JPH0689861A - 半導体エピタキシャル基板およびその形成方法 - Google Patents

半導体エピタキシャル基板およびその形成方法

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JPH0689861A
JPH0689861A JP4266686A JP26668692A JPH0689861A JP H0689861 A JPH0689861 A JP H0689861A JP 4266686 A JP4266686 A JP 4266686A JP 26668692 A JP26668692 A JP 26668692A JP H0689861 A JPH0689861 A JP H0689861A
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substrate
group
semiconductor
atom
crystal
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JP4266686A
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Iwao Sugiyama
巌 杉山
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体エピタキシャル基板に関し、表面が平
滑で鏡面となるような半導体エピタキシャル基板を得る
ことを目的とする。 【構成】 半導体基板4の構成原子に6族原子、または
6族分子を結合させ、該6族原子3、または6族分子を
結合させた半導体基板4上に2−6族の化合物半導体結
晶をエピタキシャル成長して形成して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体エピタキシャル基
板、特にシリコン基板上に2−6族化合物半導体結晶を
エピタキシャル成長した半導体エピタキシャル基板、お
よび該半導体エピタキシャル基板の形成方法に関する。
【0002】2−6族化合物半導体結晶は、赤外線光電
変換素子や、可視光発光素子の半導体素子形成材料とし
て、幅広い応用が期待されている。例えば、信号処理素
子を設けたシリコン(Si)基板上に、水銀・カドミウム
・テルル(Hg1-x Cdx Te)のような2−6族化合物半導
体結晶をヘテロエピタキシャル成長し、この2−6族化
合物半導体結晶に赤外線光電変換素子を集積化して形成
したモノリシック型の半導体光検知装置を形成すること
が要望されている。
【0003】このようなモノリシック型の半導体装置に
於いて、集積度および信頼性の高い半導体装置を得るに
は、Si基板上に上記2−6族半導体結晶の薄膜を転写や
接着等の手法でなく、気相成長法等を用いて一体型に形
成した半導体エピタキシャル基板、およびその形成方法
の技術が要望されている。
【0004】
【従来の技術】従来よりサファイア基板や、Si基板上に
Hg1-x Cdx Te結晶を気相成長法でエピタキシャル成長す
る場合、2−6族半導体結晶のカドミウムテルル(CdT
e)結晶をバッファ層として形成している。
【0005】このようなCdTe結晶をSi基板上に、例えば
分子線エピタキシャル成長方法で成長した半導体エピタ
キシャル基板を形成する場合、Si基板を設置した真空容
器を10-10torr 程度の超高真空に排気する。次いで、こ
の超高真空内でSi基板を850℃の温度に加熱し、該Si基
板表面に付着しているSiの酸化物等を蒸発させて除去す
る熱クリーニング処理を行う。
【0006】次いで直ちに該Si基板の温度を260 〜340
℃の温度に降下させ、次いでカドミウムテルル( CdTe)
多結晶からの分子線をSi基板に同時に照射してCdTe結晶
をSi基板上に気相成長して半導体エピタキシャル基板を
形成している。
【0007】また文献"Molecular beam epitaxial grow
th of CdTe on 5-in.-diam Si(100)、Appl.phys.Lett.5
7(14),1 October 1990、by R.Sporken等" や、文献"Mol
ecular beam epitaxial growth of CdTe and HgCdTe on
Si(100)、Appl.phys.Lett.55(18),30 October 1989 、
by R.Sporken等" により(100) のSi基板上にCdTe、或い
はHgCdTeのエピタキシャル結晶を分子線エピタキシャル
成長法で形成したことが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記文献
に記載した方法に基づき、基板上にCdTe結晶を気相エピ
タキシャル成長したところ、CdTe結晶表面が凹凸状を呈
し、期待した鏡面状の結晶表面が得られない問題が生じ
た。そこで種々実験を繰り返し、検討した結果、以下の
ことが判明した。
【0009】Si基板上にCdTe結晶を形成すると、両者の
結晶間の格子不整合は20%有り、(100) 面のSi基板上に
は(111) 面のCdTe結晶のエピタキシャル層が成長する。
然し、上記したSi基板は図2(c)に示すようにSi原子1の
みの単体元素の半導体結晶で形成されているのに対し
て、CdTe結晶は図2(a)、図2(b)のようにCd原子2とTe原
子3の化合物半導体結晶である。
【0010】そして図2(a)に示すように、Si基板上に成
長したCdTe結晶の最上層の表面層はCd原子2で終端して
いるか、或いは図2(b)に示すようにTe原3で終端してい
るかの何れかの結晶面を有する。
【0011】そしてこのような終端する原子が異なる結
晶面を有する半導体結晶を、結晶学的極性を有する結晶
と称しており、図2(a)に示すCd原子2で終端する結晶面
を(111)A面と称し、図2(b)に示すTe原子3で終端する結
晶面を(111)B面と称している。
【0012】そして上記した(111)A面のCdTeエピタキシ
ャル結晶表面は凹凸状を呈し、 (111)B 面のCdTeエピタ
キシャル結晶表面は鏡面を呈して平滑な結晶面となる事
が判明した。従って、この(111)B面のCdTeエピタキシャ
ル結晶面上にHg1-x Cdx Te結晶を成長すると、表面が平
滑な鏡面状のHg1-x Cdx Te結晶が得られることになる。
【0013】本発明は上記した事項に鑑みて成されたも
ので、Si基板のような半導体基板上にCdTe結晶のような
化合物半導体結晶を気相エピタキシャル成長する場合、
気相成長法で得られたCdTe結晶のエピタキシャル表面の
極性を制御する方法、およびその方法で形成した(111)B
面となるような半導体エピタキシャル基板の提供を目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体エピタキ
シャル基板は請求項1に示すように、半導体基板の構成
原子に6族原子、または6族分子を2対、または3対の
結合手で結合させて成り、該6族原子、または6族分子
を結合させた半導体基板上に2−6族の化合物半導体結
晶をエピタキシャル成長して構成したことを特徴とす
る。
【0015】本発明の半導体エピタキシャル基板の形成
方法は、請求項2に示すように、半導体基板を450 〜72
0 ℃の温度に加熱して6族原子、または6族分子を前記
半導体基板の構成原子に結合させた後、前記半導体基板
上に2−6族の化合物半導体結晶をエピタキシャル成長
することを特徴とする。
【0016】また請求項3に示すように、半導体基板を
450 ℃以下の温度に保って6族原子、または6族分子を
前記半導体基板の構成原子に結合させ、次いで該基板を
450〜720 ℃の温度で加熱処理した後、前記半導体基板
上に2−6族の化合物半導体結晶をエピタキシャル成長
することを特徴とする。
【0017】また請求項4に示すように、半導体基板に
可視光、或いは紫外光を照射しながら6族原子、または
分子を前記半導体基板を構成する原子に結合させ、或い
は半導体基板を加熱して6族原子、または分子を前記半
導体基板を構成する原子に結合させた後、可視光、或い
は紫外光を該基板に照射し、次いで前記半導体基板に2
−6族の化合物半導体結晶をエピタキシャル成長するこ
とを特徴とする。
【0018】また請求項5に示すように、半導体基板を
設置した真空容器、真空容器の内壁、或いは真空容器内
の部品に6族原子、或いは6族原子を含む化合物を充
填、或いは付着させ、前記充填、或いは付着した6族原
子、或いは6族原子を含む化合物を、加熱した前記半導
体基板、或いは半導体基板の加熱ヒータ、若しくは真空
容器内の加熱ヒータからの輻射熱によって蒸発させ、2
−6族化合物半導体結晶のエピタキシャル成長以前の半
導体基板の基板構成原子に6族原子が到達して結合する
ようにしたことを特徴とする。
【0019】また請求項6に示すように、6族元素の分
子、或いは原子の雰囲気の真空容器内で半導体基板を45
0 ℃以上の温度で加熱処理した後、前記半導体基板上に
2−6族化合物半導体結晶をエピタキシャル成長するこ
とを特徴とする。
【0020】また請求項7に示すように、2−6族化合
物半導体結晶のエピタキシャル成長以前に、該化合物半
導体結晶を成長する半導体基板の基板温度を450 ℃以上
の温度に保ち、6族元素を含む有機金属化合物をエピタ
キシャル成長用の反応管内に導入し、前記半導体基板の
構成原子に6族元素の分子、或いは原子を結合するよう
にしたことを特徴とする。
【0021】また請求項8に示すように、前記半導体基
板がシリコン基板であり、6族元素がテルル原子であ
り、2族元素がカドミウム、水銀、亜鉛原子のうちの何
れかの原子を一種以上含むことを特徴とする。
【0022】また請求項9に示すように、前記化合物半
導体結晶のエピタキシャル成長方法が分子線エピタキシ
ャル成長方法、或いは有機金属気相成長方法であること
を特徴とする。
【0023】
【作用】本発明の構成によれば、酸化物等の不純物が表
面に付着していない清浄な(100) 面のSi基板上には、Te
のような6族元素が、Cdのような2族元素に比較して優
先的に結合する。この時、6族元素のTeのSiとの結合状
態は、結合する際のSi基板の温度に依って異なる。
【0024】Si基板の温度が比較的低い、450 ℃以下の
温度であると、図3(a)に示すようにSi基板4内のSi原子
1とTe原子3は互いに一対の結合手5により結合する。
またこれに対して結合時のSi基板4の温度が高い、450
℃以上の温度の場合は図3に示すように、三対、または
二対の結合手5で結合する。
【0025】そして基板温度が450 ℃以上となると、容
易に図3(a)より図3(b)に示す結合状態に移行するが、図
3(b)の結合状態に一旦移行すると図3(a)に示す結合状態
には戻らず、両者の結合状態は不可逆反応を呈すること
になる。
【0026】本発明では、この結合の相違を利用して形
成されるCdTe結晶のエピタキシャル層の極性を制御す
る。即ち、熱クリーニング、或いはその他の表面クリー
ニング法で酸化物等の被着物を除去して清浄化したSi基
板を、CdTe結晶の気相成長する以前に450 ℃〜800℃の
温度範囲で保持し、10-6torr程度の分子線強度のTe分子
線を3 分間照射する。
【0027】その後、分子線の照射を一時中断し、基板
をCdTe結晶の気相成長温度の260 〜340 ℃の温度に降下
し、CdとTeの分子線を同時に照射して分子線エピタキシ
ャル成長を行う。このような方法を実施すると、Si基板
とCdTe結晶のエピタキシャル層との間の境界面での結合
状態は総て図3(b)のようになり、Si基板の全面の範囲で
結晶学的極性の揃った図3(b)に示す(111)B 面のCdTe結
晶のエピタキシャル層が得られる。
【0028】また図3(a)の状態より図3(b)の状態への変
化は、光、或いは熱エネルギーの付与によって図3(a)の
結合手5が切れて、より安定な図3(b)の状態に遷移する
と考えられ、基板温度を昇温して熱エネルギーを付与す
る代わりに波長の短い高エネルギーの紫外線等を照射し
てエネルギーを供給するようにしても良い。
【0029】このように本発明ではCdTe結晶の成長前の
クリーニング処理したSi基板を、450 ℃〜800 ℃の温度
に保持し、6族のTe原子でSi基板の表面を覆うようにし
ているので、Si基板上には(111)B面のCdTe結晶が成長す
ることになり、表面が平滑なCdTeのエピタキシャル結晶
が得られる。
【0030】またこの他にCdTe結晶の成長前のクリーニ
ング処理したSi基板を、450 ℃以下の温度で付着させた
後、更に該基板を450 ℃〜800 ℃の温度で熱処理しても
同様な結果が得られる。
【0031】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例に付き詳
細に説明する。図1は本発明の半導体エピタキシャル基
板の説明図である。図示するようにSi基板4の構成原子
のSi原子1は該基板4をクリーニング後、450 ℃以上の
温度で加熱してTeガスの雰囲気に曝すことでTe原子3、
或いはTe分子と結合する。
【0032】次いでこのTe原子3、或いはTe分子と結合
したCdTe結晶6を、分子線エピタキシャル成長等を用い
て形成すると、Te原子3が最上層の表面層に終端された
(111)B面のCdTe結晶が得られる。この(111)B面のCdTe結
晶表面は鏡面状態であるので、この上にHg1-x Cdx Te結
晶を気相、或いは液相エピタキシャル成長すると、表面
が平坦な鏡面状のHg1-x Cdx Teのエピタキシャル結晶が
得られる。
【0033】このような半導体エピタキシャル基板の製
造方法について述べる。分子線エピタキシャル成長装置
を用い、Siの(100) 面の基板上にCdTe結晶を気相成長す
る場合について述べる。
【0034】図4(a)に示すように、分子線エピタキシャ
ル成長装置の真空容器11内に(100)面のSi基板4を基板
加熱台12上に設置し、該真空容器11内を10-10 〜10-8to
rrの超高真空に排気し、該Si基板4を850 ℃の温度に加
熱し、該基板4の表面に付着しているSiの酸化物等を除
去する熱クリーニング処理を実施する。
【0035】次いでSi基板4の温度を600 ℃の温度に降
下し、Te坩堝13内に収容されたTeを加熱して10-6torrの
ビーム強度のTeの分子線を3 分間照射し、次いで図示し
ないがシャッタ等を用いてSi基板4、或いはTe坩堝13の
上部の開口部を遮閉してTeの照射を一度中断する。
【0036】そして、該基板4の温度を320 ℃の温度に
降下した後、CdTeソースを収容したCdTe坩堝14からのCd
Teの分子線を照射して、該基板上に2 〜5 μm のCdTe層
のエピタキシャル層を成長する。このようにして形成し
たCdTeのエピタキシャル層の極性は、直径50mmの円形の
Si基板4の全領域の範囲で、(111)B面と成った。
【0037】このような結果を図5に示す。図5(a)は(1
00) 面のSi基板に直接CdTe結晶を成長した場合の反射高
速電子線回折(RHEED;Reflected High-Energy Electron
Difraction) を示す図で、図5(b)は(100) 面のSi基板に
600 ℃の温度でTe分子線を照射した後、該基板の温度を
320 ℃に保ってCdTe結晶を成長する本発明の方法によっ
て成長した場合の反射高速電子線回折写真である。
【0038】図5(a)のRHEED パターンは、1/2 オーダの
ストリークが観察され、2×2 構造を示しており、この
場合は明らかに(111)A面のCdTe結晶が成長したことを示
しており、図5(b)のRHEED パターンは、1/2 オーダのス
トリークの他に1/6 オーダの弱いストリークが観察さ
れ、2 ×31/2×2 ×31/2R30 構造を呈しており(111)B面
のCdTe結晶が成長したことが確認できた。
【0039】また(111)B面のCdTe結晶が形成されている
か否かを、エッチング液を用いて確認した結果を図6に
示す。(111)A面のCdTe結晶を、弗化水素酸と過酸化水素
と水の混合液よりなる弗化水素酸系エッチング液( 中川
エッチング液) でエッチングするとピットが発生する
が、(111)B面のCdTe結晶ではピットは現れず、表面が荒
れ、黒く変色する。
【0040】また(111)A面のCdTe結晶を、乳酸と硝酸と
弗化水素酸の混合液の乳酸系エッチング液でエッチング
すると、殆ど変化は見られないが、(111)B面のCdTe結晶
を上記エッチング液でエッチングすると、ピットが発生
することが確認されている。
【0041】図6(a)は、(100) Si基板上に直接CdTe結晶
を成長した試料を弗化水素酸系のエッチング液でエッチ
ングした場合で、黒色の部分がピットに該当し、(111)A
面の結晶が形成されたことが判る。
【0042】図6(b)は、(100) Si基板上に直接CdTe結晶
を成長した試料を乳酸系のエッチング液でエッチングし
た場合で、ピットは観察されず、単に表面が荒れている
のみで、(111)A面の結晶が形成されたことが判る。
【0043】図6(c)は、本発明の(100) のSi基板に600
℃の温度でTe分子線を照射した後、該基板の温度を320
℃に保ってCdTe結晶を成長した試料を弗化水素酸系のエ
ッチング液でエッチングした場合で、ピットは観察され
ず、(111)B面の結晶が成長したことが確認できる。
【0044】図6(d)は、本発明の(100) のSi基板に600
℃の温度でTe分子線を照射した後、該基板の温度を320
℃に保ってCdTe結晶を成長した試料を乳酸系のエッチン
グ液でエッチングした場合で、写真の中央に黒色の三角
状のピットが観察され、(111)B面の結晶が成長したこと
が確認できる。
【0045】このような結果より本発明者は、図7の矢
印Bに示すように、(100) のSi基板の温度を500 〜650
℃に保って、Te分子を照射した後、Si基板の温度を降下
してCdTe結晶を成長すると確実に表面に(111)B面のCdTe
結晶が得られることを確認した。
【0046】また図7の矢印Aに示すように、(100) の
Si基板の温度を450 〜720 ℃に保って、Te分子を照射し
た後、Si基板の温度を降下してCdTe結晶を成長した場合
に於いても、多少は表面処理等の条件により歩留りは低
下するが、(111)B面のCdTe結晶が得られることを確認し
た。
【0047】またこの(111)B面のCdTe結晶を有するSi基
板4上にHg1-x Cdx Te結晶を引続き分子線エピタキシャ
ル成長法、或いは他の液相成長で成長したところ、形成
されたHg1-x Cdx Te結晶は平滑な鏡面状態の表面が得ら
れた。
【0048】また他の実施例として表面を熱的にクリー
ニング処理したSi基板上に、出力が100 Wで波長が300n
m の紫外線を照射する水銀ランプを用いて該基板に光エ
ネギーを付与した状態で、Te坩堝13内に収容されたTeを
加熱して10-6torrのビーム強度のTeの分子線を照射した
後、前記したようにCdTeの分子線を照射して、(111)B面
のCdTe結晶を形成しても良い。
【0049】また他の実施例として、Te分子線を故意に
Si基板4に照射する方法の代わりに、分子線エピタキシ
ャル成長装置の真空容器11の内壁や、該真空容器11内の
部品や基板加熱台12等にTe、或いはTeの化合物を蒸着等
の手法で付着させておき、基板4を加熱する加熱ヒータ
15からの輻射熱等で上記した真空容器11の内壁等に付着
しているTe等の付着物を蒸発させてクリーニング処理し
たSi基板4に飛来させるようにしても良い。
【0050】また他の実施例としてガス状のTe2 分子を
真空容器11内に充満させるようにして、該Te2 分子が充
満した真空容器11内にクリーング処理されたSi基板4を
450℃以上の温度に保って放置してSi基板にTe原子を結
合させた後、基板表面に(111)B面のCdTe結晶を成長して
も良い。
【0051】また他の実施例として図4(b)に示すよう
に、分子線エピタキシャル成長装置に代えて、有機金属
気相成長装置を用い、クリーニング処理されたSi基板4
を加熱ヒータ15を用いて450 ℃以上の温度に保ち、ジエ
チルテルルや、ジメチルテルル等の6族元素を含む有機
化合物を反応管16内に流入し、その後、CdTe結晶をエピ
タキシャル成長しても良い。
【0052】このように本発明ではCdTe結晶の成長前の
クリーニング処理したSi基板4を、450 ℃以上の温度に
保持し、6族のTe原子でSi基板の表面を覆うようにして
いるので、このようにしたSi基板上には(111)B面のCdTe
結晶が成長することになり、表面が平滑なCdTeのエピタ
キシャル結晶が得られる。
【0053】またこの他の実施例としてCdTe結晶の成長
前のクリーニング処理したSi基板を、450 ℃以下の比較
的低温でTe原子の雰囲気、或いはTeの分子線を照射して
Si基板のSi原子とTe原子を図3(a)に示す結合状態と成る
ように一旦形成した後、更に該基板を450 ℃以上の温度
で熱処理して図3(b)に示す結合状態を形成して、更にCd
Te結晶をエピタキシャル成長しても良い。
【0054】このようにすると、基板の加熱温度が二段
階に加熱されるのでSi基板に熱歪みが入り難くなる効果
がある。なお、本実施例ではSi基板上にCdTe結晶を成長
する場合について述べたが、Si基板上に亜鉛テルル結
晶、水銀テルル結晶を形成する場合でも適用可能であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明の半導体エピタ
キシャル基板、およびその形成方法によると、Si基板の
全領域の範囲に極性の揃った(111)B面のCdTeのエピタキ
シャル結晶を安定して確実に形成することが可能とな
る。その結果、平滑性に富み表面が鏡面状態のCdTeのエ
ピタキシャル結晶が得られる効果がある。
【0056】またこのような方法を用いるとSi基板上に
鏡面状態のCdTe結晶が得られ、更にこのCdTe結晶上に鏡
面状態のHg1-x Cdx Te結晶が得られ、このHg1-x Cdx Te
結晶に光電変換素子を形成し、Si基板に光電変換素子の
信号処理素子を形成することで、モノリシック型の半導
体光検知装置が高品質に形成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体エピタキシャル基板の模式的
説明図である。
【図2】 CdTe結晶とSi結晶の結晶面の模式的説明図で
ある。
【図3】 Si原子にTe原子を結合させた時の状態図であ
る。
【図4】 本発明の半導体エピタキシャル基板の形成方
法の実施例の説明図である。
【図5】 本発明と従来の方法で形成したCdTe結晶の結
晶構造を示す電子回折写真である。
【図6】 本発明と従来の方法で形成したCdTe結晶の結
晶構造を示すエッチピットの顕微鏡写真である。
【図7】 本発明に於ける基板の加熱温度とCdTe結晶の
表面状態の関係図である。
【符号の説明】
1 Si原子 2 Cd原子 3 Te原子 5 結合手 6 CdTe結晶 11 真空容器 12 基板加熱台 13 Te坩堝 14 CdTe坩堝 15 加熱ヒータ 16 反応管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/205 21/36 9171−4M 31/0264

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板(4) の構成原子に6族原子
    (3) 、または6族分子を2対、または3対の結合手で結
    合させて成り、該6族原子(3) 、または6族分子を結合
    させた半導体基板(4) 上に2−6族の化合物半導体結晶
    をエピタキシャル成長して構成したことを特徴とする半
    導体エピタキシャル基板。
  2. 【請求項2】 半導体基板(4) を450 〜720 ℃の温度に
    加熱して6族原子(3) 、または6族分子を前記半導体基
    板(4) の構成原子(1) に結合させた後、前記半導体基板
    (4) 上に2−6族の化合物半導体結晶をエピタキシャル
    成長することを特徴とする半導体エピタキシャル基板の
    形成方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板(4) を450 ℃以下の温度に保
    って6族原子(3) 、または分子を前記半導体基板(4) の
    構成原子に結合させ、次いで該基板(4) を450 〜720 ℃
    の温度で加熱処理した後、前記半導体基板(4) 上に2−
    6族の化合物半導体結晶をエピタキシャル成長すること
    を特徴とする半導体エピタキシャル基板の形成方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板(4) に可視光、或いは紫外光
    を照射しながら6族原子(3) 、または分子を前記半導体
    基板(4) を構成する原子(1) に結合させ、或いは半導体
    基板(4) を加熱して6族原子(3) 、または分子を前記半
    導体基板(4)を構成する原子に結合させた後、可視光、
    或いは紫外光を該半導体基板(4) に照射し、次いで前記
    半導体基板(4) に2−6族の化合物半導体結晶をエピタ
    キシャル成長することを特徴とする半導体エピタキシャ
    ル基板の形成方法。
  5. 【請求項5】 半導体基板(4) を設置した真空容器(1
    1)、真空容器(11)の内壁、或いは真空容器(11)内の部品
    に、6族原子、或いは6族原子を含む化合物を充填、或
    いは付着させ、前記充填、或いは付着した6族原子、或
    いは6族原子を含む化合物を、加熱した前記半導体基板
    (4) 、或いは半導体基板の加熱ヒータ(15)、若しくは真
    空容器(11)内の加熱ヒータからの輻射熱によって蒸発さ
    せ、2−6族化合物半導体結晶のエピタキシャル成長以
    前の半導体基板(4) の基板構成原子(1) に6族原子(3)
    が到達して結合するようにしたことを特徴とする半導体
    エピタキシャル基板の形成方法。
  6. 【請求項6】 6族元素の分子、或いは原子の雰囲気の
    真空容器(11)内で半導体基板(4) を450 ℃以上の温度で
    加熱処理した後、前記半導体基板(4) 上に2−6族化合
    物半導体結晶をエピタキシャル成長することを特徴とす
    る半導体エピタキシャル基板の形成方法。
  7. 【請求項7】 2−6族化合物半導体結晶のエピタキシ
    ャル成長以前に、該化合物半導体結晶を成長する半導体
    基板(4) の基板温度を450 ℃以上の温度に保ち、6族元
    素を含む有機金属化合物をエピタキシャル成長用の反応
    管(16)内に導入し、前記半導体基板(4) の構成原子に6
    族元素の分子、或いは原子を結合するようにしたことを
    特徴とする半導体エピタキシャル基板の形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載の半導体基板(4) がシ
    リコン基板であり、6族元素がテルル原子であり、2族
    元素がカドミウム、水銀、亜鉛原子のうちの何れかの元
    素を一種以上含むことを特徴とする半導体エピタキシャ
    ル基板の形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項2〜6記載の化合物半導体結晶の
    エピタキシャル成長方法が分子線エピタキシャル成長方
    法であり、請求項7記載のエピタキシャル成長方法が有
    機金属気相成長方法であることを特徴とする半導体エピ
    タキシャル基板の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4905104A (en) * 1986-07-22 1990-02-27 Hitachi, Ltd. Rotary head type digital signal recording and/or reproducing apparatus for recording and/or reproducing with a variable speed
JP2008072136A (ja) * 2007-10-24 2008-03-27 Nagoya Industrial Science Research Inst 半導体放射線検出器の製造方法

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