化銀1モル当り10-8乃至10-2モル程
度である。増感色素は、後述するハロゲン化銀乳剤の調
製段階において添加することが好ましい。
なお、増感色素の具体例は、上記特願昭60−139746号お
よび同61−55510号各明細書に記載されており、これら
の増感色素も使用することができる。
本発明において有機銀塩の添加は、熱現像処理において
特に有効である。すなわち、80℃以上の温度に加熱され
ると、上記有機銀塩は、ハロゲン化銀の潜像を触媒とす
る酸化還元反応に関与すると考えられる。この場合、ハ
ロゲン化銀と有機銀塩とは接触状態もしくは近接した状
態にあることが好ましい。上記有機銀塩を構成する有機
化合物としては、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸、メ
ルカプト基もしくはα−水素を有するチオカルボニル基
含有化合物、およびイミノ基含有化合物等を挙げること
ができる。それらのうちでは、ベンゾトリアゾールが特
に好ましい。上記有機銀塩は、一般にハロゲン化銀1モ
ル当り0.01乃至10モル、好ましくは0.01乃至1モル使用
する。なお、有機銀塩の代りに、それを構成する有機化
合物(例えば、ベンゾトリアゾール)を感光層に加えて
も同様な効果が得られる。有機銀塩の具体例について
は、特願昭60−141799号明細書の感光材料にその記載が
ある。
本発明のPS版には、種々の画像形成促進剤を用いること
ができる。画像形成促進剤にはハロゲン化銀(および/
または有機銀塩)と還元剤との酸化還元剤との酸化還元
反応の促進の機能がある。画像形成促進剤は、物理化学
的な機能の点から、塩基または塩基プレカーサー、オイ
ル、界面活性剤、カブリ防止機能および/または現像促
進機能を有する化合物、熱溶剤、酸素の除去機能を有す
る化合物等にさらに分類される。ただし、これらの物質
群は一般に複合機能を有しており、上記の促進効果のい
くつかを併せ持つのが常である。従って、上記の分類は
便宜的なものであり、実際には一つの化合物が複数の機
能を兼備していることが多い。
以下に画像形成促進剤として、塩基、塩基プレカーサ
ー、オイル、界面活性剤、カブリ防止機能および/また
は現像促進機能を有する化合物、熱溶剤、および酸素の
除去機能を有する化合物の例を示す。
好ましい塩基の例としては、無機の塩基としてはアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;アルカリ金
属またはアルカリ土類金属の第三リン酸塩、ホウ酸塩、
炭酸塩、メタホウ酸塩;水酸化亜鉛または酸化亜鉛とピ
コリン酸ナトリウム等のキレート化剤との組み合わせ;
アンモニウム水酸化物;四級アルキルアンモニウムの水
酸化物;その他の金属の水酸化物等が挙げられ、有機の
塩基としては脂肪族アミン類(トリアルキルアミン類、
ヒドロキシルアミン類、脂肪族ポリアミン類);芳香族
アミン類(N−アルキル置換芳香族アミン類、N−ヒド
ロキシルアルキル置換芳香族アミン類およびビス[p−
(ジアルキルアミノ)フェニル]メタン類)、複素環状
アミン類、アミジン類、環状アミジン類、グアニジン
類、環状グアニジン類等が挙げられ、特にpKaが7以上
のものが好ましい。
塩基プレカーサーとしては、加熱により脱炭酸する有機
酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位、ベ
ックマン転位等の反応によりアミン類を放出する化合物
など、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出す
るものおよび電解などにより塩基を発生させる化合物が
好ましく用いられる。塩基プレカーサーの具体例として
は、グアニジントリクロロ酢酸、ピペリジントリクロロ
酢酸、モルホリントリクロロ酢酸、p−トルイジントリ
クロロ酢酸、2−ピコリントリクロロ酢酸、フェニルス
ルホニル酢酸グアニジン、4−クロルフェニルスルホニ
ル酢酸グアニジン、4−メチル−スルホニルフェニルス
ルホニル酢酸グアニジンおよび4−アセチルアミノメチ
ルプロピオール酸グアニジン等を挙げることができる。
本発明のPS版に、塩基または塩基プレカーサーは広い範
囲の量で用いることができる。塩基または塩基プレカー
サーは、感光層の塗布膜を重量換算して100重量%以下
で用いるのが適当であり、さらに好ましくは0.1重量%
から40重量%の範囲が有用である。本発明では塩基およ
び/または塩基プレカーサーは単独でも二種以上の混合
物として用いてもよい。
また、塩基または塩基プレカーサーとして、第三級アミ
ンを用いた感光材料については、特願昭61−13181号明
細書に、融点が80〜180℃の疎水性有機塩基化合物の微
粒子状分散物を用いた感光材料については、特願昭61−
52992号明細書に、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の水酸化物または塩を用いた感光材料については、特
願昭61−96341号明細書にそれぞれ記載があり、これら
に用いられている塩基、塩基プレカーサーも、本発明の
PS版に用いることができる。
本発明のPS版に塩基または塩基プレカーサーを用いる場
合には、前述したマイクロカプセル外の感光層中に塩基
または塩基プレカーサーを存在させることが好ましい。
あるいは、塩基または塩基プレカーサーを上記マイクロ
カプセルとは別のマイクロカプセル内に収容してもよい
し、感光層以外の補助層(後述する塩基または塩基プレ
カーサーを含む層)に添加しておいてもよい。
オイルとしては、疎水性化合物の乳化分散の溶媒として
用いられる高沸点有機溶媒を用いることができる。
界面活性剤としては、特開昭59−74547号公報記載のピ
リジニウム塩類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩
類、特開昭59−57231号公報記載のポリアルキレンオキ
シド等を挙げることができ、これらの界面活性剤も本発
明のPS版に使用することができる。
カブリ防止機能および/または現像促進機能を有する化
合物は、画線部、非画線部が鮮明に得られることを目的
として用いることができる。なお、カブリ防止機能およ
び/または現像促進機能を有する化合物として、カブリ
防止剤を用いた感光材料については特願昭60−294337号
明細書に、環状アミド構造を有する化合物を用いた感光
材料については特願昭60−294338号明細書に、チオエー
テル化合物を用いた感光材料については特願昭60−2943
39号明細書に、ポリエチレングリコール誘導体を用いた
感光材料については特願昭60−294340号明細書に、チオ
ール誘導体を用いた感光材料については特願昭60−2943
41号明細書に、アセチレン化合物を用いた感光材料につ
いては特願昭61−20438号明細書に、スルホンアミド誘
導体を用いた感光材料については、特願昭61−25578号
明細書にそれぞれ記載があり、これらに用いられている
化合物も本発明のPS版に使用することができる。
熱溶剤としては、還元剤の溶媒となり得る化合物、高誘
電率の物質で銀塩の物理的現像を促進することが知られ
ている化合物等が有用である。有用な熱溶剤としては、
米国特許第3347675号明細書記載のポリエチレングリコ
ール類、ポリエチレンオキサイドのオレイン酸エステル
等の誘導体、みつろう、モノステアリン、−SO2−およ
び/または−CO−基を有する高誘電率の化合物、米国特
許第3667959号明細書記載の極性物質、リサーチ・ディ
スクロージャー誌1976年12月号26〜28頁記載の1,10−デ
カンジオール、アニス酸メチル、スベリン酸ビフェニル
等が好ましく用いられる。
酸素の除去機能を有する化合物は、現像時における酸素
の影響(酸素は、重合禁止作用を有している)を排除す
る目的で用いることができる。酸素の除去機能を有する
化合物の例としては、二以上のメルカプト基を有する化
合物を挙げることができる。
本発明のPS版に用いることができる熱重合開始剤は、一
般に加熱下で熱分解して重合開始種(特にラジカル)を
生じる化合物であり、通常ラジカル重合の開始剤として
用いられているものである。熱重合開始剤については、
高分子学会高分子実験学編集委員会編「付加重合・開環
重合」1983年、共立出版)の第6頁〜第18頁等に記載さ
れている。熱重合開始剤の具体例としては、アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキ
サンカルボニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイ
ソブチレート、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニト
リル)、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合
物、過酸化ベンゾイル、ジ−t−パーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイ
ド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過
酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無
機過酸化物、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム等を
挙げることができる。熱重合開始剤は、重合性化合物に
対して0.1乃至120重量%の範囲で使用することが好まし
く、1乃至10重量%の範囲で使用することがより好まし
い。また、本発明の場合、ハロゲン化銀の潜像が形成さ
れない部分の重合性化合物を重合させる系においては、
熱重合開始剤がハロゲン化銀等と共にマイクロカプセル
内に含まれていることが好ましい。なお、熱重合開始剤
を用いた感光材料については特願昭60−210657号明細書
に記載があり、これらに用いられている熱重合開始剤も
本発明のPS版に使用することができる。
本発明のPS版に用いることができる現像停止剤とは、適
正現像後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜
中の塩基濃度を下げ、現像を停止する化合物または銀お
よび銀塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。
具体的には、加熱により酸を放出する酸プレカーサー、
加熱により共存する塩基と置換反応を起こす親電子化合
物、または含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物等
が挙げられる。酸プレカーサーの例としては、特開昭60
−108837号および同60−192939号各公報記載のオキシム
エステル類、特願昭59−85834号明細書記載のロッセン
転位により酸を放出する化合物等を挙げることができ
る。また、加熱により塩基と置換反応を起こす親電子化
合物の例としては、特開昭60−230134号公報記載の化合
物等を挙げることができる。
本発明のPS版に用いられるスマッジ防止剤としては、常
温で固体の粒子状物が好ましい。具体例としては、英国
特許第12,322,347号明細書記載の澱粉粒子、米国特許第
3,625,736号明細書等記載の重合体微粉末、英国特許第
1,235,991号明細書等記載の発色剤を含まないマイクロ
カプセル粒子、米国特許第2,711,375号明細書記載のセ
ルロース微粉末、タルク、カオリン、ベントナイト、ろ
う石、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ等の無機物粒
子等を挙げることができる。上記粒子の平均粒子サイズ
としては、体積平均直径で3乃至50μmの範囲にあるこ
とが好ましく、5乃至40μmの範囲にあることがさらに
好ましい。上記のように重合性化合物等がマイクロカプ
セルの状態にある場合には、上記粒子はマイクロカプセ
ルより大きい方が効果的である。
以上述べた以外に感光層中に含ませることができる任意
の成分の例およびその使用態様についても、上述した一
連の感光材料に関する出願明細書、およびリサーチ・デ
ィスクロージャー誌Vol.170,1978年6月の第17029号
(9〜15頁)に記載がある。
本発明のPS版に任意に設けることができる補助層として
は、発熱体層、帯電防止層、カール防止層、はくり層、
カバーシート又は保護層、塩基または塩基プレカーサー
を含む層、塩基バリヤー層等を挙げることができる。
以下、本発明のPS版の製造方法について述べる。
PS版の製造方法としては様々な方法を用いることができ
るが、一般的な製造方法は、感光層の構成成分を、適当
な溶媒中に溶解、乳化あるいは分散させて液状組成物を
調製する工程、該組成物をマイクロカプセル化し、さら
にマイクロカプセル分散液を含む塗布液を調製する工
程、およびこの塗布液を親水性の支持体上に塗布し、乾
燥する工程よりなるものである。
一般に上記マイクロカプセル分散液を含む塗布液は、各
成分についてそれぞれ調製した各液状組成物を混合した
のち、これをマイクロカプセル化することにより調製さ
れる。上記液状組成物は、各成分毎に調製してもよい
し、また複数の成分を含むように調製してもよい。一部
の感光層の構成成分は、上記液状組成物または塗布液の
調製段階または調製後に添加して用いることもできる。
さらに、一または二以上の成分を含む油性(または水
性)の組成物を、さらに水性(または油性)溶媒中に乳
化させて二次組成物を調製する方法を用いることもでき
る。
感光層に含まれる主な成分について、液状組成物および
塗布液の調製方法を以下に示す。
本発明のPS版の製造において、ハロゲン化銀はハロゲン
化銀乳剤として調製することが好ましい。ハロゲン化銀
乳剤の調製方法は写真技術等で公知の様々な方法がある
が、本発明のPS版の製造に関しては特に制限はない。ハ
ロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法またはアンモニア法
のいずれの方法を用いても調製することができる。可溶
性銀塩と可溶性ハロゲン塩との反応形式としては、片側
混合法、同時混合法またはこれらの組合せのいずれでも
よい。粒子を銀イオン過剰条件下で混合する逆混合法及
びpAgを一定に保つコントロールド・ダブルジェット法
も採用できる。また、ハロゲン化銀乳剤は、主として潜
像が粒子表面に形成される表面潜像型であっても、粒子
内部に形成される内部潜像型であってもよい。内部潜像
型乳剤と造核剤とを組合せた直接反転乳剤を使用するこ
ともできる。
本発明のPS版の製造に使用されるハロゲン化銀乳剤の調
製においては、保護コロイドとして親水性コロイドを用
いることが好ましい。親水性コロイドとしては、例え
ば、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子
物質とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類等のような誘
導体、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導体等の誘導体;
およびポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部
分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あ
るいは共重合体のような多種の合成親水性高分子物質を
挙げることができる。これらのうちではゼラチンが好ま
しい。ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチンの外、酸処
理ゼラチンや酵素処理ゼラチンを用いてもよく、またゼ
ラチンの加水分解物や酵素処理分解物も用いることがで
きる。
本発明のPS版の製造に際して、親水性コロイドを用いて
調製したハロゲン化銀乳剤を用いた場合にはPS版の感度
が向上する。ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
形成段階において、ハロゲン化銀溶剤としてアンモニ
ア、有機チオエーテル誘導体(特公昭47−386号公報参
照)および含硫黄化合物(特開昭53−144319号公報参
照)等を用いることができる。また、粒子形成または物
理熟成の過程において、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、
タリウム塩等を共存させてもよい。さらに高照度不軌、
低照度不軌を改良する目的で塩化イリジウム(III価ま
たはIV価)、ヘキサクロロイリジウム塩アンモニウム等
の水溶性イリジウム塩、または塩化ロジウム等の水溶性
ロジウム塩を用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤は、沈殿形成後あるいは物理熟成後に
可溶性塩類を除去してもよい。この場合は、ヌーデル水
洗法や沈降法に従い実施することができる。ハロゲン化
銀乳剤は、後熟しないまま使用してもよいが通常は化学
増感して使用する。通常型感材用乳剤においては、公知
の硫黄増感法、還元増感法、貴金属増感法等が単独また
は組合せて用いられるが、本発明のPS版の製造に際して
も適応できる。
なお、ハロゲン化銀乳剤に増感色素を添加する場合は、
ハロゲン化銀乳剤の調製段階において添加することが好
ましい(特願昭60−139746号および同61−55510号明細
書参照)。
また、前述したカブリ防止機能および/または現像促進
機能を有する化合物として含窒素複素還化合物を添加す
る場合には、ハロゲン化銀乳剤の調製においてハロゲン
化銀粒子の形成段階または熟成段階において添加するこ
とが好ましい(特願昭61−3024号明細書参照)。
さらに前述した有機銀塩を感光層に含ませる場合には、
上記ハロゲン化銀乳剤の調製方法に類似の方法で有機銀
塩乳剤を調製することができる。そして、この有機銀塩
もマイクロカプセル内に含まれていることが好ましい。
本発明のPS版の製造において、重合性化合物は感光層中
の他の成分の組成物を調製する際の媒体として使用する
ことができる。例えば、ハロゲン化銀(ハロゲン化銀乳
剤を含む)、還元剤等を重合性化合物中に溶解、乳化あ
るいは分散させてPS版の製造に使用することができる。
このことにより上記成分を容易に重合性化合物の油滴内
に分散させることができる。また、この場合、マイクロ
カプセル化するのに必要な壁材等の成分を該油滴内に含
ませておいてもよい。
重合性化合物にハロゲン化銀を含ませた感光性組成物
は、ハロゲン化銀乳剤を用いて調製することができる。
また、感光性組成物の調製には、ハロゲン化銀乳剤以外
にも、凍結乾燥等により調製したハロゲン化銀粉末を使
用することもできる。
感光性組成物は、上記ハロゲン化銀、重合性化合物およ
び還元剤、更に他の任意成分を、通常使用される攪拌機
(ホモジナイザー、ブレンダー、ミキサーなど)に投入
して攪拌することにより得ることができる。
なお、感光性組成物の調整に使用する重合性化合物に
は、親水性の繰り返し単位と疎水性の繰り返し単位より
なるコポリマーを溶解させておくことが好ましい(特願
昭60−261887号明細書参照)。
また、上記コポリマーを使用する代りに、ハロゲン化銀
乳剤を芯物質とするマイクロカプセルを重合性化合物中
に分散させて感光性組成物を調製してもよい(特願昭61
−5750号明細書参照)。
上記得られた感光性組成物を、次に前述した外殻の形成
方法に基づいてカプセル化して、ハロゲン化銀、還元剤
および重合性化合物を含有するカプセル分散液を調製す
る。なお、このマイクロカプセル分散液には、一部の任
意成分を添加することもできることは前述の通りであ
る。
以上のように調製されたカプセル分散液に前述した親水
性バインダーを添加して感光層形成用塗布液とする。こ
の際、必要に応じ界面活性剤等の任意成分を添加しても
よい。なお、親水性バインダーは、マイクロカプセル化
の前に添加することも可能である。
このように調製した感光層形成用塗布液を前述した親水
性支持体上に塗布、乾燥することにより、本発明のPS版
を製造することができる。上記塗布液の支持体への塗布
は、公知技術に従い容易に実施することができる。
次に、本発明のPS版の使用方法について述べる。
本発明のPS版は、像様露光と同時に、または像様露光後
に、現像処理を行ない、続いて未重合部分の親油性皮膜
化処理を行なって使用する。
上記露光方法としては、様々な露光手段を用いることが
できるが、一般に可視光を含む輻射線の像様露光により
ハロゲン化銀の潜像を得る。光源の種類や露光量は、ハ
ロゲン化銀の感光波長(色素増感を実施した場合は増感
した波長)や、感度に応じて選択することができる。こ
れらの例としては、水銀灯、メタルハライドランプ、キ
セノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、タ
ングステン電球または赤外ランプなどを挙げることがで
きる。また、レーザービームによる走査露光も本発明に
使用することができる。このようなレーザービームとし
ては半導体レーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、アル
ゴンレーザー、クリプトンイオンレーザー、またはヘリ
ウム・カドミウムレーザーなどがある。
本発明のPS版には、前述したように、熱現像処理を行う
方法(特開昭61−69062号公報参照)が操作が簡便であ
り、短時間で処理ができるなどの利点を有しているた
め、好ましい現像処理方法として採用される。
上記熱現像処理における加熱(一次加熱)方法として
は、従来公知の様々な方法を用いることができる。な
お、熱現像処理として、前述した特願昭60−135568号明
細書記載の感光材料のように、感光材料に発熱体層を設
けて加熱手段として使用する方法、あるいは特願昭61−
55506号明細書記載の画像形成方法のように、感光層中
に存在する酸素の量を抑制しながら熱現像処理を実施す
る方法を利用することもできる。加熱温度は一般に80℃
乃至200℃、好ましくは100℃乃至160℃である。また加
熱時間は、一般に1秒乃至5分、好ましくは5秒乃至1
分である。
本発明のPS版は、上記のようにして熱現像処理を行い、
ハロゲン化銀の潜像が形成された部分またはハロゲン化
銀の潜像が形成されない部分の重合性化合物を重合化さ
せることができる。なお、本発明のPS版においては一般
に上記熱現像処理において、ハロゲン化銀の潜像が形成
された部分の重合性化合物が重合するが、還元剤の種類
や量等を調整することで、ハロゲン化銀の潜像が形成さ
れない部分の重合性化合物を重合させることも可能であ
る(特願昭60−210657号明細書参照)。
本発明のPS版は、平版印刷版を製造するのに極めて有利
なものであり、この平版印刷版を得る方法には上記露光
・現像処理(熱現像処理、一次加熱)を含むいろいろな
方法が可能である。
例えば、以下のような方法が挙げられる。
すなわち、(1)パターン露光→加熱現像→二次加熱→
ウオッシュオフ→ガム引き、(2)パターン露光→加熱
現像→二次加熱→全面露光→ウオッシュオフ→ガム引
き、(3)パターン露光→加熱現像→加圧→全面露光→
ウオッシュオフ→ガム引き、(4)熱印字→ウオッシュ
オフ→ガム引き、(5)熱印字→全面露光→ウオッシュ
オフ→ガム引き、(6)加圧印字→全面露光→ウオッシ
ュオフ→ガム引き、など、 上記の方法のうち(2)に示された方法を例にして、平
版印刷版の製造法をさらに詳しく説明する。なお、他の
方法も同様に実施することができる。
まず、本発明のPS版を上記露光手段を用いてパターン露
光後加熱(一次加熱)現像すると、露光された部分(非
画線部となる部分)のマイクロカプセル(芯物質を含
む)は、上述のように重合反応が進行して重合硬化し
て、該カプセルの熱軟化温度が上昇する。すなわち、該
硬化部分のマイクロカプセルの熱軟化温度は、未重合
(未硬化)部分のマイクロカプセルの熱軟化温度以上に
なる。従って、重合硬化したマイクロカプセルは、さら
に高温で加熱(二次加熱:硬化部分の熱軟化温度以下、
未硬化部分の熱軟化温度以上の温度で)しても該マイク
ロカプセルの軟化、融着、融解、破壊あるいはマイクロ
カプセル中の芯物質の放出は起らず、親水性バインダー
にかこまれたマイクロカプセルの状態で存在する。一
方、露光されない部分のマイクロカプセルは未硬化状態
で存在し、この部分(画線部となる部分)のマイクロカ
プセルは、通常の取り扱い時及び通常の条件下では安定
であるが、加熱現象温度より高温の加熱(二次加熱:硬
化部分のマイクロカプセルの熱軟化温度以下、未硬化部
分のマイクロカプセルの熱軟化温度以上の温度で)によ
り軟化、融着、融解、破壊し、マイクロカプセル壁およ
び/またはマイクロカプセル中の芯物質が混じりあって
親油性の均一膜となり、画線部(インキ受容性部分)を
形成する。次に、上記の硬化したマイクロカプセルの部
分はウオッシュオフすることにより、簡単に支持体から
除去でき、非画線部(親水性部分)が得られる。さらに
上記のようにして得た親油性の均一膜(画線部)は、全
面露光することにより更に耐刷性の大きな(強度のあ
る)ものとすることができる。また、通常、上述したよ
うに非画線部となる支持体の親水性の低下を防止するた
めにアラビヤゴム等のガム引きが行なわれる。
以上のようにして、画線部(親油性)と非画線部(親水
性)とを有する平版印刷版を製造することができる。
上記製造方法において、二次加熱は、最初の加熱現像に
含ませることができる。すなわち、ある適当な温度(一
定の温度でも、段階的あるいは温度勾配を持って変化さ
せてもよい)で連続して加熱を行なってもよい。また、
二次加熱の代りに加圧手段を用いて加圧し、マイクロカ
プセルを破壊して上記と同様に親油性の均一膜を形成す
ることもできる。この場合、加圧に二次加熱を同時また
は遂時併用することもできる。さらに、ウオッシュオフ
およびガム引きを行なわずに、直接印刷機上で非画線部
のマイクロカプセルを除去することにより、直ちに印刷
を行なうことができるため非常に簡単であり、特に好ま
しい方法である。
なお、上記の説明は、一般的に行なわれるハロゲン化銀
の潜像が形成された部分の重合性化合物を重合させる系
を用いて得られる平版印刷版の製造方法について述べた
が、上述のように潜像が形成されない部分の重合性化合
物を重合させる系においても同様に平版印刷版を得るこ
とができることは上述の通りである。
本発明のPS版は、オフセット印刷などに有利に用いられ
る。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] [PS版の作成] 以下のようにしてPS版を作成した。
ハロゲン化銀乳剤の調製 ゼラチン40gと臭化カリウムとを水3lに溶解し、50℃ま
で加熱し、攪拌を続けながら硝酸銀34gを水200mlに溶解
させたものを10分間で添加した。その後沃化カリウム3.
3gを水100mlに溶解させたものを2分間で添加した。こ
うして得られた沃臭化銀乳剤のpHを調整し、沈降させ、
過剰の塩を除去した後、pHを6.0に調整し、平均粒子サ
イズ0.2μmで14面体の単分散沃臭化銀乳剤を得た。乳
剤の収量は、400gであった。
ベンゾトリアゾール銀乳剤の調製 ゼラチン28gとベンゾトリアゾール13.2gを水3000ml中に
溶かした。この溶液を40℃に保ちながら攪拌し、硝酸銀
17gを水100ml中に溶かした溶液を2分間で加えた。得ら
れた乳剤のpHを調整することで、過剰の塩を沈降、除去
した。その後pHを6.30に調整し、ベンゾトリアゾール銀
乳剤を得た。乳剤の収量は400gであった。
感光性組成物の調製 トリメチロールプロパントリアクリレート100gに下記の
コポリマー0.40gを溶解させた。上記溶液10.8gにエマレ
ックスNP−8(日本エマルジョン社製)0.22g、下記の
ヒドラジン誘導体を0.65g、下記の現像薬0.73gを塩化メ
チレン2.4gに溶解した溶液を加えた。上記溶液に、前述
したように調製されたハロゲン化銀乳剤2.4g、ベンゾト
リアゾール銀乳剤2g、ベンゾトリアゾール0.066gの混合
物を加えて、ホモジナイザーを用いて、毎分15000回転
で5分間攪拌し感光性組成物を得た。
感光性マイクロカプセル液の調製 上記感光性組成物中にキシリレンジイソシアナートとト
リメチロールプロパンとの付加物(タケネートD110N、
商品名、武田薬品工業(株)製)を4g溶解させたもの
を、ポリビニルアルコール(PVA-205、クラレ(株)
製)の2%水溶液25g中に加え、ホモジナイザーによっ
て18000rpmにて5分間攪拌し、乳化した。この乳化物を
1000rpmの攪拌下に2時間反応させてポリウレア樹脂外
殻からなるマイクロカプセル中に感光性組成物が含有さ
れた感光性マイクロカプセルの分散液を得た。
PS版の作成 前記のマイクロカプセル分散液10.0gに、グアニジント
リクロロ酢酸塩の10%水溶液(水:エタノール=1:1
(容積比)の混合液)1.8g、水10gと白色デキストリン
(日澱化学(株)製)0.1gを添加して感光層形成用塗布
液を調製した。この塗布液を乾燥後の重量が3g/m2にな
るように下記のアルミニウム支持体上に塗布してPS版を
得た。
支持体の作成 特開昭56−28893号公報に開示された方法により基板を
作成した。即ち、厚さ0.24mmのアルミニウム板をナイロ
ンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用
い、その表面を砂目立てしたのち、よく水で洗浄した。
次いで、10%水酸化ナトリウムに50℃で60秒間浸漬して
エッチングしたのち、流水で水洗後20%硝酸水溶液で中
和洗浄し、水洗した。これを陽極時電圧が12.7Vで陽極
時電気量に対する陰極時電気量の比が0.8の条件化で正
弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160ク
ーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行なっ
た。この時の表面粗さを測定したところ0.6μ(Ra表
示)であった。引き続いて、30%の硫酸中に浸漬し55℃
で2分間デスマットした後、20%硫酸中、電流密度2A/d
m2において厚さが2.7g/dm2になるように陽極酸化処理し
た。その後70℃の珪酸ナトリウム2.5%水溶液に1分間
浸漬後乾燥した。
[PS版としての評価] 上記で得たPS版から以下のようにして二種類の平版印刷
版を作成し、評価した。
(1)上記で得たPS版をタングステン電球を用い200ル
クスで1秒間像様露光した後、125℃に加熱したホット
プレート上に置き60秒間加熱した。次いで、170℃で1
分間加熱したのち、平版印刷版(A)を得た。
(2)上記で得たPS版をタングステン電球を用い200ル
クスで1秒間像様露光した後、125℃に加熱したホット
プレート上に置き60秒間加熱した。次いで、170℃で1
分間加熱したのち、さらに非画線部となる露光部分(硬
化部分)をウオッシュオフし、続いてアラビアガム液を
塗布し平版印刷版(B)を得た。
次に、上記で得た平版印刷版(A)及び(B)をハイデ
ルベルグG.T.O型印刷機に取り付け印刷したところ汚れ
のない印刷物が得られた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性支持体上に、ハロゲン化銀、還元
    剤、および重合性化合物を含有するマイクロカプセル
    と、親水性バインダーとを含む感光層が設けられている
    ことを特徴とする平版印刷原版。
  2. 【請求項2】上記感光層がさらに有機銀塩を含み、かつ
    該有機銀塩が上記マイクロカプセル内に存在しているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の平版印刷原
    版。
  3. 【請求項3】上記感光層がさらに熱重合開始剤を含み、
    かつ該熱重合開始剤が上記マイクロカプセル内に存在し
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の平
    版印刷原版。
  4. 【請求項4】上記ハロゲン化銀の少なくとも一部が、上
    記マイクロカプセルの壁材中に含まれていることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の平版印刷原版。
  5. 【請求項5】熱現像用であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の平版印刷原版。
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