JPH0686510A - 巻線形回転電機の刷子引き揚げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 巻線形誘導電動機の大容量化と、刷子の保守
点検間隔を長くすること。 【構成】 巻線形誘導電動機の刷子引き揚げ装置におい
て、集電環の両側に二つの刷子保持器支持枠６，６を配
置し、その各上端と昇降体１０との間に連結板１３を各
々設け、各連結板には長手方向のスロット１３Ａを形成
し、このスロットに心棒１４が通っており、この心棒は
電動機の枠に固定したものである。 【効果】 二つの刷子保持器支持枠があるので刷子の数
を２倍に出来る。連結板がそのスロットを介して心棒に
案内されるので刷子保持器支持枠の開きが大きくなり、
長い刷子を使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は巻線形回転電機に関す
る。より詳しくは巻線形回転電機の刷子引き揚げ装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図３および図４は巻線形回転電機例えば
巻線形誘導電動機の従来の刷子引き揚げ装置を示す。図
３の(a) は刷子が集電環に接している時の刷子引き揚げ
装置の正面図、図３の(b) はその側面図である。図４の
(a) は刷子が集電環から引き揚げられている時の刷子引
き揚げ装置の正面図、図４の(b) はその側面図である。
これら図において、１は回転子軸、２は回転子軸１に固
着され回転子コイルを集電する集電環、３は刷子保持
器、４は刷子保持器３にばねバイアスされて装着された
刷子、５は各相間を隔離する絶縁板、６は刷子保持器支
持枠である。この刷子保持器支持枠６に刷子保持器３お
よび絶縁板５が装着されている。７は駆動装置、８は駆
動装置７を駆動するための操作モータ、９は駆動装置７
を手動で駆動するためのハンドル、１０は駆動装置７の
作動により上下に運動する昇降体、１１は短絡時に集電
環２と接触し短絡するための短絡環、１７は刷子保持器
支持枠６の下端を枢支している支持棒である。

【０００３】次に動作について説明する。回転電機を起
動する場合は、全ての部品が図３の位置にある。短絡運
転（定速運転）に切替える場合は、操作モータ８を回転
させ、この回転運動を駆動装置７が上下運動に変換して
昇降体１０を図４の(b) に示す如く上昇させる。そのた
め、昇降体１０に上端がスロットを介して連結されてい
る刷子保持器支持枠６は支持棒１７を中心に回動する。
かくして刷子保持器支持枠６に取り付けられている刷子
保持器３の刷子４が集電環２より引き揚げられる。次に
ほぼ連続して短絡環１１が集電環に接触し短絡運転とな
る（図４）。手動でも、ハンドル９を回すことにより上
述と同じように短絡運転に切替えることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の刷子引き揚げ装
置は以上のように構成されているので、各相に対し刷子
保持器を１個しか設けることが出来ず、刷子は２個に限
定され、刷子の電流密度の関係で回転電機の容量が制限
されるという問題点や、刷子を長くすると完全に集電環
より引き揚げることが出来ず、刷子は短い長さのものに
限定され、従って短時間で刷子が摩耗するという問題点
があった。

【０００５】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、刷子の長さを長くでき、かつ刷
子の個数を増すことが出来る刷子引き揚げ装置を得るこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る刷子引き揚
げ装置は集電環の両側に二つの刷子保持器支持枠を配置
し、その各上端と昇降体との間にこれらに枢結された連
結板を各々設け、この各連結板にはその長手方向に沿っ
て設けられたスロットが形成されており、この各スロッ
トに心棒が通っていて、この心棒は回転電機の枠に固定
されているというものである。

【０００７】

【作用】この発明における刷子引き揚げ装置は、一つの
集電環に対して二つの刷子保持器支持枠を設けているの
で、刷子の数を２倍に出来、かくして電流密度を２倍に
上げることが出来、回転電機の容量を刷子によって制限
されなくする。また、昇降体と刷子保持器支持枠との間
に連結板を設け、この連結板にスロットを設けてこのス
ロットを通る心棒を回転電機の枠に固定したので、刷子
保持器支持枠の開きを大きく出来、かくして長い刷子を
使用することが出来る。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１および図２
について詳細に説明する。図において、２は集電環、３
は刷子保持器、４は刷子、６は刷子保持器支持枠、１０
は図３の駆動装置７と同じ機構により上下される昇降
板、１３は刷子保持器支持枠６の上端と上下板１０を連
結する連結板、１３Ａは連結板に形成されたスロット、
１４は連結板１３をガイドするために前記スロット１３
Ａ内を摺動可能に通り回転電機の枠に固着されている心
棒、１５は昇降体１０と連結板１３を枢結するためのピ
ン、１６は連結板１３と刷子保持器支持枠６を枢結する
ためのピン、１７は刷子保持器支持枠６の下端を回転電
機の枠に枢支するための支持棒である。

【０００９】図１は刷子が集電環に接している時の状態
を示し、図２は刷子が集電環から引き揚げられた時の状
態を示している。図１の状態から、操作モータ８の回転
により駆動装置７が昇降体１０を下方へ移動させると、
その間、連結板１３は、心棒１４により案内されて、そ
の下端（すなわち刷子保持器支持枠６の上端）を集電環
２から離れる方向に移動させる。かくして図２の状態に
なる。刷子４を集電環２に接触させる場合は操作モータ
８を逆転させる。かくして昇降体１０は上昇して図１の
状態になる。なお、短絡環の構造および作動機構などは
従前と同じである。

【００１０】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、刷子
保持器支持枠６を集電環２の両側に二つ設けられるので
刷子４を従来のものより２倍多く設けることが出来、
回転電機を大容量化出来る。また、刷子保持器支持枠６
の上端と昇降体１０との間に連結板１３を設けているの
で、刷子保持器支持枠６の引き揚げ長さが大きくなり、
長い刷子を使用することが出来、刷子の取替期間を長く
出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の巻線形回転電機の刷子引き揚げ装置
を、刷子が下がった状態にて示す正面図である。

【図２】図１の刷子引き揚げ装置を、刷子が引き揚げら
れた状態にて示す正面図である。

【図３】従来の刷子引き揚げ装置を、刷子が下がった状
態にて示す図であり、図３の(a) は正面図、図３の(b)
は側断面図である。

【図４】図３の刷子引き揚げ装置を、刷子が引き揚げら
れた状態にて示す図であり、図４の(a) は正面図、図４
の(b) は側断面図である。

【符号の説明】

１ 回転子軸 ２ 集電環 ３ 刷子保持器 ４ 刷子 ６ 刷子保持器支持枠 １０ 昇降体 １３ 連結板 １３Ａ スロット １４ 心棒

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻線形回転電機の回転子軸に装着された
   回転子コイルの集電をなす集電環に対して、回転子リー
   ドを外部へ引き出すための刷子を揚げ下げするための巻
   線形回転電機の刷子引き揚げ装置において、 一端が前記回転電機の枠に枢支され集電環に隣接する部
   分に刷子を担持した刷子保持器を有する刷子保持器支持
   枠を一対、前記集電環の両側に配置し、 前記の一対の刷子保持器支持枠の他端を前記集電環から
   引き揚げたり下げたりするために、回転子軸に対して放
   射方向に移動せしめられる一つの昇降体に前記の一対の
   刷子保持器支持枠の前記他端を各々連結板を介して連結
   し、各連結板の両端は前記昇降体と刷子保持器支持枠と
   にそれぞれ枢結されており、 前記連結板はその長手方向に延びたスロットを有し、こ
   のスロットには前記回転機の枠に固定された心棒が通っ
   ていることを特徴とする巻線形回転電機の刷子引き揚げ
   装置。