JPH0687023U - ポケット付きドアトリム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な剛性を持ち、しかもポケットの収納部
分のスペースを広く確保することができるポケット付き
ドアトリムを提供する。 【構成】 ポケット２のドアトリム側の下端部を上方へ
立ち上げて垂直壁面８を構成し、その上端部に嵌合部９
を形成する。そしてこの嵌合部９をドアトリム本体１の
ボード４の下端の嵌合部10に嵌合させることにより、ポ
ケット２をドアトリム本体１に固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用のポケット付きドアトリムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６に示されるような自動車用のポケット付きドアトリムは、ドアトリム本体 １にポケット２を取り付けたものであるが、従来は図７や図８に示されるように ポケット２の内側に一定の間隔で固定用のボス３を一体成形し、これらのボス３ の先端をドアトリム本体１のボード４に形成されたボード孔６に嵌め込んで裏側 からビス７で固定した構造が普通であった。

【０００３】 しかしこのような従来のポケット付きドアトリムは、ポケット２の収納部分に 固定用のボス３が必要であるのでこの分だけポケット２の収納部分が狭くなると いう欠点があった。またこのボス３の下側に物が入ってしまうと取り出しずらい ため、ボス３の上方にリブを立てているのが普通であり、そのために更にスペー スが狭くなるという欠点があった。

【０００４】 しかもボス３とボス３との中間部分ではポケット２の下端部とボード４との間 がフリーとなるためにポケット２の剛性が低下し、例えばポケット２をつかんで ドアの開閉を行ったような場合にポケット２が変形したりボード４から離れてし まうおそれもあった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記した従来の問題点を解決し、十分な剛性を持ち、しかもポケット の収納部分のスペースを広く確保することができるポケット付きドアトリムを提 供するために完成されたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決するためになされた本考案のポケット付きドアトリムは、ポ ケットのドアトリム側の下端部を上方へ立ち上げて垂直壁面を構成し、その上端 部に形成した嵌合部をドアトリム本体のボードの下端の嵌合部に嵌合させたこと を特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案のポケット付きドアトリムは、ポケットの下端部を上方へ立ち上げた垂 直壁面の上端部をドアトリム本体のボードの下端に嵌合したものであるから、従 来のようにポケットの収納部分に固定用のボスを設ける必要がなく、ポケットの 収納スペースを広く取ることができる。またポケットの下端部がドアトリム本体 のボードに固定されているために剛性が向上し、ポケットをつかんでドアの開閉 を行っても支障がない。更にドアトリム本体のボードの下端部がポケットで覆わ れるために、ボードの表皮材の端末処理を行う必要がなく、コストダウンを図る ことができる利点もある。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案を実施例によって更に詳細に説明する。 図１は本考案の第１の実施例を示す断面図であり、ポケット２のドアトリム側 の下端部に一体に成形された垂直壁面８の上端部にピン状の嵌合部９を形成し、 この嵌合部９をドアトリム本体１のボード４に形成された貫通孔である嵌合部10 に嵌合させたうえ、その先端を熱かしめすることにより、ポケット２をボード４ に取り付けてある。また11はドアパネルである。

【０００９】 図２は第２の実施例を示すもので、第１の実施例におけるポケット２の下端部 に肉盗み12を設けるとともに、ボード４の下端を縮小して軽量化とコスト低減を 図ったものである。なお、ポケット２の下端部に突起面13を設け、この部分をド アパネル11に当てることにより剛性を与えている。その他の構成は第１の実施例 と同様であるので、図中に同一の番号を付して説明を省略する。

【００１０】 図３は第３の実施例を示すもので、第２の実施例におけるポケット２の下端部 の突起面13を省略した例を示している。この場合には第２の実施例に比較して多 少の強度、剛性の低下が生ずるが、あまり大きい強度を必要としない場合にはこ の構造でも支障がない。

【００１１】 図４は第４の実施例を示すもので、ポケット２のドアトリム側の下端部に垂直 壁面８とともにインテグラルヒンジ14を設け、この部分を上方に折り返したうえ でピン状の嵌合部９の先端にインテグラルヒンジ14の貫通孔15を嵌め、ポケット ２をボード４に取り付けたものである。この構造とすれば他の実施例のような熱 かしめが不要となり、取り付け作業が容易となる利点がある。

【００１２】 図５に示す第５の実施例では、ポケット２のドアトリム側の下端部を立ち上げ た垂直壁面８の上端面に溝状の嵌合部９を設け、これをポケット２の下端部に直 接差し込んで嵌合させてある。

【００１３】

【考案の効果】

以上に説明したいずれの実施例の場合にも、ポケットの下端部を上方へ立ち上 げた垂直壁面の上端部をドアトリムのボードの下端に嵌合してあるので、従来の ような固定用のボスをポケットの収納部分に設ける必要がなく、収納スペースを 広く取ることができる。また本考案においてはポケットの下端部がドアトリムの ボードに固定されているためにポケットの剛性や強度が向上し、ポケットをつか んでドアの開閉を行ったような場合、あるいは熱を受けた場合にも変形したりす るおそれがない。更にこのほか、本考案によればドアトリムのボードの下端部が ポケットで覆われるためにボードの表皮材の端末処理を行う必要がないこと、ボ ードの下端部を縮小できるので軽量化やコストダウンを図ることができること等 の多くの利点がある。よって本考案は従来の問題点を一掃したポケット付きドア トリムとして、その実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す断面図である。

【図２】本考案の第２の実施例を示す断面図である。

【図３】本考案の第３の実施例を示す断面図である。

【図４】本考案の第４の実施例を示す断面図である。

【図５】本考案の第５の実施例を示す断面図である。

【図６】ポケット付きドアトリムの正面図である。

【図７】従来例を示す断面図である。

【図８】他の従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ドアトリム本体 ２ ポケット ４ ボード ８ 垂直壁面 ９ 嵌合部 10 嵌合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポケット(2) のドアトリム側の下端部を
   上方へ立ち上げて垂直壁面(8) を構成し、その上端部に
   形成した嵌合部(9) をドアトリム本体(1)のボード(4)
   の下端の嵌合部(10)に嵌合させたことを特徴とするポケ
   ット付きドアトリム。