JPH0687783B2 - 細胞電気穿孔法および装置 - Google Patents
細胞電気穿孔法および装置Info
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- JPH0687783B2 JPH0687783B2 JP63284178A JP28417888A JPH0687783B2 JP H0687783 B2 JPH0687783 B2 JP H0687783B2 JP 63284178 A JP63284178 A JP 63284178A JP 28417888 A JP28417888 A JP 28417888A JP H0687783 B2 JPH0687783 B2 JP H0687783B2
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- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
- C12M35/00—Means for application of stress for stimulating the growth of microorganisms or the generation of fermentation or metabolic products; Means for electroporation or cell fusion
- C12M35/02—Electrical or electromagnetic means, e.g. for electroporation or for cell fusion
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- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は細胞を含む媒液に高圧パルス電場を印加し、細
胞膜に小孔を形成することによってDNAなどを細胞中に
取り込む細胞電気穿孔法と、これに用いられる細胞電気
穿孔装置に関するものである。
胞膜に小孔を形成することによってDNAなどを細胞中に
取り込む細胞電気穿孔法と、これに用いられる細胞電気
穿孔装置に関するものである。
バイオテクノロジーの進展に伴ない、細胞中にDNAなど
の被取込物を取り込むことが重要になっている。このよ
うな操作を行なうためには、細胞膜に小孔を形成するこ
とが必要になるが、この技術の第1のものとして、レー
ザ光による穿孔法である。これは、細胞の特定の部位に
レーザビームを照射して加熱し、細胞膜に小孔を形成す
るものがある。これによれば、DNAはこの小孔を介して
細胞中に取り込まれることになるが、この方法では小孔
は加熱形成されるため、細胞膜が傷つきやすく、DNAの
取り込み後も小孔が残存することになる。
の被取込物を取り込むことが重要になっている。このよ
うな操作を行なうためには、細胞膜に小孔を形成するこ
とが必要になるが、この技術の第1のものとして、レー
ザ光による穿孔法である。これは、細胞の特定の部位に
レーザビームを照射して加熱し、細胞膜に小孔を形成す
るものがある。これによれば、DNAはこの小孔を介して
細胞中に取り込まれることになるが、この方法では小孔
は加熱形成されるため、細胞膜が傷つきやすく、DNAの
取り込み後も小孔が残存することになる。
これに対して、従来技術の第2のものとしての電気穿孔
法によれば、細胞を含む媒液に直流パルス電場を印加す
ることにより細胞膜に小孔が形成され、この小孔を介し
てDNAなどが取り込まれる。この電気穿孔法によれば細
胞膜が特に傷つけられることがなく、また直流パルス電
場の印加を中止すれば小孔は修復される。
法によれば、細胞を含む媒液に直流パルス電場を印加す
ることにより細胞膜に小孔が形成され、この小孔を介し
てDNAなどが取り込まれる。この電気穿孔法によれば細
胞膜が特に傷つけられることがなく、また直流パルス電
場の印加を中止すれば小孔は修復される。
しかしながら、電気穿孔法による場合には、原則として
直流パルス電場中の全ての細胞の細胞膜に小孔が形成さ
れるため、多数の細胞中の特定の細胞のみにDNAを取り
込ませることはできない。また、この小孔は直流パルス
電場の電気力線方向の一方および他方の端部に等しく形
成されるので、1個の細胞の特定の部位、例えば細胞の
核あるいはこの近傍にのみDNAを取り込ませることは困
難である。
直流パルス電場中の全ての細胞の細胞膜に小孔が形成さ
れるため、多数の細胞中の特定の細胞のみにDNAを取り
込ませることはできない。また、この小孔は直流パルス
電場の電気力線方向の一方および他方の端部に等しく形
成されるので、1個の細胞の特定の部位、例えば細胞の
核あるいはこの近傍にのみDNAを取り込ませることは困
難である。
そこで本発明は、媒液中の複数の細胞中の特定の細胞あ
るいは1個の細胞の特性の部位にのみ、DNAの如き被取
込物を取り込むことのできる細胞電気穿孔法と、このた
めに用いられる装置を提供することを目的とする。
るいは1個の細胞の特性の部位にのみ、DNAの如き被取
込物を取り込むことのできる細胞電気穿孔法と、このた
めに用いられる装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕 本発明に係る細胞電気穿孔法は、媒液中に含まれた細胞
の細胞膜に直流パルス電場を印加することで小孔を形成
し、この小孔を介して媒液中にあらかじめ含まれている
DNAなどの被取込物を前記細胞中の取込部分に取り込む
細胞電気穿孔法において、直流パルス電場の電気力線方
向の一方側に細胞の取込部分(例えば核の近傍部分)を
位置せしめる第1のステップと、上記電気力線方向の他
方側の細胞部分を選択的にレーザビームなどで加熱する
と共に、直流パルス電場を印加する第2のステップとを
備えることを特徴とする。
の細胞膜に直流パルス電場を印加することで小孔を形成
し、この小孔を介して媒液中にあらかじめ含まれている
DNAなどの被取込物を前記細胞中の取込部分に取り込む
細胞電気穿孔法において、直流パルス電場の電気力線方
向の一方側に細胞の取込部分(例えば核の近傍部分)を
位置せしめる第1のステップと、上記電気力線方向の他
方側の細胞部分を選択的にレーザビームなどで加熱する
と共に、直流パルス電場を印加する第2のステップとを
備えることを特徴とする。
また、本発明に係る細胞電気穿孔法は、媒液中に複数の
細胞が含まれている場合において、直流パルス電場を印
加することで形成した小孔を介して複数の細胞中の所定
の細胞に被取込物を取りむに際し、上記所定の細胞以外
の細胞をレーザビームなどで選択的に加熱すると共に、
直流パルス電場を印加するステップを備えることを特徴
としてもよい。
細胞が含まれている場合において、直流パルス電場を印
加することで形成した小孔を介して複数の細胞中の所定
の細胞に被取込物を取りむに際し、上記所定の細胞以外
の細胞をレーザビームなどで選択的に加熱すると共に、
直流パルス電場を印加するステップを備えることを特徴
としてもよい。
さらに、本発明に係る細胞電気穿孔装置は、細胞を含む
媒液を入れるための凹部が形成され、かつ媒液に電場を
印加するための一対の電極が凹部に設けられた基体と、
上記の一対の電極に直流パルス電圧を印加する電源と、
基体の凹部に入れられた媒液中の細胞を観察するための
顕微鏡と、基基体の凹部に入れられた媒液中の細胞加熱
するためのレーザ光源とを備えることを特徴とする。
媒液を入れるための凹部が形成され、かつ媒液に電場を
印加するための一対の電極が凹部に設けられた基体と、
上記の一対の電極に直流パルス電圧を印加する電源と、
基体の凹部に入れられた媒液中の細胞を観察するための
顕微鏡と、基基体の凹部に入れられた媒液中の細胞加熱
するためのレーザ光源とを備えることを特徴とする。
本発明の構成によれば、媒液中の1個の細胞の特定の部
位、もしくは複数の細胞中の一部の細胞のみが選択的に
加熱され、この条件下で直流パルス電場による電気穿孔
がなされる。ここで、電気穿孔された細胞膜の小孔の修
復は加熱条件下では速くなされるため、小孔の開状態の
時間は相対的に短くなっている。これに対し、加熱され
ていない特定の部位もしくは特定の細胞の細胞膜の小孔
は遅く修復されることになり、小孔の開状態の時間は相
対的に長くなるので、この部分では長い時間にわたって
DNAなどが取り込まれることになる。このため、細胞の
特定の部位もしくは特定の細胞にDNAを選択的に取り込
むことが可能になる。
位、もしくは複数の細胞中の一部の細胞のみが選択的に
加熱され、この条件下で直流パルス電場による電気穿孔
がなされる。ここで、電気穿孔された細胞膜の小孔の修
復は加熱条件下では速くなされるため、小孔の開状態の
時間は相対的に短くなっている。これに対し、加熱され
ていない特定の部位もしくは特定の細胞の細胞膜の小孔
は遅く修復されることになり、小孔の開状態の時間は相
対的に長くなるので、この部分では長い時間にわたって
DNAなどが取り込まれることになる。このため、細胞の
特定の部位もしくは特定の細胞にDNAを選択的に取り込
むことが可能になる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を説明す
る。
る。
第1図は本発明に係る細胞電気穿孔法の実施例を適用し
た装置の基本構成図であり、第2図は第1図中の基体1
の斜視図である。第2図の通り、基体1は例えば石英ガ
ラス製の基板11を有し、この基板11の中央部には平面形
状が四辺形の凹部12が形成されている。凹部12の対向す
る側壁には一対の電極13a,13bが例えばプラチナ(Pt)
で形成され、これにはリード線14a,14bが接続されてい
る。この基板11の凹部12には細胞16を含む媒液17が所定
量だけ入れられ、第1図のようにセットされる。
た装置の基本構成図であり、第2図は第1図中の基体1
の斜視図である。第2図の通り、基体1は例えば石英ガ
ラス製の基板11を有し、この基板11の中央部には平面形
状が四辺形の凹部12が形成されている。凹部12の対向す
る側壁には一対の電極13a,13bが例えばプラチナ(Pt)
で形成され、これにはリード線14a,14bが接続されてい
る。この基板11の凹部12には細胞16を含む媒液17が所定
量だけ入れられ、第1図のようにセットされる。
すなわち、第1図に示すように、リード線14a,14bは直
流パルス電源2に接続され、これによって媒液17に直流
パルス電場が印加されるようになっている。細胞16の状
態は光学顕微鏡3により観察され、かつレーザ光源4か
らのレーザビームL1が光学顕微鏡3を介して媒液17中の
細胞16に照射されるようになっている。一方、基体1の
下方にはリレーレンズ5を介して白色光源6が設けら
れ、ここからの光は細胞16を通って光学顕微鏡3で拡大
され、観察者7に観察光L2として届くようになってい
る。なお、図中のMは全反射ミラーであり、BSはビーム
スプリッタである。
流パルス電源2に接続され、これによって媒液17に直流
パルス電場が印加されるようになっている。細胞16の状
態は光学顕微鏡3により観察され、かつレーザ光源4か
らのレーザビームL1が光学顕微鏡3を介して媒液17中の
細胞16に照射されるようになっている。一方、基体1の
下方にはリレーレンズ5を介して白色光源6が設けら
れ、ここからの光は細胞16を通って光学顕微鏡3で拡大
され、観察者7に観察光L2として届くようになってい
る。なお、図中のMは全反射ミラーであり、BSはビーム
スプリッタである。
次に、第3図により上記実施例の作用を説明する。
第3図において、図示しない媒液中に含まれた細胞16は
核16aを有しているものとする。いま、第3図の状態で
電極13a,13bの間に直流パルス電場を印加すると、細胞1
6の電気力線方向の一方および他方側の端部P1,P2に、電
気穿孔による小孔が形成される。この小孔は、直流パル
ス電場を加えることで開状態となり、直流パルス電場を
解除すると修復していく。
核16aを有しているものとする。いま、第3図の状態で
電極13a,13bの間に直流パルス電場を印加すると、細胞1
6の電気力線方向の一方および他方側の端部P1,P2に、電
気穿孔による小孔が形成される。この小孔は、直流パル
ス電場を加えることで開状態となり、直流パルス電場を
解除すると修復していく。
ところで、この小孔の形成および修復速度は、その部分
の温度により異なり、高温のときには形成および修復が
共に速くなり、低温のときには形成および修復が共に遅
くなる。そこで、第3図中の記号LAで示す部分にのみレ
ーザ光を照射し、この部分を加熱した状態で直流パルス
電場を印加すると、レーザ光加熱された部分LA中の細胞
部分P1の小孔は開状態となっている合計時間が相対的に
短く、加熱されていない他方の細胞部分P2の小孔は開状
態となっている合計時間が相対的に長くなる。その結
果、加熱されていない細胞部分P2の小孔を介して、媒液
17中のDNAがより多く取り込まれることになる。
の温度により異なり、高温のときには形成および修復が
共に速くなり、低温のときには形成および修復が共に遅
くなる。そこで、第3図中の記号LAで示す部分にのみレ
ーザ光を照射し、この部分を加熱した状態で直流パルス
電場を印加すると、レーザ光加熱された部分LA中の細胞
部分P1の小孔は開状態となっている合計時間が相対的に
短く、加熱されていない他方の細胞部分P2の小孔は開状
態となっている合計時間が相対的に長くなる。その結
果、加熱されていない細胞部分P2の小孔を介して、媒液
17中のDNAがより多く取り込まれることになる。
DNAの具体的な取り込み手順としては、次のようなもの
がある。
がある。
まず、電気穿孔されるのは直流パルス電場の電気力線方
向端部の細胞膜であるので、DNAを取り込むべき取込部
を上記直流パルス電場の電気力線方向に位置決めする。
この具体的方法としては、例えば基体1を光学顕微鏡3
で観察しながら回転、移動させればよい。また、例えば
高周波電場を印加することで公知のパールチェーン現象
を生起させ、細胞16を特定方向に向けるようにしてもよ
い。
向端部の細胞膜であるので、DNAを取り込むべき取込部
を上記直流パルス電場の電気力線方向に位置決めする。
この具体的方法としては、例えば基体1を光学顕微鏡3
で観察しながら回転、移動させればよい。また、例えば
高周波電場を印加することで公知のパールチェーン現象
を生起させ、細胞16を特定方向に向けるようにしてもよ
い。
次に、複数の細胞中の特定細胞もしくは1個の細胞の特
定部位の加熱は、レーザ光照射により行なうが、このレ
ーザ光照射に先立って細胞16を染色することが望まし
い。色素としては細胞16に対する毒性の少ない低発光性
のものを用いる。このようにすれば、パルスレーザある
いはCWレーザを用いることにより、特定部分のレーザ光
照射でここを選択的に加熱することができる。なお、選
択的なレーザ光照射は、光学顕微鏡3で細胞16の位置や
向きを確認しながら、レーザビームを走査することで行
なう。一方、1個の細胞の加熱したい部分あるいは複数
の細胞中の加熱したい特定の細胞のみ染色しておけば、
全体にレーザ光照射しても選択的な加熱ができる。
定部位の加熱は、レーザ光照射により行なうが、このレ
ーザ光照射に先立って細胞16を染色することが望まし
い。色素としては細胞16に対する毒性の少ない低発光性
のものを用いる。このようにすれば、パルスレーザある
いはCWレーザを用いることにより、特定部分のレーザ光
照射でここを選択的に加熱することができる。なお、選
択的なレーザ光照射は、光学顕微鏡3で細胞16の位置や
向きを確認しながら、レーザビームを走査することで行
なう。一方、1個の細胞の加熱したい部分あるいは複数
の細胞中の加熱したい特定の細胞のみ染色しておけば、
全体にレーザ光照射しても選択的な加熱ができる。
次に、上記のような加熱条件下で、直流パルス電場を印
加して電気穿孔する。この直流パルス電場は1〜数μse
cのパルス幅、1〜数secのパルス間隔で数回行なう。な
お、直流パルス電場の印加タイミングとレーザ光の照射
タイミングについては、細胞膜の形成あるいは修復過程
で選択的に加熱できるものであれば、いかなるタイミン
グであってもよい。以上のようにして電気穿孔すると、
媒液17に含まれたDNAが細胞16中に選択的に取り込まれ
ることになる。
加して電気穿孔する。この直流パルス電場は1〜数μse
cのパルス幅、1〜数secのパルス間隔で数回行なう。な
お、直流パルス電場の印加タイミングとレーザ光の照射
タイミングについては、細胞膜の形成あるいは修復過程
で選択的に加熱できるものであれば、いかなるタイミン
グであってもよい。以上のようにして電気穿孔すると、
媒液17に含まれたDNAが細胞16中に選択的に取り込まれ
ることになる。
第4図はDNAの取り込みのいくつかの例を具体的に示し
ている。同図において、記号Eは直流パルス電場による
電気力線の方向であり、記号LAはレーザ光照射により加
熱される部分である。また、図中の斜線で示した部分
は、相対的に開状態の大きな小孔が形成される部分であ
る。同図(a)によれば、核16aの近傍にのみ制御性よ
くDNAを取り込むことができる。同図(b)の例によれ
ば、レーザビームのスキャンを簡単にしながら、核16a
の近傍にのみDNAを取り込むことができる。同図(c)
の例によれば、7個の細胞中の2個の細胞のみに選択的
にDNAを取り込むことができる。また、同図(d)の例
によれば、4個の分裂した細胞中の1個の細胞について
のみ、選択的にDNAを取り込むことができる。
ている。同図において、記号Eは直流パルス電場による
電気力線の方向であり、記号LAはレーザ光照射により加
熱される部分である。また、図中の斜線で示した部分
は、相対的に開状態の大きな小孔が形成される部分であ
る。同図(a)によれば、核16aの近傍にのみ制御性よ
くDNAを取り込むことができる。同図(b)の例によれ
ば、レーザビームのスキャンを簡単にしながら、核16a
の近傍にのみDNAを取り込むことができる。同図(c)
の例によれば、7個の細胞中の2個の細胞のみに選択的
にDNAを取り込むことができる。また、同図(d)の例
によれば、4個の分裂した細胞中の1個の細胞について
のみ、選択的にDNAを取り込むことができる。
次に、本発明者による具体的な実施例を説明する。
まず、一辺が1cmで深さが3mmの凹部を中央に形成した石
英ガラス板を用意し、この凹部に第2図のような電極対
を白金(Pt)で形成した。そして、電極対には電圧およ
びパルス幅が可変でパルス間隔が1秒の直流パルス電源
を接続した。更に、石英ガラスからなる基板の下方には
白色光源を置き、凹部の上方に光学顕微鏡の対物レンズ
を対向させた。さらに、アルゴン(Ar)レーザ装置をセ
ットし、レーザビーム照射できるようにした。上記装置
を用いて、カロチン系色素で染色されたウニの卵および
人間の赤血球による実験を行なった。
英ガラス板を用意し、この凹部に第2図のような電極対
を白金(Pt)で形成した。そして、電極対には電圧およ
びパルス幅が可変でパルス間隔が1秒の直流パルス電源
を接続した。更に、石英ガラスからなる基板の下方には
白色光源を置き、凹部の上方に光学顕微鏡の対物レンズ
を対向させた。さらに、アルゴン(Ar)レーザ装置をセ
ットし、レーザビーム照射できるようにした。上記装置
を用いて、カロチン系色素で染色されたウニの卵および
人間の赤血球による実験を行なった。
実施例1 海水と略同一濃度のショ糖水溶液を1ml用意し、この中
に生きたウニの卵を50個程度入れ試料液とした。次に、
この試料液を石英ガラス板の凹部に1〜2mmの深さにな
るまで垂らし、顕微鏡で確認して処理対象のウニの卵を
選び出した。次に、スポット径が5μmのArレーザビー
ムを選び出した細胞の一方の側のみにスキャンして照射
し、パルス幅が5μsec、パルス間隔が1.0secの直流パ
ルス電場を、1.5KV/cmの強さで10回印加した。その結
果、加熱されていないウニの卵の細胞部分には加熱され
た部分に対して5倍の量で、ショ糖水溶液中のDNAが取
り込まれた。
に生きたウニの卵を50個程度入れ試料液とした。次に、
この試料液を石英ガラス板の凹部に1〜2mmの深さにな
るまで垂らし、顕微鏡で確認して処理対象のウニの卵を
選び出した。次に、スポット径が5μmのArレーザビー
ムを選び出した細胞の一方の側のみにスキャンして照射
し、パルス幅が5μsec、パルス間隔が1.0secの直流パ
ルス電場を、1.5KV/cmの強さで10回印加した。その結
果、加熱されていないウニの卵の細胞部分には加熱され
た部分に対して5倍の量で、ショ糖水溶液中のDNAが取
り込まれた。
比較例1 実施例1において、Arレーザビームの照射以外を全く同
一条件にして、DNAの取込実験を行なった。その結果、D
NAの取込量は直流パルス電場の電気力線方向において略
同一であった。
一条件にして、DNAの取込実験を行なった。その結果、D
NAの取込量は直流パルス電場の電気力線方向において略
同一であった。
実施例2 人間の血液と略同一濃度のショ糖水溶液を1ml用意し、
この中に生きた赤血球を50個程度入れ試料液とした。次
に、この試料液を石英ガラス板の凹部に1〜2mmの深さ
になるまで垂らし、顕微鏡で確認して処理対象の赤血球
を6個だけ選び出した。次に、スポット径が5μmのAr
レーザビームを選び出した6個の細胞のうちの4個のみ
にスキャンして照射し、パルス幅が1.5μsec、パルス間
隔が1.0secの直流パルス電場を、1.5V/cmの強さで10回
印加した。その結果、加熱されていない2個の赤血球に
は加熱された4個の赤血球に対して5倍の量で、ショ糖
水溶液中のDNAが取り込まれた。
この中に生きた赤血球を50個程度入れ試料液とした。次
に、この試料液を石英ガラス板の凹部に1〜2mmの深さ
になるまで垂らし、顕微鏡で確認して処理対象の赤血球
を6個だけ選び出した。次に、スポット径が5μmのAr
レーザビームを選び出した6個の細胞のうちの4個のみ
にスキャンして照射し、パルス幅が1.5μsec、パルス間
隔が1.0secの直流パルス電場を、1.5V/cmの強さで10回
印加した。その結果、加熱されていない2個の赤血球に
は加熱された4個の赤血球に対して5倍の量で、ショ糖
水溶液中のDNAが取り込まれた。
比較例2 実施例1において、Arレーザビームの照射以外を全く同
一条件にして、DNAの取込実験を行なった。その結果、D
NAの取込量は6個の赤血球において略同一であった。
一条件にして、DNAの取込実験を行なった。その結果、D
NAの取込量は6個の赤血球において略同一であった。
〔発明の効果〕 以上、詳細に説明した通り本発明では、、媒液中の1個
の細胞の特定の部位、もしくは複数の細胞中の特定の細
胞のみが選択的に加熱され、この条件下で直流パルス電
場による電気穿孔がなされるので、加熱されていない細
胞の特定の部位もしくは特定の細胞の細胞膜の小孔は遅
く修復されることになり、ここから長い時間にわたって
DNAなどが取り込まれることになる。このため、細胞の
特定の部位もしくは特定の細胞にDNAを選択的に取り込
むことが可能になる。
の細胞の特定の部位、もしくは複数の細胞中の特定の細
胞のみが選択的に加熱され、この条件下で直流パルス電
場による電気穿孔がなされるので、加熱されていない細
胞の特定の部位もしくは特定の細胞の細胞膜の小孔は遅
く修復されることになり、ここから長い時間にわたって
DNAなどが取り込まれることになる。このため、細胞の
特定の部位もしくは特定の細胞にDNAを選択的に取り込
むことが可能になる。
第1図は、本発明の実施例に係る細胞電気穿孔装置の基
本構成図、第2図は、第1図に示す基体の斜視図、第3
図は、実施例の作用を説明する図、第4図は、実施例に
よるDNAの取り込み例を説明する図である。 1……基体、12……凹部、13a.13b……電極、2……直
流パルス電源、3……光学顕微鏡、4……レーザ光源、
5……リレーレンズ、6……白色光源、7……観察者
本構成図、第2図は、第1図に示す基体の斜視図、第3
図は、実施例の作用を説明する図、第4図は、実施例に
よるDNAの取り込み例を説明する図である。 1……基体、12……凹部、13a.13b……電極、2……直
流パルス電源、3……光学顕微鏡、4……レーザ光源、
5……リレーレンズ、6……白色光源、7……観察者
Claims (7)
- 【請求項1】媒液中に含まれた細胞の細胞膜に直流パル
ス電場を印加することで小孔を形成し、この小孔を介し
て前記媒液中にあらかじめ含まれている被取込物を前記
細胞中の取込部分に取り込む細胞電気穿孔法において、 前記直流パルス電場の電気力線方向の一方側に前記細胞
の取込部分を位置せしめる第1のステップと、 前記電気力線方向の他方側の前記細胞部分を選択的に加
熱すると共に、前記直流パルス電場を印加する第2のス
テップとを備えることを特徴とする細胞電気穿孔法。 - 【請求項2】前記細胞はあらかじめ染色され、前記第2
のステップは前記電気力線方向の他方側の細胞部分を選
択的にレーザ光照射して加熱することを特徴とする請求
項1記載の細胞電気穿孔法。 - 【請求項3】前記電気力線方向の他方側の細胞部分はあ
らかじめ染色され、前記第2のステップは前記細胞全体
をレーザ光照射して前記染色部分を加熱することを特徴
とする請求項1記載の細胞電気穿孔法。 - 【請求項4】媒液中に含まれた複数の細胞の細胞膜に直
流パルス電場を印加することで小孔を形成し、この小孔
を介して前記複数の細胞中の所定の細胞に前記媒液中に
あらかじめ含まれた被取込物を取りむ細胞電気穿孔法に
おいて、 前記所定の細胞以外の細胞を選択的に加熱すると共に、
前記直流パルス電場を印加するステップを備えることを
特徴とする細胞電気穿孔法。 - 【請求項5】前記選択的な加熱は、前記所定の細胞以外
の細胞を選択的にレーザ光照射することにより行なうこ
とを特徴とする請求項4記載の細胞電気穿孔法。 - 【請求項6】前記選択的な加熱は、前記所定の細胞以外
の細胞を選択的に染色してレーザ光照射することにより
行なうことを特徴とする請求項4記載の細胞電気穿孔
法。 - 【請求項7】細胞を含む媒液を入れるための凹部が形成
され、かつ前記媒液に電場を印加するための一対の電極
が前記凹部に設けられた基体と、 前記一対の電極に直流パルス電圧を印加するための電源
手段と、 前記基体の凹部に入れられた媒液中の細胞を観察するた
めの顕微鏡と、 前記基体の凹部に入れられた媒液中の細胞を加熱するた
めのレーザ光源とを備えることを特徴とする細胞電気穿
孔装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63284178A JPH0687783B2 (ja) | 1988-11-10 | 1988-11-10 | 細胞電気穿孔法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63284178A JPH0687783B2 (ja) | 1988-11-10 | 1988-11-10 | 細胞電気穿孔法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02131585A JPH02131585A (ja) | 1990-05-21 |
JPH0687783B2 true JPH0687783B2 (ja) | 1994-11-09 |
Family
ID=17675187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63284178A Expired - Fee Related JPH0687783B2 (ja) | 1988-11-10 | 1988-11-10 | 細胞電気穿孔法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0687783B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6074605A (en) * | 1995-03-10 | 2000-06-13 | Entremed, Inc. | Flow electroporation chamber and method |
US5720921A (en) * | 1995-03-10 | 1998-02-24 | Entremed, Inc. | Flow electroporation chamber and method |
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KR20030012995A (ko) * | 2001-08-06 | 2003-02-14 | 주식회사 토이랩 | Dc 전원을 사용한 전기천공기 |
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-
1988
- 1988-11-10 JP JP63284178A patent/JPH0687783B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02131585A (ja) | 1990-05-21 |
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