JPH0689879A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH0689879A
JPH0689879A JP4240398A JP24039892A JPH0689879A JP H0689879 A JPH0689879 A JP H0689879A JP 4240398 A JP4240398 A JP 4240398A JP 24039892 A JP24039892 A JP 24039892A JP H0689879 A JPH0689879 A JP H0689879A
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康博 西森
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一喜 近藤
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道夫 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理すべき試料の表面に対して従来例に比較
して均一にかつ安定に高い密度のプラズマを照射するこ
とができ、しかも小型・軽量化することができるヘリコ
ンプラズマ処理装置を提供する。 【構成】 ヘリコンプラズマ処理装置において、プラズ
マ処理室の内部で上記試料に向かう方向に直流磁界を発
生する磁界発生装置と、上記プラズマ処理室の筒形状の
軸中心からその筒の外周に向かう方向を有する第1の高
周波電界と、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心を中
心としてその筒の底面に平行な面上で角度が変化して回
転する角度回転方向を有する第2の高周波電界とを、互
いに所定の位相差を有する高周波信号を用いて発生する
ことによって、ヘリコン波の電界に実質的に等しい電界
を発生する電界発生装置とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘリコン波で励起され
たいわゆるヘリコンプラズマを用いて例えばウエハなど
の試料に対して、半導体デバイスを形成するための所定
の処理を行うプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図18に、例えば米国特許4,990,
229号において開示された従来例のヘリコンプラズマ
処理装置を示す。
【0003】図18に示すように、内部が真空状態に設
定され電気絶縁材料にてなる円筒状のプラズマ発生室2
30と、中心部に試料300が載置される円筒状の処理
室231が縦続に接続され、プラズマ発生室230の上
部に反応ガス流入パイプ232が連結される一方、処理
室231の下部に排気パイプ233が連結される。ま
た、プラズマ発生室230の外周部に高周波結合用アン
テナ240が固定されて設けられるとともに、当該アン
テナ240の外周部に、プラズマ発生室230の軸方向
に直流磁界Bを発生するための磁界発生用ソレノイドコ
イル250が設けられる。上記アンテナ240は、円形
状の上リング部241と、円形状の下リング部242と
から構成される。
【0004】ここで、上リング部241と下リング部2
42に対して互いに逆相で励起するように上記上リング
部241の両端と下リング部242の両端に、高周波電
源210から出力される高周波信号がインピーダンス整
合器211と同軸ケーブル212とを介して入力され
て、上記アンテナ240が励振される。このとき、高周
波信号はプラズマ発生室230内部で発生するプラズマ
と結合しかつ浸透して、これによって、高周波の電磁波
が、ヘリコン波(ホイッスラー波)として、発生された
プラズマの内部を軸方向の磁界Bに沿ってホイッスラー
モードで伝搬してランダウ減衰させることにより電子に
エネルギーを与えて電離現象を促進することによって、
高密度なプラズマを発生している。
【0005】当該ヘリコンプラズマ処理装置において発
生されるプラズマの密度ne[cm-3]は、(a)高周
波信号の角周波数ωがイオンサイクロトロン角周波数ω
ciよりも十分に高く、かつ電子サイクロトロン角周波
数ωceよりも十分に低いという第1の近似条件と、
(b)発生するプラズマの直径が比較的小さいという第
2の近似条件のもとでの近似式を用いて、公知の通り、
次の数1で表すことができる。
【0006】
【数1】 ne=(190・B0)×1014/(ra・f・λ)[cm-3] ここで、B0:直流磁界の磁束密度[kG]、ra:円筒
状のプラズマの半径に対応するプラズマ発生室230の
半径[cm]、f:高周波信号の周波数[MHz]、
λ:ヘリコン波の波長[cm]である。
【0007】従って、励起すべきヘリコン波の波長λ
は、数1から次の数2によって表される。
【数2】 λ=(190・B0)/(ra・f・ne×10-14)[cm]
【0008】上記数2で与えられた励振波長λを有する
アンテナ240を作成することにより、プラズマを発生
させることができる。また、上記数1から明らかなよう
に、発生されるプラズマの密度は、印加される直流磁界
の磁束密度B0と、プラズマ発生室230の半径raと、
印加される高周波信号の周波数fと、アンテナ240の
アンテナ長に対応するヘリコン波の波長λとによって決
定されるので、当該プラズマ処理装置の全体の大きさが
決定されると、上記発生されるプラズマの密度を容易に
高くすることができない。また、これらのパラメータB
0,ra,f,λの値が固定されるとき、上記発生される
プラズマの密度を実行すべき処理の種類に応じて変更さ
せることができないという問題点があった。
【0009】また、当該従来例のヘリコンプラズマ処理
装置において、例えばプロセスの種類を変更するために
反応ガスの種類を変更したときに、プロセスのためのプ
ラズマの密度が変化し、これによって上記ヘリコン波の
波長が変化する。一方、高周波結合用アンテナ240が
固定されて設けられているので、発生されたプラズマと
高周波との結合度が低下し、この結果、高周波の電力が
効率良くプラズマに吸収されず、発生されるプラズマの
安定度が低下するという問題点があった。
【0010】さらに、当該従来例のヘリコンプラズマ処
理装置において、上記数2で計算された波長λの1/2
の長さの間隔で2つのリングアンテナを保持する必要が
あるため、当該装置が大型になるという問題点があっ
た。
【0011】本発明の第1の目的は以上の問題点を解決
し、処理すべき試料の表面に対して従来例に比較して均
一にかつ安定に高い密度のプラズマを発生することがで
きるヘリコンプラズマ処理装置を提供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、従来例に比
較して小型・軽量化することができるヘリコンプラズマ
処理装置を提供することにある。
【0013】さらに、本発明の第3の目的は、処理すべ
き試料の表面に対して従来例に比較して均一にかつ安定
に高い密度のプラズマを発生することができ、しかも発
生されるプラズマの密度を所定値に制御することができ
るヘリコンプラズマ処理装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来例のヘ
リコンプラズマ処理装置において、そのアンテナ240
が上述の形状を有しているため、各リング部241,2
42に流された高周波信号によってレンツの法則によ
り、円筒形状のプラズマ発生室230の軸を中心として
その底面に平行な面上で角度が変化して回転する角度回
転方向(θ方向:以下、角度回転方向という。)の電界
しか発生しないことに着目した。しかしながら、実際に
は、電界振幅の表現で表されたベッセル関数に対応する
値mが0である基本モードのときのヘリコン波の電界パ
ターンが図示された図19(例えば、中野ほか「ヘリコ
ン波で励起されたプラズマ(Helicon wave
excited plasmas)」応用物理,第6
1巻,第7号,pp711−717,1992年7月の
第1図参照)に示すように、上記回転軸方向だけでなく
プラズマ発生室230の軸から側面に向かう半径方向
(ra方向:以下、半径方向という。)にも電界成分を
有しており、アンテナ240に入力される高周波信号に
よって誘起される電界とはかなり異なっている。すなわ
ち、誘起される電界とプラズマ中を伝搬するヘリコン波
の電界との差異が発生されるプラズマが不安定である原
因の1つであると考えられる。
【0015】以上に着目して、本発明者は以下のヘリコ
ンプラズマ処理装置を発明した。
【0016】本発明に係る請求項1記載のプラズマ処理
装置は、内部が真空状態に設定された筒形状のプラズマ
処理室内でヘリコンプラズマを発生させて試料に対して
所定の処理を行うプラズマ処理装置において、上記プラ
ズマ処理室の内部で上記試料に向かう方向に直流磁界を
発生する磁界発生手段と、上記プラズマ処理室の筒形状
の軸中心からその筒の外周に向かう方向を有する第1の
高周波電界と、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心を
中心としてその筒の底面に平行な面上で角度が変化して
回転する角度回転方向を有する第2の高周波電界とを、
互いに所定の位相差を有する高周波信号を用いて発生す
ることによって、ヘリコン波の電界に実質的に等しい電
界を発生する電界発生手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0017】また、請求項2記載のプラズマ処理装置
は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、上記電
界発生手段は、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と
同心となるように設けられるループアンテナと、互いに
所定の位相差を有する第1と第2の高周波信号を発生す
る信号発生手段と、上記信号発生手段によって発生され
た第1の高周波信号を上記ループアンテナの両端に印加
する一方、上記信号発生手段によって発生された第2の
高周波信号を上記ループアンテナと接地電位との間に印
加する信号印加手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】さらに、請求項3記載のプラズマ処理装置
は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、上記電
界発生手段は、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と
同心となるように設けられる第1のループアンテナと、
上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となり、上
記第1のループアンテナと近接するように設けられ、電
気的に閉じられた第2のループアンテナと、互いに所定
の位相差を有する第1と第2の高周波信号を発生する信
号発生手段と、上記信号発生手段によって発生された第
1の高周波信号を上記第1のループアンテナの両端に印
加する一方、上記信号発生手段によって発生された第2
の高周波信号を上記第2のループアンテナと接地電位と
の間に印加する信号印加手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0019】またさらに、請求項4記載のプラズマ処理
装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、上
記電界発生手段は、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中
心と同心となりかつ互いに所定の間隔だけ離れて設けら
れる少なくとも3個のループアンテナと、互いに所定の
位相差を有する第1と第2の高周波信号を発生する信号
発生手段と、上記信号発生手段によって発生された第1
の高周波信号を上記少なくとも3個のループアンテナの
うち両端に位置する2個のループアンテナの間に印加す
る一方、上記信号発生手段によって発生された第2の高
周波信号を上記少なくとも3個のループアンテナのうち
中央に位置する1個のループアンテナの両端に印加する
信号印加手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】本発明に係る請求項5記載のプラズマ処理
装置は、内部が真空状態に設定された筒形状のプラズマ
処理室内でヘリコンプラズマを発生させて試料に対して
所定の処理を行うプラズマ処理装置において、上記プラ
ズマ処理室の内部で上記試料に向かう方向に直流磁界を
発生する磁界発生手段と、上記プラズマ処理室の筒形状
の軸中心と同心となるように設けられる第1のループア
ンテナと、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心
となりかつ上記第1のループアンテナと所定の間隔だけ
離れて設けられた第2のループアンテナと、互いに所定
の位相差を有する第1と第2の高周波信号を発生して、
上記第1の高周波信号を上記第1のループアンテナに印
加する一方、上記第2の高周波信号を上記第2のループ
アンテナに印加する信号発生手段と、上記プラズマ処理
室内で発生されたヘリコン波を有効的に励起するように
上記第1の高周波信号と上記第2の高周波信号との間の
位相差を変化させる移相手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0021】また、請求項6記載のプラズマ処理装置
は、請求項1、2、3、4又は5記載のプラズマ処理装
置において、さらに、上記プラズマ処理室内で発生する
プラズマの密度を測定する測定手段と、上記測定手段に
よって測定されたプラズマの密度に基づいて、上記発生
されるプラズマの密度が所定値となるように、上記角速
度と上記位相差と上記直流磁界のうち少なくとも1つを
制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】さらに、請求項7記載のプラズマ処理装置
は、請求項1、2、3、4、5又は6記載のプラズマ処
理装置において、さらに、上記発生される直流磁界の磁
束が集束しミラー磁界が形成されるように上記磁界発生
手段とともに上記プラズマ処理室の内部に磁界を発生す
る別の磁界発生手段を備えたことを特徴とする。
【0023】またさらに、請求項8記載のプラズマ処理
装置は、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のプ
ラズマ処理装置において、さらに、上記試料に所定の交
流電圧を印加する電圧印加手段を備えたことを特徴とす
る。
【0024】
【作用】請求項1記載のプラズマ処理装置においては、
例えば半導体デバイスを形成するために所定のプロセス
を行うために必要な反応ガスが、上記プラズマ処理室内
に流入される一方、上記プラズマ処理室の内部が所定の
真空状態に設定される。ここで、上記磁界発生手段は、
上記プラズマ処理室の内部で上記試料に向かう方向に直
流磁界を発生する一方、上記電界発生手段は、上記プラ
ズマ処理室の筒形状の軸中心からその筒の外周に向かう
方向を有する第1の高周波電界と、上記プラズマ処理室
の筒形状の軸中心を中心としてその筒の底面に平行な面
上で角度が変化して回転する角度回転方向を有する第2
の高周波電界とを、互いに所定の位相差を有する高周波
信号を用いて発生することによって、ヘリコン波の電界
に実質的に等しい電界を発生する。
【0025】ここで、上記磁界発生手段によって発生さ
れる直流磁界によって、上記プラズマ処理室内に存在す
る気体分子の熱運動による衝突分離現象や、例えば光や
宇宙線の照射によって生じる電離現象によって初期電子
や初期イオンが発生された後、上記プラズマ処理室内の
磁界内に存在する電子及びイオンはそれぞれ、磁力線の
周囲を右回り及び左回りで旋回するいわゆるラーマー運
動と呼ばれる回旋運動を行う。また、上記発生された磁
界に対して、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心から
その筒の外周に向かう方向を有する第1の高周波電界
と、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心を中心として
その筒の底面に平行な面上で角度が変化して回転する角
度回転方向を有する第2の高周波電界とが発生される。
従って、電子及びイオンはE×Bドリフト効果によって
上記電界と磁界の両方に対して垂直な方向に、すなわち
上記第1の高周波電界であれば上記角度回転方向に、ま
た、上記第2の高周波電界であれば上記プラズマ処理室
の筒形状の軸中心からその筒の外周に向かう方向に、回
旋運動をしながら移動する。
【0026】この結果、電子のα作用による衝突電離
と、上記複数の電界発生手段に対してイオンが入射する
ことによって発生するγ作用による2次電子放出が繰り
返され、プラズマ状態に進展する。ここで、上記発生さ
れる回転電界の角速度に対応する周波数が高い場合、γ
作用が生じなくても電離現象が促進される。従って、初
期電子が上述のように回旋運動をしながら移動するため
に、上記初期電子が中性粒子と衝突する確率が増大する
ので、衝突電離現象が起こり易くなる。この結果、例え
ば10-3Torr程度の低気圧の状態においても、プラ
ズマの生成及び維持が容易となる。
【0027】上記電界発生手段によって発生された電界
を含む電磁波は、上記直流磁界が存在しているとき、プ
ラズマ表面において遮蔽されることなく、プラズマ中を
伝搬することができる。言い換えれば、上記電磁波はプ
ラズマ中に浸透し、さらに上記磁界と平行な方向に伝搬
して、電子にエネルギーを与えつつランダウ減衰する。
また、従来技術の項で述べたヘリコン波は基本的に磁界
の方向に対して電磁界を右回りで旋回する右旋偏波の電
磁波である。従って、本願発明においては、上記直流磁
界の方向で、すなわち上記試料に向かう方向で、上記プ
ラズマ発生室内で励起されるヘリコン波の電界モードに
実質的に等しい電界を発生することができ、これによっ
て、上記発生されるプラズマ中においてヘリコン波を有
効的に励起することができる。従って、当該ヘリコン波
がランダウ減衰することによって、プラズマ中の電子に
エネルギーを与え、これによって、高密度のプラズマを
発生することができる。すなわち、プラズマ中の電子は
プラズマ中を伝搬してきたヘリコン波の伝搬方向の電界
によってエネルギーを吸収し、さらに、電離現象に対し
て寄与するので、従来例の装置よりもプラズマの密度を
高くすることができる。
【0028】上述のように上記磁界と上記第1と第2の
高周波電界からなる電界によって発生されたプラズマは
上記磁界の磁力線の方向で搬送された後、上記試料の表
面に対して概ね垂直な方向で入射する。
【0029】また、請求項2記載のプラズマ処理装置に
おいては、上記電界発生手段は、好ましくは、上記プラ
ズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となるように設けら
れるループアンテナと、互いに所定の位相差を有する第
1と第2の高周波信号を発生する信号発生手段と、上記
信号発生手段によって発生された第1の高周波信号を上
記ループアンテナの両端に印加する一方、上記信号発生
手段によって発生された第2の高周波信号を上記ループ
アンテナと接地電位との間に印加する信号印加手段とを
備える。これによって、上記電界発生手段は、上記プラ
ズマ処理室の筒形状の軸中心からその筒の外周に向かう
方向を有する第1の高周波電界と、上記プラズマ処理室
の筒形状の軸中心を中心としてその筒の底面に平行な面
上で角度が変化して回転する角度回転方向を有する第2
の高周波電界とを、互いに所定の位相差を有する高周波
信号を用いて発生することによって、ヘリコン波の電界
に実質的に等しい電界を発生する。
【0030】さらに、請求項3記載のプラズマ処理装置
においては、上記電界発生手段は、好ましくは、上記プ
ラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となるように設け
られる第1のループアンテナと、上記プラズマ処理室の
筒形状の軸中心と同心となり、上記第1のループアンテ
ナと近接するように設けられ、電気的に閉じられた第2
のループアンテナと、互いに所定の位相差を有する第1
と第2の高周波信号を発生する信号発生手段と、上記信
号発生手段によって発生された第1の高周波信号を上記
第1のループアンテナの両端に印加する一方、上記信号
発生手段によって発生された第2の高周波信号を上記第
2のループアンテナと接地電位との間に印加する信号印
加手段とを備える。これによって、上記電界発生手段
は、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心からその筒の
外周に向かう方向を有する第1の高周波電界と、上記プ
ラズマ処理室の筒形状の軸中心を中心としてその筒の底
面に平行な面上で角度が変化して回転する角度回転方向
を有する第2の高周波電界とを、互いに所定の位相差を
有する高周波信号を用いて発生することによって、ヘリ
コン波の電界に実質的に等しい電界を発生する。
【0031】またさらに、請求項4記載のプラズマ処理
装置においては、上記電界発生手段は、好ましくは、上
記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となりかつ互
いに所定の間隔だけ離れて設けられる少なくとも3個の
ループアンテナと、互いに所定の位相差を有する第1と
第2の高周波信号を発生する信号発生手段と、上記信号
発生手段によって発生された第1の高周波信号を上記少
なくとも3個のループアンテナのうち両端に位置する2
個のループアンテナの間に印加する一方、上記信号発生
手段によって発生された第2の高周波信号を上記少なく
とも3個のループアンテナのうち中央に位置する1個の
ループアンテナの両端に印加する信号印加手段とを備え
る。これによって、上記電界発生手段は、上記プラズマ
処理室の筒形状の軸中心からその筒の外周に向かう方向
を有する第1の高周波電界と、上記プラズマ処理室の筒
形状の軸中心を中心としてその筒の底面に平行な面上で
角度が変化して回転する角度回転方向を有する第2の高
周波電界とを、互いに所定の位相差を有する高周波信号
を用いて発生することによって、ヘリコン波の電界に実
質的に等しい電界を発生する。
【0032】さらに、請求項5記載のプラズマ処理装置
においては、上記磁界発生手段は、上記プラズマ処理室
の内部で上記試料に向かう方向に直流磁界を発生する一
方、上記信号発生手段は互いに所定の位相差を有する第
1と第2の高周波信号を発生して、上記第1の高周波信
号を上記第1のループアンテナに印加する一方、上記第
2の高周波信号を上記第2のループアンテナに印加す
る。また、移相手段は、上記プラズマ処理室内で発生さ
れたヘリコン波を有効的に励起するように上記第1の高
周波信号と上記第2の高周波信号との間の位相差を変化
させる。従って、上記移相手段によって上記プラズマ処
理室内で発生されたヘリコン波を有効的に励起すること
ができ、ヘリコン波の波動と高周波信号による電界との
結合が最適な状態となるように制御できる。
【0033】また、請求項6記載のプラズマ処理装置に
おいては、上記測定手段は、上記プラズマ処理室内で発
生するプラズマの密度を測定した後、上記制御手段は、
上記測定手段によって測定されたプラズマの密度に基づ
いて、上記発生されるプラズマの密度が所定値となるよ
うに、上記角速度と上記位相差と上記直流磁界のうち少
なくとも1つを制御する。従って、上記発生されるプラ
ズマ中のヘリコン波の波動との結合が最適な状態となる
ように制御してプラズマの密度を所定値に制御すること
ができる。
【0034】さらに、請求項7記載のプラズマ処理装置
においては、上記別の磁界発生手段は、上記発生される
直流磁界の磁束が集束しミラー磁界が形成されるように
上記磁界発生手段とともに上記プラズマ処理室の内部に
磁界を発生する。これによって、いわゆるミラー磁界を
発生させることができ、試料の表面に入射するプラズマ
の入射角度が試料の概ね全体にわたって垂直となり、当
該プラズマ処理装置を異方性エッチング処理に適用する
ことができる。
【0035】またさらに、請求項8記載のプラズマ処理
装置においては、上記電圧印加手段は、上記試料に所定
の交流電圧を印加する。このとき、印加される交流電圧
を変更することによって、プラズマ中のイオンが試料に
入射する量及びエネルギーを制御することができる。こ
れによって、例えば半導体デバイスを形成するときに、
より精密な処理を行うことができる。
【0036】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る実施例に
ついて説明する。
【0037】<第1の実施例>図1は本発明に係る第1
の実施例であるヘリコンプラズマ処理装置の斜視図であ
り、図2は図1のプラズマ処理装置のA−A’線につい
ての縦断面図である。なお、磁界発生用ソレノイドコイ
ル21はプラズマ発生室10の外周部の360°にわた
って設けられているが、図1においては、他の装置を明
確に図示するため、180°の部分のみ図示している。
このことは、以下の図7、図8、図12及び図16にお
いても同様である。
【0038】本実施例のプラズマ処理装置は、内部が真
空状態に設定された円筒形状のプラズマ発生室10の外
周部に、円形リング形状のループアンテナLAをプラズ
マ発生室10の外周部を取り囲むように設け、実質的に
π/2に等しい位相差φを有する2つの高周波信号の信
号電圧のうち第1の信号電圧V1を上記ループアンテナ
LAの両端に印加しかつ第2の信号電圧V2を上記ルー
プアンテナLAと接地電位との間との間に印加すること
によって、ヘリコン波を有効的に励振させるように図1
9に図示されたm=0のモードのときのヘリコン波の電
界に実質的に等しい電界を発生させるとともに、上記ル
ープアンテナLAの外周部に磁界発生用ソレノイドコイ
ル21を設けて当該ソレノイドコイル21に所定の直流
電圧を印加することによってプラズマ発生室10の軸方
向(以下、Z軸方向という。)に平行であって試料30
0に向かう方向で直流磁界Bを発生させ、これによっ
て、ヘリコン波によって励起されてプラズマを発生さ
せ、プラズマを発生室10に続くプラズマ処理室11内
に載置された試料300の上表面に対して照射すること
を特徴とする。
【0039】また、本実施例のヘリコンプラズマ処理装
置においては、プラズマ発生室10の外周部であって、
ループアンテナLAとプラズマ処理室11との間のZ軸
方向の位置に、送信用ホーンアンテナAN1から放射さ
れるマイクロ波信号がプラズマ発生室10の中心軸を通
過しかつ互いに対向するように送信用ホーンアンテナA
N1と受信用ホーンアンテナAN2とが設けられ、受信
用ホーンアンテナAN2によって受信されたマイクロ波
信号に基づいてマイクロ波干渉計の方法を用いて、発生
されるプラズマの密度を計算し、計算されたプラズマの
密度に基づいてヘリコン波を有効的に励起するように上
記位相差φを変化することを特徴としている。
【0040】図1及び図2に示すように、例えばアルミ
ナ又は石英ガラスなどの電気絶縁材料にてなり円筒形状
のプラズマ発生室10の底面に通気可能に縦続して、プ
ラズマ発生室10と同様の電気絶縁材料にてなりかつプ
ラズマ発生室10よりも大きな直径を有するプラズマ処
理室11が連結される。当該プラズマ処理室11の底面
に、電気絶縁材料にてなる試料支持台30が固定され、
当該試料支持台30上にバイアス電圧印加用電極31が
形成され、そして当該電極31上に例えば半導体デバイ
スのウエハである試料300がその表面がZ軸と垂直と
なるように載置される。ここで、一方の出力端子が接地
された高周波バイアス信号発生器33はキャパシタ32
を介して電極31に対して、高周波信号などのバイアス
交流信号を印加しその信号の電圧を制御することによっ
て、発生されるプラズマ中のイオンが試料300に入射
する量及びエネルギーが制御される。これによって、例
えば半導体デバイスを形成するときに、より精密な処理
を行うことができる。
【0041】さらに、プラズマ発生室10の上面には、
反応ガス輸送パイプ12a、バルブ15、バリアブルリ
ーク14a,14bを介して、それぞれ所定の反応ガス
を貯蔵するガスボンベ13a,13bが連結される一
方、プラズマ発生室10の底面には、排気パイプ12b
及び圧力調整バルブ16を介して真空ポンプ17に連結
される。
【0042】プラズマ発生室10の外周部の図1及び図
2の図上上側に、それぞれプラズマ発生室10の外周部
に沿って、円形リング形状のループアンテナLAをプラ
ズマ発生室10の外周部を取り囲み、ループアンテナL
Aの中心がプラズマ発生室10の軸中心と同心となりか
つループアンテナLAの面がプラズマ発生室10の底面
に対して平行となるように設けられる。
【0043】また、図1及び図2に示すように、プラズ
マ発生室10の外周部であって、ループアンテナLAと
プラズマ処理室11との間のZ軸方向の位置に、送信用
ホーンアンテナAN1から放射されるマイクロ波信号が
プラズマ発生室10の中心軸を通過しかつ互いに対向す
るように送信用ホーンアンテナAN1と受信用ホーンア
ンテナAN2とが設けられる。さらに、磁界発生用ソレ
ノイドコイル21が、ループアンテナLAの外周部に、
プラズマ発生室10の外周部を取り囲むように設けられ
る。当該ソレノイドコイル21に、ループアンテナLA
に印加する高周波信号の周波数と等しい電子サイクロト
ロン周波数になる磁界の磁束密度よりも大きな磁束密度
を有する直流磁界をZ軸方向に発生させるために必要な
所定の直流電圧を印加することによって、プラズマ発生
室10及びプラズマ処理室11内で、Z軸に平行であっ
て試料300に向かう方向で直流磁界Bが発生される。
【0044】さらに、プラズマ発生室10においてヘリ
コン波を有効的に励振して図19に図示されたm=0の
モードのときのヘリコン波に近い電界を発生させるため
に、上記ループアンテナLAに、互いにπ/2近傍だけ
異なる位相差φを有する2つの高周波信号の和の信号
を、以下に説明する電源回路600から印加する。
【0045】図3は図1及び図2のヘリコンプラズマ処
理装置の電源回路600の回路図である。図3に示すよ
うに、基準高周波信号発生器50によって発生された、
例えば周波数13.56MHzの正弦波の基準高周波信
号は、高周波トランスT1の一次側に印加されるととも
に、高周波トランスT2の一次側に印加される。高周波
トランスT2の二次側の一端は、コントローラ100に
よって移相量φが制御される可変移相器61及び、可変
移相器61と高周波トランスT1との間のインピーダン
ス整合を行うためのインピーダンス整合器52を介して
高周波トランスT1の二次側のセンタータップに接続さ
れ、高周波トランスT2の二次側の他端は接地される。
さらに、高周波トランスT1の二次側の両端は、高周波
トランスT1とループアンテナLAとの間のインピーダ
ンス整合を行うためのインピーダンス整合器51を介し
てループアンテナLAの両端に接続される。本実施例に
おいて、高周波トランスT1,T2はそれぞれ1対1の
電圧比を有し、インピーダンス整合器51,52におい
ても電圧が変化しないものと仮定する。
【0046】以上のように構成された電源回路600に
おいて、上記基準高周波信号の信号電圧をV1とし、イ
ンピーダンス整合器52の出力端における信号電圧をV
2とすると、高周波トランスT1の二次側からインピー
ダンス整合器51を介して出力される高周波信号の信号
電圧は、上記信号電圧V1に信号電圧V2が接地電位を
基準として重畳された信号電圧となる。ここで、各信号
電圧V1,V2は初期状態において、図4及び次の数
3,数4に示すように、互いにπ/2に等しい位相差φ
を有するように制御され、さらに、この位相差φは詳細
後述するように発生されるプラズマの密度に基づいてコ
ントローラ100によって制御される。
【数3】V1=sin(ωt+π/2)
【数4】V2=sin(ωt)
【0047】当該電源回路600においては、上記2つ
の信号電圧V1,V2のうち第1の信号電圧V1を上記
ループアンテナLAの両端に印加しかつ第2の信号電圧
V2を信号電圧V1が0であるとき信号電圧V2が最大
又は最小となるように上記ループアンテナLAと接地電
位との間に印加して、図19に図示されたm=0のモー
ドのときのヘリコン波の電界に実質的に等しい電界を発
生させ、これによって、ヘリコン波を有効的に励振させ
る。すなわち、信号電圧V1を印加することによってル
ープアンテナLAに流された高周波信号によってレンツ
の法則により、円筒形状のプラズマ発生室10の軸を中
心としてその底面に平行な面上で角度が変化して回転す
る角度回転方向(θ方向)を有しかつ高周波信号の角周
波数ωで変化する電界E1を発生する一方、信号電圧V
2を印加することによってループアンテナLAと接地電
位との間に励振された高周波信号によって、プラズマ発
生室10の軸から側面に向かう半径方向(r方向)を有
しかつ高周波信号の角周波数ωで変化する電界E2を発
生する。
【0048】例えばωt=0,πのとき、図4に示すよ
うに信号電圧V1の絶対値が最大となる一方、信号電圧
V2が0となるので、図5の(a),(e)に示すよう
に電界E1の絶対値が最大となる一方、電界E2が0と
なる。このとき、合成電界Eは角度回転方向の電界のみ
が生じ、直流磁界Bに平行なZ軸方向及びr方向に合成
電界Eは生じない。
【0049】また、ωt=π/2,3π/2のとき、図
4に示すように信号電圧V2の絶対値が最大となる一
方、信号電圧V1が0となるので、図5の(c),
(g)に示すように電界E2の絶対値が最大となる一
方、電界E1が0となる。このとき、電界EはZ軸方向
及びr方向の電界のみが生じ、角度回転方向の合成電界
Eは生じない。
【0050】さらに、ωt=π/4,3π/4,5π/
4,7π/4のときに、図4に示すように両方の信号電
圧V1,V2が所定の値となるので、図5の(b),
(d),(f),(h)に示すように、角度回転方向の
電界E1とZ軸方向及びr方向の電界E2との合成電界
となる。
【0051】このように、ループアンテナLAの面にお
けるこれらの電界E1とE2の合成電界Eは、図5に示
すように、m=0のモードのときのヘリコン波の電界に
実質的に等しい電界であり、この合成電界Eを発生する
ことにより、プラズマ発生室10内のヘリコン波を有効
的に励振することができる。
【0052】図6は本実施例のヘリコンプラズマ処理装
置のマイクロ波干渉計部及び制御部を示すブロック図で
ある。本実施例においては、マイクロ波干渉計の方法を
用いて発生されるプラズマの密度を計算し、計算された
プラズマの密度に基づいてヘリコン波を、高周波信号に
よって発生される合成電界Eと同期させて有効的に励起
するように、図3の可変移相器61の移相量である信号
電圧V1とV2の上記位相差φを変化させている。
【0053】図6に示すように、マイクロ波信号発生器
80は、上記高周波信号の周波数よりも十分に高い、例
えば34GHzの周波数を有するマイクロ波信号を発生
し、当該マイクロ波信号を可変減衰器81と、主伝送線
路82aとそれに電磁波的に結合した副伝送線路82b
とを備えた方向性結合器82の主伝送線路82aとを介
して送信用ホーンアンテナAN1に出力する。ここで、
方向性結合器82の副伝送線路82bは、主伝送線路8
2aに伝送されるマイクロ波信号の一部を検出して、検
出したマイクロ波信号を可変減衰器84と可変移相器8
5と可変減衰器86とを介して、主伝送線路87aと副
伝送線路87bを備えた方向性結合器87の副伝送線路
87bに出力する。送信用ホーンアンテナAN1は入力
されるマイクロ波信号を、矢印MAで示すように、プラ
ズマ発生室10内で発生するプラズマを通過して、当該
ホーンアンテナAN1と対向して設けられる受信用ホー
ンアンテナAN2に放射させる。受信用ホーンアンテナ
AN2は受信したマイクロ波信号を可変減衰器83を介
して、方向性結合器87の主伝送線路87aに出力す
る。さらに、方向性結合器87は副伝送線路87bに入
力されるマイクロ波信号の一部を検出して、検出したマ
イクロ波信号の一部と、主伝送線路87aに入力される
マイクロ波信号とを混合して各信号の電磁波間で干渉を
生じさせ、混合したマイクロ波信号をダイオード検出器
88に出力する。さらに、ダイオード検波器88は入力
されるマイクロ波信号を検波し、検波電流を電流検出器
89に出力し、これに応答して電流検出器89は検出し
た電流値に比例するアナログ電圧信号を発生して、アナ
ログ/デジタル変換器(A/D変換器)90を介して、
デジタル電圧信号としてコントローラ100に出力す
る。
【0054】なお、プラズマ発生室10内においてプラ
ズマを発生させないときに、主伝送線路87aに入力さ
れるマイクロ波信号と、副伝送線路87bに入力される
マイクロ波信号とが、方向性結合器87の主伝送線路8
7aの出力端において、同相となるように可変移相器8
5を用いてその移相量が調整される。次いで、プラズマ
発生室10内においてプラズマを発生させたときに、上
記方向性結合器87において、プラズマを通過したマイ
クロ波信号とプラズマを通過しない基準信号となるマイ
クロ波信号とを混合して、各マイクロ波信号の2つの電
磁波間で干渉を生じさせ、混合後の直流成分の量を位相
差Δθとして検出する。当該位相差Δθ[rad]は公
知の通りマイクロ波の経路中に含まれるプラズマの密度
を積分した値に比例している。従って、発生されるプラ
ズマの密度ne[cm-3]は、当該プラズマの密度ne
カットオフ密度nceよりも十分に小さいという範囲でプ
ラズマの屈折率が電子の密度に比例するという近似条件
のもとで、公知の通り、次の数5で表すことができる。
【0055】
【数5】ne=118・(ωm/2π)・Δθ/2ra ここで、ωm:マイクロ波信号発生器80で発生される
マイクロ波信号の角周波数[Hz]、2ra:マイクロ
波信号が通過するプラズマの厚さ、すなわち、プラズマ
発生室10の円筒の直径[cm]である。また、マイク
ロ波信号発生器80で発生されるマイクロ波信号の周波
数は、好ましくは、測定するプラズマの電子の密度に対
応するカットオフ周波数の少なくとも3倍以上の十分に
高い周波数に設定される。なお、上記数5から得られる
電子の密度は、時間及び空間について平均した平均値の
量である。
【0056】上記数5から位相差Δθが大きくなると、
プラズマの密度neは大きくなる。当該プラズマの密度
eが所定の設定値nesよりも大きければ、上記数1よ
りヘリコン波の波長λを長くすればよく、従って、上記
位相差Δθを小さくすれば当該プラズマの密度neを上
記設定値nesに近づけることができる。この原理を用
いて、コントローラ100は以下のように制御処理を行
う。
【0057】コントローラ100は、入力されるデジタ
ル電圧信号の電圧に基づいて所定の換算式を用いて位相
差Δθを計算した後、計算した位相差Δθに基づいて数
5を用いてプラズマの密度neを計算する。一方、操作
者は設定すべきプラズマの密度nesを、キーボード1
01を用いてコントローラ100に入力する。次いで、
コントローラ100は、計算されたプラズマの密度ne
が設定すべきプラズマの密度nesよりも大きければ可
変移相器61の位相差φを小さくし、一方、計算された
プラズマの密度neが設定すべきプラズマの密度nesよ
りも小さければ可変移相器61の位相差φを大きくする
ように、可変移相器61を制御する。これによって、プ
ラズマ発生室10内で発生されるプラズマの密度を、操
作者によって入力されたプラズマの密度nesに設定す
るように制御することができる。また、上記の制御によ
ってヘリコン波の波動と高周波信号による電界との結合
が最適な状態となるように制御でき、これによって従来
例に比較してより高い密度でかつより安定にプラズマを
発生することができる。従って、上記発生されたプラズ
マを半導体デバイスなどの所定の処理に用いる場合、当
該処理をより安定に行うことができるという利点があ
る。
【0058】以上のように構成されたプラズマ処理装置
において、例えば半導体デバイスを形成するために所定
のプロセスを行うために必要な反応ガスが、ガスボンベ
13a,13bからバリアブルリーク14a,14bを
介して所定の成分及び所定の混合比で混合されて生成さ
れた後、生成後の混合ガス500がバルブ15及び反応
ガス輸送パイプ12aを介してプラズマ発生室10及び
プラズマ処理室11内に流入される。一方、ポンプ17
を駆動したとき、プラズマ発生室10及びプラズマ処理
室11内のガス510は排気パイプ12b及び圧力調整
バルブ16を介してポンプ17に排気され、圧力調整バ
ルブ16を用いることによって、プラズマ発生室10及
びプラズマ処理室11内が所定の真空状態に設定され
る。本実施例においては、好ましくは、10-3Torr
以下の状態に設定される。
【0059】また、上記発生される合成電界Eによっ
て、上記プラズマ発生室10内に存在する気体分子の熱
運動による衝突分離現象や、例えば光や宇宙線の照射に
よって生じる電離現象によって初期電子や初期イオンが
発生された後、プラズマ発生室10内のヘリコン波励起
用合成電界E内に存在する電子及びイオンは合成電界E
の方向に角周波数ωで振動し、捕捉現象を生じ、電子は
プラズマ発生室10内を往復する間にα作用を繰り返す
ので、ループアンテナLAをプラズマ発生室10の外側
に載置しても、またループアンテナLAを電気絶縁物で
被覆しても放電現象が生じる。好ましくは、本実施例の
ようにループアンテナLAをプラズマ発生室10の外側
に載置することによって、ループアンテナLAの構成物
質の混入の無い、すなわち不純物の全く無いプラズマを
発生することができる。
【0060】図1及び図2に示すように、プラズマ発生
室10の円筒の軸方向と平行であるZ軸方向に直流磁界
Bが発生されるので、電子及びイオンはそれぞれ、磁力
線の周囲を右回り及び左回りでいわゆるラーマー運動と
呼ばれる螺旋運動を行う。また、上述のように、ヘリコ
ン波を有効的に励起する高周波の合成電界Eが発生され
るので、初期電子は、上記E×Bドリフト効果によって
印加合成電界Eと磁界Bの両方に対して垂直な方向で回
旋運動しながら移動する。この結果、初期電子が中性粒
子と衝突する確率が増大するので、衝突電離現象が起こ
りやすくなる。この結果、例えば10-3Torr程度の
低気圧の状態においても、プラズマの生成及び維持が容
易となる。
【0061】例えば直流磁界Bが全く無い状態でプラズ
マに対して高周波の合成電界Eを印加した場合に、合成
電界の高周波の角周波数ωが電子プラズマ周波数ωpe
(≒104(ne1/2Hz(ここで、neは電子の密度で
ある。))以下のときに、当該高周波の合成電界Eはプ
ラズマの表面で電子の集団運動によって遮蔽され、合成
電界Eはプラズマ内部に浸透することができない。しか
しながら、ソレノイドコイル21によってプラズマに直
流磁界Bが印加されると、電子の運動が束縛されるの
で、周波数の低い電磁波もプラズマ中を伝搬することが
可能となる。例えば4.9Gs以上の磁界Bを印加した
場合、印加される高周波信号の角周波数ωが電子サイク
ロトロン角周波数ωceよりも十分に低くかつイオンサ
イクロトロン角周波数ωciよりも十分に高いという従
来技術の項で述べた第1の近似条件を満足する、例えば
角周波数ωの周波数が13.56MHzであるとき、高
周波信号の電磁波はプラズマ中を伝搬することができ
る。言い換えれば、4.9Gs以上の磁界BがZ軸方向
に印加されているとき、印加される13.56MHzの
周波数を有する高周波信号の電磁波はプラズマ中に浸透
し直流磁界Bと平行な方向に伝搬して、電子にエネルギ
ーを与えつつランダウ減衰する。従って、プラズマ中の
電子はプラズマ中を伝搬してきた電磁波の電界によって
エネルギーを吸収し、さらに、電離現象に対して寄与す
るので、例えば従来例のヘリコンプラズマ処理装置より
もプラズマの密度を高くすることができる。
【0062】本実施例においては、上記ヘリコン波の波
動を有効的に励起するために、プラズマ発生室10内に
発生するヘリコン波の電界のモード(本実施例において
は、m=0の基本モードを用いる)に近く、実質的に同
一である電界構造に設定する。実際には、プラズマ発生
室10の外周壁である放電管という境界が存在するため
に、純粋な横波(電磁波)として伝搬せず、直流磁界B
に沿った方向に電界成分を有するハイブリッドな波動と
なる。従って、当該ヘリコン波がランダウ減衰すること
によって、プラズマ中の電子にエネルギーを与え、これ
によって、高密度のプラズマを発生することができる。
【0063】上述のように、直流磁界Bと、上記高周波
の合成電界Eによって発生されたプラズマは、直流磁界
Bの磁力線の方向すなわちZ軸方向で搬送された後、試
料300の上表面に対して概ね垂直な方向で入射する。
【0064】本実施例においては、従来のマグネトロン
プラズマ処理装置のように、プラズマの閉じ込めを行わ
なわず、上記発生された磁界Bによってプラズマを輸送
するので、プラズマを均一に試料300に照射すること
ができる。
【0065】本実施例においては、プラズマ発生室10
内に誘起された電界は、従来例のヘリコンプラズマ処理
装置のように角度回転方向のみの電界を印加した場合に
比較して、実際にプラズマ中を伝搬するヘリコン波に近
いため、プラズマを有効的に励起することができ、より
安定したヘリコンプラズマを得ることができる。これに
よって、半導体デバイスを形成するための処理などをよ
り安定的に行うことができる。
【0066】また、本実施例のループアンテナLAは1
つのみで構成されているので、2つのリング部241,
242を備える従来例のヘリコンプラズマ処理装置に比
較して小型化することができる。さらに、ループアンテ
ナLAが1つであるので、プラズマ密度の変化によるア
ンテナ間距離とヘリコン波の波長との不整合状態が発生
しない。従って、印加高周波信号を低い電力から高い電
力まで変化しても、従来例に比較して高い密度のプラズ
マをより安定して発生することができる。
【0067】また、本実施例においては、プラズマ発生
室10内で発生されるプラズマの密度を図6で示すマイ
クロ波干渉計部によって測定し、測定されたプラズマの
密度に基づいて高周波信号の位相差φを制御することに
よって、プラズマ中のヘリコン波の波動との結合が最適
な状態となるように制御してプラズマの密度を所定値に
制御することができる。
【0068】図7は本発明に係る第1の実施例の変形例
であるヘリコンプラズマ処理装置の斜視図であり、図7
において図1及び図2と同一のものについては同一の符
号を付している。
【0069】図7に示すように、第1の実施例に比較し
て、互いに近接したZ軸方向の距離L0の間隔で2つの
ループアンテナLA1,LA2をプラズマ発生室10の
外周部に設け、ループアンテナLA1の両端を電源回路
600によって発生される高周波信号の信号電圧V1を
印加する一方、ループアンテナLA2の一端と接地電位
との間に信号電圧V2を印加してもよい。ここで、距離
L0は好ましくは0に十分に等しい長さの距離である。
以上のように構成することによって、当該変形例の装置
は第1の実施例と同様の作用効果を有する。
【0070】<第2の実施例>図8は本発明に係る第2
の実施例であるヘリコンプラズマ処理装置の斜視図であ
り、図8において図1、図2及び図7と同一のものにつ
いては同一の符号を付している。
【0071】この第2の実施例のヘリコンプラズマ処理
装置は、第1の実施例に比較して以下の点が異なる。 (a)プラズマ発生室10の外周部に、円形リング形状
の3個のループアンテナLA1,LA2,LA3をZ軸
方向でLA1,LA3,LA2の順序でかつループアン
テナLA1とLA3との間のZ軸方向の間隔L1とルー
プアンテナLA3とLA2との間のZ軸方向の間隔L2
がそれぞれλ/8(ここで、λは所定の条件におけるヘ
リコン波の波長である。)となり、プラズマ発生室10
の外周部を取り囲みかつプラズマ発生室10の軸中心と
同心となるように設け、後述する電源回路610によっ
て発生される、実質的にπ/2に等しい位相差φを有す
る2つの高周波信号の信号電圧V1,V2のうち第1の
信号電圧V1を、それぞれ電気的に閉回路とされたルー
プアンテナLA1とループアンテナLA2との間に印加
しかつ第2の信号電圧V2をループアンテナLA3の両
端に印加することによって、ヘリコン波を有効的に励振
させるように図19に図示されたm=0のモードのとき
のヘリコン波の電界に実質的に等しい電界を発生させる
こと。 (b)上記ループアンテナLA1,LA2,LA3の外
周部に2個の磁界発生用ソレノイドコイル21,22を
設けて当該ソレノイドコイル21,22に所定の直流電
圧を印加することによってプラズマ発生室10のZ軸方
向に平行であって試料300に向かう方向で直流磁界B
を発生させること。
【0072】図9は図8のヘリコンプラズマ処理装置の
電源回路610の回路図であり、図9において図3と同
一のものについては同一の符号を付している。
【0073】図9に示すように、基準高周波信号発生器
50によって発生された、例えば周波数13.56MH
zの正弦波の基準高周波信号は、高周波トランスT1の
一次側に印加されるとともに、高周波トランスT2の一
次側に印加される。高周波トランスT1の二次側の両端
はそれぞれ、高周波トランスT1とループアンテナLA
1,LA2との間のインピーダンス整合を行うためのイ
ンピーダンス整合器51を介して、それぞれ閉じられた
ループアンテナLA1,LA2に接続される。高周波ト
ランスT2の二次側の一端は、コントローラ100によ
って移相量φが制御される可変移相器61を介して高周
波トランスT3の一次側の一端に接続され、高周波トラ
ンスT2の二次側の他端と高周波トランスT3の一次側
の他端は接地される。さらに、高周波トランスT3の二
次側は、高周波トランスT3とループアンテナLA3と
の間のインピーダンス整合を行うためのインピーダンス
整合器52を介してループアンテナLA3の両端に接続
される。本実施例において、高周波トランスT1,T
2,T3はそれぞれ1対1の電圧比を有し、インピーダ
ンス整合器51,52においても電圧が変化しないもの
と仮定する。
【0074】ここで、各信号電圧V1,V2は初期状態
において、次の数6,数7に示すように、互いにπ/2
に等しい位相差φを有するように制御され、さらに、こ
の位相差φは詳細後述するように発生されるプラズマの
密度に基づいてコントローラ100によって制御され
る。なお、この各信号電圧V1,V2の初期状態の設定
は、説明の便宜上、第1の実施例における信号電圧V1
とV2を入れ替えた設定にしている。
【数6】V1=sin(ωt)
【数7】V2=sin(ωt+π/2)
【0075】当該電源回路610においては、上記2つ
の信号電圧V1,V2のうち第1の信号電圧V1をそれ
ぞれ閉じられたループアンテナLA1,LA2に印加し
かつ信号電圧V2をループアンテナLA3の両端に印加
して、図19に図示されたm=0のモードのときのヘリ
コン波の電界に実質的に等しい電界を発生させ、これに
よって、ヘリコン波を有効的に励振させる。すなわち、
ループアンテナLA1,LA2間に信号電圧V1を印加
することによって、ループアンテナLA1付近において
半径方向を有し(図8において電界E1で表す。)、ル
ープアンテナLA3付近においてZ軸方向に平行な方向
を有し、ループアンテナLA2付近において半径方向を
有し(図8において電界E2で表す。)、かつ高周波信
号の角周波数ωで変化する電界を発生する一方、ループ
アンテナLA3の両端に信号電圧V2を印加することに
よって、ループアンテナLAに流された高周波信号によ
ってレンツの法則により、円筒形状のプラズマ発生室1
0の軸を中心としてその底面に平行な面上で角度が変化
して回転する角度回転方向(θ方向)を有しかつ高周波
信号の角周波数ωで変化する電界E3を発生する。
【0076】例えばωt=0,πのとき、信号電圧V2
の絶対値が最大となる一方、信号電圧V1が0となるの
で、図10の(a)及び図11の(a)に示すように電
界E3の絶対値が最大となる一方、電界E1,E2が0
となる。このとき、ループアンテナLA3付近における
電界E3が誘起され、上記誘起された電界E3によって
ループアンテナLA1,LA2において電界E3よりも
弱い角度回転方向を有する電界が誘起される。従って、
これらの電界の合成電界Eは角度回転方向のみの電界の
みが生じ、直流磁界Bに平行なZ軸方向に合成電界Eは
生じない。
【0077】また、ωt=π/2,3π/2のとき、信
号電圧V1の絶対値が最大となる一方、信号電圧V2が
0となるので、図10の(c)及び図11の(c)に示
すように電界E1,E2の絶対値が最大となる一方、電
界E3が0となる。このとき、電界Eはループアンテナ
LA1からループアンテナLA3を介してループアンテ
ナLA2に向かう方向又はその逆の方向のZ軸方向の電
界のみが生じる。
【0078】さらに、ωt=π/4,3π/4,5π/
4,7π/4のときに、両方の信号電圧V1,V2が所
定の値となるので、図10の(b),(d)及び図11
の(b),(d)に示すように、角度回転方向の電界E
1とZ軸方向の電界E2との合成電界となる。
【0079】このように、これらの電界E1とE2の合
成電界Eは、図10及び図11に示すように、m=0の
モードのときのヘリコン波の電界に実質的に等しい電界
であり、この合成電界Eを発生することにより、プラズ
マ発生室10内のヘリコン波を有効的に励振することが
できる。なお、第2の実施例において発生される合成電
界Eは、ループアンテナLA1付近において第1の実施
例と同一の形状を有し、ループアンテナLA2付近にお
いて形状は同一であるが形成される順序は逆になるが故
にループアンテナLA1付近の電磁波は直流磁界Bと同
一の方向へ伝搬するする一方、ループアンテナLA2付
近の電磁波は直流磁界Bと逆方向へ伝搬する。従って、
第1の実施例に比較してプラズマ発生室10の中央部に
おけるループアンテナLA3付近のプラズマをより高密
度化することができ、より有効的にヘリコン波を励起す
ることができる。
【0080】以上のように構成された第2の実施例のヘ
リコンプラズマ処理装置は、第1の実施例の装置と同様
の作用効果を有し、さらに、上述のように第1の実施例
に比較してより高い密度のプラズマを安定に発生するこ
とができる。
【0081】以上の第2の実施例において、3個のルー
プアンテナLA1乃至LA3を用いているが、本発明は
これに限らず、ループアンテナLA1とループアンテナ
LA3との間に少なくとも1個のループアンテナを設け
るとともに、ループアンテナLA3とループアンテナL
A2との間に少なくとも1個のループアンテナを設け
て、m=0のモードのヘリコン波の電界に近くなるよう
に、各ループアンテナにそれぞれ所定値の信号電圧を印
加してもよい。さらに、ループアンテナLA1の上側又
はループアンテナLA2の下側に、ループアンテナを設
け、上記第2の実施例のアンテナ構成を多段に設けた構
造とし、ヘリコン波の電界に実質的に等しい電界を発生
させてヘリコン波を有効的に励起するための所定値の信
号電圧を当該各アンテナに印加してもよい。
【0082】<第3の実施例>図12は本発明に係る第
3の実施例であるヘリコンプラズマ処理装置の斜視図で
あり、図12において、図1、図2、図7及び図8と同
一のものについては同一の符号を付している。
【0083】この第3の実施例のヘリコンプラズマ処理
装置は、第1の実施例に比較して以下の点が異なる。 (a)プラズマ発生室10の外周部に、円形リング形状
の2個のループアンテナLA1,LA2をZ軸方向で、
それらの間隔L10がλ/4(ここで、λは所定の条件
におけるヘリコン波の波長である。)となり、プラズマ
発生室10の外周部を取り囲みかつプラズマ発生室10
の軸中心と同心となるように設け、後述する電源回路6
20によって発生される、実質的にπ/2に等しい位相
差φを有する2つの高周波信号の信号電圧V1,V2の
うち第1の信号電圧V1をループアンテナLA1の両端
に印加しかつ第2の信号電圧V2をループアンテナLA
2の両端に印加することによって、ヘリコン波を有効的
に励振させるように、ループアンテナLA1,LA2付
近において角度回転方向の電界Eを発生させること。 (b)上記ループアンテナLA1,LA2の外周部に2
個の磁界発生用ソレノイドコイル21,22を設けて当
該ソレノイドコイル21,22に所定の直流電圧を印加
することによってプラズマ発生室10のZ軸方向に平行
であって試料300に向かう方向で直流磁界Bを発生さ
せること。
【0084】図13は図12のヘリコンプラズマ処理装
置の電源回路620の回路図であり、図13において図
3及び図9と同一のものについては同一の符号を付して
いる。
【0085】第3の実施例の電源回路620は、図9に
図示された電源回路610に比較して以下の点が異な
る。 (a)インピーダンス整合器51から出力される信号電
圧V1はループアンテナLA1の両端に印加されるこ
と。 (b)インピーダンス整合器52から出力される信号電
圧V2はループアンテナLA2の両端に印加されるこ
と。
【0086】ここで、各信号電圧V1,V2は初期状態
において、次の数8,数9に示すように、互いにπ/2
に等しい位相差φを有するように制御され、さらに、こ
の位相差φは詳細後述するように発生されるプラズマの
密度に基づいてコントローラ100によって制御され
る。なお、この各信号電圧V1,V2の初期状態の設定
は、説明の便宜上、第1の実施例と第2の実施例と異な
った設定にしている。
【数8】V1=sin(ωt−π/4)
【数9】V2=sin(ωt−3π/4)
【0087】当該電源回路620においては、上記2つ
の信号電圧V1,V2のうち第1の信号電圧V1をルー
プアンテナLA1の両端に印加しかつ信号電圧V2をル
ープアンテナLA2の両端に印加することによって、ヘ
リコン波の電界に近い電界を発生させ、これによって、
ヘリコン波を有効的に励振させる。すなわち、ループア
ンテナLA1の両端に信号電圧V1を印加することによ
ってレンツの法則により、ループアンテナLA1付近に
おいて角度回転方向を有しかつ高周波信号の角周波数ω
で変化する電界E1を発生する一方、ループアンテナL
A2の両端に信号電圧V2を印加することによってレン
ツの法則により、ループアンテナLA2付近において角
度回転方向を有しかつ高周波信号の角周波数ωで変化す
る電界E2を発生する。
【0088】例えばωt=π/4,5π/4のとき、信
号電圧V1の絶対値が最大となる一方、信号電圧V2が
0となるので、図14の(b)及び図15の(b)に示
すように電界E1の絶対値が最大となる一方、電界E2
が0となる。このとき、ループアンテナLA1付近にお
いて角度回転方向の電界E1のみが発生する。
【0089】また、ωt=3π/4,7π/4のとき、
信号電圧V2の絶対値が最大となる一方、信号電圧V1
が0となるので、図14の(d)及び図15の(d)に
示すように電界E2の絶対値が最大となる一方、電界E
1が0となる。このとき、ループアンテナLA2付近に
おいて角度回転方向の電界E2のみが発生する。
【0090】さらに、ωt=0,π/2,π,3π/2
πのときに、両方の信号電圧V1,V2が所定の値とな
るので、図14の(a),(c)及び図15の(a),
(c)に示すように、各ループアンテナLA1,LA2
において角度回転方向の電界E1,E2が発生する。
【0091】ここで、信号電圧V1と信号電圧V2との
間の位相差φを、第1の実施例と同様に、プラズマ発生
室10内で発生されるプラズマの密度を、操作者によっ
て入力されたプラズマの密度nesに設定するように制
御することができる。また、上記の制御によってヘリコ
ン波の波動と高周波信号による電界との結合が最適な状
態となるように制御でき、これによって従来例に比較し
てより高い密度でかつより安定にプラズマを発生するこ
とができる。従って、上記発生されたプラズマを半導体
デバイスなどの所定の処理に用いる場合、当該処理をよ
り安定に行うことができるという利点がある。
【0092】図16は本発明に係る第3の実施例の変形
例であるヘリコンプラズマ処理装置の斜視図であり、図
16において図1、図2、図7、図8、及び図12と同
一のものについては同一の符号を付している。また、図
17は図16のヘリコンプラズマ処理装置の電源回路6
30の回路図であり、図17において図3、図9及び図
13と同一のものについては同一の符号を付している。
【0093】この第3の実施例の変形例は、第3の実施
例に比較して、電源回路620とは異なる電源回路63
0から供給される信号電圧V1,V2を用いて各ループ
アンテナLA1,LA2を励振することを特徴としてい
る。
【0094】電源回路630は以下のように構成され
る。図17に示すように、基準高周波信号発生器50に
よって発生された、例えば周波数13.56MHzの正
弦波の基準高周波信号は、高周波トランスT1,T2,
T4の各一次側に印加される。また、高周波トランスT
2の二次側の一端は、コントローラ100aによって移
相量φ1が制御される可変移相器62を介して高周波ト
ランスT3の一次側の一端に接続され、高周波トランス
T2の二次側の他端及び高周波トランスT3の一次側の
他端はともに接地される。さらに、高周波トランスT4
の二次側の一端は、コントローラ100aによって移相
量φ2が制御される可変移相器63を介して高周波トラ
ンスT5の一次側の一端に接続され、高周波トランスT
4の二次側の他端及び高周波トランスT5の一次側の他
端はともに接地される。
【0095】高周波トランスT5の二次側の一端は高周
波トランスT1の二次側のセンタータップに接続され、
高周波トランスT5の二次側の他端は高周波トランスT
3の二次側のセンタータップに接続される。さらに、高
周波トランスT1の二次側の両端は、高周波トランスT
1とループアンテナLA1との間のインピーダンス整合
を行うためのインピーダンス整合器51を介してループ
アンテナLA1の両端に接続され、高周波トランスT3
の二次側の両端は、高周波トランスT3とループアンテ
ナLA2との間のインピーダンス整合を行うためのイン
ピーダンス整合器52を介してループアンテナLA2の
両端に接続される。
【0096】ここで、インピーダンス整合器51から出
力される信号電圧V1はループアンテナLA1に印加さ
れる一方、インピーダンス整合器52から出力される信
号電圧V2はループアンテナLA2に印加される。コン
トローラ100aは、信号電圧V1とV2の位相差が第
1の実施例又は第2の実施例の位相差φと同様に制御さ
れるように、可変移相器62,63の各移相量φ1,φ
2を制御する。
【0097】以上のように構成された第3の実施例の変
形例のヘリコンプラズマ処理装置は、第3の実施例の装
置と同様の作用効果を有するとともに、第3の実施例の
装置に比較して、直流磁界Bに平行な電界を発生し、発
生される合成電界はヘリコン波の電界により等価とな
り、より有効的にヘリコン波を励起することができる。
【0098】<他の実施例>以上の実施例においてルー
プアンテナを用いているが、本発明はこれに限らず、ル
ープアンテナとして、プラズマ発生室10の外周部に導
体板又は導体膜を貼りつけ又は形成するようにしてもよ
い。また、円筒形状のプラズマ発生室10とプラズマ処
理室11を用いているが、これに限らず、矩形筒形状な
どの他の筒形状を用いてもよい。
【0099】以上の実施例においては、測定されたプラ
ズマの密度neに基づいて、高周波信号の位相差φを制
御することによってプラズマの密度を制御しているが、
本発明はこれに限らず、数1から明らかなように、測定
されたプラズマの密度neに基づいて、上記位相差φ、
高周波信号の周波数f又は角周波数ω、及び印加する直
流磁界Bの磁束密度のうちの少なくとも1つを変化する
ことによってプラズマの密度neを制御してもよい。
【0100】また、プラズマ処理室11の下側であって
発生される直流磁界Bの外周部に、別のソレノイドコイ
ルを設け、当該別のソレノイドコイルにソレノイドコイ
ル21,22と同一の極性を有する直流電圧を同一の電
流値で印加する。これによって、ソレノイドコイル2
1,22だけでは発散していた磁束を当該ソレノイドコ
イル25によって集束することによって、いわゆるミラ
ー磁界を発生させる。これによって、試料300の上表
面に入射するプラズマの入射角度が試料300の概ね全
体にわたって垂直となり、当該プラズマ処理装置を異方
性エッチング処理に適用することができる。
【0101】さらに、ソレノイドコイル21,22に印
加する電流値を制御することによってミラー磁界が形成
されるように設定してもよい。
【0102】以上の実施例において、高周波信号を用い
ているが、本発明はこれに限らず、低周波信号を含む交
流信号であってもよい。
【0103】以上の実施例において、電極31及びバイ
アス信号発生器33を設けているが、本発明はこれに限
らず、電極31及びバイアス信号発生器33を設けなく
てもよい。
【0104】以上の実施例において、マイクロ波干渉計
の方法を用いて発生されるプラズマの密度を検出してい
るが、本発明はこれに限らず、プラズマ発生室10内に
静電プローブを挿入して発生されるプラズマの密度を測
定する公知の静電プローブ法を用いてもよい。
【0105】以上の実施例において、ループアンテナL
A,LA1乃至LA3をプラズマ発生室10の外周部に
設けているが、本発明はこれに限らず、プラズマ発生室
10内に設けてもよい。また、磁界発生用ソレノイドコ
イル21,22をプラズマ発生室10内に設けてもよ
い。さらに、本実施例においては、プラズマ発生室10
とプラズマ処理室11とを分けているが、本発明はこれ
に限らず、各室10,11を1個の室で構成してもよ
い。
【0106】以上の実施例において、プラズマ処理室1
1を電気絶縁体で形成しているが、金属などの導電性材
料により形成してもよい。この場合において、好ましく
は、ソレノイドコイル21,22によって発生される直
流磁界に影響を及ぼさない、例えばアルミニウムのよう
な非磁性金属を用いる。
【0107】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載のプラズマ処理装置によれば、内部が真空状態に
設定された筒形状のプラズマ処理室内でヘリコンプラズ
マを発生させて試料に対して所定の処理を行うプラズマ
処理装置において、上記プラズマ処理室の内部で上記試
料に向かう方向に直流磁界を発生する磁界発生手段と、
上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心からその筒の外周
に向かう方向を有する第1の高周波電界と、上記プラズ
マ処理室の筒形状の軸中心を中心としてその筒の底面に
平行な面上で角度が変化して回転する角度回転方向を有
する第2の高周波電界とを、互いに所定の位相差を有す
る高周波信号を用いて発生することによって、ヘリコン
波の電界に実質的に等しい電界を発生する電界発生手段
とを備える。
【0108】従って、上記電界発生手段によって発生さ
れる上記直流磁界の方向に対してプラズマ処理室内に励
起されるヘリコン波の電界モードに近い電界によってヘ
リコン波を有効的に励起して、上記ヘリコン波を上記磁
界によってプラズマの内部に伝搬させるので、第1の従
来例に比較してより真空度を高くし、すなわちプラズマ
処理室内のガス圧が低くくしながらも、プラズマの密度
を大幅に高くすることができる。また、例えば従来のマ
グネトロン高周波プラズマ処理装置のようにプラズマの
閉じ込めを行わなわず、上記発生されたプラズマを上記
磁界によって輸送するので、上記試料の表面に対して均
一にプラズマを照射することができる。ここで、例えば
上記磁界の方向を試料の表面に垂直な方向にとれば、上
記試料に対して正確に垂直な方向でプラズマを照射する
ことができる。これによって、上記発生されたプラズマ
を半導体デバイスなどの所定の処理に用いる場合、当該
処理をより安定に行うことができるという利点がある。
【0109】さらに、請求項2記載のプラズマ処理装置
においては、1つのループアンテナのみを備えているの
で、従来例のヘリコンプラズマ処理装置に比較して大幅
に小型・軽量化することができる。
【0110】また、請求項5記載のプラズマ処理装置に
おいては、内部が真空状態に設定された筒形状のプラズ
マ処理室内でヘリコンプラズマを発生させて試料に対し
て所定の処理を行うプラズマ処理装置において、上記プ
ラズマ処理室の内部で上記試料に向かう方向に直流磁界
を発生する磁界発生手段と、上記プラズマ処理室の筒形
状の軸中心と同心となるように設けられる第1のループ
アンテナと、上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同
心となりかつ上記第1のループアンテナと所定の間隔だ
け離れて設けられた第2のループアンテナと、互いに所
定の位相差を有する第1と第2の高周波信号を発生し
て、上記第1の高周波信号を上記第1のループアンテナ
に印加する一方、上記第2の高周波信号を上記第2のル
ープアンテナに印加する信号発生手段と、上記プラズマ
処理室内で発生されたヘリコン波を有効的に励起するよ
うに上記第1の高周波信号と上記第2の高周波信号との
間の位相差を変化させる移相手段とを備える。
【0111】従って、上記移相手段による位相差の制御
によってヘリコン波の波動と高周波信号による電界との
結合が最適な状態となるように制御でき、これによって
従来例に比較してより高い密度でかつより安定にプラズ
マを発生することができる。これによって、上記発生さ
れたプラズマを半導体デバイスなどの所定の処理に用い
る場合、当該処理をより安定に行うことができるという
利点がある。
【0112】さらに、請求項6記載のプラズマ処理装置
においては、さらに、上記プラズマ処理室内で発生する
プラズマの密度を測定する測定手段と、上記測定手段に
よって測定されたプラズマの密度に基づいて、上記発生
されるプラズマの密度が所定値となるように、上記角速
度と上記位相差と上記直流磁界のうち少なくとも1つを
制御する制御手段とを備えたので、上記発生されるプラ
ズマ中のヘリコン波の波動との結合が最適な状態となる
ように制御してプラズマの密度を所定値に制御すること
ができるという特有の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施例であるヘリコンプ
ラズマ処理装置の斜視図である。
【図2】 図1のヘリコンプラズマ処理装置のA−A’
線についての縦断面図である。
【図3】 図1及び図2のヘリコンプラズマ処理装置の
電源回路の回路図である。
【図4】 図1及び図2のヘリコンプラズマ処理装置の
ループアンテナに印加される2つの信号電圧V1,V2
の波形を示すグラフである。
【図5】 図1及び図2のヘリコンプラズマ処理装置の
ループアンテナ内において信号電圧の各位相(ωt=0
〜7π/4)で生じる電界Eを示す斜視図である。
【図6】 図1及び図2のヘリコンプラズマ処理装置の
マイクロ波干渉計部及び制御部を示すブロック図であ
る。
【図7】 本発明に係る第1の実施例の変形例であるヘ
リコンプラズマ処理装置の斜視図である。
【図8】 本発明に係る第2の実施例であるヘリコンプ
ラズマ処理装置の斜視図である。
【図9】 図8のヘリコンプラズマ処理装置の電源回路
の回路図である。
【図10】 図8のヘリコンプラズマ処理装置の各ルー
プアンテナ内において信号電圧の各位相(ωt=0〜3
π/4)で生じる電界Eを示す斜視図である。
【図11】 図8のヘリコンプラズマ処理装置の各ルー
プアンテナ内において信号電圧の各位相(ωt=π〜7
π/4)で生じる電界Eを示す斜視図である。
【図12】 本発明に係る第3の実施例であるヘリコン
プラズマ処理装置の斜視図である。
【図13】 図12のヘリコンプラズマ処理装置の電源
回路の回路図である。
【図14】 図12のヘリコンプラズマ処理装置の各ル
ープアンテナ内において信号電圧の各位相(ωt=0〜
3π/4)で生じる電界Eを示す斜視図である。
【図15】 図12のヘリコンプラズマ処理装置の各ル
ープアンテナ内において信号電圧の各位相(ωt=π〜
7π/4)で生じる電界Eを示す斜視図である。
【図16】 本発明に係る第3の実施例の変形例である
ヘリコンプラズマ処理装置の斜視図である。
【図17】 図16のヘリコンプラズマ処理装置の電源
回路の回路図である。
【図18】 従来例のヘリコンプラズマ処理装置の縦断
面図である。
【図19】 図18のプラズマ処理装置のループアンテ
ナ内において信号電圧の各位相(ωt=−π/2,0,
π/2)で生じる電界Eを示す斜視図である。
【符号の説明】
10…プラズマ発生室、 11…プラズマ処理室、 12a…反応ガス輸送パイプ、 12b…排気パイプ、 21,22…磁界発生用ソレノイドコイル、 30…試料支持台、 33…高周波バイアス信号発生器、 50…基準高周波信号発生器、 61,62,63…可変移相器、 80…制御用マイクロ波信号発生器、 82,87…方向性結合器、 85…可変移相器、 88…ダイオード検波器、 89…電流検出器、 100,100a…コントローラ、 300…試料、 600,610,620,630…電源回路、 LA,LA1,LA2,LA3…ループアンテナ、 T1,T2,T3,T4,T5…高周波トランス、 E,E1,E2…電界、 B…直流磁界、 AN1,AN2…ホーンアンテナ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が真空状態に設定された筒形状のプ
    ラズマ処理室内でヘリコンプラズマを発生させて試料に
    対して所定の処理を行うプラズマ処理装置において、 上記プラズマ処理室の内部で上記試料に向かう方向に直
    流磁界を発生する磁界発生手段と、 上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心からその筒の外周
    に向かう方向を有する第1の高周波電界と、上記プラズ
    マ処理室の筒形状の軸中心を中心としてその筒の底面に
    平行な面上で角度が変化して回転する角度回転方向を有
    する第2の高周波電界とを、互いに所定の位相差を有す
    る高周波信号を用いて発生することによって、ヘリコン
    波の電界に実質的に等しい電界を発生する電界発生手段
    とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 上記電界発生手段は、 上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となるよう
    に設けられるループアンテナと、 互いに所定の位相差を有する第1と第2の高周波信号を
    発生する信号発生手段と、 上記信号発生手段によって発生された第1の高周波信号
    を上記ループアンテナの両端に印加する一方、上記信号
    発生手段によって発生された第2の高周波信号を上記ル
    ープアンテナと接地電位との間に印加する信号印加手段
    とを備えたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処
    理装置。
  3. 【請求項3】 上記電界発生手段は、 上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となるよう
    に設けられる第1のループアンテナと、 上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となり、上
    記第1のループアンテナと近接するように設けられ、電
    気的に閉じられた第2のループアンテナと、 互いに所定の位相差を有する第1と第2の高周波信号を
    発生する信号発生手段と、 上記信号発生手段によって発生された第1の高周波信号
    を上記第1のループアンテナの両端に印加する一方、上
    記信号発生手段によって発生された第2の高周波信号を
    上記第2のループアンテナと接地電位との間に印加する
    信号印加手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載
    のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 上記電界発生手段は、 上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となりかつ
    互いに所定の間隔だけ離れて設けられる少なくとも3個
    のループアンテナと、 互いに所定の位相差を有する第1と第2の高周波信号を
    発生する信号発生手段と、 上記信号発生手段によって発生された第1の高周波信号
    を上記少なくとも3個のループアンテナのうち両端に位
    置する2個のループアンテナの間に印加する一方、上記
    信号発生手段によって発生された第2の高周波信号を上
    記少なくとも3個のループアンテナのうち中央に位置す
    る1個のループアンテナの両端に印加する信号印加手段
    とを備えたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処
    理装置。
  5. 【請求項5】 内部が真空状態に設定された筒形状のプ
    ラズマ処理室内でヘリコンプラズマを発生させて試料に
    対して所定の処理を行うプラズマ処理装置において、 上記プラズマ処理室の内部で上記試料に向かう方向に直
    流磁界を発生する磁界発生手段と、 上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となるよう
    に設けられる第1のループアンテナと、 上記プラズマ処理室の筒形状の軸中心と同心となりかつ
    上記第1のループアンテナと所定の間隔だけ離れて設け
    られた第2のループアンテナと、 互いに所定の位相差を有する第1と第2の高周波信号を
    発生して、上記第1の高周波信号を上記第1のループア
    ンテナに印加する一方、上記第2の高周波信号を上記第
    2のループアンテナに印加する信号発生手段と、 上記プラズマ処理室内で発生されたヘリコン波を有効的
    に励起するように上記第1の高周波信号と上記第2の高
    周波信号との間の位相差を変化させる移相手段とを備え
    たことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 上記プラズマ処理装置はさらに、 上記プラズマ処理室内で発生するプラズマの密度を測定
    する測定手段と、 上記測定手段によって測定されたプラズマの密度に基づ
    いて、上記発生されるプラズマの密度が所定値となるよ
    うに、上記角速度と上記位相差と上記直流磁界のうち少
    なくとも1つを制御する制御手段とを備えたことを特徴
    とする請求項1、2、3、4又は5記載のプラズマ処理
    装置。
  7. 【請求項7】 上記プラズマ処理装置はさらに、 上記発生される直流磁界の磁束が集束しミラー磁界が形
    成されるように上記磁界発生手段とともに上記プラズマ
    処理室の内部に磁界を発生する別の磁界発生手段を備え
    たことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記
    載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 上記プラズマ処理装置はさらに、 上記試料に所定の交流電圧を印加する電圧印加手段を備
    えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又
    は7記載のプラズマ処理装置。
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