JPH0687658A - GaAs半導体素子実装用基板及びその製造方法 - Google Patents

GaAs半導体素子実装用基板及びその製造方法

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JPH0687658A
JPH0687658A JP4236064A JP23606492A JPH0687658A JP H0687658 A JPH0687658 A JP H0687658A JP 4236064 A JP4236064 A JP 4236064A JP 23606492 A JP23606492 A JP 23606492A JP H0687658 A JPH0687658 A JP H0687658A
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JP
Japan
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aln
substrate
powder
mounting
zrn
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JP4236064A
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Toru Inoue
井上  徹
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実装用基板に好適な機械的強度を付与すると
共に、熱膨張係数をGaAs半導体素子の熱膨張係数
(約6.0ppm/℃)に近似させること。 【構成】 AlN粉末に対し、ZrO2 粉末を51重量
%及び焼結助剤を添加する。その後、混合物をシート状
の成形体に成形する。次いで、成形体を窒素雰囲気下か
つ加圧下にて焼成する。焼成温度は1550℃〜170
0℃である。得られる基板は、AlNとZrNとの混合
焼結体である。混合焼結体のAlN及びZrNのモル比
は1/2〜4/1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GaAs半導体素子を
実装するための基板、及びその基板を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリコン(Si)を用いた半
導体素子をセラミックス製の絶縁基板上に実装して、セ
ラミックスパッケージを製造する技術が提案されてい
る。また、一般的に半導体素子は、通電時に発生する熱
によって簡単に破壊に到るという性質がある。従って、
素子の破壊を回避するためには、放熱性に優れた基板、
即ち熱伝導率が大きな実装用基板を選択することによ
り、素子の発する熱をパッケージから放散させる必要が
ある。
【0003】このため、前記実装用基板の材料には、例
えばアルミナ(Al2 3 )、ベリリア(BeO)等の
セラミックス製焼結体が用いられ、更に近年において
は、より熱伝導性に優れる窒化アルミニウム(AlN)
焼結体等が用いられている。
【0004】また、素子と実装用基板との熱膨張係数の
差が大きい場合、パッケージの温度上昇によって両者の
接合部付近に熱応力が加わり、歪みが生じ易くなること
が知られている。その結果、素子と実装用基板との接合
状態が悪化したり、実装用基板にクラックが発生するな
どして、パッケージの信頼性が著しく低下する。これ
は、特に素子が大型化かつ高密度化するほど顕著にな
る。
【0005】それ故、従来のパッケージにおいては、熱
膨張係数の比較的近似したAlN製の実装用基板とSi
製の素子とを組み合わせることにより、熱応力の発生を
未然に回避している。因みに、AlNの熱膨張係数は
4.5ppm/℃、Siの熱膨張係数は3.8ppm/℃であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年増加し
つつあるガリウム砒素(GaAs)半導体素子を用いて
セラミックスパッケージを製造する場合、以下のような
不都合が生じる。
【0007】例えば、熱膨張係数が約6.0ppm/℃のG
aAs素子をAlN製の基板に実装したとしても、熱膨
張係数に大きな差があるため、熱的不整合が生じてしま
うことである。それ故、温度上昇時において、熱応力の
発生を確実に回避することが困難になる。従って、ヒー
トサイクルにより接合状態が悪化したり、実装用基板に
クラックが発生するなどして、パッケージの信頼性が低
下してしまう。
【0008】また、比較的熱膨張係数が近似したAl2
3 製の実装用基板を用いれば、熱膨張係数の不整合に
起因する熱応力の発生をある程度回避できるものとも予
想される。しかし、Al2 3 製の実装用基板の機械的
強度は、AlN製の実装用基板よりも劣るため、選択す
る材料として適切であるとは言い難い。
【0009】このような事情のもと、本発明者らはZr
系化合物の有する物理的特性、つまり機械的強度に優れ
ること、及び熱膨張係数がGaAsより大きいことの二
点に着目した。そこで、AlN粉末に対し、ジルコニア
(ZrO2 )粉末と焼結助剤とを混合して得られる成形
体を焼成して、AlNと窒化ジルコニウム(ZrN)と
の混合焼結体を製造することを着想した。
【0010】そして、ZrO2 粉末とAlN粉末との混
合比を所定の範囲内に設定することにより、熱膨張係数
がGaAs素子に近似していて、機械的強度にも優れた
基板が得られるという知見を得た。そして、本発明者ら
は上記の知見に基づき、以下の発明を完成させた。即
ち、本発明の目的としては、優れた機械的強度を有し、
かつ熱膨張係数がGaAs半導体素子の熱膨張係数に近
似した実装用基板を得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本出願では、A
lNとZrNとの混合焼結体であって、前記混合焼結体
中におけるAlN及びZrNのモル比(AlN/Zr
N)が1/2〜4/1であるGaAs半導体素子用基板
を提案している。
【0012】また、本出願では、AlN粉末に対し、Z
rO2 粉末を45重量%〜55重量%添加しかつ焼結助
剤を添加した後、前記混合物を所定形状に成形し、その
成形体を不活性雰囲気下かつ加圧下にて焼成するGaA
s半導体素子用基板の製造方法を提案している。
【0013】そして、この製造方法を行う場合、前記成
形体は、窒素雰囲気下にて1550℃〜1700℃の範
囲内で焼成されることが望ましい。
【0014】
【作用】上述のように、AlN粉末にZrO2 粉末等を
混ぜて焼成すると、AlN及びZrNの二種の焼結体か
らなる混合焼結体が得られる。また、ZrN焼結体の物
理的特性としては、AlN焼結体よりも熱膨張係数が大
きく、機械的強度もそれに勝ることである。
【0015】このため、混合焼結体をAlNを主成分と
する焼結体と比較した場合、熱膨張係数が高くなり、そ
の値はGaAs半導体素子の熱膨張係数(約6.0ppm/
℃)に近似したものとなる。また、混合焼結体には、従
来のAlN製の実装用基板に比して好適な機械的強度が
付与される。
【0016】以下、本発明のGaAs半導体素子実装用
基板を製造する方法について工程順に詳細に説明する。
AlN粉末には、その分量に対して45重量%〜55重
量%のZrO2 粉末が添加される。そして、係る分量を
添加した場合、AlNとZrNとの混合焼結体中におけ
るAlN及びZrNのモル比は、1/2〜4/1とな
る。
【0017】ZrO2 粉末の添加量が45重量%未満の
とき、または前記モル比が4/1より大きいときには、
結果として混合焼結体中におけるAlN焼結体の割合が
大きくなり過ぎてしまう。このため、混合焼結体の熱膨
張係数が、目標値である約6.0ppm/℃まで到達でき
ず、それより小さな値となる。また、混合焼結体の機械
的強度を充分に向上させることもできなくなる。
【0018】一方、ZrO2 粉末の添加量が55重量%
を越えるとき、または前記モル比が1/2より小さいと
きには、逆に混合焼結体中におけるAlN焼結体の割合
が小さくなり過ぎてしまう。このため、焼結体の熱膨張
係数が目標値である約6.0ppm/℃より大きくなり、G
aAs半導体素子の熱膨張係数に近似しなくなる。
【0019】上記のAlN粉末及びZrO2 粉末の混合
物には、更にイットリア、カルシア、マグネシア等の焼
結助剤、バインダ及び溶剤等が添加される。そして、こ
の混合物は均一に混練された後、プレス成形法またはシ
ート成形法等によって、所定の形状に成形される。
【0020】その後、得られた成形体は、不活性雰囲気
下にて脱脂及び仮焼成される。更に、仮焼成された成形
体は、不活性雰囲気下かつ加圧下で本焼成される。その
理由は、常圧下で本焼成した場合には、混合焼結体に好
適な物性を付与することができないからである。
【0021】前記成形体は窒素雰囲気下にて焼成される
ことが望ましい。その理由は、成形体中のZrO2 が焼
結してZrN焼結体となる際、雰囲気中の窒素が窒素源
として用いられるからである。
【0022】また、本焼成を行う際の温度は1550℃
〜1700℃であることが望ましい。この温度が155
0℃未満であると、成形体を完全に焼結させることがで
きなくなる。一方、この温度が1700℃を越えると、
焼結体が焼成用の治具に付着し易くなる。
【0023】そして、上述のような各工程を経ること
で、好適な機械的強度を備えかつ熱膨張係数が約6.0
ppm/℃である所望の混合焼結体を得ることができる。ま
た、この混合焼結体を実装用基板のための材料として用
いた場合、信頼性の高いセラミックスパッケージが得ら
れる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例及び各比較
例について詳細に説明する。本実施例では、AlN粉末
に対し、ZrO2 粉末を51重量%、焼結助剤としての
2 3 を5重量%、有機バインダとしてのアクリル樹
脂を10重量%添加した。そして、これに溶剤としての
エタノールを58%加えた。
【0025】この混合物をボールミルにより湿式混合し
た後、乾燥粉砕させた。その後、前記混合物をプレス成
形法に従って成形し、厚さ約10mm,50mm×70mmの
シート状の成形体とした。
【0026】次いで、この成形体を窒素雰囲気の下で脱
脂しかつ仮焼成することにより、成形体中の有機物を熱
分解させた。また、その際の温度は850℃とし、時間
は10時間とした。
【0027】更に、得られた仮焼体をホットプレス装置
内に配置し、窒素雰囲気下にて250kg/cm2の面圧で加
圧焼成した。また、焼成温度は1550℃とし、焼成時
間は2時間とした。そして、所望のAlNとZrNとか
らなる混合焼結体を得た。以下、この混合焼結体を実施
例の実装用基板と呼ぶ。
【0028】一方、比較例1では、AlN粉末に対し、
ZrO2 粉末を35重量%添加すると共に、前記実施例
1と同種かつ同量の焼結助剤、有機バインダ及び溶剤を
加えて、成形体製造用の混合物とした。同様に比較例2
では、AlN粉末に対し、ZrO2 粉末を65重量%添
加すると共に、前記実施例1と同種かつ同量の焼結助
剤、有機バインダ及び溶剤を加えて、成形体製造用の混
合物とした。
【0029】上記二種の混合物を用いてそれぞれ成形体
を作製し、各成形体に前記実施例と同一の条件にて脱
脂、仮焼成及び本焼成を施した。そして、AlNとZr
Nとからなる混合焼結体を得た。以下、これらを比較例
1の実装用基板、比較例2の実装用基板とする。
【0030】そして、前記各基板の物理的特性を比較・
評価するために、室温における曲げ強度(kg/mm2)と、室
温から400℃まで変化させたときの熱膨張係数(ppm/
℃)とを測定した。その測定結果を表1に示す。同表1
には、各基板中におけるAlN及びZrNのモル比が記
されている。また、同表1には、参考データとして、A
lN基板、Al2 3 基板、ZrO2 基板及びZrN基
板、並びにSi素子及びGaAs素子の曲げ強度、熱膨
張係数の値も記されている。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1の実装用基板の熱膨張係数を測定
したところ、その値は5.9 ppm/℃となり、GaAa
素子の熱膨張係数に極めて近い値であった。また、前記
実装用基板の曲げ強度を測定した結果、その値は45kg
/mm2であった。これは、AlN製の実装用基板の曲げ強
度(35kg/mm2〜40kg/mm2)に勝るものである。
【0033】一方、各比較例の実装用基板の熱膨張係数
を測定したところ、その値は比較例1では4.9 ppm/
℃であり、比較例2では7.0 ppm/℃であった。この
ように、比較例1,2では、熱膨張係数の値は、何れも
6.0 ppm/℃とは大きく相違していた。また、各比較
例の曲げ強度を測定したところ、どちらもAlN製の実
装用基板の曲げ強度と殆ど変わりはなかった。
【0034】以上の結果を総合すると、比較例1,2の
実装用基板よりも優れた特性を備える実施例1の実装用
基板を選択すれば、信頼性の高いセラミックスパッケー
ジを製造できることが示唆された。そこで、実施例1の
実装用基板に従来公知の方法に準じて導体回路やダイパ
ッド等を形成した後、そのダイパッド上、つまり基板側
に3mm角のGaAs半導体素子を実装した。更に、前記
素子をセラミックスのキャップで気密封止すると共に、
基板の裏面に金属製のピンを取付けた。
【0035】得られたピングリッドアレイ(PGA)タ
イプのパッケージに対して種々の信頼性試験を行った。
その結果、素子と実装用基板との接合部位の状態に特に
変化は認められず、また基板に反りやクラックも認めら
れなかった。
【0036】このため、上述の素子よりも更に大型(約
6mm角)で高密度のGaAs素子を実装して同様の試験
を行ったところ、同じく好適な結果を得ることができ
た。よって、従来とは異なり、直接実装用基板に大型素
子を実装する代わりに、その素子をキャップ側に接着す
るというような、面倒な手順を踏んでパッケージを製造
することも不要になった。このように、本発明では、近
年において大型化・高密度化の傾向にあるGaAs素子
を直接実装用基板に実装し得るという利点がある。
【0037】尚、本発明は上記実施例のみに限定される
ことはなく、以下のように変更することが可能である。
例えば、 (a)実施例にて使用した比較的純度の高いZrO2
末に代え、Y2 3 ,CaO,MgO等を少量含む安定
化ZrO2 または部分安定化ZrO2 の粉末を用いるこ
とも可能である。この場合、焼結助剤として添加される
セラミックス酸化物の量は、前記実施例に比して少なく
て良い。
【0038】(b)ZrO2 粉末の代わりにZrN粉末
を添加しても、同様にAlNとZrNの混合焼結体を得
ることができる。また、ZrO2 粉末とZrN粉末とを
混合して用いても勿論良い。尚、ZrO2 粉末のほうが
ZrN粉末より安価であることから、実際上は実施例の
ようにZrO2 粉末を用いることが好適である。
【0039】(c)実施例では基板の裏面にピンを設け
ることにより、ピン挿入実装用であるPGAタイプのパ
ッケージを製造している。この他にも、例えば基板の片
側にリードが配列されたSIPタイプや、基板の両側に
リードが配列されたDIPタイプのセラミックスパッケ
ージとしても良い。
【0040】更に、本発明は、上述のピン挿入実装用の
PGA,SIP,DIPとは異なるものに具体化するこ
とが可能である。例えば、表面実装用のリードレスチッ
プキャリア(LCC)としても良い。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のGaAs
半導体素子実装用基板及びその製造方法によれば、実装
用基板に好適な機械的強度を付与しつつ、熱膨張係数を
GaAs半導体素子の熱膨張係数に近似させることがで
きるという優れた効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】AlNとZrNとの混合焼結体であって、
    前記混合焼結体中におけるAlN及びZrNのモル比が
    1/2〜4/1であることを特徴とするGaAs半導体
    素子実装用基板。
  2. 【請求項2】AlN粉末に対し、ZrO2 粉末を45重
    量%〜55重量%添加しかつ焼結助剤を添加した後、前
    記混合物を所定形状に成形し、その成形体を不活性雰囲
    気下かつ加圧下にて焼成することを特徴とするGaAs
    半導体素子実装用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記成形体は窒素雰囲気下にて焼成される
    ことを特徴とする請求項2に記載のGaAs半導体素子
    実装用基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記成形体は1550℃〜1700℃の範
    囲内で焼成されることを特徴とする請求項2または3に
    記載のGaAs半導体素子実装用基板の製造方法。
JP4236064A 1992-09-03 1992-09-03 GaAs半導体素子実装用基板及びその製造方法 Pending JPH0687658A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017100937A (ja) * 2016-11-28 2017-06-08 株式会社Maruwa 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法
JP2018080103A (ja) * 2010-12-14 2018-05-24 ヘクサテック,インコーポレイテッド 多結晶質窒化アルミニウム焼結体の熱膨張処理、および半導体製造へのその応用

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