JPH0686840B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JPH0686840B2
JPH0686840B2 JP60196370A JP19637085A JPH0686840B2 JP H0686840 B2 JPH0686840 B2 JP H0686840B2 JP 60196370 A JP60196370 A JP 60196370A JP 19637085 A JP19637085 A JP 19637085A JP H0686840 B2 JPH0686840 B2 JP H0686840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は学習制御と呼ばれる手法を用いたエンジンの制
御装置に関するものである。
〔従来技術〕
従来、エンジンの作動状態を適正に保つための制御を運
転状態が変化したときにも応答性良く行なうことができ
るようにするため、エンジンの作動状態に応じた制御量
を運転状態に対応させて記憶、更新し、その記憶値(学
習値)を制御に反映させる学習制御を行なうようにした
ものは知られており、例えば特開昭56−23566号公報に
は、点火時期を学習制御するようにした装置が示されて
いる。すなわちこの装置は、エンジンの作動状態として
ノッキング発生状態を調べ、これに応じて求めた点火時
期のリタード量(遅角量)を、エンジンの運転状態(例
えばエンジン回転数と吸気負圧)を区分した複数の記憶
領域を有する記憶手段の該当する記憶領域に記憶させ、
このリタード量の記憶値を修正していくことにより学習
値とし、この記憶手段に記憶された学習値に基いて点火
時期を制御するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記従来装置では、エンジンの作動状態(ノ
ッキング発生状態)に応じて増減補正した制御量(点火
時期のリタード量)をそのまま用いて学習値の記憶、修
正(書き換え)を行なうようにしているが、このように
すると、学習値の修正が繰返されても、一時的に作動状
態が変動した場合や制御誤差があった場合等の特殊な条
件下で修正された場合は、その後の一般的な条件下での
制御にとっては却って学習値が適正値からずれる結果を
招くような悪修正となる可能性がある。従って、作動状
態の一時的な変動等で学習値が悪修正されるのを防止す
ることが要求されるが、その一方で、作動状態の一時的
変動に対してもそれに迅速に対処してその変動に適合す
る制御を行うことが要求される。
本発明はこのような事情に鑑み、運転状態の区分毎に記
憶されて学習値となる制御量の修正を繰返すにつれてそ
の精度を高め、特に、作動状態の一時的変動に対して追
従性良く制御を行うようにしつつ、充分に精度が高めら
れた学習値が悪修正されることを防止し、エンジンの作
動状態に対する制御の追従性と制御の安定性とを両立さ
せることができるエンジンの制御装置を提供するもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の制御装置は、第1図の機能ブロック図に示すよ
うに、エンジンの作動状態(外的要因等に影響されるノ
ッキングの有無あるいは空燃比等の状態)を検出する作
動状態検出手段1と、この作動状態検出手段1によって
検出されたエンジンの作動状態に応じてエンジンの制御
量のフィードバック値を演算するフィードバック値演算
手段2と、エンジンの運転状態(主として運転操作によ
り定まるエンジン回転数や負荷の状態)を複数に区分し
た各記憶領域ごとにエンジンの制御量の学習値を記憶す
る記憶手段3と、上記フィードバック値と上記学習値と
に基づいて求められた制御量によってエンジンの制御を
行う制御実行手段4と、上記フィードバック値に基づい
てその時の運転状態に対応した上記記憶手段3の記憶領
域の学習値を修正する学習制御手段5と、上記学習制御
手段5による学習値修正時の修正度を、修正の回数が多
くなるほど小さくする学習修正度決定手段6と、上記フ
ィードバック値演算手段2により演算されたフィ−ドバ
ック値は上記学習値修正回数と無関係に一定の反映度で
制御量に反映させて、このフィードンバック値とその時
の運転状態に対応した上記記憶手段3の記憶領域から読
み出した学習値とからエンジの制御量を演算して、この
制御量を上記制御実行手段4に与える制御量演算手段7
とを備えている。
〔作用〕
上記構成によると、運転状態の区分毎に記憶手段に記憶
され、修正される学習値を、初期の段階ではフィードバ
ック値に応じて比較的大きな修正度で修正するが、この
修正が繰返されて学習値の精度が高められるにつれ、修
正度を小さくすることによりフィードバック値が学習値
に与える影響を小さくする。特に、制御には学習値と上
記フィードバック値そのものとが用いられて、フィード
バック値は学習値修正回数と無関係に一定の反映度で制
御量に反映されることにより、エンジン作動手段の一時
的変動に対して追従性良く制御が行われつつ、学習値は
上記のような修正度の調整で学習の繰返しにつれて安定
化される。
〔実施例〕
第2図および第3図は本発明装置の一実施例を示し、こ
の実施例ではエンジンの作動状態としてノッキングを検
出し、エンジンの制御量として点火時期のリタード量を
制御する場合について示している。第2図はこの実施例
装置の全体構造を示し、この図において、11はエンジン
のシリンダ、12はシリンダ11内の燃焼室、13は吸気通
路、14は排気通路であり、上記吸気通路13にはスロット
ル弁15および燃料噴射弁16等が配設されている。また。
上記燃焼室12には点火プラグ17が臨設され、この点火プ
ラグ17に対してイグニッションコイル18、ディストリビ
ュータ19およびイグナイタ20が配設されて周知の点火装
置が構成されており、イグニッションコイル18はバッテ
リ(BAT)に接続されている。
また、21は点火時期を制御する制御ユニット(ECU)で
あって、所定クランク角を検出するクランク角センサ22
と、シリンダ11の壁面に取付けられてエンジのノッキン
グによる振動を検出するノックセンサ23と、エンジン負
荷に相当するスロットル弁15下流の吸気負圧を検出する
負圧センサ24とからの各検出信号を受け、イグナイタ20
に制御信号を出力している。
上記制御ユニット21は、第3図に示すように、CPU25
と、プログラム等を記憶するROM26と、後述する点火時
期リタード量の学習値やその他の各種データを記憶する
RAM27とを有するとともに、クランク角センサ22からの
信号に対する入力回路28と、ノックセンサ23および負圧
センサ24からの信号を処理する入力回路29、マルチプレ
クサ30およびA/D変換器31と、イグナイタ20に制御信号
を出力するためのタイマ32および駆動回路33と、基準ク
ロックのカウンタ34とを備えている。35は制御ユニット
21内のバスである。
上記RAM27は、複数の記憶領域に点火時期リタード量の
学習値を記憶する記憶手段として、第4図に図式化して
示すような学習値マップMを有している。この学習値マ
ップMは、吸気負圧とエンジン回転数とによる運転状態
を区分した複数の学習ゾーンZ1,Z2…Zn…ごとの記憶エ
リアに、点火時期リタード量の学習値θlを記憶し得る
ようになっている。さらにRAM27には、図示しないが、
学習値マップMに対応した各学習ゾーンZ1,Z2…Zn…ご
とに後記の学習回数CNTを記憶するマップ等が含まれて
おり、またROM26には、運転状態に対応した基本点火時
期の進角値を記憶するマップ等が含まれている。
そしてCPU25は、後述のフローチャートに従った制御を
行なうことにより、本発明におけるフィードバック値演
算手段、制御実行手段、学習制御手段、学習修正度決定
手段および制御量演算手段を構成し、運転状態に応じた
点火時期リタード量の学習値とノック発生状態に応じた
フィードバック値とに基づいて点火時期を制御するよう
にしている。
上記CPU25による制御を、第5図および第6図のフロー
チャートによって説明する。
第5図はメイルーチンを示し、先ずステップR1で後述す
るθk,θsum,Nkn,θlの各レジスタの値と、θlセーブ
エリア,CNTセーブエリアの各内容をそれぞれ0と初期化
してから、ステップR2でエンジン回転数(rpm)および
吸気負圧(BST)に基いて基本点火時期θbを算出し、
このステップR2の処理を繰返す。
第6図は割込ルーチンを示し、この割込は一定クランク
角(例えばBTDC60゜)ごとに行なう。割込みを開始する
と、先ずステップS1,S2で、センサ23,24からの信号に基
づくノックデータ(KN)および吸気負圧データ(BST)
の入力と、割込周期によるエンジン回転数(rpm)の算
出とを行なう。そして上記吸気負圧データとエンジ回転
数とで調べた運転状態に応じ、ステップS3で学習値マッ
プMの区分による現在の学習ゾーンを調べてこれをZnew
レジスタに記憶させる。次にステップS4で、現在と前回
とで運転状態が同一の学習ゾーン(Znew=Zold)にある
か否かを調べ、その判定結果がYESであれば後述するス
テップS18以下の通常のノック制御に移り、判定結果がN
OであればステップS5に移る。
ステップS5〜S12は学習値を修正するための処理であっ
て、当実施例では、運転状態が異なる学習ゾーンに移行
したとき、移行前の学習ゾーンZoldを対象としてこの対
象ゾーンZoldの学習値θlを修正するようにしている。
すなわち、対象ゾーンZoldについて、エンジンが始動さ
れてからこれまでに行なわれた学習値修正の回数CNTを
マップの記憶エリアから読出し(ステップS5)、次に、
前回までに後述するステップS22で求められている対象
ゾーンZoldで発生したノック回数Nknが所定回数以上か
否かを調べる(ステップS6)。この判定結果がNOの間は
ステップS7〜S12を飛ばして後記ステップS13〜S26の処
理(フィードバック値演算、制御実行等)が行われる。
その後、ステップS6の判定がYESとなれば、上記ノック
回数Nknと、前回までに後述するステップS21で求められ
たノック発生時の点火時期リタード量の累計値θsumと
に基づき、平均リタード量(θave=θsum/Nkn)を求め
る(ステップS7)。次に、学習値修正回数に応じた値f
(CNT)を修正度Klとする学習修正度決定手段6として
の処理(ステップS8)を行ない、この場合、修正度Kl
は、第6図中に示すように1以下の値で、かつ修正回数
CNTが多くなるほど小さな値とする。それから、学習制
御手段5の処理として、上記修正度Klと旧学習値θlと
平均リタード量θaveとに基いて新たな学習値θlを
[θl=θl・(1−Kl)+Kl・θave]と演算し(ス
テップS9)、この新たな学習値θlを学習値マップMの
上記対象ゾーンZoldに相当する記憶エリアにセーブする
(ステップS10)。
さらに学習値修正回数CNTをインクリメントし(ステッ
プS11)、このデータCNTをマップの上記対象ゾーンZold
に対応する記憶エリアにセーブ(ステップ12)してか
ら、ステップS13に移る。
ステップS13〜S26は点火時期を制御する処理であり、フ
ィードバック値演算手段2、制御量演算手段7および制
御実行手段4としての処理に相当する。このうちステッ
プS13〜17は、運転状態が別の学習ゾーンに移行したと
きに行なわれる予備的処理である。この処理において
は、現在の学習ゾーンZnewのデータをZoldレジスタにセ
ットする(ステップS13)とともに、現在の学習ゾーンZ
newに相当する学習値マップMの記憶エリアから学習値
θlを読出してθkレジスタにセットし(ステップS14,
S15)、かつ後記累計値θsumおよびノック回数Nknを0
とクリアする(ステップS16,S17)。
次にステップS18〜S26ではノック発生状態に応じた点火
時期の制御を行なう。すなわち、ノック発生の有無を調
べ(ステップS18)、ノック発生時にはその大きさの関
数f(KN)として演算したリタード増量値(フィードバ
ック値)θknだけ点火時期のリタード量θkを大きする
大きさに応じた値f(KN)がそのままフィードバック値
となり、一定の反映度で制御に反映される。さらにノッ
ク発生時のリタード量の累計値θsumを求めるとともに
ノックカンウンタをインクリメントする(ステップS21,
S22)。また、ノックが発生してないときにはリタード
量θkが0でない限り一定の微小値θiだけリタード量
θkを小さくする(ステップS23,S24)。その後、基本
点火時期の進角値θbとリタード量θkとに基いて最終
点火時期θを演算し(ステップS25)、これをタイマー
にセット(ステップS26)してからメインルーチンに復
帰する。
以上のようなエンジンの制御装置によると、学習値マッ
プMに記憶されたリタード量の学習値θlが点火時期の
制御に反映され、つまり上記フローチャートに示す制御
例では、運転状態が同一学習ゾーンい保たれているとき
はノック発生状態に応じた通常のフィードバック制御
(ステップS18〜S26)を行なうが、運転状態が異なる学
習ゾーンに移った直後のリタード量の初期値として学習
値マップMに記憶された学習値θlが利用される(ステ
ップS14,S15)。こうして、制御量の学習値θlとリタ
ード量増量値(フィードバック値)θknとにより、運転
状態の変動に対して点火時期が応答性良く制御される。
そして上記学習値θlはフィードバック制御に基づくリ
タード量(平均リタード量)に応じて逐次修正され、適
正化が図られる。
とくに本発明の装置では、前記のステップS9における演
算により学習値θlを修正するにあたり、ステップS8で
の処理により、それまでに行なわれた学習値の修正回数
CNTが少ないうちは修正度が大きな値(1に近い値)と
され、従って学習値θlがフィードバック制御に基づく
リタード量に近似した値に修正されるが、修正回数CNT
が多くなるにつれて修正度Klが小さくされる。これによ
り、学習値の修正が繰返されるにつれ、それまでに行な
われたフィードバック制御の結果が学習値に反映されて
学習値の精度が高められるとともに、修正度が小さくさ
れることで学習値が安定化され、学習値の悪習性が防止
される。つまり、ノッキング発生状態の変動や制御誤差
があった場合等の特殊条件下では、フィードバック制御
によるリタード量がその後の制御に反映されるべき適正
値からずれることがあるが、このような場合でも、既に
充分に修正が繰返されて学習値の精度が高められていれ
ば、修正度Klが小さくされるため、学習値が不当に大き
く修正(悪修正)されることがない。
しかも、制御量演算および制御実行の処理では、以前の
学習値θlにフィードバック値がそのまま累積加算され
る(ステップS18〜S25)ので、実際の制御はノッキング
発生状態の一時的変動にも迅速に追従したものとなる。
なお、上記実施例では運転状態が異なる学習ゾーンに移
行したとき点火時期リタード量の学習値も修正する一
方、記憶手段から読出した学習値を同一学習ゾーン内で
のリタード量の初期値として利用しているが、同一学習
ゾーン内でも学習値の修正および学習値による制御を繰
返すようにしてもよい。
また本発明の制御装置は、上記実施例に示す点火時期の
制御に限らず、他のエンジンの制御量を学習制御する場
合、例えば02センサ等の出力に応じてもとめられる燃料
噴射量の学習値に基いて空燃比を制御する場合等にも採
用し得るものである。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、記憶手段の運転状態の区分に対
応した記憶領域ごとにエンジンの制御量の学習値を記憶
させ、これをフィードバック制御に応じて繰返し修正
し、制御に反映させるようにする装置において、学習値
とフィードバック値とに基づいて求められた制御量によ
って制御を実行し、この場合にフィードバック値は上記
学習値修正回路と無関係に一定の反映度で制御量に反映
させるようにする一方、学習値の修正度を学習回数が多
くなるにつれて小さくした上でこれを制御に反映させる
ようにしている。このため、作動状態の一時的変動が生
じた場合等に、上記フィードバック値を用いて実際の制
御は上記変動に迅速に追従するようにしつつ、それまで
に充分な修正の繰返しが行われている場合にはこれによ
って一般的条件下に適合するように適正化された学習値
が悪修正されることを防止し、制御の追従性と安定性を
両立させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示す機能ブロック図、第2図は
本発明の一実施例装置の概略図、第3図は制御ユニット
のブロック図、第4図は学習値を記憶するマップを模式
的に示す説明図、第5図および第6図は制御のフローチ
ャートである。 1……作動状態検出手段、2……フィードバック制御手
段、3……記憶手段、4……学習制御手段、5……学習
修正度決定手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 力武 知嗣 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 田原 良隆 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−121842(JP,A) 特開 昭56−151267(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの作動状態を検出する作動状態検
    出手段と、 この作動状態検出手段によって検出されたエンジンの作
    動状態に応じてエンジンの制御量のフィードバック値を
    演算するフィードバック値演算手段と、 エンジンの運転状態を複数に区分した各記憶領域ごとに
    エンジンの制御量の学習値を記憶する記憶手段と、 上記フィードバック値と上記学習値とに基づいて求めら
    れた制御量によってエンジンの制御を行う制御実行手段
    と、 上記フィードバック値に基づいてその時の運転状態に対
    応した上記記憶手段の記憶領域の学習値を修正する学習
    制御手段と、 上記学習制御手段による学習値修正時の修正度を、修正
    の回数が多くなる程小さくする学習修正度決定手段と、 上記フィードバック値演算手段により演算されたフィー
    ドバック値は上記学習値修正回数と無関係に一定の反映
    度で制御量に反映させて、このフィードバック値とその
    時の運転状態に対応した上記記憶手段の記憶領域から読
    み出した学習値とからエンジンンの制御量を演算して、
    この制御量を上記制御実行手段に与える制御量演算手段
    と を設けたことを特徴とするエンジンの制御装置。
JP60196370A 1985-09-05 1985-09-05 エンジンの制御装置 Expired - Fee Related JPH0686840B2 (ja)

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