JPH0689780B2 - 裏金付アルミニウム合金軸受の製造方法 - Google Patents

裏金付アルミニウム合金軸受の製造方法

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JPH0689780B2
JPH0689780B2 JP61310671A JP31067186A JPH0689780B2 JP H0689780 B2 JPH0689780 B2 JP H0689780B2 JP 61310671 A JP61310671 A JP 61310671A JP 31067186 A JP31067186 A JP 31067186A JP H0689780 B2 JPH0689780 B2 JP H0689780B2
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JP
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bearing
back metal
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alloy
heat treatment
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武志 坂井
利彦 萩原
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エヌデーシー株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 <発明の目的> 産業上の利用分野 本発明は裏金付アルミニウム合金軸受の製造方法に係
り、詳しくは、性能および防錆効果を満足させる裏金付
アルミニウム合金軸受の製造方法に係る。
従来の技術 従来から、自動車、圧縮機械等の回転部分や摺動部分の
軸受としてアルミニウム合金軸受が用いられている。こ
の軸受は従来例の銅合金軸受に較べると軽量で安価であ
り、軸受性能向上のために種々の潤滑成分や素地強化成
分等が配合され、このアルミニウム合金から成る軸受合
金層が裏金鋼板に被着されたバイメタル材が軸受材料と
して供給されている。
これらの軸受材料は本業界では公知の鋳造法や粉末焼結
法で作られている。
このようにして製造されたバイメタル材から裏金付アル
ミニウム合金軸受を製造する際には、第2図に示すよう
にプレス成形および切削加工して所望の軸受形状に成型
し、その後、鋼板裏金の露出前に防錆を目的として厚さ
2μm以下の錫メッキし、防錆油を塗布している。
しかし、上記の工程でメッキを施すことは工程増および
コスト増となる。更に、アルミニウム合金の組成によっ
てはきわめて加工硬化をうけやすいものがあり、この組
成のバイメタル板から軸受形状に加工すると、その段階
で軸受合金層に加えられる加工によって加工硬化し、内
部には局部的不均一な加工歪が蓄積され、予想外の短時
間で疲労するという問題点がある。
発明が解決しようとする問題点 本発明はこれらの問題点を解決することを目的とし、具
体的には、軸受合金層がきわめて加工硬化され易いもの
であっても、プレス成形および切削加工などで軸受形状
に成型したのちに、更に、空気中で260〜350℃で加熱処
理して裏金付アルミニウムの合金軸受の製造方法を提供
することを目的とする。
<発明の構成> 問題点を解決するための手段ならびにその作用 そこで、本発明について、アルミニウム軸受合金層中に
Sn、Pb、In、Bi、Tl、Cdのうちの少なくとも1種以上を
1.0〜20体積%含有させる理由から説明する。
まず、Sn、Pb、In、Bi、Tl、Cd(融点が350℃以下であ
り、以下低融点元素と称す。)を1.0vol未満(Snのみ添
加なら約2.8重量%、Pbのみ添加なら約4.2重量%)しか
含まないと、アルミニウム軸受合金層は耐焼付性が劣化
する。このため、低融点元素1.0vol%以下の場合は、殆
どが軸受合金層の表面上に更にオーバレイ層が必要にな
り、オーバレイ層を形成するときは軸受合金層の加工歪
による性能低下がある程度緩衝できる。従って、本発明
では軸受合金層の表面にオーバレイ層を形成しないもの
を対象にするため、低融点元素の下限を1.0vol%とす
る。
また、低融点元素が20vol%を超えると(Snのみ添加な
ら約40重量%、Pbのみ添加なら約51重量%)、冷間加工
による裏金とのクラッドや成型加工の時にうける加工硬
化の程度がそれ程激しくなくて、この際の残留歪を除去
する必要がそれほど生じないからである。更に、残留歪
除去のため、260〜350℃の熱処理を行なうと、低融点元
素が軸受合金層の表面にあまりにも多く吹き出して好ま
しくない。
なお、この軸受合金層中ら低融点元素のほかに、例え
ば、Cu、Si、Cr、Nl等の素地強化元素も含有することが
できる。
次に、上記組成の軸受合金層は後記の如く冷間圧延など
によって鋼板の裏金上に被着し、このバイメタル材を所
望の形状に成型されるが、裏金の露出面には青色系防錆
酸化皮膜を設ける。
このように裏金の露出面に青色系防錆酸化皮膜を形成す
ると、防錆目的のためにメッキ処理を行なう必要がな
く、この青色系防錆酸化皮膜形成のために熱処理を行な
うと、加工硬化の程度の大きい軸受合金層であっても、
加工時の残留歪が除去できる。
また、この構成の裏金付軸受の製造工程の一例を示す
と、第1図の通りである。
すなわち、上記組成の軸受合金層を鋼板の裏金上に被着
し、このバイメタル材をプレス成形および切削加工によ
り、例えば半円状の如き形状の軸受材をつくる。その
後、この軸受材は260〜350℃の空気中で短時間加熱処理
する。この熱処理によって軸受合金層中に蓄積された残
留歪は取除かれ、また、軸受合金属表面に軸との摩擦熱
による熱履歴と類似の熱履歴を付与することによって、
使用直後の不安定な表面性状を回避でき、軸受本来の性
能の安定向上に寄与する。
また、このときに、この加熱処理によって裏金鋼板の露
出面が急速に酸化され、美麗な青色系の防錆酸化皮膜が
生成する。このため、従来必要とされた防錆目的のメッ
キが省略できるのでコスト低下と商品価値向上効果が得
られる。なお、軸受合金層の表面も裏金と同様に酸化雰
囲気にさらされるが、軸受合金はアルミニウムから成っ
て、この表面は酸化されているために、熱処理時にアル
ミナなどの酸化皮膜が生成しない。
なお、加熱処理温度は260℃未満ではAl系の軸受合金層
の加工歪除去効果が乏しく、かつ裏金鋼板の青熱脆性の
危険性が増大するので好ましくない。また、加熱処理温
度が350℃を超えると、軸受合金層の組織が著しく変化
して、軸受性能が低下する恐れが生じると共に、裏金表
面の酸化皮膜の色が灰色系に変化して商品価値を低下さ
せる。
また、加熱時間は軸受の大きさや、軸受合金層のアルミ
ニウム合金の組成によって異なるが、数分から30分位が
望ましく短時間すぎると上記効果が小さく、長時間では
軸受性能の低下や商品価値の低下を招く恐れがある。
実施例 実施例(1) 第1表に示す合金NO.1の裏金付アルミニウム合金軸受材
をプレス成形し、裏金と合金をバイトで切削加工後、熱
風式循環炉中(雰囲気は大気)で350℃×30分間熱処理
した。
熱処理前の合金硬さは、Hv=44.4であったが、熱処理後
はHv=38.5となり、加工歪が除去され安定した硬さとな
った。
この軸受を第2表に示すような苛酷な軸受疲労性試験を
行なった。比較材は実施例(1)と同一ロット材で加熱
処理前の軸受(すなわち、合金硬さHv= 44.4)であ
る。
この試験結果を第3図に示す。
第3図より明らかなように、本発明による軸受は加熱処
理しない比較材に比べて優れた性能を有していることが
わかる。
なお、当該軸受の裏金表面の色は均一な淡青色であっ
た。
この軸受を防錆油を塗布せず、室温に1年間放置した
が、外観上何ら支障がなく錫メッキ品と実質的に差がな
いことが判明した。
実施例(2) 第1表に示す合金NO.2の裏金付アルミニウム合金軸受板
をプレス成形し、裏金と合金をバイトで切削加工後、熱
風式循環炉中(雰囲気は大気)で300℃×15分間熱処理
した。
熱処理前の合金表面硬さは、Hv=51.3であったが、熱処
理後はHv=47.1となり、加工歪が除去され安定した硬さ
となった。
この時、裏金表面は均一な濃青色となり美麗であった。
実施例(3) 第1表に示す合金No.3の組成の裏金付アルミニウム合金
軸受板を実施例(1)と同様な方法で加工し、熱風式循
環炉中(雰囲気は大気)で275℃×5分間熱処理した。
熱処理前の合金表面硬さはHv=44.8であったが、熱処理
後はHv=41.8となり安定した硬さとなった。この時、軸
受合金表面には無数の微細な錫鉛合金が浸み出し、軸と
の初期なじみを増大させる効果が得られ、また、この軸
受の裏金は均一な青紫色を呈し美麗であった。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明は、Snなどを含むアルミニ
ウム軸受合金を冷間圧延鋼板上に被着させてなる裏金付
アルミニウム合金軸受を製造する際に、その後に更に加
える加熱処理によって、従来防錆上必要であった錫メッ
キ工程を省くことができ、軸受合金中に蓄積された加工
歪を除き、また、軸受合金表面に軸との摩擦熱による熱
履歴と類似の熱履歴を付与することによって使用直後の
不安定な表面性状を回避することができ、軸受本来の性
能の向上に寄与する。更に、従来メッキを必要とする場
合でも、加熱処理によって美麗で防錆性の酸化皮膜が裏
金に形成され、コスト低下と商品価値向上の効果が得ら
れた。
なお、上記のところではバイメタルの製造について説明
したが、この軸受は粉末焼結法で製造しても鋳造法で製
造しても何れにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る裏金付アルミニウム合金軸受の製
造工程図、第2図は従来法による裏金付アルミニウム合
金軸受の製造工程図、第3図は軸受耐疲労性試験結果を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−33825(JP,A) 特公 昭50−27016(JP,B1) 特公 昭57−10176(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Sn、Pb、In、Bi、Tl、Cdのうちから選ばれ
    た少なくとも1種を1.0〜20体積%含有するアルミニウ
    ム合金から成る軸受合金層を鋼板裏金上に被着させてバ
    イメタル材を形成し、このバイメタルをプレス成形およ
    び切削加工して所望の軸受形状に成型して裏金付アルミ
    ニウム合金軸受を製造し、更に、 この裏金付アルミニウム合金軸受を空気中で260〜350℃
    で加熱処理して裏金付アルミニウム合金軸受中の前記軸
    受合金層中の加工歪を除去すると共に、鋼板裏金の被着
    面と反対側の露出面に青色を示す防錆酸化皮膜が生成す
    るよう、酸化させることを特徴とする裏金付アルミニウ
    ム合金軸受の製造方法。
JP61310671A 1986-12-27 1986-12-27 裏金付アルミニウム合金軸受の製造方法 Expired - Lifetime JPH0689780B2 (ja)

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