JPH068536Y2 - フロ−テスタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等のペースト状
物質の溶融粘性、流動性の測定に用いられるフローテス
タに関する。

［従来の技術］ 熱可塑性樹脂等の粘度測定に用いられる粘度計として、
チャンバー内に充填されている溶融試料をプランジャに
よってダイのノズル穴を通して押し出し、その流出速度
から試料の粘度を求める細管式のフローテスタがある。
その構成特にチャンバーはたとえば実開昭５７−１５９
１４６号「フローテスタ」に示す構造をなしている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記したフローテスタにおいて、エポキシ樹脂等の熱可
塑性樹脂を試料として測定する場合、試料がチャンバー
の内面やノズル中に付着し試験後の清掃が困難でかつ危
険がともなうという問題点があった。すなわち、少しで
もチャンバー内の温度が下がると残りかすの試料が硬化
し残滓の除去が益々困難になるとともに、清掃作業はチ
ャンバー等が熱い間に行なわねばならないので作業者が
火傷を負いやすい。

また、付着した残滓を無理にこすり落すためチャンバー
内面、プランジャ、ノズルなどの試料と接する重要な部
分に疵がつき、データ精度に悪影響を及ぼすとともに、
試験器具の寿命を短くするという問題点もあった。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上記問題点を解決するため次のような構成を採
用した。

すなわち、本考案にかかるフローテスタは、出口側にダ
イが設けられたチャンバー内に収納された試料をプラン
ジャで押圧してダイのノズル穴から流出させ、その流出
速度から試料の粘度を測定するように構成されたフロー
テスタにおいて、前記チャンバーとチャンバー内に挿入
されるプランジャとの摺接部に、着脱自在なライニング
を設けたことを特徴としている。

［作用］ チャンバー内のプランジャと摺接する部分にライニング
が設けられており、試験ごとにライニングを取り出して
クリーニングすることができるので、チャンバー内の残
滓を清掃する困難な作業が容易になる。

［実施例］ 第１図、本考案の１実施例をあらわすもので、このフロ
ーテスタ１は、芯部に通孔２を有するチャンバー３と、
この通孔２に嵌着されるライニング５と、該ライニング
５の出口側に密着させて設けられたダイ６を備え、この
ダイ６は、チャンバー３の凹状受部８に螺合されるダイ
押え７によって支持されている。

上記チャンバー３は、内周面に沿つてヒータ９が埋設さ
れた筒状ホルダ10の内部に嵌着されている。ホルダ10の
上下端面には押え板１５，１５′が設置され、チャンバ
ー３の端部に係合している。

ライニング５は、ダイ６側からチャンバー３の通孔２に
挿入し、先端部をチャンバー３上端部から突出させた状
態で嵌着されている。ライニング５の内径は試験に必要
な寸法に形成され、チャンバー３の通孔２の内径はライ
ニング５の肉厚分だけ大きくなっている。

このフローテスタ１を用いて試験を行なう場合は、ライ
ニング５内に試料13を入れ、ヒータ９に通電して所定温
度に加熱する。試料13が加熱され溶融したらライニング
５に挿入されるプランジャ12によって試料13を加圧し、
溶融した試料13をダイ６のノズル穴６ａから流出させ、
その流出速度を測定することにより試料の粘度を求め
る。このライニング５、ダイ６、プランジャ12の組合せ
のセットをカートリッジとして複数組準備しておき、一
回の試験が終了すれば、その都度新しいカートリッジに
取り替えて試験を行なえば便利である。このような交換
使用を行なうことで、チャンバー５内の清掃作業をの都
度行なう必要がなくなる。使用済のカートリッジは試験
機とは別の所で充分な時間をかけて清掃すればよい。こ
の時、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を試料としている
場合に、クリーニング専用のジグ等と共に高い温度のま
まで試験機から切り離して清掃することができる。

図示例のものは、ライニング５の頭部がチャンバー３か
ら少し突出した状態で嵌着されているので、この頭部を
押し込むことによって容易にライニング５を離脱させる
ことができる。ライニング５とチャンバー３内面との嵌
合部に上部（挿入側）の径が細く下部（反対側）の径が
太くなるような抜きテーパ（角α）をつけておけば、更
に容易に離脱させることができる。

ライニングの寸法としては、熱伝導をよくするためにで
きるだけ薄い方が望ましく、また熱膨張を考慮して材質
としては、チャンバーと同材質の方が望ましい。

上記実施例では、ライニングとダイを分離形にしたが、
場合によっては両者を一体的に作成したものを使用して
もよい。またライニングとプランジャとダイをセットと
しカートリッジとして構成したが、必ずしもセットにす
る必要はなく、清掃の必要度に応じてバラバラに分離し
て取扱うようにしてもよい。

［考案の効果］ 上記説明から明らかなように、本考案にかかるフローテ
スタは、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を試料として試
験する場合でも、試験機本体を傷つけることなく容易に
清掃が行なえるとともに、試験能率を向上することがで
きるようになった。

なお、このフローテスタを使用すれば、ライニングの材
質を試験パラメータとすることも可能であり、単なる流
れ試験だけでなく、最適の材質の組合せを選ぶための試
験を行なうことも可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の構成を示す断面図である。 ３……チャンバー、５……ライニング ６……ダイ、７……ダイ押え 12……プランジャ、13……試料

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】出口側にダイが設けられたチャンバー内に
   収納された試料をプランジャで押圧してダイのノズル穴
   から流出させ、その流出速度から試料の粘度を測定する
   ように構成されたフローテスタにおいて、前記チャンバ
   ーとチャンバー内に挿入されるプランジャとの摺接部
   に、着脱自在なライニングを設けたことを特徴とするフ
   ローテスタ。