JPH0687640B2 - 直流機電機子巻線の層間絶縁検証方法および装置 - Google Patents

直流機電機子巻線の層間絶縁検証方法および装置

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JPH0687640B2
JPH0687640B2 JP5186186A JP5186186A JPH0687640B2 JP H0687640 B2 JPH0687640 B2 JP H0687640B2 JP 5186186 A JP5186186 A JP 5186186A JP 5186186 A JP5186186 A JP 5186186A JP H0687640 B2 JPH0687640 B2 JP H0687640B2
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interlayer insulation
armature winding
alternating current
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正之 小林
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は直流機の電機子における電機子巻線の層間絶縁
の良否判定を、短時間にてかつ容易に行ない得るように
した直流機電機子巻線の層間絶縁検証方法および装置に
関するものである。
[発明の技術的背景] 従来から、直流機の電機子が完成した時点,あるいは点
検のために電機子単独に分解した時における、直流機の
電機子巻線の層間絶縁の良否判定を行なう方法として
は、アンペア法あるいはドロップ法と称される検証方法
が採用されてきている。
以下、従来の検証方法についてアンペア法を例として説
明する。すなわち、このアンペア法は第3図にその概要
を示すように、電機子巻線7および均圧巻線8が接続さ
れている整流子1に対して直流電源装置2から直流を,
直流電流計3を介して整流子片の適当に選んだ数毎間4
に流し、その間の隣合った整流子片間5に発生する直流
電圧を直流電圧計6にらり順次読取り、これを整流子1
の全周にわたって繰返し行ない、それらの電圧の値を比
較することによって層間絶縁の良否を判定するようにし
ている。
[背景技術の問題点] しかしながら、上述した従来の層間絶縁検証方法におい
ては次のような問題点がある。すなわち、全ての整流子
片に対して測定を行なっていることから、測定回数が多
く多大な時間がかかり、結果的に測定効率が悪くなるば
かりでなく多くの労力を要することになる。また、整流
子片間5に発生する電圧は大電流を流しても数mv程度し
かないことから検証能力が低く、層間完全短絡のような
不良でないと判定を行なうことができず、しかも短絡巻
線抵抗と他の巻線との並列回路となって差が2%しかな
いことから、良,不良の差についても判定することが非
常に困難となっているのが実状である。
[発明の目的] 本発明は上述のような問題点を解決するために成された
もので、その目的は測定回数を著しく減少して省力化な
らびに高効率化を図り、かつ検証能力を高めて層間絶縁
の良否判定を容易に行なうことが可能な直流機電機子巻
線の層間絶縁検証方法および装置を提供することにあ
る。
[発明の概要] 上記の目的を達成するために本発明では、直流機の電機
子巻線が接続されている整流子の1磁極ピッチ間に所定
周波数の高周波交流を供給する高周波電源と、上記高周
波交流の電流を検出する電流検出器と、上記高周波交流
の供給により1磁極ピッチ間に発生する電圧を検出する
電圧検出器と、上記電流検出器および電圧検出器により
検出される電流および電圧からインピーダンスを求める
インピーダンス演算装置と、このインピーダンス演算装
置による演算結果に基づいて層間絶縁の良否を判定する
判定装置とを備えて検証装置を構成し、電機子巻線が接
続されている整流子の1磁極ピッチ間に所定周波数の高
周波交流を流して、この間の電流および電圧からインピ
ーダンスを求め、これを1/2磁極ピッチずつずらして整
流子全周にわたって行ない、これにより求められた各イ
ンピーダンスの値を比較することによって層間絶縁の良
否判定を行なうようにしたことを特徴とする。
[発明の実施例] 以下、本発明を図面に示す一実施例を参照して説明す
る。
第1図は、本発明による直流機電機子巻線の層間絶縁検
証装置の構成例を示すものであり、第3図は同一部分に
は同一符号を付して示している。第1図において、電機
子巻線7および均圧巻線8は図示のように整流子1にそ
れぞれ接続している。そして本実施例による層間絶縁検
証装置は、整流子1の1磁極ピッチ間9に1KHZの周波数
の高周波交流を供給する高周波電源10と、上記高周波交
流の電源を検出する電流検出器としての交流電流計11
と、上記高周波交流の供給により1磁極ピッチ間9に発
生する電圧を検出する電圧検出器としての交流電圧計12
と、上記交流電流計11および交流電圧計12によりそれぞ
れ検出される電流Iおよび電圧VからインピーダンスZ
(=V/I)を求めるインピーダンス演算装置13と、この
インピーダンス演算装置13による演算結果に基づき層間
絶縁の良否を判定して表示する良否判定装置14とから構
成している。
以上の構成において、直流機の電機子巻線7の層間絶縁
の良否判定は次のようにして行なわれる。すなわち、電
機子巻線7が接続されている整流子1の1磁極ピッチ間
9に,高周波電源10から1KHZの周波数の高周波交流を流
して、この間の電流Iおよび電圧Vを交流電流計11およ
び交流電圧計12によりそれぞれ検出し、次にインピーダ
ンス演算装置13によりこれらの電流Iおよび電圧Vから
インピーダンスZ(=V/I)を求める。そして、以上の
ような操作を1/2磁極ピッチずつずらして整流子1の全
周にわたって行ない、これにより求められたインピーダ
ンスの最大値と最小値とを良否判定表示装置14により比
較し,かつその結果を表示させることによって、電機子
巻線7の層間絶縁の良否を判定することができる。
以下、かかる点についてより具体的に詳述する。
いま、整流子1の1磁極ピッチ間9にて隣合った整流子
片を順次独立に短絡させた場合のインピーダンスを実測
すると、第2図に示すような値となる。なお第2図で、
横軸は整流子片の短絡番号を示し(K0は短絡なしとす
る),縦軸はインピーダンス値を示している。また、こ
こでは高周波電源10からの高周波交流周波数をも変化さ
せて実測しており、プロットAは400HZ,プロットBは80
0HZ,プロットCは999HZの交流を流した場合をそれぞれ
示している。
すなわち第2図において、1磁極ピッチ間9の整流子片
短絡番号をK1からKnとし、最初はどこも短絡させずにK1
〜Kn間に流した電流とK1〜Kn間の電圧とからインピーダ
ンス値を出力させ、これを正常値とする。次に、K1K
2間,K2K3間,……,Kn-1Kn間を順次それぞれ整流子片
間で短絡させ、その時の電流,電圧からインピーダンス
値を出力させて図示のように表示させる。一方、高周波
電源10からの高周波交流周波数を変化させた場合、周波
数を高くすると健全の場合は不良の場合とのインピーダ
ンス値の差が大きく出ることがわかる。しかし、測定範
囲の端部に不良箇所がある場合にはインピーダンス値の
差が小さいことから、これを補償するために1磁極ピッ
チ間9での測定を1/2磁極ピッチずつずらして整流子1
の全周にわたって行なうことにより、不良箇所があった
場合を見逃がすことは完全に無くなる。
第2図に示す実測例から、短絡の有り無しでのインピー
ダンス値の差は、交流の周波数が400HZでは約4.5〜14
%,800HZでは約6.5〜15%,999HZでは約11〜17.5%程度
現われることが期待できる。従って、交流の周波数を上
述のように1KHZとすることにより、インピーダンスの最
大値と最小値との差が10%以上ある時に,不良箇所があ
ると判定することができる。そして、この不良箇所が発
見された場合に限り、その範囲のみについて整流子片に
対し,順次隣接した整流子片間の電圧を測定することに
よって、不具合箇所が判明することになる。
上述したように本実施例においては、測定回数が直流機
極数の倍数回で済むことから、従来のような整流子片枚
数回の場合に比べて測定回数を格段に減少して検証時間
を短縮することができ、もって検証を省力化すると共に
効率を向上させることが可能となる。例えば、16極の整
流子片数944枚を有する直流機を検証する場合、従来で
は測定回数が944回必要であったものが、本実施例によ
ると(16×2=)32回で済むことになる。また、1KHZの
高周波交流を流すことによって測定する電圧値も大きく
することができ、層間絶縁がレアーしていたら短絡回路
となってインピーダンスが顕著に低くなり、検証能力を
大幅に高めて層間絶縁の良否判定を容易に行なうことが
可能となる。
尚、本発明は上述した実施例に限定されるものではな
く、その要旨を変更しない範囲で種々に変形して実施す
ることができるものである。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、電機子巻線が接続
されている整流子の1磁極ピッチ間に所定周波数の高周
波交流を流して、この間の電流および電圧からインピー
ダンスを求め、これを1/2磁極ピッチずつずらして整流
子全周にわたって行ない、これにより求められた各イン
ピーダンスの値を比較することによって層間絶縁の良否
判定を行なうようにしたので、測定回数を著しく減少し
て省力化ならびに高効率化を図り,かつ検証能力を高め
て層間絶縁の良否判定を容易に行なうことが可能な直流
機電機子巻線の層間絶縁検証方法および装置が提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は同実
施例によるインピーダンスの差を実測した結果の一例を
示す図、第3図は従来における直流機電機子巻線の層間
絶縁検証方法の一例を示す構成図である。 1……整流子、2……直流電源装置、3……直流電流
計、4……整流子片測定範囲、5……隣接整流子片間、
6……直流電圧計、7……電機子巻線、8……均圧巻
線、9……整流子の1磁極ピッチ、10……高周波電源、
11……交流電流計、12……交流電流計、13……インピー
ダンス演算装置、14……良否判定表示装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流機の電機子巻線の層間絶縁の良否判定
    を行なう方法において、前記電機子巻線が接続されてい
    る整流子の1磁極ピッチ間に所定周波数の高周波交流を
    流して、この間の電流および電圧からインピーダンスを
    求め、これを1/2磁極ピッチずつずらして整流子全周に
    わたって行ない、これにより求められた各インピーダン
    スの値を比較することによって層間絶縁の良否を判定す
    るようにしたことを特徴とする直流機電機子巻線の層間
    絶縁検証方法。
  2. 【請求項2】1KHZ程度の周波数の高周波交流を流すよう
    にしたことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載
    の直流機電機子巻線の層間絶縁検証方法。
  3. 【請求項3】直流機の電機子巻線の層間絶縁の良否判定
    を行なうものにおいて、前記電機子巻線が接続されてい
    る整流子の1磁極ピッチ間に所定周波数の高周波交流を
    供給する高周波電源と、前記高周波交流の電流を検出す
    る電流検出器と、前記高周波交流の供給により1磁極ピ
    ッチ間に発生する電圧を検出する電圧検出器と、前記電
    流検出器および前記電圧検出器により検出される電流お
    よび電圧からインピーダンスを求めるインピーダンス演
    算装置と、このインピーダンス演算装置による演算結果
    に基づいて層間絶縁の良否を判定する判定装置とを備え
    て構成するようにしたことを特徴とする直流機電機子巻
    線の層間絶縁検証装置。
  4. 【請求項4】高周波電源は1KHZ程度の周波数の高周波交
    流を流すようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第
    (3)項記載の直流機電機子巻線の層間絶縁検証装置。
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